JPH08122304A - 焼付き状態測定方法並びに焼付き状態測定装置及び該焼付き状態測定装置を備えた回転機械 - Google Patents

焼付き状態測定方法並びに焼付き状態測定装置及び該焼付き状態測定装置を備えた回転機械

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JPH08122304A
JPH08122304A JP6265022A JP26502294A JPH08122304A JP H08122304 A JPH08122304 A JP H08122304A JP 6265022 A JP6265022 A JP 6265022A JP 26502294 A JP26502294 A JP 26502294A JP H08122304 A JPH08122304 A JP H08122304A
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JP
Japan
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acoustic emission
signal
seizure
measuring device
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Application number
JP6265022A
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English (en)
Inventor
Masaki Wada
正毅 和田
Katsumi Kawahara
克己 河原
Akira Jinno
亮 神▲野▼
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼付きに関する評価精度の向上を図ると共
に、少ない検出工数でもって最大非焼付き荷重を精度よ
く評価することができるようにする。 【構成】 互いに接触するディスク(20)とブレード
(30)とが設けられている。そして、ディスク(20)と
ブレード(30)との接触部における摩擦によって発生す
る弾性波に基づくアコースティックエミッション波を検
出してアコースティックエミッション信号を出力するA
Eセンサ(40)が設けられている。加えて、AEセンサ
(40)が出力するアコースティックエミッション信号を
受けて信号処理し、最大非焼付き荷重を判定するための
評価パラメータであるイベントカウントの変化特性を導
出する信号処理回路(50)が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、要素の摺動部における
焼付き状態測定方法並びに焼付き状態測定装置及び該焼
付き状態測定装置を備えた回転機械に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、焼付き状態の測定は、JIS規
格K−2419に示されている四球式極圧試験機によっ
て行われている。この四球式極圧試験機による焼付き試
験結果は、図11に示すように、荷重に対する摩耗痕径
特性として表される。
【0003】この図11において、摩耗痕径は荷重の増
加に従って大きくなり、ヘルツラインHより上方が摩耗
による摩耗痕径の増加量である。また、上記図11にお
いて、A−Bは、摩耗が少ないマイルド摩耗領域であ
り、B−Cは、荷重の増加により摩耗速度が増大する初
期焼付き領域であり、C−Dは、摩耗速度が急激に増加
する即時焼付き領域である。そして、上記摩耗痕径特性
から材料等の評価を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の焼付き試験は、試験片の摩擦面における金属の部分的
溶融(凝着)が発生し、摩擦係数が急激に増加する荷重
で評価している。この部分的溶融の発生をはじめとする
焼付き現象は摩擦メカニズムの複雑さや影響因子が多数
存在することにより、現象自体の再現性は低い。つま
り、図11におけるB−C−Dの間では、再現性が悪い
ため、バラツキを考慮した系統的手法を用いなければな
らず、膨大な実験工数が必要となる。
【0005】そこで、上記図11における初期焼付き領
域の開始点であるB点を最大非焼付き荷重として材料評
価等の基準としている。この場合、バラツキは小さいが
実験工数が多いため、多大な試験時間を要するという問
題があった。
【0006】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、焼付きに関する評価精度の向上を図ると共に、少な
い検出工数でもって最大非焼付き荷重を精度よく評価す
ることができるようにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明が講じた手段は、アコースティックエミッ
ションを検出して焼付き状態を導出するものである。
【0008】具体的に、図1に示すように、請求項1に
係る発明が講じた手段は、先ず、互いに接触する2つの
固体要素(20,30)の接触部における摩擦によって発生
する弾性波に基づくアコースティックエミッション波を
検出手段(40)によって検出する。その後、上記検出手
段(40)が出力するアコースティックエミッション波の
アコースティックエミッション信号を信号処理手段(5
0)が受けて該アコースティックエミッション信号を時
系列に信号処理し、焼付き状態を判定するための評価パ
ラメータの変化特性を導出する構成としている。
【0009】また、請求項2に係る発明が講じた手段
は、先ず、互いに接触する2つの固体要素(20,30)が
設けられている。そして、該両固体要素(20,30)の接
触部における摩擦によって発生する弾性波に基づくアコ
ースティックエミッション波を検出してアコースティッ
クエミッション信号を出力する検出手段(40)が設けら
れている。加えて、該検出手段(40)が出力するアコー
スティックエミッション信号を受けて信号処理し、焼付
き状態を判定するための評価パラメータの変化特性を導
出する信号処理手段(50)が設けられている。
【0010】また、請求項3に係る発明が講じた手段
は、上記請求項2の発明において、評価パラメータは、
イベントカウントである構成としている。
【0011】また、請求項4に係る発明が講じた手段
は、先ず、回転要素(62)と該回転要素(62)に接する
圧接要素とを備えた回転機械を前提としている。そし
て、上記回転要素(62)と圧接要素(83)との接触部に
おける摩擦によって発生する弾性波に基づくアコーステ
