JPH0797601A - アルミニウム合金(粉末)およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金(粉末)およびその製造方法

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JPH0797601A
JPH0797601A JP5265857A JP26585793A JPH0797601A JP H0797601 A JPH0797601 A JP H0797601A JP 5265857 A JP5265857 A JP 5265857A JP 26585793 A JP26585793 A JP 26585793A JP H0797601 A JPH0797601 A JP H0797601A
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powder
aluminum alloy
intermetallic compound
precursor composite
alloy powder
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JP5265857A
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Nobuaki Suzuki
延明 鈴木
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Suzuki Motor Corp
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Suzuki Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Alマトリックス中に金属間化合物の前駆複
合体を均一・微細に取り込んだ強化アルミニウム合金粉
末およびその製造方法、さらにはかかる複合粉末から得
られる金属間化合物分散強化アルミニウム合金およびそ
の製造方法を提供する。 【構成】 強化粒子となる金属間化合物の各構成元素の
粉末を化学量論組成に従って秤量・混合し、混合した粉
末をメカニカルアロイングし、これによって得られる前
駆複合体に純Al粉末またはAl合金粉末を加え、再度
メカニカルアロイングを実施することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温域(300〜50
0℃)でも従来のアルミニウム合金展伸材等に比べ著し
く高強度を有する軽量高強度の金属間化合物分散強化ア
ルミニウム合金(粉末)とその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、特公平3−20452号のよう
に、セラミック粒子を強化粒子としてアルミニウム合金
中に取り込んだもの、あるいは、特開平3−72047
号のようにアルミニウム粉末にMg2 Si粒子を混合
し、もしくは、アトマイズ法等によりAl−Mg−Si
粉末を調製し、合金をアルミニウムマトリックス中に取
り込んだものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公平3−2
0452号のような技術では、強化粒子としてセラミッ
クス粒子を用いており、これがアルミニウムとの硬さが
かけ離れているために被削性が著しく悪くなるという欠
点があった。また、アルミニウムマトリックスと強化粒
子とのぬれ性に問題があり、十分な強化効果が得られな
いおそれもあった。その他、硬さ、引張強さ等は向上す
るが、伸びは激減し、衝撃値や破壊じん性値も低下し、
その結果、信頼性も低下する。熱間押し出し等の熱間加
工がし難い。マトリックスが純アルミニウムのものが多
く、300℃以上の高温域では十分な強度を示さないも
のが多い等、従来技術による合金は多くの欠点を有して
いた。
【0004】一方、特開平3−72047号のような技
術では、原料として用いるMg2 Si粉末(または、金
属間化合物粉末)が高価であり、アトマイズする場合も
コスト的に負担が大きかった。さらに、Mg2 Siに限
らず、強化材に用いる金属間化合物が高融点元素を含む
ものからなるような場合には、アトマイズも難しく、目
