JPH08113540A - 増殖因子結合剤 - Google Patents

増殖因子結合剤

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JPH08113540A
JPH08113540A JP7240737A JP24073795A JPH08113540A JP H08113540 A JPH08113540 A JP H08113540A JP 7240737 A JP7240737 A JP 7240737A JP 24073795 A JP24073795 A JP 24073795A JP H08113540 A JPH08113540 A JP H08113540A
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JP
Japan
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tgf
psk
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pdgf
growth factor
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JP7240737A
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English (en)
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Kenichi Matsunaga
謙一 松永
Yoshiharu Oguchi
義春 小口
Minoru Ohara
稔 大原
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランスフォーミング成長因子−β(TGF
−β)又は血小板由来増殖因子(PDGF)に選択的に
結合することによりそれらの生物学的作用を阻害する作
用を有する結合剤を提供する。 【解決手段】 カワラタケ属に属する菌類より得られ
る、タンパク質を約18〜38%含有するタンパク多糖
体を含有することを特徴とする、TGF−β及びPDG
Fからなる群から選んだ増殖因子の結合剤。 【効果】 アレルギー反応や効力低下を伴わずに、TG
F−βやPDGFの生理活性のみを選択的に阻害でき、
それらが関与する種々の疾患の治療や予防に利用でき
る。副作用の極めて少ない薬剤であることが既に実証さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の増殖因子
〔すなわち、トランスフォーミング成長因子−β(Tran
sforming Growth Factor−β:略称=TGF−β)又は
血小板由来増殖因子(Platelet-Derived Growth Facto
r:略称=PDGF)〕に対する結合剤に関する。本発
明の結合剤は、前記の特定の増殖因子に選択的に結合す
ることにより、それら増殖因子の生物学的作用を阻害す
る作用を有する。従って、本発明の結合剤は、前記の特
定の増殖因子が関与する種々の疾患の治療や予防に利用
することができる。
【0002】
【従来の技術】生体内部で産生し、或る種の細胞に作用
してその増殖を促進する各種の因子が次々と明らかにさ
れ、その構造や機能が解明されつつある。それらの増殖
因子の中には、増殖促進作用だけでなく、様々な生物学
的作用を示し、それらの過剰産生や代謝異常が種々の疾
患に係わっていることが明らかになってきた。トランス
フォーミング成長因子−β(TGF−β)や血小板由来
増殖因子(PDGF)も、そのような増殖因子に属す
る。TGF−βは、元来、ラット線維芽細胞の増殖を促
進する因子として発見されたが、その後多くの細胞に対
して増殖抑制作用を示すほか、強い免疫抑制作用や細胞
外基質を増加させる作用をもつことが明らかにされた。
その過剰産生や代謝異常は、癌患者等における免疫抑制
状態、肺線維症、肝線維化、糸球体腎炎、強皮症等、様
々な疾患や症状に関与していることが示唆されている。
また、PDGFは、平滑筋細胞、線維芽細胞、又は神経
グリア細胞などに作用してその増殖を促進するが、血管
平滑筋細胞の遊走と増殖が原因である動脈硬化との関連
