JPH08100219A - 方向性珪素鋼板の脱炭焼鈍における材質制御方法 - Google Patents
方向性珪素鋼板の脱炭焼鈍における材質制御方法Info
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- JPH08100219A JPH08100219A JP23707194A JP23707194A JPH08100219A JP H08100219 A JPH08100219 A JP H08100219A JP 23707194 A JP23707194 A JP 23707194A JP 23707194 A JP23707194 A JP 23707194A JP H08100219 A JPH08100219 A JP H08100219A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 方向性珪素鋼板の脱炭焼鈍工程で脱炭量、酸
素目付量及び表面酸化物の構成比の少なくとも1つをオ
ンラインで推定し、それを迅速に目標値に一致させる。 【構成】 方向性珪素鋼板4を焼鈍炉1内に通過させな
がら行う脱炭焼鈍において、拡散方程式を基礎にして導
出した物理モデルを構築し、該物理モデルに露点計9、
水素濃度計10、熱電対11等による検出値を適用して
脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を推定し、
これら推定値の少なくとも1つを目標値に一致させるべ
く、焼鈍炉内の雰囲気ガス組成、炉温及び通板速度の少
なくとも1つを制御する。
素目付量及び表面酸化物の構成比の少なくとも1つをオ
ンラインで推定し、それを迅速に目標値に一致させる。 【構成】 方向性珪素鋼板4を焼鈍炉1内に通過させな
がら行う脱炭焼鈍において、拡散方程式を基礎にして導
出した物理モデルを構築し、該物理モデルに露点計9、
水素濃度計10、熱電対11等による検出値を適用して
脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を推定し、
これら推定値の少なくとも1つを目標値に一致させるべ
く、焼鈍炉内の雰囲気ガス組成、炉温及び通板速度の少
なくとも1つを制御する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、方向性珪素鋼板の脱炭
焼鈍における材質制御方法、特に方向性珪素鋼板の脱炭
焼鈍において脱炭量、酸素目付量、及び表面酸化物の構
成比を制御する際に適用して好適な方向性珪素鋼板の脱
炭焼鈍における材質制御方法に関する。
焼鈍における材質制御方法、特に方向性珪素鋼板の脱炭
焼鈍において脱炭量、酸素目付量、及び表面酸化物の構
成比を制御する際に適用して好適な方向性珪素鋼板の脱
炭焼鈍における材質制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板(珪素鋼板)の製造プロ
セスにおける脱炭焼鈍工程の目的は、鋼板を脱炭するこ
と、及びその後に焼鈍分離剤を塗布して行う仕上げ焼鈍
によりガラス被膜を形成するに必要な酸化物を鋼板表面
に生成することにある。
セスにおける脱炭焼鈍工程の目的は、鋼板を脱炭するこ
と、及びその後に焼鈍分離剤を塗布して行う仕上げ焼鈍
によりガラス被膜を形成するに必要な酸化物を鋼板表面
に生成することにある。
【0003】脱炭は、製品の磁気特性に有害な炭素Cを
鋼中から除去するための処理であり、鋼板表面近傍の雰
囲気中の水蒸気H2 O、水素H2 、一酸化炭素CO等の
ガス濃度や、鋼板の板厚等の他、鋼中成分やカーバイト
の析出状態等によって影響を受ける。又、その際の脱炭
速度は、鋼板表面の凹凸や粗度及び歪みによっても影響
を受けるが、この脱炭速度に最も影響を及ぼす因子は、
脱炭焼鈍の過程で鋼板表面に生成する酸化物の量と質で
ある。従って、この酸化物の生成挙動によって内部に存
在する炭素の鋼板表面方向への拡散は影響され、脱炭速
度は大幅に変化する。
鋼中から除去するための処理であり、鋼板表面近傍の雰
囲気中の水蒸気H2 O、水素H2 、一酸化炭素CO等の
ガス濃度や、鋼板の板厚等の他、鋼中成分やカーバイト
の析出状態等によって影響を受ける。又、その際の脱炭
速度は、鋼板表面の凹凸や粗度及び歪みによっても影響
を受けるが、この脱炭速度に最も影響を及ぼす因子は、
脱炭焼鈍の過程で鋼板表面に生成する酸化物の量と質で
ある。従って、この酸化物の生成挙動によって内部に存
在する炭素の鋼板表面方向への拡散は影響され、脱炭速
度は大幅に変化する。
【0004】このように、脱炭焼鈍中に鋼板表面に生成
される酸化物は、脱炭速度に大きな影響力を有するが、
鋼板表面近傍の雰囲気中のH2 OとH2 の分圧比PH2O
/P H2)の値と鋼板温度に応じて、Si O2 、Fe 2 S
i O4 、又はFe Oといった異なる酸化物となり、これ
ら酸化物は仕上げ焼鈍で製品の表面に形成されるガラス
被膜の品質及び磁気特性に大きく影響することから、そ
の量及び構成比を厳密にコントロールすることが必要で
ある。
される酸化物は、脱炭速度に大きな影響力を有するが、
鋼板表面近傍の雰囲気中のH2 OとH2 の分圧比PH2O
/P H2)の値と鋼板温度に応じて、Si O2 、Fe 2 S
i O4 、又はFe Oといった異なる酸化物となり、これ
ら酸化物は仕上げ焼鈍で製品の表面に形成されるガラス
被膜の品質及び磁気特性に大きく影響することから、そ
の量及び構成比を厳密にコントロールすることが必要で
ある。
【0005】これら酸化物の生成に対する影響因子とし
ては、鋼板温度、鋼板表面近傍の雰囲気中のH2 O、H
2 、CO等のガス濃度、板厚等の他に、鋼中成分や鋼板
表面に存在している酸化物の量と質があり、この表面酸
化物によって鋼板内部への酸素O及び珪素Si の拡散が
阻害され、酸化速度が大幅に低下する。
ては、鋼板温度、鋼板表面近傍の雰囲気中のH2 O、H
2 、CO等のガス濃度、板厚等の他に、鋼中成分や鋼板
表面に存在している酸化物の量と質があり、この表面酸
化物によって鋼板内部への酸素O及び珪素Si の拡散が
阻害され、酸化速度が大幅に低下する。
【0006】従来から、脱炭及び酸化被膜生成に対して
適用する種々の方法が提案されており、例えば特開昭5
6−72178号公報には、脱炭焼鈍を700℃〜40
0℃で行い、酸素目付量を1.0〜2.0g / m2 とす
ることが、又、特開昭59−41480号公報には、F
e 2 Si O4 とSi O2 の重量比を0.05〜0.4と
することが磁気特性の向上に必要であることが開示され
ている。
適用する種々の方法が提案されており、例えば特開昭5
6−72178号公報には、脱炭焼鈍を700℃〜40
0℃で行い、酸素目付量を1.0〜2.0g / m2 とす
ることが、又、特開昭59−41480号公報には、F
e 2 Si O4 とSi O2 の重量比を0.05〜0.4と
することが磁気特性の向上に必要であることが開示され
ている。
【0007】ところが、従来は、これら脱炭、酸素目付
量及び表面酸化物の組成比を制御することは、前述の諸
因子の変動の影響があって困難であったため、事前に暫
定操業条件の下でパイロットコイルを通板処理して脱炭
量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を把握するとい
う実験を繰返すことにより、それぞれの値が目標値とな
るように最終的な操業条件を決定する方法がとられてい
