JPH0798953B2 - 超重質油−水エマルジヨン燃料の燃焼方法 - Google Patents

超重質油−水エマルジヨン燃料の燃焼方法

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JPH0798953B2
JPH0798953B2 JP61146834A JP14683486A JPH0798953B2 JP H0798953 B2 JPH0798953 B2 JP H0798953B2 JP 61146834 A JP61146834 A JP 61146834A JP 14683486 A JP14683486 A JP 14683486A JP H0798953 B2 JPH0798953 B2 JP H0798953B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ボイラ用燃料や加熱炉用燃料などに用いられ
る超重質油−水エマルジヨン燃料の燃焼方法に関する。
〔従来の技術〕
ボイラ、ガスタービン、デイーゼルなどの原動機関で
は、運転経費に占める燃料費の割合が大きいため、一時
的に燃料の需要、供給関係が崩れて燃料単価が低下する
ことがあつても、長期的に見れば、アスフアルト、石油
コークス、石油化学及び石油精製工程の残渣油、副生油
などの燃料化はかなり重要な位置を占めている。
また、原油の産地において、例えば南米のベネズエラで
発見され、厖大な埋蔵量が確認されている超重質油も、
今後の燃料として期待されているものの一つに挙げるこ
とができる。
一方、二度にわたる石油危機以降、石炭は石油代替エネ
ルギーの大きな柱の一つとしてその見直しが急速に進め
られ、今日では代替エネルギーと云うよりも、原子力、
天然ガスと同様、重要ななエネルギーとしての地位を占
めるに至つている。
さらに石炭の液化及びガス化技術の開発が、わが国をは
じめ、世界の先進各国で行なわれ、それなりの成果が得
られているが、石炭利用の中心である火力発電所用燃料
として実用化する迄には至つておらず、今後の開発に俟
つところが大きい。火力発電所用燃料としては石炭の微
粉末を燃料油中に分散させてCOM(Cool Oil Mixtur
e)、石炭の微粉末を水中に懸濁させたCWM(Cool Water
Mixture)など既存技術の改良によつて、石炭燃料の有
効利用を促進させる方向にあるのが現状である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前記した超重質油は、次の第1表に示す
性状から明らかなように、常温では流動性が全くなく、
グリース状を呈し、燃料化はもとより産地から消費地へ
輸送するにも多くの技術的課題がある。
すなわち、原動機の燃料化を行うには、パイプ輸送やタ
ンカーによる運搬、さらに発電所における貯蔵などを容
易にするためには、スチームで加熱したり、また軽質油
を混合したりして流動性を向上させる必要がある。しか
し、スチーム加熱はエネルギの消費となり、軽質油の混
合も燃料のコストを上昇させる原因となり、抜本的解決
策とはならない。軽質油を混合した超重質油は、タンカ
に積載後あるいは発電所の貯油槽に入れた後、加熱蒸留
することによつて軽質油のみを分離回収する方法も考え
られるが、この方法でもコストの上昇を招くことは明ら
かである。
このような状況に鑑み、超重質油の微粒子(25〜30μ
m)を界面活性剤を用いて水中に懸濁、分散させる方法
が最も有利である。例えば、超重質油微粒子70%、水29
%、界面活性剤1%の混合物エマルジヨンにすればパイ
プ輸送はもとより、タンカへの積込、発電所貯油槽への
配管内輸送などすべてが液体と同様な取扱いが可能とな
り、従来の欠点は解決されることが期待される。この超
重質油の微粒子を懸濁させた水エマルジヨンはいわゆる
O/W型のエマルジヨンの形をしており、前記の輸送工程
における問題は解決できるが、約30%含まれる水と共に
燃焼させることは困難であるばかりか、水の蒸発に燃焼
エネルギが消費されるため、エマルジヨン中の水分はな
るべく少ない方がよい。そこで、この水分の除去には加
熱、減圧などによる操作や、エマルジヨンブレーカを添
加した後、遠心分離機で超重質油粒子と水を分離するな
ど在来手法を用いて行うことができる。
しかし、この方法を用いても水分が含まれている限りO/
W型エマルジヨンには変化がなく、このままの状態でボ
イラの燃料として使用した場合、燃焼性が悪く、これに
伴つて未燃炭素分が多くなり、排煙公害上問題があり、
現在のところ良案は開発されていない。
また、超重質油中には前記第1表に示したように多量の
バナジウム、硫黄、ナトリウムが含まれており、燃焼後
これらが燃料灰の全成分となつてボイラ伝熱管を加速酸
化腐食させると共に、硫黄は排ガス中に硫酸となつて存
在し、空気予熱器、集じん装置、煙突などの腐食を誘発
する(硫酸露点腐食と呼ばれている)問題点は解決され
ない。
一方、前述のCOMでは、重油の使用量を低下させること
はできるが、その貯蔵、輸送などに問題があり、現状程
度の使用状態では、微粉炭と重油をそれぞれ単独に使用
する方が、従来技術と設備をそのまま利用できることか
ら、今後大きく伸びる可能性は少ないと考えられてい
る。
但し、微粉炭単独で燃焼させたボイラの高温部や火炉蒸