が注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】TGF−βやPDGF
の作用を阻害する手段としては、それらの増殖因子に特
異的に結合してその作用を阻害する抗体を用いる可能性
が考えられ、実際にその試みもなされている。しかし、
抗体を生体に投与する場合、投与にともなって惹起され
るアレルギー反応の防止や、投与された抗体に対する中
和抗体の生成による効力低下の防止等、克服すべき問題
点が多い。従って、増殖因子の作用を阻害する作用を有
し、しかも安全に投与することができる薬剤の開発が望
まれている。本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研
究した結果、既に制癌剤として臨床応用され、極めて副
作用の少ない薬剤であることが実証されている、担子菌
由来のタンパク質結合多糖体が、前記の増殖因子に結合
してその作用を阻害することを見出した。本発明はこう
した知見に基づくものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、カワ
ラタケ属に属する菌類より得られる、タンパク質を約1
8〜38%含有するタンパク多糖体を含有することを特
徴とする、トランスフォーミング成長因子−β(TGF
−β)及び血小板由来増殖因子(PDGF)からなる群
から選んだ増殖因子の結合剤に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の結合剤において有効成分
として用いるタンパク多糖体は、例えば特公昭46−1
7149号、特公昭51−36322号、特公昭56−
14274号、特公昭56−14275号及び特公昭5
6−14276号各公報などに記載されている。前記タ
ンパク多糖体は、担子菌の一種であるカワラタケ属(Co
liolus)に属する菌類を培養して得られる菌糸体、培養
物(Broth)、又は子実体からの抽出により得られる抽出
物である。前記タンパク多糖体は、約18〜38%のタ
ンパク質を含み、分子量(超遠心分離測定法)が500
0以上、好ましくは5000〜300,000である。
また、前記タンパク多糖体については最近の新薬,第2
8集第14〜16頁,1977年及び第29集第96〜
101頁,1978年や、医薬品要覧,第1346頁,
昭和54年5月第6版,薬業時報社発行等にも記載され
ている。
【0006】また、前記タンパク多糖体の代表例はPS
Kとも呼称されているものであって、クレスチンという
商品名で三共株式会社から市販されている。その性状の
一端を示せば次のとおりである。PSKは、カワラタケ
〔FERM−P2412(ATCC20547)〕の菌
糸体を熱水で抽出し、精製した後に乾燥して得ることが
でき、平均分子量(超遠心分離測定法)は約100,0
00である。主要画分の糖部分はβ−D−グルカンで、
このグルカン部分の構造は1→3、1→4及び1→6結
合を含む分枝構造であり、主な構成単糖はグルコース
(74.6%)やマンノース(15.5%)である。タ
ンパク質の構成アミノ酸は、アスパラギン酸やグルタミ
ン酸等の酸性アミノ酸と、バリンやロイシン等の中性ア
ミノ酸が多く、リジンやアルギニン等の塩基性アミノ酸
は少ない。水に可溶であるが、メタノール、ピリジン、
クロロホルム、ベンゼン又はヘキサンには殆ど溶けな
い。約120℃から徐々に分解する。前記タンパク多糖
体はその毒性が極めて低く且つ副作用も殆ど無い非常に
安全な物質である。前記PSKの急性毒性値を表1に示
す。
【0007】
【表1】
【0008】なお、表1に記載の急性毒性値は次の方法
で調べたものである。マウスとしてはICR−JCL系
の、4〜5週令で体重21〜24gのものを、ラットと
しては呑竜系の、4〜5週令で体重100〜150gの
ものを用いた。投与経路は、表1に示すとおり、経口で
投与を実施した。前記タンパク多糖体を生理食塩水に溶
解して投与し、7日間にわたり、死亡ならびに体重につ
いて観察し、観察期間終了後に屠殺剖検した。ラット及
びマウスとも投与可能な最大投与量においてもまったく
死亡例は認められず、LD50値の算定が事実上不可能で
あった。
【0009】本発明で有効成分として用いる前記のタン
パク多糖体は、TGF−β又はPDGFと選択的に結合
し、その他の増殖因子を始めとする各種のサイトカイン
とは結合しない。例えば、後記実施例1及び2で具体的
