JPH0797565A - 湿式摩擦材とその製造法 - Google Patents

湿式摩擦材とその製造法

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JPH0797565A
JPH0797565A JP24115793A JP24115793A JPH0797565A JP H0797565 A JPH0797565 A JP H0797565A JP 24115793 A JP24115793 A JP 24115793A JP 24115793 A JP24115793 A JP 24115793A JP H0797565 A JPH0797565 A JP H0797565A
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JP
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resin
parts
weight
friction material
friction
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JP24115793A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Oya
和行 大矢
Shunichi Shinohara
俊一 篠原
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温での耐久性、耐薬品性を向上させた湿式
摩擦材、特に油中使用の摩擦材並びにその製造法に関す
る。 【構成】 (A).シアナト樹脂又はシアナト樹脂を25重量
%以上含む硬化性樹脂組成物からなる結合剤 10〜50重
量部、(B).有機系及び無機系繊維補強基材20〜70重量部
及び(C).摩擦摩耗調整剤 5〜40重量部を用いて実質的に
無溶剤の摩擦材料用組成物(I) を調製し、前加工して無
硬化の前加工品(II)とし、この前加工品(II)を基板とと
もに加熱加圧下に成形して一体化してなる耐熱性に優れ
た湿式摩擦材並びに前加工品(II)の製造時に生じる前加
工残を摩擦材料用組成物(I)の材料として再使用するこ
とからなる湿式摩擦材の製造法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、車両、産業用
機械等のブレーキや、クラッチ、差動装置、防振装置に
用いられる湿式摩擦材であり、特に油中使用の摩擦材に
関し、高温での耐久性、耐薬品性を向上させると共に、
無溶剤の組成物を用いることにより材料の歩留り、作業
環境性にも優れたものである。
【0002】
【従来の技術】湿式摩擦方式は一般に、油中で使用され
る。これに使用する摩擦材は、空気中で使用されるもの
に比較して一般に耐久性に優れているため、その用途は
急激に拡大している。その例としては、第一に自動車用
オートマチックトランスミッションがあり、第二に、近
年需要の増加している4輪駆動自動車用差動装置があ
る。第三に、過酷な環境で使用される車両の湿式ブレー
キなどがある。その他に、ディーゼル・エンジン等の振
動防止装置など使用されてきている。
【0003】しかし、最近の自動車の高速化、エンジン
の高性能化、トランスミッションの多段化に伴う小型化
は、摩擦面に高負荷となり、必然的に油温の上昇を伴
う。従来のリンターパルプ、麻等の植物性繊維を繊維補
強基材とし、フェノール樹脂等の結合剤及び摩擦磨耗調
整剤を主成分とする油中摩擦材では、耐熱性や、強度の
面で、自動車の高性能化や機器の小型化に対応できない
状態となってきた。
【0004】しかし、現在においては、従来の摩擦材を
使用する以外に方法が無く、その為に装置の容量を大き
く設計するか、逆にエンジンの性能を抑制したりせざる
を得ないのが現状である。エラストマータイプ、セミメ
タリックタイプ、焼結合金タイプ等の油中摩擦材が検討
されているが、必要な動摩擦係数、耐久性、フィーリン
グ性などのバランスのとれた満足レベルには達したもの
に至っていない。
【0005】焼結合金摩擦材は、その組成成分から高い
耐熱性を持つことが最大のメリットである。反面、金属