的とする成分組成が得られないばかりか、目的とする金
属間化合物を均一に分散させることが困難であった。
【0005】したがって、本発明の目的は、Alマトリ
ックス中に後に金属間化合物〔以下、IMC(Inter-Me
tallic Compounds)ともいう〕になりうる前駆複合体を
均一・微細に取り込んだ金属間化合物分散強化アルミニ
ウム合金粉末およびその製造方法、さらにはかかる複合
粉末から得られる金属間化合物分散強化アルミニウム合
金およびその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1の発明の要旨は、強化粒子となる金属間化合物の
各構成元素の粉末を化学量論組成に従って秤量・混合
し、混合した粉末をメカニカルアロイングし、これによ
って得られる前駆複合体に純Al粉末またはAl合金粉
末を加え、再度メカニカルアロイングを実施することよ
り成る前駆複合体を複合化したアルミニウム合金粉末の
製造方法にある。
【0007】上記目的達成のため、請求項2の発明は、
請求項1の金属間化合物分散強化アルミニウム合金粉末
の製造方法において、前駆複合体のAl中への混合比が
全体の40重量%以下であることを特徴とする。
【0008】上記目的達成のため、請求項3の発明は、
請求項1または2の前駆複合体を複合化したアルミニウ
ム合金粉末の製造方法において、メカニカルアロイング
処理中に分散剤としてアルコールを用い、該アルコール
の残さから混入する炭素量が1重量%以下であることを
特徴とする。
【0009】上記目的達成のため、請求項4の発明の要
旨は、請求項1ないし3のいずれか一のアルミニウム合
金粉末の製造方法によって製造される前駆複合体を複合
化したアルミニウム合金粉末にある。
【0010】上記目的達成のため、請求項5の発明の要
旨は、請求項1ないし3のいずれか一によって得られた
前駆複合体を複合化したアルミニウム合金粉末を、ビレ
ット成形、熱間加工を含む後の工程により加工し、素材
を得ることより成る金属間化合物分散強化アルミニウム
合金の製造方法にある。
【0011】上記目的達成のため請求項6の金属間化合
物分散強化アルミニウム合金素材の製造方法は、請求項
5の製造方法において、機械的に合金化している前駆複
合体をビレット成形ないし熱間塑性加工に至る工程間
で、冶金的に反応させ金属間化合物としてAl中に微細
に分散させることを特徴とする。
【0012】上記目的達成のため、請求項7の発明の要
旨は、請求項5ないし6の製造方法によって得られる金
属間化合物分散強化アルミニウム合金にある。
【0013】上記目的達成のため、請求項8の金属間化
合物分散強化アルミニウム合金は、請求項7に記載の金
属間化合物分散強化アルミニウム合金において、合金粉
末の酸化量に依存した熱間加工後の全酸素量が5重量%
以下であることを特徴とする。
【0014】本発明にかかる金属間化合物分散強化アル
ミニウム合金の製造方法を図1を参照しながら説明す
る。
【0015】(1) 強化粒子となる金属間化合物の各
構成元素A,B,C・・・(通常2種類以上である。こ
こでは、A,B2元素の場合について説明する。)の各
粉末を用意する。
【0016】(2) 目標とする金属間化合物の各構成
元素の化学量論組成に従ってA,B2元素の粉末を秤量
した後混合する。ここで、化学量論組成とは、本来構造
式で示される化学組成のことで、例えば、Al3 Tiな
らばAl原子とTi原子の構成比が3:1で化合してい
ること、即ちAl−25at(原子)%TiがAl3
iの化学量論組成ということで、Mg2 SiならばMg
とSiが2:1だからMg−33.3at%Siが化学
量論組成である。しかし、化学量論組成が固定のもので
あったとしても金属間化合物の種類によっては、同一の
結晶構造を持ちながら、ある組成幅を持って存在しうる
ものがある。図15のものは、高温で均一ランダムな固
溶体であるが、冷却の途中で原子配列が規則化し、組成
ABを中心とした規則相を形成するもので Kurnakov
(クルナコフ)型と呼ばれている。一般にFe3 Al、
Ti3 Al等が相当する。図16のものは、化学量論組
成ABからずれても、同一結晶構造を有しながらある組
成幅を持つ金属間化合物で Berthollide(バーソライ