た。
量及び表面酸化物の組成比を制御することは、前述の諸
因子の変動の影響があって困難であったため、事前に暫
定操業条件の下でパイロットコイルを通板処理して脱炭
量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を把握するとい
う実験を繰返すことにより、それぞれの値が目標値とな
るように最終的な操業条件を決定する方法がとられてい
た。
【0008】又、従来、脱炭焼鈍後の鋼板の炭素濃度、
酸素目付量及び酸化物の構成比は、オフラインで化学分
析試験法により求められていたため、この分析試験に要
するコストや分析結果を操業条件にフィードバックする
際の時間遅れに大きなデメリットがあったので、測定の
オンライン化が望まれていた。
酸素目付量及び酸化物の構成比は、オフラインで化学分
析試験法により求められていたため、この分析試験に要
するコストや分析結果を操業条件にフィードバックする
際の時間遅れに大きなデメリットがあったので、測定の
オンライン化が望まれていた。
【0009】なお、上述した問題のうち酸素目付量のみ
の制御に関しては、焼鈍加熱時間、焼鈍炉加熱帯の露
点、焼鈍炉均熱帯の温度、均熱時間、均熱帯の露点、脱
炭焼鈍前鋼板の酸素量から線形回帰により推定式を作成
し、この推定式により酸素目付量を推定し、その推定値
と目標酸素目付量と比較してその差がなくなるように雰
囲気ガス露点、加熱温度、均熱温度、通板速度の少なく
とも1つを制御する方法が、特開平4−337035に
開示されている。しかし、この方法には、脱炭量や表面
酸化物の組成比までは推定・制御することはできないと
いう欠点がある。
の制御に関しては、焼鈍加熱時間、焼鈍炉加熱帯の露
点、焼鈍炉均熱帯の温度、均熱時間、均熱帯の露点、脱
炭焼鈍前鋼板の酸素量から線形回帰により推定式を作成
し、この推定式により酸素目付量を推定し、その推定値
と目標酸素目付量と比較してその差がなくなるように雰
囲気ガス露点、加熱温度、均熱温度、通板速度の少なく
とも1つを制御する方法が、特開平4−337035に
開示されている。しかし、この方法には、脱炭量や表面
酸化物の組成比までは推定・制御することはできないと
いう欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の技術では、以下の問題があるため、適切な脱炭
量、酸素目付量、表面酸化物の構成比を持つ方向性電磁
鋼板の安定した製造が困難であった。
た従来の技術では、以下の問題があるため、適切な脱炭
量、酸素目付量、表面酸化物の構成比を持つ方向性電磁
鋼板の安定した製造が困難であった。
【0011】前述した如く、オンラインで脱炭量、酸素
目付量及び表面酸化物の構成比を連続測定することが望
まれていたが、その要望に応えるセンサー装置は実用化
されていない。その理由は、例えば、蛍光X線による物
質同定方法を用いる場合を考えると、鋼板の測定部分を
約1分間真空でパージする必要があるため、迅速な連続
測定は不可能であり、又、仮にこの方法を採用できたと
してもオンライン測定装置を開発し、運用することは、
装置開発費、装置建設費及び装置の運転費は莫大なもの
となるため、現実的でないことにある。
目付量及び表面酸化物の構成比を連続測定することが望
まれていたが、その要望に応えるセンサー装置は実用化
されていない。その理由は、例えば、蛍光X線による物
質同定方法を用いる場合を考えると、鋼板の測定部分を
約1分間真空でパージする必要があるため、迅速な連続
測定は不可能であり、又、仮にこの方法を採用できたと
してもオンライン測定装置を開発し、運用することは、
装置開発費、装置建設費及び装置の運転費は莫大なもの
となるため、現実的でないことにある。
【0012】又、前述した暫定操業条件の下で事前にパ
イロットコイルを通板処理して実験を繰返す方法には、
極めて大きな材料及び時間のロスが伴なうという問題が
あった。
イロットコイルを通板処理して実験を繰返す方法には、
極めて大きな材料及び時間のロスが伴なうという問題が
あった。
【0013】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、最終的に方向性珪素鋼板の物性値に
大きな影響力を与えることになる脱炭焼鈍工程で脱炭
量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比の少なくとも1
つをオンラインで推定し、それを迅速に目標値に一致さ
せることができ、しかも低コストで実行が可能な方向性
珪素鋼板の脱炭焼鈍における材質制御方法を提供するこ
とを課題とする。
くなされたもので、最終的に方向性珪素鋼板の物性値に
大きな影響力を与えることになる脱炭焼鈍工程で脱炭
量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比の少なくとも1
つをオンラインで推定し、それを迅速に目標値に一致さ
せることができ、しかも低コストで実行が可能な方向性
珪素鋼板の脱炭焼鈍における材質制御方法を提供するこ
とを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、方向性珪素鋼
板を焼鈍炉内に通過させながら行う脱炭焼鈍において、
拡散方程式を基礎にして導出した物理モデルを用いて、
脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を推定し、
これら推定値の少なくとも1つを目標値に一致させるべ
く、焼鈍炉内の雰囲気ガス組成、炉温及び通板速度の少
なくとも1つを制御することにより、前記課題を解決し
たものである。
板を焼鈍炉内に通過させながら行う脱炭焼鈍において、
拡散方程式を基礎にして導出した物理モデルを用いて、
脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を推定し、
これら推定値の少なくとも1つを目標値に一致させるべ
く、焼鈍炉内の雰囲気ガス組成、炉温及び通板速度の少
なくとも1つを制御することにより、前記課題を解決し
たものである。
【0015】本発明は、又、上記材質制御方法におい
て、脱炭量及び酸素目付量をそれぞれ推定する物理モデ
ルを、脱炭焼鈍中に生成する酸化被膜により炭素及び酸
素それぞれの拡散を抑制する程度を表わす抑制係数αC
及びα0 をそれぞれ含む、 ∂C/∂t =(∂/∂x ){(1/αC )×DFe C ×
(∂C/∂x )} ∂O/∂t =(∂/∂x ){(1/αO )×DFe O ×
(∂O/∂x )}−(RSiO2+RFe2SiO4 +RFeO ) (C及びOはそれぞれ鋼板表面から距離x の炭素濃度及
び酸素濃度、DFe C 及びDFe O はそれぞれ炭素及び酸素
の鋼(Fe )中の拡散係数、RSiO2はSi O2の生成速
度、RFe2SiO4 はFe 2 Si O4 の生成速度、RFeO は
Fe Oの生成速度)で表わされる方程式を、表面に対す
る単位時間・単位面積当りの酸素の供給量N O2を、次式 NO2=a/[{1+1/(PH2O /PH2)}(2πMR
T)1/2 ] (aは係数、PH2O は雰囲気中の水蒸気分圧、PH2は雰
囲気中の水素分圧、Mは分子量、Rは気体定数、Tは絶
対温度(K)) で与えて解くことにより導出するようにしたものであ
る。
て、脱炭量及び酸素目付量をそれぞれ推定する物理モデ
ルを、脱炭焼鈍中に生成する酸化被膜により炭素及び酸
素それぞれの拡散を抑制する程度を表わす抑制係数αC
