JPH08100220A - 方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御方法 - Google Patents
方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御方法Info
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- JPH08100220A JPH08100220A JP23707294A JP23707294A JPH08100220A JP H08100220 A JPH08100220 A JP H08100220A JP 23707294 A JP23707294 A JP 23707294A JP 23707294 A JP23707294 A JP 23707294A JP H08100220 A JPH08100220 A JP H08100220A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 脱炭焼鈍で常にコイルの長手方向全体に亘っ
て適切な酸化被膜量の作り込みを可能とし、且つ応答性
の高い酸素被膜量制御を可能とする。 【構成】 方向性電磁鋼板3を電解脱脂設備1で電解脱
脂した後、脱炭焼鈍炉2内を通過させながら脱炭焼鈍を
行う際、同鋼板3に生成する酸化被膜量を制御する方法
において、炉内雰囲気酸化性及び電解脱脂電気量密度の
酸化被膜量に対する相互作用が記述された、拡散方程式
を基礎とする物理モデルを上位計算機14に構築すると
共に、該物理モデルを用いて酸化被膜量を推定し、その
推定値を目標値に一致させるべく、電解脱脂電気量密度
を操作する。
て適切な酸化被膜量の作り込みを可能とし、且つ応答性
の高い酸素被膜量制御を可能とする。 【構成】 方向性電磁鋼板3を電解脱脂設備1で電解脱
脂した後、脱炭焼鈍炉2内を通過させながら脱炭焼鈍を
行う際、同鋼板3に生成する酸化被膜量を制御する方法
において、炉内雰囲気酸化性及び電解脱脂電気量密度の
酸化被膜量に対する相互作用が記述された、拡散方程式
を基礎とする物理モデルを上位計算機14に構築すると
共に、該物理モデルを用いて酸化被膜量を推定し、その
推定値を目標値に一致させるべく、電解脱脂電気量密度
を操作する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、方向性電磁鋼板の脱炭
焼鈍における酸化被膜量の制御方法、特に、方向性電磁
鋼板を電解脱脂した後、脱炭焼鈍炉を通過させて脱炭焼
鈍を行う際に適用して好適な方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍
における酸化被膜量の制御方法に関する。
焼鈍における酸化被膜量の制御方法、特に、方向性電磁
鋼板を電解脱脂した後、脱炭焼鈍炉を通過させて脱炭焼
鈍を行う際に適用して好適な方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍
における酸化被膜量の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】方向性電磁鋼板(珪素鋼板)の製造プロ
セスにおける脱炭焼鈍工程の目的は、1次再結晶、鋼板
を脱炭すること、及びその後に焼鈍分離剤を塗布して行
う仕上げ焼鈍によりガラス被膜を形成するに必要な酸化
物を鋼板表面に生成することにある。
セスにおける脱炭焼鈍工程の目的は、1次再結晶、鋼板
を脱炭すること、及びその後に焼鈍分離剤を塗布して行
う仕上げ焼鈍によりガラス被膜を形成するに必要な酸化
物を鋼板表面に生成することにある。
【0003】脱炭焼鈍中に鋼板表面に生成される酸化物
は、鋼板表面近傍の雰囲気中のH2OとH2 の分圧比P
H2O /PH2)の値と鋼板温度に応じて、Si O2 、Fe
2 Si O4 、又はFe Oといった異なる酸化物となり、
これら酸化物は仕上げ焼鈍で製品の表面に形成されるガ
ラス被膜の品質及び磁気特性に大きく影響することか
ら、その量及び構成比を厳密にコントロールすることが
必要である。
は、鋼板表面近傍の雰囲気中のH2OとH2 の分圧比P
H2O /PH2)の値と鋼板温度に応じて、Si O2 、Fe
2 Si O4 、又はFe Oといった異なる酸化物となり、
これら酸化物は仕上げ焼鈍で製品の表面に形成されるガ
ラス被膜の品質及び磁気特性に大きく影響することか
ら、その量及び構成比を厳密にコントロールすることが
必要である。
【0004】これら酸化物の生成に対する影響因子とし
ては、鋼板温度、鋼板表面近傍の雰囲気中のH2 O、H
2 、CO等のガス濃度、板厚等の他に、鋼中成分や鋼板
表面に存在している物質の種類と量である。又、最も酸
化速度に影響を及ぼす因子は鋼板表面に生成する酸化物
の量と質であり、この表面酸化物によって鋼板内部への
酸素O及び珪素Si の拡散が阻害され、酸化速度が大幅
に変化する。
ては、鋼板温度、鋼板表面近傍の雰囲気中のH2 O、H
2 、CO等のガス濃度、板厚等の他に、鋼中成分や鋼板
表面に存在している物質の種類と量である。又、最も酸
化速度に影響を及ぼす因子は鋼板表面に生成する酸化物
の量と質であり、この表面酸化物によって鋼板内部への
酸素O及び珪素Si の拡散が阻害され、酸化速度が大幅
に変化する。
【0005】従来から、酸化被膜生成に対して適用する
種々の方法が提案されており、例えば特開昭56−72
178号公報には、脱炭焼鈍を700℃〜900℃で行
い、酸素目付量を1.0〜2.0g / m2 とすることが
磁気特性の向上に必要であることが開示されている。
種々の方法が提案されており、例えば特開昭56−72
178号公報には、脱炭焼鈍を700℃〜900℃で行
