JPH0810588B2 - 電気化学電池 - Google Patents

電気化学電池

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JPH0810588B2
JPH0810588B2 JP1320382A JP32038289A JPH0810588B2 JP H0810588 B2 JPH0810588 B2 JP H0810588B2 JP 1320382 A JP1320382 A JP 1320382A JP 32038289 A JP32038289 A JP 32038289A JP H0810588 B2 JPH0810588 B2 JP H0810588B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は概括的には電気化学電池に係る。更に詳細に
は、本発明は高温電気化学電池用のカソード、アノード
からセパレータによって分離された該カソードを含む高
温電気化学電池、及びカソードの充電/放電サイクリン
グの反復に関連して生じるカソード容量の漸進的な低下
に対する抵抗性をカソードに与える方法に係る。
本発明の一態様によれば、再充電が可能な高温電気化
学電池(high temperature rechafgeable electrochemi
cal cell)用カソードが提供され、このカソードは、塩
化物イオンを含み且つカソードの操作温度で溶融するハ
ロゲン化ナトリウムアルミニウム溶融塩液体電解質で含
浸された、電子伝導性電解質が浸透可能な(electronic
ally conductive electrolyte−permeable)巨視的に多
孔性のマトリックスから成り、このマトリックスはその
活性なカソード物質としてマトリックス中に分散された
塩素化ニッケル含有物質を有し、かつカソードの充電/
放電サイクリングの反復に伴なって生じる漸進的なカソ
ード容量の低下を阻止するために、バナジウム、モリブ
デン、タングステン、白金、パラジウム及びニオブから
選択した遷移金属である適切なドープ剤(dopant)が、
活性カソード物質内のドープ剤としてカソード内の電気
化学的に活性なニッケルの0.1〜10質量%の割合で分散
される。
「適切な」という術語は、このカソードの操作温度で
は、遷移金属ドープ剤が溶融塩電解質と有害な形で化学
反応せず、及び、このカソードが使用される電池内でア
ノードからカソードを分離するよう意図されたどんなセ
パレータとも前記ドープ剤が適合し且つ有害な化学反応
をしないことを意味する。適切な遷移金属ドープ剤は、
バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン
(W)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)又はニオブ(N
b)である。
該ドープ剤の或るものはNi/NiCl2カソードの開路電圧
より低い電圧で充電する間に塩素化されるであろうし、
一方、その他のものは充電の間に塩素化されないであろ
う。例えば、Vが使用される場合には、Ni/NiCl2カソー
ドの開路電圧2.6Vよりも低い電圧である。1.8V及び2.3V
で本発明のカソードを充電する間に、VCl2及びVCl3が夫
々生じるということを本出願人が行った試験が明らかに
しているように、Vはカソード中で電気化学的に活性で
あり得る。一方、MoCl2は約3.1Vで生じ、又WCl2は約2.8
Vで生じ、従ってMo及びW、更にPt、Pd及びNbはカソー
ド内で不活性である。しかし、たとえ遷移金属ドープ剤
が活性であっても、このドープ剤の働きがNi/NiCl2カソ
ード容量の損失を減少させることであるが故に、このド
ープ剤によるカソード容量に対する影響は全く無視でき
ることになろうし、また容量の見地からすれば無視でき
るほど小さい割合でしかドープ剤が使用されない。
従って、適切なドープ剤は、カソード充電の間に塩素
化されないもの及び安定な高融点塩化物を形成するVの
ようなものを含み、NaCl/VCl2及びNaCl/VCl3共融混合物