発管では、石炭中に含まれているアルカリ、鉄、硫黄成
分からつくられるアルカリ・鉄・硫酸塩化合物〔M3・Fe
(SO4〕やアルカリ硫酸塩化物(M2S2O7など)〔但
し、MはK又はNa)による硫化腐食傷害が発生する。
〔目的〕
本発明は、前記超重質油および微粉炭を燃料として使用
することを意図するものであつて、これに伴なう上記問
題点を解消する超重質油−水エマルジヨン燃料の燃焼方
法を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
そして、本発明は、上記目的を達成する手段として、O/
W型エマルジヨン、O/W型とW/O型の混合エマルジヨン又
はW/O型エマルジヨンとした超重質油−水エマルジヨン
燃料に、燃焼促進剤、防食添加剤、微粉炭を単独あるい
は各種の組合せで添加して燃焼する点にある。
すなわち、本発明は (1) 少なくとも常温でグリース状を呈する超重質油
の微粒子と水よりO/W型エマルジヨン、O/W型とW/O型の
混合エマルジヨン又はW/O型エマルジヨンを調製し、こ
れにFe又はMnの化合物からなる燃焼促進剤及びCa又はMg
化合物からなる防食添加剤を添加し、燃焼することを特
徴とする超重質油−水エマルジヨン燃料の燃焼方法 (2) 少なくとも常温でグリース状を呈する超重質油
の微粒子と水よりO/W型エマルジヨン、O/W型とW/O型の
混合エマルジヨン又はW/O型エマルジヨンを調製し、こ
れに微粉炭を添加し、燃焼することを特徴とする超重質
油−水エマルジヨン燃料の燃焼方法。
(3) 少なくとも常温でグリース状を呈する超重質油
の微粒子と水よりO/W型エマルジヨン、O/W型とW/O型の
混合エマルジヨン又はW/O型エマルジヨンを調製し、こ
れに微粉炭及びFe,Ba又はMnの化合物からなる燃焼促進
剤を添加し、燃焼することを特徴とする超重質油−水エ
マルジヨン燃料の燃焼方法 に関するものである。
本発明を詳細に説明すると、本発明では、超重質油のO/
W型とW/O型の混合エマルジヨン又はW/O型エマルジヨン
を使用することにより、燃焼性を改善させると共にサー
マルNOxの発生を抑制させることができる。すなわち、O
/W型エマルジヨンでは、燃焼性が悪いので、W/O型との
混合状態にしたり、W/O型エマルジヨンに変化させた
後、燃焼させ、燃料中に混入されている水分を燃焼性向
上に役立たせると共に、サーマルNOxの発生を抑制させ
る。
また、本発明では、O/W型エマルジヨンの場合、燃焼性
等を向上させるために、親水性のFe2O3,FeOOH,FeCO3,Fe
3O4,酢酸鉄,BaCO3,MnO2などの燃焼促進剤と、Mg(O
H)2,MgOなどの防食添加剤を注入した後燃焼する。
一方、上記のO/W型とW/O型との混合エマルジヨン状態の
場合、又はW/O型エマルジヨン状態の場合には、油溶性
の鉄化合物、例えばオクチル酸鉄、ナフテン酸鉄、ステ
アリン酸鉄、メタクリル酸鉄、及び鉄の結合位置にMg
(例えばナフテン酸マグネシウム)、Ca(同ナフテン酸
カルシウム)を添加したり、あるいは前記親水性化合物
の表面に親油性の界面活性剤を被覆させたものを添加し
て燃焼させ、O/W型とW/O型との混合状態又はW/O型とす
ることによる前記した効果と、重質油中に含まれている
バナジウム化合物及びS化合物に起因するボイラの腐食
障害防止を図る。
さらに、本発明において、O/W型エマルジヨン、O/W型と
W/O型の混合エマルジヨン、W/O型エマルジヨンに微粉炭
を混合することにより、また微粉炭と共に上記した親水
性の化合物または油溶性の化合物あるいは親水性化合物
表面に親油性の界面活性剤を被覆したもを添加し、燃焼
することにより、微粉炭燃焼等に発生する硫化腐食が、
これらのエマルジヨン燃焼時に発生するV化合物によつ
て抑制され、またこれらのエマルジヨンのみを燃焼した
場合に発生するV化合物による腐食作用が、多量に存在
する微粉炭燃焼灰により希釈されて伝熱面へのV化合物
の直接接触が阻害されたり、V化合物と石炭灰成分とが
反応して、緩和される。
また、石炭灰の灰分は電気抵抗が火上に高く、電気集じ
ん装置の捕集効率が低くなるが、上記エマルジヨンの灰
分の存在により抵抗値が低下し、捕集効率が向上する。
〔作用〕
本発明では、超重質油のO/W型とW/O型との混合エマルジ
ヨン又はW/O型エマルジヨンを調製するため、O/W型の一
部ないしは全部をW/O型に変えることが好ましい。この
転換作用と燃焼性の理由および本発明で添加する燃焼促
進剤、防食添加剤、微粉炭の作用について以下説明す
る。
(1) O/W型からW/O型エマルジヨンへの転換作用と燃
焼性の向上理由: 第1図はO/W型エマルジヨンを模式的に示した図であ
り、第2図はW/O型エマルジヨンを模式的に示した図で
ある。超重質油の微粒子が水と共存しているO/W型エマ
ルジヨンは、第1図に示すように、超重質油の微粒子O
の周囲に水Wが存在しているのに対し、W/O型エマルジ
ヨンは、第2図に示すように、水Wの粒子(水滴)が超
重質油に囲まれたような状態、すなわち、超重質油の微
粒子Oを含む油滴O′に囲まれた状態となつている。
O/W型からW/O型への転換は、O/W型のエマルジヨンに親
油性のアニオン活性剤、例えばアルキルスルフオン酸ナ
トリウムを添加した後、よく撹拌すると、活性剤の作用
