JPH0810116B2 - 針葉樹材の乾燥方法 - Google Patents

針葉樹材の乾燥方法

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JPH0810116B2
JPH0810116B2 JP21080891A JP21080891A JPH0810116B2 JP H0810116 B2 JPH0810116 B2 JP H0810116B2 JP 21080891 A JP21080891 A JP 21080891A JP 21080891 A JP21080891 A JP 21080891A JP H0810116 B2 JPH0810116 B2 JP H0810116B2
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kiln
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drying
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利夫 稲葉
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伊豆巴産業株式会社
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  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柱材として使用される
杉や桧の芯持ち材等を乾燥する際に適用するに好適な針
葉樹材の乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の芯持ち杉の角材を示す斜視
図である。
【0003】従来、針葉樹材である杉や桧の芯持ち材を
製材して、図4(a)に示すように、正方形断面の角材
1とすることにより、建築用の柱材(例えば、10.5
cm角の柱や12cm角の柱)として使用する際には、角材
の乾燥時の割れを未然に防止するため、乾燥に伴なって
生じる内部応力を緩和すべく、図4(b)に示すよう
に、角材に予め(乾燥前に)背割り3を入れていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これでは、以
下に述べる〜の問題点があった。 乾燥に伴なって背割り3が開き、乾燥後再び直角に
挽き直す必要がある(図4(c)で黒く塗り潰した部
分)ので、手間と経費がかかる。 材が小さくなるために、予め寸法を大きく荒挽きし
ておかなければならない。 修正挽きしたために、材内から節が出やすく、商品
価値が下がる。 背割り3が入っているため、四方から見える所には
不向きである。 背割り3を入れた分だけ強度が低下する。
【0005】本発明は、上記事情に鑑み、角材等に予め
背割りを入れなくても、割れを生じることなく乾燥する
ことが可能な針葉樹材の乾燥方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明による針葉
樹材の乾燥方法は、乾燥すべき1本以上の針葉樹材
(1)を密閉されたキルン(2)内に設置し、前記針葉
樹材(1)の材間風速を0.5〜1.5m/sとすると
共に、前記キルン(2)内の温度を60〜80℃に調整
し、更に前記キルン(2)内の湿度を80〜95%に調
整した状態で、120時間以上放置し、その後、前記キ
ルン(2)内の温度を45〜52℃に下げると共に、前
記キルン(2)内の湿度を80%に設定した状態で、適
切に24〜48時間除湿するようにして構成される。
【0007】なお、括弧内の番号は、図面における対応
する要素を表わす便宜的なものであり、従って、本発明
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。このこ
とは、次の「作用」の欄についても同様である。
【0008】
【作用】上記した構成により、本発明は、針葉樹材
(1)の細胞を一旦膨張させた状態で乾燥することによ
り、材内部からの乾燥が行なわれるように作用する。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1はキルン内に設置された芯持ち杉の角材を示す
斜視図である。
【0010】実施例1 まず、柱材として使用される代表的な針葉樹材である杉
材に対して、本発明による針葉樹材の乾燥方法を適用し
た実施例について述べる。即ち、10.5cm角で長さ
3,000mmの芯持ち杉の角材(樹齢40年、初期含水
率150%、背割りなし)を複数本、互いに所定の間隔
を置いて規則正しく桟積みし、これを、図1に示すよう
に、密閉された(即ち、外気に影響されない)キルン2
内に入庫する。次いで、これ等角材1の材間風速を平均
0.5〜1.5m/sとし、キルン2内の温度を60℃
以上にセットし、キルン2内の湿度を85%以上に増湿
し、この状態で192時間(8日間)保管する。
【0011】すると、角材の心材部の水分移動が激しく
なり、内部の細胞孔が膨張して材表面の収縮が阻止され
る。この場合、キルン2内の85%以上の湿度が材の周
辺部の収縮を防ぎ、割れが発生する事態を防止する。こ
の時点における木材周辺部の温度は60℃であるのに対
して、心材部の温度は、含水率が平均60%として放熱
による差は5℃前後になっている。また、上記の192
時間の保管により、角材の含水率は40〜30%以下に
低下する。一般に、この程度の含水率になると、自由水
はなくなり、細胞壁を構成するセルロースやヘミセルロ
ース等と化学結合(水素結合)している結合水が蒸発し
始めるので、材割れの危険が起きやすくなる。
【0012】そこで、キルン2内の温度を45〜52℃
に下げる。すると、材の周辺温度と心材部の温度差が逆
になり、材内水分の発散が増湿される。この増湿量を除
湿装置によってキルン2内の湿度を80%に設定して、
以上の発散されている湿度を24〜48時間(1〜2日
間)除湿する。そうすると、初期含水率が150%であ
った角材が、割れを生じることなく15〜17%にまで
低下し、ここで角材の乾燥スケジュールが終了する。こ
の時の材の周辺部の収縮量は、平均1.8mm以内に止ま
る。