い、酸素目付量を1.0〜2.0g / m2 とすることが
磁気特性の向上に必要であることが開示されている。
【0006】従来は、予め定められた加熱パターン、加
熱時、均熱時における雰囲気パターンを基に操業を行
い、数コイルに1回の割合でバッチ的にサンプルを採取
し、破壊試験により測定される酸化被膜量と目標値との
差を埋めるべく、焼鈍炉への注水量を変更することによ
り、酸化被膜量の制御を行っていた。
熱時、均熱時における雰囲気パターンを基に操業を行
い、数コイルに1回の割合でバッチ的にサンプルを採取
し、破壊試験により測定される酸化被膜量と目標値との
差を埋めるべく、焼鈍炉への注水量を変更することによ
り、酸化被膜量の制御を行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の制御方法には以下の問題があるため、最終(仕上
げ)焼鈍時における耐追加酸化性に優れた方向性電磁鋼
板の製造が困難であった。
来の制御方法には以下の問題があるため、最終(仕上
げ)焼鈍時における耐追加酸化性に優れた方向性電磁鋼
板の製造が困難であった。
【0008】即ち、前述の如く、従来は酸化被膜量の制
御に際して、数コイルに1回の割合でバッチ的に採取し
たサンプルを測定して得られた酸化被膜量と目標値との
差を埋めるために注水量を変更する操作しか行えず、そ
れ故にコイルの長手方向全体に亘って適正な酸化被膜量
の作り込みを行うことができなかった。
御に際して、数コイルに1回の割合でバッチ的に採取し
たサンプルを測定して得られた酸化被膜量と目標値との
差を埋めるために注水量を変更する操作しか行えず、そ
れ故にコイルの長手方向全体に亘って適正な酸化被膜量
の作り込みを行うことができなかった。
【0009】又、従来は、酸化被膜量の制御を上記のよ
うに注水量を操作して行っていたため、該操作により水
蒸気量が変化し、必然的に炉内雰囲気が変動してしまう
が、その変動が収束するまでに非常に長時間を要し、そ
の結果、制御の応答に非常に大きな時間遅れが生じ、安
定して酸化被膜の生成を行うことができなかった。
うに注水量を操作して行っていたため、該操作により水
蒸気量が変化し、必然的に炉内雰囲気が変動してしまう
が、その変動が収束するまでに非常に長時間を要し、そ
の結果、制御の応答に非常に大きな時間遅れが生じ、安
定して酸化被膜の生成を行うことができなかった。
【0010】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、常にコイルの長手方向全体に亘って
適切な酸化被膜量の作り込みを行うことができ、しかも
応答性の高い酸化被膜量の制御を行うことができる、方
向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御方法
を提供することを課題とする。
くなされたもので、常にコイルの長手方向全体に亘って
適切な酸化被膜量の作り込みを行うことができ、しかも
応答性の高い酸化被膜量の制御を行うことができる、方
向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御方法
を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、方向性電磁鋼
板を電解脱脂した後、脱炭焼鈍炉内を通過させながら脱
炭焼鈍を行う際、同鋼板に生成する酸化被膜量を制御す
る方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御
方法において、炉内雰囲気酸化性及び電解脱脂電気量密
度の酸化被膜量に対する相互作用が記述された拡散方程
式を基礎とする物理モデルを構築すると共に、該物理モ
デルを用いて酸化被膜量を推定し、その推定値を目標値
に一致させるべく、電解脱脂電気量密度を操作すること
により、前記課題を解決したものである。
板を電解脱脂した後、脱炭焼鈍炉内を通過させながら脱
炭焼鈍を行う際、同鋼板に生成する酸化被膜量を制御す
る方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御
方法において、炉内雰囲気酸化性及び電解脱脂電気量密
度の酸化被膜量に対する相互作用が記述された拡散方程
式を基礎とする物理モデルを構築すると共に、該物理モ
デルを用いて酸化被膜量を推定し、その推定値を目標値
に一致させるべく、電解脱脂電気量密度を操作すること
により、前記課題を解決したものである。
【0012】
【作用】従来、方向性電磁鋼板の表面に生成する酸化被
膜量に対する、焼鈍炉における加熱時、均熱時の雰囲気
酸化性(雰囲気ガス中の水素に対する水蒸気の分圧比P
H2O /PH2)及び電解脱脂電気量密度の相互作用が明確
でなかった。
膜量に対する、焼鈍炉における加熱時、均熱時の雰囲気
酸化性(雰囲気ガス中の水素に対する水蒸気の分圧比P
H2O /PH2)及び電解脱脂電気量密度の相互作用が明確
でなかった。
【0013】本発明者等は、この相互作用について詳細
に検討した結果、図1に示すように、加熱時及び均熱時
の雰囲気酸化性を一定にした場合には、ECL(電解脱
脂)電気量密度と酸化被膜量の関係がほぼ線形であるこ
とを知見した。
に検討した結果、図1に示すように、加熱時及び均熱時
の雰囲気酸化性を一定にした場合には、ECL(電解脱
脂)電気量密度と酸化被膜量の関係がほぼ線形であるこ
とを知見した。
【0014】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、上記相互作用を考慮すると共に、拡散方程式を基
礎として導出される物理モデルを構築し、該モデルに通
常のプロセス情報を適用して酸素被膜量を正確に推定で
きるようにした。