によつて水の表面張力が低下すると共に、油の微粒子の
表面に活性剤の親油基が付着するため、O/W型からW/O型
へ変化する。この場合、80℃以上に加熱すると、O/W型
エマルジヨン中に添加されている界面活性剤の作用を弱
めることができるので、O/W型からW/O型へ転換するが、
両者が混在する状態も存在する。さらに、この操作に重
油を加えるとW/O型エマルジヨンへの変化が容易とな
る。
次に、O/W型とW/O型エマルジヨンの燃焼性について説明
する。
第1図の略図から明らかなように、O/W型エマルジヨン
の状態でボイラ炉内へ噴霧されると、先ず、外周部の水
分Wが蒸発した後、油粒子Oの燃焼がはじまることとな
る。このとき、水の蒸発に伴う潜熱が奪われるため、油
粒子の温度上昇が遅くなり、その分燃焼の完結が十分に
行なわれないまま、排ガス中に含まれ、ボイラ外に出る
こととなる。
これに対し、W/O型では、先ず、油粒子Oが加熱される
とともに、その内部に含まれている水滴Wが100℃以上
になると一挙に蒸発揮散し、この膨張力によつて広い範
囲に分散させると共に、油粒子がさらに微細な粒子とな
つて飛散するため、燃焼性が向上する。このようなこと
からO/W型とW/O型が混在した状態のエマルジヨンでもO/
W型に比較すると燃焼性は改善される。
(2) 燃焼促進剤の作用: 燃焼促進剤(例えば、Fe,Ba,Mn化合物)をO/W型エマル
ジヨン中に添加しておくと、周囲の水が蒸発した後、こ
れらの促進剤は、油粒子の表面を被覆したり、被覆しな
いまでも、その表面に付着する。これらの付着物は酸化
触媒として作用し、油粒子の温度が高くならなくても触
媒作用によつて、低い温度から油粒子が燃焼を開始させ
る。このため、促進剤無添加のO/W型の場合に比べ、ボ
イラ炉内における燃焼性が促進され、未燃炭素分が減少
する。
また、W/O型のエマルジヨンでは、油溶性の燃焼促進剤
を添加しているため、促進剤は常に油粒子の表面を被覆
しており、O/W型に比べ一層燃焼性が向上する(温度上
昇が早く、また水滴の破裂により油粒子がさらに微細と
なり、空気との接触がよくなるなどの物理的要因も加味
される)。
(3) 防食添加剤の作用: (2)項の燃焼促進剤と共にCa又はMg化合物からなる防
食添加剤を、O/W型のエマルジヨンの場合は水スラリ状
で、O/W型とW/O型が混在している場合は水スラリ及びオ
イルスラリ状まで、またW/O型エマルジヨンの場合はオ
イルスラリ又は添加剤の表面を親油性の活性剤で被覆し
た状態で添加する。この結果、油粒子の燃焼によつて生
成する腐食成分、例えばV2O5とMg化合物は短期間で反応
して、低融点のV2O5を高融点化させる作用を示す。すな
わち、V2O5単独ではその融点は660〜690℃であるがV2O5
+2MgO→V2O5・2MgO(融点835℃) V2O5+3MgO→V2O5・3MgO(融点1191℃) となる。なお、燃焼促進効果のあるCaによつても、V2O2
・2CaO(融点778℃)、V2O2・3CaO(融点1016℃)が生
成する。これらのV−Mg化合物、V−Ca化合物は、ボイ
ラ伝熱面上では固体状となつて付着する。このため、そ
の腐食性が甚しく低下すると共に、スートブロワーの作
用によつて伝熱面から剥離しやすくなり、熱吸収率が向
上する。
また、MgOやMgSO4(ボイラ低温部で燃焼ガス中のSO3
反応したり、ガス中の硫酸が凝縮しているところでも、
これと反応してMgSO4となる)は、伝熱管の表面温度400
〜600℃のところに付着すると、燃焼灰の表面を覆つて
燃料中に含まれているV2O5やFe2O3とガス中のSO2との接
触を妨げてSO3への転化を抑制して、凝縮する硫酸量を
少なくし、これによる腐食作用を軽減させる効果があ
る。
しかし、このCa又はMg化合物のみを添加すると、この化
合物が白色をしていることから、次のような障害が発生
することがある。すなわち、ボイラ燃焼室が蒸発管表面
に付着すると、あたかも白亜の壁に囲まれたようにな
り、その中央で燃焼している火炎温度は白色化した蒸発
管のために輻射熱が奪われず、高温の状態が続くため、
いわゆるサーマルNOxの発生を促すこととなる。
本発明では、前述したように燃焼促進剤として有色の鉄
化合物及びMn化合物を添加しているため、これが白色化
した蒸発管を鉄さび色(褐色)に着色させるので、輻射
吸収率が上昇し、その分燃焼火炎及びその周辺の燃焼ガ
ス温度が正規の値に戻るためサーマルNOxの発生を抑制
することが可能となる。
以上の理由から有色のFe,Mn化合物をCa又はMg化合物中
に僅か2〜5%程度混在させておくだけで、Ca又はMg化
合物の腐食防止作用は、そのまま利用できると共に、こ
の種の白色化合物に起因するサーマルNOx発生の欠点を
補うことができる。
(4) エマルジヨン(O/W型、O/W型とW/O型の混合、W
/O型の各エマルジヨン、以下同じ)と微粉炭中に腐食成
分とその作用 エマルジヨン中の腐食成分はV,Na,Sの3元素であり、こ
れらの元素が燃焼ガス中で相互に反応してV2O5,Na2O・n
V2O5,5Na2O・V2O4・11V2O5,Na2SO4,SO3などを生成し、
これらの化合物はこの状態のままで直接ボイラチユーブ
や空気予熱器のエレメントを腐食させる。
