JPH08112896A - 液体噴射ヘッド - Google Patents
液体噴射ヘッドInfo
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- JPH08112896A JPH08112896A JP7214600A JP21460095A JPH08112896A JP H08112896 A JPH08112896 A JP H08112896A JP 7214600 A JP7214600 A JP 7214600A JP 21460095 A JP21460095 A JP 21460095A JP H08112896 A JPH08112896 A JP H08112896A
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Abstract
の隣接する層からの剥離がなく、信頼性が高く、かつ性
能に優れた液体噴射ヘッドおよびその製造法の提供。 【解決手段】 珪素基板上に厚さ1100オングストロ
ーム以上のタンタル層を介して圧電素子を設け、さらに
この圧電素子においてタンタル層と電極間または電極と
圧電膜の間に酸化チタンまたはその合金の酸化物の層を
設ける。
Description
射ヘッドに関し、とりわけインクジェット記録ヘッドと
して利用可能な液体噴射ヘッドに関する。
置は、液室、ノズル、液体流路を有する液体噴射ヘッ
ド、およびインク供給系を備え、液室内に満たされてい
るインク組成物にエネルギーを与えることにより、液室
内のインクをノズルより噴射させる。この噴射されたイ
ンク組成物を記録媒体に付着させて文字、画像情報など
を記録する。インク組成物にエネルギーを与える手段と
しては、圧電素子を用いて液室内を加圧する手段、また
はヒータを用いて液室内インクを加熱する手段が一般的
に知られている。
ン酸鉛(PZT)を主成分とする二成分系またはPZT
に第三成分を加えた三成分系とされている。
膜の例としては、例えば、特開平4−12678号公報
に、鉛元素を含むラセミックス基板を用い、この基板に
第一の電極膜と、圧電膜と、第二の電極膜とが順次積層
されて形成された、圧電/電歪膜型アクチュエータが開
示されている。また、特開平5−97437号公報に
は、薄肉のセラミック基板と、このセラミック基板上に
設けられた電極および圧電/電歪層とからなる圧電/電
歪膜型素子が開示されている。これら公報記載の技術を
用いて液体噴射ヘッドを形成する場合、特開平5−97
437号公報に示されるように、基板薄肉部を振動板と
し、その下部の空間を液室をとすればよい。
ラミック基板を用いているため、薄肉部の寸法や厚さを
小さくするのが難しい。その結果、これら素子を用いて
液体噴射ヘッドのノズルを高密度化し、高解像度の画像
を実現することは一般に難しいといえる。更に、セラミ
ック基板は高価であり、これらの素子は経済的にも有利
とは言い難い。
基板上に珪素を含有する導体からなる第一電極と、酸化
タンタルを含んでなる第二電極と、白金電極と、誘電体
膜と、上電極とを順次積層した構造の、薄膜キャパシタ
が開示されている。また、Japanese Journal of Applie
d Physics Part I. 1993, Vol.32, No.9B, 4144-4146に
は、単結晶珪素基板上に、二酸化珪素層、タンタル層5
00オングストローム、チタン層500オングストロー
ム、そして白金層2000オングストロームを積層し、
さらにゾルゲル法により形成された厚さ2300オング
ストローム程度のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)から
なる圧電膜を有した素子が開示されている。
用いて液体噴射ヘッドの製造を試みた。その結果、しば
しば振動板を構成する二酸化珪素層において空洞が形成
されてしまうことを確認した。また、さらに場合によっ
て電極とタンタル層との間、さらには電極と圧電膜との
間で電極層の剥離が観察された。これらは、液体噴射ヘ
ッドの製造の歩留まりを下げ、また液体噴射ヘッドの信
頼性を損なうものである。
構成する二酸化珪素における空洞の形成がタンタル層の
膜厚を制御することで抑制できることを見出した。ま
た、本発明者等は上記電極の隣接する層からの剥離を特
定の層を介在させることで抑制できることを見出した。
能に優れた液体噴射ヘッドの提供をその目的としてい
る。
体噴射ヘッドが製造できる液体噴射ヘッドの製造法の提
供をその目的としている。
より噴射させる噴射ヘッドは、 −噴射すべき液体を保持するための液室が形成された単
結晶珪素基板と、 −前記液室に連通するノズルと、 −前記液室上に形成された振動板と、 −前記振動板上に形成された、鉛を含有してなる圧電膜
とその圧電膜を挟む下電極と上電極とからなる圧電素子