及びα0 をそれぞれ含む、 ∂C/∂t =(∂/∂x ){(1/αC )×DFe C ×
(∂C/∂x )} ∂O/∂t =(∂/∂x ){(1/αO )×DFe O ×
(∂O/∂x )}−(RSiO2+RFe2SiO4 +RFeO ) (C及びOはそれぞれ鋼板表面から距離x の炭素濃度及
び酸素濃度、DFe C 及びDFe O はそれぞれ炭素及び酸素
の鋼(Fe )中の拡散係数、RSiO2はSi O2の生成速
度、RFe2SiO4 はFe 2 Si O4 の生成速度、RFeO は
Fe Oの生成速度)で表わされる方程式を、表面に対す
る単位時間・単位面積当りの酸素の供給量N O2を、次式 NO2=a/[{1+1/(PH2O /PH2)}(2πMR
T)1/2 ] (aは係数、PH2O は雰囲気中の水蒸気分圧、PH2は雰
囲気中の水素分圧、Mは分子量、Rは気体定数、Tは絶
対温度(K)) で与えて解くことにより導出するようにしたものであ
る。
【0016】本発明は、又、上記材質制御方法におい
て、表面酸化物の構成比を推定する物理モデルを、Si
O2 の生成が酸素の拡散律速であるとして得られるSi
O2 の生成量と、Fe 2 Si O4 の生成速度RFe2SiO4
から得られるFe 2 Si O4 の生成量との比とすると共
に、 RFe2SiO4 =A× exp(−Q/T)×SiO2×(O−
OFe2SiO4 ) (RFe2SiO4 は、Fe 2 Si O4 の反応速度(mol /se
c )、Tは絶対温度(K)、SiO2はSi O2 の濃度
(mol /cm3 )、Oは酸素濃度(mol /cm3 )、O
Fe2SiO4 は熱力学計算により求められるFe 2 Si O4
生成の酸素濃度閾値、A、Qは係数)としたものであ
る。
て、表面酸化物の構成比を推定する物理モデルを、Si
O2 の生成が酸素の拡散律速であるとして得られるSi
O2 の生成量と、Fe 2 Si O4 の生成速度RFe2SiO4
から得られるFe 2 Si O4 の生成量との比とすると共
に、 RFe2SiO4 =A× exp(−Q/T)×SiO2×(O−
OFe2SiO4 ) (RFe2SiO4 は、Fe 2 Si O4 の反応速度(mol /se
c )、Tは絶対温度(K)、SiO2はSi O2 の濃度
(mol /cm3 )、Oは酸素濃度(mol /cm3 )、O
Fe2SiO4 は熱力学計算により求められるFe 2 Si O4
生成の酸素濃度閾値、A、Qは係数)としたものであ
る。
【0017】本発明は、又、上記材質制御方法におい
て、前記物理モデルを用い、焼鈍炉出側における脱炭
量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比の少なくとも1
つをリアルタイムで推定するようにしたものである。
て、前記物理モデルを用い、焼鈍炉出側における脱炭
量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比の少なくとも1
つをリアルタイムで推定するようにしたものである。
【0018】
【作用】本発明においては、拡散方程式を基礎にして適
切な物理モデルを構築し、該物理モデルに、常法に基づ
いて得られるプロセス情報を適用して、脱炭量、酸素目
付量及び表面酸化物(酸化被膜中の酸化物)の構成比を
推定可能としたので、これらの値をオンラインで連続推
定することが可能となり、その結果、これら推定値の少
なくとも1つが目標値に一致するように、焼鈍炉内の雰
囲気ガス組成、炉温、通板速度の少なくとも1つを操作
することにより、方向性電磁鋼板の脱炭量、酸素目付量
及び表面酸化物の構成比を適切に制御することが可能と
なる。
切な物理モデルを構築し、該物理モデルに、常法に基づ
いて得られるプロセス情報を適用して、脱炭量、酸素目
付量及び表面酸化物(酸化被膜中の酸化物)の構成比を
推定可能としたので、これらの値をオンラインで連続推
定することが可能となり、その結果、これら推定値の少
なくとも1つが目標値に一致するように、焼鈍炉内の雰
囲気ガス組成、炉温、通板速度の少なくとも1つを操作
することにより、方向性電磁鋼板の脱炭量、酸素目付量
及び表面酸化物の構成比を適切に制御することが可能と
なる。
【0019】従って、本発明によれば、上記物理モデル
を用いることにより、従来のように焼鈍炉出側で鋼板を
サンプリングし、その都度該鋼板の化学的な分析試験を
行うことなく、脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構
成比を把握することができるため、材料及び時間のロ
ス、更には分析試験に要する試験コストを低減すること
が可能となる。
を用いることにより、従来のように焼鈍炉出側で鋼板を
サンプリングし、その都度該鋼板の化学的な分析試験を
行うことなく、脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構
成比を把握することができるため、材料及び時間のロ
ス、更には分析試験に要する試験コストを低減すること
が可能となる。
【0020】又、物理モデルにより推定を行うことがで
きるため、脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比
をオンライン測定するためのセンサーが不要であるた
め、新たなセンサーの開発、建設及び運転に必要なコス
トを削減することが可能となる。
きるため、脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比
をオンライン測定するためのセンサーが不要であるた
め、新たなセンサーの開発、建設及び運転に必要なコス
トを削減することが可能となる。
【0021】又、本発明において、脱炭量及び酸素目付
量をそれぞれ推定する物理モデルを、脱炭焼鈍中に生成
する酸化被膜により炭素及び酸素それぞれの拡散を抑制
する程度を表わす抑制係数αC 及びα0 をそれぞれ含
む、 ∂C/∂t =(∂/∂x ){(1/αC )×DFe C ×(∂C/∂x )} ……(1) ∂O/∂t =(∂/∂x ){(1/αO )×DFe O ×(∂O/∂x )} −(RSiO2+RFe2SiO4 +RFeO ) ……(2) (C及びOはそれぞれ鋼板表面から距離x の炭素濃度及
び酸素濃度、DFe C 及びDFe O はそれぞれ炭素及び酸素
の鋼(Fe )中の拡散係数、RSiO2はSi O2の生成速
度、RFe2SiO4 はFe 2 Si O4 の生成速度、RFeO は
Fe Oの生成速度)で表わされる方程式を、表面に対す
る単位時間・単位面積当りの酸素の供給量NO2を、次式 NO2=a/[{1+1/(PH2O /PH2)}(2πMRT)1/2 ]…(3) (aは係数、PH2O は雰囲気中の水蒸気分圧、PH2は雰
囲気中の水素分圧、Mは分子量、Rは気体定数、Tは絶
対温度(K))で与えて解くことにより導出する場合に
は、脱炭量及び酸素目付量をそれぞれ正確に推定するこ
とが可能となる。
量をそれぞれ推定する物理モデルを、脱炭焼鈍中に生成
する酸化被膜により炭素及び酸素それぞれの拡散を抑制
する程度を表わす抑制係数αC 及びα0 をそれぞれ含
む、 ∂C/∂t =(∂/∂x ){(1/αC )×DFe C ×(∂C/∂x )} ……(1) ∂O/∂t =(∂/∂x ){(1/αO )×DFe O ×(∂O/∂x )} −(RSiO2+RFe2SiO4 +RFeO ) ……(2) (C及びOはそれぞれ鋼板表面から距離x の炭素濃度及