一方、石炭中に含まれている腐食成分はK,Na及びSの3
元素が主体であり、燃焼ガス中でK2SO4,Na2SO4、SO3
どの化合物をつくり、他の灰の主成分(第7表参照)と
混在した状態でボイラチユーブ面に付着する。ボイラチ
ユーブ上に付着したK2SO4,Na2SO4はSO3の存在下で他の
灰成分中の鉄酸化物と反応し、ここではじめて融点が低
く、腐食性の強いアルカリ・鉄・硫酸塩化合物を生成す
る。また、この硫酸塩化合物はボイラチユーブ上の燃料
灰の上層部には殆んど認められず、燃料灰とボイラチユ
ーブとの境界に多量に含まれていることから、燃料灰中
において次のような反応が起り、腐食性の強い硫酸塩化
合物をつくるものと考えられる。
3Na2SO4+Fe2O3+SO3→2Na3Fe(SO4 (1) 3K2SO4+Fe2O3+SO3→2K3Fe(SO4 (2) Na2SO4の融点は884℃、K2SO4のそれは1069℃と高いが、
Na3Fe(SO4は624℃、K3Fe(SO4は618℃と低く
なると共に、この両者が共存すると融点550℃のような
共晶をつくつて溶融するため、チユーブ温度の低い伝熱
管においても強い腐食が発生する。しかも、この腐食性
の強い硫酸化合物は、前述したように燃料灰とチユーブ
の境界に集まることからもうかがえるように、雰囲気中
の酸素が少ない状態で腐食性を発揮する。
エマルジヨン燃料中のV化合物がV2O5の形で存在する
と、V2O5V2O4+1/2O2のように酸素を放出する性質を
もつている。このようなことからV2O5の存在によつてNa
3Fe(SO43,K3Fe(SO4の腐食作用を直接防止させ
る一方、前記(1)(2)式によつてN3Fe(SO43,K3F
e(SO4が生成するのを防ぐ作用があるものと考えら
れる。
一方、エマルジヨン燃料灰の腐食成分であるV2O5から見
れば、石炭灰中には多量の灰分(石炭の10〜20%)が存
在する上、その主成分がSiO2,CaO,Al2O3などの高融点化
合物であるため、物理的にも化学的にもその腐食作用が
弱められることとなる(第1表、第7表参照)。
(5) 微粉炭と燃焼促進剤添加による燃焼性の改善と
その作用 エマルジヨン燃料に微粉炭とFe,Ba,Mnなどの化合物を付
着させておくと、燃焼環境では、これらの元素の酸化物
は酸化剤としての作用を発揮するため、燃焼を促進さ
せ、燃焼排ガス中の未燃炭素分を減少させる。
Fe,Ba,Mnなどの化合物は、親油性を示す方がより効果的
である。エマルジヨン燃料中の油、微粉炭の表面はすべ
て疎水性であるため、この種のFe,Ba,Mn化合物は親油性
にしておくと油粒子や微粉炭表面に吸着し、その燃焼を
一層促進させることとなるからである。O/W型とW/O型と
の混合、W/O型燃料では、有機化合物(Fe,Ba,Mnの)と
して添加すると理想的である。Fe2O3,BaO,MnO2などの酸
化物の微粒子を添加する場合には、これらの酸化物はす
べて親水性であるため、油の粒子や微粉炭表面に付着し
にくい。したがつて、このような酸化物粒子に対して
は、あらかじめ親油性の界面活性剤で表面をコーテイン
グしておく方がよい。
(6) 電気集じん効率の向上 燃焼ガス中のばいじん類の電気抵抗と集じん効率の間に
密接な関係がある。第7表に示すような微粉炭の灰は非
常に電気抵抗が高いため(例えば1012〜13Ωcm)、電気
集じん効率はよくない。しかし、微粉炭中にFe,Mn化合
物を添加しておくと、これらの化合物の微粉末表面に硫
酸が吸着し(Fe2O3,MnO2の酸化作用によつてガス中のSO
2がSO3に酸化され、ガス中の水分と反応してH2O+SO3
H2SO4をつくる)、ばいじんの電気抵抗値を低下させ、
電気集じん極に付着しやすい状態に改善すると(10
10〜11Ωcm程度に低下する)。
エマルジヨン燃料と微粉炭を一緒に燃焼させた場合は、
その混合割合にもよるが、ばいじんの電気抵抗が10
8〜10Ωcmであるので、集じん効率は良好になる。な
お、微粉炭を添加しないエマルジヨン燃料を燃焼させた
場合は、106〜8Ωcmであるので、比較的集じんされや
すい状態にある。
次に、本発明の燃焼方法を適用する燃焼装置の1例を第
3図に基づいて説明する。
第3図は、本発明の燃焼方法を適用するボイラの断面図
であり、燃焼室1へ噴霧注入された燃料は、ここで燃焼
し、高温の燃焼ガス(1000℃〜1200℃)となつて矢印2
の方向へ流れる。高温の燃焼ガスが流れる通路には、高
温過熱器3,3′、高温再熱器4が設置されており、これ
らの熱交換を行いながら後部煙道部に流れ、ここでも横
置型の低温過熱器5、低温再熱器6、節炭器7などと熱
交換を行つて脱硝触媒層8を通り、空気予熱器9に達す
る。空気予熱器9入口部の燃焼ガス温度は340〜370℃で
ある。空気予熱器9では燃焼用空気を加温し、電気集じ
ん装置10によつて、ガス中のばいじん類を除去し、煙突
(図外)から系外に排出される。電気集じん装置10と煙
突との中間にはガス中のSOxを除去するいわゆる排煙脱
硫装置が設けられているが、ここでは省略した。その
他、11は燃焼用空気の流れを示したものであり、12は脱
硝触媒の作用を円滑に行うために注入されるアンモニア
注入管、13は燃焼室を構成している蒸発管、14は燃焼火
炎を示したものである。
〔実施例〕