と、そして −前記振動板と前記下電極との間に設けられた、酸化タ
ンタルを含んでなるタンタル層とを備えてなり、前記圧
電素子を駆動し振動板をたわませて液室の体積を変化さ
せることにより、前記液室内にある液体をノズルを介し
て外部に噴射させるものであり、前記圧電膜の厚さが1
μm以上であり、かつ前記タンタル層の厚さが1100
オングストローム以上であるもの、である。
記液体噴射ヘッドのタンタル層と下電極との間または下
電極と圧電膜との間に中間層をさらに設けてなるもの、
である。
用いられる圧電素子が形成された珪素基板の製造法であ
って、(a)単結晶珪素基板上に振動板を形成する工程
と、(b)該振動板上に金属タンタル層と、下電極と、
そして圧電膜前駆体とを順に積層して形成する工程と、
(c)得られた単結晶珪素基板を酸素を含む雰囲気下で
加熱し、前記圧電膜前駆体を結晶化させ圧電膜を形成す
る工程と、(d)前記圧電膜上に上電極を形成する工程
とを含んでなり、場合により上記工程(b)においてタ
ンタル層と下電極との間または下電極と圧電膜前駆体と
の間に中間層を形成し、かつ前記圧電膜を形成する工程
後の圧電膜の厚さが1μm以上であり、かつ前記タンタ
ル層の厚さが1100オングストローム以上であるも
の、である。
造法は、上記方法によって得られた珪素基板の、形成さ
れた圧電膜の下部に対応する位置の珪素を除くことによ
り液室となる空間を形成する工程と、そして前記空間が
形成された珪素基板と、第二の基板とを接合して、ノズ
ルと、噴射されるべき液体を前記液室に供給する液体供
給系とを前記液室に連通させながら前記液室となるべき
空間を閉じる工程とと含んでなるもの、である。
なお、図中において、膜の厚さおよび広さは説明のため
拡大または縮小されており、各寸法の比は正確なもので
はない。
ヘッドの斜視図である。単結晶珪素からなる第一の基板
101には、液室102となる空間が設けられてなり、
この液室102上に、まず、振動板103としての振動
主板202および酸化珪素層201と、さらに酸化タン
タルを含有したタンタル層203とが形成されてなる。
さらにこのタンタル層203の上に圧電素子が形成さ
れ、この圧電素子は、下電極104と、圧電膜105
と、上電極106とからなる。第一の基板101は、液
体流路108が形成された第二の基板107を接合さ
れ、この接合部分にはノズルとしての開口部109が、
液室102と液体流路108を介して連通して形成され
てなる。
101およびその上に設けられた層構造の拡大断面図が
図2である。
る。電圧が下電極104と上電極106との間に印加さ
れると、下電極104と、圧電膜105と、上電極10
6とよりなる圧電素子および振動板103が変形してた
わみ、液室102の体積を減少させる。その結果、液室
102内に充満している液体が液体流路108へ押し出
れ、ノズル109より液体が噴射される。
を含有してなる圧電膜であり、かつその膜厚が1μm以
上、より好ましくは1〜5μmの範囲とされてなる。さ
らに、本発明においては、上記タンタル層203の厚さ
が1100オングストローム以上、好ましくは1200
〜10000オングストローム程度、より好ましくは1
200〜3000オングストロームとされてなる。圧電
膜の膜厚を1μm以上とすることで、高密度の液体噴射
が可能な液体噴射ヘッドが得られる。例えば、インクジ
ェット記録方法において高解像度(例えば360dpi
以上)の印字が可能となる液体噴射ヘッドが得られる。
さらに、本発明者らの実験によれば、タンタル層203
の膜厚が1100オングストローム以上とされた結果、
振動板103中における空洞の発生を有効に阻止できる
ことが分かった。
としては、鉛を18原子数%(atomic %)以上、より好
ましくは20原子数%以上含んでなるものが好ましい。
圧電膜の好ましい例としては、チタン酸鉛、およびいわ
ゆる二成分系とよばれるチタン酸ジルコン酸鉛(PZ
T)を主成分とするものが挙げられる。より好ましい具
体例としては、下記の式で表わされる組成を有するもの
が挙げられる。
る) また、本発明による薄膜圧電体素子は、いわゆる三成分
系とよばれる、上記PZTに第三成分(例えば、マグネ
シウムニオブ酸鉛)が更に加えられたものであってもよ
い。三成分系の好ましい具体例としては、下記の式で表
わされるものが挙げられる。
PbO+(fMgO)n (ここで、Aは、Mg、Co、Zn、Cd、Mn、およ
びNiからなる群から選択される2価の金属またはS
b、Y、Fe、Sc、Yb、Lu、In、およびCrか
らなる群から選択される3価の金属を表し、Bは、N
b、Ta、およびSbからなる群から選択される5価の
金属またはWおよびTeからなる群から選択される6価
の金属を表し、またa+b+c=1、0.35≦a≦
0.55、0.25≦b≦0.55、0.1≦c≦0.
