JPH0796576B2 - アクリロニトリル系の溶液重合に於る着色防止法 - Google Patents

アクリロニトリル系の溶液重合に於る着色防止法

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JPH0796576B2
JPH0796576B2 JP13901288A JP13901288A JPH0796576B2 JP H0796576 B2 JPH0796576 B2 JP H0796576B2 JP 13901288 A JP13901288 A JP 13901288A JP 13901288 A JP13901288 A JP 13901288A JP H0796576 B2 JPH0796576 B2 JP H0796576B2
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一浩 坂田
俊博 山本
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアクリロニトリル系の溶媒重合に於る着色防止
法に関するものである。
(従来の技術) 従来、アクリロニトリル系重合体の製造方法としては、
アクリロニトリル(以下ANと略称)単独又はANを80重量
%以上を含有するANと他の重合性ビニル化合物の少なく
とも1種との混合物を、アゾビスイソブチロニトリル、
ベンゾイルパーオキシドなどのラジカル重合触媒を用
い、ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミド
(以下DMFと略称)のような有機溶媒中で溶液重合させ
る方法が提案されている。かかる方法は水媒体中で重合
を実施する方法に比べて濾過、洗浄、造粒、乾燥、粉砕
などの煩雑な工程が省略され経済的であり工業的に極め
て有用な方法である。
しかしながら、反面溶液重合法でも欠点がある。溶液重
合における欠点の1つは、重合中ないしは重合終了後、
未反応単量体を回収する工程で、重合体溶液に残存して
いる触媒及び重合中の副生物などにより重合溶液が著し
く着色しやすく、またかかる重合体溶液を用いて紡糸す
る際、紡糸液を汚濁する等の支障を生ずることである。
とくにDMFを溶媒とした溶液重合の場合には着色が著し
い。
これらの欠点を改良するための着色防止の方法として重
合前に予め着色防止剤を添加して重合する方法が提案さ
れている。例えば特公昭36−16447号公報及び同37−138
90号公報には、ジメチルスルホキシドを媒体とするANの
溶液重合に於てナフタリン、酒石鹸,シュウ酸,パラト
ルエンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸,シトラコン
酸,クエン酸,亜リン酸,硫酸,塩酸,硝酸などが着色
防止剤として効果的であることが記載されている。一
方、特公昭49−11272号公報及び特公昭50−21508号公報
には、DMFを媒体とするANの溶液重合に於てベンゼンス
ルホン酸,シュウ酸,クエン酸,リンゴ酸,酒石鹸,マ
ロン酸などが着色防止剤として効果的であることが記載
されている。
しかしながらDMFを溶媒としAN,重合性ビニル化合物,ア
ニオン性モノマーよりなる溶液重合では、重合性ビニル
化合物がDMFにより悪影響を受け、着色が非常に大きく
また容易に起りやすいために、未だに実用上充分満足す
べき着色防止剤が見出されていない。例えばファイバー
グレードとして適用できるAN系重合体を得るためには、
一般に紡糸直前の重合体溶液の透過率(420nm単光色の2
0mmガラスセル中の透過率)が80%以上であることが必
要であるが、溶媒としてDMFを使用する通常の溶液重合
法においては、重合率40%以上に重合させた場合、着色
の少い重合体を得ることは極めて困難である。一方、着
色を可及的に少くしようとすれば、重合率を著しく低下
せしめねばならず、これでは工業的に有利にAN系重合体
を得ることはできない。
他方、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸のアルカリ金属塩等の高反応性アニオン性モノマー
を用いた溶液重合も試みられている。このようなアニオ
ン性モノマーは、その反応性が大きいために分子量が過
大になりすぎ、最適ポリマー分子量をコントロールする
事が困難である。従ってこの共重合体を用いてアクリル
系繊維を製造する場合、分子量が高すぎるため紡糸ドー
プの粘度も高くなり可紡性の低下をまねくなど問題点を
有していた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は繊維,フィルム等の成型物、特に繊維の
製造に有利で白色度良好なAN系重合体を有利に提供する
にある。本発明は、アクリロニトリル系の溶液重合にお