【0013】実施例2 また、同様にして、桧材に対しても本発明による針葉樹
材の乾燥方法を適用した。即ち、6cm角で長さ4,00
0mmの芯持ち桧の角材(樹齢25年、初期含水率50〜
60%、背割りなし)を複数本、互いに所定の間隔を置
いて規則正しく桟積みし、これを密閉されたキルン内に
入庫する。次いで、これ等角材の材間風速を平均0.5
〜1.5m/sとし、キルン内の温度を60℃以上にセ
ットし、キルン内の湿度を85%以上に増湿し、この状
態で144時間(6日間)保管した。
【0014】すると、角材の心材部の水分移動が激しく
なり、内部の細胞孔が膨張して材表面の収縮が阻止され
る。この場合、キルン内の85%以上の湿度が材の周辺
部の収縮を防ぎ、割れが発生する事態を防止する。この
時点における木材周辺部の温度は60℃であるのに対し
て、心材部の温度は、含水率が平均60%として放熱に
よる差は5℃前後になっている。また、上記の144時
間の保管により、角材の含水率は40〜30%以下に低
下する。この程度の含水率になると、上述したように、
材割れの危険が起きやすくなる。
【0015】そこで、キルン内の温度を45〜52℃に
下げる。すると、材の周辺温度と心材部の温度差が逆に
なり、材内水分の発散が増湿される。この増湿量を除湿
装置によってキルン内の湿度を80%に設定して、以上
の発散されている湿度を24〜48時間(1〜2日間)
除湿する。そうすると、初期含水率が50〜60%であ
った角材が、割れを生じることなく13〜15%にまで
低下し、ここで角材の乾燥スケジュールが終了する。こ
の時の材の周辺部の収縮量は、平均0.8mm以内に止ま
る。
【0016】なお、上述の2つの実施例においては、芯
持ちの角材を乾燥する場合について説明したが、本発明
は、材内部から乾燥していくことを要旨とするものであ
り、従って、角材以外の木材(例えば、床の間用の絞り
丸太)に適用することも可能であり、また芯持ち材に限
る訳でもない。
【0017】ところで、本発明による針葉樹材の乾燥方
法を適用して乾燥した角材の水分傾斜を知得するため、
各種の公式機関(愛媛県林業試験場その他)に対して、
当該角材の各部位における含水率の測定及び分析を依頼
した。その一例として、愛媛県林業試験場での試験結果
を図2及び図3に示す。図2は、10.5cm角の芯持ち
杉の角材(樹齢40年)についてのグラフであり、横軸
は深度(cm)を表わし、縦軸は含水率(%)を表わす。
また、図3は、10.5cm角の芯持ち杉の角材(樹齢5
0年)2本についてのグラフであり、横軸は深度(cm)
を表わし、縦軸は含水率(%)を表わす。図2や図3か
ら明らかなように、角材の中心付近の含水率は表面付近
の含水率と殆ど変わらないことが分かる。即ち、角材の
全体がほぼ均一の含水率分布を有していることとなる。
乾燥に伴なう材割れが含水率の不均一な分布(即ち、角
材の表面付近の含水率が急激に低下して中心付近の含水
率と大きく異なってしまうこと)に起因することを考慮
すると、このことは、背割りの入らない角材を割れを生
じることなく乾燥出来るということを機構的に裏付ける
有力な証拠となる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
乾燥すべき1本以上の芯持ち杉の角材1、芯持ち桧の角
材等の針葉樹材を密閉されたキルン2内に設置し、前記
針葉樹材の材間風速を0.5〜1.5m/sとすると共
に、前記キルン2内の温度を60〜80℃に調整し、更
に前記キルン2内の湿度を80〜95%に調整した状態
で、120時間以上放置し、その後、前記キルン2内の
温度を45〜52℃に下げると共に、前記キルン2内の
湿度を80%に設定した状態で、適切に24〜48時間
除湿するようにして構成したので、針葉樹材の細胞を一
旦膨張させた状態で乾燥することにより、材内部から乾
燥することが出来ることから、針葉樹材に予め背割りを
入れなくても、割れを生じることなく乾燥することが可
能となる。その結果、我国のみならず世界の木材資源の
節約に大いに役立つこととなる。
【0019】従って、例えば、柱材として使用する正方
形断面の角材に本発明による針葉樹材の乾燥方法を適用
した場合には 正方形断面のまま使用することが可能となり、経費
が節約出来る。 強度がある。 四方面に使用出来る。 直角が出ているので、建具が狂わない。 大壁内に使用しても狂いが発生しないので、クロス
張りや壁に亀裂が出にくい。 等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】キルン内に設置された芯持ち杉の角材を示す斜
視図である。
【図2】本発明による針葉樹材の乾燥方法を適用して乾
燥した角材の水分傾斜の一例を示すグラフである。
【図3】本発明による針葉樹材の乾燥方法を適用して乾
燥した角材の水分傾斜の別の例を示すグラフである。
【図4】従来の芯持ち杉の角材を示す斜視図である。
【符号の説明】
1……針葉樹材(芯持ち杉の角材) 2……キルン 3……背割り

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乾燥すべき1本以上の針葉樹材を密閉され
    たキルン内に設置し、 前記針葉樹材の材間風速を0.5〜1.5m/sとする
    と共に、前記キルン内の温度を60〜80℃に調整し、
    更に前記キルン内の湿度を80〜95%に調整した状態
    で、120時間以上放置し、 その後、前記キルン内の温度を45〜52℃に下げると
    共に、前記キルン内の湿度を80%に設定した状態で、
    適切に24〜48時間除湿するようにして構成した針葉
    樹材の乾燥方法。
JP21080891A 1991-08-22 1991-08-22 針葉樹材の乾燥方法 Expired - Fee Related JPH0810116B2 (ja)

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JP2017090028A (ja) * 2015-11-09 2017-05-25 株式会社朝日木工 杉材の含水率を10%前後まで減少させる杉板材低温乾燥方法

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