4、0≦e≦0.3、0≦f≦0.15c、g=h=1
/2、そしてn=0であるが、但し、Aが3価の金属を
表し、かつBが6価の金属を表すことはなく、またAが
2価の金属を表し、かつBが5価の金属を表す場合、g
は1/3を表し、hは2/3を表し、またAがMgを表
し、BがNbを表す場合に限り、nは1を表す。) 三成分系のより好ましい具体例としては、AがMgを表
し、BがNbを表し、gが1/3を表し、そしてhが2
/3を表すものが挙げられる。
鉛Pbはその組成中の18原子数%以上含んでなるのが
好ましく、より好ましくは20原子数%以上である。
とき、MgOが上記範囲にあることで、熱処理中のPb
Oの蒸発を防ぎ、またSi基板との反応を抑制する。さ
らに、MgOの存在は圧電特性を向上させるペロブスカ
イト相を安定化する。
いずれにあっても、その圧電特性を改善するために、微
量のBa、Sr、La、Nd、Nb、Ta、Sb、B
i、W、Mo、Ca、などが添加されてもよい。とりわ
け、三成分系にあっては0.10モル%以下のSr、B
aの添加が圧電特性の改善にとり好ましい。また、三成
分系にあっては0.10モル%以下のMn、Niの添加
がその焼結性を改善するので好ましい。
合物から構成されるのが好ましい。図1に示される態様
において、振動板103は酸化珪素層201および振動
主板202とから構成されてなる。振動主板202の好
ましい例としては、珪素にホウ素をドープして得られた
層が挙げられる。ホウ素のドープの量としては5×10
19〜5×1020cm-3程度が好ましく、またその厚さは
0.2〜3μm程度が好ましく、より好ましくは0.5
〜1μm程度である。また、本発明の別の好ましい態様
によれば、振動板はジルコニア、アルミナ、窒化ジルコ
ニウムから形成されてもよい。また、これら材質の層を
珪素または珪素化合物の層上に積層して振動板と形成さ
れてもよい。
μm以下が好ましく、より好ましくは約0.5μm以下
である。
203とは、好ましくは酸化タンタルと、TaPbyO
xの組成式で表される酸化物との結晶相が混在している
状態の層である。酸化タンタルは二酸化タンタル、五酸
化タンタル、およびそれらの相が混合しているものであ
ってもよいが、好ましくは五酸化タンタルである。この
タンタル層は後記するように、圧電膜前駆体を焼結する
前は好ましくは金属タンタル層として形成される。そし
て、圧電膜前駆体を酸素を含む雰囲気中で焼結する際
に、金属タンタルは酸化され、かつ圧電膜前駆体から拡
散してきた鉛によって、酸化タンタルと、TaPbyO
xの組成式で表される酸化物とに変換される。この焼結
の過程の前後で、タンタル層はその膜厚を増加させる。
本発明において、タンタル層の厚さが1100オングス
トローム以上であるとは、圧電膜の結晶化が終了した後
の厚さを意味する。そしてこの結晶化後の厚さが110
0オングストローム以上となるようなタンタル層を設け
ることで、上記したような二酸化珪素層において観察さ
れた空洞の発生が有効に阻止される。この理由は以下の
ように考えられるが、これによって本発明が限定的に解
釈されることを意図するものではない。上記した酸化珪
素層における空洞は、本発明者等のその形成過程の分析
によると、結晶化過程において圧電膜前駆体から拡散し
てきた鉛が酸化珪素層に侵入すると、酸化珪素の融点を
下げ、液化した酸化珪素が外部に噴出した結果生じたも
のであると思われた。一方、タンタル層をある厚さ以上
存在させることで、鉛の拡散をタンタル層において阻止
し、酸化珪素層まで至らないようにすることが可能であ
ることが見出された。たとえ鉛の侵入があっても、酸化
珪素の融点が少なくとも結晶化温度以下まで低下しなけ
れば空洞の発生の阻止は可能と考えられることから、こ
のタンタル層による鉛の酸化珪素層への侵入の阻止は完
全におこなわれなくともよい。しかしながら、良好な特
性の圧電膜を得るためには圧電膜前駆体をある程度高温
で結晶化させることが好ましい。よって鉛の酸化珪素層
への侵入はできる限り阻止することが好ましく、タンタ
ル層の厚さは液体噴射ヘッドの性能を損なわない範囲で
厚く設けられるのが、一般的には好ましいといえる。そ
の好ましい厚さは上記したとおりである。
下電極104および上電極106は、圧電素子の電極と
して慣用されているものを利用することができ、例えば