に示すように、上皮増殖因子(Epidermal Growth Facto
r :略称=EGF);インターロイキン(Interleukin
:略称=IL)−1α、IL−1β、IL−2、IL
−3、IL−4、IL−6、IL−7、IL−8及びI
L−10;腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor :略
称=TNF)−α及びTNF−β;インターフェロン
(Interferon:略称=IFN)−α、IFN−β、IF
N−γ;顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte Colony
-stimulating Factor :略称=G−CSF);及び顆粒
球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte-macr
ophage Colony-stimulating Factor:略称=GM−CS
F)とは結合しない。なお、前記のタンパク多糖体が結
合するTGF−βは、特に限定されず、例えば、TGF
−β1 、TGF−β2 、TGF−β3 、TGF−β4
はTGF−β5 であることができる。
【0010】また、本発明で有効成分として用いる前記
のタンパク多糖体は、TGF−β又はPDGFと結合す
ることにより、TGF−β又はPDGFの生理活性を阻
害する。この点は、後記実施例3及び4(in vitro)並
びに実施例5(in vivo)で具体的に示す。すなわち、T
GF−βに高感受性の細胞(ミンク胎児肺由来細胞株M
v1Lu及びマウスT細胞株CTLL−2)のin vitro
増殖反応系にTGF−βを添加すると前記各細胞の増殖
が抑制されるのに対し、この系に予め前記タンパク多糖
体を添加しておくと、TGF−βの抑制作用が軽減され
る。また、それらの細胞へのTGF−βの結合が阻害さ
れる。更に、白血病細胞を移植したマウスにおけるin v
ivo の実験においても、TGF−β投与にもとづく癌増
殖の促進が、PSKを投与することにより阻害される。
【0011】以上のように、前記のタンパク多糖体は特
定の増殖因子(TGF−β又はPDGF)とのみに選択
的に結合するので、前記タンパク多糖体の作用は、結合
したTGF−β又はPDGFの生理活性を阻害すること
のみに限定され、他の増殖因子の作用活性阻害に起因す
る副作用が生じる可能性はないと考えられる。また、前
記タンパク多糖体は毒性の極めて低い物質であり、副作
用が極めて少ない薬剤であることは既に臨床的にも認め
られており、長期にわたって安全に投与することができ
る。
【0012】本発明の結合剤を、TGF−β及び/又は
PDGF活性阻害剤としてヒト又は動物に投与する場合
には、任意慣用の方法で各種経路の投与用製剤に調製す
ることができる。すなわち、経口投与、皮下、静脈内、
筋肉内等への注射、経直腸投与(座剤)等である。経口
投与は、それに適用される錠剤、顆粒剤、散剤又はカプ
セル剤などである。それらの組成物中に結合剤、賦形
剤、潤滑剤、崩壊剤又は湿潤剤を含有していてもよい。
また、経口用液体製剤は、内用水剤、振とう合剤、懸濁
液剤、乳剤、シロップ剤の形態であってもよく、あるい
は使用する前に再溶解させる乾燥生成物の形態であって
もよい。更に、このような液体製剤は、添加剤あるいは
保存剤のいずれを含有していてもよい。注射剤、座剤又
は軟膏等の非経口投与剤においては、その組成物が安定
剤、緩衝剤、保存剤又は等張化剤などの添加剤を含んで
いてもよい。なお、上記組成物は水溶液、懸濁液、溶
液、油性又は水性ビヒクル中の乳液のような形態であっ
てもよく、一方、活性成分は使用する前に適当なビヒク
ル(例えば、発熱物質不含の滅菌した水)で再溶解させ
る粉末であってもよい。
【0013】投与量は、投与方式、並びに年齢、個人差
及び疾患の程度によって異なるが、一般には体重1k
g、一日当り0.5〜1000mg、経口投与の場合は
20〜1000mgを1回から3回に分けて投与するこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 ヒト由来TGF−β1 凍結乾燥標品(宝酒造)1μgの
入ったバイアルに、ウシ血清アルブミン(2mg/m
l)を含む5mM塩酸100μlを加えて溶解させた
後、ウシ血清アルブミン(2mg/ml)を含むリン酸
