JPH0794479B2 - グラム陰性菌のエンドトキシンに対するモノクロナ−ル抗体 - Google Patents

グラム陰性菌のエンドトキシンに対するモノクロナ−ル抗体

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JPH0794479B2
JPH0794479B2 JP59503858A JP50385884A JPH0794479B2 JP H0794479 B2 JPH0794479 B2 JP H0794479B2 JP 59503858 A JP59503858 A JP 59503858A JP 50385884 A JP50385884 A JP 50385884A JP H0794479 B2 JPH0794479 B2 JP H0794479B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は免疫学および微生物学の分野に属し、異なる属
のグラム陰性菌も持つているグラム陰性菌のリポポリサ
ツカライド(LPS)の抗原決定基と反応する哺乳動物の
モノクローナル抗体に関する。
背景技術 ここ20年間、グラム陰性菌は病院の患者における致命的
細菌感染の主たる原因になつている。毎年、病院におい
て感染した菌血症患者は米国内の病院においてほぼ194,
000人に達し、そのうち、約75,000人が死亡している。M
aki,D.G(1981)ノスコミナル インフエクシヨン(Dix
on RE 編)pp183-196,Yorke Medicai Books,米国。こ
の最近における病院での感染についての疫学的検討にお
いて、6種の主要グラム陰性バチルスが最も病因となる
細菌であることが報告されている。これらは、エシエリ
ヒア コーリ(Escherichia coli)シユードモナス ア
エルギノサ(Pseudomonas aeruginosa),プロテウス
(Proteus),クレブシエラ(Klebsiella),エンテロ
バクター(Enterobacter)およびセラチア(Serratia)
である。
現在のところ、病院での感染に対する主たる対抗手段は
抗生物質である。しかしながら、抗生物質による治療は
グラム陰性菌に対しては非常に顕著に死亡率を低下させ
ているようには考えられない。ブラウデ(Brande)等19
77 J・Infect.Dis136,pp167-173抗生物質の短所は、グ
ラム陰性菌の外膜が薬剤に対して被透過性であること、
および細菌のエンドトキシンによつて生じる致死シヨツ
クを防げる能力が無いことに帰因するのであろう。
この10年間、病院での感染を制御するために抗生物質に
対する変性または補促として受け身免疫を生じさせるこ
とがいくつかのグループによつて試みられた。エンドト
キシンに対する抗血清が毒性作用を防止および消失さ
せ、かつ細胞内皮系による循環からグラム陰性細菌の除
去を促進できるであろうことが期待された。
グラム陰性細菌による敗血症からのシヨツクの臨床上の
情況はエンドトキシンによつて実験的に誘導されるシヨ
ツクと同一であり、グラム陰性菌による敗血症から生じ
るシヨツクはしばしば「エンドトキシンシヨツク」と称
される。これは、エンドトキシンがグラム陰性菌の外膜
の表面に存在し、その場所で体液と反応しかつエンドト
キシンの注射後に見られるのと同じ心配を起すためであ
ると考えられる。
グラム陰性菌のエンドトキンシはリポポリサツカライド
(LPS′)である。エンドトキシンには少くとも3つの
主要な抗原性領域がある。ルーデリツツ(Luderitz)等
(1982)Curr.Top.Membr.Transp.17,79-151。理論的に
は、各領域は保護抗体または抗エンドトキシンの攻撃目
標である。LPS′の3つの抗原性領域はリピツドA、コ
アポリサツカライドおよびO特異性ポリサツカライド
(O特異性鎖または単にO抗原とも言う)である。LP
S′の図解図は第1A図に示されている。O特異性ポリサ
ツカライドは細菌の種および血清学的タイプによつて著
しく変化する。しかしながら、大部分のグラム陰性菌の
リピツドAおよびコアポリサツカライドは、例え同一で
なくても、同じ構造を共有している。これは、コア−リ
ピドA結合の両側の領域について特に正しい。LPSのこ
の領域は常にリン酸残基、2−ケト−3デオキシ−D−
マンノ−オクトネート(KDO)およびD−グルコサミン
を含み、かつ普通L−グリセロール−D−マンノ−ヘプ
トースを含んでいる(第1B図参照)。
細菌のラフ株において、O特異性ポリサツカライドは、
O抗原を合成するのに必要な酵素またはそれらがコアに
付着するのに必要な酵素を失わせる変異によつて消失し
た。チーグラー(Ziegler)および共同研究者はLPSのコ
アに対する抗体は、そのコア抗原が同一であるため全て
のグラム陰性菌のエンドトキシンと均一に反応するであ
ろうという仮定に基いて、未被覆コア領域に対する従来
の(ポリクローナル)抗血清を開発した。チーグラー等
(1973)J.Immunol III 433〜438。コアグリコリピツド
に対する抗体を生産するために、彼等はE.coli 0111:B4
のラフ変異株からJ5として知られているワクチンを調製
した。このE.Coli変異株はS.minnesota Rc LPSのものと
同様なLPS 化学型(コア炭水化物鎖長)を持つている
(第1C図)。免疫後に得たウサギ抗血清はJ5抗血清と命
名された。この8年間に、この研究グループは、J5抗血
清が種々のグラム陰性菌からのエンドトキシンの毒性作
用を防止し、免疫抑制された動物中の致命的菌血症から
防御することができることを示した。
同様な手段を用いて、マクケーブ(McCabe)およびその
研究者等は、サルモネルミネソタ(Salmonella minneso
ta)のReラフ変異株に対するウサギ抗血清が顆粒球減少
症のウサギを致命的菌血症から防御し、かつマウスを不
均質エンドトキシンによる致命的攻撃から防御すること
を示した。McCabe等(1977)J.Infect.Dis 136 pp 161
〜166。別の研究において、シユードモナス アエルギ
ノサ(Pseudomonas aeruginosa)に対する多価ヒドグロ
ブリンによつてマウスが致命的感染から防御された。こ
の抗血清はほとんど交叉防御をもたらさない。フイツシ
ヤー(Fisher)M.W.(1977)J.Infect.Dis.136 pp181-1
85。
極く最近、LPSの抗コアグリコリピドがヒトに予防接種
することにより調製された。チーグラー(Zeigler)等
(1982)N.Eng.J.Med.307 1225-1230。この抗血清を重
症の菌血症患者に投与した場合、菌血症による死亡率は
対照に比較して事実上半減した。重大なグラム陰性菌シ
ヨツクを受けた患者のうち、回復率は対照の24%からこ
の抗血清によつて治療を受けたものでは54%に上昇し
た。予防のために使用されたヒト抗血清によつて、グラ
ム陰性菌感染による好中球減少症患者における発熱、病
的状態および菌血症が減少した。
しかしながら、前記の報告に示された抗LPS血清はほと
んど理解されていない。いくつかの事例では、反対の結
果が生じた。デイビス(Davis)等(1969)J.Immurol.1
02,563-572は、例えば、LPSに対するラツト抗血清がマ
ウスにおいてエンドトキシンに対して致命的過敏症を誘
導することを見出し、一方、同じ報告において、彼等は
LPSに対するウサギの抗血清がエンドトキシンによる死
亡率を低下させたことを見出している。要約すれば、観
察された防御効果は、用いられる従来の抗血清の組成お
よび力価、試験された細菌の正確な株、抗原または抗体
の投与径路、血清学的治療に使用される調査書に依存し
て、変わることがある。
血清学的治療における従来の抗血清の可変的効果を克服
するために、ヤング(Young)等(1982)Clin.Resear c
h 30,522a,は免疫原としてサルモネラ ミネソタ R595
LPSを用いてモノクローナル抗体を調製した。これら抗
体は、菌血病の動物モデルにおいて、単一種のグラム陰
性菌に対して僅かに中程度に防御することを見出した。
LPSのリピツドA部分はエンドドキシン活性に必要であ
ることが知られているが、その毒性に応答するリピツド
A上の正確な抗原決定基は依然として不明であつた。前
記ルードクリツツ等参照 発明の要約 本発明は、異なる複数の層のグラム陰性菌のリポポリサ
ツカライド(LPS′)分子に共通なLPSの領域と反応する
哺乳動物モノクローナル抗LPS抗体、およびこの抗LPS抗
体の診断および治療への使用に関する。本発明のモノク
ローナル抗LPS抗体は、異なる複数の属にわたるグラム
陰性菌と反応する。この抗体の広範な交叉反応性は、こ
の抗体が、実質上全てのタイプのグラム陰性菌に共通す
るグラム陰性菌エンドトキシンのリピツドA領域および
/またはコア領域と反応するという事実に帰因するので
あろう。重要なことに、本発明の抗LPS抗体はグラム陰
性菌感染による致死作用からマウスを防御し、更にグラ
ム陰性菌のエンドトキシンの生体内での致死作用を中和
する。更に、本発明はモノクローナル抗LPS抗体を生産
する哺乳動物ハイブリドーマセルラインのような永久抗
体生産細胞に関する。
本発明の哺乳動物モノクローナル抗LPS抗体は多くの診
断および治療の用途に有用であり、これらの用途として
は、グラム陰性菌およびグラム陰性菌からのエンドトキ
シンの検出、グラム陰性菌感染および哺乳動物のエンド
トキシンシヨツクの治療、および哺乳動物の細菌感染に
対する予防を含む。
図面の簡単な説明 第1図はグラム陰性菌のリポポリサツカライド、すなわ
ちエンドトキシンの主要な構造上の特徴を要約するもの
である。この図はLPSの抗原性領域のブロツク図(第1A
図)、サルモネラLPSの図解図(第1B図)を含み、ま
た、サルモネラLPSの3種のラフ変異株化学型について
の炭水化物鎖の末端の位置を示す。
第2図はラジオイムノアツセイ(RIA)によつて測定さ
れたそれぞれ、E.coli J5 LPS(第2A図),S.minn Re LP
S(第2B図)、および遊離リピドA(第2C図)に対する
ネズミモノクローナル抗LPS抗体についての抗原稀釈曲
線を示す。
第3図はネズミモノクローナル抗LPS抗体8A1の異なる属
または種のグラム陰性菌からの一組のLPS分子に対する
結合を、電気泳動免疫ブロツト検定により測定したもの
である。
第4図は第3図のようにヒトモノクローナル抗LPS抗体H
M16Aの結合を示す図である。
第5図はネズミモノクローナル抗LPS抗体5E4とP.アエル
ギノサの17の血清学的タイプとの結合を示し、各血清学
的タイプは化学的に区別されるLPS O特異性ポリサツカ
ライドを表わす。
第6図は8A1および5E4ネズミモノクローナル抗LPS抗体
混合物による、遊離リヒドAの致死毒性効果の生体内中
和を示す。
第7図は8A1および4A10ネズミモノクローナル抗LPS抗体
の混合物による、S.ミネソタRe LPSの致死毒性効果の生
体内中和を示す。
第8図はグラム陰性菌の3つの科および8つの属の代表
的な19種から誘導される遊離リピツドAによる、8A1抗L
PS抗体の交叉反応性を示すものである。
発明の詳細な記述 本発明の哺乳動物モノクローナル抗LPS抗体は複数の属
にわたつてグラム陰性菌と反応する。この抗体はLPS分
子上の特定の抗原決定基と反応し、これらの抗原決定基
は大部分のグラム陰性菌に共通する。血清学的に特異な
抗体と異なり、本発明のモノクローナル抗体はLPSのい
くつかの領域に結合する。この領域は構造的に一体であ
り、しかも多分必須の機能を持つ、グラム陰性菌の外膜
の構成体である。この為に、異なる種類のグラム陰性菌
におけるこれらの領域はほとんど差異が無く、すなわ
ち、異なる属、種および血清学的タイプのグラム陰性菌
間に共通である。更に、これら領域の欠失または著しい
変化を生じるであろう変異、したがつて抗体反応性の欠
失はほとんど起らない。
例えば、本発明のいくつかの抗LPS抗体はLPSのリピドA
領域を認識し、結合する。リピツドAは全てのグラム陰
性菌の外膜の一体化構成体として知られている。事実、
リピツドAを欠失する変異株の存在は知られていない。
極めて可変性であるO抗原セグメントとは対照的に、リ
ピツドAは異なる血清学的タイプ、種、属のグラム陰性
菌の間でほとんど変らない。従つて、抗リピツドA抗体
は多くの血液学的タイプ、種および属にわたるグラム陰
性菌と反応する。
本発明の他の抗LPS抗体はLPSのコア領域上の抗原決定基
または該コア領域とリピツドAとに重ね合さる抗原決定
基と特異的に反応する。リピツドAに相当する程LPSの
コア領域もグラム陰性菌によつて高度に保持されてお
り、LPS分子のこの領域に対して生成される抗体もグラ
ム陰性菌との交叉反応性を示す。
モノクローナル抗体とグラム陰性菌との反応性は菌体結
合検定によつて示される。大腸菌(Escherichia col
i)、サルモネラ・ミネソタ(Salmonella minnesot
a)、肺炎杆菌(Klebsiella pneumonia)、緑膿菌(Pse
udomonas aeruginosa)および霊菌(Serratia marcesce
ns)を包含する広範囲のグラム陰性菌に対して抗LPS抗
体が結合し、これらの菌のすべては別個の属の細菌であ
る。さらに、これらの細菌はすべて病原性であり、実
際、伝染病学的研究によれば、これらの5種の細菌はす
べての病院内グラム陰性菌血症の少くとも3分の2の原
因である。該抗体はグラム陽性菌とは何ら反応性を示さ
ない。
全細胞細菌の場合は、上記抗体はLPS分子との広範囲に
わたる交叉反応性を示す。抗LPS抗体はグラム陰性細菌
の精製LPS分子と反応する。該グラム陰性細菌は次のよ
うな細菌のすべてまたはそのほとんどからなる:大腸菌
(E.coli)J5,大腸菌0111:B4,大腸菌055:B5,サルモネラ
・ミネソタ(S.minnesota),サルモネラ・ミネソタR59
5,肺炎杆菌(K.pneumonia),緑膿菌(P.aeruginosa)
および霊菌(S.marcescens)。このことは、抗LPS抗体
の全細胞細菌に対する交叉反応性は細胞表面のLPS分子
との反応性に由来することを示している。さらに、LPS
のリピツドA上の決定基と反応するそれらの抗体にとつ
て、これらの決定基は上記細菌の表面上で抗体結合のた
めに利用できる。
さらに、抗LPS抗体は、グラム陰性菌の特定種の血清型
が別異の菌株と交叉反応する。たとえば、上記抗体は緑
膿菌(Pseudomonas seruginosa)の17個の古典的に区別
された血清学上の菌株すべての粗膜調製物から得られた
LPS分子に結合する。反応に、緑膿菌(P.aeruginosa)
からのO抗原に対して特異的なモノクローナル抗体、す
なわち国際抗原タイプ別系統(Intermational Antigen
Typing Scheme(IATS))セロタイプ5菌株は、セロタ
イプ17菌株と弱く反応するだけであつて、他の15IATSセ
ロタイプを示す菌株からのLPSと全く反応しない。ハン
コツク(Hancock)ら、インフエクト・イムン(Infect.