(eutectics)は夫々約680℃及び約450℃の融点を有
し、これらの融点は両方とも通常のカソード操作温度28
0〜300℃を問題なく上回っている。
低い共融混合物融点は結果的に液体電解質中の塩素化
ドープ剤の溶解及び活性カソード物質からのドープ剤の
浸出を起こすので、こうした低い共融混合物融点はドー
プ剤の有用性を消失させるものである。更に、液体電解
質中に溶解したドープ剤は、ナトリウムアノードからカ
ソードを分離するために電池内で使用し得るβ−アルミ
ナβ″−アルミナのような固体電解質セパレータすべて
に対して損害を与える可能性がある。更に、カソード操
作温度においては、高い蒸気圧と結び付く低融点を前記
セパレータに損害を与え及び電池シーリングの問題を引
き起こす可能性があるので望ましくない。
カソード充電の間に生じるドープ剤遷移金属の塩化物
はいずれも、少なくとも300℃の、更に好ましくは少な
くとも350℃の融点を持つ、NaClとの共融混合物を形成
することが好ましい。特に、こうしたドープ剤はバナジ
ウム、モリブデン、タングステン、白金及びパラジウム
から成る遷移金属のグループから選択され得、かつ電気
化学的に活性なニッケルの1〜5質量%の割合で存在し
得る。
活性なカソード物質はNiCl2自体、既に塩素化された
1種以上のニッケル化合物、又はこの両者の組み合わせ
を含んでよい。又は、マトリックスはニッケルを含まな
い材料から成ってもよく、及び活性なカソード物質は塩
素化によって既に活性化された、例えばニッケルの炭化
物、窒化物、リン化物、ホウ化物又はケイ化物のような
ニッケルの中間耐熱性硬質金属化合物(intermediate r
efractory hard metal compound)から成ってもよい。
活性なカソード物質を形成するために塩素化されるニッ
ケルは、鉄、クロム、コバルト及びマンガンから成るグ
ループの中の少なくとも1つの低モル比の金属と合金化
されてもよい。これらの合金又は単独で使用される場合
のニッケル自体は、リン、ホウ素、ケイ素、窒素及び炭
素から成るグループの中の少なくとも1つを低モル比で
含んでもよい。
従って、活性なカソード物質は次のものから成る、塩
素化されたニッケルを含有する物質のグループから選択
し得る。
−NiCl2、 −鉄、クロム、コバルト、マンガン及びその混合物から
成るグループから選択された少なくとも1つの低モル比
の金属と合金化されたニッケルをモル基準の大きな比率
で含む合金の塩化物、 −炭素、窒素、リン、ホウ素及びケイ素から成るグルー
プから選択される少なくとも1つの非金属とニッケルと
の中間耐熱性硬質金属化合物、並びに、 −前記物質の少なくとも2つの混合物。
本発明の特定の実施態様では、活性なカソード物質は
NiCl2であり得、そのマトリックスはニッケルであり得
る。
上記のようにニッケルを含有する活性なカソード物質
は、カソード物質中の活性ニッケルを基準として、0.1
〜10質量%の、好ましくは1〜5質量%の遷移金属ドー
プ剤を含む。この特定の遷移金属ドープ剤の割合は前記
カソード中の電気化学的に活性なNi即ち、充電通に塩素
化されるNi又は充電中に塩素化される化合物、合金若し
くは物質の一部を形成するNiの量を基準とすることが強
調されなければならない。ドープ剤の割合を決定する際
には、ニッケルカソード集電体のために使用され得るニ
ッケル又は充電中に何ら意味のある程度に塩素化されな
いニッケルのような電気化学的に不活性なニッケルは無
視される。
V、Mo、W、Pd及びPtは良好な試験結果をもたらし、
許容範囲内の低蒸気圧を有し、及び電池環境内で使用さ
れる電解質又は電池セパレータとの許容し難い化学反応
を全く示さないが故に、これらの金属は本出願人にとっ
て好ましい遷移金属ドープ剤であるが、一方、化学的及
び電気化学的に考慮した場合、Ti、Sn及びPbはその不適
切に低い融点及び/又は不適切に高い蒸気圧のために有
望であるとは考えられない。
本発明の別の態様によれば、上記のようなカソード
と;電池の操作温度において液体であるナトリウムアノ
