JPH08109127A - アルドースレダクターゼ阻害剤 - Google Patents

アルドースレダクターゼ阻害剤

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JPH08109127A
JPH08109127A JP6224568A JP22456894A JPH08109127A JP H08109127 A JPH08109127 A JP H08109127A JP 6224568 A JP6224568 A JP 6224568A JP 22456894 A JP22456894 A JP 22456894A JP H08109127 A JPH08109127 A JP H08109127A
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reductase inhibitor
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隆 木村
Munehiko Donpou
宗彦 鈍寳
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中島  宏
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記の一般式(1)で示されるサーモルビン
誘導体を有効成分として含有するアルドースレダクター
ゼ阻害剤。 〔式中Rは低級アルキル基、低級アルコキシル基、低
級アルケニル基、ベンジン基、Rは水素原子、ハロゲ
ン原子、水酸基、アミノ基、1級アドミ基等を表し、ま
た、R、Rは低級アルキル基、低級アルコキシル
基、低級アルケニル基、ベンジル基とエステル結合もし
くはアミド結合をしてもよいカルボキシル基を表し、R
は低級アルキル基、低級アルコキシル基、水素原子、
ハロゲン原子、水酸基、アミノ基等を表し、Xは酸素原
子又は窒素原子(低級アルキル基で置換されていてもよ
い)を表す。〕 【効果】 安全性に優れ、かつ、強いアルドースレダク
ターゼ阻害活性を有しており、糖尿病性合併症の予防、
治療薬として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルドースレダクターゼ
阻害剤に関するものであり、さらには、糖尿病性白内
障、糖尿病性網膜症、糖尿病性角膜症、糖尿病性腎疾
患、糖尿病性神経症等の糖尿病性合併症の予防及び治療
に有用なアルドースレダクターゼ阻害剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】糖尿病のような高血糖状態では、アルド
ースレダクターゼ活性の亢進によりポリオール系での代
謝が促進され、ソルビトール、ガラクチトール、フラク
トースの異常蓄積を助長する。また、これらのソルビト
ール、ガラクチトール、フラクトースは細胞内で比較的
安定で、一度生成されると細胞外への移行はほとんど認
められないので、細胞内に蓄積される。その結果、細胞
内の浸透圧が上昇して細胞内に水分貯留が起こり、細胞
機能を正常に維持できなくなり、組織障害を起こすと考
えられている。従って、アルドースレダクターゼ活性を
阻害すれば、細胞内ソルビトール、ガラクチトール、フ
ラクトースの異常蓄積は回避され、細胞機能を正常に維
持できると考えられている。また、アルドースレダクタ
ーゼ阻害剤が白内障、神経症、腎症、網膜症等の糖尿病
合併症の治療に有用であることが知られている〔バイオ
ケミカ・エト・バイオフィジカ・アクタ(Biochem. Bio
phys. Acta) ,158,472 (1968)、バイオケミカル・ファ
ーマコロジー(Biochem. Pharmacol.),32, 1495 (1983)
参照〕。
【0003】従来、アルドースレダクターゼ阻害剤とし
ては、ヒダントイン誘導体(特開昭53−53653号
公報参照)、チアゾリン誘導体(特開昭57−2807
3号公報参照)等、多くの化合物が開発されているが、
さらに優れたアルドースレダクターゼ阻害作用を有する
アルドースレダクターゼ阻害剤の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、数多く
のアルドースレダクターゼ阻害剤が存在するが、これら
の多くは毒性をもつことや、あまり活性が強くないとい
う点で解決すべき課題を持っていた。
【0005】本発明は、安全で、かつ強い活性を持つア
ルドースレダクターゼ阻害剤を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の
サーモルビン誘導体が安全で、かつアルドースレダクタ
ーゼ活性を阻害するという事実を見出し、本発明に到達
した。
【0007】すなわち、第1の発明は、下記の一般式
(1)で示されるサーモルビン誘導体を有効成分として
含有することを特徴とするアルドースレダクターゼ阻害
剤を要旨とするものである。
【0008】