Immun.)37,166-171(1982)参照。
さらに、抗LPS抗体の特定のものは嚢胞性線維症にかか
つている患者から単離された緑膿菌の血清学的に未分類
の菌株から得られたLPSに結合する。このように、これ
らのモノクローナル抗LPS抗体は緑膿菌(P.aeruginos
a)の血清学的に異なるすべての菌株からのLPSばかりで
なく、血清学的に未分類の天然単離物からのLPSをも確
認する。このことは、抗LPS抗体が、グラム陰性菌に維
持されていて緑膿菌(P.aeruginosa)の新しい未分類菌
株に存在すると見られるリポポリサツカライド分子上の
抗原決定基を確認することを示している。
本発明のモノクローナル抗体はグラム陰性菌の致死作用
から該細菌に感染したマウスを保護する。抗LPS抗体の
保護能力はマウスの菌血症の2つの異なるモデル系、す
なわち直接敗血症モデルと熱傷敗血症モデルにおいて明
らかである。直接敗血症モデルにおいて、マウスは抗体
の混合物を注射され、続いて、いくつかの血清学的タイ
プが異なるグラム陰性菌を静脈注射して感染させる。熱
傷モデルにおいてはマウスをアルコール火炎で焼き、損
傷した皮膚に緑膿菌(P.aeruginosa)の非常に悪性の菌
株を接種する。モノクローナル抗LPS抗体を火傷の24時
前に1回注射するかあるいは火傷の24時間前に1回と20
時間後に1回の合計2回注射して投与する。
両方のモデル系において、モノクローナル抗体はマウス
の死亡を防止するか遅延させる。このことはいくつかの
異なる属のグラム陰性菌について示される。直接敗血症
モデルにおいては、抗体で処理されたほとんどのマウス
は細菌接種7日後も生存していたのに対して、抗体を投
与しなかつたマウスはすべて2,3日のうちに死亡した。
どちらかの方法で抗体を投与した熱傷マウスはすべて、
生存が有意に延びた。抗LPS抗体を投与された火傷マウ
スは、延長された生存の後期まで死にかけることはなか
つたのに対して、抗体を投与されなかつたマウスはすぐ
死にそうになつた。最後にマウスが死亡するのは、保護
する抗体を使い果すことに帰因すると見られる。これら
のマウスに繰返し抗体を投与すると明らかに生存が延長
できる。
抗LPS抗体の保護作用は抗体の細菌菌体への抗体の結合
の結果であると推測される。この結合はオプソニン作用
を強化するか、補体を活性化するのかもしれない。細菌
の菌体に抗体によつてオプソニ作用を及ぼすとその菌体
の顆粒球とマクロフアージによる消化が促進される。補
体を活性化すると細胞溶解を生じる。
モノクローナル抗−LPS抗体は生体内でPLSの致死毒性作
用を中和できる。例えば、ラフ変異株に由来する遊離リ
ピツドAまたはLPSを注射されたマウスは、モノクロー
ナル抗体の様々な混合物により長期間生存する。前記遊
離リピツドAおよびLPSはいずれもLPSの毒性源を含有す
ることが知られている。従つて、該抗体は生体内でLPS
分子の毒性部分をマスクするものと思われる。その結
果、該抗体はエンドトキシンの致死作用を防ぐことがで
きる。
モノクローナル抗−LOS抗体は抗体産生セルラインによ
り産生される。この抗−LPS抗体産生セルラインはハイ
ブリドーマセルライン(これは普通車に「ハイブリドー
マ」と呼ばれている)などである。ハイブリツド細胞は
抗−LPS抗体産生細胞と永久性セルライン(即ち、ハイ
ブリツドセルに長期間の組織培養安定性を付与するセル
ライン)を融合させることによつて創製される。ハイブ
リツドセルラインの創製において、第1融合パートナー
(即ち、抗−LPS抗体産生細胞)としてグラム陰性細菌
またはグラム陰性細菌エンドトキシンに対して免疫され
た動物の脾細胞を使用できる。別法として、抗−LPS抗
体産生細胞に脾臓、末梢血液、リンパ腺またはその他の
組織から得られた抗−LPS産生Bリンパ球も使用でき
る。第2融合パートナー(即ち、永久細胞)には、それ
自体が抗体産生細胞であるばかりでなく悪性でもある骨
髄腫細胞のような形質細胞腫細胞またはリンパ芽球細胞
を使用できる。
モノクローナル抗−LPS抗体を産生するネズミハイブリ
ドーマはマウス骨髄腫細胞を、全細胞グラム陰性菌(例
えば、熱不活性化大腸菌J5)に対して免疫されたマウス
から得られた脾細胞またはグラム陰性菌から単離された
LPS(例えば、大腸菌J5から得られたLPS)と融合させる
ことによつて創製される。マウスを免疫するには、多種
多様な免疫実験法を使用できる。例えば、マウスを全細
胞グラム陰性菌で1次および追加免疫化処理することが
できる。別法として、1次および追加免疫源の両方にリ
ポポリサツカライド分子またはリポポリサツカライドの
混合物を使用できる。または、1次免疫源に全細胞細菌
を使用し、そして、続いてLPS追加免疫源を使用するこ
ともできる。融合は標準的方法により実施される。例え
ば、コーラー(Kohler)およびミルスタイン(Milstei
n)、“ネイチヤー(Nature)"256,495〜497(1975)お
よびアール ケネツト(R.Kennet),“モノクローナル
抗体",365〜367頁(プレナム(Plenum)出版,ニユーヨ
ーク)(1980)参照。
次いで、全細胞グラム陰性菌またはグラム陰性菌由来LP
S分子と反応性の抗体を生成するためにハイブリドーマ
をスクリーンする。反応性抗体を分泌するハイブリドー
マをクローン化させる。
モノクローナル抗−LPS抗体を産生するヒトハイブリド
ーマはグラム陰性菌に対して免疫されたヒト由来の脾細
胞をヒトリポポリサツカライドセルラインと融合させる
ことによつて創製される。別法として、骨髄腫細胞用の
融合パートナーに、グラム陰性菌またはLPS分子に対し
て感作されたヒト末梢血液抗体産生リンパ球を使用する
こともできる。融合およびスクリーニング方法はネズミ
抗−LPS産生ハイブリドーマの創製および選別に使用さ
れた方法とほぼ同一である。
同様に、ヒトモノクローナル抗−LPS抗体を産生するマ
ウスおよびヒトハイブリドーマ類はヒト抗体産生細胞お
よびネズミ形質細胞腫細胞を融合させることによつても
創製できる。実際、マウス形質細胞腫細胞を他の哺乳動
物抗体産生細胞用の融合パートナーとして使用し、特定
の動物の抗−LPS抗体を産生するハイブリドーマを創製
できる。
抗−LPS抗体産生セルラインを創製する別の方法は抗体
産生細胞の形質転換によるものである。例えば、グラム
陰性菌またはLPSに対して免疫された動物から得られた
抗−LPS抗体産生Bリンパ球を、ヒトBリンパ球の場
合、EBウイルスのようなウイルスで感染させ、そして、
形質転換させることにより永久抗−LPS抗体産生細胞を
得ることができる。例えば、コズバー(Kozbor)および
ローダー(Roder)“今日の免疫学(Immunology Toda
y)”、4(3),72-79(1983)参照。
抗−LPS抗体産生ハイブリドーマをマウスの腹腔隙に注
射し、適当な時間経過後、極めて抗力価の均質抗体を含
有する腹水を採取し、そして、該腹水からモノクローナ
ル抗−LPS抗体を単離することによつてモノクローナル
抗−LPS抗体を大量に生産できる。異種ハイブリドーマ
は照射または胸腺欠損又ードマウスに注射しなければな
らない。別法として、抗−LPS産生細胞を試験管内で培
養し、そして、分泌されたモノクローナル抗−LPS抗体
を該細胞培養培地から単離することによつても抗体を調
製できる。
本発明のモノクローナル抗−LPS抗体には多数の重要な
治療上の用途がある。第1位は哺乳動物におけるグラム
陰性菌による菌血症の治療である。モノクローナル抗−
LPS抗体は病院内または内因性グラム陰性菌感染に対抗
するための有効な殺菌剤である。抗体は哺乳動物をグラ
ム陰性菌菌血症およびエンドトキシンシヨツクに対し予
防するための免疫療法に利用できる。それらは全ての重
要な病原性グラム陰性微生物に対し交叉防御免疫を与え
るため、抗LPS抗体は広いスペクトルの抗グラム陰性菌
剤である。更に、この抗体は尿路感染の如き他のグラム
陰性菌感染の治療または一次部位での微生物の感染から
血流中への伝染を予防する際に使用できる。
最も有効的な免疫療法にはLPS分子上に通常の異なる抗
原決定基と反応する抗−LPS抗体の組合わせが投与され
るべきであると思われる。更に、抗体は抗生物質または
他の抗菌剤と併用できる。
一般に、抗体は生理的に許容溶液中で静脈内または筋肉
内で投与される。
本発明の抗−LPS抗体の今一つの重要な用途はグラム陰
性菌菌血症の予防である。ある高度に危険な患者群が抗
体を投与されることによりグラム陰性菌に対し受身的に
免疫できる。かゝる高度の危険群には癌の化学療法を受
けるもの、獲得免疫不全症候群(エイズ)を持つもの、
および老齢者の如き免疫系が抑制または傷つけられてい
る患者が包含される。グラム陰性菌に特に感染し易い他
の患者群は火傷を受けている患者、嚢胞性線維症をもつ
患者、外科または他の潜浸性処方を受けている患者であ
る。これらの場合、グラム陰性菌菌血症を予防する交叉
防御免疫を与えるため抗体または抗生物質の混合物が患
者に投与される。菌血症の処理における如く、菌血症の
予防には抗−LPS抗体と共に抗生物質または他の抗菌剤
の投与を含めることができる。
モノクローナル抗−LPS抗体はグラム陰性菌との広い交
叉反応性のために、抗体はグラム陰性菌検出のための多
くの方法に有用である。抗体は細菌がグラム陰性である
かどうかを決定するために使用できる。この目的のため
に、抗−LPS抗体はグラム陰性菌の多数の異なる免疫検
定法に利用できる。これらにはラジオイムノアツセイま
たは通常の型の酵素結合吸着剤検定法が包含される。代
わりに、抗−LPS抗体は細菌がグラム陰性であるかどう
かを決定するための蛍光顕微鏡技術に利用できる。一つ
の形式では抗−LPS抗体自体をフルオレセインの如き蛍
光化合物で標識し、次いで細菌の試料と接触させる。代
わりの形式として、標識しない抗−LPS抗体を細菌の試
料と接触させ、次に抗−LPS抗体と反体方向の第2の蛍
光体で標識した抗体を添加する。いずれの形式でも抗−
LPS抗体の細菌への結合は顕微鏡下でモニターできる。
最後に、グラム陰性菌の表面には多数のLPS抗原がある
ため、本発明の抗−LPS抗体はグラム陰性菌に対する種
々の凝集検定法または他の免疫学的検定法に使用でき
る。
上文に記載した各検定法の感度は抗−LPS抗体が結合す
るグラム陰性菌上にLPS抗原決定基を曝露することによ
り増進できる。特に、抗リピツドA抗体の場合、抗原決
定基への接近は細菌を弱酸性水溶液で処理することによ
り改善できる。この処理は優先的にLPSのコアーとO−
抗原領域を除去する。ガラノース(Galanos)等、Eur.
