JPH081014B2 - 織編物用潜在嵩高性ポリエステル複合糸条の製造法 - Google Patents

織編物用潜在嵩高性ポリエステル複合糸条の製造法

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JPH081014B2
JPH081014B2 JP3170559A JP17055991A JPH081014B2 JP H081014 B2 JPH081014 B2 JP H081014B2 JP 3170559 A JP3170559 A JP 3170559A JP 17055991 A JP17055991 A JP 17055991A JP H081014 B2 JPH081014 B2 JP H081014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はソフトで柔軟、且つドラ
イタッチと適度なはり、腰、ドレープ性を有する絹様織
編物用ポリエステル複合糸条の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでポリエステルマルチフィラメン
トはそのすぐれた特性を生かし衣料用途をはじめ工業資
材用としても各種の用途に使用されている。衣料用途と
しては絹様風合はその一つのターゲットとして各社で検
討が進められ一部の分野では絹を凌駕する特性風合が得
られている。例えば熱収縮特性を異にする複数本のマル
チフィラメントからなる複合糸条はふくらみ、嵩高、ウ
ォーム感などすぐれた特性、風合を示し広く使用されて
いる。しかし糸条を構成するマルチフィラメントが全て
熱により収縮する場合には、編織物の組織の拘束力のた
め、糸のもっている収縮率差が充分確保できないととも
に糸の収縮のため編織物が硬くなる傾向にあり、このた
め目付を小さくして収縮代をもたせたり、風合を確保す
るためにアルカリ減量率を大きくするなどの対策を実施
してきた。しかし熱収縮率の大きなフィラメントは一般
に熱処理すると硬化し風合面で充分に満足できるものは
得られていない。これに対して熱処理により伸長するポ
リエステルフィラメントと収縮するフィラメントの混合
糸も知られており、例えば特開昭55−62240号公
報、特開昭56−112537号公報、特開昭60−2
8515号公報などがある。これらのものは前記の収縮
糸同士のものに比べるとはるかにソフトで柔軟な風合が
得られたものの、伸長し突出したフィラメントからなる
ループによりヌメリ感が出たり、熱処理により大きな糸
長差が発現するので糸が分離し、後工程での取扱性に問
題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はポリエステル
フィラメントにおける前記従来の欠点を解消したもので
あってソフト、柔軟さ、上品なドライタッチと適度なは
り、腰、ドレープ性を有するとともに、後工程通過性に
問題のない新規なポリエステル複合糸条の製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる問題点を
解決するために次のような構成を有する。即ち紡速15
00〜4000m/minで紡糸した未延伸糸をガラス
転移温度以上で延伸して得られた破断伸度が30〜45
%、△n0.10〜0.14のポリエステルマルチフィ
ラメント延伸糸を非接触ヒーターにて下記〔A〕式の
(1)式および(2)式を同時に満足するヒーター温度
T(℃)かつ、20〜60%のオーバーフィード率でリ
ラックス熱処理を施し、かくして得た下記〔B〕式を満
足するポリエステルマルチフィラメントAを下記〔B〕
式を満足するポリエステルマルチフィラメントBとをA
/B=20〜80%/80〜20%(デニール比)とな
るように合わせて交絡度20〜100コ/mで交絡処理
することを特徴とする織編物用潜在嵩高性ポリエステル
複合糸条の製造法である。尚、紡速とは紡糸捲取速度を
いう。 〔A〕75log{(D×Vy )1/2 /HL}+4.7