【化5】
【0009】また、第2の発明は、下記の化学式(2)
で示されるサーモルビン誘導体を有効成分として含有す
ることを特徴とするアルドースレダクターゼ阻害剤を要
旨とするものである。
【0010】
【化6】
【0011】さらに、第3の発明は、下記の化学式
(3)で示されるサーモルビン誘導体を有効成分として
含有することを特徴とするアルドースレダクターゼ阻害
剤を要旨とするものである。
【0012】
【化7】
【0013】また、第4の発明は、下記の化学式(4)
で示されるサーモルビン誘導体を有効成分として含有す
ることを特徴とするアルドースレダクターゼ阻害剤を要
旨とするものである。
【0014】
【化8】
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明のアルドースレダクターゼ阻害剤
は、上記の一般式(1)又は化学式(2)〜(4)で示
されるサーモルビン誘導体を有効成分として含有してな
るものである。
【0017】上記の一般式(1)で示されるサーモルビ
ン誘導体としては、R1 がCOOH、R2 がOH、R3
がCOOH、XがOのもの、R1 がCOOCH3 、R2
がOCH3 、R3 がCOOCH3 、XがOのもの、R1
がCOOH、R2 がOH、R3 がCONH2 、XがOの
もの、R1 がCOOH、R2 がOH、R3 がCONHC
3 、XがOのもの、R1 がCOOH、R2 がOH、R
3 がCOOH、XがNCH3 のもの、R1 がCOOH、
2 がOH、R3 がCH2 OH、XがOのもの、R1
COOCH3 、R2 がOH、R3 がCOOCH3 、Xが
Oのもの、R1がCONH(CH2 2 CH3 、R2
OH、R3 がCOOCH3 、XがOのもの等が挙げられ
る。
【0018】また、本発明に用いられるサーモルビン誘
導体としては、塩基性化合物の医薬として許容される塩
付加物塩、あるいは酸性化合物の医薬として許容される
塩基から誘導される塩の形であってもよい。塩基性化合
物の医薬として許容される塩としては、好ましくは医薬
として許容される無機酸又は有機酸、例えば塩酸、硫
酸、硝酸等の強鉱酸、ハロゲン化水素酸、臭化水素酸、
燐酸、脂肪酸、芳香族カルボン酸、スルホン酸、蟻酸、
酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、
リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、
ピルビン酸、安息香酸、サリチル酸、ニコチン酸、メタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸、ナフタレンスルホン酸等の酸付加塩が挙げられ
る。
【0019】また、酸性化合物の医薬として許容される
塩としては、医薬として許容される塩基と共に形成され
る塩、例えばアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カ
リウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウ
ム、カルシウム塩)、アミン塩(例えば、トリエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、ト
ロメタミンの塩)等が挙げられる。
【0020】本発明に用いられる一般式(1)で示され
るサーモルビン誘導体又は化学式(2)〜(4)で示さ
れるサーモルビン誘導体を得るには、例えば以下のよう
にすればよい。
【0021】まず、サーモアクチノマイセス・サルホフ
ィラス(Thermoactinomyces thalpophilus, ATCC 14570)
やサーモクチノミセス エス・ピー(Thermoactinomyces
sp.) UAT−8(FERM P-13372) の微生物を培養して
サーモルビンを産生させる。これらの微生物を培養する
ための培地としては、放線菌の培養に用いられる一般的
培地であればよく、液体培地、固体培地どちらを用いて
もよい。この培地の栄養源において炭素源としては、D-
マンニトール以外の糖(例えば、グルコース、シュクロ
ース、フルクトース、アラビノース等)が使用でき、窒
素源としては、例えば、ペプトン、肉エキス、酵母エキ
ス、ファーマメディア等が使用できる。また無機塩類と
しては、例えば、各種りん酸塩、硫酸マグネシウム、硫
酸鉄等が使用されるが、天然物を含む培地では必ずしも
添加を必要としない。さらに、栄養要求を必要とする変
異株を用いる場合には、その栄養要求を満たす物質を培
地に添加しなければならない。
【0022】この培地のpHとしては、pH2〜9、好
ましくはpH4〜8、最適にはpH5〜7.5に調節す
ればよい。
【0023】これらの微生物を培養する条件としては、
35〜65℃、好ましくは40〜55℃、最適には45
〜50℃で、3〜7日間振とう培養又は通気撹はん培養
すればよい。このときの培養中の通気量としては、0.