J.Biochem.24,116-122(1971)。
上記の検定法の作業のための診断薬キツト中にモノクロ
ーナル抗−LPS抗体または標識した抗−LPS抗体または標
識したあるいは標識せぬ抗体の混合物が包含される。
上文に記載した検定法は医師に菌血患者における病原学
的物質としてグラム陰性菌を除去する迅速かつ信頼出来
る方法を提供する。細菌の臨床的分離物かグラム陰性で
あるかを決定するための現在のグラム染色技術は少なく
とも1回を必要とする。しばしば、致死的疾病の治療の
遅延を避けるため、通常病原学的物質は、多数の院内細
菌感染かグラム陰性菌によるものであるから、グラム陰
性菌であると推定される。その結果、グラム陰性菌に対
する主要な抗菌剤であるアミノ配糖体が投与される。然
しながら、アミノ配糖体は著しい毒性、最も明白な耳洞
毒性および腎毒性を起こす。病原体としてグラム陰性菌
を迅速に除外する検定法により医師はグラム陰性菌血症
をもつ患者の治療を何等著しく遅延することなく患者に
アミノ配糖体治療および著しい毒性の付随する危険を与
えることを避けることができる。
LPSに対するそれらの限定された特異性および異なるグ
ラム陰性微生物よりLPSとの広い交叉反応性のため、本
発明の抗−LPS抗体は生物学的流体中のグラム陰性菌の
エンドトキシンを検出し測定するに使用できる。
この目的のために、本抗体はラジオイムノアツセイ又は
酵素結合免疫吸着剤検定法の如き在来の免疫検定法に使
用できる。これら多くの検定法に対して免疫吸着剤は抗
−LPS抗体を固相に付着させることにより生成される。
エンドトキシンに対する競争的免疫検定法では、例え
ば、検定すべき生物学的流体の試料が免疫吸着剤に接触
される。混合物は予定された量の標識されたLPSを加え
られた後培養される。更に培養した後、結合したLPSを
持つ免疫吸着剤(即ち、LPS抗−LPS錯体)は遊離のLPS
から分離され、試料中のエンドトキシンの量を定量する
ために結合または遊離のLPS中の標識の活性が測定され
る。かゝる検定法では標識は放射性同位元素、酵素また
は蛍光化合物である。
更に、抗−LPS抗体は生物学的流体からグラム陰性菌ま
たはグラム陰性菌エンドトキシンを除去する処理に有用
である。治療価値のある、かゝる方法の一つはグラム陰
性菌またはエンドトキシンを除去する血液の体外処理で
ある。これは抗−LPS抗体が付着される固相上に血液を
通すことにより実施される。抗体は選択的に細菌または
エンドトキシンと結合する。血液は次いでグラム陰性菌
またはエンドトキシンを浄化した供与体に返還される。
同様にして、抗体は細胞培養媒体からグラム陰性菌また
はエンドトキシンを除去するのに使用できる。例えば、
天然に存在し、または遺伝的に工作された微生物の生成
物か、分離される培養媒体はしばしばグラム陰性菌また
はエンドトキシンにより汚染される。血液の体外処理に
記載したと類似した方法で固相に結合した抗体は媒体か
らこれらの汚染物を除去するのに使用される。
本発明の抗−LPS抗体はまた生体内の多数の診断技術に
使用できる。標識した抗−LPS抗体は哺乳動物内のグラ
ム陰性菌膿瘍または嚢胞を局在させるための画像技術に
使用できる。かゝる技術では抗体はグラム陰性菌を含ん
だ膿瘍または嚢胞を持つ疑いのある哺乳動物に投与され
る。グラム陰性菌に対する抗体の特殊な親和力のため、
それは菌血膿瘍中に蓄積する濃厚な標識抗体は膿瘍の画
像を与えそれによりその局部を顕わす検出し得る信号を
生ずる。
例えば、抗−LPS抗体は放射線シンチグラフイーにおけ
る放射線製薬のように使用できる。この目的のために、
抗体は125ヨウ素、131ヨウ素、99Mテクネチユムまたは
111インジウムのようなガンマ線−放射放射性同位元素
で標識される。抗体に放射性同位元素を付着させるため
には直接またはジエチレントリアミン五酢酸のようなキ
レート剤を経由するいずれかにより多数の方法が存在す
る。しばしば、抗体の抗原結合フラグメントを使用する
のが好ましい。抗体の1価の抗原結合部分のFabまたは
2価の抗原結合部分F(ab1)2が標準法によつて、抗体を
それぞれ酵素パパインおよびペプシンに消化させること
により調製される。これらの抗原結合フラグメントは一
般に血液プールからかなりより迅速に浄化され、従つて
より短時間内に大なるコントラストの膿瘍放射線画像を
与える。
抗−LPS抗体は哺乳動物における放射線免疫シンチグラ
フイー用のキツトの試薬として提供できる。このような
キツトにはモノクローナル抗−LPS抗体またはガンマ線
放射の放射性同位元素の一つで標識した抗体のフラグメ
ントが含まれる。
抗−LPS抗体は核磁気共鳴(NMR)画像の試薬として使用
できる。例えば抗−LPS抗体または抗体フラグメントは
マンガンのような常磁性物質により標識できる。標識し
た抗体は膿瘍の画像を与えるNMR活性信号を発生する。
8A1および4A10と称せられる2種のネズミモノクローナ
ル抗−LPS抗体は1983年10月7日にメリーランドのロツ
クビルにおけるアメリカンタイプカルチヤーコレクシヨ
ン(American Type Culture Collection)に寄託され
た。抗体供把物は次のATCCの受託番号が指定されてい
る。
8A1 ATCC 40083 4A10 ATCC 40084 本発明はここで更に特定の実施例により説明する。
実施例1 グラム陰性菌のリポ多糖に対するマウス・モノクローナ
ル抗体の産生 細菌抗原の調製 List Biological Laboratories,Inc.(カリフオルニア
州キヤンプベル)から次のリポ多糖(LPS)を入手し
た。大腸菌(Escherichia coli)J5、大腸菌0.111:B4,
大q菌0.55:B5(ATCC12014),肝炎杆菌(Klebsiella p
neumoniae)(ATCC10031),緑膿菌(Pseudomonas aeru
ginosa)FD型I(ATCC27312),サルモネラ・ミネソタ
(Salmonella minnesota)野生型(ATCC9700),サルモ
ネラ・ミネソタR595及び霊菌(Serratia marcescens)
(ATCC14756)。ネズミチフス菌(Salmonella typhimur
ium)Re突然変異体(G30-C21)からのLPSは、Ribi Immu
nochem Research,Inc.(モンタナ州ハミルトン)から購
入した。サンプルを提供者が勤める方法で可溶化した、
または全てのLPSサンプルを0.5%(V/V)トリエチルア
ミン(TEA),0.9%(W/V)NaCl中で2.0mg/mlの濃度で再
構成し、他の全ての希釈は発熱物質を含まない、リン酸
塩緩衝化(30mM,pH7.4)した無菌食塩水(PBS)中で行
なつた。
大腸菌J5は、酵素のウリジン二リン酸ガラクトース−4
−エピメラーゼを有していない大腸菌0.111:B4のラフ型
変異株である〔Ziegler等(1973年),J.Immunol.III 43
3-438頁〕従つて、この変異株は完全なO−抗原側鎖な
らびにそのコア構造の一部を有していない。この変異株
と親株の両方ならびにその他の次のような菌株はDavid
Dunn博士(ミネソタ州ミネアポリス)から提供された:
大腸菌055:B5(ATCC 10031),肺炎杆菌(ATCC 1003
1),緑膿菌(ATCC 27312),サルモネラ・ミネソタ,
サルモネラ・ミネソタR595,霊菌(ACTT 14756),糞便
連鎖球菌(Streptococcus faecalis)及び黄色ブドウ球
菌(Staphylococcus aureus)(ATCC 10832)。入手さ
れたこれらの菌株に対しては、アメリカンタイプカルチ
ヤーコレクシヨンの番号を示す。
各有機体は37℃におけるシエーカーバスにおいて脳心臓
浸剤(BHI)ブイヨン中で18時間インキユベートし、次
に4℃、3000Xgにおける10分間の遠心分離を3サイクル
行い、次に0.9%(W/V)NaCl中に再懸濁させた。菌数の
初期の近似値はKlett−Summerson比色計を用いて得られ
た。連続希釈を行い、正確な計算は寒天注入培地上で行
つた。一部を計算のために取り出した後にBHIブイヨン
中の対数期培養増殖をオートクレーブ処理することによ
つて、熱不活化細菌抗原を調製した。
固相ラジオイムノアツセイ(RIA) PBSに溶かした抗原溶液の50μlを、ポリビニル・ウレ
タン底部96穴マイクロタイター・プレート(Dynatech C
orp.,ヴアージニア州アレキサンドリア)の凹みに加
え、37℃において2〜4時間または4℃において一晩放
置した。熱不活化した細菌細胞全体を108〜109細菌/ml
の濃度でプレートに塗布し、種々なLPSを20μg/mlの割
合で穴に加えた。抗原を取り出し、水またはPBSで3回
洗浄した後に、穴を1%(W/V)ウシ血清アルブミン(B
SA;Sigma Chemical Co.,ミズリー州セントルイス)、2
%もしくは20%(W/V)ウマ血清または2%(W/V)ウシ
胎児血清(Sterile Systems,Inc.,ユタ州ローガン)と
ともに37℃において30分間インキユベートし、再び3回
洗浄した。ハイブリツド上清または精製抗体希釈物の50
μlを抗原コート孔に加え、37℃において2時間インキ
ユベートし、その一部を取り出し、穴を3回洗浄した。
アフイニテイ精製したヤギ抗マウスF(ab′)2、また
はIgM(Cappel Laboratories,Inc.,ペンシルバニア州ウ
エストチエスター)、またはヤギ抗ヒトIgG、IgAまたは
IgM(Kirkegaard&Perry Laboratories,メリーランド州
ギヤザースブルグ)をMarkwell等〔1978年、Biochemist
ry 17 4807〜4817頁〕が述べているIodogen(Pierce Ch
emical Co.,イリノイ州ロツクフオード)方法によつ
て、125Iを用いて約10μCi/μgで放射標識したもの
を、プローブとして用いた。一般に1%(W/V)BSA−PB
Sで希釈した50,000cpmのプローブを加え、37℃において
2時間インキユベートした。プローブを取り出して洗浄
した後に、穴をプレートから切り取り、結合した125Iを
ガンマカウンター(Ne 1600,Nuclear Enterprises,イギ
リス、スコツトランド、エジンバラ)内で1分間測定し
た。
免疫処置 1D4,8AI,5E4,6B2及び4A10と名づけられた5
種類のマウス抗−LPS抗体を、次の免疫処置説明書に従
つて調製した。
マウスA:1D4 16匹のメスのBALB/Cマウス(Charles Rive
r Breeding Laboratories,ニユーヨーク州キングスト
ン)を0,2,4,7,9,11,14及び16日目にPBS0.5ml中に懸濁
した107熱不活化大腸菌J5の静脈内投与によつて免疫し
た。大腸菌J5とサルモネラ・ミネソタR595の熱不活化細
菌に対して最も良い血清抗体価を有するマウスを23日目
に同じように追加免疫し、3日後に殺して脾臓を摘出し
た。