実施例1(O/W型エマルジヨンとしての使用例) 超重質油(前記第1表の超重質油)70%、水29%および
非イオン型界面活性剤〔ノニルフエニルー(E・O)10
〜12、ここでE・Oはエチレンオキサイドを示す。〕1
%から構成されるO/W型エマルジヨンを基本燃料とし、
これに燃焼促進剤および/又は防食添加剤を添加して燃
焼する実施例を、前記第3図に基づくボイラにおける燃
焼に適用し、そして、次の(1)、(2)の要領で試験
し、その結果を(3)に記載する。
(1) 試験した燃料の条件: (A);O/W型エマルジヨン燃料をそのまま燃焼させた。
(比較例) (B);(A)の燃料に酢酸バリウムを1000ppmになる
ように添加した。
(C);(A)の燃料に硫酸鉄を1000ppmになるように
添加した。
(D);(A)の燃料にMg(OH)を燃料中のV量に対
し重量比で1:1(Mg/V)となるように添加した。
(E);(B)と(C)を同時に添加した。
(F);(C)と(D)を同時に添加した。
(2) 試験項目: 上記の燃料をそれぞれ1000時間燃焼させ、次に示す項目
を測定した。
NOx及びSO3発生量をアンモニア注入位置において測
定(環境公害と硫酸露点腐食の判定) ばいじん発生量を空気予熱器出口すなわち電気集じ
ん装置入口と同出口部において測定(燃焼性と電気集じ
ん装置の効率がわかる) 過熱器管に付着する燃料灰を採取し、その融点を測定
(燃焼肺の高温腐食性を判断する。燃料灰の融点が低い
ほど腐食性が強く、高くなるほど腐食性が弱くなる理由
に基づくもの) 脱硝触媒の性能調査(触媒層の出入口のガス中のNO
x量を測定して運転時間の経過に伴う性能の変化を調査
した) (3) 試験結果: 試験結果を次の第2表に一括して示す。
上記第2表では、(A)O/W型エマルジヨン燃料を燃焼
した場合の各測定値を、(A)の測定値を100とし、
(B)〜(F)燃料燃焼時の値をその比で示した。すな
わち、NOx発生量については(A)のO/W型エマルジヨン
燃焼時の値を100とし、(B)〜(F)は100に対する比
として表示し、脱硝効率は、次のようにして求めた。
脱硝効率=β/α×100 α:脱硝触媒入口のガス中のNOx量で、これがNOx発生量 β:脱硝触媒出口のガス中のNOx量 但し、燃焼灰の融点は測定値そのもので示した。
この結果から明らかなように、(A)燃焼単独で燃焼さ
せると、ばいじん量が多く、電気集じん装置の効率が低
い上、燃焼灰の融点が低いなどの問題点が認められる。
これに対し(B)のBaを添加したものは、ばいじん量が
少なくなり、燃焼性の改善に効果が認めれらるが、NOx
発生量の増加が認められ、燃焼灰の融点も(A)と大差
がない。(D)のMg(OH)を添加したものも、NOxの
発生量が増加したが、燃焼灰の融点が上昇すると共に、
SO3発生量が少なくなることが判明した。
NOx発生量の原因は、次のように考えられる。Ba,Mg化合
物は、いずれも白色化合物であるため、これらが蒸発管
表面に付着すると丁度白色の壁となり、その中で燃焼が
行われることとなり、蒸発管の輻射吸収率が低下し、燃
焼火炎温度の高温状態が長時間続く結果、サーマルNOx
の発生を助長させたものと思われる。一方、SO3の低下
はBa,Mg化合物が燃料灰表面を覆い、燃料灰中のV2O5,Fe
2O3などの触媒成分とガス中のSO2との接触を妨害してSO
2→SO3へ酸化するのを抑制したものと考えられる。
以上のような白色系の添加剤を使用したものに対し、
(C)の鉄を添加したものは、ばいじん発生量が低下す
ると共に、電気集じん装置の効率が向上することが判明
した。これは注入した鉄が燃焼ガス中でFe2O3となり、
未燃炭素の燃焼を促進させるとともに、これらと混合し
て未燃炭素分の電気抵抗を向上させ、電気集じん装置の
捕集効率の良好な状態にさせたものと考えられる。ま
た、脱硝触媒の性能維持にも効果があることが認められ
る。しかし、燃焼灰の融点上昇効果はそれほど大きくな
い。
(E),(F)のように白色系添加剤に鉄を添加したも
のは、白色系の利点と、その欠点を補つた性能が認めら
れる。これは、鉄の添加によつて白色化合物が着色し、
蒸発管の熱吸収率が向上する一方、Mgの燃料灰に対する
融点上昇効果やSO3の抑制作用をそのまま発揮させたか
らである。
実施例2(O/W型からW/O型エマルジヨンへの変化) 実施例1に示したO/W型エマルジヨンからW/O型エマルジ
ヨンへ変化させる方法として次の処理を行つた。
(1) O/W型エマルジヨンを加熱し(80〜120℃)、こ
れに油溶性のアニオン型界面活性剤2000ppmを加え、よ
く撹拌した。この結果、完全な型のW/O型とはならない
までもO/W型とW/O型エマルジヨンが共存する、すなわち
O/W型とW/O型との混合エマルジヨン燃料となつた。O/W
型エマルジヨンには非イオン型界面活性剤〔ノニル・フ
エニル(E・O)9〜17但し、(E・O)はエチレンオ
キサイドの略〕が添加されていたが、80℃以上に加熱す
ると、O/W型を形成させている非イオン界面活性剤の作
用が弱まり、アニオン型界面活性剤の作用によつてO/W
型の一部がW/O型に変化したものと考えられる。ここで
はアニオン型界面活性剤としてアルキルベンゼンスルフ
オン酸ナトリウムを用いたが、同スルフオン酸マグネシ
ウムを使用しても同じ作用を示した。また、これらの油