び酸素濃度、DFe C 及びDFe O はそれぞれ炭素及び酸素
の鋼(Fe )中の拡散係数、RSiO2はSi O2の生成速
度、RFe2SiO4 はFe 2 Si O4 の生成速度、RFeO は
Fe Oの生成速度)で表わされる方程式を、表面に対す
る単位時間・単位面積当りの酸素の供給量NO2を、次式 NO2=a/[{1+1/(PH2O /PH2)}(2πMRT)1/2 ]…(3) (aは係数、PH2O は雰囲気中の水蒸気分圧、PH2は雰
囲気中の水素分圧、Mは分子量、Rは気体定数、Tは絶
対温度(K))で与えて解くことにより導出する場合に
は、脱炭量及び酸素目付量をそれぞれ正確に推定するこ
とが可能となる。
【0022】又、本発明において、表面酸化物の構成比
を推定する物理モデルを、Si O2の生成が酸素の拡散
律速であるとして得られるSi O2 の生成量と、Fe 2
SiO4 の生成速度RFe2SiO4 から得られるFe 2 Si
O4 の生成量との比とすると共に、 RFe2SiO4 =A× exp(−Q/T)×SiO2×(O−
OFe2SiO4 ) (RFe2SiO4 は、Fe 2 Si O4 の反応速度(mol /se
c )、Tは絶対温度(K)、SiO2はSi O2 の濃度
(mol /cm3 )、Oは酸素濃度(mol /cm3 )、O
Fe2SiO4 は熱力学計算により求められるFe 2 Si O4
生成の酸素濃度閾値、A、Qは係数)とする場合には、
表面酸化物の構成比を正確に推定することが可能とな
る。
を推定する物理モデルを、Si O2の生成が酸素の拡散
律速であるとして得られるSi O2 の生成量と、Fe 2
SiO4 の生成速度RFe2SiO4 から得られるFe 2 Si
O4 の生成量との比とすると共に、 RFe2SiO4 =A× exp(−Q/T)×SiO2×(O−
OFe2SiO4 ) (RFe2SiO4 は、Fe 2 Si O4 の反応速度(mol /se
c )、Tは絶対温度(K)、SiO2はSi O2 の濃度
(mol /cm3 )、Oは酸素濃度(mol /cm3 )、O
Fe2SiO4 は熱力学計算により求められるFe 2 Si O4
生成の酸素濃度閾値、A、Qは係数)とする場合には、
表面酸化物の構成比を正確に推定することが可能とな
る。
【0023】又、本発明において、前記物理モデルを用
い、焼鈍炉出側における脱炭量、酸素目付量及び表面酸
化物の構成比の少なくとも1つをリアルタイムで推定す
る場合には、焼鈍炉出側でこれらの物理量を直接測定す
ることなく雰囲気ガス組成、炉温、通板速度の少なくと
も1つを操作して、当該物理量を制御することが可能と
なる。
い、焼鈍炉出側における脱炭量、酸素目付量及び表面酸
化物の構成比の少なくとも1つをリアルタイムで推定す
る場合には、焼鈍炉出側でこれらの物理量を直接測定す
ることなく雰囲気ガス組成、炉温、通板速度の少なくと
も1つを操作して、当該物理量を制御することが可能と
なる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
細に説明する。
【0025】図1は、本発明の一実施例に適用される脱
炭焼鈍炉1を示す概略構成図である。この脱炭焼鈍炉1
は、加熱帯2、均熱帯3を備え、方向性電磁鋼板4を通
板させながら焼鈍処理を行うようになっている。
炭焼鈍炉1を示す概略構成図である。この脱炭焼鈍炉1
は、加熱帯2、均熱帯3を備え、方向性電磁鋼板4を通
板させながら焼鈍処理を行うようになっている。
【0026】上記脱炭焼鈍炉1の加熱帯2及び均熱帯3
の雰囲気は、雰囲気ガス供給管5からの供給ガスである
H2 O、H2 、N2 と反応後の排ガスであるCOから構
成されており、その雰囲気ガスは注水装置6により供給
管5を通して注水供給される水蒸気により所望の露点に
調整されるようになっている。
の雰囲気は、雰囲気ガス供給管5からの供給ガスである
H2 O、H2 、N2 と反応後の排ガスであるCOから構
成されており、その雰囲気ガスは注水装置6により供給
管5を通して注水供給される水蒸気により所望の露点に
調整されるようになっている。
【0027】又、脱炭焼鈍炉1の加熱帯2及び均熱帯3
は、それぞれ所定の温度、例えば前者が780℃〜86
0℃、後者が820℃〜880℃に設定可能であり、炉
入口のシール装置7を通して炉内に搬入される鋼板4を
加熱・均熱するようになっている。
は、それぞれ所定の温度、例えば前者が780℃〜86
0℃、後者が820℃〜880℃に設定可能であり、炉
入口のシール装置7を通して炉内に搬入される鋼板4を
加熱・均熱するようになっている。
【0028】又、脱炭焼鈍炉1に上記ガス供給管5から
供給される雰囲気ガスは、鋼板4が通板される矢印方向
と逆方向に流れ、ブリーダ8を介して炉外へ排出される
が、その過程で雰囲気中のH2 Oは脱炭反応及び酸化物
生成反応により消費されるため、これら反応に伴って変
化するH2 Oの量に応じて露点分布が形成されることに
なる。
供給される雰囲気ガスは、鋼板4が通板される矢印方向
と逆方向に流れ、ブリーダ8を介して炉外へ排出される
が、その過程で雰囲気中のH2 Oは脱炭反応及び酸化物
生成反応により消費されるため、これら反応に伴って変
化するH2 Oの量に応じて露点分布が形成されることに
なる。
【0029】図中符号9、10及び11は、それぞれ露
点計、水素濃度計及び熱電対である。上記雰囲気中の露
点は、脱炭焼鈍炉1に数点設置した上記露点計9により
測定され、水素濃度は上記水素濃度計10により測定さ
れる。又、脱炭焼鈍炉1の炉温は、その炉内壁面に数点
設置された上記熱電対11により測定される。
点計、水素濃度計及び熱電対である。上記雰囲気中の露
点は、脱炭焼鈍炉1に数点設置した上記露点計9により
測定され、水素濃度は上記水素濃度計10により測定さ
れる。又、脱炭焼鈍炉1の炉温は、その炉内壁面に数点
設置された上記熱電対11により測定される。
【0030】又、上記焼鈍炉1には演算装置12が設置
され、上記熱電対11による計測値は該演算装置12に
入力され、ここで後述する方法により炉温から鋼板表面
への熱輻射を計算し、板温が算出されるようになってい
る。又、この演算装置12は、上記露点計9、水素濃度
計10による各測定値や、通板速度、鋼板規格、板厚等
の情報を収集し、算出した上記板温と合わせて、上位計
算機13へ送信する機能を有している。
され、上記熱電対11による計測値は該演算装置12に
入力され、ここで後述する方法により炉温から鋼板表面
への熱輻射を計算し、板温が算出されるようになってい
る。又、この演算装置12は、上記露点計9、水素濃度
計10による各測定値や、通板速度、鋼板規格、板厚等
の情報を収集し、算出した上記板温と合わせて、上位計
算機13へ送信する機能を有している。
【0031】この上位計算機13は、演算・制御装置で
あり、上記演算装置12からの情報を、予め構築してあ
る後述する脱炭及び酸化の物理モデルに適用して、脱炭
量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比の推定を行うと
共に、これら物理量の目標値、目標値からの許容範囲を
内部定数として持っており、この内部定数から目的関
数、制約条件を生成し、各推定値を基に制御を行う機能
を有している。又、上位計算機13による推定結果は、
CRT14に画面出力されるようになっている。
あり、上記演算装置12からの情報を、予め構築してあ