ので、上記相互作用を考慮すると共に、拡散方程式を基
礎として導出される物理モデルを構築し、該モデルに通
常のプロセス情報を適用して酸素被膜量を正確に推定で
きるようにした。
【0015】このように、加熱時及び均熱時の雰囲気酸
化性(PH2O /PH2)と、電解脱脂電気量密度とが酸化
被膜量に及ぼす相互作用を明確にすると共に、基礎方程
式である拡散方程式から導出した酸化被膜生成の物理モ
デルを構築して酸素被膜量を正確に推定できるようにし
たので、高速計算機を用いて当該モデルを計算すること
により酸素被膜量の連続推定が可能となる。その結果、
上記酸化被膜量の推定値が目標値からずれたときには、
加熱時、均熱時の雰囲気酸化性を観測しながら、目標値
との偏差が0になるように電解脱脂電気量密度を操作す
ることにより、酸素被膜量を目標値に一致させることが
可能となる。
化性(PH2O /PH2)と、電解脱脂電気量密度とが酸化
被膜量に及ぼす相互作用を明確にすると共に、基礎方程
式である拡散方程式から導出した酸化被膜生成の物理モ
デルを構築して酸素被膜量を正確に推定できるようにし
たので、高速計算機を用いて当該モデルを計算すること
により酸素被膜量の連続推定が可能となる。その結果、
上記酸化被膜量の推定値が目標値からずれたときには、
加熱時、均熱時の雰囲気酸化性を観測しながら、目標値
との偏差が0になるように電解脱脂電気量密度を操作す
ることにより、酸素被膜量を目標値に一致させることが
可能となる。
【0016】上述した如く、本発明によれば、加熱時、
均熱時の雰囲気酸化性と電解脱脂電気量密度の酸化被膜
量に対する相互作用が記述された拡散方程式を基礎とす
る物理モデルを用いて酸化被膜量の連続推定が可能とな
ることにより、酸化被膜量の目標値からの偏差を迅速に
把握でき、更に簡単な逆モデルを解くことにより、偏差
を無くするために必要な電解脱脂電気量密度を決定する
ことが可能となる。又、その結果、決定された値になる
ように実際の電解脱脂電気量密度を操作することによ
り、高精度の酸化被膜量の制御が可能となる。又、その
際、酸化被膜量の推定値に大きな変動がない限りは、焼
鈍炉内の注水量を変更しないで電解脱脂電気量密度を操
作するだけで済むため、注水に従って雰囲気が変動する
ことによって生じる応答遅れを回避でき、迅速な酸化被
膜量の制御が可能となり、結果として安定した酸化被膜
の生成が可能となる。
均熱時の雰囲気酸化性と電解脱脂電気量密度の酸化被膜
量に対する相互作用が記述された拡散方程式を基礎とす
る物理モデルを用いて酸化被膜量の連続推定が可能とな
ることにより、酸化被膜量の目標値からの偏差を迅速に
把握でき、更に簡単な逆モデルを解くことにより、偏差
を無くするために必要な電解脱脂電気量密度を決定する
ことが可能となる。又、その結果、決定された値になる
ように実際の電解脱脂電気量密度を操作することによ
り、高精度の酸化被膜量の制御が可能となる。又、その
際、酸化被膜量の推定値に大きな変動がない限りは、焼
鈍炉内の注水量を変更しないで電解脱脂電気量密度を操
作するだけで済むため、注水に従って雰囲気が変動する
ことによって生じる応答遅れを回避でき、迅速な酸化被
膜量の制御が可能となり、結果として安定した酸化被膜
の生成が可能となる。
【0017】又、上記物理モデルを用いて酸化被膜量を
連続推定するので、酸化被膜を測定するための特別なセ
ンサーを用いる必要がなく、しかも、計算機による酸化
被膜量の自動制御を行うため、オペレータの負荷を軽減
できる利点もある。
連続推定するので、酸化被膜を測定するための特別なセ
ンサーを用いる必要がなく、しかも、計算機による酸化
被膜量の自動制御を行うため、オペレータの負荷を軽減
できる利点もある。
【0018】又、従来は加熱時、均熱時における雰囲気
酸化性PH2O /PH2及び焼鈍炉前の洗浄時における電解
脱脂電気量密度と、酸化被膜生成との関係が明確になっ
ていなかったため、これらの変動が外乱となって安定し
た酸化被膜量を生成できないという欠点があったのに対
して、本発明によれば、この関係を明確にして評価する
ことが可能になったので、一段と制御精度を向上するこ
とが可能となる。
酸化性PH2O /PH2及び焼鈍炉前の洗浄時における電解
脱脂電気量密度と、酸化被膜生成との関係が明確になっ
ていなかったため、これらの変動が外乱となって安定し
た酸化被膜量を生成できないという欠点があったのに対
して、本発明によれば、この関係を明確にして評価する
ことが可能になったので、一段と制御精度を向上するこ
とが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
細に説明する。
【0020】図2は、本発明に係る一実施例の酸化被膜
量の制御方法に適用される酸化被膜量制御システムを示
す概略構成図である。
量の制御方法に適用される酸化被膜量制御システムを示
す概略構成図である。
【0021】この図2において、1は電解脱脂設備で、
2は脱炭焼鈍炉である。方向性電磁鋼板3は、脱炭焼鈍
炉2に搬入される前に電解脱脂設備1を通ることにより
脱脂されるようになっている。
2は脱炭焼鈍炉である。方向性電磁鋼板3は、脱炭焼鈍
炉2に搬入される前に電解脱脂設備1を通ることにより
脱脂されるようになっている。
【0022】この電解脱脂設備1においては、方向性電
磁鋼板3の表面にSi を主成分とする電着物が付着する
が、この付着量は電解脱脂の電極間の電気量密度と正の
相関にある。この電解脱脂設備1で電解脱脂された方向
性電磁鋼板3は水洗設備16で水洗された後、脱炭焼鈍
炉2に搬入され、炉内を通板されるようになっている。
磁鋼板3の表面にSi を主成分とする電着物が付着する
が、この付着量は電解脱脂の電極間の電気量密度と正の
相関にある。この電解脱脂設備1で電解脱脂された方向