溶性のアニオン型界面活性剤を20000ppm添加すると大部
分のものがW/O型へ変化した。O/W型とW/O型の混在比は
エマルジヨン燃料の加熱温度とその時間及びアニオン型
界面活性剤の添加量によつて調整することが可能であ
り、エマルジヨン燃料の使用条件や使用目的によつて決
定することができる。
(2) O/W型エマルジヨン1にC重油0.2添加した
後、加熱(80〜120℃)し、(1)と同じ油溶性のアニ
オン型界面活性剤を2000ppm添加して撹拌した。この方
法によつてもO/W型からW/O型へ転換させることができ
た。但し、(1)の方法に比べ変化率は極めて高く、ア
ニオン型界面活性剤を10000ppm添加すると大部分のもの
をW/O型に変化させることができた。
以下、O/W型とW/O型が約50:50の割合で混在しているエ
マルジヨン燃料と、W/O型エマルジヨン燃料とによる燃
焼試験を実施した。
(1)供試ボイラ;実施例1と同じボイラを使用した。
(2)試験した燃料の条件;実施例1と同じ。但し鉄化
合物は油溶性のオクチル酸鉄を用いた。
(3)試験項目;実施例1と同じ。
(4)試験結果; 次の第3表にO/W型とW/O型とが混在しているエマルジヨ
ン燃料(A′)を用いた場合の試験結果を要約して示
す。
この第3表では、実施例1で用いた(A)O/W型エマル
ジヨン燃料(無添加)を使用した場合のデータを100と
して、本実施例の測定値をそれに対する比率で示した。
しかし、燃料灰の融点のみ測定値をそのまま記入した。
第3表の結果から明らかなように、O/W型とW/O型との混
合エマルジヨンを使用することによつて燃焼性は向上し
た。しかし、燃料灰の融点が低く、SO3発生量が多いな
どの欠点はそのままあらわれている。
第3表から明らかなように、実施例1の(C)、
(E)、(F)燃料と同一添加物をO/W型とW/O型との混
合エマルジヨンに添加した(C)、(E′)、(F′)
燃料は何れの試験項目においても良好な成績を示してお
り、O/W型とW/O型との混合エマルジヨン燃料を使用した
場合も本発明は有効であることが判明した。
第4表は、重油を添加し、大部分がW/O型エマルジヨと
なつた燃料(A″)について実施した試験結果を示し
た。この試験においても第3表と同じような結果が得ら
れており、本発明の効果が確認された。
実施例3(各種添加剤の効果確認試験) 実施例1および2ではBa,Fe,Mgの3元素の化合物につい
てその効果を調査したが、本実施例では他の化合物の効
果について調査した。
(1) 試験した試料: (A);O/W型エマルジヨン〔実施例1の燃料(A)〕 (B);O/W型とW/O型混合エマルジヨン〔実施例2の燃
料(A′)〕 (C);W/O型エマルジヨン〔実施例2の燃料(A″)〕 (2) 添加剤の種類: (イ);O/W型エマルジヨン(A)に対してはFe2O3,FeOO
H,MnO2 (ロ);O/W型とW/O型混合エマルジヨン(A′)に対し
ては、(イ)の添加剤とナフテン酸鉄、ステアリン酸鉄 (ハ);W/O型エマルジヨン(A″)に対してはFe2O3 F
eOOH粒子の表面を親油性の界面活性剤(アルキルベンゼ
ンスルフオン酸ナトリウム)で表面を被覆したもの及び
ナフテン酸鉄、ステアリン酸鉄 なお、(イ)、(ロ)、(ハ)の各エマルジヨン燃料に
対しても燃料中に超重質油中に含まれているV化合物に
対し重量比でMg/V=1又はCa/V=1となるようにMg(O
H)、ステアリン酸カルシウムを添加した。
(3)供試ボイラ:実施例1と同じ (4)調査項目:ばいじん発生量 (5)調査結果: 調査結果を次の第5表に整理して示す。
(備考) 無添加時のばいじん発生量により10%以上減
少したものを 20%以上減少したものを○、30%以上減少したものを◎
として表示した。
上記第5表から明らかなように、燃焼促進剤としては燃
料中にどのような化合形態をしていても、またエマルジ
ヨンの型に関係なく、高温の燃焼ガス中でFe2O3となる
ようなものであれば効果のあることがわかる。また、Mn
O2もFl2O3と同様の効果が認められる。燃焼を促進する
ための強い酸化作用を有しているためと考えられる。な
お、腐食防止剤として使用したステアリン酸カルシウム
は、燃料灰の融点上昇効果があり、燃料灰の腐食防止作
用も認められたが、ボイラ伝熱管に付着した状態ではMg
注入時のものに比較し、非常に固く、伝熱管から剥離す
るのが困難であつた。
実施例4(微粉炭燃焼灰分およびエマルジヨン((O/W
型、O/W型とW/O型との混合エマルジヨン、W/O型))燃焼
灰分の腐食試験) 本実施例では、微粉炭燃焼後の灰分、すなわち石炭灰分
中に含まれている腐食成分であるM3Fe(SO4と、エ
マルジヨン燃焼後の灰分中に含まれている腐食成分V2O5
を用いて、それぞれ単独又は混合した状態で腐食試験を
行つた。
(1)供試腐食剤: (イ)石炭灰中の腐食成分:1.5モルNa2SO4+1.5モルK2S
O4+1モルFe2O3を混合したもの(この混合物を燃焼ガ
ス中に放置すると相互に反応して、腐食性の強いM3Fe
(SO4をつくる。但しMはNa又はKを示す。) (ロ)重質油中の腐食成分:V2O5 (2)供試材料: ボイラの過熱器管材料として使用されているSTBA24(21
/4Cr−1Mo鋼)とSUS321HTB(18Cr−8Ni−Ti入り)を、
