JPH081018B2 - 複合材用補強材,及びその製造方法 - Google Patents

複合材用補強材,及びその製造方法

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JPH081018B2
JPH081018B2 JP61170457A JP17045786A JPH081018B2 JP H081018 B2 JPH081018 B2 JP H081018B2 JP 61170457 A JP61170457 A JP 61170457A JP 17045786 A JP17045786 A JP 17045786A JP H081018 B2 JPH081018 B2 JP H081018B2
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哲朗 広川
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敷島紡績株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は,織機により製造できる複合材用補強材,
及びその製造方法に関する。特に,宇宙飛翔体の外壁材
のような高熱にさらされる断熱材として好適な複合材用
の補強材に関する。
(従来の技術) 複合材用の補強材としては,従来よりシート状の織物
を所定の厚さまで積層したもの,あるいは糸を三次元に
配列,積層したものが使用されている。また,航空機の
ように軽量化が重視される場合は,強力が必要が方向だ
けを繊維,又は糸で補強し,できるだけ繊維含有料を少
なくする努力がなされている。米国特許第327185号に
は,このような軽量補強材が開示されている。この補強
材は,経糸と緯糸とからなる表層,裏層の2枚の織物を
両者の中間層の織物で連結したものである。中間層は表
裏層の各織物と交互に接結してジグザグ形態をとり,補
強材の縦断面に三角形状のセルが形成される。
これ以外に,現在宇宙飛翔体の外壁材に使用されてい
るものは,ハニカム構造の補強材であって,それにセラ
ミックス等の耐熱性のマトリックスを充填し,焼成した
後,必要な形状に切削したものである。
(発明が解決しようとする問題点) 宇宙飛翔体や航空機の外壁材には,本体を高熱や衝撃
から保護するため,厚さが必要であると同時に,厚さ方
向の強力が必要である。したがって,シート状織物の積
層品では各層間の剥離が起こる危険性があり,信頼性に
乏しい。糸を三次元に配列,積層した補強材では,補強
効果は大きいものの,不要な補強方向までの糸が多く含
まれ,軽量化が阻害され,さらに製造には特殊な装置が
必要である。
米国特許第3207185号に開示された補強材は,厚さが
あり,内部のセルが空間を形成して,一応は良好な補強
材である。しかし,製造の面では,中間層がジグザグ形
態であり,表裏層よりも長くなるため通常の織機では製
織できず,織前の位置を調整する特殊な巻き取り機構,
ビーティング機構を必要とする。
さらに,上記の補強材,及び現在スペースシャトルの
外壁材に使用されているようなハニカム構造材には,重
大な欠点がある。それは本体と外壁材との接合性が弱い
点である。従来,両者の接合は接着剤により行われてい
る。超高熱と衝撃が作用すると,接着力の不足,劣化の
ため脱落することがあった。接着剤の他に,何らかの機
械的接合がおこなわれれば,信頼性は一段と向上する
が,条件的にボルトなどは使用できず,改良方法が見出
されていない。この発明は,上記のような外壁材に必要
な性能を備えた複合材用補強材であり,通常の織機を用
いて連続的に製造でき,本体との接合性を飛躍的に向上
した補強材と,その製造方法を提供するものである。
(問題点を解決するための手段) この出願の第1の発明に係わる複合材用補強材は,経
糸と緯糸を用いた多層織組織の織物からなる補強材であ
り,横断面には緯糸層を隔壁とする多数のセルが形成さ
れている。さらに補強材の外面の一面,又は複数面に,
経糸又は緯糸によるループが形成された構造である。
この出願の第2の発明は,前記第1の発明の複合材用
補強材の製造方法であって,厚さ方向上下に位置する経
糸層の一部を経糸で接結し,織物の横断面において,接
結部が各緯糸層で等間隔に配置され,かつ,厚さ方向複
数列に配列するよう多層織に製織する。それと同時に補
強材の外面を構成する糸の一部でループを形成する。製
織後,厚さ方向に伸張して,各緯糸層の非接結部の間を
開き,横断面で緯糸層をジグザグ形態にすると,多数の
セルが形成され,各セル内の空間が経糸方向に連続し,
ループを表面に有する補強材が得られる。
経糸,緯糸には耐熱性を有する無機繊維,例えばアル
ミナ繊維,SiC系繊維,炭素繊維,ガラス繊維等が適す
る。