2〜2v/v/m、好ましくは0.5〜1.5v/v/
m、より好ましくは0.75〜1v/v/mである。こ
のようにして得られた培養物から、本発明に用いられる
サーモルビンを単離する方法としては、一般の有機化合
物の採取及び精製の手段に準じて行うことができる。例
えば、培養物を遠心分離、ろ過又は分相等に付して、培
養濾液を分取し、疎水性吸着剤HP−20(三菱化成社
製)カラムクロマトグラフィー等により活性物質を吸着
させ、水洗後エタノール等により溶出することにより濃
縮する。次いで、この濃縮液から酢酸エチル等の有機溶
媒を用いて抽出し、この抽出物から逆層分配クロマトグ
ラフィー等の方法により、不純物を取り除いた後、さら
に、高速液体クロマトグラフィー等の方法により分別精
製することができる。
【0024】次に、上記のようにして製造したサーモル
ビンを用いて、ジアゾメタンによるメチル化反応や開裂
反応、アルカリによる加水分解、水素化ホウ素ナトリウ
ム等の還元剤による還元反応等通常の化学反応を組み合
わせることによって各種のサーモルビン誘導体を合成す
ることができ、また、公知の方法〔ザ・ジャーナル・オ
ブ・アンティバイオティックス (Bruno Cavalleri et a
l, The journal of antibiotics), 38, 1752, 1985又は
テトラヘドロン(Maruco Turconi et al, Tetrahedron),
42, 727,1986 参照〕に従って合成することもできる。
【0025】本発明のアルドースレダクターゼ阻害剤を
糖尿病性合併症の予防あるいは治療に使用する場合、投
与経路としては、経口、皮下注射、静脈注射、局所投与
等のいずれでもよい。また、投与形態としては、通常、
製薬的に許容される担体や賦形剤、その他添加材を用い
て、散剤、錠剤、細粒剤、丸剤、カプセル材、顆粒剤等
の経口剤、点眼剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げら
れる。製薬的に許容される担体や賦形剤、その他添加材
としては、グルコース、ラクトース、ゼラチン、マンニ
トール、でんぷんペースト、トリケイ酸マグネシウム、
コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ等であ
り、さらには、安定剤、増量剤、着色剤、及び芳香剤の
様な補助剤も含有してもよい。
【0026】この場合のアルドースレダクターゼ阻害剤
中に配合するサーモルビン誘導体の量としては、1〜1
00重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜70重
量%であり、30〜50重量%が好適である。
【0027】また、その投与量としては、投与対照、投
与ルート、症状等によっても異なるが、通常0.1〜1
000mg/kg/日であることが好ましく、これを一日1
〜5回に分けて投与すればよい。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0029】参考例1 サーモアクチノマイセス・サルホフィラス(Thermoactin
omyces thalpophilus,ATCC 14570)のスラント培養から
100ミリリットルの培地(大豆粉 5g、マルトース
20g、イーストエキス 2g、ペプトン 5g、グ
ルコース 5g、蒸留水 1リットル)を入れた500
ミリリットル坂口フラスコに植菌し、培養温度50℃
で、24時間振とう培養した。この培養液1リットルを
20リットルの培地〔大豆粉 5g、マルトース 20
g、イーストエキス 2g、ペプトン 5g、グルコー
ス 5g、KM−73F(信越シリコーン社製) 0.
1g,蒸留水 1リットル〕を仕込んだ30リットルジ
ャーファーメンターに植菌し、通気量0.75v/v/
m、培養温度50℃、回転数500rpmで26時間培
養し、16リットルの培養液を得た。この培養液を遠心
分離し、得られた培養上清を4NのHClでpHを3.