(Vy )1/2 ≧ T≧25log{(D×Vy )1/2 /HL}+4.7
(Vy )1/2 …(1) T≦Tm−10…(2) D:リラックス後デニール Vy :リラックス引取ローラー速度(m/min) HL:リラックス非接触式ヒーター長(m) Tm:融点(℃) Tg:2次転移点温度(℃) 〔B〕SHW(A)≧0%、SHD(A)≦0% SHW(B)≧0% SHD(B)−SHD(A)≧5% DE(A)≧50% SHW:熱水(100℃)収縮率(%) SHD:乾熱(160℃)収縮率(%) DE:破断伸度(%)
【0005】本発明のポリエステル複合糸条の製造方法
について説明する。本発明のポリエステル複合糸条の製
造装置の略側面を図1に例示する。自発伸長性に優れた
ポリエステルマルチフィラメントAを製造するには、ま
ず紡速1500〜4000m/minで紡糸した未延伸
糸を延伸温度Tg〜Tg+20℃かつ延伸後の破断伸度
30〜45%、△n0.10〜0.14の範囲で延伸す
れば良い。紡糸速度1500m〜min未満では延伸後
物性が不安定であり、かつ太さ斑が大きくなるので好ま
しくない。また4000m/minを越えると延伸後の
熱収縮率が低く自発伸長性が低くなり、織編物としての
風合が所定のものにならない。好ましくは2000〜4
000m/minである。延伸温度は延伸安定性のため
Tg以上の温度が好ましく、Tg+20℃以上の温度で
は結晶化が進み、自発伸長性が低下する。また延伸温度
は自発伸長性発現にとって重要であるが、延伸時の糸切
れ等操業性の面では破断伸度30%以上にする必要があ
る。破断伸度45%以上では糸斑の発生が見られ好まし
くない。合わせて△nを0.10〜0.14の範囲にす
ることが必要であり、この範囲外ではリラックス熱処理
による自発伸長性の安定性に欠ける。次に自発伸長性を
与える非接触式ヒーターによるリラックス熱処理は下記
(1)式、(2)式を同時に満足するヒーター温度T
(℃)かつオーバーフィード率20〜60%で行うこと
が必要である。 75log{(D×Vy )1/2 /HL}+4.7(Vy
1/2 ≧T≧ 25log{(D×Vy )1/2 /HL}+4.7(Vy
1/2 …(1) T≦Tm−10…(2) D:リラックス後デニール Vy :リラックス引取ローラー速度(m/min) HL:リラックス非接触式ヒーター長(m) Tm:融点(℃) Tg:2次転移点温度(℃) ヒーター温度は自発伸長性に対して、デニールとリラッ
クス処理速度および非接触式ヒーター長に対して本発明
者らは(1)式の関係を見つけ出した。(1)式範囲よ
り高ければ結晶化の進行により、自発伸長性が低下し、
また低ければ自発伸長性の発現は弱くなる。また(1)
式と(2)式を同時に満足することが必要であるが、ヒ
ーター温度を(Tm−10)℃以上にするとドッフィン
グ停台時にヒーターの熱により、ヒーター内停止中にマ
ルチフィラメントが溶断し、再起動性が低下し、工業的
には使用できない。尚、リラックス取引ローラー速度V
yは10〜1500m/min、リラックス非接触式ヒ
ーター長HLは0.1〜2mが好ましい。
【0006】オーバーフィード率は自発伸長性の発現お
よびリラックス熱処理の操業性安定化のため20〜60
%が良い。なおヒーターは接触式ヒーターではマルチフ
ィラメント走行抵抗によりヒーター入口の糸張力が不足
して、ローラー捲付、糸切れが発生するので非接触式ヒ
ーターにする必要がある。このポリエステルマルチフィ
ラメントAを、該ポリエステルマルチフィラメントAと
異なるポリエステルマルチフィラメントとデニール比で
20〜80%/80〜20%となるように合わせて交絡
度20〜100コ/mで交絡処理する。ここで異なるポ
リエステルマルチフィラメントとは、例えばSHW.S
HD等の熱収縮特性が少なくとも1つでも異なったもの
を指す。
【0007】染色、セット処理を施し、糸長差により、
ふくらみ、張り、腰、バルキー性が良好な織編物とする
ためにはポリエステルマルチフィラメントB成分として
沸水収縮率5%以上、160℃乾熱収縮率7%以上であ