それぞれ幅15mm、長さ30mm、厚3mmの試験片に加工し、
エメリペーパ(600番)でよく研磨したものを用いた。
(3)腐食試験条件とその方法: 磁性のボート状容器中に試験片と腐食剤を入れ、管状電
気炉中で燃焼ガスを模擬した合成ガス(1%SO2+5%O
2+12%CO2+残N2)を1分間当り200ml流しながら700℃
×100hの腐食試験を実施した。
なお、腐食剤の量は試験片の表面積当り30mg/cm2となる
ように一定としたが、混合腐食剤の場合はM3Fe(SO43
/V2O3の比を3/1(重量比)としたものを用いた(M:Na又
はK)。
(4)試験結果: 試験片の腐食量は、試験後表面に付着している腐食生成
物を酸腐食抑制剤(インヒビター)入りの10%塩酸中に
浸漬して除去した後、試験前後の重量差から腐食減量を
求めた。
第6表はこの結果を示したものである。
第6表から明らかなように、石炭灰中の腐食成分単独の
ものの腐食量が最も大きく、次いでV2O5であつたが、両
者が混合状態で存在すると、その腐食量は激減してい
る。この原因は明らかではないが、M3Fe(SO4によ
る腐食作用が酸素不足環境下で強く起るのに対し、V2O5
の存在によつて酸素が供給されたため、腐食作用が緩慢
となつたものと考えられる。
一方、V2O5はM3Fe(SO4への酸素供給の結果、V2O4
又はV2O3などの低級酸化物へ変化し、腐食性を消失した
ものと思われる。因みにV2O4,V2O3の融点はいずれも190
0℃以上であり、試験温度の700℃では固体として存在
し、高温腐食作用は全く示さない。
また、以上のような腐食の特徴はSTBA24,SUS321HTBとも
に認められることから、すべてのボイラ伝熱管の腐食特
性と考えても差支えないように思われる。
実施例5(微粉炭添加の効果確認試験) (1)試験用燃焼設備の概要: 第4図に本実施例に用いた試験用燃焼設備の概要を示
す。
第4図において、101は燃焼用空気を供給するブロワ
で、一次加熱器102で100〜250℃、二次加熱器103を通る
と250℃〜500℃に加熱することができ、一次加熱器102
を出た空気は、低温配管104を通り、エマルジヨン燃料
の燃焼用として使用され、二次加熱器103を出た空気は
微粉炭の燃焼用に高温空気配管105によつて供給され
る。106は酸素ボンベを示し、燃料の着火を促進させる
場合、ブロワ101から分岐した空気配管107に送給するも
ので、燃焼が安定状態に達するとボンベ106を閉とす
る。
108はエマルジヨン燃料のタンクで、ポンプ109によつて
エマルジヨン用バーナ110から燃焼炉111内のバーナ部11
2の近傍へ注入すると共に、その一部は配管113を通り、
燃料混合機114中に供給できるようになつている。
一方、微粉体貯蔵タンク115内の石炭粉末は、スクリユ
ーフイーダ116によつて配管117から燃料混合機114へ送
られるとともに、配管117′を通つて、配管105から供給
される加熱空気とともに燃焼炉111内へ注入され燃焼す
ることもできる。
燃焼炉111の中央部には、試験用のボイラ管118,118′が
複数本取付けられ、管118,118′の外面温度は冷却用空
気119によつて調整できるようになつている。
燃焼ガスは、試験用ボイラを通り、燃焼炉出口120から
出て、サイクロン121中に入つて除じんされ、捕集され
たダストはサイクロン121の下部からとり出し、上部か
ら出た燃焼ガスは、さらに電気集じん装置122によつて
清浄化され、吸引ブロワー123によつて煙突124から外部
に放出される。
また、燃焼試験を継続することによつて燃焼炉111内に
滞留する燃焼灰は、下部の灰取出し口125から外部へ排
出される。
燃料混合機114はエマルジヨン燃料に少量の微粉炭を混
合する場合、又その中に各種の添加剤を注入する場合に
用いられる。
なお、燃焼量はエマルジヨンとして2t/hである。
第4図から明らかなように、本試験燃焼炉ではエマルジ
ヨン、微粉炭それぞれを単独で燃焼させることは勿論、
両者を混合状態で燃焼させることも可能である。
燃焼ガス中のばいじん量、NOx、SO3量などは燃焼炉出口
の◎印で測定し、又は電気集じん装置の効率は電気集じ
ん装置前後のガス中に含まれるばいじん量によつて求め
腐食性及びデポジツト堆積量の比較は17,17′のボイラ
管によつて実施した。
(2)供試燃料の種類 (A)エマルジヨン燃料: O/W型エマルジヨン:第1表に示すような性状を有
する超重質油70%(30〜5μmの微粒子)+水19%+非
イオン界面活性剤(ノニル・フエニル(E・O)x、x
=10〜17以下のものを混合状態で用いた)1%(何れも
重量%) O/W型とW/O型の混合エマルジヨン:上記O/W型エマル
ジヨンを用い、実施例2の方法でO/W型/W/O型比を50/50
としたもの W/O型エマルジヨン:上記O/W型エマルジヨンを用い、
実施例2の(2)の方法で大部分をW/O型としたもの (B)微粉炭燃料:第7表の性状を有する石炭を200メ
ツンのフルイを80%以上のものが通過するように調整し
た。
(3)燃料の燃焼条件: (A) O/W型、O/W型とW/O型との混合、W/O型燃料のそ
れぞれに微粉炭を10%(重量%)添加して燃焼 (B) 微粉炭のみを燃焼させる。
(C) エマルジヨン燃料と微粉炭を、第4図中それぞ