る後述する脱炭及び酸化の物理モデルに適用して、脱炭
量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比の推定を行うと
共に、これら物理量の目標値、目標値からの許容範囲を
内部定数として持っており、この内部定数から目的関
数、制約条件を生成し、各推定値を基に制御を行う機能
を有している。又、上位計算機13による推定結果は、
CRT14に画面出力されるようになっている。
【0032】上述した如く、上記脱炭焼鈍炉1において
は、雰囲気ガス組成、炉温を検出し、これらの検出値を
構築された物理モデルに入力として与えることにより、
脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を精度良く
推定し、これら推定値が各目標値に追従するように雰囲
気ガス組成、加熱帯昇温速度(炉温)及び通板速度の少
なくとも1つを制御することが可能になっている。
は、雰囲気ガス組成、炉温を検出し、これらの検出値を
構築された物理モデルに入力として与えることにより、
脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を精度良く
推定し、これら推定値が各目標値に追従するように雰囲
気ガス組成、加熱帯昇温速度(炉温)及び通板速度の少
なくとも1つを制御することが可能になっている。
【0033】次に、前記上位計算機13に予め構築して
おき、本実施例の制御に用いられる物理モデルについて
詳細に説明する。
おき、本実施例の制御に用いられる物理モデルについて
詳細に説明する。
【0034】この物理モデルには、脱炭量及び酸素目付
量をそれぞれ推定するための次に再掲する前記(1)式
及び(2)式の方程式を解いて導出するものと、後述す
る表面酸化物の構成比を推定するものがある。
量をそれぞれ推定するための次に再掲する前記(1)式
及び(2)式の方程式を解いて導出するものと、後述す
る表面酸化物の構成比を推定するものがある。
【0035】 ∂C/∂t =(∂/∂x ){(1/αC )×DFe C ×(∂C/∂x )} ………(1) ∂O/∂t =(∂/∂x ){(1/αO )×DFe O ×(∂O/∂x )} −(RSiO2+RFe2SiO4 +RFeO ) ………(2) (C及びOはそれぞれ鋼板表面から距離x の炭素濃度及
び酸素濃度、DFe C 及びDFe O はそれぞれ炭素及び酸素
の鋼(Fe )中の拡散係数、RSiO2はSi O2の生成速
度、RFe2SiO4 はFe 2 Si O4 の生成速度、RFeO は
Fe Oの生成速度)
び酸素濃度、DFe C 及びDFe O はそれぞれ炭素及び酸素
の鋼(Fe )中の拡散係数、RSiO2はSi O2の生成速
度、RFe2SiO4 はFe 2 Si O4 の生成速度、RFeO は
Fe Oの生成速度)
【0036】上記(1)式、(2)式の方程式は、フィ
ックの第2法則を表わす拡散方程式を基礎とし、鋼中の
炭素及び酸素の拡散を以下の概念の下に評価して構成し
たものである。
ックの第2法則を表わす拡散方程式を基礎とし、鋼中の
炭素及び酸素の拡散を以下の概念の下に評価して構成し
たものである。
【0037】即ち、雰囲気ガス中のH2 Oが鋼板表面で
解離することによって酸素が鋼板に供給される。この酸
素は鋼板表面において脱炭反応を起こし、又、供給され
た酸素が鋼板内部に拡散して鋼板中のSi と反応するこ
とにより、Si O2 となり、更にはFe 2 Si O4 とな
る。
解離することによって酸素が鋼板に供給される。この酸
素は鋼板表面において脱炭反応を起こし、又、供給され
た酸素が鋼板内部に拡散して鋼板中のSi と反応するこ
とにより、Si O2 となり、更にはFe 2 Si O4 とな
る。
【0038】焼鈍途中に生成するSi O2 やFe 2 Si
O4 からなる酸化被膜は、酸素及び珪素の拡散、並びに
鋼板中の炭素の鋼板表面への拡散を著しく抑制する。こ
の抑制の度合は、鋼中成分、昇温速度に応じた酸化物の
生成速度の違いによる酸化物の形態等に依存している。
O4 からなる酸化被膜は、酸素及び珪素の拡散、並びに
鋼板中の炭素の鋼板表面への拡散を著しく抑制する。こ
の抑制の度合は、鋼中成分、昇温速度に応じた酸化物の
生成速度の違いによる酸化物の形態等に依存している。
【0039】本実施例では、この抑制の度合を、予め求
められている鋼中成分、焼鈍途中における酸素目付量及
び表面酸化物の生成速度の関数として捕らえ、炭素及び
酸素の拡散の抑制関数(係数)αC 及びαO をそれぞれ
評価して構成した、前記(1)式及び(2)式で示した
酸化膜中における炭素、酸素の拡散方程式を数値計算で
解くことにより焼鈍途中の各時刻における板厚方向の炭
素濃度分布及び酸素濃度分布を推定する。
められている鋼中成分、焼鈍途中における酸素目付量及
び表面酸化物の生成速度の関数として捕らえ、炭素及び
酸素の拡散の抑制関数(係数)αC 及びαO をそれぞれ
評価して構成した、前記(1)式及び(2)式で示した
酸化膜中における炭素、酸素の拡散方程式を数値計算で
解くことにより焼鈍途中の各時刻における板厚方向の炭
素濃度分布及び酸素濃度分布を推定する。
【0040】上記(1)式、(2)式の方程式を解く
際、雰囲気中のH2 Oのうち鋼板表面に吸着したH2 O
の解離により、該鋼板に供給される酸素量を、表面に対
する単位時間・単位面積当りの酸素供給量NO2(mol /
mm2 ・sce)を表わす、再掲する次の(3)式で与える。
際、雰囲気中のH2 Oのうち鋼板表面に吸着したH2 O
の解離により、該鋼板に供給される酸素量を、表面に対
する単位時間・単位面積当りの酸素供給量NO2(mol /
mm2 ・sce)を表わす、再掲する次の(3)式で与える。
【0041】 NO2=a/[{1+1/(PH2O /PH2)}(2πMRT)1/2 ]…(3) (aは係数、PH2O は雰囲気中の水蒸気分圧、PH2は雰
囲気中の水素分圧、Mは分子量(g /mol )、Rは気体
定数(=8.21×10-5atm ・cm3 /mol ・K)、T
は絶対温度(K))
囲気中の水素分圧、Mは分子量(g /mol )、Rは気体
定数(=8.21×10-5atm ・cm3 /mol ・K)、T
は絶対温度(K))
【0042】更に、後述する表面酸化物の構成比を推定
する物理モデルを用いることにより、Si O2 やFe 2
Si O4 の板厚方向の濃度分布を得ることができる。従
って、結果的に、鋼中成分や表面性状及び雰囲気組成の
違いが脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比の推
定値に反映された物理モデルを構築されたことになる。
する物理モデルを用いることにより、Si O2 やFe 2
Si O4 の板厚方向の濃度分布を得ることができる。従
って、結果的に、鋼中成分や表面性状及び雰囲気組成の
違いが脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比の推
定値に反映された物理モデルを構築されたことになる。
【0043】炭素、酸素に対する酸化膜の拡散抑制力を
示す上記(1)式中のαC 、及び(2)式中のαO は、
例えば小型実験炉を用いて実験を行うと共に、その試験
試料を化学試験法により分析して各鋼板温度及び各焼鈍
時間での酸素目付量、鋼中炭素濃度の実測値の推移を求
め、この推移と上記(1)式、(2)式による推定計算