緩衝生理食塩水(pH7. 4)9. 9mlを加え、10
0ng/mlのTGF−β1 溶液を調整した。一方、ウ
シ血清アルブミン(2mg/ml)を含むリン酸緩衝生
理食塩水(pH7. 4)にPSK(クレスチン;三共)
を溶解させ、PSK0. 1μg/ml、0. 5μg/m
l、1. 0μg/ml、5. 0μg/ml、10μg/
ml、50μg/ml、100μg/ml、500μg
/ml又は1000μg/mlを含むPSK溶液を調整
した。前記で調整したTGF−β1 (100ng/m
l)溶液100μlとPSK(0. 1〜1000μg/
ml)の溶液100μlとを試験管内にて混合し、22
℃で3時間反応させた。反応終了後、混合溶液中のTG
F−β1 含量を、市販のEnzyme Immunoassay測定キット
(TGF−β1 ELISAシステム;アマシャム・ジ
ャパン株式会社)を用いて測定した。結果を図1に●で
示す。また、 125I標識抗TGF−β1抗体を用いたRad
ioimmunoassayによる結果を図1の○で示す。なお、縦
軸の結合率(%)は、以下の式(I)によって求めた。
【0015】
【式1】 結合率=(Cc−Cp)/Cc × 100 (I) (式中、Ccは対照群のTGF−β1 測定値であり、C
pはPSK反応群のTGF−β1 測定値である。)
【0016】図1から明らかなように、TGF−β測定
値は、対照群(PSK非添加)に比し、PSK添加群で
用量依存的に低く、PSKがTGF−β1 抗原決定基と
結合していることが分かる。次に、TGF−β以外の各
種サイトカインや増殖因子とPSKの結合性を市販の測
定キットを用いて測定したところ、表2に示すように、
PDGFもTGF−β1 と同程度に結合し、その他の各
種サイトカインや増殖因子とは結合しないことが明らか
になった。なお、表2に示す結合率(%)は前記式
(I)によって算出した。
【0017】
【表2】 増殖因子/サイトカイン(入手先) 結合率(%) PSK濃度(μg/ml) 1 10 100 rhTGF−β1 (1) 32 68 96 nhTGF−β1 (1) 20 67 83 rhTGF−α (2) 0 0 0 rhEGF (3) 0 0 0 rhPDGF (3) 11 26 54 rhIL−1α (2) 0 0 0 rhIL−1β (3) 0 0 0 rhIL−2 (3) 0 0 0 rhIL−3 (3) 0 0 0 rhIL−4 (2) 0 0 0 rhIL−6 (2) 0 0 0 rhIL−7 (2) 0 0 0 rhIL−8 (2) 0 0 0 rmIL−10 (2) 0 0 0 rhTNF−α (2) 0 0 0 rhTNF−β (3) 0 0 0 rhIFN−β (2) 0 0 0 rhIFN−γ (4) 0 0 0 rhG−CSF (2) 0 0 0 rhGM−CSF(5) 0 0 0
【0018】表2において、各種の記号や入手先は以下
のとおりである。 n=天然由来;r=遺伝子組換え由来;h=ヒト由来;
m=マウス由来。 入手先: (1)=アマシャム・ジャパン株式会社製キット (2)=R&D社(米国)製キット (3)=大塚製薬株式会社製キット (4)=東レフジ株式会社製キット (5)=Oncogene Science社製キット
【0019】実施例2 125 I標識ヒト遺伝子組換えTGF−β1 (74−16
7TBq/mmol;第一化学薬品株式会社)370k
Bq(10μCi)の入ったバイアルに、ウシ血清アル
ブミン(2mg/ml)を含むリン酸緩衝生理食塩水
(pH7. 4)を1. 0ml加えて、 125I標識TGF
−β1 溶液を調整した。次に、ウシ血清アルブミン(2
mg/ml)を含むリン酸緩衝生理食塩水(pH7.
4)にPSK(三共株式会社)を溶解させ、PSK(2
00μg/ml)の溶液を調整した。前記で調整した
125I標識TGF−β1 溶液500μlとPSK(20
0μg/ml)の溶液又はウシ血清アルブミン(2mg
/ml)を含むリン酸緩衝生理食塩水(pH7. 4)5
00μlとを試験管内にて混合し、22℃で3時間反応
させた。反応終了後、それぞれの反応液を、Bio−G
elP−60(日本バイオラッド・ラボラトリーズ)を
詰めたゲル濾過用カラム(直径=1cm;高さ=50c
m)にかけてゲル濾過クロマトグラフィーを行った。な
お、溶出液として、リン酸緩衝生理食塩水(pH7.