ードと;カソード外面と接触しており且つそのカソード
のマトリックスの中に含浸される液体電解質と同一の組
成を有するハロゲン化アルミニウムナトウリム溶融塩液
体電解質と;並びにアノードと電解質との間にあって電
解質からアノードを分離する、ナトリウムイオンの固体
導電体又は内部に吸着されたナトリウムを含むミクロ分
子篩であるセパレータとから成る高温で再充電可能な電
気化学電池が提供される。
「分離」という用語は、アノードから電解質へまたは
その逆方向に移動するイオン性ナトリウム若しくは金属
ナトリウムが、前記固体導電体の内部構造を通過できる
か又は前記篩の微細孔内部を通過でき、場合によって
は、使用中の前記アノードと電解質は溶融しておりかつ
セパレータの反対側の面に接触しているということを意
味する。
更に、本発明によれば、塩化物イオンを含み且つカソ
ードの操作温度で溶融するハロゲン且アルミニウムナト
リウム溶融塩液体電解質で含浸され、かつ活性なカソー
ド物質として内部に分散された塩素化ニッケル含有物質
をもつ、電子伝導性電解質が浸透可能な巨視的に多孔性
のマトリックスから成るカソードの製造においてカソー
ドの充電/放電サイクリングの反復に伴なって生じる漸
進的な容量低下に対する抵抗性をカソードに付与する方
法が本発明によって提供され、この方法は、ドープ剤が
活性なカソード物質内に分散され且つカソード内の電気
化学的に活性なニッケルの0.1〜10質量%の割合でドー
プ剤が存在するように、V、Mo、W、Pt、Pd及びNbから
選択された遷移金属ドープ剤で活性なカソード物質をド
ープ(doping)することを包含する。
固体として加えられるドープ剤は非常に微細に分割さ
れた形状であること、例えば最大でも(at most)10ミ
クロンの平均粒径しか有さない形状であることが好まし
い。ドープ剤遷移金属を通常は遷移金属自体又はその塩
化物としてカソードに加えるが、一方、最初の充電サイ
クルの間にカソード内で遷移金属に化学的に又は電気化
学的に還元されるあらゆる遷移金属の化合物又は塩とし
て、このドープ剤遷移金属をカソードに加えることも可
能である。例えば、ドープ剤金属の酸化物、硫化物又は
セレン化物のようなカルコゲン化合物がドープ剤として
使用可能である。このドープ処理によって、該遷移金属
がカソード内に生じ、かつ同時に酸素、硫黄又はセレン
からなるカルコゲン化合物の還元反応生成物も生じる。
もちろん、ドープ剤が化合物又は塩の場合は、こうした
ドープ剤はそれがカソード環境に化学的及び電気化学的
に適合しかつカソード内で無害の塩化物もしくは酸化物
を生成するように、又は有益であり得る硫化物もしくは
セレン化物のような還元反応物を生成するように選択さ
れるべきである。
適切には、電解質は、その電解質中のナトリウム及び
アルミニウムの割合に応じて約150℃以下の融点を有す
ることが可能でありかつその組成に応じてその電解質中
で活性なカソード物質が実質的に不溶性であることが可
能な塩化アルミニウムナトリウム溶融塩電解質である。
この電解質は、塩化ナトリウム以外のアルカリ金属ハロ
ゲン化物を、約20質量%までの低い割合で、通常はそれ
より少ない割合で含んでもよい。このハロゲン化物はフ
ッ化アルカリ金属から成ってもよい。しかし、電解質構
成成分の割合は、電解質中の活性なカソード物質の溶解
性が最小に保たれるように選択されるべきである。
(上述されたような別のハロゲン化アルカリ金属を含
むことが可能な)塩化アルミニウムナトリウム電解質中
における活性なカソード物質の最小の溶解度は、ハロゲ
ン化アルカリ金属対ハロゲン化アルミニウムのモル比が
約1:1である時に生じ、従って、前記アルカリ金属イオ
ン、アルミニウムイオン及びハロゲン化物イオンの相対
量は化学量論的生成物MA1X4と実質的に一致するという
ことを、本出願人は発見している。なお、MA1X4中、M
はアルカリ金属カチオンを表し、Xはハロゲン化物イオ
ンを表す。この1:1のモル比は、カソードか完全に充電
された時に液体電解質と接触している固体NaClを少なく
とも幾らか存在させることによって、すべての充電状態