マウスB:8A1と5E4 40匹のメスのCAFI/Jマウス(The Jac
kson Laboratory,メイン州バーハーバー)を、完全なフ
ロインドアジユバンド中の5×108熱不活化大腸菌J5を
皮下注射(S.C)することによつて免疫した。7,15,21,2
5及び27日目に、不完全フロインドアジユバンド中の2.5
×108不活化J5細胞を皮下注射した。29,36,43,50,57,6
4,71及び74日目に、PBS中の2.5×105熱処理J5細菌の腹
腔内(i.p.)注入によつて、マウスを免疫化した。正確
に8週間後に、最も良い抗大腸菌J5LPS血清抗体価を有
するマウスを、不完全フロインドアジュバンド中の各10
μgの大腸菌J5LPSとサルモネラ・ミネソタR595LPSの混
合物によつて追加免疫及下注射し、3日後に殺した。
マウスC:6B2 50匹のCAFI/Jメスマウスを上述の5E4と8A1
に対するように免疫処置した、但し腹腔内注入は50日目
に終了した。57日目に、大腸菌J5に対して最高の血清抗
体価を有するマウスに2.5×105大腸菌J5不活性細胞を追
加免疫腹腔内注射し、これを3日後に殺した。このマウ
スの血清は大腸菌J5、肺炎杆菌、緑膿菌及び霊菌の熱不
活化細菌に対してまた大腸菌J5LPSに対して反応性を示
した。
マウスD:4A10 3匹のBALS/Cメスマウスを0,2,4,7,9,11,1
4及び16日目に、PBS中の25μgサルモネラ・ミネソタR5
95LPSによつて腹腔内免疫処置した。23日目に、Re LPS
(105)に対して最高の血清抗体価を示すマウスに50μg
Re LPSを追加免疫腹腔内注射し、3日後にこのマウス
を殺して脾臓を摘出した。
ハイブリツド細胞の調製 マウスA、B及びCから摘出した脾臓リンパ球を、Kohl
erとMilstein(1975年)〔Nature(London)256 495〜497
頁〕が初めて確立した標準方法の改良法によつて、NS−
1骨髄腫細胞と融合させた。Kearney等(1979年)(J.I
mmunol.123,1548〜1550頁)が開発した骨髄腫ラインP3
×63Ag 8.653を、マウスDの脾臓細胞の融合パートナー
として用いた。
一般に、脾臓はマウスから摘出した後、DMEM培養培地
(GIBCO,ニユーヨーク州グランドアイランド)によつて
2回すすぎ洗いし、140マイクロスクリーンを備えたコ
レクター(Bellco,ニユーハンプシヤー州ビネランド)
を用いて、単細胞懸濁液を得た。約108脾臓細胞をDMEM
中で2〜3回すすぎ洗いした後、丸底遠心分離管の中で
2×107骨髄腫細胞と混合した。183×gにおいて7分間
遠心分離した後に、上清を吸引によつて除去し、30%
(V/V)ポリエチレングリコール1000(PEG;Baker Chemi
cal Co.,ニユージヤージー州フイリツプスブルグ)1ml
を加えた。細胞懸濁液を直ちに、20〜50×gにおいて3
〜4分間遠心分離し、上清を除去し、HT−DMEM培地〔15
%(V/V)Hycloneウシ胎児血清、4mM L−グルタミン、5
0μg/ml硫酸ゲンタマイシン、13.6μgハイポキサンチ
ン及び7.6μg/mlチミジンを補充したDMEM〕10mlを加え
た。それぞれHT−DMEM20mlを含む2個の100mmペトリ皿
に細胞を入れ、37℃において少なくとも24時間インキユ
ベートした。HAT−DMEM培地(HT−DMEMに0.18μg/mlア
ミノプテリンを加えたもの)中に移し入れた後に、細胞
懸濁液を96穴マイクロテスト用培養プレート(Costar,
マサチユセツツ州ケンブリツジ)に、0.5〜2.0×105
胞/200μl/孔になるように分配し、8%CO2中で37℃に
おいてインキユベートした。陽性のハイブリドーマ増殖
を示した穴が通常9〜14日以内に、約50%の集密度に達
した時に、上清部分を取り出し、RIAによつてLPS及び/
または細菌結合能力を調べた。一次融合スクリーンの結
果を表1に要約する。問題の融合プレート穴内の細胞
を、予め2000ラドで照射した1〜2×105BALB/C脾臓細
胞層上のHT−DMEM培地内で1細胞/孔に希釈を限定する
ことによつて、直ちにクローン化した。数日後に、陽性
ハイブリドーマ増殖を示した各孔から採取した培養液を
RIAによつて分析し、選択した孔を1次クローニングと
同様に再クローン化した。細胞が沈着した数日後に、穴
を顕微鏡検査し、1つ以上のクローンを含む穴を除去し
た。約10日後に、細胞上清を再びRIAによつて検査し、
今後の研究のために保持すべきセルラインを選択した。
通常、セルラインをHT−DMEM培地から、このときの完全
DMEM培地〔DMEMに15%(V/V)Hycloneウシ胎児血清、4m
M L−グルタミン及び50μg/ml硫酸ゲンタマイシンを補
充したもの〕へ取り出す。
腹水の調製、分析及び精製 クローンを完全DMEM中で毎日継代することによつて増加
させ、8%CO2中で37℃においてインキユベートした。
腫瘍性腹水を調製するために、Pristane(Aldrich Chem
ical Co.,ウイスコンシン州ミルウオーキー)0.5mlを腹
腔内注入することによつて10〜15日前に感作した同系の
BALB/Cマウスに、DMEM中の5〜10×105細胞を腹腔内に
接種した。腫瘍負荷マウスから腹水サンプルを採取し、
プールし、遠心分離し、凍結させた。
Ey等(1978年)(Immunochemistry 15,429〜436頁)が
述べている方法と本質的に同様に、Protein A−Sepharo
se CL−4B(Pharmacia Fine Chemicals,ニユージヤーシ
ー州ピスカタウエイ)上でのアフイニテイクロマトグラ
フイによつて、純粋なIgG免疫グロブリンフラクシヨン
を腹水から単離した。アフイニテイカラムにコートする
前に、腹水を37℃に2時間加熱し、次にさらに1時間50
℃に加熱し、40,000×g,4℃において45分間遠心分離
し、0.22ミクロンで過した(Millipore Corp.,マサチ
ユセツツ州ベドフオード)。
PBS中の1%(W/V)アガロース(Marine Colloids,メリ
ーランド州ロツクランド)ならびにマウスIgGI,IgG2a,I
gG2b及びIgG3(Gateway Immunosera Co.,ミズリー州セ
ントルイス)に対する特異性ヤギ抗血清を用いたオクテ
ロニー法による免疫拡散によつて、免疫グロブリンサブ
クラスを精製腹水上で調べた。前記マウス免疫グロブリ
ンの最初の3種類はアフイニテイ精製した。陽性対照と
して、ヤギ抗マウスIgGF(ab′)2を用いた。これらの
混果は、クローン1D4,8A1及び5E4からの抗体がIgG1サブ
クラスの全てであり、0B2はIgG2aサブクラスであること
を示した。クローン4A10はIgG3抗血清による主な沈澱剤
ライン及びIgG2a試薬との非常に弱いが再現性のある反
応を示した。クローン4A10は主として(おそらく排他的
にではなく)IgG3免疫グロブリンを分泌する。
実施例2. グラム陰性菌のリポ多糖に対するヒトモノクローナル抗
体の調製 ヒト単核細胞の調製 実験HM16Aから得られるハイブリツドに関しては、正常
な女性から血液400mlをヘパリン(Sigma Chemical Co.,
ミズリー州セントルイス)中に採取した。血液50mlアリ
コートを733×g、室温において20分間遠心分離した。
血漿を除去し、淡黄色被膜を回収し、25mM HEPESを含有
し、カルシウムとマグネシウムを含まないハンクス平衡
塩類溶液(HBSS;GIBCO,ニユーヨーク州グランドアイラ
ンド)によつて管あたり20mlまで希釈した。各管にFico
ll−Paque(Pharmacia Fine Chemical,ニユージヤーシ
ー州ピスカタウエイ)20mlを加え、733×Gにおいて30
分間遠心分離した。単核細胞バンドを回収し、HBSSで3
回洗浄し、50%(V/V)熱不活化Hycloneウシ胎児血清
(FCS;Sterile Systems,Inc.,ユタ州ローガン)を補充
したRPMI1640(GIBCO;ニユーヨーク州グランドアイラン
ド)中に、細胞を1×108細胞/mlまで再懸濁させた。B
リンパ球を富化させるために、細胞を次に30mlオークリ
ツジ管内で新たに洗浄したヒツジ系血球(SRBC;Hazelto
n Dutchland,Inc.,(ペンシルバニア州デンバー)によ
つてロゼツト化した。10%(V/V)FCS含有のPRMI1640中
にSRBCを、2×109細胞/mlまで再懸濁させ、単核細胞に
24:1の割合で加えた。混合した細胞懸濁液を46×gにお
いて5分間遠心分離し、氷上で10分間インキユベート
し、同じ培質によつておだやかに再懸濁させ、Ficoll−
Paque 10mlを加え、733×Gにおいて30分間遠心分離し
た。単核細胞バンドを回収し、2回洗浄した。
実験HM22B用の単核細胞ソースは大腸菌J5免疫化ドナー
(D.Dunn博士,ミネソタ用ミネアポリス)からのヒト脾
臓であつた。腎疾患末期にあるこの男性患者を、接種間
に10日間の間隔をおいて2回筋注によつて免疫した。各
接種量は1×109熱不活化大腸菌J5全細胞を含有した。
第二回接種の3日後に患者から脾臓を摘出した。この脾
臓を5×2×2cm小片に切断し、20μg/ml Vanomycin含
有のRPMI1640によつて室温において15分間処理した。5
%(V/V)FCS,25mM HEPES及び50μg/ml硫酸ゲンタマイ
シンを補充した新鮮なRPMI1640に移し入れ、1×2×2c
m細片に切断し、氷上に移した。Nitexボルテイングクロ
ス製バツグ(Tobler,ニユーヨーク州エルンスト及びTra
ber,ニユーヨーク州エルムスフオード)によるふるい分
けと細片化を組合わせによつて得られた。生成した単細
胞懸濁液の一部を実験HM22Bに新たに用いた。過剰な細
胞は、20%(V/V)FCSと10%(V/V)ジメチルスルホキ
シドを含有するRPMI1640中で凍結させた。HM22B用の単
核細胞をFicoll−Paque上で分離し、洗浄した。HM16A中
の細胞は直ちに融合した。HM22B中の細胞を、10%(V/
V)FCS、4mM L−グルタミン、50μg/mlゲンタマイシ
ン、0.1%(V/V)ポークウイードマイトジヨン(GIBCO,
ニユーヨーク州グランドアイランド)、7.6μg/mlチミ
ジン及び13.6μg/mlハイポキサンチンを補充したRPMI16
40中で、5%CO2下37℃、1×106細胞/mlにおいて5日
間培養した。
融合 単核細胞をRPMI1640中で2回洗浄した。これと同数のW1
−L2−729−HF2細胞(以下ではHF2と呼ぶ)もRPMI1640
中で2回洗浄した。6−チオグアニジンに対して耐性で
ある、このヒトリンパ芽球は良好な融合パートナー性を
有しているため選択した。(R.Lundak博士、カリフオル
ニア州リバーサイド)。細胞をRPMI1640中に再懸濁さ
せ、30mlオークリツジ管内で混合し、ペレツト化し、上
清を除去した。細胞を攪拌して、ペレツトを破壊させ