値が一致するように各鋼板温度及び各焼鈍時間での値を
収束計算により求めることができる。
示す上記(1)式中のαC 、及び(2)式中のαO は、
例えば小型実験炉を用いて実験を行うと共に、その試験
試料を化学試験法により分析して各鋼板温度及び各焼鈍
時間での酸素目付量、鋼中炭素濃度の実測値の推移を求
め、この推移と上記(1)式、(2)式による推定計算
値が一致するように各鋼板温度及び各焼鈍時間での値を
収束計算により求めることができる。
【0044】又、表面酸化物の構成比を推定するための
物理モデルは、前記(2)式を以下の考え方に基づいて
解くことにより、モデル式化できる。
物理モデルは、前記(2)式を以下の考え方に基づいて
解くことにより、モデル式化できる。
【0045】Si O2 の生成速度を拡散律速であるとす
ると、最初に拡散された酸素は全てSi O2 に変化す
る。このSi +O2 →Si O2 の変化は、その厚み方向
位置でSi が完全に消費されるまで続き、その後酸素は
より内部へ拡散する。このとき、この厚み方向位置のS
i O2 濃度は、初期のSi 濃度と等しくなる。更に、S
i O2 が生成されているメッシュで、表面からの拡散に
より、酸素濃度が熱力学計算より求められる閾値O
Fe2SiO4 を超えた場合、次の(4)式に示すRFe2SiO 4
の生成速度で2Fe +Si O2 +2O→Fe 2 Si O4
の反応が起こり、Fe 2 Si O4 が生成され、Si O2
が消費される。こうして、各厚み方向位置におけるSi
O2 とFe 2 Si O4 の濃度SiO2とFe 2SiO4
が求められ、酸化物の構成比は下記(5)式で与えられ
る。
ると、最初に拡散された酸素は全てSi O2 に変化す
る。このSi +O2 →Si O2 の変化は、その厚み方向
位置でSi が完全に消費されるまで続き、その後酸素は
より内部へ拡散する。このとき、この厚み方向位置のS
i O2 濃度は、初期のSi 濃度と等しくなる。更に、S
i O2 が生成されているメッシュで、表面からの拡散に
より、酸素濃度が熱力学計算より求められる閾値O
Fe2SiO4 を超えた場合、次の(4)式に示すRFe2SiO 4
の生成速度で2Fe +Si O2 +2O→Fe 2 Si O4
の反応が起こり、Fe 2 Si O4 が生成され、Si O2
が消費される。こうして、各厚み方向位置におけるSi
O2 とFe 2 Si O4 の濃度SiO2とFe 2SiO4
が求められ、酸化物の構成比は下記(5)式で与えられ
る。
【0046】 RFe2SiO4 =A× exp(−Q/T)×SiO2×(O−OFe2SiO4 )…(4) (RFe2SiO4 は、Fe 2 Si O4 の反応速度(mol /se
c )、Tは絶対温度(K)、SiO2はSi O2 の濃度
(mol /cm3 )、Oは酸素濃度(mol /cm3 )、O
Fe2SiO4 は熱力学計算により求められるFe 2 Si O4
生成の酸素濃度閾値、A、Qは係数) Fe 2SiO4/SiO2=(∫RFe2SiO4 (x)×ΔTdx) ÷(∫NSiO2(x)dx) …(5) RFe2SiO4 (x):板厚方向位置xのFe 2 Si O4 生
成速度(mol /mm3 ・sec ) NSiO2(x) :板厚方向位置xのSi O2 濃度(mo
l /mm3 ) ΔT :刻み時刻(sec )
c )、Tは絶対温度(K)、SiO2はSi O2 の濃度
(mol /cm3 )、Oは酸素濃度(mol /cm3 )、O
Fe2SiO4 は熱力学計算により求められるFe 2 Si O4
生成の酸素濃度閾値、A、Qは係数) Fe 2SiO4/SiO2=(∫RFe2SiO4 (x)×ΔTdx) ÷(∫NSiO2(x)dx) …(5) RFe2SiO4 (x):板厚方向位置xのFe 2 Si O4 生
成速度(mol /mm3 ・sec ) NSiO2(x) :板厚方向位置xのSi O2 濃度(mo
l /mm3 ) ΔT :刻み時刻(sec )
【0047】なお、実際の物理モデルの構築には、小型
実験炉による実験結果を用いた。小型管状炉で試験片を
H2 50%、N2 50%、露点50、60、65℃の各
雰囲気中で焼鈍し、図2に示す焼鈍パターン中の各測定
点で、途中引出しをした試験片を化学分析することによ
り、焼鈍時間、焼鈍温度、焼鈍雰囲気と酸素目付量との
関係、脱炭との関係及び表面酸化物の構成比との関係を
得た。この関係と、焼鈍時間、焼鈍温度と前記物理モデ
ルによる推定計算値との関係が一致するように、前記
(1)式、(2)式における抑制関数αC 、αO 、
(3)式のFe 2 SiO4 の生成速度を集束計算により
決定した。こうして構築した本実施例の物理モデルによ
る推定値と酸素目付量の実測値との比較の一例を図3に
示す。
実験炉による実験結果を用いた。小型管状炉で試験片を
H2 50%、N2 50%、露点50、60、65℃の各
雰囲気中で焼鈍し、図2に示す焼鈍パターン中の各測定
点で、途中引出しをした試験片を化学分析することによ
り、焼鈍時間、焼鈍温度、焼鈍雰囲気と酸素目付量との
関係、脱炭との関係及び表面酸化物の構成比との関係を
得た。この関係と、焼鈍時間、焼鈍温度と前記物理モデ
ルによる推定計算値との関係が一致するように、前記
(1)式、(2)式における抑制関数αC 、αO 、
(3)式のFe 2 SiO4 の生成速度を集束計算により
決定した。こうして構築した本実施例の物理モデルによ
る推定値と酸素目付量の実測値との比較の一例を図3に
示す。
【0048】次に、前記図1に示した脱炭焼鈍炉1を使
用し、その前記上位計算機13により実行する、前記物
理モデルによる脱炭量、酸素付着量及び表面酸化物の構
成比の推定計算の手順を、図4のフローチャートに従っ
て説明する。
用し、その前記上位計算機13により実行する、前記物
理モデルによる脱炭量、酸素付着量及び表面酸化物の構
成比の推定計算の手順を、図4のフローチャートに従っ
て説明する。
【0049】まず、ステップ110の設定計算では、鋼
中のSi 、Mn Se 等の各成分の濃度設定、初期のSi
、Cの濃度分布の設定を行う。次いで、鋼板のある一
点が焼鈍炉1の入側から出側(均熱帯3の出側)までの
搬送にかかる時間tend をΔtで差分展開し、各在炉時
間t 毎に、下記ステップ114〜ステップ126までの
各処理を行う(ステップ112)。
中のSi 、Mn Se 等の各成分の濃度設定、初期のSi
、Cの濃度分布の設定を行う。次いで、鋼板のある一
点が焼鈍炉1の入側から出側(均熱帯3の出側)までの
搬送にかかる時間tend をΔtで差分展開し、各在炉時
間t 毎に、下記ステップ114〜ステップ126までの
各処理を行う(ステップ112)。
【0050】ステップ114の伝熱モデルでは、焼鈍炉
1内の各ゾーンの熱電対11で計測される炉温と、予め
与えられた総括熱吸収率φCGから各ゾーンの板温を算
出する。但しこの板温は、伝熱モデルを用いて炉温から
推定せずに、放射温度計を設置し、その指示値を用いて
もよい。
1内の各ゾーンの熱電対11で計測される炉温と、予め
与えられた総括熱吸収率φCGから各ゾーンの板温を算
出する。但しこの板温は、伝熱モデルを用いて炉温から
推定せずに、放射温度計を設置し、その指示値を用いて
もよい。
【0051】ステップ116の雰囲気モデルでは、露点
計9、水素濃度計10で計測した結果に基づいて演算装
置12から出力される焼鈍炉内の露点、水素濃度の値を
分圧比PH2O /PH2で表わされる水蒸気と水素の分布に