白金および白金合金ならびに金を好ましく用いることが
できる。その厚さは適宜決定されてよいが、0.05〜
2μm程度が好ましい。
タンタル層との間に第一の中間層が設けられてなる。こ
の第一の中間層を存在させることによって、下電極とタ
ンタル層との密着性が改善され、下電極とタンタル層と
の剥離を有効に防止することができる。第一の中間層が
設けられた液体噴射ヘッドの断面拡大図は図3に示され
るとおりであり、図中で第一の中間層は210で示され
る層である。本発明の好ましい態様によれば、、この第
一の中間層は、酸化チタン、酸化クロム、酸化ニッケ
ル、または酸化タングステンを含んでなる。さらに、別
の本発明の好ましい態様によれば、この第一の中間層
は、タンタルと白金族またはチタンとの合金の酸化物を
含んでなる。ここで、白金族とは、ルテニウム、ロジウ
ム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、および白金
が挙げられ、白金が好ましい。タンタルと白金との合金
組成は、好ましくは80:20〜5:95程度である。
下電極が白金からなる場合、タンタル:白金=30:7
0程度の合金がその密着性の向上の観点から最も好まし
いものの一つである。
でなる」とは、層を構成する金属自体が層として存在し
ている場合のみならず、金属が近接する層と互いに分散
または隣接する層に侵入して明確な層を構成しない状態
で存在している場合をも包含する意味の用いることとす
る。従って、この第一の中間層の厚さを明確に規定でき
ない場合もあるが、500オングストローム以下とされ
るのが好ましく、より好ましくは50〜200オングス
トローム程度である。
電極と圧電膜との間に第二の中間層が設けられてなる。
この第二の中間層を存在させることによって、下電極と
圧電膜との密着性が改善され、下電極と圧電膜の剥離を
有効に防止することができる。第二の中間層が設けられ
た液体噴射ヘッドの断面拡大図は図4に示されるとおり
であり、図中で第二の中間層は220で示される層であ
る。なお、第一の中間層210と第二の中間層220と
が同時に設けられてもよく、このような液体噴射ヘッド
も本発明に包含される。本発明の好ましい態様によれ
ば、この第二の中間層は、酸化チタンを含んでなる。ま
た、別の本発明の好ましい態様によれば、この第二の中
間層は、タンタル、ニッケル、および白金族から選択さ
れる金属と、チタンとの合金の酸化物を含んでなる。こ
こで、「層がある金属を含んでなる」ことの意味は上記
した通りである。また、第二の中間層においてもその厚
さを明確に定義できない場合もあるが、後記する製造法
において圧電膜の結晶化前の状態で、150オングスト
ローム以下とされるのが好ましく、より好ましくは50
〜100オングストローム程度である。
圧電膜の密着性が改善された以外に、意外にも圧電膜の
結晶組織を一様な球形の結晶粒とするとの結果が得られ
た。そして、本発明による液体噴射ヘッドにおける圧電
素子の電圧歪み定数d31の改善がみられた。図5
(a)は、本発明による液体噴射ヘッドにおける圧電膜
の結晶組織の断面拡大模式図である。圧電膜105は第
二の中間層220の界面から一様な球形の結晶粒501
により構成されてなる。一方、図5(b)は、第二の中
間層220が存在しない場合の圧電膜の結晶組織の断面
拡大模式図である。ここで、圧電膜105は下電極10
4の界面から一定の厚さの柱状の結晶粒502が形成さ
れ、その上部に球形の結晶粒501が形成されてなる。
のような態様で用いることができる。図6は本発明によ
る液体噴射ヘッドの実装構造の概念図である。圧電素子
および液室が形成された第一の基板101と、液体流路
108が形成された第二の基板107とを接合し、ノズ
ル109と液体導入孔304が形成される。液体導入孔
304側を基板301で囲み、液体室303が形成され
る。この液体室303には外部から液体が供給される。
基材301は実装基板302に取り付けられる。
による液体噴射ヘッドの実際の使用態様の平面図および
断面図である。図中の液体噴射ヘッドは、液体流路10
8を形成した第二の基板107に、ノズル401を形成
し、第一の基板101を接合した構成となっている。こ
のような構成とすることにより、図4(a)に示すよう
に液室102を千鳥状に配置し、しかもノズル401を