た。RPMI1640中35%PEGの0.25ml量(4つ)を15秒間隔
で加え、この間細胞を攪拌した。混合物を46×Gにおい
て3分間遠心分離し、PEGを除去した。混合物を完全RPM
I1640〔RPMI1640に10%(V/V)FCS、4mM L−グルタミ
ン、及び50μg/ml硫酸ゲンタマイシンを補充したもの〕
中で、2×106HF2細胞/mlの濃度まで再懸濁させ、一晩
培養した。次の日、細胞をペレツト化し、HAT−RPMI164
0(6.8μg/mlハイポキサンチン、0.18μg/mlアミノプテ
リン及び3.8μg/mlチミジンを含有するRPMI1640)中に
5×105HF2細胞/mlまで再懸濁させた。フイーダー層と
してMRC−5ヒト胚肺線維芽細胞(J.P.Jacobs博士、イ
ギリス、ロンドン)を含む24穴クラスター皿(Costar,
マサチユセツツ州グランドアイランド)に、細胞を1ml/
孔の割合で装入した。
このフイーダー層は次のように製造した。MRC−5細胞
の集密性単層を、T−75組織培養フラスコ(Costar,マ
サチユセツツ州ケンブリツジ)において10%(V/V)FCS
と4mM L−グルタミンを含むMEM培地(GIBCO,ニユーヨー
ク州グランドアイランド)中で培養した。培地に、PBS
中の0.02%(W/V)エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリ
ウムを捕充し、細胞を0.025%(W/V)トリブシン(GIBC
O,ニユーヨーク州グランドアイランド)によつてはく離
した。はく離したMRC−5細胞をフイーダー層としての2
4穴クラスター皿に、最初の密度の25%で接種した。融
合細胞をフイーダー層に付着させた後の次の4日間に、
RPMI1640培地の0.5mlを取り出し、ハイポキサンチン、
アミノプテリン及びチミジンを上述の濃度の2倍含有す
る培地を補充した。その後、培養に毎週再供給した。
スクリーニング 培養物上清をハイプリドーマ出現の約1週間後に固相ラ
ジオイムノアツセイ(RIA)によつて検査した。この分
析は実施例1で述べたように実施し;108熱不活化大腸
菌J5細胞/mlを孔コーテイング抗原として用いた。
大腸菌J5を受容していないが、2%(V/V)ウマ血清で
のみブロツクされているプレートを対照として用いた。
1000cpm以上が大腸菌J5に結合し、バツクグランドが結
合したcpmの半分以下であるならば、凹みは抗体に対し
て陽性であると考えた。バツクグランドは対照穴に結合
したcpmとして定義される。
クローニング 抗体を含む穴からハイブリドーマを先ず第一に、96穴ク
ラスター皿での希釈を限定することによつてクローン化
した。ハイブリドーマ細胞の連続10倍希釈物を、集密性
70〜80%、2000ラド照射したMRC−5細胞を含有する96
孔クラスター皿内に接種した。各希釈物をハイブリドー
マ増殖に陽性な穴の出現頻度及びRIAによつて抗体に対
して陽性なハイブリドーマ細胞を含む穴の出現頻度に関
してモニターした。
ハイブリツド化後の最初のクローニングでは、ハイブリ
ドーマ増殖のための限定希釈度は一般に10-3であるが、
検出可能な抗体分泌のための限定希釈度はハイブリドー
マ細胞の10-1または10-2希釈であつた。次のクローニン
グがハイブリドーマ増殖と抗体産生を行うために必要と
する穴あたりの細胞は少なかつた。ハイブリドーマ増殖
のための限定希釈度において孔の全ては抗体分泌に対し
ても陽性であり、RIAによつて上清中で最大の反応性を
示すハイブリドーマ細胞を穴につき10細胞及び1細胞に
おいてクローン化した。抗体陽性細胞は上述のように検
出した。
クローニング後に、細胞密度を1×105細胞/mlに週に2
回調節することによつて、ハイブリドーマ細胞を増殖培
地中で定期的に増殖させた。3〜4日毎に周期的に上清
をRIAによつて分析して、抗体産生が続いているかどう
かモニターした。培養中で抗体分泌は13〜21か月後まで
維持されていた。
ヒトモノクローナル抗LPS抗体の特性化 ヒトモノクローナル抗体の代表的なクラスに関して、各
細胞ラインからの組織培養上清を1%(W/V)BSA−PBS
中で連続的に2倍希釈し、コーチング抗原として熱不活
性化大腸菌J5細菌を用い、プローブとして放射標識ヤギ
抗ヒトIgGまたはIgMを用いて、RIAによつてテストし
た。セルラインHF2からの上清を陰性対照として用い
た。表3からわかるように、両方のヒトハイブリドーマ
セルラインが、大腸菌J5細菌に対して特異性であるIgM
クラスのヒト抗体を分泌する。
ヒトIgGとIgMの総分泌量を定量するために、ヤギ抗ヒト
IgMまたはIgMを細菌抗原の代りにポリビニルプレート上
にコートし、細胞上清とプローブを通常のように加え
た。定量的なヒトIgM及びIgG標準試薬(Meloy,バージニ
ア州スプリングフイールド)を用いて、濃度較正曲線を
作成した。次の分泌速度を確認した;2.2μg/106HM16A細
胞/24時間及び0.1μg/106HM22B細胞/24時間。最大IgM蓄
積がみられるのは通常5〜6日目である。典型的にはHM
16Aは5μg/mlであり、HM22Bは0.3μg/mlであつた。こ
の分析法にはつて測定したところでは、どちらの細胞ラ
インによつてもIgG分泌はみられなかつた。
表 3 ヒト抗体クラス特性化 細胞ライン 抗ヒトIgG 抗ヒトIgM HM16A 546 11832 HM22B 624 11960 HF2b 276 600 a 細胞上清を直接分析し、抗体価によつて実証した;
熱不活性化大腸菌J5細菌をコーチング抗原として用い
た。
b セルラインHF2からの上清を陰性対照とした。
実施例3. 細菌全細胞結合性の研究 マウス抗−LPS抗体 幾つかのグラム陰性菌をRIAにおいて、実施例1で述べ
たマウスモノクローナル抗LPS抗体への結合性に関して
調べた。この分析では、熱不活性化全細菌を5×107
胞/孔の割合で98穴マイクロタイタープレートに塗布
し、精製モノクローナル(6B2を除いて)の10.1または
0.1μg量を各穴に加え、125I標識ヤギ抗マウスIgGF(a
b′)2免疫グロブリン(50,000cpm/凹み)による展開に
よつて陽性結合を観察した。同じ分析法をモノクローナ
ルR11D10、抗ミオシン抗体(J.Mattis博士、ペンシルバ
ニア州ウエストチエスター)によつても実施した。この
抗体は陰性対照として役立つた。モノクローナル抗体の
種々の細菌に対する結合は、シグナルが陰性対照のシグ
ナルの2倍であるときに、陽性と定義した。表4には、
これらの実験の結果を要約する。
マウスモノクローナル抗LPS抗体の中の3抗体は検査し
た全てのグラム陰性菌に対して明らかな反応性を示した
が、テストしたいずれのグラム陽性菌に対しても反応性
を示さなかつた。特定のモノクローナル抗体、4A10もグ
ラム陰性菌の全パネルに対して結合性を示したが、これ
は両グラム陽性菌に対しても弱陽性結合(それぞれ、陰
性対照の2.2倍と2.1倍)を示した。この抗体は陰性対照
または他の4種類のマウス抗LPS抗体のいずれよりも、
プレートに対して高い非特異的結合を常に有しているの
で、この結果は人為的だと考えられ、この2種類のグラ
ム陽性菌に対しては表4で±として示した結合性である
と考えられる。この結論は、4A10がグラム陰性菌に対し
て陰性対照のそれぞれ5.1倍及び2.9倍という平均的及び
低い結合性を有するという事実によつて、さらに支持さ
れる。最後に、クローン6B2細胞上清は、全ての被検グ
ラム陰性菌に対して、1菌株を別として、陽性の結合性
を示すが、グラム陽性菌との反応性は示さない。これら
の結果は、抗LPSモノクローナル抗体が種々の属からの
グラム陰性菌に対して結合するばかりでなく、病因的に
重要な属からのグラム陰性菌とも結合することを実証し
たので、有意義である。
尺度は陰性対照に対して相対的に決定した。全ての値は
二回分析した平均である。
−:2倍未満,+:2〜6倍,++:6倍より大きい a 109細菌/PBSmlの50μlでコート,2%(V/V)ウシ胎
児血清でブロツク b 50mlPBSにつき1μgで2時間インキユベート c データは初期の分析実験から;この場合には、組織
培養ハイブリドーマ細胞上清を用いた。
d 測定不能 e 4A10は常に、陰性対照よりも高いバツクグランドを
示す;従つて、このシグナルは人為的に判断したもので
ある;詳細は本文参照。
ヒト抗−LPS抗体 2種類のヒト抗LPSセルラインからの上清を上述と同じ
細菌パネルに対して分析した。この分析では、細菌を5
×106細胞/孔でコートし、連続2倍希釈したヒトハイ
ブリドーマ細胞上清部分を加えた。全ての希釈はPBSで
行つた。125I標識ヤギ抗ヒトIgM免疫グロブリンを50,00
0cpm/孔で添加することによつて、結合性を観察した。
融合パートナーセルラインHF2からの上清を陰性対照と
して用いた。細菌に対するヒトモノクローナル結合はシ
グナルが陰性対照シグナルの4倍であるときに陽性と定
義する。表5に未希釈細胞上清で実施した実験の結果を
要約する。あらゆる場合に、陽性結合は連続希釈によつ
て実証された。
ヒトのモノクローナル抗体の1つ、HM16Aは全ての被検
グラム陰性菌と反応した。他の抗体のHM22Bは幾つかの
(全てのではなく)グラム陰性菌に対して陽性の反応性
を示した。ヒトモノクローナル抗−LPS抗体のいずれ
も、グラム陽性菌のいずれに対しても結合性を全く示さ
なかつた。HM16A細胞上清は常に、2〜5μg/mlの抗体
を蓄積していたが、HM22B上清は典型的に、わずか0.1〜
0.3μg/mlのヒトIgMを分泌するにすぎなかつた。HM22B
上清があらゆるグラム陰性菌との陽性の反応性を示さな
かつたという事実は、特異性抗体が有意に低い濃度であ
ることの結果であると考えられる。マウス抗LPS抗体に
関して、これらの結果はヒト抗LPS抗体のHM16AとHM22B
の両方が種々の属からのグラム陰性菌と結合することを
実証しているので、重要である。
尺度は陰性対照(融合パートナー細胞ラインからの上
清)に対して相対的に決定した。−:4倍未満,+:4〜10
倍,、++:10倍より大きい。a 108細菌/PBSmlの50μ
lでコート;2%ウシ胎児血清でブロツク、b 50μl細
胞上清とともに2時間インキユベート 実施例4 RIAによるLPS結合研究 ねずみの抗−LPS抗体についての決定因子位置ぎめ 精製され125I標識化したモノクローナル抗LPS抗体をい
くつかのスムーズ(野生型)およびラフ(O特異性多糖
の欠けた突然変異体)LPS変異型へ向けて直接結合RIAに
おいて検査した。これらの直接結合実験においては、一
定量の放射線標識化抗体をLPSの系列的10倍稀釈液で塗
布した96孔のマイクロタイター・プレートへ添加した。
初めの実験は業者の推奨方式で再生されたリポ多糖につ
いて1穴あたり10μgから1μgの範囲の濃度において
実施した。これらの実験からのデーターは、各種の抗体
間で、それらのラフリポ多糖および遊離リピツドAへの
結合において明瞭な差があり、抗LPS抗体はどれもこの
検定方式においてテストしたスムースLPSのいずれにも