4)(0.1%ウシ血清アルブミン含有)を用いた。フ
ラクション・コレクターにより、溶出液を1mlずつ採
取し、その放射活性をガンマ・カウンターにより測定し
た。結果を図2(TGF−β1 単独群)及び図3(PS
K及びTGF−β1 群)に示す。対照試験(図2)の
125I標識TGF−β1 溶液単独反応群では、放射活性
は、主として、フラクション40(分子量約2. 5万;
活性型TGF−βの分子量)に溶出されたが、PSKと
の反応群(図3)では、その放射活性はフラクション1
0から18(PSKの溶出位置)に認められた。すなわ
ち、ゲル濾過クロマトグラフィーに結果からも、PSK
とTGF−β1 との結合が分かる。
【0020】実施例3 96ウエルの培養用プレート(Falcon3072;
ベクトン・デイッキンソン・ラブウエア;米国ニュージ
ャージー州)の各ウエルに、ミンク胎児肺由来細胞株M
v1Lu(大日本製薬)又はマウスT細胞株CTLL−
2(理化学研究所)を後述の培地に5×105 /mlに
なるように懸濁させ、その懸濁液を100μlずつ分注
した。ついで、前記実施例1と同様に調整したヒト由来
TGF−β1 凍結乾燥標品(宝酒造)の溶液を50ng
/mlになるように加え、37℃の5%CO2 インキュ
ベーター中で48時間培養した。Mv1Luの培地とし
て10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン及び0. 1m
M非必須アミノ酸を加えたイーグル最少必須培地(Eagl
e's Minimum Essential Medium)を用い、CTLL−2
の培地として10%ウシ胎児血清と20units/m
lのマウスインターロイキン−2と2mMグルタミンと
を加えたRPMI 1640培地を用いた。培養終了の
4時間前にMTT試薬〔3−(4,5−ジメチルチアゾ
ール−2−イル)−2,5−ジフェニル−テトラゾリウ
ムブロマイドを5mg/mlになるようにリン酸緩衝生
理食塩水に溶解した液〕を各ウエルに15μlずつ分注
した。培養終了後、細胞内に生成したホルマザンを40
mM塩酸酸性イソプロパノール200μlを加えて溶解
させ、570nmにおける吸光度をプレート・リーダー
にて測定した(対照培養群試験)。
【0021】一方、実施例1に記載の方法と同様に調整
したPSK溶液を、前記の培養系に添加する試験を実施
した。すなわち、ミンク胎児肺由来細胞株Mv1Luに
対して、試験(A)では、前記の対照培養試験と同様に
Mv1Lu懸濁液を分注したウエルに、PSK溶液をP
SKが100μg/mlとなるように加えてから、TG
F−β1 を50ng/mlになるように加え、前記の対
照培養試験と同様の処理を行い、試験(B)では、前記
の試験(A)と同様にPSK溶液を加えてから、細胞を
培地で充分に洗浄して遊離のPSKを除き、次いでTG
F−β1 を50ng/mlになるように加えて、前記の
対照培養試験と同様の処理を行った。これらの測定結果
を図4に示す。図4において、「PSK(−)」はPS
K無添加の対照培養群、「A」はPSK添加後に洗浄を
行わないでTGF−β1 を添加する実験(A)の培養
群、及び「B」はPSK添加後に洗浄して遊離PSKを
除いてからTGF−β1 を添加する実験(B)の培養群
の各結果である。更に、前記の実験(A)と同様の実験
系で、PSKの添加濃度を1μg/ml、10μg/m
l、及び100μg/mlとなるように加える実験も実
施した。この結果を図5に示す。
【0022】また、マウスT細胞株CTLL−2に対し
て、試験(A)では、前記の対照培養試験と同様にCT
LL−2懸濁液を分注したウエルに、PSK溶液をPS
Kが100μg/mlとなるように加えてから、TGF
−β1 を50ng/mlになるように加え、前記の対照
培養試験と同様の処理を行い、試験(B)では、前記の
対照培養試験と同様にCTLL−2懸濁液を分注したウ
エルに、TGF−β1を50ng/mlになるように加
えてから、PSK溶液をPSKが100μg/mlとな
るように加え、前記の対照培養試験と同様の処理を行
い、試験(C)では、前記の試験(A)と同様にPSK
溶液を加えてから、細胞を培地で充分に洗浄して遊離P
SKを除いてから、TGF−β1 を50ng/mlにな
るように加えて、前記の対照培養試験と同様の処理を行
った。これらの測定結果を図6に示す。図6において、
「PSK(−)」はPSK無添加の対照培養群、「A」
はPSK添加後に洗浄を行わないでTGF−β1 を添加
する実験(A)の培養群、「B」はTGF−β1 添加後
に洗浄を行わないでPSKを添加する実験(B)の培養
群、及び「C」はPSK添加後に洗浄を行ってからTG