変換する。
計9、水素濃度計10で計測した結果に基づいて演算装
置12から出力される焼鈍炉内の露点、水素濃度の値を
分圧比PH2O /PH2で表わされる水蒸気と水素の分布に
変換する。
【0052】ステップ118で、上記分圧比が、熱力学
計算で求められるFe O生成限界分圧比Yo 以下(Ye
s)のときは、ステップ120に進み、No のときはス
テップ122に進む。ステップ120の酸化モデルで
は、酸素の鋼中拡散を前記(2)式で評価すると共に、
次の(5)式及び(6)式に示すような内部酸化による
Si O2 及びFe 2 Si O4 の生成を前記(3)式を含
む、表面酸化物の構成比を推定する物理モデルにより評
価する。
計算で求められるFe O生成限界分圧比Yo 以下(Ye
s)のときは、ステップ120に進み、No のときはス
テップ122に進む。ステップ120の酸化モデルで
は、酸素の鋼中拡散を前記(2)式で評価すると共に、
次の(5)式及び(6)式に示すような内部酸化による
Si O2 及びFe 2 Si O4 の生成を前記(3)式を含
む、表面酸化物の構成比を推定する物理モデルにより評
価する。
【0053】 Si +2[O]→Si O2 …(6) Fe +Si O2 +2[O]→Fe 2 Si O4 …(7)
【0054】又、ステップ118で上記分圧比がYo 以
上の場合、次式に示す反応により、外部酸化が起こりF
e Oが生成される。
上の場合、次式に示す反応により、外部酸化が起こりF
e Oが生成される。
【0055】 Fe +O→Fe O …(8)
【0056】ステップ124の脱炭モデルでは、次の
(7)式に示す表面の脱炭反応と、炭素の鋼中拡散を、
前記(1)式の物理モデルの拡散係数を決定すると共
に、該モデルにより鋼板中のC拡散計算を行って評価す
る。
(7)式に示す表面の脱炭反応と、炭素の鋼中拡散を、
前記(1)式の物理モデルの拡散係数を決定すると共
に、該モデルにより鋼板中のC拡散計算を行って評価す
る。
【0057】 C+H2 O→CO+H2 …(9)
【0058】以上の処理を、均熱帯出側までにかかる時
間tend まで実行した後、脱炭量、酸素目付量及び表面
酸化物の構成比の経時変化を推定計算し、それを出力す
る(ステップ126、128)。
間tend まで実行した後、脱炭量、酸素目付量及び表面
酸化物の構成比の経時変化を推定計算し、それを出力す
る(ステップ126、128)。
【0059】以上の手順に従って、鋼板上ある一点につ
いて焼鈍炉の入側から出側にかけて物理量の推定を行
い、その推定値を目標値に一致させるべく操作量のフィ
ードバックを行う。
いて焼鈍炉の入側から出側にかけて物理量の推定を行
い、その推定値を目標値に一致させるべく操作量のフィ
ードバックを行う。
【0060】例えば、酸素目付量を、その目標値に追従
させるために、前記図1に示した脱炭焼鈍炉1の加熱帯
2の露点を操作量とするフィードバック制御系を構成す
る場合について説明すると、上位計算機13では、酸素
目付量の推定値と、予め与えられた目標値とに差が生じ
た場合は、推定値を目標値に一致させるために必要な加
熱帯2の露点を収束計算して求め、その露点になるよう
に注水装置6により注水量を変更する制御を行った。こ
のときの制御結果を、従来のオペレータによる手動操業
による制御結果と共に図5に示した。
させるために、前記図1に示した脱炭焼鈍炉1の加熱帯
2の露点を操作量とするフィードバック制御系を構成す
る場合について説明すると、上位計算機13では、酸素
目付量の推定値と、予め与えられた目標値とに差が生じ
た場合は、推定値を目標値に一致させるために必要な加
熱帯2の露点を収束計算して求め、その露点になるよう
に注水装置6により注水量を変更する制御を行った。こ
のときの制御結果を、従来のオペレータによる手動操業
による制御結果と共に図5に示した。
【0061】なお、ここでは、加熱帯2の露点を操作し
て酸素目付量を制御する場合を示したが、これに限られ
るものでなく、均熱帯3の露点を操作してもよく、又、
炉温あるいは通板速度を操作するようにしてもよい。
て酸素目付量を制御する場合を示したが、これに限られ
るものでなく、均熱帯3の露点を操作してもよく、又、
炉温あるいは通板速度を操作するようにしてもよい。
【0062】又、制御対象も、酸素目付量に限らず、脱
炭量、表面酸化物の構成比を制御するようにしてもよ
く、この場合も同様に制御することができる。
炭量、表面酸化物の構成比を制御するようにしてもよ
く、この場合も同様に制御することができる。
【0063】以上詳述した本実施例によれば、鋼板4を
脱炭焼鈍する際、脱炭焼鈍炉1の炉内雰囲気組成、炉
温、通板速度を検出し、予め構築した物理モデルにこれ
ら検出値等を適用して脱炭量、酸素目付量、表面酸化物
の構成比を推定するようにしたので、鋼中成分、表面性
状、雰囲気組成が異なる場合でも、これら物理量を精度
良く推定することが可能となる。
脱炭焼鈍する際、脱炭焼鈍炉1の炉内雰囲気組成、炉
温、通板速度を検出し、予め構築した物理モデルにこれ
ら検出値等を適用して脱炭量、酸素目付量、表面酸化物
の構成比を推定するようにしたので、鋼中成分、表面性
状、雰囲気組成が異なる場合でも、これら物理量を精度
良く推定することが可能となる。
【0064】その結果、脱炭量、酸素目付量及び表面酸
化物の構成比の推定値と、それぞれの目標値との差を求
め、これをなくするように雰囲気ガス組成、焼鈍炉加熱
帯の昇温速度、通板速度の少なくとも1つを操作するこ
とにより、操業条件決定のための材料ロス、時間ロスを
大幅に減らし、安定した脱炭及び酸化被膜生成を行うこ
とができるようになった。
化物の構成比の推定値と、それぞれの目標値との差を求
め、これをなくするように雰囲気ガス組成、焼鈍炉加熱
帯の昇温速度、通板速度の少なくとも1つを操作するこ
とにより、操業条件決定のための材料ロス、時間ロスを
大幅に減らし、安定した脱炭及び酸化被膜生成を行うこ
とができるようになった。
【0065】又、脱炭量、酸素目付量、表面酸化物の構
成比を精度良く推定できることにより、これらのオフラ
インでの化学試験法による測定の頻度を低減し、試験コ
ストを低減することができた。更に、脱炭量、酸素目付
量及び表面酸化物の構成比を測定するセンサーを必要と
することなく、リアルタイムでこれら物理量の推定が可
能となるため、迅速に当該物理量の制御が可能となると
共に、センサー装置に必要なコストが削減可能となっ
た。
成比を精度良く推定できることにより、これらのオフラ
インでの化学試験法による測定の頻度を低減し、試験コ
ストを低減することができた。更に、脱炭量、酸素目付
量及び表面酸化物の構成比を測定するセンサーを必要と
することなく、リアルタイムでこれら物理量の推定が可
能となるため、迅速に当該物理量の制御が可能となると
共に、センサー装置に必要なコストが削減可能となっ
た。
【0066】
【発明の効果】以上説明した通り、請求項1の発明によ
れば、最終的に方向性珪素鋼板の物性値大きな影響力を
与えることになる脱炭焼鈍工程で、脱炭量、酸素目付量
及び表面酸化物の構成比の少なくとも1つをオンライン
で推定し、それを迅速に目標値に一致させることができ
る。
れば、最終的に方向性珪素鋼板の物性値大きな影響力を
与えることになる脱炭焼鈍工程で、脱炭量、酸素目付量
及び表面酸化物の構成比の少なくとも1つをオンライン
で推定し、それを迅速に目標値に一致させることができ
る。
【0067】又、請求項2の発明によれば、脱炭量、酸