結合し得ないことを示した。O特異性ポリサツカライド
含有LPS変異型をメタノール、イオン性および非イオン
性洗剤あるいはEDTAで以て分散させることによつて抗体
を結合させる予備的試みは不成功であつた。このこと
は、LPSの固相形態においては、コア領域への接近がO
−鎖多糖領域によつて立体的に妨害されることを意味し
ている。Eコリ J5 LPS,Sミネソタ R595 LPS,およびS
ネソタ R595 LPSから誘導した遊離リピツドについてこ
の実験を繰返した。この場合には、抗体はすべて無菌の
無発熱原状態下で精製し、放射線標識を与え、3週間以
内で使用した。これらのLPS試料は0.5%(容積/容積)
TEA、0.9%(重量/容積)NaCl(無菌で無発熱原)に分
散させ、そしてまた再生の3週間以内に使用した。これ
らの注意はあらゆる対イオン(凝集状態)もあるいはLP
S試料内の熟成差をも最少化するために払われた。Eコリ J5 LPS,Sミネソタ R595 LPSおよび遊離脂
質への6個のモノクローナル抗体(5個の抗LPSと1個
の陰性対照標準)の結合の結果は図2に示す。抗LPSモ
ノクローナル抗体の5個すべてが高い抗原水準(すなわ
ちプレートを塗布するのに使用したLPSの高濃度)にお
いてEコリ J5 LPSと類似の結合パターンを示し、低L
PS濃度においてはほとんどまた全く結合しなかつた(2A
図)。これらの結果は本質的にははじめの実験の発見を
再現した。唯一の違いは、はじめのスクリーンにおける
6B2が低い抗原濃度(1010μg/穴)における結合と高LPS
塗布水準における最高CPM結合(約2倍)の両方を示し
たことである。これは異なる再生バツフアーの結果であ
つたかもしれない。けれども、この差はいかなる解釈も
もたらさない。S.ミネソタ R595 LPS(2B図)について
は、4A10はタイターに関して最良の結合を示し、8A1お
よび5E4は類似の中間的結合をもち、1D4はReLPSの高塗
布濃度において低水準結合を示し、6B2は顕著な結合を
もたなかつた。ここでも、これは、6B2がReLPSについて
弱い結合剤から非結合剤へ落ちそして1D4が示されたは
じめの結果より弱い最高結合水準をもつと思われること
以外は、はじめの実験と一致した。最後に、図2Cにおい
て示されるとおり、5E4と8A1は遊離リピツドAについて
ほとんど同等の強さのタイター結合をもち、4A10と1D4
は明らかに中間的タイターをもち、6B2ははじめのスク
リーンと一致して結合能力を全く示さなかつた。
一般に、抗体はきわめて異なる背景水準を示した(図2
において0μg/穴)。つねに、4A10はきわめて高くかつ
変動する背景をもつがしかし1D4はきわめて低くかつ高
度に再現性があつた。この説明は僅かに異なる検定条件
下においていくつかのロツトの放射線標準抗体について
正しい。陰性の対照標準R11D10,IgG2a抗体、の使用は、
この検定条件下において、試験したLPS変異型のいずれ
に対しても認めるほどのねずずみのモノクローナル抗−
LPS抗体の非特異的結合は存在しないということを示し
た。
これらの結合研究の結果は、モノクローナル1D4、4A1
0、8A1および5E4がE.コリ J5 LPS,S.ミネソタ R595 L
PSおよび遊離脂質Aの中に近接し得る決定因子を認識し
たことを示した。この群において、8A1、5E4および1D4
はマイクロタイタープレート上の遊離リピツドAへの最
高結合とそれを検出する最高感度との両方をもつてい
た。このことは、それらのそれぞれの結合点がリポ多糖
分子のリピツドA部にあることを強く意味している。モ
ノクローナル4A10はRe LPSへの最強の結合を示した。4A
10もまたRe LPSから誘導される遊離リピツドAへ多少結
合したという事実は決定因子がKDO領域とリピツドAの
領域を含むことを暗示している(図1Bを見よ)。あるい
はまた、決定因子がRe LPSのリピツドA部の中に完全に
あつてもよいがしかし一部は遊離リピツドAの化学的発
生において破壊される。最後に、6B2はJ5 LPSへのみ結
合を示した。このことは、この結合がJ5 LPSのコアの
“ヘプトース”部の中にある得ることも暗示している
(1B図を見よ)。これらの予備的実験において、6B2は
またS.テイフイムリウム Re LPSへ結合した。このよう
に、J5 LPSへの6B2の結合の位置ぎめはあいまいであ
る。6B2がS.ミネソタR595 LPSへ図2を描くのに利用し
た条件下でS.ミネソタ R595 LPSへ結合せず、そしてま
たそのReLPSから誘導される遊離リピツドAにも結合し
ないことは明らかである。
ヒトの抗LPS抗体 二種のヒトのセルライン、HM16AとHM22B、からの上澄み
をそれらがLPSへ結合する能力について調査した。この
実験においては、LPSをマイクロタイタープレートの穴
の中へ実施例1においてのべたとおりに1μg/50μlPBS
で塗布した。全細菌細胞結合研究におけると同様に、放
射線標識化したヤギの抗ヒトIgMを正結合用のプローブ
として使用し、HF2細胞上澄みを負結合対照標準として
作用させた。この二つのヒトのセルラインの上澄みを次
の生物からのLPSに対して独立に調査した:すなわち、
E.コリ J5,E.コリ 0111:B4.E.コリ 055:B5,S.ミネソ
タ R595,およびS.ミネソタ R595 LPSからつくつたリ
ピツドA。
HM16A組織培養上澄みはこの検定方式においてテストし
たどのLPSへも結合しなかつた。しかし、HM22B細胞上澄
みはReLPSへそしてただそれだけへ実質的な−背景の20
倍より大きい−結合を示すことが見出された。これらの
実験は、HM22B抗体の表5に示す四つの細菌に対する交
叉反応性が抗LPS特異性に基づくものである。とを示し
ている。一方、HM16AはこのRIAにおいて抗LPSであるこ
とを示すことができなかつた。
HM22BがS.ミネソタ R595 LPSと反応しそしてこのReLPS
から化学的に調製したリピツドAへ反応しないという事
実は、HM22BがLPSのKDO領域における決定因子を認識す
るということを暗示している(図1を見よ)。ねずみの
アンチ−LPS抗体4A10について上記で論じた同じ予告が
ここでHM22Bへあてはまる。
実施例5 イムノブロツテイング検定によるLPS結合研究 ねずみのモノクロナル抗体がRIA形成において固相へ吸
着された滑面型あるいは野生型のグラム陰性バクテリア
から単離したLPSへ結合できなかつたので、異なる結合
検定法を開発した。
LPSのニトロセルロースへのゲル電気泳動およびエレク
トロトランスフアー 各種のLPS試料をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)と尿素
の存在下でポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に
かけ、これらの試料は次に銀染色技法を使つて目に見え
るようにした。これらの方法はツアイらによつて記述さ
れている〔(1982)Anal.Biochem.119 115-119〕。スラ
ブは3%(重量/容積)のスタツキングゲルとレールあ
たり10μgのLPSを代表的に負荷した14%(重量/容
積)のランニングゲルとから成り立つていた。5-10ma/
ゲルスラブの一定電流を、指示用染料がランニングゲル
に入るまで使用し、その時点において、電流を35ma/ゲ
ルスラブへ調節した。
このSDS−PAGE系において、LPS試料は一系列の成分の中
に溶かした。各々のバンドは個々の分子種を表わし;お
そい方の移動バンドはより大きいO鎖領域をもち、最も
早い移動バンドは小さいO特異炭水化物側鎖をもつか全
くもたない。10個の異なるLPS試料をこの系において分
析した(3A図)。高分子量LPS成分の量と分布が種ごと
に著しく変ることは容易に明らかになる。しかし、遊離
リピツドA以外のLPS試料はすべて銀染色技法で以て目
に見えるようにすることができる類似の低分子量成分を
もつ。
ポリアクリルアミドゲルからニトロセルロースシートへ
のLPSの電気泳動的移送法が開発された。蛋白移送のた
めの類似の方法はトウビンら(1979)のProc.Natl.Aca
d.Sci.USA 76,4350-4354によつて記述されている。SDS
ゲルから0.45umニトロセルロース紙(シユライヘル・ア
ンド・シユエル社、Keene,NH)へのLPSのエレクトロブ
ロツテイングはトランフオール・電気泳動的移送装置
(カリホルニア州サンフランシスコのヘツフアー・サイ
エンテイフイツク・インスツルメンツ)を使つて実施し
た。簡単にいうと、24mMのトリス、192mMのグリセリ
ン、20%(容積/容積)メタノールを含む移送バツフア
ーの中でpH8.3で予備浸漬したニトロセルロース片を注
意深くゲル上に置いた。これを次に移送バツフアーで以
て予め飽和させた2枚のワツトマン3MM紙の間にはさ
み、そして装置の中に置き、ゲルはカソードとしニトロ
セルロースをアノードとした。LPSをゲルスラブあたり5
ma定電流においてニトロセルロースへ室温で一晩トラン
スブロツテイングを行なつた。この低電流密度は効率的
移送に必要であることが見出された。
ニトロセルロース上のLPSの免疫学的検出 LPS含有ブロツトを、ニトロセルロース上で蛋白質結合
点をブロツクするために室温で30分間、1%(重量/容
積)のBSA−PBSの中に浸漬した。PBS中の十分なモノク
ロナル抗体を添加して最終濃度を10μg/mlとし、そのト
ランスブロツトをおだやかに3時間攪拌した。PBS中の
十分な洗滌ののちに、ニトロセルロースシートを100ml
125I標識をつけたヤギの抗マウスIgGF(ab′)2ある
いは125I標識をつけたヤギの抗ヒトIgMプロープで以
て、室温で2-3時間保温した。放射線標識化プローブは
実施例1に記載のとおり、約10μCi/μgの比活性度に
おいてつくり、1%(容積/容積)のBSA−PBSバツフア
ー中で105cpm/mlで使用した。電気泳動ブロツトはPBS中
で徹底的に洗い加熱ガンで以て完全に乾燥した。これら
のブロツトはコダツクX−オーマツトARフイルム(XAR
−5;イーストマンコダツク社、NY州ロチエスター)へデ
ユポンのライトニング・プラス増強スクリーン(ピツカ
ー・インターナシヨナル、オハイオ州、ハイランドハイ
ツ)を使つて露出した。
ネズミの抗LPS抗体 アフイニテイ精製したモノクローナル抗体の二つ、8A1
と4A10をこのSDS−PAGEイムノブロツト検定においてLPS
結合について調査した。両者ともスムース生物からのLP
Sに対して正の反応性を示した。これはRIAにおけるLPS
結合研究の結果と対照をなしている。8A1に関する代表
的な検定は図3Bに示される。銀染色ゲル(3A図)を免疫
学的検出(3B図)と比較するときに直ちに明らかな点
は、8A1が調査されるLPS変異型すべての小分子量成分と
選択的に結合するということである。モノクローナル8A
1が急速移動バンドへ排他的に結合するかどうかを見出