性電磁鋼板3は水洗設備16で水洗された後、脱炭焼鈍
炉2に搬入され、炉内を通板されるようになっている。
【0023】この脱炭焼鈍炉2は、加熱帯4、均熱帯5
を備え、方向性電磁鋼板3を通板させながら焼鈍処理を
行うようになっている。
を備え、方向性電磁鋼板3を通板させながら焼鈍処理を
行うようになっている。
【0024】上記脱炭焼鈍炉2の加熱帯4及び均熱帯5
の雰囲気は、雰囲気ガス供給管6からの供給ガスである
H2 、N2 、注水装置7からのH2 O、及び反応後の排
ガスであるCOから構成されており、その雰囲気ガスは
注水装置7により注水供給される水蒸気により所望の露
点に調整されるようになっている。
の雰囲気は、雰囲気ガス供給管6からの供給ガスである
H2 、N2 、注水装置7からのH2 O、及び反応後の排
ガスであるCOから構成されており、その雰囲気ガスは
注水装置7により注水供給される水蒸気により所望の露
点に調整されるようになっている。
【0025】又、脱炭焼鈍炉2の加熱帯4及び均熱帯5
は、それぞれ所定の温度、例えば前者が780℃〜86
0℃、後者が820℃〜880℃に設定可能であり、炉
入口のシール装置8を通して炉内に搬入される鋼板3を
加熱・均熱するようになっている。
は、それぞれ所定の温度、例えば前者が780℃〜86
0℃、後者が820℃〜880℃に設定可能であり、炉
入口のシール装置8を通して炉内に搬入される鋼板3を
加熱・均熱するようになっている。
【0026】又、脱炭焼鈍炉2に上記ガス供給管6から
供給される雰囲気ガスは、鋼板3が通板される矢印方向
と逆方向に流れ、ブリーダ9を介して炉外へ排出される
が、その過程で雰囲気中のH2 Oは脱炭反応及び酸化物
生成反応により消費されるため、これら反応に伴って変
化するH2 Oの量に応じて露点分布が形成されることに
なる。
供給される雰囲気ガスは、鋼板3が通板される矢印方向
と逆方向に流れ、ブリーダ9を介して炉外へ排出される
が、その過程で雰囲気中のH2 Oは脱炭反応及び酸化物
生成反応により消費されるため、これら反応に伴って変
化するH2 Oの量に応じて露点分布が形成されることに
なる。
【0027】図中符号10、11及び12は、それぞれ
露点計、水素濃度計及び熱電対である。上記雰囲気中の
露点は、脱炭焼鈍炉2に数点設置した上記露点計10に
より測定され、水素濃度は上記水素濃度計11により測
定される。又、脱炭焼鈍炉2の炉温は、その炉内壁面に
数点設置された上記熱電対12により測定される。
露点計、水素濃度計及び熱電対である。上記雰囲気中の
露点は、脱炭焼鈍炉2に数点設置した上記露点計10に
より測定され、水素濃度は上記水素濃度計11により測
定される。又、脱炭焼鈍炉2の炉温は、その炉内壁面に
数点設置された上記熱電対12により測定される。
【0028】又、上記焼鈍炉2には演算装置13が設置
され、上記熱電対12による計測値は該演算装置13に
入力され、ここで後述する方法により炉温から鋼板表面
への熱輻射を計算し、板温が算出されるようになってい
る。又、この演算装置13は露点計10、水素濃度計1
1の測定値から分圧比PH2O /PH2を計算する。更に、
この演算装置13は、これら計算結果、電解設備1にお
ける電解脱脂電気量密度、通板速度、鋼板規格、板厚等
の情報を収集し、算出した上記板温と合わせて、上位計
算機14へ送信する機能を有している。
され、上記熱電対12による計測値は該演算装置13に
入力され、ここで後述する方法により炉温から鋼板表面
への熱輻射を計算し、板温が算出されるようになってい
る。又、この演算装置13は露点計10、水素濃度計1
1の測定値から分圧比PH2O /PH2を計算する。更に、
この演算装置13は、これら計算結果、電解設備1にお
ける電解脱脂電気量密度、通板速度、鋼板規格、板厚等
の情報を収集し、算出した上記板温と合わせて、上位計
算機14へ送信する機能を有している。
【0029】この上位計算機14は演算・制御装置であ
り、演算装置13から入力された上記プロセス情報を予
め構築してある拡散方程式を基礎として導出した物理モ
デルに適用して酸化被膜量の推定を行うと共に、酸化被
膜量の目標値を内部定数として持っており、酸化被膜の
推定量と目標値から、電解脱脂電気量密度の操作量を決
定する機能を有している。又、上位計算機14による推
定結果及び電解脱脂電気量密度の操作量の決定結果は、
CRT装置15に画面出力されると共に、決定された電
解脱脂電気量密度の操作量は、図示しないDDC(Dir
ect DigitalController )に送られ、電解脱脂電気量
密度が操作されるようになっている。
り、演算装置13から入力された上記プロセス情報を予
め構築してある拡散方程式を基礎として導出した物理モ
デルに適用して酸化被膜量の推定を行うと共に、酸化被
膜量の目標値を内部定数として持っており、酸化被膜の
推定量と目標値から、電解脱脂電気量密度の操作量を決
定する機能を有している。又、上位計算機14による推
定結果及び電解脱脂電気量密度の操作量の決定結果は、
CRT装置15に画面出力されると共に、決定された電
解脱脂電気量密度の操作量は、図示しないDDC(Dir
ect DigitalController )に送られ、電解脱脂電気量
密度が操作されるようになっている。
【0030】次に、前記上位計算機14に予め構築され
ている酸化モデル(生成する酸化被膜量を推定する物理
モデル)の特徴について、これを構成する基本モデル
と、処理の流れを示す図3のフローチャートに従って説
明する。
ている酸化モデル(生成する酸化被膜量を推定する物理
モデル)の特徴について、これを構成する基本モデル
と、処理の流れを示す図3のフローチャートに従って説
明する。
【0031】ステップ110の表面酸素供給モデルは、