ド)型と呼ばれている。Ni3 Al、TiAl等がこれ
に相当する。したがって、強化粒子に応用しようとする
金属間化合物が、これらクルナコフ型又はバーソライド
型に相当するものであれば、本件でいう化学量論組成と
は、以上のようなある幅を持った組成範囲を意味するこ
とになる。ところが、もう1つ図16の様に組成幅を持
たないで構造式のみで形成される金属間化合物がある。
実施例でも用いているMg2 SiやAl3 Ti、他にA
3 Ni等がこのパターンを取る。 Daltonide(ダルト
ナイド)型と呼ばれている。この型では、化学量論組成
ABよりA側かB側にシフトした組成になるとABとい
う金属間化合物の他にもう1つの別の相が混存すること
になる。本件が示す金属間化合物分散強化アルミ合金で
は後に強化粒子として用いる前駆複合体の組成が必ずし
も化学量論組成ABである必要はなく、既述の様にこの
化学量論組成ABからいずれかにシフトした組成であっ
ても化学量論組成ABからなる金属間化合物が後の熱間
加工で生成し、強化作用を示すようになる。したがっ
て、ダルトナイド型の平衡状態図を有する金属間化合物
を強化粒子に応用する場合はこの化学量論組成ABを中
心に前後10wt%程度が有意性を示す組成範囲とな
る。例えば、A元素を基にB元素を添加していって、X
wt%が化学量論組成ABだとすると、A−(X−1
0)wt%〜A−(X+10)wt%程度が有意性を持
つ。
【0017】(3) 混合した粉末をボールミル処理好
ましくは高エネルギ型のアトライタを用いてメカニカル
アロイングを行う。アトライタの一例を図2に示す。図
2のアトライタ1では、シャフト2の回転によってアジ
テータ3を回転させ、これによってボール4を運動させ
る。このボール4の運動によって原料を混合する。混合
操作中、ガス流入口5からガスを流入させ、混合雰囲気
を一定に保つ。また、水流入口6から冷却水を流入させ
温度を一定に保つ。なお、図2で7はガス排出口、8は
水排出口である。上記ボール4は最大1インチ好ましく
は3/8インチの鋼球であることが好ましい。ボールと
投入粉末全重量の比率は、ボールの全重量と粉末の全重
量の比率が150:1ないし20:1好ましくは14
0:1ないし40:1である。シャフト2の回転数は好
ましくは250rpmである。混合雰囲気としてはAr
あるいはHe等を使用した非酸化雰囲気で行う。アジテ
ータ3の先端の周速度は、3.5m/秒以内とし、最大
でも1インチのボールを使用して20時間以内の時間好
適には10〜15時間で処理することが必要である。2
0時間以上ではコストが上昇し、Feが混入して完成品
の伸びを低下させてしまう。ボール4は、鋼球以外にも
WC系の超硬球、ZrO2 系あるいはSiN4 系等のセ
ラミックス等各種のものを使用することができる。な
お、メカニカルアロイングの際は、粉の分散性、または
潤滑効果も考慮してメタノールまたはエタノールを分散
剤として適量添加して行う。添加量は、 [分散剤量(ml)/粉末総重量(g)]×100=1
〜5 とする。但し、メタノールの場合、1〜5、エタノール
の場合1〜3.5が好適である。分散剤の量が少ないと
純Alがアトライタ内のボール表面に付着し、十分なメ
カニカルアロイングができない。逆に多すぎると処理粉
末が細かくなりすぎ排出後に急速に酸化して発火する。
不活性ガス雰囲気又は真空の粉末回収装置が必要となる
ばかりか、ブリケット成形まで非酸化性雰囲気中で行う
必要がありコスト高となる。また、粒子が細かくなると
表面積が大きくなるため酸化量も上昇するし、残さとし
て残る炭素がAlと反応し、アルミニウム炭化物を形成
して素材を脆化させる。なお、アルコールの残さから混
入する炭素量が1重量%以下であれば好適である。この
メカニカルアロイングによって得られる粉は、A(B)
がB(A)に機械的に取り込まれて合金粉末となったも
ので、金属間化合物にはなっていない。すなわち、金属
間化合物の前駆複合体Xとなっている。
【0018】(4) 上記前駆複合体Xは、例えば、発
火性の強いMgを含む成分組成からなる場合は、容器外
に排出せず、これが内蔵される混合容器内にAl粉末ま
たはAl合金粉末を投入し、再度メカニカルアロイング
を実施する。また、上記前駆複合体XがTi、又はNi