一直線上に配置することが可能となる。従って、ノズル
401の配列ピッチを液室102の配列ピッチの半分と
することができ、液室寸法を100μmとした場合、ノ
ズルを400dip程度の密度で配置することが可能と
なる。すなわち、ノズルの更なる高密度化が可能となる
点で有利である。
説明する。図8(a)、(b)、および(c)は、第一
の基板101に圧電素子及び液室を形成するまでの製造
工程を示す断面図である。なお、この断面図において、
紙面に垂直な方向が液室の奥行き方向となる。
約1100〜1200℃の温度に加熱して熱酸化し、基
板101の両面に厚さ約3000〜5000オングスト
ロームの酸化珪素層201を形成する。次に、基板10
1の片面からホウ素を1000℃で酸化珪素層201の
下部に拡散させ、振動主板202を形成する。得られた
基板101の両面にフォトレジスト膜を形成し、振動板
103を設けた側と反対側の表面に開口部を設ける。酸
化珪素層201を弗酸および弗化アンモニウムの水溶液
で開口部を処理し、開口部204を形成する。
01上に、タンタル層203、下電極104、そして圧
電膜105、更には場合によって第一の中間層210お
よび/または第二の中間層220を形成する。これらの
形成は慣用されている種々の薄膜作製手法を利用して行
われてよい。好ましい薄膜作製の手法としてはスパッタ
リング法、化学気相成長(CVD)法、ゾルゲル法など
が挙げられる。
白金族またはチタンとの合金、もしくはチタン、クロ
ム、ニッケル、およびタングステンからなる群から選ば
れる金属を含んでなる層を形成しても、後記する圧電膜
前駆体の結晶化の工程により酸化され、最終的にはタン
タルと白金族またはチタンとの合金の酸化物、もしくは
酸化チタン、酸化クロム、酸化ニッケル、または酸化タ
ングステンからなる層に変換され、その際、層の厚さを
増加させる。従って、液体噴射ヘッドの製造にあたり、
タンタルと白金族またはチタンとの合金、ならびにチタ
ン、クロム、ニッケル、およびタングステンからなる群
から選ばれる金属を含んでなる層を形成する場合、層の
厚さの増加を勘案し、最終的な層の厚さが前記したよう
な値となるよう考慮する必要がある。チタン、クロム、
ニッケル、およびタングステンからなる群から選ばれる
金属を含んでなる層を形成する場合、好ましくは50〜
200オングストローム以下とすることで圧電膜前駆体
の結晶化後に500オングストローム以下の第一の中間
層を得ることができる。一方、酸化チタン、酸化クロ
ム、酸化ニッケル、または酸化タングステンを含んでな
る層は圧電膜前駆体の結晶化の前後でその膜厚をほとん
ど変化させない。従って、その厚さは圧電膜前駆体の結
晶化の工程前で500オングストローム以下とされてよ
い。
場合、多元同時スパッタリング法、所望の組成の合金タ
ーゲットを用いたスパッタリング法により合金層を形成
してもよい。さらには酸素ガスを含む雰囲気で反応性ス
パッタリング法により直接酸素を含有するタンタル−白
金合金層を形成してもよい。
るのが好ましい。
リングのターゲットとして用い、電極膜上(場合によっ
て第二の中間層上)にスパッタリングによりアモルファ
ス状の圧電体膜前駆体膜を形成する。
結晶化し、焼結させる。この加熱は酸素雰囲気中(例え
ば、酸素中、または酸素とアルゴンなどの不活性ガスと
の混合ガス中)において、2段階に分けて行われるのが
好ましい。すなわち、第一の加熱工程においては、アモ
ルファス状の前駆体を結晶化させる。そして、第二の加
熱工程おいては、生じた結晶粒を成長させ、さらに結晶
粒同士の焼結を促進させる。具体的には、第一加熱工程
は酸素雰囲気中で前駆体膜を好ましくは500〜700
℃の温度で加熱する。加熱によって前駆体膜を結晶化さ
せる。この第一加熱工程は、前駆体膜が均質に結晶化し
た時点で終了されてよい。続いて、第二加熱工程は、結
晶化した膜を750〜1100℃で加熱する。
て行われてもよく、また第一加熱工程の後、膜を室温ま
で冷却した後、第二加熱工程が行われてもよい。
造が得られる。
ウ弗酸水溶液により、さらに下電極104を王水水溶液
によって処理して不要な部分を除いた後、圧電膜105
の上にさらに上電極106を設け、圧電素子を形成す
る。その結果基板は図8(b)に示される構造となる。
脂からなる保護膜204を形成する。必要に応じて、そ
の保護膜の一部を取り除き電極取り出し部とされてよ