の間、容易に維持される。
遷移金属ハロゲン化物以外に、例えば、溶融電解室内
でイオン化して電解質の電解作用に影響を及ぼすイオン
を与える物質のような他のハロゲン化金属ドープ剤が電
解室内に僅かな割合で含まれてもよいが、その特性及び
量は、MA1X4生成物中に維持される塩化アルミニウムナ
トリウム電解質のような電解質の本質的な特徴を変化さ
せるものであってはならない。
電池がナトリウムイオンの固体導電体を含む時には、
前記固体導電体は例えばβ″−アルミナ又はナシコン
(nasicon)のようなβ−アルミナであってもよく、こ
の場合には、ナトリウムが液体電解質中に存在する唯一
のアルカリ金属でなければならない。
あるいは、電池がミクロ分子篩担体を含む時には、ナ
トリウムがこの担体を通して移動するメカニズムに応じ
て、この担体をナトリウム金属及び/又はナトリウムイ
オンの導電体と見なすことが可能である。
用語「ミクロ分子篩」は、その内部に相互に連結され
た空洞及び/又は溝を有し、並びに前記空洞及び溝に至
るその表面内に穴(window)及び/又は孔を有する分子
篩を意味し、この穴、孔、空洞及び/又は溝は50オング
ストローム以下の大きさ、好ましくは20オングストロー
ム未満の大きさを有する。これらの孔の大きさはカソー
ドの多孔性マトリックスの孔の大きさと対照的であり、
多孔性マトリックスの孔はこれらの孔よりも少なくとも
2桁以上大きく、典型的には3〜4桁大きい。
適切なミクロ分子篩は鉱物ミクロ分子篩であり、即
ち、例えばゼオライト13X、3A、4A及びそれに類するも
ののようなテクトケイ酸塩の如き無機格子又はフレーム
構造であるが、事態によっては、包接化合物のような本
質的に有機のミクロ分子篩の幾つかが適する場合もあ
る。
カソード物質はニッケル全体に均一に分散されること
が好ましい。好ましくは活性なカソード物質の大きな粒
子又は厚い層が存在しないように、及び好ましくは例え
ばマトリックスの大きさ孔の中で集電体として作用する
マトリックス材料と活性なカソード物質との間に過剰な
間隙が生じることによりマトリックス材料から物理的に
離間するような活性なカソード物質がないように、活性
なカソード物質は微細に分割された粒子の形状であって
もよく及び/又は小さな粒子若しくは薄層としてマトリ
ックスに付着してもよい。言い換えれば、活性なカソー
ド物質はマトリックス材料に可能な限り接近し又はそれ
に付着すべきであり、マトリックスの多孔度及び本発明
に必要とされるカソード物質の量と両立する限りにおい
て、可能な限り薄く分散されるべきである。活性なカソ
ード物質の大きな粒子又は厚い層は、電池が作動するの
を妨げないであろうが、全く効果のないものであって、
マトリックス材料から離間した活性なカソード物質は単
に役立たないものにすぎない。
本発明のカソードは、電子伝導性電解質が浸透可能な
マトリックスを形成することと、そのマトリックスの多
孔性内部を電解質で含浸することと、及びマトリックス
内部に活性なカソード物質を分散させることによって作
ることが可能であり、例えば多孔性ニッケルマトリック
スを形成すること及びマトリックス内に懸濁された微細
に分割されたNaClを含む液体電解質でマトリックスを含
浸し、放電状態のカソードを形成することによって作る
ことが可能であり、この場合には減圧下でニッケル粉末
を焼結することによってマトリックスを予め形成するこ
とが可能である。あるいは、微細に分割された粉末の形
態のNaClを焼結前にニッケル粉末と混合することが可能
であり、その後で液体電解質による含浸が行われる。両
方の場合とも、ドープ剤を微細に分割された粉末の形態
で焼結前にニッケル粉末に加えることが可能である。
さらに、ニッケル、NaCl及びドープ剤の粉末合剤を形
成することと、及びこの粉末合剤を液体電解質で含浸す
ることとによってカソードを作ることが可能であり、こ
の場合には、マトリックスはナトリウムアノードを備え
た電池内での充電/放電サイクリングによって、この含
浸された粉末合剤から電気化学的に形成される。
液体電解質がマトリックス内に含浸される時には、そ