等延性の高い金属粉末を用いて製造される場合は上記の
方法であっても、または容器外へ1度排出し、分級した
後にAl粉末またはAl合金粉末と混合して再度メカニ
カルアロイングを実施しても良い。好ましくは後者の方
が均一性が向上する。この際分級した粉末のうち150
メッシュより細かいもの、好ましくは400メッシュよ
り細かいものを以後用いた方がよい。これは150メッ
シュより大きい前駆複合体であると次のメカニカルアロ
イングでもAl中に微細に分散することが難しく強度,
伸びが低下する。また熱間加工中で前駆複合体が十分に
反応しきれないなどの問題が生じ易い。前駆複合体Xと
後に添加するアルミニウム粉末の量は、重量比で次の通
りとする。 1〜3重量%≦X/[X+アルミニウム粉末]≦40重
量% 40重量%以上になると押し出し性が低下し、衝撃値も
低下するので好ましくない。また、1〜3重量%を加え
ないと添加する効果が小さい。本工程におけるメカニカ
ルアロイングもアトライタを用いてアルコール(メタノ
ール、エタノール等)等の有機溶剤を添加して非酸化雰
囲気で行う。
【0019】(5) 排出 上記(4)の工程を経た後、粉末を排出する。鋼球ボー
ルに粉末が付着して容器内からの処理粉末の排出が悪い
場合は、新たに分散剤を少量上部から滴下してやると著
しく排出が促進される。
【0020】(6) 分級 排出が完了した粉末を分級し、150メッシュより細か
い粉末を以後用いる。好ましくは、400メッシュより
細かい方が良いが、150メッシュより粗い粒は、
(4)のメカニカルアロイングの工程に戻す。
【0021】(7) ビレット成形 閉塞した金型内にメカニカルアロイング粉末を入れ、圧
縮してビレット成形する。形状は、押出に適した形状、
例えば円柱状とする。
【0022】(8) 脱ガス ビレットを真空熱処理炉で加熱し、脱ガスを行う。粉末
表面には吸着水分や水酸化物があり、加熱時にガスを発
生するので成形したビレットの脱ガスを十分にしてお
く。通常、350〜500℃で2時間以上行う。
【0023】(9) 熱間塑性加工 脱ガスの完了したビレットを熱間加工することにより素
材(合金の完成品)を作製する。代表的な方法として熱
間押出しがある。410〜500℃、押出し比5以上好
ましくは10以上で行う。この際、加熱と粉末の塑性変
形時に隣接する粉同士の摩擦熱等で前駆複合体Xが反応
し、金属間化合物となる。Xは、既に図1に示す(3)
のメカニカルアロイング処理で機械的に合金化され、原
子レベルで合金化されていることから、原子の拡散距離
が短くなっている。したがって、Xの構成元素Aまたは
BがAlと反応するよりA,B同士のほうが反応し易く
なり、ここで目的とする金属間化合物Xを生成させてア
ルミニウムマトリックス中に点在させることが可能とな
る。ただし、ビレット成形、脱ガス時あるいは次工程の
熱間押出し、熱間鍛造もしくは熱間圧延等を200℃以
上の温度領域で行う場合には、これらの工程においても
素材によって金属間化合物Xを生成する反応が起こり得
る。なお、合金粉末の酸化量に依存した熱間加工後の全
酸素量が(酸化物Al23 として存在するので、Al
23 の存在比(重量%)として表記して)5重量%以
下であるようにする。酸化量がこれを超えると伸びが低
下し、押出し性が悪くなり、後の形状付与のための熱間
加工が難しくなる。
【0024】(10) 押出し棒 得られた押出し棒を熱間鍛造(熱間加工の1種)もしく
は機械加工等またはこれらを併用することにより、部品
形状を付与する。また、ビレットを直接加熱して直接鍛
造(粉末鍛造)しても、単純な形状のものであれば、部
品形状を付与することができる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0026】実施例1 実施例1として最終的な強化粒子にMg2 Siを分散さ
せた金属間化合物分散強化アルミニウム合金に関するも
のを挙げる。
【0027】まず、純Mg、純Siの各粉末を用意し、
Mg2 Siの化学量論組成であるMg−38wt%Si
となるように既述の各粉末を秤量した後、混合した。本
実施例では、Mg=37.2g、Si=22.8gと
し、全体で60gを用意した。Mg粉は、発火性が強い
ため、純度99.9%以上、粒度100メッシュ以下で