5に調整した後、等量の酢酸エチルで抽出した。この酢
酸エチル抽出液を減圧乾固し、粗抽出物を6.9g得
た。
【0030】得られた粗抽出物の5gを10ミリリット
ルのテトラヒドロフランに溶解し、4w/w%(以下、
%と略記する。)のKH2 PO4 を混合したシリカゲル
(シリカゲル 60、メルク社製) 500gを充填し
たカラム(φ5×50cm)にアプライした。このカラ
ムを1リットルのクロロホルムで洗浄した後、クロロホ
ルム:メタノールが容量比で99:1の混合溶媒で展開
した。得られた溶出液からサーモルビンを含む画分を回
収し、回収液を減圧濃縮して、サーモルビンのオレンジ
色の粉末0.96gを得た。
【0031】参考例2(サーモルビン誘導体Aの合成) 参考例1で得たサーモルビン1gを50ミリリットルの
0.1NのNaOHに溶解し、室温で2時間放置した。
この反応溶液に氷を50g加えた後、1NのHClでp
Hを3.5に調整し、等量の酢酸エチルで3回抽出し
た。酢酸エチル抽出液を半量の蒸留水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで脱水した後、減圧濃縮し、一般式(1)
で示されるサーモルビン誘導体A〔R1 =COOH、R
2 =OH、R3 =COOH、X=Oのもの〕のオレンジ
色結晶0.4gを得た。
【0032】得られたサーモルビン誘導体Aの構造式は
以下に示すとおりであり、融点は210℃であった。
【0033】
【化9】
【0034】参考例3(サーモルビン誘導体Bの合成) 参考例2で得たサーモルビン誘導体A500mgを25
ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解し、これに、
ジアゾメタンの1.5%のエチルエーテル溶液10ミリ
リットルを滴下し、5分間、室温で放置した。この溶液
に、0.5ミリリットルの酢酸を徐々に滴下し、続い
て、蒸留水を150ミリリットル加えた。4NのHCl
でこの溶液のpHを4.0に調整した後、100ミリリ
ットルの酢酸エチルで抽出した。得られた抽出液を減圧
濃縮した後、濃縮物を5%のKH2PO4 を混合したシ
リカゲル(シリカゲル60、メルク社製)50gを充填
したカラム(φ2×50cm)にアプライした。このカ
ラムをクロロホルム:メタノールが容量比で99:1の
混合溶媒で展開し、一般式(1)で示されるサーモルビ
ン誘導体B〔R1 =COOCH3 、R2 =OCH3 、R
3 =COOCH3 、X=O〕を含む画分を回収して減圧
濃縮することにより、融点119〜121℃を示すサー
モルビン誘導体Bの黄色粉末48mgを得た。
【0035】得られたサーモルビン誘導体Bの構造式は
以下のとおりであった。
【0036】
【化10】
【0037】参考例4(サーモルビン誘導体Cの合成) 参考例1で得たサーモルビン1.5gを16%アンモニ
ア水溶液40ミリリットルに溶解し、−5℃で25分間
放置した。この反応溶液に氷を50g加えた後、4Nの
HClでpHを4.0に調整し、等量の酢酸エチルで3
回抽出した。酢酸エチル抽出液を半量の蒸留水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧濃縮し、酢
酸エチルから再結晶操作を行って、一般式(1)で示さ
れるサーモルビン誘導体C〔R1 =COOH、R2 =O
H、R3 =CONH2 、X=O〕の赤色結晶0.8gを
得た。
【0038】得られたサーモルビン誘導体Cの構造式は
以下のとおりであり、融点は270℃以上であった。
【0039】
【化11】
【0040】参考例5(サーモルビン誘導体Dの合成) 参考例1で得たサーモルビン1gを−5℃に冷却したメ
チルアミンの35%水溶液15ミリリットルに、撹はん
しながら徐々に添加した後、この溶液を−5℃で2分間
撹はんした。この反応溶液に氷を50g加えた後、4N
のHClでpHを4.0に調整し、等量の酢酸エチルで
3回抽出した。酢酸エチル抽出液を半量の蒸留水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧濃縮し、酢
酸エチルから再結晶操作を行って、融点270℃以上を
示すサーモルビン誘導体D〔R1=COOH、R2 =O
H、R3 =CONHCH3 、X=O〕のオレンジ色の粉
末0.8gを得た。
【0041】得られたサーモルビン誘導体Dの構造式は
以下のとおりであった。
【0042】
【化12】
【0043】参考例6(サーモルビン誘導体Eの合成) 参考例1で得たサーモルビンの5gを−5℃に冷却した
メチルアミンの35%水溶液70ミリリットルに、撹は