であるが故に、係合時に相手材面のうねり、凹凸への追
従性に劣り、部分的な高温部、所謂「ヒートスポット」
を発生させてしまい結果として摩擦材の機械的疲労破壊
および不安定な摩擦挙動へと結びつくこととなる。さら
に、重量が大きく燃料費増の方向となり、小型軽量化と
逆方向となる。また、必要とする高い摩擦係数とその安
定性も問題があり、作動時のフィーリング性も悪い。
【0006】また、エラストマータイプとして、例えば
特開昭59-137634 号公報にフッ素ゴムを使用するものが
開示され、その耐熱性、耐油性により大いに注目された
が、湿式摩擦材として使用される装置内でのエンジンオ
イル、ミッションオイル、ATF 、ギアオイルなどに含ま
れるある種のアミン系強塩基性添加剤によって、科学的
攻撃を受けて劣化し易いという欠点がある。また、耐磨
耗性も悪く、長時間の使用には耐えられない。
【0007】更に、4輪駆動車や水中作業車のようにブ
レーキ部分に水が介在或いは侵入する場合においては、
2輪のモーターサイクル車のようにウオーターリカバリ
ー性を考慮したブレーキも存在する。しかし、これらは
水中では殆どブレーキとして機能しないので、焼結金属
製のシューやパッドを採用した油中ブレーキが使用され
る。これらは前記したようにフィリング性が悪い。ま
た、摩擦面を防錆被覆することはできないので、焼結合
金の成分として用いられているアルミニウムや銅が摩擦
面には剥き出しとなっており、これら成分の腐食によっ
て耐久性にも問題が生じている。
【0008】また、上記した従来の湿式摩擦材は、リン
ターパルプ、麻などの植物繊維に、アラミド繊維やフィ
ブリルパルプ、カシューダスト、珪藻土、カーボンなど
を水に懸濁し、抄造、乾燥した不織布に、フェノール・
レゾール樹脂溶液を含浸させ、熟成した後、所定の形状
に打ち抜き、これを接着剤付きのフェーシング・プレー
トにホットブレスして硬化一体化することにより製造さ
れている。しかし、この方法の場合、材料のリサイク
ル、特に打ち抜き残のリサイクルができない場合には、
材料の歩留りが低く、高価なものとなる。また、耐負荷
性が低いなどにより小型化が困難となってきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油温 120℃
以上において使用可能で、さらに表面温度 250℃以上に
短時間曝され、油切れの場合にも使用できる耐熱性、耐
薬品性、耐久性に優れた摩擦材を提供することにある。
また、本発明は、使用材料のリサイクルを可能とした製
造法である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A).シアナト
樹脂又はシアナト樹脂を25重量%以上含む硬化性樹脂組
成物からなる結合剤 10〜50重量部、(B).有機系及び無
機系繊維補強基材 20〜70重量部及び(C).摩擦摩耗調整
剤 5〜40重量部を用いて摩擦材料用組成物(I)を調製
し、前加工して無硬化の前加工品(II)とし、この前加工
品(II)を基板とともに加熱加圧下に成形して一体化して
なる耐熱性に優れた湿式摩擦材である。好ましい実施態
様においては、該繊維補強基材(B) の一部が、芳香族液
晶ポリエステル樹脂又は全芳香族ポリアミド樹脂の繊維
或いはフィブリル・パルプである有機系繊維補強基材で
あること、および該摩擦摩耗調整剤(C) が、珪藻土、カ
ーボン、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、二硫化モリ
ブデン、テフロン粉末およびBTレジンダストからなる
群から選択された1種又は2種以上の混合物である湿式
摩擦材である。
【0011】また、本発明は、(A).シアナト樹脂又はシ
アナト樹脂を25重量%以上含む硬化性樹脂組成物からな
る結合剤 10〜50重量部、(B).有機系及び無機系繊維補
強基材 20〜70重量部および(C).摩擦摩耗調整剤 5〜40
重量部を用いて摩擦材料用組成物(I) を調製し、シート
或いはテープ状にし、所望形状に前加工して無硬化の前
加工品(II)及び前加工残(III) とし、この前加工品(II)
を基板とともに加熱加圧下に成形して一体化して湿式摩
擦材を製造すると共に、前加工残(III) を摩擦材料用組