いて従来技術のもつ問題点、すなわちDMF溶媒で重合性
ビニル化合物、アニオン性モノマーよりなる重合溶液が
著しく着色する問題点を解決しようとするものである。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明の着色防止方法は、アクリロニトリルを80重量%
以上含み、これと他の重合性ビニル化合物の少なくとも
1種とアニオン性モノマーからなる混合物をジメチルホ
ルムアミドを媒体としてアゾビスイソブチロニトリル触
媒を用いて溶液重合するにあたり、重合開始前の反応系
全量に対しスルファニル酸,オルトフタル酸,パラトル
エンスルホン酸,又は無水トリメリット酸の群より選ば
れる1種を0.005〜0.1重量%添加して重合を行ったの
ち、未反応モノマーを分離除去することを特徴とする。
重合性ビニル化合物としては酢酸ビニル,塩素化酢酸ビ
ニル,ビニルベンゾエート,アクリル酸メチルなどであ
り、特に好ましいものとしては酢酸ビニルが挙げられ
る。
アニオン性モノマーとしてはアリルスルホン酸,メタリ
ルスルホン酸,2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸,スチレンスルホン酸,ビニルベンジルスル
ホン酸などのアルカリ金属塩があり、特に好ましいもの
としては2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸のアルカリ金属塩がある。
本発明の着色防止剤としてはスルファニル酸,オルトフ
タル酸,パラトルエンスルホン酸、又は無水トリメリッ
ト酸が最適である。着色防止剤は通常重合開始前または
重合開始時に系内に添加され、 重合溶媒,重合温度,触媒などとの組合せによって顕著
な効果を発揮するものである。着色防止剤の通常反応系
中の存在量は、0.005〜0.1(対溶液全量)重量%が実用
的であり、0.1重量%を超えると重合率が低下し、一方
0.005未満では着色防止効果が低減する。
重合溶媒として用いられるDMFは特殊な品位のものであ
る必要はなく、通常3%程度までの水を含んでいてもよ
い。また反応混合物中の原料モノマー濃度は溶液全量に
対して通常25〜40%程度が適当である。
重合反応温度は触媒の種類、重合性ビニル化合物などか
ら55〜75℃が好ましい。生産性向上、重合性向上のため
には高温度が好ましいが、重合性ビニル化合物の分解、
それによる生成物によるANの酸化、着色現象があり、ス
ルファニル酸,オルトフタル酸,パラトルエンスルホン
酸、又は無水トリメリット酸のような着色防止剤が不可
欠となる。
本発明においては、通常モノマーの重合率が40〜70%に
達した段階で重合反応をとめ、しかる後に未反応モノマ
ーを分離することが好ましい。つまり、モノマーの重合
率が70%を超えた段階においては反応速度が低下して経
済性に乏しいばかりか、DMFを溶媒として使用する本発
明方法では重合系の粘度が増大し操業が困難となる。更
にAN系重合体のDMF溶液の着色は、重合が進行すると共
に加速的に増大するので、モノマーの重合率は70%以下
に押さえる方が好ましい。一方、モノマーの重合率が40
%より以下であると、次のモノマー回収工程での負荷が
増大し、工業的に有利でなくなる。従って着色と回収負
荷の両者を満足せしめるためには、重合率を40〜70%の
段階で重合反応をとめることが好ましい。
重合反応終了後のモノマーの分離,回収は常圧でもよい
が、減圧下で実施するのが有利であり、通常60〜140℃
好ましくは65〜100℃の範囲で実施される。元来、重合
反応混合物からモノマーを回収する場合、高温度ほど重
合反応混合物の粘度が低下し、その結果モノマーの回収
を極めて円滑かつ容易に実施しうるものである。しかし
ながら、溶媒としてDMFと重合性ビニル化合物を使用し
た重合反応混合液からモノマーを比較的高温で回収する
場合には、通常混在する触媒及び溶媒に起因して重合体
溶液の着色が著しく、重合体の品位が低下する。しかる
に本発明の方法によれば円滑に重合し、その後モノマー
回収することができる。
(実施例) 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお実施
例中の部および%は特に断わりのない限り重量規準によ
るものである。
実施例1 AN28部、酢酸ビニル6部、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸ソーダ(以下SAMPSと略称す
る)0.2部及び着色防止剤としてスルファニル酸を0.03
部、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略称す
る) 0.025部をDMF65.8部に溶解し、68℃で17時間重合を行っ