れ別個(専用)のバーナ110、112で燃焼させる。
(4)燃料添加剤の種類: (A) O/W型燃料への添加剤:硫酸第一鉄、酢酸バリ
ウム、Fe2O3粉末、MnO2粉末 (B) O/W型とW/O型の混合及びW/O型燃料への添加
剤:(A)の添加剤、オクチル酸鉄、ナフテン酸鉄 (C) 微粉炭燃料への添加剤:Fe2O3粉末、オクチル酸
鉄 但し、Fe2O3及びMnO2粉末は0.1〜1μmの微粒子で、親
油性のノニル・フエニル(E・O)x x=7以下のもの
を用いてその表面を被覆した。この結果、O/W型燃料中
に添加した場合は、超重質油微粒子の表面へ付着しやす
く、他の燃料へ添加した場合でも常に油や石炭表面に付
着して、その燃焼を促進させる作用がある。
また、上記の添加剤の注入量は、BaO,Fe2O3としてそれ
ぞれ2000ppm(重量)である。
(5) 試験結果 (A) O/W型エマルジヨン燃料中に微粉炭を混合させ
て燃焼させた場合 第8表に本試験結果を要約して示した。
第8表から明らかなように、添加剤を注入して燃焼させ
ると、ばいじん発生量、集じん効率、NOx及びSO3発生量
は、添加剤無添加燃焼の場合に比べ、何れも良好な結果
を示している。その上、テストチユーブ上に付着する燃
料灰を主成分とするデポジツトの堆積量及びその腐食量
も減少することが確認された。
(B)O/W型+W/O型混合エマルジヨン燃料中に微粉炭を
混合して燃焼させた場合 第9表に本試験結果を要約して示した。
第9表から明らかなように上記(A)の結果と同様、本
発明の効果が認められた。
(C)W/O型エマルジヨン燃料中に微粉炭を混合して燃
焼させた場合 第10表に本試験結果を要約して示した。
第10表から明らかなように、上記(A),(B)の結果
と同様、本発明の効果が認められた。
(D)エマルジヨン燃料と微粉炭を別個に燃焼させた場
合 両燃料を第4図中バーナ110,112の各々で燃焼させ、Fe2
O3粉末とオクチル酸鉄の添加剤をエマルジヨン燃料/微
粉炭中に6/4(重量比)になるように添加して試験し
た。
第11表はこの結果を示したものである。
第11表から明らかなように、エマルジヨン燃料と微粉炭
を別個に燃焼しても、燃料中に添加剤を注入しておけ
ば、初期の目的が達成できることが認められた。
〔発明の効果〕
本発明は、以上詳記したように、超重質油のO/W型エマ
ルジヨン、O/W型とW/O型との混合エマルジヨン、W/O型
エマルジヨンを使用するため、パイプ輸送、タンカへの
積込み、貯油槽への配管内輸送などすべてが液体と同様
に取扱うことができ、また、Fe,Ba,Mn化合物からなる燃
焼促進剤、Ca又はMg化合物からなる防食添加剤を添加す
ることにより、燃焼性の向上および腐食障害の低減を図
ることができる。
更に、本発明においては、上記のエマルジヨン燃料に微
粉炭を添加することにより、両者の燃焼性の向上を図
り、また両者の燃焼灰中の腐食成分の腐食作用が両腐食
成分により相殺される効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はO/W型エマルジヨンを模式的に示した図、第2
図はW/O型エマルジヨンを模式的に示した図、第3図は
本発明の燃焼方法を適用するボイラの断面図、第4図は
本発明の実施例5で用いた試験用燃焼設備の概要を示す
図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−36104(JP,A) 特開 昭53−125410(JP,A) 特開 昭55−112925(JP,A) 特開 昭56−159291(JP,A) 特開 昭57−38890(JP,A) 特開 昭57−55995(JP,A) 特公 昭53−44328(JP,B1) 特公 昭56−15756(JP,B1) 特公 昭56−15758(JP,B2) 特公 昭56−15680(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも常温でグリース状を呈する超重
    質油の微粒子と水よりO/W型エマルジョン、O/W型とW/O
    型の混合エマルジョン又はW/O型エマルジョンを調製
    し、これにFe又はMnの化合物からなる燃焼促進剤及びCa
    又はMg化合物からなる防食添加剤を添加し、燃焼するこ
    とを特徴とする超重質油−水エマルジョン燃料の燃焼方
    法。
  2. 【請求項2】少なくとも常温でグリース状を呈する超重
    質油の微粒子と水よりO/W型エマルジョン、O/W型とW/O
    型の混合エマルジョン又はW/O型エマルジョンを調製
    し、これに微粉炭を添加し、燃焼することを特徴とする
    超重質油−水エマルジョン燃料の燃焼方法。
  3. 【請求項3】少なくとも常温でグリース状を呈する超重
    質油の微粒子と水よりO/W型エマルジョン、O/W型とW/O
    型の混合エマルジョン又はW/O型エマルジョンを調製
    し、これに微粉炭及びFe,Ba又はMnの化合物からなる燃
    焼促進剤を添加し、燃焼することを特徴とする超重質油
    −水エマルジョン燃料の燃焼方法。
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