のかわりに又はそれに加えて、電解質中に懸濁された微
細に分割された形態でドープ剤をマトリックスの中に入
れることが可能である。
このように、本発明の方法に従って、マトリックスを
活性なカソード物質又はその前駆体を粉末の形態で含む
粉末合剤から形成してもよく、この方法では、遷移金属
ドープ剤又は適切なその化合物を、最大で10ミクロンの
平均粒径を有する微細に分割された粉末の形態で、マト
リックスの形成前の粉末合剤内に分散させ、粉末合剤か
らマトリックスを形成することにより、活性なカソード
物質が内部に分散し且つドープ剤が活性なカソード物質
の中に分散したマトリックスとなる。そのかわりに又は
それに加えて、マトリックス形成後に液体電解質をマト
リックスの中に含浸する時には、マトリックス内への電
解質の含浸前に、最大で10ミクロンの平均粒径を有する
微細に分割された粉末の形態のドープ剤遷移金属又はそ
の適切な化合物を液体電解質の中に分散させその後含浸
することによって、ドープ剤を活性なカソード物質の中
に分散してもよく、それによって、カソードの連続的な
充電/放電サイクリングの間に、ドープ剤遷移金属が活
性カソード物質内に分散された形態で取り込まれるよう
になる。
本発明のカソードを製造する適切な方法は、例えば、
減圧されたH2のような雰囲気の下で、Ni及びNaClと共
に、適切な遷移金属ドープ剤粉末合剤を焼結することか
らなり、この粉末合剤はニッケルガーゼのようなニッケ
ル集電体の周囲に圧縮成形されることが好ましい。これ
によって、ニッケル集電体と電子的に接触しておりかつ
ドープ剤及びNaClを含む多孔性ニッケル金属マトリック
スが製造され、前記NaClは本発明のカソードの放電によ
って製造される反応生成物である。その後で、この多孔
性マトリックスを、放電状態の本発明のカソードに電気
化学的に等しいものを作り出すために、上記のようにこ
の中に分散された微細に分割されたドープ剤を場合によ
り含む液体電解質で含浸することが可能である。
マトリックスを、遷移金属ドープ剤と共に、上記のよ
うにAlCl3とNaClとのモル比が好ましくは1:1であるNaAl
Cl4液体電解質で含浸する。この電解質をマトリックス
の中に含浸する前に、必要であれば、遷移金属ドープ剤
をその溶融液体電解質内に分散された微細に分割された
粉末としてカソード内に入れてもよい。同様に、本発明
の電池の中の電解質はマトリックスの外側にあり、カソ
ードと接触しており、かつカソードとセパレータとの間
にあるが、この電解質は、その電解質中に分散された微
細に分割された遷移金属ドープ剤硫化物又はセレン化物
を同一の比率又は濃度で有していてもよい。
以下の非限定的な実施例および添付の図面を参照し
て、本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 1つの対照電池及び3の本発明電池から成る4つの電
池を作製した。各々の場合、粒径2〜5ミクロンのニッ
ケル粉末116g(International Nickel Company Limi
tedから入手可能なInco Ni grade 255ニッケル)を粒径
53ミクロンのNaCl80gとともに均一に混合した。各々の
場合、この混合物をセントラルニッケルガーゼ集電体を
含む多孔モールドの中に注ぎ、更に790℃で30分間、減
圧された水素雰囲気の下で焼結して焼結多孔性ニッケル
マトリックスを形成し、その後で、NaCl及びAlCl3の等
モル混合である溶融NaAlCl4を用いてこのマトリックス
を真空含浸した。
こうして形成した加工物は放電状態のカソードと電気
化学的に等しく、この加工物を、溶融Naアノードと、
(NaClとAlCl3が等モルである)溶融NaAlCl4液体電解質
と、液体電解質とアノードとを分離するβ″−アルミナ
固体電解質セパレータとを有する試験電池の中にカソー
ドとして組み込んだ。
本発明によらない対照電池はそのカソード内にドープ
剤を含まなかった。本発明の電池の1つは、焼結前にNi
/NaCl粉末に加えられた平均粒径5〜10ミクロンのV粉
末を有した。本発明の電池の別の1つは、同様に加えら