い。
液室102の形成は、例えば珪素基板101を溶解可能
な溶液、例えば水酸化カリウム水溶液に浸漬し、酸化珪
素層201の開口部204から単結晶珪素基板101を
エッチングすることにより行うことができる。そして、
酸化珪素層201を弗酸と弗化アンモニウムの水溶液で
エッチング除去して、図8(c)に示される構造の第一
の基板を得ることができる。
液体流路108が形成された第二の基板107を接合さ
れ、液体噴射ヘッドが得られる。
り、単結晶珪素からなる第一の基板の結晶の面方位を考
慮するのが好ましい。その好ましい具体的手法について
は、WO93/22140号公報に開示がある。
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
いて、図1に示される各寸法を、液室102についてL
=100μmおよびW=15mm、下電極104につい
てL1=118μmおよびW1=17mm、圧電膜10
5についてLp=88μmおよびWp=16mm、上電
極106についてLu=82μmおよびWu=15.8
mmとした。また、液体流路108の断面は40μm角
とした。
100℃で熱酸化し、基板の両面に酸化珪素層を厚さ5
000オングストローム形成した。次に、基板の片面か
らホウ素を1000℃で酸化珪素層の下部に拡散させ、
振動板を形成した。振動主板の厚さは1μm、ホウ素の
濃度は1020cm-3とした。
し、振動板を設けた側とは反対側の表面にフォトレジス
トを取り去り、弗酸と弗化アンモニウムの水溶液によっ
て酸化珪素層をエッチングし、開口部を形成した。この
時開口部の奥行き方向、すなわち紙面に垂直な方向を
板側に、タンタル層、第一の中間層、下電極、そして圧
電膜を順に次のように積層した。すなわち、振動板側の
酸化珪素層上に、スパッタリング法によって、金属タン
タルを200、500、600、または1000オング
ストロームの厚さに形成し、その後チタンを50オング
ストローム、さらに白金を2000オングストロームの
厚さに形成した。
0.35Mg0.123 Nb0.247 O3 (90mol%)+Pb
O(10mol%)で示される焼結体をターゲットとし
て用い、アルゴン雰囲気中で、基板の加熱なしに高周波
スパッタリング成膜を行った。そして、厚さ3μmの圧
電膜前駆体を基板上に形成した。次に圧電膜前駆体が形
成された基板を、酸素雰囲気中で650℃で1時間、さ
らに900℃で1時間、焼結した。焼結後、圧電膜をホ
ウ弗酸水溶液により、また下電極を王水水溶液によりエ
ッチングすることでパターニングした。
り密着層および上電極としてチタンを厚さ50オングス
トローム、そして金を厚さ2000オングストローム形
成し、この後ヨウ素とヨウ化カリウムの水溶液でエッチ
ングすることによりパターニングした。
に、感光性ポリイミドからなる保護膜を厚さ2μmに形
成し、電極取り出し部の保護膜を、現像により取り除
き、400℃で熱処理を行った。
治具により保護し、水酸化カリウム水溶液に浸せきし、
酸化珪素層の開口部から単結晶珪素基板の異方性エッチ
ングを行い、液室102を形成した。この時、単結晶珪
素基板の面方位が(110)であり、更に開口部の奥行
き方向が
の面を(111)面とすることができる。水酸化カリウ
ム水溶液を用いた場合、単結晶珪素の(110)面と
(111)面とのエッチングレートの比は300:1程
度となり、300μmの深さの溝を、サイドエッチング
を1μm程度に抑えて形成することができた。基板を前
記治具に固定したまま、基板に接している酸化珪素層を
弗酸と弗化アンモニウムの水溶液でエッチング除去し
て、第一の基板を完成させた。
微鏡により観察し、タンタル層の厚さおよび酸化珪素層
中の空洞の有無を調べた。その結果は次の第1表に示さ
れる通りであった。
の鉛組成は18原子数%であった。さらにX線回析法に
より、圧電膜を分析したところ、金属タンタルは存在せ
ず、五酸化タンタルの結晶相と、五酸化タンタル−酸化
鉛化合物の結晶相が混在していることが確認された。
さが600および1000オングストロームの第一の基
板を、プラスチックを射出成形することにより、液体流
路と一体形成した第二の基板と接着して、液体噴射ヘッ
ドとした。この液体噴射ヘッドを用いて液体噴射実験を
行った。液体として水系インク組成物を用い、圧電膜へ