んしながら徐々に添加した後、この溶液を−5℃で5分
間撹はんした。この反応溶液に氷を150g加えた後、
4NのHClでpHを4.0に調整し、等量の酢酸エチ
ルで3回抽出した。酢酸エチル抽出液を半量の蒸留水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水して減圧濃縮した
後、5%のKH2 PO4 を混合したシリカゲル(シリカ
ゲル60 メルク社製)150gを充填したカラム(φ
3×50cm)にアプライした。カラムをクロロホル
ム:メタノールが容量比で99:1及び6:4の混合溶
媒でスッテプワイズ法で展開し、化学式(2)で示され
るサーモルビン誘導体Eを含む画分を回収した。得られ
た溶出液を減圧濃縮して、融点270℃以上を示すサー
モルビン誘導体Eの黄色の粉末1.2gを得た。
【0044】得られたサーモルビン誘導体Eの構造式は
以下のとおりであった。
【0045】
【化13】
【0046】参考例7(サーモルビン誘導体Fの合成) 参考例1で得たサーモルビン1.2gを50ミリリット
ルの0.1NのNaOHに溶解し、室温で2時間放置し
た。この反応溶液に氷を50g加えた後、4NのHCl
でpHを3.5に調整し、等量の酢酸エチルで3回抽出
した。酢酸エチル抽出液を半量の蒸留水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで脱水した後、減圧濃縮した。この濃縮
物を33%のメチルアミン無水エタノール溶液50ミリ
リットルに添加し、室温で10分間撹はんした。これに
100gの氷を加えた後、8NのHClでpHを4.0
に調整した。この溶液を室温で3分間放置し、生じた沈
澱をろ過で集めた。この沈澱を蒸留水で洗浄した後、減
圧乾固した。濃縮物をメタノールに溶解し、再結晶操作
を行って、一般式(1)で示されるサーモルビン誘導体
F〔R1 =COOH、R2 =OH、R3 =COOH、X
=NCH3 〕の赤色の粉末0.48gを得た。
【0047】得られたサーモルビン誘導体Fの構造式は
以下のとおりであり、融点は270℃以上であった。
【0048】
【化14】
【0049】参考例8(サーモルビン誘導体G及びHの
合成) 参考例1で得たサーモルビン5gを250ミリリットル
のテトラヒドロフランに溶解し、さらに5gのKH2
4 を混合した。この懸濁液に、5gの水素化ほう素ナ
トリウムを95%エタノール250ミリリットルに溶解
させた溶液を、15分間かけて撹はんしながら滴下し
た。この反応液を室温で15時間撹はんした後、反応液
を分液ろうとに移し、さらに、蒸留水1000ミリリッ
トルと酢酸エチル500ミリリットルを加えた。4Nの
HClを滴下して、過剰の水素化ほう素ナトリウムを失
活させた後、分液ろうと中の反応液を撹はんして、酢酸
エチル層に目的物を抽出した。酢酸エチル層を蒸留水で
洗浄後、酢酸エチル層を減圧濃縮し、濃縮物を得た。こ
の濃縮物をシリカゲル(シリカゲル60、メルク社製)
250gを充填したカラム(φ3×50cm)にアプラ
イした。このカラムをジクロロメタン:メタノールが容
量比で97:3及び9:1の混合溶媒でスッテプワイズ
法で展開し、一般式(1)で示されるサーモルビン誘導
体G〔R1 =COOH、R2 =OH、R3 =CH2
H、X=O〕を含むg画分と化学式(3)で示されるサ
ーモルビン誘導体Hを含むh画分をそれぞれ回収した
後、各画分を減圧濃縮した。g画分の濃縮物をメタノー
ルに溶解し、再結晶操作を行い、融点165〜167℃
を示すサーモルビン誘導体Gの赤色結晶0.9gを得
た。
【0050】得られたサーモルビン誘導体Gの構造式は
以下のとおりである。
【0051】
【化15】
【0052】一方、h画分の濃縮物を酢酸エチルに溶解
し、この溶液に石油エーテルを添加して、オレンジ色の
沈澱を析出させた。沈澱をろ過で回収し、減圧乾燥し、
融点169〜171℃を示すサーモルビン誘導体Hのオ
レンジ色の粉末1.2gを得た。
【0053】得られたサーモルビン誘導体Hの構造式は
以下のとおりであった。
【0054】
【化16】
【0055】参考例9(サーモルビン誘導体Iの合成) 参考例1で得たサーモルビン2gを70ミリリットルの
テトラヒドロフランに溶解した。この溶液に2,2−ジ
メトキシプロパン100ミリリットルと濃硫酸0.1ミ
リリットルを滴下した。この反応液を16時間還流した
後、室温まで冷却し、反応液に炭酸ナトリウム1gを加
え、中性になるまで撹はんした後、ろ過した。ろ液を減
圧濃縮し、濃縮物を酢酸エチルに溶解した。この酢酸エ
チル溶液より、結晶化操作を行い、一般式(1)で示さ