ればよい。共に、これより低い場合は十分な糸長差が得
られず、良好な風合の織編物が得られない。尚、沸水収
縮率は5〜60%、160℃乾熱収縮率は7〜80%が
好ましい。勿論、ポリエステルマルチフィラメントが所
謂シックアンドシン糸や自発伸長性糸であってもよい
が、前者の場合は熱水収縮率が5〜30%、後者の場合
は160℃乾熱収縮率が0%以下で且つマルチフィラメ
ントAとの伸長差が少なくとも5%あればよい。
【0008】またデニール比で20〜80%となるよう
に混織することも重要であり、自発伸長性ポリエステル
マルチフィラメントが20%未満ではふくらみ、バルキ
ー性が不足し、80%を越えると、張り、腰がないもの
になる。交絡度は撚糸、整経、製織での取り扱い性およ
び織編物での均一な外観を得るために20〜100コ/
mとする必要がある。20コ/m以下では、ポリエステ
ルマルチフィラメントAとポリエステルマルチフィラメ
ントBとが分離し易く、次工程の取り扱い性が低下す
る。100コ/mを越えると織編物で均一な外観が得ら
れない。以上の構成により取り扱い性、自発伸長性の発
現性、生産性に優れたポリエステルマルチフィラメント
AとポリエステルマルチフィラメントBとの複合糸条を
得ることができる。
【0009】次に、本発明の製造方法により得られた複
合糸条について述べる。図2は本発明のポリエステル複
合糸条を熱処理して糸長差を発現せしめた後のモデル図
である。図2においてAは主として鞘部を構成するマル
チフィラメントであって、高温熱処理により実質的に伸
長している(自発伸長後のマルチフィラメント)。Bは
芯部を構成するマルチフィラメントであって、熱処理に
より収縮したマルチフィラメントである(熱収縮後のマ
ルチフィラメント)。まず本発明で最も重要な要件であ
る構成マルチフィラメントの熱収縮特性について述べ
る。本発明のポリエステル複合糸条を構成するマルチフ
ィラメントAは通常のサイジングなどの工程では、マル
チフィラメントBとの収縮率差は小さく、しかも実質的
に収縮挙動を示す。このため布帛で同じ糸長差を発現さ
せるときにも糸段階ではサイジングしても糸長差(ふく
らみ、ループ等)は余り発現せず通常の全て熱収縮する
異収縮混織糸に比べても製織時にははるかに取扱性、製
織性が良好となるのである。すなわち糸の状態で糸長差
(ループ)が発現すると当然のことながらビーミング、
製織の際ループがこすれ合ってガイド、コームなどにひ
っかかったり、開口が悪くなり工程通過性が著しく低下
する。更に通常の熱収縮マルチフィラメントはサイジン
グなどで熱処理をうけると、それでほぼ熱セットが固定
されファイナルセットなどで160〜180℃程度の高
温熱処理をうけても糸長差は最初の熱セット時以上あま
り発現しないが、本発明の複合糸条の如く、熱水では収
縮するがファイナルセットに相当する高温熱処理で伸長
するマルチフィラメントを含むことにより、全体として
収縮した布表面より高温での仕上加工によりマルチフィ
ラメントAがループ状に突出し、あたかもピーチの表面
のようにソフトで柔軟なタッチが得られるのである。こ
のためにSHW(A)≧0%、SHD(A)≦0%であ
ればよい。更にふくらみ、嵩高性をもたせるためにSH
D(B)−SHD(A)≧5%が適当であり、5%未満
ではふくらみ、嵩高性が劣るので本発明からは除外され
る。ただ余り大きいと表面からの突出ループが大きくな
りすぎアイロンなどの際“てかり”などの問題が発生し
易いので50%以下が好ましい。又同様の理由でSHW
(A)は5%以下、SHD(A)は−15%以上が好ま
しい。次にマルチフィラメントAの破断伸度が50%以
上であるのはソフトで柔軟な風合を得るためである。一
般にポリエステルではソフトな風合を得るためにはフィ
ラメントのSHWは小さく、破断伸度が大きい方が得ら
れ易い。これまでに詳述した如く布帛の表面をループを
形成して覆うのは自発伸長マルチフィラメントであり、
このマルチフィラメントのタッチが布帛のタッチを決め
るからである。しかしあまり破断伸度が大きすぎると取
扱性が悪くなるので100%以下、更に好ましくは80