の印加電圧を15Vとしたとき、いずれの液体噴射ヘッ
ドの場合も、ノズルから5mm離れた部分での液体噴射
速度は15m/secであった。
層の厚さを変えた以外は、実施例1と同様にして第一の
基板を調製した。得られた基板の破断面を走査電子顕微
鏡により観察し、このチタン層と下電極である白金層と
の剥離の有無、圧電膜表面の凹凸の有無を調べた。その
結果は、次の第2表に示されるとおりであった。
らにそのタンタル層の上に、第一の中間層としてタンタ
ル−白金合金(タンタル:白金約50:50)を500
オングストローム、さらに下電極として白金2000オ
ングストロームを積層した以外は、実施例1と同様にし
て第一の基板を調製した。なお、タンタル−白金合金
は、白金50オングストロームとタンタル50オングス
トロームとを交互にスパッタリング法で積層することに
より形成した。200倍金属顕微鏡により圧電膜表面を
観察し、さらに基板の破断面を走査電子顕微鏡により観
察した。その結果、層の剥離、圧電膜表面の凹凸、およ
び層中の空洞は観察されなかった。
極104として白金2000オングストロームと形成
し、更にその上部に第二の中間層としてチタン50オン
グストロームを形成した以外は、実施例1と同様にして
第一の基板を調製した。得られた基板についてのX線回
析法によれば、第二の中間層に対応する部分から二酸化
チタンの結晶からの回析線が観測された。また、さらに
基板の破断面を走査電子顕微鏡により観察した。その結
果、層の剥離、圧電膜表面の凹凸、および層中の空洞は
観察されなかった。さらに操作電子顕微鏡の観察によれ
ば、圧電膜は一様な球形の結晶粒により構成されてお
り、全く柱状の結晶粒は観察されなかった。また、この
基板の圧電素子の圧電歪み定数d31は170pC/Nで
あった。
50オングストロームを形成しなかった以外は、上記と
同様にして基板を調製した。その基板の破断面を走査電
子顕微鏡により観察した結果、下電極との界面から50
00オングストローム程度上まで柱状の結晶粒が形成さ
れ、その上部に球形の結晶粒が形成されていた。さら
に、この基板の圧電素子の圧電歪み定数d31は150p
C/Nであった。
面図である。
改善する第一の中間層が設けられた液体噴射ヘッドの層
構造の拡大断面図である。
する第二の中間層が設けられた液体噴射ヘッドの層構造
の拡大断面図である。
果、圧電膜の結晶構造が一様な球形の結晶粒により構成
された状態を表す模式図であり、図5(b)は、第二の
中間層が設けられなかった結果、下電極との界面からあ
る範囲で柱状の結晶粒が形成され、その上部に球形の結
晶粒が形成された状態を表す模式図である。
を表す図である。
態様を示す図である。
第一の基板の製造法を説明する図で有り、図8(a)は
珪素基板に振動板、酸化珪素層、タンタル層、下電極、
および圧電膜を形成した図であり、図8(b)は下電
極、圧電膜、および上電極のパターンニングした状態を
示す図であり、図8(c)は液室となる空間を形成し、
かつ圧電素子の部分を保護膜204で覆った状態を示す
図である。
Claims (17)
- 【請求項1】液体を微細なノズルより噴射させる噴射ヘ
ッドであって、 該ヘッドが、 −噴射すべき液体を保持するための液室が形成された単
結晶珪素基板と、 −前記液室に連通するノズルと、 −前記液室上に形成された振動板と、 −前記振動板上に形成された、鉛を含有してなる圧電膜
とその圧電膜を挟む下電極と上電極とからなる圧電素子
と、そして −前記振動板と前記下電極との間に設けられた、酸化タ
ンタルを含んでなるタンタル層とを備えてなり、 前記圧電素子を駆動し振動板をたわませて液室の体積を
変化させることにより、前記液室内にある液体をノズル
を介して外部に噴射させるものであり、 前記圧電膜の厚さが1μm以上であり、かつ前記タンタ
ル層の厚さが1100オングストローム以上である、液
体噴射ヘッド。 - 【請求項2】前記振動板が珪素、珪素化合物、ジルコニ
ア、アルミナ、または窒化ジルコニウムからなる、請求
項1記載の液体噴射ヘッド。 - 【請求項3】前記タンタル層が、酸化タンタルと、Ta
PbyOxの組成式で表される酸化物との結晶相が混在
している状態の層である、請求項1または2記載の液体
噴射ヘッド。 - 【請求項4】前記下電極と前記タンタル層との間に第一
の中間層が設けられてなり、該第一の中間層が、酸化チ