れた平均粒径5〜10ミクロンのMo粉末を有した。第4の
本発明の電池は同様にドープ剤として平均粒径5〜10ミ
クロンのW粉末を用いた。各々の場合に、4gのドープ剤
が使用され、即ち、ドープ剤の量は使用されたニッケル
粉末の4質量%を僅かに下回るものだった。
第1図は、本発明の典型的な試験電池の概略的な説明
図である。この電池はアルゴン雰囲気下で組立られたも
のであり、全体的に照合番号10によって図面に示され
る。電池は、溶融塩液体電解質及びカソードから電池の
ナトリウムアノード14を分離し絶縁するβ″−アルミナ
固体電解質12から成る。カソード16は電解質によって含
浸されかつ取り囲まれ、電解質はβ″−アルミナ固体電
解質セパレータ12と接触している。アノード14及びカソ
ード16の各々を適切な集電体18及び20と共に示し、β″
−アルミナセパレータ12を、電池ハウジング22内でカソ
ード/電解質16とアノード14との間に連続障壁を形成す
るように配置する。
対照電池並びにMo及びWカソードドープ剤を有する電
池を290〜300℃の操作温度に加熱し、充電によってそれ
を活性化した後、充電/放電によって充放電を繰り返し
た。
充電の間に、これらの電池を電流2A(セパレータにお
ける電流密度10mA/cm2に相当)で充電し、及び4A(20mA
/cm2)で放電した。対照電池に関しては最初の15サイク
ルについての及びMo及びWドープ剤を有する各電池に関
しては最初の20サイクルについての、サイクル数に対す
る電池容量(Ahr)のプロット図を第2図に示す。第2
図では、対照電池をプロットNo.1で示し、Moドープ剤を
有する電池をプロットNo.2で示し、及びWドープ剤を有
する電池をプロットNo.3で示す。プロットNo.1は、15サ
イクル後に対照電池が容量の劇的な損失を被ったことを
示している。これとは対照的に、プロットNo.2及びNo.3
は、Mo及びWでドープされたカソードは20サイクル後も
理論容量(この理論容量は36.69Ahrだった)の約90%を
保持する電池を与えたことを示す。
Vでドープされたカソードを有する電池を操作温度
(280℃まで加熱し、1A充電電流(5mA/cm2)及び2A放電
電流(10mA/cm2)を使用して270〜280℃で充放電を繰り
返した。第3図は、18サイクルの間におけるサイクル数
に対する電池容量(Ahr)のプロット図を示し、この図
は、18サイクル後にこのカソードも電池内で理論容量
(36.69Ahr)の約90%を保持したことを示す。第4図
は、18番目の充電/放電サイクルにおける電池電圧
(V)対容量(Ahr)のプロット図である。
実施例2 Pt及びPdの各々を2つの試験電池にドープ剤として使
用して、実施例1を繰り返した。第5図はこれらの試験
電池に関する第2図と同様なプロット図を示す。これら
の試験電池は、20サイクルの後における充電/放電サイ
クリングに伴う容量損失が生じたとしても非常に少ない
もものであることを示し、プロットNo.4はPtについて
の、プロットNo.5はPdについてのプロットである。
実施例3 管状セパレータ及び円筒形ハウジングを使用して生産
電池を製造したが、この電池は、実施例1の場合と同一
の方法で製造したカソードを有し、及びMoをドープ剤と
して使用した。290〜300℃の温度において、充電及び放
電の各々の間にセパレータに実施例1の電池と本質的に
同一の電流密度(即ち、充電の間は10mA/cm2、放電の間
は20mA/cm2)を用いて、この電池を20回の充電/放電サ
イクルに置いた。
第6図は、その最初の20サイクル間の、サイクル数に
対する容量(理論容量の%として)及び内部抵抗(ミリ
オームズ)のプロット図である。これらのプロットは、
夫々、前記20サイクルを越えると容量が僅かに増大する
こと及び内部抵抗が実質的に一定であることを示し、更
に、ドープ剤がサイクリングによって生じる容量低下を
阻止すると同時に、セパレータを傷めることもなく、
又、他のどんな形でも内部抵抗に悪影響をもたらすこと
がないことを示している。
明らかに上記の実施例は、該遷移金属ドープ剤の使用