成物(I) の材料として再使用することからなる湿式摩擦
材の製造法である。
【0012】以下、本発明を説明する。本発明の結合剤
Aは、シアナト樹脂又はシアナト樹脂を25重量%以上含
む硬化性樹脂組成物である。シアナト樹脂は、多官能性
シアン酸エステル、そのプレポリマーなどを必須成分と
してなり、シアナト樹脂(特公昭41-1928 号、同45-117
12号、同44-1222 号、ドイツ特許第1190184 号等)、シ
アン酸エステル−マレイミド樹脂、シアン酸エステル−
マレイミド−エポキシ樹脂(特公昭54-30440号等、特公
昭52-31279号、USP-4110364 など)、シアン酸エステル
−エポキシ樹脂(特公昭46-41112号)などで公知であ
る。
【0013】具体的には、1,3-又は1,4-ジシアナトベン
ゼン、1,3,5-トリシアナトベンゼン、1,3-,1,4-,1,6-,
1,8-,2,6-又は2,7-ジシアナトナフタレン、1,3,6-トリ
シアナトナフタレン、4,4'−ジシアナトビフェニル、ビ
ス(4-シアナトフェニル)メタン、2,2-ビス(4-シアナ
トフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジクロロ-4- シ
アナトフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4
- シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフェ
ニル)エーテル、ビス(4-シアナトフェニル)チオエー
テル、ビス(4-シアナトフェニル)スルホン、トリス
(4-シアナトフェニル)ホスファイト、トリス(4-シア
ナトフェニル)ホスフェート、および末端OH基含有ポ
リカーボネートオリゴマーとハロゲン化シアンとの反応
によりえられるシアン酸エステル(USP-4026913 )、ノ
ボラックとハロゲン化シアンとの反応により得られるシ
アン酸エステル (USP-4022755 、USP-3448079)などが挙
げられる。
【0014】マレイミド成分は、N-マレイミド基を分子
中に1個又は2個以上含有する有機化合物、そのプレポ
リマーなどであり、本発明では、特にモノマーの状態で
使用するのが好ましい。マレイミド成分は、高温下の熱
処理によって、耐熱性を向上させるものであり、その使
用量はA成分中の 5〜60重量%、好ましくは15〜50重量
%である。また、エポキシ樹脂とは分子中に2個以上の
エポキシ基を含有する有機化合物、そのプレポリマーな
どである。具体的にはビスフェノールA型エポキシ樹
脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、トリスグリシドキシベンゼ
ン、1,1,1-トリ(4−クリジジルフェニル) エタン、その
他の多官能エポキシ樹脂が挙げられる。その使用量はA
成分中の50重量%以下、好ましくは 5〜30重量%であ
る。
【0015】また、本発明ではA成分を硬化させるため
の硬化触媒、濡れ性を改良するための界面活性剤、離型
剤、その他を適宜添加できるものである。A成分の硬化
触媒は、有機金属塩類、有機金属キレート化合物、無機
金属塩類、有機過酸化物などが挙げられ、具体的には、
ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、オクチル酸亜鉛、オ
レイン酸錫、ジブチル錫マレート、ナフテン酸マンガ
ン、ナフテン酸コバルト、アセチルアセトン鉄、アセチ
ルアセトンマンガン、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパ
ーオキサイド、カプリルパーオキサイド、アセチルパー
オキサイド、パラクロロベンゼイルパーオキサイド、ジ
-tert-ブチル−ジ−パーフタレートなどが挙げられる。
これら硬化触媒の使用量は、一般的な触媒量の範囲で十
分であり、例えば0.01〜5 重量%の量で使用される。ま
た、離型剤は、石油系ワックス、カルナバ蝋ワックス、
モンタン酸系ワックス、その他の内部離型剤が例示され
る。
【0016】本発明のB成分の有機系繊維補強基材とし
ては、芳香族液晶性ポリエステル樹脂、全芳香族ポリア
ミド樹脂が好適なものとして挙げられ、その他、リンタ