素目付量を正確に推定することが可能となるため、これ
ら物理量の少なくとも1つを目標値に一致させる制御を
高精度に行うことが可能となる。
素目付量を正確に推定することが可能となるため、これ
ら物理量の少なくとも1つを目標値に一致させる制御を
高精度に行うことが可能となる。
【0068】又、請求項3の発明によれば、表面酸化物
の構成比を正確に推定することができるため、その制御
を高精度に行うことが可能となる。
の構成比を正確に推定することができるため、その制御
を高精度に行うことが可能となる。
【0069】又、請求項4の発明によれば、焼鈍炉の出
側で脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を直接
測定することなく、雰囲気ガス組成、炉温、通板速度を
操作して、これら物理量を迅速に制御することが可能と
なる。
側で脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を直接
測定することなく、雰囲気ガス組成、炉温、通板速度を
操作して、これら物理量を迅速に制御することが可能と
なる。
【図1】本発明に係る一実施例に適用される脱炭焼鈍炉
の概略構成を示す説明図
の概略構成を示す説明図
【図2】物理モデル構築の際の小型実験炉での焼鈍パタ
ーンを示す線図
ーンを示す線図
【図3】酸素目付量の実測値と本発明による推定値の関
係を示す線図
係を示す線図
【図4】脱炭量、酸素目付量及び表面酸化物の構成比を
推定する手順を示すフローチャート
推定する手順を示すフローチャート
【図5】本発明方法による制御結果と、従来法による制
御結果とを比較して示した線図
御結果とを比較して示した線図
1…脱炭焼鈍炉 2…焼鈍炉加熱帯 3…焼鈍炉均熱帯 4…方向性電磁鋼板 5…雰囲気ガス供給管 6…注水装置 7…シール装置 8…ブリーダ 9…露点計 10…水素濃度計 11…熱電対 12…演算装置 13…上位計算機 14…CRT
フロントページの続き (72)発明者 小松原 道郎 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社内 (72)発明者 鈴木 隆史 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】方向性珪素鋼板を焼鈍炉内に通過させなが
ら行う脱炭焼鈍において、拡散方程式を基礎にして導出
した物理モデルを用いて、脱炭量、酸素目付量及び表面
酸化物の構成比を推定し、これら推定値の少なくとも1
つを目標値に一致させるべく、焼鈍炉内の雰囲気ガス組
成、炉温及び通板速度の少なくとも1つを制御すること
を特徴とする方向性珪素鋼板の脱炭焼鈍における材質制
御方法。 - 【請求項2】請求項1において、 脱炭量及び酸素目付量をそれぞれ推定する物理モデル
を、脱炭焼鈍中に生成する酸化被膜により炭素及び酸素
それぞれの拡散を抑制する程度を表わす抑制係数αC 及
びα0 をそれぞれ含む、 ∂C/∂t =(∂/∂x ){(1/αC )×DFe C ×
(∂C/∂x )} ∂O/∂t =(∂/∂x ){(1/αO )×DFe O ×
(∂O/∂x )}−(RSiO2+RFe2SiO4 +RFeO ) (C及びOはそれぞれ鋼板表面から距離x の炭素濃度及
び酸素濃度、DFe C 及びDFe O はそれぞれ炭素及び酸素
の鋼(Fe )中の拡散係数、RSiO2はSi O2の生成速
度、RFe2SiO4 はFe 2 Si O4 の生成速度、RFeO は
Fe Oの生成速度) で表わされる方程式を、表面に対する単位時間・単位面
積当りの酸素の供給量N O2を、次式 NO2=a/[{1+1/(PH2O /PH2)}(2πMR
T)1/2 ] (aは係数、PH2O は雰囲気中の水蒸気分圧、PH2は雰
囲気中の水素分圧、Mは分子量、Rは気体定数、Tは絶
対温度(K)) で与えて解くことにより導出することを特徴とする方向
性珪素鋼板の脱炭焼鈍における材質制御方法。 - 【請求項3】請求項1において、 表面酸化物の構成比を推定する物理モデルを、Si O2
の生成が酸素の拡散律速であるとして得られるSi O2
の生成量と、Fe 2 Si O4 の生成速度RFe2S iO4 から
得られるFe 2 Si O4 の生成量との比とすると共に、 RFe2SiO4 =A× exp(−Q/T)×SiO2×(O−
OFe2SiO4 ) (RFe2SiO4 は、Fe 2 Si O4 の反応速度(mol /se
c )、Tは絶対温度(K)、SiO2はSi O2 の濃度
(mol /cm3 )、Oは酸素濃度(mol /cm3 )、O
Fe2SiO4 は熱力学計算により求められるFe 2 Si O4
生成の酸素濃度閾値、A、Qは係数) とすることを特徴とする方向性珪素鋼板の脱炭焼鈍にお
ける材質制御方法。 - 【請求項4】請求項1において、 前記物理モデルを用い、焼鈍炉出側における脱炭量、酸
素目付量及び表面酸化物の構成比の少なくとも1つをリ
アルタイムで推定することを特徴とする方向性珪素鋼板
の脱炭焼鈍における材質制御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23707194A JPH08100219A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 方向性珪素鋼板の脱炭焼鈍における材質制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23707194A JPH08100219A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 方向性珪素鋼板の脱炭焼鈍における材質制御方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08100219A true JPH08100219A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=17009992
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23707194A Pending JPH08100219A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 方向性珪素鋼板の脱炭焼鈍における材質制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08100219A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013112823A (ja) * | 2011-11-25 | 2013-06-10 | Jfe Steel Corp | 露点温度制御方法および露点温度制御装置 |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP23707194A patent/JPH08100219A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013112823A (ja) * | 2011-11-25 | 2013-06-10 | Jfe Steel Corp | 露点温度制御方法および露点温度制御装置 |
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