消防法危険物第2類可燃性固体第2種に相当するものを
用意した。純Si粉末は、純度98%以上、粒度250
メッシュ以下のものを使用した。これらを良く混合した
後、メカニカルアロイングを行った。
【0028】メカニカルアロイング(I) 高エネルギーボールミルとして代表的なアトライタを使
用した。容器中の3/8インチの鋼球ボールは14kg
であった。低速で回転させながらi)の混合粉をゆっく
りと容器内に装入した。分散剤および潤滑剤として作用
するメタノールを2cc添加した後、アジテータ回転数
250rpmで5時間のメカニカルアロイングを行い、
MgとSiの前駆複合体を作製した。なお、5時間のう
ち2時間30分後にメタノール1ccを追加添加してい
る。また、容器中の雰囲気は終始アルゴン雰囲気とし
た。
【0029】メカニカルアロイング(II) 既述のメカニカルアロイング(I)で作製した前駆複合
体は、ベースがMgのため容器中に微細かつ活性度の高
い状態で存在している。容器中は、不活性ガスに雰囲気
制御されているため、この前駆複合体が酸化反応による
燃焼または爆発を起こすことはない。しかし、これを容
器外へ排出しようとすると、瞬時に燃焼して危険性を伴
う。このため本実施例では、メカニカルアロイング
(I)が終了してから、この前駆複合体を容器に内蔵し
たまま容器の上方から純Al粉末を240g投入した。
10分間ゆっくりとアジテータを回転しながら純Al粉
と前駆複合体を混合した。その際、メタノールを2cc
添加した。その後アジテータ回転数を250rpmで5
時間メカニカルアロイングを行った。これら一連のプロ
セスは全て容器中をアルゴン雰囲気で行った。メタノー
ルの添加は、スタート時の2ccの他に、2時間後に1
cc、3時間30分後に1cc計4cc添加している。
こうしてMgとSiの前駆複合体をAlマトリックス中
に取り込んだ粉末の断面組織写真を図3に示す。また、
この段階でのX線回折チャートを図4に示す。この段階
では、Mg,Si,Alが単体で存在し、金属間化合物
はできていない。
【0030】排出 容器内を大気雰囲気に戻した後、容器の底より粉末を排
出した。粉末の排出は速く、10分で終了した。
【0031】分級 排出されたメカニカルアロイ粉をフルイによって分級し
た。目開き106μmのフルイ目を通った粉は回収粉の
97%であり、この106μm以下の粉末を使用した。
【0032】ビレット成形 金型内に上記メカニカルアロイング粉を投入し、上部よ
り加圧成形しφ32×16 0 mmの円柱状ビレットを成
形した。
【0033】脱ガス 350℃で3時間、真空中(約10-3Torr)で加熱
し、ビレット中の脱ガスを行った。
【0034】熱間塑性加工 脱ガスを経たビレットを450℃、押出比10で熱間押
出しを行い、押出し棒を得た。この押出し棒の組織を図
5に示す。この図によって了解されるように、最大5μ
m大の遊離Siがわずかに存在するが、他は1μm以下
の微粒子が均一にマトリックス中に分散し、極めて良好
な組織を呈している。この押出し棒のX線回折チャート
を図6に示す。遊離Siの他に、Mg2 Siのピークが
認められ、熱間での塑性加工により前駆複合体が反応
し、金属間化合物であるMg2 Siが生成したことを確
認することができる。したがって、図5中に均一に分散
している1μm以下の微粒子は、Mg2 Siである。な
お、この金属間化合物は、脱ガス時までにかなり形成さ
れていたものと推測される。図7〜図9は、Al−20
重量%X、Al−30重量%X、Al−20重量%Mg
の示差熱曲線(DSC曲線)を示す。図に示されるよう
に、Al−20重量%X、特にAl−30重量%Xは、
ビレット成形の行われる温度(200℃)で既にピーク
を示している。これに対し、比較例として示したAl―
20重量%Mgでは、より高温域でピークを示してい
る。
【0035】得られた素材の最終的な成分組成として
は、MgとSiの前駆複合体Xに由来するMg2 Siの
基本組成が、Mg:62重量%,Si:38重量%であ
る。一方、AlとXの混合比は、Al−20重量%X
(Al−20重量%Mg2 Si;80重量%のAlと2
0重量%のMg2 Siという組成を示す。以下同様。)
である。したがって、装入した各原料粉の組成比は、次
の通りである。 Al−20重量%X=Al−20重量%X(Mg−38