%以下が良い。
【0010】次にマルチフィラメントBの破断伸度は4
0%以下が好ましく、捲返し、製編織なとの後工程で複
合糸条が伸長されることによる糸斑が発生しないためで
ある。更に布帛にしたあと製品でのひざ抜けなどの問題
を防止するためである。又複合糸条の破断強力も熱収縮
マルチフィラメントにほぼ依存するので熱収縮マルチフ
ィラメントの破断強度は、少なくとも4g/デニールで
且つ複合糸条のデニール比率で20%以上でなければな
らない。もちろん破断強度が高ければマルチフィラメン
トBの比率は若干低くてもよいが20%未満ではマルチ
フィラメントBの収縮力が小さくなり糸長差によるふく
らみが発現されないので本発明からは除外される。尚、
マルチフィラメントBの熱水収縮率および160℃乾熱
収縮率は、それぞれ5〜60%、7〜80%が好まし
い。
【0011】また、マルチフィラメントBの繊維軸方向
に太さムラを有する所謂シックアンドシン糸であっても
よい。但し、その場合、熱水収縮率は5〜30%であれ
ばよい。シックアンドシン糸は、後加工後の糸物性の保
持といった面から考えると配向度(△n)はシン部が1
5〜60×10-3以上、さらに好ましくは160×10
-3以上がよい。一般にシックアンドシン糸を染色すると
濃淡差を呈するが、その濃淡差が強過ぎるといった欠点
があったが、かかる発明の混織糸は熱処理することによ
りシックアンドシン糸が内層部に、マルチフィラメント
Aは外層部に配され、シックアンドシン糸の強過ぎる濃
淡差がほどよくマルチフィラメントA糸にかくされてナ
チュラルな色調差となる。
【0012】次にマルチフィラメントAは、単糸デニー
ルは3デニール以下のものから構成される必要がある。
3デニールを越えると破断伸度が大きく、ヤング率が低
くても風合が粗硬になるので本発明からは除外される。
しかしあまり細くなると後述する異形断面のフィラメン
トにしても張り、腰がなくなるため0.2デニール以上
が好ましい。但し、3デニール以上のものが混じってい
てもよく(デニールミックス)、平均で3デニール以下
ならばよい。更にフィラメントは断面の外周面に少なく
とも1つの凹部を有する異形断面であることが好まし
い。特に本発明の複合糸条の如く破断伸度が大きいフィ
ラメントはソフトだがヌメリ感が出易いので断面形状を
異形にすることによりフィラメント間で点接触部が増加
し、かわいたドライタッチとなるのである。ここでいう
異形断面とは断面の外周面に少なくとも1つの凹部を有
する三角、六角、偏平、それらの中空等の断面形状をい
うが本発明で用いるフィラメントAの単糸の断面形状の
代表例を図3に示す。又このような風合、効果をもたせ
るためにはこれらの単糸の10本以上のフィラメントか
らなることが好ましい。
【0013】次に本複合糸条は実質的に芯/鞘構造をと
るのはマルチフィラメントAが複合糸条の表層部に多く
存在することにより、布帛表面よりループが突出し易い
からである。また、ここでいう実質的に芯/鞘構造をと
るとは、複合糸条の或る界面で芯部と鞘部に即ちマルチ
フィラメントBとマルチフィラメントAとに二分されて
いる構造のみを意味しているのではなく、複合糸条全体
に特に境界面付近で両成分が混在しており、マルチフィ
ラメントBが主として芯部にマルチフィラメントAが主
として鞘部に配する構造をも意味しており、該複合糸条
の中心から半径1/3内は重量比率でマルチフィラメン
トBがマルチフィラメントAより大きく、複合糸条の表
面から半径1/3内はマルチフィラメントAがマルチフ
ィラメントBより大きいものは本発明の範囲内である。
尚、芯/鞘構造および前述したデニール比率の測定は該
複合糸条をエポキシ樹脂で固定し、ランダムに100回
断面を切断したものを光学顕微鏡で観測し、これより平
均値および状態を求める。又交絡度20〜100で絡合
されていることも必須である。交絡度が20未満ではマ
ルチフィラメント同士、しごかれると糸長差で糸が分離
し易く、工程通過性を著しく阻害する。逆に交絡度が1
00を越えると布帛でインターレース斑が目立つととも