た。得られた重合体溶液の重合率,透過率,及びこのよ
うにして得られた重合体溶液を40mmHg窒素圧下70℃で30
分及び60分加熱して未反応モノマーを除去して得られた
重合体溶液の透過率を第1表に示す。
次に、上記スルファニル酸に代えてオルトフタル酸,パ
ラトルエンスルホン酸,無水トリメリット酸をそれぞれ
使用して重合を行った。その結果は第1表に示す。
比較例1 実施例1と同じ仕込みで着色防止剤を変更し、同様な操
作を実施して第1表の結果を得た。
第1表からわかるように、本発明方法による着色防止剤
はモノマー回収工程での着色度の低下も少なく、極めて
優れた着色防止効果を示している。
実施例2 実施例1と同様な仕込みでAIBNを変更し、同様な操作を
実施し、第2表の結果を得た。
第2表に示すように、着色防止剤としてスルファニル酸
を使用した際の触媒はいずれもAIBNが良好であった。
実施例3 AN29部、酢酸ビニル7部、SAMPS0.2部、AIBN0.025部及
び所定のスルファニル酸をDMF63部に溶解し、68℃で17
時間重合を行いスルファニル酸の添加量の影響を検討し
た。
得られたドープの重合率、重合直後の透過率,及び未反
応モノマーを除去して得られたドープの透過率は第3表
の通りであった。
第3表より、スルファニル酸の添加量は0.005%未満で
は効果が小さく、0.10%を超えると逐次重合率が低下
し、又効果も減少することが判る。
実施例4 AN28部、酢酸ビニル6部、SAMPS0.2部、スルファニル酸
0.03部、AIBN0.04部をDMF65部に溶解し、68℃で重合さ
せた。各重合時間における重合率,重合直後の透過率,
及び未反応モノマーを除去して得られたドープの透過率
を測定した結果は第4表の通りである。
第4表より、重合率が70%を超えるとモノマー回収後の
着色度が低下することが判る。
実施例5 AN28部、酢酸ビニル6部、スルファニル酸0.03部、AIBN
0.025部をDMF65部に溶解し、各種のアニオン性モノマー
について重合温度68℃で17時間重合を行った。得られた
重合直後のドープの重合率と透過率、及び未反応モノマ
ーを除去して得られたドープの透過率は第5表の通りで
ある。
第5表に示すように、SAMPS,アリルスルホン酸,メタリ
ルスルホン酸のアルカリ金属塩が好ましく、殊にSAMPS
は重合率も高く、また着色度も低く最も好ましいことが
判る。
実施例6 AN28部、SAMPS0.2部、スルファニル酸0.03部、AIBN0.02
5部をDMF65部に溶解し、各種の重合性ビニル化合物モノ
マーについて重合温度68℃で17時間重合を実施例1と同
様に行った。得られた重合直後のドープの重合率と透過
率、及び未反応モノマーを除去して得られたドープの透
過率は第6表の通りである。
実施例7〜11 実施例2〜6におけるスルファニル酸に代えて、オルト
フタル酸を使用する以外同様にして重合を行った(実施
例7〜11)。これらの結果を第7〜11表に示す。
実施例12〜16 実施例2〜6におけるスルファニル酸に代えて、パラト
ルエンスルホン酸を使用する以外同様にして重合を行っ
た(実施例12〜16)。これらの結果を第12〜16表に示
す。
実施例17〜21 実施例2〜6におけるスルファニル酸に代えて、無水ト
リメリット酸を使用する以外同様にして重合を行った
(実施例17〜21)。これらの結果を第17〜21表に示す。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、従来技術のもつ欠点、すなわち
ジメチルホルムアミド溶媒系で重合性ビニル化合物を使
用したアクリル繊維などを製造するに際して、着色度の
悪化という宿命的欠点を解決するのに効果があり、産業
上極めて有用な方法である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリロニトリルを80重量%以上含み、こ
    れと他の重合性ビニル化合物の少なくとも1種とアニオ
    ン性モノマーからなる混合物をジメチルホルムアミドを
    媒体としてアゾビスイソブチロニトリル触媒を用いて溶
    液重合するにあたり、重合開始前に反応系全量に対しス
    ルファニル酸、オルトフタル酸、パラトルエンスルホン
    酸、無水トリメット酸の群より選ばれる1種を0.005〜
    0.1重量%添加して重合を行ったのち、未反応モノマー
    を分離除去することを特徴とするアクリロニトリル系の
    溶液重合における着色防止法。
JP13901288A 1988-06-06 1988-06-06 アクリロニトリル系の溶液重合に於る着色防止法 Expired - Lifetime JPH0796576B2 (ja)

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