単位時間当りの鋼板表面からどれだけの酸素量が供給さ
れるかを計算するモデルであり、ステップ112の酸素
拡散モデルの境界条件を与える。焼鈍炉2内では雰囲気
ガス中のH2 Oが鋼板表面で解離することによって酸素
が鋼板に供給される。この表面から供給される酸素量
は、雰囲気の酸化性を表わす水素に対する水蒸気の分圧
比PH2O /PH2と、電解脱脂によって付着する電着物、
及び鋼板表面の粗度から決定される。
単位時間当りの鋼板表面からどれだけの酸素量が供給さ
れるかを計算するモデルであり、ステップ112の酸素
拡散モデルの境界条件を与える。焼鈍炉2内では雰囲気
ガス中のH2 Oが鋼板表面で解離することによって酸素
が鋼板に供給される。この表面から供給される酸素量
は、雰囲気の酸化性を表わす水素に対する水蒸気の分圧
比PH2O /PH2と、電解脱脂によって付着する電着物、
及び鋼板表面の粗度から決定される。
【0032】本実施例では、次の(1)式を用いて供給
酸素量を決定している。
酸素量を決定している。
【0033】 NO2=A(ECL) ÷[{1+1/(PH2O /PH2)}(2πMRT)1/2 ] …(1)
【0034】上記(1)式中のNO2は単位時間・単位面
積当りの鋼板表面からの酸素供給量、A(ECL)は電
解脱脂電気量密度により決定される酸素供給の度合、M
は分子量(g /mol )、Rは気体定数(8.21×10
-5atm ・cm3 /mol ・K)、Tは鋼板温度(K)を示
す。加熱時及び均熱時の分圧比を一定にした場合のEC
L電気量密度と酸化被膜量の関係は、前記図1に示した
ようにほぼ線形であるので、A(ECL)を電解脱脂電
気量密度の一次式として表現した。
積当りの鋼板表面からの酸素供給量、A(ECL)は電
解脱脂電気量密度により決定される酸素供給の度合、M
は分子量(g /mol )、Rは気体定数(8.21×10
-5atm ・cm3 /mol ・K)、Tは鋼板温度(K)を示
す。加熱時及び均熱時の分圧比を一定にした場合のEC
L電気量密度と酸化被膜量の関係は、前記図1に示した
ようにほぼ線形であるので、A(ECL)を電解脱脂電
気量密度の一次式として表現した。
【0035】次のステップ112の酸素拡散モデルは、
鋼板表面から供給された酸素の拡散を評価する。供給さ
れた酸素が鋼板内部に拡散して、次の(2)式のように
鋼板中のSi と反応することにより、Si O2 となり、
更には(3)式のようにFe 2 Si O4 となる。
鋼板表面から供給された酸素の拡散を評価する。供給さ
れた酸素が鋼板内部に拡散して、次の(2)式のように
鋼板中のSi と反応することにより、Si O2 となり、
更には(3)式のようにFe 2 Si O4 となる。
【0036】 Si +2[O]→Si O2 …(2) Fe +Si O2 +2[O]→Fe 2 Si O4 …(3)
【0037】焼鈍途中に生成されるSi O2 やFe 2 S
i O4 からなる酸化被膜は酸素及びSi の拡散、及び鋼
板中の炭素の鋼板表面への拡散を著しく抑制する。この
抑制の度合は、鋼中成分、加熱帯4で生成される酸化被
膜の形態等に依存している。これを本実施例では、均熱
帯5での酸化被膜中の酸素の拡散に対する抑制の度合
を、加熱時PH2O /PH2の関数とすることで表わした。
本実施例における酸化膜中の酸素の拡散係数を次の
(4)式で表わし、拡散方程式を(5)式に示した。
i O4 からなる酸化被膜は酸素及びSi の拡散、及び鋼
板中の炭素の鋼板表面への拡散を著しく抑制する。この
抑制の度合は、鋼中成分、加熱帯4で生成される酸化被
膜の形態等に依存している。これを本実施例では、均熱
帯5での酸化被膜中の酸素の拡散に対する抑制の度合
を、加熱時PH2O /PH2の関数とすることで表わした。
本実施例における酸化膜中の酸素の拡散係数を次の
(4)式で表わし、拡散方程式を(5)式に示した。
【0038】 DOX={1/n(PH2O/PH2Heat)}×DFe …(4) ∂O/∂t=(∂/∂x){DOX×(∂O/∂x)} −RSiO2−RFe2SiO4 −RFeO …(5) ここで、Oはそれぞれ鋼板表面からの距離xにおける酸
素濃度、n(PH2O/PH2Heat)は、加熱時PH2O
/PH2により決定される酸素の拡散に対する酸化膜の抑
制力、DFeはFe 中における酸素の拡散係数、DOXは酸
化膜中における酸素の拡散係数、Riは酸化物iの反応
速度である。
素濃度、n(PH2O/PH2Heat)は、加熱時PH2O
/PH2により決定される酸素の拡散に対する酸化膜の抑
制力、DFeはFe 中における酸素の拡散係数、DOXは酸
化膜中における酸素の拡散係数、Riは酸化物iの反応
速度である。
【0039】次のステップ114の酸化物生成モデルで
は、熱力学平行計算によりSi O2、Fe 2 Si O4 の
酸化物が生成するために必要な分圧比PH2O /PH2を求
め、これを前記(1)式を用いて酸素濃度の閾値に変換
すると共に、Si O2 、Fe 2 Si O4 の生成反応速度
を計算することにより、単位時間当りに板厚方向の各点
において生成される酸化物の量に当る反応速度Riを計
算する。
は、熱力学平行計算によりSi O2、Fe 2 Si O4 の
酸化物が生成するために必要な分圧比PH2O /PH2を求
め、これを前記(1)式を用いて酸素濃度の閾値に変換
すると共に、Si O2 、Fe 2 Si O4 の生成反応速度
を計算することにより、単位時間当りに板厚方向の各点
において生成される酸化物の量に当る反応速度Riを計
算する。
【0040】本実施例では、Si O2 の生成速度を酸素
原子の拡散律速とし、Fe 2 Si O 4 の生成速度を次の
(6)式で与えるようにしている。
原子の拡散律速とし、Fe 2 Si O 4 の生成速度を次の