に、マルチフィラメントAのモノフィラメントが切断
し、毛羽になることもあり好ましくないのである。
【0014】次に内層部を構成するマルチフィラメント
Bの断面は特に限定はないが、嵩高性をもたせるために
は中空糸を、ドライハンドをさらに強調するためにはマ
ルチフィラメントAと同様に断面の外周面に少なくとも
1つの凹部を有する異形断面糸なども好ましい。更に本
発明のポリエステル複合糸条にはマルチフィラメントA
成分とマルチフィラメントB成分の両方又は一方に必要
に応じ5−ナトリウムスルホン酸金属塩、イソフタル酸
などの共重合物や微粉不活性物質を含んだポリエステル
繊維を含んでもよい。
【0015】次に本複合糸条は加撚された状態であるの
も好ましい。しかしあまり強撚されると糸長差が発現し
難いので15000/(D)1/2 (T/m)以下が好ま
しいが、ソフト、柔軟さを要求しない場合は必ずしもこ
れに限定されない。
【0016】以下の実施例により本発明の構成および作
用効果を説明するが、本発明はもとより下記実施例によ
り制約を受けるものではない。
【0017】
【実施例】なお、本発明で実施した測定方法は以下の通
りである。
【0018】(1)破断伸度 JIS−L−1013(1981)に準じ、東洋ボール
ドウィン社製テンシロンを用いて試料長(ゲージ長)2
00mm、引張速度200mm/分でS−S曲線を測定
し、破断伸度を算定した。
【0019】(2)熱収縮率(SHW)、乾熱収縮率
(SHD) JIS−L−1073に準じ、次によった。即ち適当な
枠周のラップリールで初荷重1/10g/デニールで8
回捲のカセをとり、カセに1/30g/デニールの荷重
をかけその長さL0 (mm)を測定する。ついでその荷
重をとり除き、1/1000g/デニールの荷重をかけ
た状態でカセを沸騰水中に30分間浸漬する。その後カ
セを沸騰水から取り出し、冷却後再び1/30gデニー
ルの荷重をかけてその時の長さL1 (mm)を測定す
る。ついで60℃で30分乾燥した後1/1000g/
デニールの荷重をかけた状態で乾熱160℃のオーブン
中で熱処理する。ついで冷却後再び1/30g/デニー
ルの荷重をかけてそのときの長さL2 (mm)を測定す
る。熱水収縮率(SHW)、乾熱収縮率(SHD)は次
式により算出される。 SHW=(L0 −L1 )×100÷L0 SHD (L0 −L2 )×100÷L0
【0020】(3) 交絡度 適当な長さの糸をとり出し、下端に1/10g/デニー
ルの荷重をかけて垂直につり下げる。ついで適当な針を
糸中につき出し、ゆっくり持ち上げ荷重が持ち上がるま
でに移動する距離L(cm)を100回測定し、これよ
り平均値L(cm)を求め、次式により算出する。 交絡度=100÷(2×L)
【0021】実施例1〜3比較例1〜8 熱伸長マルチフィラメントとして通常のポリエステルを
常法で紡糸捲取速度3000m/minで延伸−リラッ
クス後のデニール、DE、SHW、SHDが表1の物性
になる如く、紡糸吐出量、延伸倍率、リラックス率、リ
ラックス温度、セット時間を変更して得た、又熱収縮マ
ルチフィラメントは市販の東洋紡株製、東洋紡エステル
を使用し、図1の延伸−リラックス機で加工した。ここ
でエアーノズル7はファイバーガイド社製エアージェッ
トFG−1を使用し、目標の交絡度が得られる如くエア
ー圧、フィードローラー6とデリベリーローラー8の間
フィード比を調整した。使用した原糸物性と得られた複
合糸条の糸質及び該糸条を用いて通常の方法で撚糸後サ
イジング工程に供し、次いでデシンを製織し染色仕上げ
した織物の風合を判定した。又工程通過性として特に撚
糸、捲返し、製織性について判定し、工程通過性、風合
の面から見た総合判定を各々表1〜3に記載した。実施
例1、2は本発明の範囲内で風合、工程通過性とも良好
であった。比較例1は熱伸長マルチフィラメントのSH
Wが負で(熱伸長する)サイジングでもループが発生
し、製織でも開口が悪く工程通過性に問題があった。比
較例2は熱伸長マルチフィラメントが収縮せず布帛表面