(作用) この補強材は,多層織組織内に緯糸層が経糸で接結さ
れた部分と接結されていない部分とが,それぞれ厚さ方
向に配列するように通常の織機で製織し,厚さ方向に伸
張したものである。その結果,接結部で緯糸層が屈曲し
てジグザグ形態になり,補強材の横断面には,この緯糸
層を隔壁とした多数のセルが形成される。こうして内部
に空間が得られる一方,強力を必要とする厚さ方向には
接結糸が配置されているため,充分な軽量化と補強が達
成できる。
そして,製織時には補強材の外面を構成する経糸,又
は緯糸により,その一面又は複数面にループを形成す
る。
得られた補強材に耐熱性のマトリックスを充填し,焼
成して耐熱性複合材とする。ただし,ループは外へ突出
させておく。
この構造材を宇宙飛翔体や航空機の外壁材のように,
本体へ接合して使用する場合,ループがある面を接合面
とする。本体表面に製作されたフック,あるいはピンに
各ループを引っ掛けるか,本体にもループを設け,補強
材のループとをワイヤー,ピン等で連結して取り付け
る。ここで従来同様の接着剤を併用することもできる。
また,補強材の上面,及び下面にもループを形成し,厚
さ方向に重ねて接合することも可能であり,補強材の側
面,端面にループを形成して,横方向に接合することも
できる。
(実施例) この発明の実施例を,図面を参照しながら説明する。
第1図にこの発明の実施例を示す。耐熱性複合材用補
強材(20)は,緯糸(1)(2)(3)(4)と経糸
(5)から構成されており,上面に現れる経糸(5)の
一部によりループ(9)が形成される。横断面に形成さ
れたセル(30)はほぼ四角形である。第1図のA−A
線,B−B線に沿った断面図を,それぞれ第2図,第3図
に示す。この補強材(20)は次のように製織する。緯糸
に関しては第1層(1),第2層(2),第3層
(3),第4層(4),の緯四重織である。織物の横断
面において各緯糸層は,厚さ方向上下に位置する緯糸層
と経糸により一定間隔で接結された部分を有する。すな
わち,第1の緯糸層(1)と,その下側に位置する第2
の緯糸層(2)とは一部が経糸(5)で接結される。こ
の場合接結部(13),(13)は第2図に示すような緯二
重織になり,これが横方向に等間隔で形成される。
第2の緯糸層(2)と第3の緯糸層(3)は,経糸
(5)により同様に接結される。この接結部(14),
(14)は,第1と第2の緯糸層(1),(2)の接結部
(13),(13)の中間に位置し,したがって,両者の接
結部(13)(14)の位置は相対的に横方向にずれてい
る。第3と第4の緯糸層(3),(4)の接結部(1
5),(15)は,第1と第2の緯糸層(1),(2)の
接結部(13),(13)と厚さ方向の同列に配置される。
これ以外の接結されない非接結部分(16)は,第3図
に示すような一重織である。このように各緯糸層の接結
部(13),(14),(15)と非接結部(16)は厚さ方向
同列で複数列に配列するように製織する。ただし,第1
層,及び第4層の緯糸(1)(4)は最上層と最下層で
あるため,第2層,第3層の緯糸(2)(3)に比べ接
結部は少なくなる。
一方,ループについては,経糸(5)の中から一部の
経糸を選定し,ループ(9)を製作する。これは製織時
に針金を緯糸方向に打ち込み,ループ(9)を形成し,
その後針金を除去するパイル織と同様の方法で製作す
る。ここで使用する針金は,円形断面のもの以外に,平
板状のものも含む。
このようにして得られた多層織物を厚さ方向に伸張
し,各緯糸層を非接結部で開くと,第1図に見られるよ
うに,各層の緯糸が分離した部分にセル(30)が形成さ
れる。伸張する場合は,セル(30)内にその形状に応じ
たマンドレル,又はパイプを成形具として挿入し,補強
材(20)の形態を固定する。その後成形具を除去して,
セラミックス等の耐熱性マトリックスを充填する。
第1図の実施例では,上面の中で四角形のセル(30)
の頂点にループ(9)を形成しているが,他の経糸
(5)を使用して上面の他の部分にループを設けてもよ
い。また,上面,下面の両面にループを製作することも
でき,側面や端面にも製作できる。端面にループを形成
するには,補強材の端面(横断面)において経糸を延長
し,折り返して糸端を組織内に綴込んで行う。側面にル
ープを形成する場合は,有杼織機を使用し,緯糸の折り
返し部をループとする。
第1図の実施例では,非接結部(16)が平織である
が,綾織,朱子織なども適用でき接結部(13),(1
4),(15)においても同様の変化が可能である。ま
た,各緯糸層は緯糸一重だけでなく,多重にしてもよ
い。さらに,経糸,緯糸の密度,太さ,材質は必要な性
能に応じて,全体又は部分的に変更してもよい。また,
経糸を接結部だけに配し,他は緯糸のみで構成すること