れるサーモルビン誘導体I〔R1=COOCH3 、R2
=OH、R3 =COOCH3 、X=O〕のオレンジ色の
結晶0.6gを得た。
【0056】得られたサーモルビン誘導体Iの構造式は
以下のとおりであり、融点は204〜206℃であっ
た。
【0057】
【化17】
【0058】参考例10(サーモルビン誘導体Jの合
成) 20ミリリットルのテトラヒドロフランと1.7ミリリ
ットルのn−プロピルアミンを混合した溶液を0℃に冷
却し、これに0.29ミリリットルの3塩化リンを撹は
んしながら滴下した。この溶液を室温まで加温して、こ
れに参考例1で得たサーモルビン3gを溶解した60ミ
リリットルのテトラヒドロフラン溶液を加えた。この反
応液を50℃で2時間、撹はんした。反応液をろ過し、
1000ミリリットルの水を加えて、ろ液を濃塩酸でp
Hを4.0に調整した後、これを400ミリリットルの
酢酸エチルで2回、抽出した。酢酸エチル液を減圧濃縮
し、濃縮物を100gのシリカゲル(シリカゲル60、
メルク社製)を充填したカラム(φ2×50)にアプラ
イした。カラムをジクロロメタン:メタノールが容量比
で98:2の混合溶媒で展開し、サーモルビン誘導体J
を含む画分を得た。この画分を減圧濃縮し、濃縮物を得
た。この濃縮物を分取薄層クロマトグラフィー(シリカ
ゲル60F 254、メルク社製)にアプライし、クロ
ロホルム:メタノールが98:2の展開溶媒で展開し
た。Rf0.4付近の主バンドをかきとり、クロロホル
ム:メタノールが9:1の混合溶媒で溶出させた。溶出
液を減圧濃縮し、一般式(1)で示されるサーモルビン
誘導体J〔R1 =CONH(CH2 2 CH3 、R2
OH、R3 =COOCH3 、X=O〕のオレンジ色結晶
0.16gを得た。
【0059】得られたサーモルビン誘導体Jの構造式は
以下のとおりであり、融点は270℃以上であった。
【0060】
【化18】
【0061】参考例11(サーモルビン誘導体Kの合
成) 200ミリリットルのテトラヒドロフランに0.33ミ
リリットルの40%ホルムアルデヒド水溶液と0.13
gのジメチルアミンを加えた。この溶液に参考例1で得
たサーモルビン1.8gを溶解し、室温で、30分間撹
はんした。この反応液を10ミリリットルまで減圧濃縮
し、100ミリリットルの蒸留水を加えた。この溶液を
濃塩酸でpH4.0に調整した後、200ミリリットル
の酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を蒸留水で
洗浄後、減圧濃縮した。濃縮物を100gのシリカゲル
(シリカゲル60、メルク社製)を充填したカラム(φ
2×50cm)にアプライした。このカラムをジクロロ
メタン:メタノールが容量比で99:1の混合溶媒で展
開し、化学式(4)で示されるサーモルビン誘導体Kを
含む画分を得た。この画分を減圧濃縮し、濃縮物を得
た。この濃縮物をジクロロメタンに溶解し、再結晶操作
を行い、融点270℃以上を示すサーモルビン誘導体K
のオレンジ色結晶0.58gを得た。
【0062】得られたサーモルビン誘導体Kの構造式は
以下のとおりであった。
【0063】
【化19】
【0064】実施例1〜11(アルドースレダクターゼ
阻害活性の測定) 牛眼球より水晶体を摘出し、3倍量の冷純水でホモゲナ
イズし、10,000×gで15分間遠心分離を行っ
た。その上澄みを0.05Mの塩化ナトリウム水溶液で
一夜透析したものを、アルドースレダクターゼ液とし
た。以上の操作は4℃で行い、酵素液は−80℃で保存
した。
【0065】アルドースレダクターゼの活性測定はハイ
マンとキノシタ(Hayman and Kinoshita)の方法〔ザ・
ジャーナル・オブ・バイオロジカルケミストリー(The
journal of Biological Chemistry),240, 877, 1965 〕
に基づいて、一部改変して行った。すなわち、硫酸リチ
ウム水溶液(最終濃度400mM)、還元型ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチド燐酸(最終濃度0.15m
M)、上記アルドースレダクターゼ液及び参考例2〜1
1で得られたサーモルビン誘導体A〜K(最終濃度10
-5M,10-6M,10-7M及び10-8M)を含むように
調製した100mMのナトリウムカリウムリン酸緩衝液
(pH6.2)0.9ミリリットルにDL−グリセルア
ルデヒド(最終濃度10mM)0.1ミリリットルを加
えて、28℃で5分間反応を行った。その間の340n
mにおける吸光度の変化を経時的に測定し、そのときの