に突出したループがなく、通常の異収縮混繊維を同じ風
合しか得られなかった。比較例3は熱伸長マルチフィラ
メントの破断伸度が40%と低いために表面タッチは、
やや粗硬で良くなかった。比較例4は熱収縮マルチフィ
ラメントの破断伸度が50%と大きいため複合糸の破断
伸度も大きく張力による斑が発生し、布でもパッカリン
グが発生した。比較例5は熱収縮マルチフィラメントの
比率(複合糸デニールに対する比率)が18%と低いた
めに、複合糸の強力が低く糸切れが発生するとともに、
風合面でもはり、腰がなく満足のいくものではなかっ
た。比較例6は逆に熱収縮フィラメント比率が90%と
大きいために布帛表面に突出する熱収縮フィラメントが
少なく、ふくらみ、バルキー感に劣ったものであった。
比較例7は交絡度が低いために糸が分離し工程通過性が
悪かった。比較例8は交絡度が130と高いために布帛
にインターレースマークと称するモアレ斑が発生した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】 D:トータルデニール Fil:フィラメント数 断面形状:△ 図3、1の三角断面、○ 丸断面 布帛風合:10名による触感官能評価による4段階評価 ◎ ソフト感、はり、腰、ドレープ感ともすべて良好 ○ ソフト感に欠ける △ ソフト感、ドレープ感に欠ける × ごわごわしている 工程通過性:織機稼動率 ◎ 98%以上 ○ 95%以上 △ 90%以上 × 90%未満 総合判定:布帛風合、工程通過性について判定 ◎ 共に良好 △ どちらか一方もしくは両方に欠点がある × どちらか一方もしくは両方が非常に悪い
【0026】実施例3〜7、比較例9〜17 極限粘度0.63ポリエチレンテレフタレートを常法に
よりホール数18の紡糸ノズルを用いて紡速および吐出
量を変更し表4の未延伸糸を得た。つづいて表5、6表
に示す条件にて混繊糸をつくり、通常の方法で製織、染
色仕上げを実施した。この間、工程通過性として延伸操
業性、リラックス熱処理操業性、製織等の後加工通過性
をまた織物風合、外観について評価した結果も合わせて
表5、6に示す。混繊糸の作成については図1に示す延
伸、リラックス、混繊機を使用した。交絡度の調製につ
いてはフィーバーガイド社製エアージェットFG−1を
使用し、エアー圧および処理張力を調製により実施し
た。実施例3〜7は本発明の範囲内で、工程通過性、織
かつ織物外観、風合いが優れたものであった。比較例9
は延伸温度がガラス転移温度(約70℃)に比べ低く、
延伸操業性に劣り、織物外観も劣るものとなった。比較
例10、11は延伸後の破断伸度が本発明外であり、比
較例10は延伸後の破断伸度が高く、延伸時に太さ斑の
発生が見られ、風合および織物外見の均一感で満足しう
るものではなかった。また比較例11は延伸後の破断伸
度が低くかつ△nも本発明外であるが、延伸操業性が悪
く、それにともない工程通過性も低下をきたした。比較
例12、13はリラックス熱処理温度が本発明外であ
り、比較例12はリラックス熱処理温度が低く自発伸長
性に欠け織物風合は満足できるものではなかった。また
比較例13はリラックス熱処理温度が高く、ドッフィン
グ停台時に溶断糸切れが発生し、織物風合も若干不満足
なものであった。比較例14、15はリラックス熱処理
時のオーバーフィード率が本発明外であり、比較例14
は自発伸長性の不足により風合が満足いくものではなか
った。比較例15はオーバーフィード率が高く、リラッ
クス熱処理操業性に低下をきたし、さらに混繊糸にルー
プが多く後加工通過性、織物風合に欠けるものであっ
た。比較例16、17は自発伸長性マルチフィラメント
と熱処理性マルチフィラメントの混繊デニール比が本発
明外であり、比較例16は熱収縮性マルチフィラメント
の比率が高く、織物のソフト感に欠けるものであった。
また比較例17は熱収縮マルチフィラメントの比率が低