(6)式で与えるようにしている。
【0041】 RFe2SiO4 =A× exp(−Q/T)×SiO2×(O−OFe2SiO4 )…(6) (RFe2SiO4 は、Fe 2 Si O4 の反応速度(mol /se
c )、Tは絶対温度(K)、SiO2はSi O2 の濃度
(mol /cm3 )、Oは酸素濃度(mol /cm3 )、O
Fe2SiO4 は熱力学計算により求められるFe 2 Si O4
生成の酸素濃度閾値、A、Qは係数)
c )、Tは絶対温度(K)、SiO2はSi O2 の濃度
(mol /cm3 )、Oは酸素濃度(mol /cm3 )、O
Fe2SiO4 は熱力学計算により求められるFe 2 Si O4
生成の酸素濃度閾値、A、Qは係数)
【0042】前記(1)式で求めた供給酸素量に対し
て、前記(4)、(5)、(6)式からなる酸化膜中に
おける酸素の拡散方程式を差分計算で解くことにより、
焼鈍途中の各時刻における板厚方向の酸素濃度分布、及
びSi O2 とFe 2 Si O4 の板厚方向の濃度分布を得
ることができ、酸化被膜量を1m 2 中の酸素含有量で定
義するとすれば、Si O2 とFe 2 Si O4 の板厚方向
の濃度分布を量論比により酸素重量に変換することによ
り、結果的には加熱時PH2O /PH2、均熱時PH2 O /P
H2、電解脱脂電気量密度の違いが、酸化被膜量の推定値
に反映される物理モデルを構成できる。図4に、本実施
例における酸化被膜量の推定値と、化学分析による酸化
被膜量の実績値との比較を示した。
て、前記(4)、(5)、(6)式からなる酸化膜中に
おける酸素の拡散方程式を差分計算で解くことにより、
焼鈍途中の各時刻における板厚方向の酸素濃度分布、及
びSi O2 とFe 2 Si O4 の板厚方向の濃度分布を得
ることができ、酸化被膜量を1m 2 中の酸素含有量で定
義するとすれば、Si O2 とFe 2 Si O4 の板厚方向
の濃度分布を量論比により酸素重量に変換することによ
り、結果的には加熱時PH2O /PH2、均熱時PH2 O /P
H2、電解脱脂電気量密度の違いが、酸化被膜量の推定値
に反映される物理モデルを構成できる。図4に、本実施
例における酸化被膜量の推定値と、化学分析による酸化
被膜量の実績値との比較を示した。
【0043】次に、前記図2に示した制御システムを使
用し、前記上位計算機14により実行する、前記物理モ
デルによる酸化被膜量の推定計算の手順を、図5のフロ
ーチャートに従って説明する。
用し、前記上位計算機14により実行する、前記物理モ
デルによる酸化被膜量の推定計算の手順を、図5のフロ
ーチャートに従って説明する。
【0044】まず、ステップ210の設定計算では、鋼
中のSi 、Mn Se 等の各成分の濃度設定、初期のSi
、Cの濃度分布の設定を行う。次いで、鋼板のある一
点が焼鈍炉1の入側から出側(均熱帯3の出側)までの
搬送にかかる時間tend をΔtで差分展開し、各在炉時
間t 毎に、下記ステップ214〜ステップ222までの
各処理を行う(ステップ212)。
中のSi 、Mn Se 等の各成分の濃度設定、初期のSi
、Cの濃度分布の設定を行う。次いで、鋼板のある一
点が焼鈍炉1の入側から出側(均熱帯3の出側)までの
搬送にかかる時間tend をΔtで差分展開し、各在炉時
間t 毎に、下記ステップ214〜ステップ222までの
各処理を行う(ステップ212)。
【0045】ステップ214の伝熱モデルは演算装置1
3にあり、このモデルでは、焼鈍炉2内の各ゾーンの熱
電対12で計測される炉温と、予め与えられた総括熱吸
収率φCGから各ゾーンの板温を算出する。但しこの板
温は、伝熱モデルを用いて炉温から推定せずに、放射温
度計を設置し、その指示値を用いてもよい。
3にあり、このモデルでは、焼鈍炉2内の各ゾーンの熱
電対12で計測される炉温と、予め与えられた総括熱吸
収率φCGから各ゾーンの板温を算出する。但しこの板
温は、伝熱モデルを用いて炉温から推定せずに、放射温
度計を設置し、その指示値を用いてもよい。
【0046】ステップ216の雰囲気モデルも演算装置
13にあり、このモデルでは、露点計10、水素濃度計
11で計測した結果から焼鈍炉内の露点、水素濃度の分
布を、分圧比PH2O /PH2の分布に変換する。
13にあり、このモデルでは、露点計10、水素濃度計
11で計測した結果から焼鈍炉内の露点、水素濃度の分
布を、分圧比PH2O /PH2の分布に変換する。
【0047】次のステップ218の酸化モデルでは、鋼
板表面へのH2 O吸着による酸素の供給量、酸素の鋼中
拡散と、前記(2)式及び(3)式に示した内部酸化に
よるSi O2 及びFe 2 Si O4 の生成を評価する。
板表面へのH2 O吸着による酸素の供給量、酸素の鋼中
拡散と、前記(2)式及び(3)式に示した内部酸化に
よるSi O2 及びFe 2 Si O4 の生成を評価する。
【0048】以上の処理を、均熱帯出側までにかかる時
間tend まで実行した後、酸化被膜量の経時変化を推定
計算し、それを最終的には酸化被膜中の鋼板1m 2 当り
のトータル酸素量を求め、これを酸化被膜量として表わ
し、出力する(ステップ220、222)。
間tend まで実行した後、酸化被膜量の経時変化を推定
計算し、それを最終的には酸化被膜中の鋼板1m 2 当り
のトータル酸素量を求め、これを酸化被膜量として表わ
し、出力する(ステップ220、222)。
【0049】以上の手順に従って、鋼板上ある一点につ
いて焼鈍炉の入側から出側にかけて酸化被膜量の推定を
行い、その推定値を目標値に一致させるべく操作量のフ
ィードバックを行う。
いて焼鈍炉の入側から出側にかけて酸化被膜量の推定を
行い、その推定値を目標値に一致させるべく操作量のフ
ィードバックを行う。