ーパルプ、麻パルプ、木材パルプ、アクリル繊維、ポリ
(ベンズイミダゾール)繊維などが挙げられる。
【0017】全芳香族ポリアミド樹脂としては、芳香族
アラミド樹脂が挙げられ、繊維或いはフィブリル・パル
プがある。本発明の好ましい製造法の場合、結合剤が無
硬化のシートを製造し、これを打ち抜きして摩擦面を形
成する予備成形片を得ると共に、残部をシート製造用に
リサイクルする。芳香族アラミド樹脂の配合量が多い
と、機械的な切断が困難となるので、通常、3〜15重量
%の範囲で使用する。
【0018】芳香族液晶性ポリエステル樹脂は、芳香族
ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカル
ボン酸等を主成分として組み合わせ、必要に応じて脂肪
族あるいは脂環族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン等
を用いて重縮合して合成される。一般に、この熱可塑性
液晶樹脂の重量平均分子量は 2,000〜200,000 の範囲で
示差走査熱量計(DSC) による溶融開始温度(固体から液
晶状態への転移温度)は 250℃以上である。本発明で
は、重量平均分子量が 15,000 以上のものが好ましく、
DSC による溶融開始温度は 250℃以上のものが好まし
い。これらとしては、日本石油化学(株)製のザイダー
SRT-300、ポリプラスチックス(株)製のベクトラ A-9
50等がある。これ以外の熱可塑性液晶樹脂には USP-3,6
37,595、USP-3,804,805 、USP-4,067,852 、USP-4,161,
470 、特開昭57-177020 、特開昭63-39918、特開平1-23
6231および特開平3-91534 などが例示される。
【0019】また、芳香族液晶性ポリエステル樹脂は、
熱処理して溶融開始温度を高めたもの或いは不融化した
ものとして用いるのが好ましい。熱処理は該溶融開始温
度より 0〜30℃低い温度にて加熱処理して該溶融開始温
度を上昇させ、必要に応じて、熱処理温度をこの上昇し
た溶融開始温度に合わせて上昇させることにより行うも
のである。この熱処理は、多段階に渡るステップ処理、
溶融開始温度の上昇に応じて連続的に熱処理温度を上昇
させる方法でもよい。熱処理の雰囲気は、空気存在下、
不活性気体存在下および減圧下のいずれでも可能であ
る。
【0020】また、不融化は、上記の熱処理のみでも生
じる場合があるが、適宜触媒等を併用して上記の熱処理
を行い、重合度を大幅に上昇させると共に結晶の成長を
促進すること、あるいは分子間に架橋構造を導入するこ
とにより行うものである。例えば、特願平5-120174号公
報には、熱可塑性液晶樹脂にピッチを添加した後、熱処
理することにより該熱可塑性液晶樹脂の不融化を達成し
ている。また特開平1-207358号公報に、鉄、クロム、コ
バルトの金属及び金属化合物を触媒として熱処理するこ
とにより該熱可塑性液晶樹脂の不融化が開示されてい
る。
【0021】本発明のB成分の無機系繊維補強基材とし
ては、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ・シ
リカ・ジルコニア系セラミック繊維、アルミナセラミッ
ク繊維、ロックウール (繊維) 、ガラス繊維、鉱物繊
維、ホウ酸アルミウィスカ、酸化マグネシウムの繊維及
びウィスカなどが挙げられ、炭素繊維、カーボンウィス
カ、チタン酸カリウム繊維、アルミナ・シリカ・ジルコ
ニア系セラミック繊維が好ましい。
【0022】本発明のC成分の摩擦摩耗調整剤として
は、硫酸バリウム、グラファイト、グラファイト、炭酸
カルシウム、珪藻土、ゼオライト、カーボンモレキュラ
シーブ、二硫化モリブデン、フッ化カルシウム、アルミ
ナ、シリカ、グラス短繊維、ムライト、酸化銅、三酸化
アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化第二鉄、二硫化モ
リブデン、三酸化アンチモン、カーボン短繊維などの無
機の粉体或いは短繊維類;鉄、ステンレス、銅、黄銅、
青銅、鉄、亜鉛、錫などの金属粉体やチップ;カシュー
レジン・ダスト、BTレジン・ダストなどの硬化樹脂粉