tanθを求めた。阻害剤を添加したときのtanθ値
をAとし、阻害剤を添加していないときのtanθ値を
Bとして、次式によって阻害率(%)を求めた。
【0066】
【数1】
【0067】その結果を表1に示す。なお、表中の値は
アルドースレダクターゼ活性を50%抑制するときの化
合物の濃度〔IC50(M)〕で示した。
【0068】
【表1】
【0069】参考例12(急性毒性試験) 両方の性の平均体重120gのウィスターラット(Wist
er rats )を使用し、18時間絶食させた後、参考例2
〜11ので得たサーモルビン誘導体A〜Kをカルボキシ
メチルセルロースに懸濁させて、胃プローブで経口投与
した。また、サーモルビン誘導体を懸濁していないカル
ボキシメチルセルロースを経口投与して対照群とした。
その結果、サーモルビン誘導体A〜Kを5000mg/
kg経口投与した場合においても死亡例は観察されなか
った。また、挙動及び一般状態は対照群と比べて変化は
なかった。以上の結果から、サーモルビン誘導体A〜K
のラットにおける経口投与での急性毒性は5000mg
/kg以上であることがわかる。
【0070】製剤例1(内服用剤) (イ)錠剤 サーモルビン誘導体A(参考例2で得たもの、以下同様) 50mg 乳糖 120mg 結晶セルロース 60mg カルボキシメチルセルロースカルシウム 7mg ステアリン酸マグネシウム 3mg この錠剤は通常行われるフィルムコーテイングを行って
も差し支えなく、更に糖衣を行うこともできる。
【0071】(ロ)顆粒剤 サーモルビン誘導体A 30mg ポリビニルピロリドン 25mg 乳糖 385mg ヒドロキシプロピルセルロース 50mg タルク 10mg (ハ)散剤 サーモルビン誘導体A 30mg 乳糖 240mg デンプン 480mg コロイダルシリカ 30mg (ニ)カプセル剤 サーモルビン誘導体A 50mg 乳糖 102mg 結晶セルロース 56mg コロイダルシリカ 2mg 製剤例2(注射剤) 蒸留水にサーモルビン誘導体Aを1〜30mg/mlと
なるように溶解した(pH6.5〜7.0)。
【0072】製剤例3(点眼液) 5ml中に次の成分含量を含有させた。
【0073】 サーモルビン誘導体A 50mg パラオキシ安息香酸プロピル 0.7mg パラオキシ安息香酸メチル 1.3mg 水酸化ナトリウム 適量(pH6.0) 製剤例4(軟膏) サーモルビン誘導体A 20mg 白色ワセリン 889.8mg 流動パラフイン 100mg パラオキシ安息香酸ブチル 0.2mg 製剤例5(坐剤) サーモルビン誘導体A 50mg ポリエチレングリコール1000 800mg ポリエチレングリコール 150mg
【0074】
【発明の効果】本発明のアルドースレダクターゼ阻害剤
は安全で、かつ強いアルドースレダクターゼ阻害活性を
有しており、糖尿病性合併症の予防、治療薬として有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/47 ABL C07D 221/18 311/78 409/04 221 311 409/06 221 311 C12N 9/99 // C07C 251/16 8829−4H C07D 493/04 106 C C12P 15/00 7432−4B 17/06 7432−4B 17/12 7432−4B (72)発明者 中島 宏 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で示されるサーモル
    ビン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする
    アルドースレダクターゼ阻害剤。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記の化学式(2)で示されるサーモル
    ビン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする
    アルドースレダクターゼ阻害剤。 【化2】
  3. 【請求項3】 下記の化学式(3)で示されるサーモル
    ビン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする
    アルドースレダクターゼ阻害剤。 【化3】
  4. 【請求項4】 下記の化学式(4)で示されるサーモル
    ビン誘導体を有効成分として含有することを特徴とする
    アルドースレダクターゼ阻害剤。 【化4】
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