すために、5個のLPS変異型の2倍の負荷を用いフイル
ムを過露出して実験を繰返した(3C図)。ここで、弱い
結合がE.コリ 0111:B4 LPS中の成分のすべてに対して
見られるが、S.ミネソタ野性型LPSに対しては見られな
い。
トランスブロツテイング効率を二つの方式で検査した。
第一には、すべてのLPS種がポリアクリルアミドゲルか
らトランスブロツテイング中に移行することを示すため
に、二つのゲルを同等条件で走らせた。一つは直接に銀
染色したものであり、他方はトランスブロツトし次いで
ゲルを銀染色したものである。バンドはすべてトランス
ブロツトされたゲルの中で目に見ることができるが、し
かし、すべて、対照標準ゲルに相対的に実質上強度が減
少している。この方法は絶対的な定量性はないが、この
データーはゲルからのいくつかのLPS成分の選択的移行
が存在しないことを強く暗示している。第二に、E
0111:B4特異的モノクローナル抗体、5B10、を展開
させた。上記と同等のイムノブロツト検定実験におい
て、この抗抗体はE.コリ 0111:B4 LPS成分のすべてと
強く反応する。このように、E.コリ 0111:B4 LPSのす
べてのLPS成分はニトロセルロースシートへ結合し、高
分子量成分と低分子量成分の間のきわめて異なる免疫染
色強度はそれらの成分のニトロセルロースへの異なる移
送の結果でではない。結論は、8A1はスムース型生物か
らの調製物を含めたLPS試料のすべてにおいて小分子量
成分へ選択的に結合するが排他的ではないということで
ある。
このイムノブロツト検定においてテストした二つのネズ
ミのモノクローナル抗体は異なる活性を示した。抗体8A
1は銀染色によつて検出できなかつた遊離脂質A成分と
最も強く反応した(3A図および3B図)。このことは、8A
1が抗脂質Aモノクローナル抗体であるという結論を補
強するものである。モノクローナル抗体4A10は、実施例
4におけるRIAと一致して、SミネソタRe LPSとの最も
強い結合を示した。
ヒトの抗LPS抗体 ヒトのモノクローナル抗体HM16AをSDS−PAGEイムノブロ
ツト検定において調査した。細胞上澄みを使用した予備
的実験は、HM16Aがネズミ抗体8A1と類似の特異性をもつ
ことを暗示した。この検定の感度を増すために、HM16A
細胞上澄みのアリコートを精製し50%(容積/容積)殖
酸アンモニウム塩分画化を使つて濃縮した。沈澱を再構
成し、PBSに向けて透析した。4B図において、精製HM16A
抗体に関するイムノブロツト検定の結果が提示されてお
り、4A図は銀染色した類似ゲルを示している。ここでも
また、8A1の場合と同じく、ヒト抗体は小分子量成分を
選択的に結合した。
このことは結論的には、グラム陰性細菌に対するヒトモ
ノクローナルHM16Aの広い交叉反応性が抗LPS特異性の結
果であるということを示している。HM16AがRIA検定にお
いてどのLPSへも結合しなかつた理由は明らかではない
が、しかし、それは単純には組織培養における抗体の低
濃度と不純状態の反映であるかもしれない。
RIA検定とSDS−PAGEイムノブロツテイング検定との比較 集合体として行なつたRIA検定とイムノブロツト検定は
結論的に、ヒト(HM16AとHM22B)およびネズミ(8A1〕5
E4,4A10,1D4および6B2)のモノクローナル抗体の広い交
叉反応性がそれらの抗LPS特異性の故であることを証明
している。全細胞交叉反応性の本体は多分、抗LPS抗体
と小さいO−特異性側鎖をもつかあるいはO−鎖を全く
もたないかのいずれかである生物表面上のLPS成分との
相互反応に基くものである。RIA検定方式においてスム
ース(O−特異性多糖含有)グラム陰性細菌へLPSが結
合できないことは、ポリビニルプレート上において、LP
Sが集合体として存在しその中で大きい炭水化物側鎖を
もつLPS諸成分が小分子量成分への抗体接近を立体的に
妨害することを暗示している。
すべてのヒトおよびネズミのモノクローナル抗体が抗LP
S活性をもつという最も重要な事実が残る。
実施例6. 緑膿菌から生外膜に対する抗−LPS抗体の整別法 ネズミのモノクローナル抗−LPS抗体8A1と5E4は、実施
例5に記載されたと類似の方法を用いて緑膿菌の種々の
菌株から粗外膜のパネルに対し選別された。外膜は、17
血清群を表わす菌株のセツトから細菌リウ等(Liu et a
l.)により、(1983)インタナシヨナル ジヤーナル
システム バクテリオロジイ(Int.J.Syst.Bacterio
l.)33,256-264,および緑膿菌PA01株H103より定義され
た。具体的菌株生長条件および外膜技術は、ハンコツク
等(Hancock et al.)(1932)「感染免疫」(Infect.I
mmun.)37,167-171に記載されている。14の異なる類粘
体から調製された外膜の他のセツトは、ロオバート ハ
ンコツク博士(Dr.Robert Hancock(バンクーバー、ブ
リテイシユ コロンビヤ)により提供されたヒトノウ胞
性線維症(cystic fibrosis)患者から分離される。
第5図に17血清タイプの具体的菌株および緑膿菌PA01菌
株H103に対するモノクローナル5E4を持つ免疫酵素の結
果が示されており、レーン印のあるFは蛋白質陰性コン
トロールである。実施例5における如く、抗−LPS抗体
は選択的に低分子量のLPS成分と結合した。免疫染色成
分の異なる移動度は、種々の菌株におけるこれらのLPS
成分間にある構造上の差異を意味する。しかしながら、
これらの差異は抗体結合を妨げない。
同じ検定が、ノウ胞性線維症患者から分離した14緑膿菌
の粗外膜調製物と対比してなされた。再び、これらの血
清学上分離されていない菌株の全にあるラフタイプLPS
に結合した。8A1に対する結果は、第5図Bに示す。
大腸菌で免疫したマウスから誘導したモノクローナル抗
体は、緑膿菌の血清学上異なる菌株からのLPSを認識
し、かつ血清学上分類されていない天然精製物由来のLP
Sを認識した。このことは、緑膿菌の新しい分類されて
いない菌株において、多分高い確率で維持されているで
あろうリポポリサツカライド分子内の抗原決定基を8A1
と5E4との両者が認識することを示す。
実施例7. 受動免疫 免疫療法剤としてネズミの抗LPSモノクローナル抗体の
数個の効力は、マウスを用いて数個のモデルシステムに
おいて試験した。
直接敗血症モデル(Direct Sepsis Model) このモデルにおいて、初めにネズミの抗LPSモノクロー
ナル抗体混合物を数種の濃度で腹腔内に接種し、次いで
16-24時間後に三種の試験細菌の中の一種のLD50の2-3倍
の投与量を静脈内に感染させた。致死量カーブは予め実
験により確立されており、細菌は実施例1に記載した如
く培養しそして量を決めた。このモデルは、「外科」
(Surgery)92,212-219に、モルモツトに対しダン等(D
unn et al.)が記載したことに類似している。しかし生
理的警告を省略し、死からの防御により効力が確立され
た点は除かれる。これらの実験に用いられた抗体は、抗
LPSモノクローナル8A1,5E4,6B2および1D4の等モル混合
物であつた。生理的食塩と同様に抗ミオジンモノクロー
ナルR11D10の両者は、負のコントロールとして用いられ
た。
第7表に見られる如く、負のコントロールまたは食塩を
与えたマウスの全部が死んだ、一方抗体の抗LPS混合物
は、抗体投与の従属型において、死からの有意な防御を
引き出した。それ故、免疫原として大腸菌J5を用いたモ
ノクローナル抗体の混合物は、次に大腸菌J5で感染した
マウス、またはその親の野生タイプの株菌、大腸菌011
1:B4で感染したマウスを防御できる。しかしもつとも重
要なことは、抗LPS抗体が肺炎桿菌の死の攻撃からおよ
び大腸菌と異なる属のバクテリヤ株からマウスを防御で
きることである。かように、試験管内で示されたこれら
の抗体の広い交叉反応性は、生体内でもまた保持される
ことができる。
火傷性敗血症モデル 抗LPSモノクロナル抗体の一種を、「感染免疫」(Infec
t Immun.)39,1072-1079,(1983)でクリズ等(Cryz et
al.)が記載している如く、火傷性敗血症モデルにおい
て、そこでは投与細菌として用いた極めて悪性のヒト病
原菌、緑膿菌PA220〔エス、クリズ博士、ベルン、スイ
ス(Dr.S.Cryz,Berne,Switzerland)〕で試験した。
動物として18-20gのスイスウエブスター非近交系マウス
をメトキシフルオラン(ペンスラン;イリノイ州北シカ
ゴアボツト研究所)の気流中で麻酔させた。マウスは次
いで背部の面積2cm2を10秒エタノール火傷させた。攻撃
菌は直接創傷に皮下注射した。マウスは細菌投与の前後
の特定時間にモノクローナル抗体の受身伝達を静脈内に
受けた。火傷およびPBSのみを受けた対照マウスは通常
のように生存した。
抗−LPSモノクローナル抗体を用いた8A1はマウス免疫グ
ロブリンのIgG1サブクラスであるため適合するサブクラ
スのモノクローナル抗体を陰性対照に使用した。陰性対
照の特異性は肝炎B型表面抗原(HB sAg)に対してであ
つて、それはIgG1モノクローナル抗体である(Dr.V.Zur
awski,ペンシルバニア州西チエスター) 抗−LPSモノクローナル抗体8A1および抗−HB sAg対照モ
ノクローナル抗体は感染前24時間に別個のマウス群に与
えた。今一つのマウス群は感染前24時間および感染後20
時間の両者に8A1を受けた。マウスの絶体死亡率は認め
られるほど相違しなかつたが、モノクローナル抗体8A1
で処理した両群のマウスの死亡は著しく遅延した(第8
表)。恐らく投与後のマウスの相対的状態が非常に意義
があつたようである。2回の8A1投与を受けたマウスは
対照マウスよりかなり良好な状態であつて、2匹の死亡
を除いてこの動物はプラス48時間まで健康に見えた。こ
れらの結果は抗体が細菌による血流の浸入を遮断し、か
つ防御抗体が、消耗されるとマウスが死亡することを示
している。
エンドトキシンモデル リポ多糖類(LPS)はグラム陰性菌のエンドトキシンで
あり、グラム陰性感染の病原性に重要な役割を演ずる。
LPSの生物学的活性はリピツドA成分で示される。この
ためにエンドトキシンシヨツクモデルが、生体内でリピ
ツドAおよびReLPSの毒性効果を中和する抗−LPSモノク
ローナル抗体の効能をチエツクするために使用された。
マウスは相対的にエンドトキシンの致死効果に耐性があ
るために以前にガラノス(Galanos)等、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 76,5939-5934(1979年)により開発されたガ
ラクトーサミン誘導感作法が使用された。このモデルは
エンドトキシンの大過剰投与が使用される。
第1の実験にはCD−1雌マウス(ニユーヨーク州キング
ストン、チーヤルスリバー飼養研究所)の10匹の群がモ
ノクローン性8A1および5E4の等モル混合物10mgを投与前
40時間および再び16時間に腹腔内接種により投与した。