重量%Si)
【0036】得られた素材の物性 I.引張強さ 得られた素材の引張強さを表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から了解されるように、250℃以上
では、明確に本実施例の素材のほうが有効性が高い。さ
らに、Alに対するXの混合比を多くすれば、室温〜2
50℃の強度は向上し、A2018材より強度は上回
る。しかし、押出し性を考慮すると前駆複合体Xの混合
比は40重量%までが限界であった。なお、30重量%
Xの添加品では、300℃の引張り強度は215.6M
Paに達した。
【0039】II.比重 実施例: 2.61 A2018: 2.80 したがって、室温の比強度(引張強さ/比重)は、本実
施例のほうが約15%高い。
【0040】III. 硬さ 本実施例の硬さは、Hv147であった。T5(180
℃で8時間)処理、またはT6(550℃で1時間→W
Q,180℃で8時間)処理後でも硬さの変化はなかっ
た。したがって、本発明にかかる合金は熱処理性を有し
ない。すなわち、熱処理を省略することができ、熱的に
も安定であることが了解される。
【0041】実施例2 実施例2として最終的な強化粒子にAl3 Tiを分散さ
せた金属間化合物分散強化アルミニウム合金に関するも
のを行った。
【0042】まず、純Ti,純Alの各粉末を用意しA
3 Tiの化学量論組成であるAl−37wt%Tiと
なるように既述の各粉末を秤量した後、混合した。本実
施例では、Al=189g,Ti=111gとし、全体
で300gを用意した。ここで、純Al粉は、純度9
9.99%,粒度44μm以下90.5%のものを、純
Ti粉は、純度99.5%,粒度45〜10μmのもの
を使用した。これらをよく混合した後、メカニカルアロ
イングを行った。
【0043】メカニカルアロイング(I) 3/8インチの鋼球ボール14kgが容器中に入ったア
トライターによりメカニカルアロイングを行った。アジ
テータを低速で回転させながら既述のAlとTiの混合
粉を装入し、分散剤および潤滑剤としてメタノール2c
cを添加した後、アジテータ回転数250rpmで15
時間のメカニカルアロイングを行い、AlとTiの前駆
複合体を作製した。なお、15時間のうち3時間後にメ
タノール2cc、7時間20分後、及び10時間20分
後、12時間20分後にエタノールを各1ccずつ追加
添加している。また、容器中の雰囲気は終始アルゴン雰
囲気とした。
【0044】排出分級 既述のメカニカルアロイング(I)で作製した前駆複合
体を1時間容器中で冷却した後、容器底より大気中に排
出した。排出時、容器上部よりメタノール0.4ccを
添加することで排出は著しく促進され10分で終了し
た。この粉末をフルイにより分級し106μm以下の前
駆複合体粉268g(回収率約90%)を得た。
【0045】メカニカルアロイング(II) 排出回収した106μm以下の粉末のうち、さらに38
μm以下の粉を分級した。この前駆複合体粉(Yとして
以後用いる)が、Al−30vol%Yとなる様に、即
ちYの比重が最終的にはAl3 Tiの3.3になると仮
定してAl−34.4wt%Yとなる様に秤量した。本
実験ではAl=196.8g、Y=103.2gの計3
00gとした。この場合のAl粉は、前駆複合体Yを得
る際に用いた粉末と同様のものを用いた。こうして、A
lとYをよく混合した後、アトライター容器中に装入し
アジテータ回転数250rpmで4時間のメカニカルア
ロイングを行った。分散剤は運転開始時にメタノールを
2cc、運転開始2時間後に1ccを添加していた。容
器内雰囲気は終始アルゴン雰囲気としていた。こうし
て、Al3 Tiの前駆複合体をAlマトリックス中に取
り込んだ粉末の断面組織写真を図10に示す。また、こ
の段階でのX線回析チャートを図11に示す。この段階
では、Tiが結晶性を失っているためTiの回析ピーク
が認められずAlのみのピークが検出される。当然この
段階ではAl3 Tiのピークも検出されず金属間化合物
として生成されていない。
【0046】排出 容器内を大気雰囲気に戻した後、容器の底より粉末を排
出した。排出は良好でありメタノールの添加なしで約1
0分で終了した。
【0047】分級 排出されたメカニカルアロイ粉をフルイによって分級し