が対照電池内で生じるカソード容量の劇的な低下を根本
的に阻止することを示す。理論的拘束を受けることな
く、本出願人は、Ni/NiCl2活性カソード物質内の粒子の
又は微結晶の境界において潜在的な結晶成長位置をドー
プ剤が占めることによって、本発明が解決しようと努め
るカソード容量の漸進的低下に関連する漸進的な微結晶
成長を阻止するようにドープ剤が作用すると考える。
以上において、本発明をV、Mo、W、Pt、Pd及びNbか
ら選択した遷移金属であるドープ剤を低い割合で用い
る、ニッケルベースのカソード活性物質のドーピングに
関連して説明してきた。
本出願人がその後に行った研究から、活性なカソード
物質が、塩素化された、鉄を含む、クロムを含む、コバ
ルトを含む又はマンガンを含む物質である時にも、同様
の結果を得ることが可能であり、充電/放電サイクリン
グの反復に関連するカソード容量の漸進的低下がそれに
よって阻止されると信じるに足る根拠を本出願人は得て
いる。
従って、本発明は上記のカソード、電池及び方法にま
で及び、そのカソード活性物質は鉄を含む、クロムを含
む、コバルトを含む又はマンガンを含む物質から成るグ
ループの1つの物質の塩化物であり、及び,そのドープ
剤はV、Mo、W、Pt、Pd及びNbから選択した遷移金属で
あり、そのドーピングはニッケルベースのカソードに関
して上述したドーピングと実質的に類似した方法で行な
われ得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の電池の概略図である。 第2図〜第6図は実施例で説明する電池の様々な動作特
性のプロット図である。 10……電池、12……β″−アルミナ固体電解質、14……
ナトリウムアノード、16……カソード、18,20……集電
体、22……電池ハウジング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウオルター・ジヨージ・バグデン イギリス国、ノツテインガム・エヌ・ジ ー・8・1・ジー・ジー、ウオーラトン、 カクスメヤー・ドライブ・9 (72)発明者 アンソニー・エイトン・メインジエス 南アフリカ共和国、トランスバール・プロ ビンス、プレトリア、リンウツド・グレ ン、フロレスタ・ストリート・61

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再充電可能な高温電気化学電池用のカソー
    ドであって、塩化物イオンを含み且つカソードの操作温
    度で溶融するハロゲン化アルミニウムナトリウム溶融塩
    液体電解質で含浸された、電子伝導性電解質が浸透可能
    な巨視的に多孔性のマトリックスから成り、前記マトリ
    ックスが活性なカソード物質としてそのマトリックス中
    に分散された塩素化ニッケル含有物質を有し、かつ前記
    カソードの充電/放電サイクリングの反復に伴なって生
    じる漸進的なカソード容量の低下を阻止するために、バ
    ナジウム、モリブデン、タングステン、白金、パラジウ
    ム及びニオブからなる群から選択した遷移金属を前記活
    性なカソード物質中にドープ剤として前記カソード内の
    電気化学的に活性なニッケルの0.1〜10質量%の割合で
    分散させたカソード。
  2. 【請求項2】カソードの充電の間に生じるドープ剤遷移
    金属の塩化物のいずれもが、NaClと少なくとも300℃の
    融点を持つ共融混合物を形成する請求項1に記載のカソ
    ード。
  3. 【請求項3】ドープ剤を電気化学的に活性なニッケルの
    1〜5質量%の割合で存在させる請求項1又は2に記載
    のカソード。
  4. 【請求項4】活性なカソード物質を、 NiCl2; 鉄、クロム、コバルト、マンガン及びその混合物から成
    るグループから選択した少なくとも1つの金属を低モル
    比で、合金化されるニッケルをモル基準の大きな比率で
    含む合金の塩化物; 炭素、窒素、リン、ホウ素及びケイ素からなるグループ
    から選択する少なくとも1つの非金属とニッケルとの中