投与直前に遊離リピツドA12μg、ガラクトーサミン15m
gおよび8A1および5E4抗生物質の全量3mgを混合し尾部葉
脈を経て投与した。対照マウスの1群はPBSを抗体混合
物に代えた以外は同様に処理された。以前の実験は脂質
A12.0μg−ガラクトーサミン15.0mg混合物が、ほぼ100
%致死投与量であることを示した。第6図に示された結
果は明らかに抗体混合物は脂質Aの生体内効果を部分的
に中和することができたことを示している。
第2の実験では2種のモノクローナル抗体、4A10および
8A1の等モル混合物の多数投与がエンドトキシン注射16
時間前に5〜6匹のマウス群に受身的に伝達された。こ
の場合には、ReLPS 0.1μgとガラクトーサミン15mgと
が、投与剤として使用された。この混合物中には抗体は
エンドトキシンに予備混合されなかつた。Re LPSのこの
量は投与実験で少なくとも100LD100であることが見出さ
れた。第7図に見られる如く、投与依存法で抗体混合物
は明らかにマウスにエンドトキシンの致死効果からの著
しい防御を与えた。第7図で直接明らかでない点は6匹
の対照から4匹が、投与後6時間に死亡したことでたゞ
この時間までに抗体の投与をいずれも受けたマウスは死
亡したものはない。抗体投与量が高ければ高い程マウス
の死亡は少なく、それらの死亡は増々遅いことが明らか
である。
これらの実験は抗−LPSモノクローナル抗体が生体内で
エンドトキシンに対し受容体と十分競合することを明白
に示している。
実施例8. TLCによるリピツドA結合研究 リピツドAは3つの科(Enterobacteriaceae,Pseudomon
adaceaeおよびVibrionaceae)と8つの属のグラム陰性
菌の19種から誘導した。これらには大腸菌の8種の血清
型とサルモネラ菌の5個の種が含まれる。下記のLPS試
料はリスト生物研究所(キヤンベル,CA)から得られ
た。即ち、E.Coli 0111:B4,E.Coli 055:B5,E.Coli 012
7:B8,Salmonella minnesotaSalmonella typhimuriu
m Klebsiella pneumoniaeYersinia enterocolitic
a Serratia marcescensPseudomonas aeruginosa
Vibrio Cholera Inaba;リビImmunochem(ハミルト
ン,MT)からはE.coli 0128;B12,E.coli 0113,E.coli 11
100:K235,Salmonella typhosaSalmonella abortus
equi Salmonella enteritidisShigella flexene
iおよびリピデツクス株式会社(ミドルトン、WI)から
リピツドY、リピツドY、リピツドXおよびモノアシ
ルグルコサミン1−Pを得た。全院内菌血症の70%以上
はこれらの試薬が誘導された種により表わされている
(Maki,Sugra;Braude等,上記)。リピツドAは種々の
市販源からLPSの処理により生成し天野等の方法〔Bioch
em.Biophys.Res.Com.106 677-682(1982年)〕による薄
相クロマトグラフイー(TLC)により展開した。簡単に
は、LPS5mgを20mM酢酸ナトリウム3mlpH4.5中に懸濁し、
次いで30分沸騰した。試料は次に2000rpmで20分間遠心
分離した。ペレツトは次に20mM酢酸ナトリウム3mlpH4.5
中に再懸濁し、この方法を2回反覆した。
リピツドA、リピツドA誘導体およびリピツドA先駆物
質を水中0.5%(V/V)TEA中に5mg/mlの最終濃度で懸濁
した。各試料25μgを20×20cmのアルミニウム裏張りシ
リカゲル60TLC板(VWR,フイラデルフイア、PA)に投与
した。TLC板はクロロホルム:メタノール:水:濃アン
モニヤ(50:25:4:2)の混合物で展開した。抗原は新規
の酵素免疫検定法で検出した。この方法はハンソン(Ha
nsson)等(J.Biol.Chem.258 4091-4097(1983年)〕に
より記載された癌抗原のTLC上の免疫学的検出に開発さ
れた放射線免疫検定法に類似している。簡単に述べる
と、TLC板をBBS中2%(W/V)BSA溶液で噴霧し、次いで
この同一溶液200ml中で室温で2時間保温した。溶液は
次に問題の抗体を含有する新鮮な2%BSA−PBS溶液で置
換した。抗体濃度は2時間10g/mlであつた(山羊抗−マ
ウスF(ab′)2によりRIAで定量される)。TLC板は次
に3回100mlのPBSで次にpH8.0の50mMトリス塩酸塩100ml
で1回洗浄する。TLC板上のアルカリ性ホスフアターゼ
抗体−抗体−抗原錯体の検出は酵素基質1mg/mlナフトー
ルAS−MXリン酸塩100mlおよび染料、フアストレツドTR2
mg/ml(Sigma)の添加により実施された。反応は蒸留水
で4回洗滌して10分で停止した。
第8図は薄相クロマトグラフイー板上でリピツドAの酵
素架橋免疫検出の結果を示す。肝炎モノクローナル抗体
8A1が下記から誘導されたリピツドAに対して試験され
た。即ちコース1,Escherichita coli 0111:B4,コース
2,Salmonella minesota,コース3,Klebriella pneumo
nia;コース4,Yersinia enterocoblica,コース5,Serr
atia marscens,コース6,Sigella flexnerii,コース
7,Pseudomonas aeruginosa FD型1;コース8,S.typhimur
ium,コース9,S.typhosa 0901;コース10,E.coli 055:B5
(図8A)。8A1はまた次に対して試験された。コース1,
S.minnesota ReからのLPS;コース2,S.minesota Reから
のリピツドA;コース3,E.coli J5からのリピツドA;コー
ス4,S.typhimurium ReからのリピツドA;コース5,S.mine
sota Reからのモノホスホリル リピツドA;コース6,E.c
oli Bからの脱エステル化モノホスホリルリピツドA;コ
ース7,リピツドY;コース8,リピツドX,コース9,リピツド
、およびコース10,モノアシル−グルコサミン−1
−リン酸塩(反応性なし、図示なし)(図8B) 最近文献に示されたようにリピツドAは均質な基質では
ない(Amano等、上記)。更に図8に示すように実質的
に複数の属にわたる不均一性も存在する。この不均一性
はエステル架橋脂肪酸の数と形態並びにリピツドAのリ
ン酸塩基における置換により生ずる。記載したモノクロ
ーナル抗体はE.coli J5により免疫されたマウスから得
られたため8A1が、E.coli 0111:B4からのリピツドAと
交叉反応したことは驚ろくべきことでない(図8)。8A
1(図8B)が試験した全てのグラム陰性菌からのリピツ
ドAと交叉反応したことは意味がある。明らかに、Pseu
domonas aeuruginosa Fisher−D型1からのリピツドA
はE.coli 0111:B4のそれとは実質的に異なる化学組成を
持つが、それはE.coli J5免疫から誘導した抗−リピツ
ドA抗体により容易される。リピツドY、リピツドAの
先駆物質の単糖体との交叉反応性は〔Raetz等,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,80 4624-4628(1983年)〕更に抗体の
エピトープが、リピツドAの化学構造内に在るクレーム
を立証する。分類されない病原体に対する防御を保証す
るには、(1)保持された抗原が全てのグラム陰性菌中
に存在せねばならない。(2)モノクローナル抗体は図
8に示したような敏感な化学変化を認めることができ、
基準1を満足したリピツドAおよび本明細書に記載した
モノクローナル抗体が基準2を満足する。
等価値 当業者はわずかに慣例的な実験を使用して本明細書に記
載した本発明の特定の態様に多くの等価値を認識または
探知できる。かゝる等価値は下記のクレイムの範囲内に
あるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 // C12N 15/02 C12P 21/08 9161−4B (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 特表 昭60−501242(JP,A) ・Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,79(1982)P.1616−1620 ・Eur.J.Immunnol.,12 (1982)P.797−803

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グラム陰性菌のリポポリサッカライドの保
    存領域に特異なIgMイソタイプである哺乳動物モノクロ
    ーナル抗体。
  2. 【請求項2】コア部分に特異的である特許請求の範囲第
    1項記載の哺乳動物モノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】前記の抗体が、リンパ球とミエローマ細胞
    との融合によって形成されたハイブリドーマによって産
    生される、特許請求の範囲第1項または第2項記載の哺
    乳動物モノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】リンパ球がヒトリンパ球である特許請求の
    範囲第3項記載の哺乳動物モノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】前記抗体がヒト抗体である特許請求の範囲
    第1〜4項のいずれかの項記載の哺乳動物モノクローナ
    ル抗体。
  6. 【請求項6】サンプル中のエンドトキシンまたはグラム
    陰性菌を検出する方法において、グラム陰性菌のリポポ
    リサッカライドの保存領域に特異的なIgMイソタイプの
    哺乳動物モノクローナル抗体をサンプルに接触させて、
    リポポリサッカライドに結合させ、次いで結合抗体の存
    在を検出することからなる方法。
  7. 【請求項7】細菌がグラム陰性であるか否かを決定する
    方法において、 (a)グラム陰性菌のリポポリサッカライドの保存領域
    に特異的なIgMイソタイプの哺乳動物モノクローナル抗
    体を、細菌に接触させ、 (b)この抗体が細菌に結合する否かを決定し、抗体の
    結合はグラム陰性であることを示し、結合が生じない場
    合はグラム陰性菌ではないことを示す ことからなる方法。
  8. 【請求項8】弱酸性水溶液で処理することによりリポポ
    リサッカライドを露出させる方法で細菌を前処理する工
    程をさらに含む特許請求の範囲第7項記載の方法。
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