タン、酸化クロム、酸化ニッケル、または酸化タングス
テンを含んでなるか、またはタンタルと白金族またはチ
タンとの合金の酸化物を含んでなるものである、請求項
1または2記載の液体噴射ヘッド。 - 【請求項5】前記第一の中間層の厚さが500オングス
トローム以下である、請求項4記載の液体噴射ヘッド。 - 【請求項6】前記白金族が、ルテニウム、ロジウム、パ
ラジウム、オスミウム、イリジウム、および白金からな
る群から選択されるものである、請求項4記載の液体噴
射ヘッド。 - 【請求項7】前記下電極と前記圧電膜との間に第二の中
間層が設けられてなり、該第二の中間層が、酸化チタン
を含んでなるか、またはタンタル、ニッケル、および白
金族から選択される金属と、チタンとの合金の酸化物を
含んでなるものである、請求項1または2記載の液体噴
射ヘッド。 - 【請求項8】前記第二の中間層の厚さが200オングス
トローム以下である、請求項7記載の液体噴射ヘッド。 - 【請求項9】前記圧電膜の結晶組織が、一様な球形の結
晶粒により構成されてなるものである、請求項7または
8に記載の液体噴射ヘッド。 - 【請求項10】液体を微細なノズルより噴射させる噴射
ヘッドに用いられる圧電素子が形成された珪素基板の製
造法であって、 (a)単結晶珪素基板上に振動板を形成する工程と、 (b)該振動板上に金属タンタル層と、下電極と、そし
て圧電膜前駆体とを順に積層して形成する工程と、 (c)得られた単結晶珪素基板を酸素を含む雰囲気下で
加熱し、前記圧電膜前駆体を結晶化させ圧電膜を形成す
る工程と、 (d)前記圧電膜上に上電極を形成する工程とを含んで
なり、前記圧電膜を形成する工程後の圧電膜の厚さが1
μm以上であり、かつ前記タンタル層の厚さが1100
オングストローム以上である、方法。 - 【請求項11】前記工程(b)において、金属タンタル
層上に第一の中間層がさらに積層され、該第一の中間層
の上に下電極が積層され、ここで、前記第一の中間層
が、酸化チタン、酸化クロム、酸化ニッケル、または酸
化タングステン、もしくはタンタルと白金族またはチタ
ンとの合金の酸化物を含んでなるか、またはタンタルと
白金族またはチタンとの合金、ならびにチタン、クロ
ム、ニッケル、およびタングステンからなる群から選ば
れる金属を含んでなる層である、請求項10記載の方
法。 - 【請求項12】積層される前記第一の中間層が酸化チタ
ン、酸化クロム、酸化ニッケル、または酸化タングステ
ンを含んでなるものである場合その厚さが500オング
ストローム以下であり、積層される前記第一の中間層が
チタン、クロム、ニッケル、およびタングステンからな
る群から選ばれる金属を含んでなる層である場合その厚
さが200オングストローム以下である、請求項11記
載の方法。 - 【請求項13】前記工程(b)において、下電極上に第
二の中間層がさらに積層され、該第二の中間層の上に圧
電膜前駆体が積層され、ここで、前記第二の中間層が、
酸化チタンを含んでなるか、またはタンタル、ニッケ
ル、および白金族から選択される金属と、チタンとの合
金の酸化物を含んでなる層である、請求項10記載の方
法。 - 【請求項14】積層される前記第二の中間層の厚さが2
00オングストローム以下である、請求項13記載の方
法。 - 【請求項15】請求項1〜9のいずれか一項に記載の液
体噴射ヘッドの製造法であって、 請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法によって
得られた珪素基板の、形成された圧電膜の下部に対応す
る位置の珪素を除くことにより液室となる空間を形成す
る工程と、そして前記空間が形成された珪素基板と、第
二の基板とを接合して、ノズルと、噴射されるべき液体
を前記液室に供給する液体供給系とを前記液室に連通さ
せながら前記液室となるべき空間を閉じる工程とを含ん
でなる、方法。 - 【請求項16】インクジェット記録に用いられる、請求
項1〜9のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。 - 【請求項17】請求項1〜9のいずれか一項に記載の液
体噴射ヘッドを備えてなる、インクジェットプリンタ
ー。
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