末など従来公知のものが挙げられ、低温から高温までの
動摩擦係数の安定化や耐磨耗性の付与、液温の高い領域
や摩擦材表面温度の高い状態の摩擦係数の低下を抑える
ことなどの機能を適宜組み合わせることにより達成す
る。なお、従来は、抄紙したものを補強基材とし、これ
に樹脂を含浸などする方法を使用していたので、上記し
たセラミックス粉末、金属粉末などの珪藻土以外の成分
の使用は非常に困難であったが、本発明の好ましい製造
法では、これら成分の使用は自由である。
【0023】更に、湿式ブレーキなど高負荷での使用の
場合には、機械的強度、熱伝導性を付与する面から鉄繊
維、黄銅繊維、銅繊維、ステンレス繊維などの金属繊
維;カーボン繊維、アルミナ系繊維などの無機系繊維補
強基材として挙げた成分を摩擦磨耗調製剤として含有さ
せることが好ましい。なお、BTレジン・ダストは、芳
香族炭化水素・ホルムアルデヒド樹脂とフェノール類と
を反応させてなるフェノール変性芳香族炭化水素ホルム
アルデヒド樹脂ノボラックをエポキシ化してなるフェノ
ール変性芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂ノボラッ
ク・エポキシ樹脂とシアン酸エステル−マレイミド樹脂
(三菱瓦斯化学製、BTレジン)との混合物を硬化させ
粉砕してなるものである。
【0024】本発明の湿式摩擦剤は上記成分を用いて製
造する。結合剤Aは、通常、硬化性樹脂に、その硬化
剤、触媒、滑剤などを混練して均一な組成物とすること
により調製する。混練は、通常、加温下で液状として行
い、混練条件下で、樹脂の硬化反応が実質的に起きない
条件を選択する。上記で得た結合剤Aに、有機系及び無
機系繊維補強基材Bおよび摩擦摩耗調整剤Cを所定量添
加し、リボン・ミキサー、ニーダー、攪拌機などで混練
する方法その他の手段にて均一な摩擦材用混合物とし、
これを押出機、加熱ロール、プレス機、その他の手段用
いて所定の肉厚のシート、テープ状とする。
【0025】シートの場合、通常、室温まで冷却してベ
トツキの無い状態とし、トムソン型等により、環状の湿
式摩擦材摩擦面の所望の形状に打ち抜き片とする。ま
た、テープの場合はひも状に切断して用いる。打ち抜き
片一個で一面の摩擦材面を形成できるシート状物を使用
することが生産性の点から好ましい。なお、本発明にお
いては、無硬化の所望の形状片とその残部とを効率よく
製造する方法であれば、特に限定されるものではなく、
摩擦材用の組成物からシートの製造とその打ち抜きとを
実質的に同時に行う一段法なども適宜使用できる。
【0026】予め所望のリング状芯鉄板の両面に、接着
材を塗布し、乾燥する。このリング状芯鉄板の両面に、
上記で準備した打ち抜き片またはひも状物を均一に配置
し、ホットプレスに仕込み、加熱加圧成形して、樹脂を
硬化させて芯用鉄板材付きの成形品とし、得られた成形
品を仕上げ加工して、油溝などの形成を行い目的の湿式
摩擦材とする。リング状芯鉄板への摩擦材成形品の接着
は、通常、接着材にて行うが、適宜、リベットなどを併
用できる。また、金型表面に予め油溝などを形成する凸
部を形成したものを使用することも可能である。
【0027】他方、上記の無硬化の打ち抜き片などを製
造する時に発生する打ち抜き残は、そのまま、補強基材
などを混合する混合機に投入して摩擦材用混合物に用い
る。本発明のこの好ましい製造法の場合、結合剤樹脂の
硬化反応などが実質的に起こっていないものであるの
で、理論的には 100%の再使用が可能であり、極めて高
効率の製造法である。
【0028】
【実施例】以下、下記実施例により本発明を具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例のみには限定されな
い。なお、実施例中の「部」および「%」は特に断らな
い限り重量基準である。 実施例1 シアン酸エステル−マレイミド樹脂(2,2-ビス(4−シア
ナトフェニル)プロパン/ビス(4−N-マレイミドフェニ
ル) メタン=9/1、三菱瓦斯化学(株)製、BT-2160)
の粘性物 80部に、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性
フェノールノボラック・エポキシ樹脂(数平均分子量 5