く張り腰に欠けるものであった。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】Den:トータルデニール fil:フィラメント数 ◎ ○ △ × 延伸操業性:延伸糸切率 2%以下 5%以下 10%以下 11%以上リラックス 操業性:リラックス 糸切率 2%以下 5%以下 10%以下 11%以上 後工程通過性:織機稼動率 98%以上 95%以上 90%以上 90%未満 織物風合い:10名による触感官能評価による4段階評
価 ◎ ソフト感、張り、腰、ドレープ感ともすべて良好 ○ ソフト感に欠ける △ ソフト感、ドレープ感に欠ける × ごわごわしている 織物外観:検反機にて織物のイラツキ、ストリーク、そ
の他の欠点を4段階に評価した ◎ ナ シ ○ わずかに目立つ △ 目立つ × 著しく目立つ 総 合:工程操業性・通過性及び織物風合・外観の総
合的な判定 ◎ すべて良好 △ 一部欠点がある × 一部非常に悪い
【0031】
【発明の効果】このように本発明のポリエステル複合糸
条は従来の異収縮混繊維糸(熱伸長糸も含む)に比べて
ソフト、柔軟性、且つドライタッチと適度な張り、腰、
ドレープ性を有し、しかも工程通過性が優れているとい
う顕著な効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における製造装置の一例を示す略側面
図。
【図2】本発明により得られた複合糸条を熱処理して糸
長差を発現させた側面図。
【図3】本発明におけるフィラメントの単糸の断面形状
の代表例。
【符号の説明】
A:熱伸長マルチフィラメント B:熱収縮マルチフィラメント C:本発明のポリエステル複合糸条 3:ホットローラー 5:非接触ヒーター 7:エアージェットノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/34 D02J 1/00 K

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡速1500〜4000m/minで紡
    糸した未延伸糸をガラス転移温度以上で延伸して得られ
    た破断伸度が30〜45%、△n0.10〜0.14の
    ポリエステルマルチフィラメント延伸糸を非接触ヒータ
    ーにて下記〔A〕式の(1)および(2)を同時に満足
    するヒーター温度T(℃)かつ、20〜60%のオーバ
    ーフィード率でリラックス熱処理を施し、かくして得た
    下記〔B〕式を満足するポリエステルマルチフィラメン
    トAを下記〔B〕式を満足するポリエステルマルチフィ
    ラメントBとをA/B=20〜80%/80〜20%
    (デニール比)となるように合わせて交絡度20〜10
    0コ/mで交絡処理することを特徴とする織編物用潜在
    嵩高性ポリエステル複合糸条の製造法。 〔A〕75log{(D×Vy )1/2 /HL}+4.7
    (Vy )1/2 ≧ T≧25log{(D×Vy )1/2 /HL}+4.7
    (Vy )1/2 …(1) T≦Tm−10…(2) D:リラックス後デニール Vy :リラックス引取ローラー速度(m/min) HL:リラックス非接触式ヒーター長(m) Tm:融点(℃) Tg:2次転移点温度(℃) 〔B〕SHW(A)≧0%、SHD(A)≦0% SHW(B)≧0% SHD(B)−SHD(A)≧5% DE(A)≧50% SHW:熱水(100℃)収縮率(%) SHD:乾熱(160℃)収縮率(%) DE:破断伸度(%)
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JPS5493120A (en) * 1977-12-26 1979-07-24 Teijin Ltd Production of crimped yarn of self-stretching polyester
JPS6028515A (ja) * 1983-07-22 1985-02-13 Toyobo Co Ltd 複合ポリエステルフイラメント

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