た。目開き300μmのフルイ目を通った粉は、回収粉
の約94%であり、以後この300μm以下の粉末を使
用した。なお、このメカニカルアロイング粉末の%C濃
度は0.34wt%であった。
【0048】ビレット成形 金型内に上記メカニカルアロイング粉を投入し、上部よ
り加圧成形してφ32× l6 0 mmの円柱状ビレットを
作製した。これは、大気中、常温で行なわれ、加圧力を
12.4t/cm2 とした。
【0049】脱ガス 500℃で4時間、真空中(約10-3Torr)で加熱
し、ビレット中の脱ガスを行った。特に、エタノールを
用いたもの、又はアルコール添加が多い場合バーニング
が起り易いので500℃付近で脱ガスすると効率が良
い。
【0050】熱間塑性加工 脱ガスを経たビレットを450℃、押出比10で熱間押
出しを行い、押出し棒を得た。この押出し棒のX線回析
結果を図12に示す。Alの他はAl3 Tiしか認めら
れない。即ち、熱間での塑性加工によりAlとTiの前
駆複合体が反応し金属間化合物であるAl3 Tiが生成
したことを確認することができる。図13は、この押出
材の金属組織を示すが、この写真より認められる最大1
2μmないし1μm以下の粒状物はAl3 Tiである。
これらの粒子は均一に分散し、凝集体としては存在しな
い。
【0051】得られた素材の物性 硬さ: 1) メカニカルアロイング粉末(ボールミル処理(I
I))の硬さは、Hv 153であり押出し性良好。押出
し材の硬さ、Hv 109〜115(100g Loa
d)で加工性良好。 2) 比重 2.88 3) 常温ヤング率 実施例1の素材 ; 8,210 kgf/mm2 実施例2の素材 ; 9,900 kgf/mm2 従って、従来のアルミ合金(7,700 kgf/mm
2 )に比べ、最大約30%上昇する。 4) 引張強さ 表2に示す通りである。
【0052】
【表2】
【0053】前駆複合体を作ることの有意性について Al−30vol%Al3 Tiの組成となる様に、Al
とTiをAl−12.7wt%Tiの比率で秤量した
後、混合し(total 300g)、アジテータ回転
数250rpm、10時間メカニカルアロイングを実施
した。分散剤としてメタノールを処理開始時に2cc、
2時間30分後2cc、4時間50分後2cc、及び6
時間後2ccの計8cc添加した。こうして得たメカニ
カルアロイング粉は粗大粒が多く106μm以上のもの
が258gで86%も占めた。TiもAl中に細く分散
することはなく以後の熱間加工でも微細なAl3 Tiが
均一に分散することは不可能と思われる粉末組織であ
る。これを図14に示した。本発明では一度大量にAl
3 Tiの前駆複合体を作ってしまえば以後はAlとそれ
を混合した後、短時間のメカニカルアロイング処理で微
細に前駆複合体を分散させることができる。後の熱間加
工で均一な金属間化合物で分散強化したアルミ合金を得
る手法として、前駆複合体を得ることからスタートする
ようにした本発明の有効性が了解される。
【0054】
【発明の効果】上記したところから明らかなように、本
発明によれば、特に高出力・低燃費型の自動車用エンジ
ン部品に適し、コンロッド、ピストン、シリンダースリ
ーブ、ロッカーアーム、ブレキデイスクその他足回りの
ナックルやボルト等の部品に適用でき、塑性加工が可能
である等応用分野の広い軽量高強度アルミニウム合金が
提供される。
【0055】すなわち、本発明にかかるアルミニウム合
金は、セラミックスより軟らかい硬さの金属間化合物を
強化粒子とするため、被削性が著しく良い。また、素材
自体が既に微少な金属間化合物を均一・分散している状
態であるため、熱処理を省略することができる。さら
に、出発原料として高価な金属間化合物粉末や合金粉末
を使用しないため、原料コスト、素材コストが低減され
る。またさらに、上記前駆複合体をマトリックス中に取
り込んだ粉末は、軟らかく、塑性変形能に富んでいるた
めビレット成形が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による工程を説明するブロック図であ
る。
【図2】本発明の実施例で使用するアトライタを説明す
る概念図である。
【図3】MgとSiの前駆複合体をAlマトリックス中