20〜620 、酸素含有量 14〜16%のキシレンホルムアル
デヒド樹脂とフェノール、ホルマリンからなるノボラッ
クをエポキシ化したもの、エポキシ当量(WPE) 270 、軟
化点 80℃、重量平均分子量 1,300、三菱瓦斯化学
(株)製、テトラッドG) の粉末 20部を80℃にて加熱
混練した。室温に冷却した後、触媒としてジクミルパー
オキサイド(DCPO) 0.3部、アセチルアセトン鉄 0.1部お
よび2-エチル−4-メチルイミダゾール(2E4MZ) 0.1部を
添加し、ニーダーにて均一に混合して結合剤を得た。
【0029】芳香族液晶性ポリエステル樹脂 (p-ヒドロ
キシ安息香酸、ハイドロキノン、2,6-ナフタレンジカル
ボン酸、N,N'-(4,4'−ジフェニルエーテル)-ビス-3,4−
ジカルボキシミド安息香酸をモノマーとする溶融開始温
度 310℃のもの)を 290℃/1時間+ 310℃/30分のス
テップ熱処理をした後、湿式摩砕機により摩砕し、水分
を分離し、乾燥してフィブリル・パルプを得た。得られ
たフィブリル・パルプは、直径 5〜20μm、長さ 50μ
m〜4mm の繊維を主体としていた。吸水率は、23℃, 湿
度 50%平衡状態において 0.03 %であった。
【0030】上記で得た結合剤およびフィブリル・パル
プを用い、その他に下記に記載の成分を使用して、摩擦
材組成物を製造した。混練は、結合剤とフィブリル・パ
ルプとを80℃で混練し、ついで BT レジン・ダスト、黒
鉛を投入混練し、最後に珪藻土を投入混練する方法によ
った。 ・結合剤 33部 ・フィブリル・パルプ 30部 ・カーボン・ファイバー*1 5部 ・BTレジン・ダスト*2 7部 ・黒鉛 5部 ・けいそう土 20部 注) *1 ; 900〜1000℃の焼成によるピッチ系カーボン短
繊維 (呉羽化学 (株) 製,C-106T) *2 ;フェノール変性キシレンホルムアルデヒド樹脂ノボ
ラックエポキシ樹脂/BTレジン=7/3の組成物の硬化
物からなる 100〜200 メッシュ粉末
【0031】得られた摩擦材組成物を60℃で厚み 0.8mm
のシート状に加工し、室温に冷却した後、トムソン型に
より打ち抜きして所望の形状片を得た。鉄板を打ち抜き
加工した後、脱脂し、サンド・ショット加工法により表
面加工し、再び脱脂した後、両面に耐熱BT接着剤 (三菱
瓦斯化学 (株) 製、BT-A304 、固形分 60% MEK溶液)
を塗布し、風乾した後、 140℃/15分間乾燥し、接着層
を形成した。この鉄板の両側に上記で得た打ち抜き片を
それぞれ重ね、これを金型にセットし、圧力 50kg/c
m2、温度 175℃で15分プレス成形した。金型から取り出
し、離型剤を塗布したアルミニウム板のセパレーターに
連ねて、治具と共に、 180℃/1時間+ 200℃/1時間
+ 230℃/8時間のアト硬化を行い、その摩擦材面を20
μm程度研削し、フェーシング・プレートを得た。この
フェーシング・プレートを用いて試験した結果を表1、
2に示した。
【0032】実施例2 実施例1において、実施例1で得られた打ち抜き残 70
部を80℃に加熱したニーダーにて混練した後、更に、実
施例1のシート化前の混練品 30部を添加し、両者をよ
く混練して摩擦材組成物を得た。この摩擦材組成物を用
いる他は実施例1と同様にした結果を表1、2に示し
た。
【0033】実施例3 シアン酸エステル−マレイミド樹脂(2,2-ビス(4−シア
ナトフェニル)プロパン/ビス(4−N-マレイミドフェニ
ル) メタン=9/1、三菱瓦斯化学(株)製、BT-2060)
の粘性物 80部に、NBR 変性エポキシ樹脂(ドイツ, ス
トルクトール(株)製、商品名; ポリディス PD3614 、
エポキシ当量 325、 NBR含有量 40 %)20部を80℃にて
加熱混練した。室温に冷却した後、触媒として DCPO
0.3部、アセチルアセトン鉄 0.1部および 2E4MZ 0.2
部を添加し、ニーダーにて均一に混合して結合剤を得
た。
【0034】上記で得た結合剤と下記に記載の成分を使
用して、摩擦材組成物を製造した。混練は、結合剤と芳
香族アラミド樹脂フィブリル・パルプ及びリンターパル
プとを80℃で混練し、ついで BT レジン・ダスト、黒鉛
を投入混練し、最後に珪藻土を投入混練する方法によっ