【0050】次に、前記図5のフローチャートに従って
酸化被膜量の推定を行った場合、その推定値に基づいて
電解脱脂電気量密度の操作量の決定方法について説明す
る。
酸化被膜量の推定を行った場合、その推定値に基づいて
電解脱脂電気量密度の操作量の決定方法について説明す
る。
【0051】前記演算装置13により計算及び収集され
た板温、PH2O /PH2等のプロセス情報を基に、上位計
算機14中の物理モデルを起動して、現状の酸化被膜量
を推定する。このとき、推定値と目標値との関係に以下
の2つの場合が考えられる。
た板温、PH2O /PH2等のプロセス情報を基に、上位計
算機14中の物理モデルを起動して、現状の酸化被膜量
を推定する。このとき、推定値と目標値との関係に以下
の2つの場合が考えられる。
【0052】(1)現状の酸化被膜推定値が目標値より
小さい場合 加熱時PH2O /PH2、均熱時PH2O /PH2はそのまま、
電解脱脂電気量密度は設備制約上決定される上限値を物
理モデルに与えて起動させ、そのときの酸化被膜量を計
算する。電解脱脂電気量密度を上限値にした場合、酸化
被膜量の計算値が目標値より大きくなれば、電解脱脂電
気量密度の最適値は、現状値と上限値の間にあることに
なるから、例えば図6(A)のように2点間を直線補完
して電解脱脂電気量密度の操作量を求める。電解脱脂電
気量密度を上限値にしても、酸化被膜量が目標値を超え
ない場合は、均熱帯5の注水量を増やして均熱帯のP
H2O/PH2を大きくし、前述の操作を繰返す必要がある
が、これは、通常の操業条件から大きく外れた場合であ
り、炉内雰囲気を操作する頻度は極めて低い。
小さい場合 加熱時PH2O /PH2、均熱時PH2O /PH2はそのまま、
電解脱脂電気量密度は設備制約上決定される上限値を物
理モデルに与えて起動させ、そのときの酸化被膜量を計
算する。電解脱脂電気量密度を上限値にした場合、酸化
被膜量の計算値が目標値より大きくなれば、電解脱脂電
気量密度の最適値は、現状値と上限値の間にあることに
なるから、例えば図6(A)のように2点間を直線補完
して電解脱脂電気量密度の操作量を求める。電解脱脂電
気量密度を上限値にしても、酸化被膜量が目標値を超え
ない場合は、均熱帯5の注水量を増やして均熱帯のP
H2O/PH2を大きくし、前述の操作を繰返す必要がある
が、これは、通常の操業条件から大きく外れた場合であ
り、炉内雰囲気を操作する頻度は極めて低い。
【0053】(2)現状の酸化被膜推定値が目標値より
大きい場合 加熱時PH2O /PH2、均熱時PH2O /PH2はそのまま、
電解脱脂電気量密度は設備制約上決定される上限値を物
理モデルに与えて起動させ、そのときの酸化被膜量を計
算する。電解脱脂電気量密度を下限値にした場合、酸化
被膜量の計算値が目標値より小さくなれば、電解脱脂電
気量密度の最適値は、現状値と下限値の間にあることに
なるから、例えば図6(B)のように2点間を直線補完
して電解脱脂電気量密度の操作量を求める。電解脱脂電
気量密度を上限値にしても、酸化被膜量が目標値を超え
ない場合は、均熱帯5の注水量を減らして均熱帯のP
H2O/PH2を小さくした後、前述の操作を繰返す必要が
あるが、これは、(1)の場合と同様に通常の操業条件
から大きく外れた場合であり、炉内雰囲気を操作する頻
度は極めて低い。
大きい場合 加熱時PH2O /PH2、均熱時PH2O /PH2はそのまま、
電解脱脂電気量密度は設備制約上決定される上限値を物
理モデルに与えて起動させ、そのときの酸化被膜量を計
算する。電解脱脂電気量密度を下限値にした場合、酸化
被膜量の計算値が目標値より小さくなれば、電解脱脂電
気量密度の最適値は、現状値と下限値の間にあることに
なるから、例えば図6(B)のように2点間を直線補完
して電解脱脂電気量密度の操作量を求める。電解脱脂電
気量密度を上限値にしても、酸化被膜量が目標値を超え
ない場合は、均熱帯5の注水量を減らして均熱帯のP
H2O/PH2を小さくした後、前述の操作を繰返す必要が
あるが、これは、(1)の場合と同様に通常の操業条件
から大きく外れた場合であり、炉内雰囲気を操作する頻
度は極めて低い。
【0054】本実施例においては、前記上位計算機14
として95mipsのEWS(Engineering Work Stati
on)であり、1回の推定にCPU時間で約40秒であっ
た。これにより、電解脱脂電気量密度を決定するのに要
する時間は平均1分30秒であり、鋼板長手方向に酸化
被膜量を制御するに十分に短い制御周期を得ることがで
きた。
として95mipsのEWS(Engineering Work Stati
on)であり、1回の推定にCPU時間で約40秒であっ
た。これにより、電解脱脂電気量密度を決定するのに要
する時間は平均1分30秒であり、鋼板長手方向に酸化
被膜量を制御するに十分に短い制御周期を得ることがで
きた。
【0055】本実施例方法を適用した場合と、従来のオ
ペレータによる手動操業を適用した場合の制御結果を図
7に示した。この図7より本実施例方法が極めて有効で
あることが判る。
ペレータによる手動操業を適用した場合の制御結果を図
7に示した。この図7より本実施例方法が極めて有効で
あることが判る。
【0056】以上詳述した本実施例によれば、前記物理
モデルを用いることにより、特別なセンサーを用いるこ
となく酸化被膜量の連続推定が可能となるため、センサ
ーの設置コスト及びランニングコストを省略することが
できる。
モデルを用いることにより、特別なセンサーを用いるこ
となく酸化被膜量の連続推定が可能となるため、センサ
ーの設置コスト及びランニングコストを省略することが
できる。
【0057】又、加熱時PH2O /PH2、均熱時PH2O /
PH2と電解脱脂電気量密度の酸化被膜量に対する相互作