に取り込んだ粉末の構造を説明する400倍の顕微鏡写
真である。
【図4】MgとSiの前駆複合体をAlマトリックス中
に取り込んだ粉末のX線回折チャート図である。
【図5】熱間塑性加工後の押出し棒の構造を説明する4
00倍の顕微鏡写真である。
【図6】熱間塑性加工後の押出し棒のX線回折チャート
図である。
【図7】Al−20重量%Xの示差熱曲線(DSC曲
線)を示すグラフである。
【図8】Al−30重量%Xの示差熱曲線(DSC曲
線)を示すグラフである。
【図9】Al−20重量%Mgの示差熱曲線(DSC曲
線)を示すグラフである。
【図10】Al3 Tiの前駆複合体をAlマトリックス
中に取り込んだ粉末の構造を説明する400倍の顕微鏡
写真である。
【図11】図10の粉末のX線回析チャート図である。
【図12】実施例2について、熱間塑性加工後の押出し
棒のX線回析チャート図である。
【図13】図12の押出し棒の構造を説明する400倍
の顕微鏡写真である。
【図14】比較例1の粉末の構造を説明する400倍の
顕微鏡写真である。
【図15】クルナコフ型の状態変化をする強化粒子の状
態図である。
【図16】バーソライド型の状態変化をする強化粒子の
状態図である。
【図17】ダルトナイド型の状態変化をする強化粒子の
状態図である。
【符号の説明】
1 アトライタ 2 シャフト 3 アジテータ 4 ボール 5 ガス流入口 6 水流入口 7 ガス排出口 8 水排出口

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化粒子となる金属間化合物の各構成元
    素の粉末を化学量論組成に従って秤量・混合し、混合し
    た粉末をメカニカルアロイングし、これによって得られ
    る前駆複合体に純Al粉末またはAl合金粉末を加え、
    再度メカニカルアロイングを実施することより成る前駆
    複合体を複合化したアルミニウム合金粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の前駆複合体を複合化したアル
    ミニウム合金粉末の製造方法において、前駆複合体の混
    合比が全体の40重量%以下であることを特徴とする前
    駆複合体を複合化したアルミニウム合金粉末の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の前駆複合体を複合化
    したアルミニウム合金粉末の製造方法において、メカニ
    カルアロイング処理中に分散剤としてアルコールを用
    い、該アルコールの残さから混入する炭素量が1重量%
    以下であることを特徴とする前駆複合体を複合化したア
    ルミニウム合金粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか一のアルミ
    ニウム合金粉末の製造方法によって製造される前駆複合
    体を複合化したアルミニウム合金粉末。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか一によって
    得られた前駆複合体を複合化したアルミニウム合金粉末
    を、ビレット成形、熱間加工を含む後の工程により加工
    し、素材を得ることより成る金属間化合物分散強化アル
    ミニウム合金の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5の製造方法において、機械的に
    合金化している前駆複合体を、ビレット成形ないし熱間
    塑性加工に至る後工程間で反応させ、金属間化合物とし
    てAl中に微細に分散させることを特徴とする金属間化
    合物分散強化アルミニウム合金素材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5の製造方法によって製造される
    金属間化合物分散強化アルミニウム合金。
  8. 【請求項8】 合金粉末の酸化量に依存した熱間加工後
    の全酸素量が5重量%以下であることを特徴とする請求
    項7に記載の金属間化合物分散強化アルミニウム合金。
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