た。 ・結合剤 33部 ・芳香族アラミド樹脂フィブリル・パルプ 10部 ・リンター・パルプ 25部 ・けいそう土 20部 ・BTレジン・ダスト*2 5部 ・黒鉛 7部 *2:実施例1と同様のもの 得られた摩擦材組成物を用いる他は実施例1と同様にし
た。このフェーシング・プレートを用いて試験した結果
を表1、2に示した。
【0035】実施例4 実施例3において、実施例3で得られた打ち抜き残 70
部を80℃に加熱したニーダーにて混練した後、更に、実
施例3のシート化前の混練品 30部を添加し、両者をよ
く混練して摩擦材組成物を得た。この摩擦材組成物を用
いる他は実施例3と同様にした結果を表1、2に示し
た。
【0036】実施例5 トリアリルイソシアヌレート変性シアン酸エステル−マ
レイミド樹脂(2,2-ビス(4−シアナトフェニル)プロパ
ン/ビス(4−N-マレイミドフェニル) メタン/=80/8/1
2 、三菱瓦斯化学(株)製、BT-3109) 80部に、キシレ
ンホルムアルデヒド樹脂変性フェノールノボラック・エ
ポキシ樹脂(数平均分子量 460〜500 、酸素含有量 10
〜11%のキシレンホルムアルデヒド樹脂とフェノール、
ホルマリンからなるノボラックをエポキシ化したもの、
エポキシ当量(WPE) 265 、軟化点86℃、重量平均分子量
1,000、三菱瓦斯化学(株)製、テトラッドH) 20部を
50℃にて加熱混練した。室温に冷却した後、触媒として
DCPO 0.3部、オクチル酸亜鉛 0.3部および 2E4MZ 0.2
部を添加し、ニーダーにて均一に混合して結合剤を得
た。
【0037】上記で得た結合剤と下記に記載の成分を使
用して、摩擦材組成物を製造した。混練は、結合剤と実
施例1の芳香族液晶性ポリエステル樹脂フィブリル・パ
ルプ及びカーボン・ファイバーとを80℃で混練し、つい
で BT レジン・ダスト、黒鉛を投入混練し、最後に珪藻
土を投入混練する方法によった。 ・結合剤 33部 ・芳香族液晶性ポリエステル樹脂フィブリル・パルプ 25部 ・カーボン・ファイバー*1 5部 ・けいそう土 20部 ・銅ファイバー 5部 ・炭酸カルシウム 7部 ・黒鉛 5部 *1:実施例1と同様のもの 得られた摩擦材組成物を用いる他は実施例1と同様にし
た。このフェーシング・プレートを用いて試験した結果
を表1、2に示した。
【0038】実施例6 実施例5において、実施例5で得られた打ち抜き残 70
部を80℃に加熱したニーダーにて混練した後、更に、実
施例5のシート化前の混練品 30部を添加し、両者をよ
く混練して摩擦材組成物を得た。この摩擦材組成物を用
いる他は実施例5と同様にした結果を表1、2に示し
た。
【0039】比較例1 下記成分を使用して、湿式摩擦材用の抄込紙を製造し
た。 ・リンターパルプ 45部 ・カーボン・ファイバー*1 7部 ・けいそう土 30部 ・黒鉛 8部 ・カシューレジン・ダスト 10部 *1:実施例1と同様のもの これに、キシレンホルムアルデヒド樹脂変性フェノール
・レゾール樹脂 (三菱瓦斯化学 (株) 製、商品名; ニカ
ノール PR-1440M)を含浸させ、 120℃、15分間の熟成に
より樹脂含有量 33%、0.5mm 厚のプリプレグを得
た。このプリプレグを打ち抜きした。
【0040】鉄板を打ち抜き加工した後、脱脂し、サン
ド・ショット加工法により表面加工し、再び脱脂した
後、両面にブチラールフェノール樹脂接着剤を塗布し、
120℃/15分間乾燥し、接着層を形成した。この鉄板の
両側に上記で得た打ち抜き片をそれぞれ重ね、これを金
型にセットし、圧力 50kg/cm2、温度 160℃で30分プレ
ス成形した後、金型から取り出し、200℃/8時間のア
ト硬化を行い、その摩擦材面を20μm程度研削し、フェ
ーシング・プレートを得た。このフェーシング・プレー
トを用いて試験した結果を表1、2に示した。
【0041】試験法は、TP摩擦試験機を用い、作動油
(TF500) を所定の温度に加熱し、摩擦試験部分に添加し
た。ディスク・プレート材としては FC250より加工し、
フェーシング・プレートは、実施例及び比較例より得た
ものを加工した。試験条件は、油温 40〜160 ℃、テス
トサイズ 46φ×12φ×3.0t (mm) 、回転数 1500 r.p.