用を記述した物理モデルを用いて、酸化被膜量の連続推
定を行うことにより、酸化被膜量の目標値からの偏差を
迅速に把握でき、更に簡単な逆モデルを解くことによ
り、電解脱脂電気量密度を決定することが可能となるた
め、コイル内での酸化被膜量の均一化を図ることが可能
となる。
PH2と電解脱脂電気量密度の酸化被膜量に対する相互作
用を記述した物理モデルを用いて、酸化被膜量の連続推
定を行うことにより、酸化被膜量の目標値からの偏差を
迅速に把握でき、更に簡単な逆モデルを解くことによ
り、電解脱脂電気量密度を決定することが可能となるた
め、コイル内での酸化被膜量の均一化を図ることが可能
となる。
【0058】又、主として電解脱脂電気量密度を操作
し、焼鈍炉内の注水量を変更しないで済むため、焼鈍炉
内の雰囲気の変動による応答遅れを生じさせることな
く、酸化被膜量を制御することが可能となる。
し、焼鈍炉内の注水量を変更しないで済むため、焼鈍炉
内の雰囲気の変動による応答遅れを生じさせることな
く、酸化被膜量を制御することが可能となる。
【0059】更に、計算機による被膜量の自動制御を行
うことができるため、オペレータの負荷を軽減できる。
うことができるため、オペレータの負荷を軽減できる。
【0060】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0061】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、常
にコイルの長手方向全体に亘って適切な酸化被膜量の作
り込みを行うことができ、しかも応答性の高い酸化被膜
量の制御を行うことが可能となる。
にコイルの長手方向全体に亘って適切な酸化被膜量の作
り込みを行うことができ、しかも応答性の高い酸化被膜
量の制御を行うことが可能となる。
【図1】本発明の動機となった電解脱脂電気量密度と酸
化被膜量の関係を示した線図
化被膜量の関係を示した線図
【図2】本発明に係る一実施例に適用される鋼板材質制
御システムの概略構成を示す説明図
御システムの概略構成を示す説明図
【図3】実施例における酸化モデルの計算の流れを示す
フローチャート
フローチャート
【図4】酸化被膜量の実測値と本発明の物理モデルの酸
化被膜推定値を比較した線図
化被膜推定値を比較した線図
【図5】実施例における物理モデルの計算の流れを示す
フローチャート
フローチャート
【図6】実施例における電解脱脂電気量密度操作量の決
定方法を示した線図
定方法を示した線図
【図7】本発明方法と従来方法の酸化被膜量の制御結果
を比較した線図
を比較した線図
1…電解脱脂設備 2…脱炭焼鈍炉 3…方向性電磁鋼板 4…焼鈍炉加熱帯 5…焼鈍炉均熱帯 6…雰囲気ガス供給管 7…注水装置 8…シール装置 9…ブリーダ 10…露点計 11…水素濃度計 12…熱電対 13…演算装置 14…上位計算機 15…CRT 16…水洗設備
Claims (1)
- 【請求項1】方向性電磁鋼板を電解脱脂した後、脱炭焼
鈍炉内を通過させながら脱炭焼鈍を行う際、同鋼板に生
成する酸化被膜量を制御する方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍
における酸化被膜量の制御方法において、 炉内雰囲気酸化性及び電解脱脂電気量密度の酸化被膜量
に対する相互作用が記述された拡散方程式を基礎とする
物理モデルを構築すると共に、該物理モデルを用いて酸
化被膜量を推定し、その推定値を目標値に一致させるべ
く、電解脱脂電気量密度を操作することを特徴とする方
向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23707294A JPH08100220A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23707294A JPH08100220A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08100220A true JPH08100220A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=17010008
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23707294A Pending JPH08100220A (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | 方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍における酸化被膜量の制御方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08100220A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2024232261A1 (ja) * | 2023-05-10 | 2024-11-14 |
-
1994
- 1994-09-30 JP JP23707294A patent/JPH08100220A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2024232261A1 (ja) * | 2023-05-10 | 2024-11-14 | ||
| WO2024232261A1 (ja) * | 2023-05-10 | 2024-11-14 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
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