    間耐熱性硬質金属化合物;及び 前記物質の少なくとも2つの混合物 から成る塩素化ニッケル含有物質のグループから選択す
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載のカソード。
  5. 【請求項5】活性なカソード物質がNiCl2であり、及び
    マトリックスがニッケルである請求項4に記載のカソー
    ド。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか一項に記載のカソ
    ードと、電池の操作温度において液体であるナトリウム
    アノードと、カソードの外面と接触しており且つカソー
    ドのマトリックス中に含浸される液体電解質と同一の組
    成を有するハロゲン化アルミニウムナトリウム溶融塩液
    体電解質と、並びアノードと電解質との間にあって電解
    質とアノードとを分離しかつナリトウムイオンの固体電
    解質導電体であるか又は内部に吸着されたナリトウムを
    含むミクロ分子篩であるセパレータとから成る再充電可
    能な高温電気化学電池。
  7. 【請求項7】塩化物イオンを含み且つカソードの操作温
    度で溶融するハロゲン化アルミニウムナトリウム溶融塩
    液体電解質で含浸された、電子伝導性電解質が浸透可能
    な巨視的に多孔性のマトリックスから成り、前記マトリ
    ックスが活性なカソード物質としてマトリックス中に分
    散された塩素化ニッケル含有物質を有する、再充電可能
    な高温電気化学電池のカソードに、カソードの充電/放
    電サイクルの反復に伴なって生じる漸進的な容量低下に
    対する抵抗性を付与する方法であって、バナジウム、モ
    リブデン、タングステン、白金、パラジウム及びニオブ
    からなる群から選択した遷移金属ドープ剤で活性なカソ
    ード物質をドープすることにより、カソード内の電気化
    学的に活性なニッケルの0.1〜10質量%のドープ剤を活
    性なカソード物質内に分散させることを特徴とする方
    法。
  8. 【請求項8】活性なカソード物質間又はその前駆体を粉
    末の形態で含む粉合剤を形成し、最大で10ミクロンの平
    均粒径を有する微細に分割された粉末の形態の遷移金属
    ドープ剤又は適切なその化合物をマトリックス形成前の
    粉末合剤中に分散させ、次いで粉末合剤からマトリック
    スを形成することにより活性なカソード物質が内部に分
    散しかつドープ剤が活性なカソード物質の中に分散した
    マトリックスを得ることを特徴とする請求項7に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】マトリックス形成後に液体電解質をマトリ
    ックス中に含浸させるが、前記マトリックス中に前記電
    解質を含浸させる前に、最大で10ミクロンの平均粒径を
    有する微細に分割された粉末の形態でドープ剤遷移金属
    又はその適切な化合物を前記液体電解質の中に分散させ
    ることによって、前記ドープ剤を活性なカソード物質の
    中に分散させ、カソードの連続的な充電/放電サイクリ
    ングの間に、前記ドープ剤遷移金属が前記活性なカソー
    ド物質内に分散された形で取り込まれるようにする請求
    項7又は8に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記ドープ剤粉末を、金属形態の前記遷
    移金属ドープ剤及び前記遷移金属ドープ剤の塩化物から
    成るグループから選択する請求項8又は9に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】ドープ剤粉末が遷移金属硫化物、セレン
    化物及び酸化物から選択する化合物である請求項8又は
    9に記載の方法。
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