F−β1 を添加する実験(C)の培養群の各結果であ
る。更に、前記の実験(A)と同様の実験系で、PSK
の添加濃度を1μg/ml、10μg/ml、及び10
0μg/mlとなるように加える実験も実施した。この
結果を図7に示す。
【0023】なお、図4〜図7において、「増殖阻害率
(%)」は、以下の式(II)によって算出した値であ
る。
【式2】 増殖阻害率(%)=(Ac−Ap)/Ac × 100 (II) (式中、Acは対照培養群の生成フォルマザンの570
nm吸光度であり、ApはTGF−β1 添加群又はTG
F−β1 とPSKとの添加培養群の生成フォルマザンの
570nm吸光度である。)
【0024】各図に示すように、前記細胞株の増殖はT
GF−β1 によって阻害された。また、TGF−β1
加える前にPSKを添加すると、いずれの細胞において
も、TGF−β1 による阻害は軽減された。更に、PS
Kの作用は用量依存的であった。従って、PSKの軽減
作用は、TGF−β1 との直接結合によってもたらされ
ることが分かる。
【0025】実施例4 結合実験用培地〔0.1%ウシ血清アルブミン及び25
mM Hepesを含むダルベッコ最少必須培地(Dulbecco's
Minimum Essential Medium)〕にミンク胎児肺由来細胞
株Mv1Lu(大日本製薬)又はマウスT細胞株CTL
L−2(理化学研究所)を1×106 /mlになるよう
に懸濁させ、37℃の5%CO2 インキュベーター中で
2時間培養した。培養終了後、前記の結合実験用培地で
3回洗浄し、細胞濃度を再び1×106 /mlに調整し
た。この細胞懸濁液に、前記実施例2と同様の方法で調
整した 125I 標識ヒト遺伝子組換えTGF−β1 (74
−167TBq/mmol;第一化学薬品株式会社)の
溶液を1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml又
は50ng/mlになるように加え,22℃で3時間培
養した。遠心分離により細胞を洗浄してから、細胞に結
合した放射活性をガンマ・カウンターにて測定した。な
お、細胞の非特異的結合は、非標識TGF−β1 10n
M存在下で調べた。結果を図8(ミンク胎児肺由来細胞
株Mv1Lu)及び図9(マウスT細胞株CTLL−
2)に示す。図8及び図9から明からなように、細胞に
結合した放射活性は、TGF−β1 添加濃度に依存して
いた。
【0026】次に、前記の培養系にPSKを添加する実
験を行った。すなわち、前記の細胞懸濁液に、PSKを
1μg/ml、10μg/ml又は100μg/mlと
なるように添加してから(洗浄せずに)、TGF−β1
を50ng/mlになるように加え、前記と同様の処理
を行った。これらの結果を図10(ミンク胎児肺由来細
胞株Mv1Lu)及び図11(マウスT細胞株CTLL
−2)に示す。TGF−β1 を加える前にPSKを添加
すると、TGF−β1 の細胞への結合は阻害された。ま
た、PSKの作用は用量依存的であった。従って、PS
Kの阻害作用は、TGF−β1 との直接結合によりもた
らされることが分かる。
【0027】なお、図10及び図11において、「結合
阻害率(%)」は、以下の式(III)によって算出した値
である。
【式3】 結合阻害率(%)=(Rc−Rp)/Rc × 100 (III) 〔式中、RcはPSK非添加群の放射能活性(dpm)
であり、RpはPSK添加群の放射能活性(dpm)で
ある。〕
【0028】実施例5 8週齢の雌性C57BL/6マウス(1群5匹:日本チ
ャールズリバー株式会社)の皮下にEL4白血病細胞
(防衛医科大学校細菌学教室より分譲)1×106 個を
移植し、経時的にノギスにて腫瘍の大きさを測定した。
前記実施例1と同様に調整したTGF−β1 溶液を腫瘍
移植日から連日4回、TGF−β1 1μg/匹となる量
で腹腔内投与した。また、前記実施例1と同様に調整し
たPSK溶液はPSK100mg/kgとなる量で連日
4回腹腔内投与した。移植9日目の腫瘍サイズを図12
に示す。なお、(−)は非投与を、そして(+)は投与
を表している。無処置群に比し、TGF−β1 投与・P
SK非投与群では、明らかに腫瘍の増殖促進が見られた
が、TGF−β1 投与・PSK投与群では促進が見られ
ず、無処置群のサイズとほぼ同じであった。なお、TG
F−β1 非投与群にPSKを投与しても、腫瘍の増殖に
はほとんど影響がなかった。従って、PSKの作用は、
TGF−β1 との直接作用に由来することが分かる。
【0029】
【発明の効果】抗体を生体に投与する場合に起きるアレ
ルギー反応や、投与された抗体に対する中和抗体の生成
による効力低下を伴わずに、TGF−βやPDGFの生