により,更に軽量化を計ることもできる。同様にループ
についても本数,大きさ,分布度合を目的に合致するよ
う決定する。
(発明の効果) 本発明の複合材用補強材は,上下面及び途中の横断面
で緯糸層がジグサグ形態で複数層に亘って配置してあ
り、しかも、各層間にはセルが多数等間隔に形成され、
それらのセルは厚さ方向に複数層あり、この構成によっ
て、補強材の厚さ方向の緯糸含有量を減少させることが
でき、軽量化が図れると共に、ジグザグ形態の緯糸層と
これに交差して織込まれた経糸とによって、補強材に作
用する外力に対し、あらゆる方向に強さを発揮させるこ
とができ、しかも、各緯糸層は経糸によって等間隔に接
結してあるため、接結部における経糸の重複を避けて軽
量化できると共に、層間剥離を防止させることもでき、
さらに、補強材の外面の一面又は複数面にループが形成
してあるため、宇宙飛翔体の外壁材とした場合、本体へ
の接合を容易にし、かつ、強固な接合を行わせることが
できる。
このように、本発明に係る耐熱性複合材用補強材は、
横断面にセルが形成された構造であるが,経糸と緯糸を
用いて,その組織に工夫を凝らすことにより,多層織の
織物と同様に製織できる。したがって,従来使用されて
いる通常の織機により連続的に製造でき,生産性も高
く,外面のループも従来のパイル織方法で容易に形成さ
れる。そのループによって宇宙飛翔体や航空機の外壁材
として,本体との強固な機械的接合が達成でき,接合不
良や脱落など従来避けがたかった欠点は解消される。ま
た,織機の綜絖枚数,綜絖運動,オサを変更すると,補
強材の厚さ,セルの大きさは各種のものが得られ,必要
な条件に最適な補強材が容易に製造できる。
このように,従来よりも著しく優れた特性を有する補
強材である。
【図面の簡単な説明】 第1図……この発明の実施例を示す横断面図 第2図……第1図のA−A線に沿った断面図 第3図……第1図のB−B線に沿った断面図 (1)(2)(3)(4)……緯糸 (5)……経糸、(9)……ループ (13)(14)(15)……接結部 (16)……非接結部、(30)……セル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】経糸と緯糸とで織成され厚さ方向に複数層
    に配列された多層織組織の織物からなる補強材におい
    て、 織物の厚さ方向上下に位置する緯糸層が等間隔で経糸に
    よって厚さ方向に接結され、厚さ方向に伸張した際、各
    緯糸層がジグザグ形態をとりながら、各接結部間に、各
    緯糸層を隔壁とし、かつ、経糸方向に連続し、厚さ方向
    に複数層に亘って形成されたセルを有し、しかも、補強
    材外面の一面、又は複数面に、織物を構成する糸の一部
    を引き出して形成したループを有することを特徴とする
    複合材用補強材。
  2. 【請求項2】ループが経糸により形成されていることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の複合材用補強
    材。
  3. 【請求項3】ループが緯糸により形成されていることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の複合材用補強
    材。
  4. 【請求項4】ループが上面、又は上下面に形成されてい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の複合材
    用補強材。
  5. 【請求項5】経糸と緯糸とで織成され厚さ方向に複数層
    に配列された多層織組織の織物からなる補強材を製造す
    るにあたり、 (a)織物の厚さ方向上下に位置する緯糸層を経糸で接
    結すること、 (b)接結部は織物の横断面にて各緯糸層に等間隔で配
    置し、かつ、厚さ方向に複数列、配列すること、 (c)織物を構成する糸の一部で、織物の外面の一面又
    は複数面にループを形成すること、 (d)織物を製織後、各緯糸層の非接結部の間を開き、
    補強材の横断面で緯糸層をジグザグ形態とし、多数のセ
    ルを形成すること、 を特徴とする複合材用補強材の製造方法。
  6. 【請求項6】製織時に針金を緯糸方向に打ち込み、その
    後、針金を抜去り、外面に現われる経糸によってループ
    を形成することを特徴とする特許請求の範囲第5項記載
    の複合材用補強材の製造方法。
  7. 【請求項7】上面、又は上下面の経糸でループを形成す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第5項記載の複合材
    用補強材の製造方法。
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