m.、慣性モーメント 0.5 kgf m s2 、面圧 30 kg/cm2
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上の発明の詳細な説明及び実施例など
から明瞭なように、本発明の湿式摩擦材の製造法は、実
質的に無溶剤の摩擦材料用組成物を調製し、無硬化の前
加工品とし、この前加工品を基板とともに加熱加圧下に
成形して一体化することから製造するものであり、従来
の繊維補強基材や摩擦磨耗調製用の充填剤などを用いて
抄紙し、これに樹脂を含浸する方法に比較して工程が短
縮され、合理的なものとなっている。また、特に、無硬
化の前加工品をもちいるので、この製造工程で発生する
前加工残を原料摩擦材料用組成物の調製にそのまま使用
できるものであり、理論的には、材料の無駄のない優れ
たものである。また、本発明の湿式摩擦材は、耐熱性に
優れているものであり、小型、高負荷に対応可能なもの
であることが理解されるものであり、その工業的意義は
極めて高いものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A).シアナト樹脂又はシアナト樹脂を25
    重量%以上含む硬化性樹脂組成物からなる結合剤 10〜
    50重量部、(B).有機系及び無機系繊維補強基材 20〜70
    重量部及び(C).摩擦摩耗調整剤 5〜40重量部を用いて実
    質的に無溶剤の摩擦材料用組成物(I) を調製し、前加工
    して無硬化の前加工品(II)とし、この前加工品(II)を基
    板とともに加熱加圧下に成形して一体化してなる耐熱性
    に優れた湿式摩擦材
  2. 【請求項2】 該繊維補強基材(B) の一部が、芳香族液
    晶ポリエステル樹脂又は全芳香族ポリアミド樹脂の繊維
    或いはフィブリル・パルプである有機系繊維補強基材で
    ある請求項1記載の湿式摩擦材
  3. 【請求項3】 該摩擦摩耗調整剤(C) が、珪藻土、カー
    ボン、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、二硫化モリブ
    デン、テフロン粉末およびBTレジンダストからなる群
    から選択された1種又は2種以上の混合物である請求項
    1記載の湿式摩擦材
  4. 【請求項4】 (A).シアナト樹脂又はシアナト樹脂を25
    重量%以上含む硬化性樹脂組成物からなる結合剤 10〜
    50重量部、(B).有機系及び無機系繊維補強基材 20〜70
    重量部および(C).摩擦摩耗調整剤 5〜40重量部を用いて
    実質的に無溶剤の摩擦材料用組成物(I) を調製し、シー
    ト或いはテープ状とし、所望形状に前加工して無硬化の
    前加工品(II)及び前加工残(III) とし、この前加工品(I
    I)を基板とともに加熱加圧下に成形して一体化して湿式
    摩擦材を製造すると共に、前加工残(III) を摩擦材料用
    組成物(I) の材料として再使用することからなる湿式摩
    擦材の製造法
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009521622A (ja) * 2005-12-21 2009-06-04 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー Pipd繊維を含有する摩擦紙
US11317642B2 (en) 2014-07-04 2022-05-03 Aji Food B.V. Coated sushi roll and method of manufacturing and preparing the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009521622A (ja) * 2005-12-21 2009-06-04 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー Pipd繊維を含有する摩擦紙
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