理活性のみを選択的に阻害することができる。しかも、
本発明で用いるタンパク質結合多糖体は、既に制癌剤と
して臨床応用され、極めて副作用の少ない薬剤であるこ
とが実証されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で行った、TGF−β1 とPSKとを
反応させて得られた両者の結合を酵素免疫アッセイ
(●)及びラジオイムノアッセイ(○)で測定した結果
を示すグラフである。
【図2】実施例2で行った、 125I標識TGF−β1
PSKとを反応させ、その反応液をゲル濾過クロマトグ
ラフィーで溶出してから、各フラクションの放射能活性
を測定する実験において、 125I標識TGF−β1 のみ
を加えた場合(対照実験)の結果を示すグラフである。
【図3】実施例2で行った、 125I標識TGF−β1
PSKとを反応させ、その反応液をゲル濾過クロマトグ
ラフィーで溶出してから、各フラクションの放射能活性
を測定する実験において、 125I標識TGF−β1 とP
SKとを加えた場合の結果を示すグラフである。
【図4】実施例3で行った、ミンク胎児肺由来細胞株M
v1Luのin vitro増殖系にPSKとTGF−β1 とを
添加した実験において、TGF−β1 による増殖阻害に
対するPSKの回復効果を示すグラフである。
【図5】実施例3で行った、ミンク胎児肺由来細胞株M
v1Luのin vitro増殖系にPSKとTGF−β1 とを
添加した実験において、TGF−β1 による増殖阻害に
対するPSKの回復効果の用量依存性を示すグラフであ
る。
【図6】実施例3で行った、マウスT細胞株CTLL−
2のin vitro増殖系にPSKとTGF−β1 とを添加し
た実験において、TGF−β1 による増殖阻害に対する
PSKの回復効果を示すグラフである。
【図7】実施例3で行った、マウスT細胞株CTLL−
2のin vitro増殖系にPSKとTGF−β1 とを添加し
た実験において、TGF−β1 による阻害活性に対する
PSKの回復効果の用量依存性を示すグラフである。
【図8】実施例4で行った、ミンク胎児肺由来細胞株M
v1Luのin vitro結合実験の系に 125I標識TGF−
β1 を添加した実験において、前記細胞に結合するTG
F−β1 の用量依存性を示すグラフである。
【図9】実施例4で行った、マウスT細胞株CTLL−
2のin vitro結合実験の系に 125I標識TGF−β1
添加した実験において、前記細胞に結合するTGF−β
1 の用量依存性を示すグラフである。
【図10】実施例4で行った、ミンク胎児肺由来細胞株
Mv1Luのin vitro結合実験の系に 125I標識TGF
−β1 とPSKとを添加した実験において、PSKによ
る細胞結合阻害の用量依存性を示すグラフである。
【図11】実施例4で行った、マウスT細胞株CTLL
−2のin vitro結合実験の系に 125I標識TGF−β1
とPSKとを添加した実験において、PSKによる細胞
結合阻害の用量依存性を示すグラフである。
【図12】実施例5で行った、白血病細胞移植マウスに
TGF−β1 及び/又はPSKを投与した場合の効果
を、腫瘍サイズの変化によって示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カワラタケ属に属する菌類より得られ
    る、タンパク質を約18〜38%含有するタンパク多糖
    体を含有することを特徴とする、トランスフォーミング
    成長因子−β(TGF−β)及び血小板由来増殖因子
    (PDGF)からなる群から選んだ増殖因子の結合剤。
JP7240737A 1994-08-25 1995-08-25 増殖因子結合剤 Pending JPH08113540A (ja)

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JP6-224281 1994-08-25
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09309842A (ja) * 1996-05-20 1997-12-02 Kureha Chem Ind Co Ltd 新規な生理活性物質、その製造方法及び医薬組成物

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JPH09309842A (ja) * 1996-05-20 1997-12-02 Kureha Chem Ind Co Ltd 新規な生理活性物質、その製造方法及び医薬組成物

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