ィックエミッション波を検出してアコースティックエミ
ッション信号を出力する検出手段(40)と、該検出手段
(40)が出力するアコースティックエミッション信号を
受けて信号処理し、焼付き状態の評価パラメータの変化
特性を導出する信号処理手段(50)とを有している焼付
き状態測定装置(10)が設けられている。加えて、上記
焼付き状態測定装置(10)における信号処理手段(50)
が信号処理した評価パラメータの変化特性における特定
点から焼付き状態を導出する判定手段(56)が設けられ
ている。
【0012】
【作用】上記の構成により、請求項1〜請求項3に係る
発明では、先ず、2つの固体要素(20,30)を押圧しつ
ゝ、一方の固体要素(20)を回転し、検出手段(40)に
よって両固体要素(20,30)の間のアコースティックエ
ミッション波を検出する。
【0013】このアコースティックエミッション波のア
コースティックエミッション信号は、信号処理手段(5
0)に入力され、該信号処理手段(50)で包絡線検波等
の信号処理が行われる。この信号処理手段(50)におい
て、上記アコースティックエミッション信号から焼付き
の評価パラメータ、例えば、請求項3に係る発明では、
イベントカウントが導出される。このイベントカウント
を受けて焼付き状態、例えば、最大非焼付き荷重が導出
されることになる。
【0014】つまり、図9は、荷重に対するブレードの
先端における摩耗痕径の変化特性MLを示している。こ
の図9における−は、従来の四球式極圧試験におけ
る図11のA−Bに相当し、図9における−は、図
11のB−Cに相当し、図9における−は、図11
のC−Dに相当することになる。一方、図9における
−は、アコースティックエミッション信号によるイベ
ントカウント特性WLを示す図8におけるWL−1に相
当し、図9における−は、図8におけるWL−2に
相当し、図9における−は、図8におけるWL−3
に相当する。以上のことから、図8における−1は、
従来の図11におけるBに対応していることになり、ア
コースティックエミッション信号によって最大非焼付き
荷重が導出さることになる。
【0015】また、請求項4に係る発明では、回転要素
(62)と圧接要素(83)との間より発生するアコーステ
ィックエミッション波は検出手段(40)によって検出さ
れる。そして、該検出手段(40)が出力するアコーステ
ィックエミッション信号は信号処理手段(50)によって
処理され、焼付き状態の評価パラメータが導出される。
この評価パラメータを判定手段(56)が受けて、例え
ば、変化特性から最大非焼付き荷重を導出し、焼付き状
態の判定信号が出力されることになる。つまり、上記判
定回路は、図8に示す−1点を導出し、イベントカウ
ントの変化特性WLが−1点を示すと、異常等の判定
信号を出力して回転運転中止等の異常処理を行うことに
なる。
【0016】
【発明の効果】従って、請求項1〜請求項3に係る発明
によれば、アコースティックエミッション信号から焼付
き状態の評価パラメータを導出するようにしたゝめに、
従来の摩擦係数を指標とした評価に比して評価精度の向
上を図ることができる。例えば、従来の摩擦係数による
焼付き試験においては、平均値X(kN)が2.8で、標
準偏差σが0.87で、バラツキ(X/σ×100)が
30.9%であるのに対し、本発明のAE信号による焼
付き試験においては、平均値X(kN)が1.0で、標準
偏差σが0.24で、バラツキ(X/σ×100)が2
4.0%となり、評価精度を著しく向上させることがで
きる。
【0017】また、上記アコースティックエミッション
信号の時系列な信号処理によって焼付き状態を判定する
ことができるので、オンラインで焼付き状態の情報を得
ることができ、少ない実験工数で焼付き状態の判定を行
うことができる。特に、最大非焼付き荷重を精度よく、
且つ少ない実験工数で導出することができるので、各種
の摺動部材の判定に使用することができる。
【0018】また、請求項4に係る発明では、アコース
ティックエミッション信号によって回転要素(62)と圧
接要素(83)との間の焼付き状態を判定するようにした
ゝめに、回転要素(62)の軸受けの焼付き状態を正確に
判定することができるので、回転動作を正確に実行させ
ることができることから、信頼性の高い運転を行うこと
ができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0020】−実施例1− 図2に示すように、(10)は、焼付き状態測定装置であ
って、2つの固体要素であるディスク(20)とブレード
(30)と摺動させて焼付き測定を行うものである。該焼
付き状態測定装置(10)は、図3に示すように、油槽
(11)の内部にディスク(20)とブレード(30)とが配
置されて構成されており、該ディスク(20)は、油槽
(11)の内部に導入された駆動軸(12)の先端に取付け
られている。該ディスク(20)は、例えば、NiCrM
o鋳鉄で形成されている。また、上記ブレード(30)
は、図5に示すように、矩形体に形成されて下面が円弧
面(31)に形成されており、ディスク(20)に対峙して
設けられた円盤状の固定治具(13)に3つ取付けられ、
該固定治具(13)には、荷重を付与する加圧用のバネ
(14)が設けられている。また、上記ブレード(30)
は、例えば、高速度工具鋼のSKH51で構成され、機
械的性質は、比重が8.7、硬度がHRC62〜65、
引張強度が240(Kgf/mm2) 、縦弾性係数2100(Kg/
mm2)である。
【0021】一方、上記油槽(11)には、供試冷凍機油
(15)が充填されると共に、ヒータ(16)と冷却コイル
(17)とが設けられて油温を一定に保持するように構成
されている。そして、上記焼付き状態測定装置(10)
は、図4に示すように、駆動軸(12)を回転駆動してデ
ィスク(20)を回転させる同時に、バネ(14)によって
ブレード(30)をディスク(20)に所定荷重で押圧しつ
ゝ、該ブレード(30)とディスク(20)とを線接触させ
て焼付き試験を行うように構成されている。
【0022】上記焼付き状態測定装置(10)における固
定治具(13)には、本発明の特徴とするアコースティッ
クエミッションセンサ(以下、AEセンサ(40)とい
う。)が取付けられている。該AEセンサ(40)は、デ
ィスク(20)とブレード(30)との接触によって発生す
るブレード(30)の弾性波に基づくアコースティックエ
ミッション波(以下、AE波という。)を検出し、アコ
ースティックエミッション信号(以下、AE信号とい
う。)を出力する検出手段を構成している。
【0023】上記AEセンサ(40)は、チタン酸ジルコ
ン酸鉛(PZT)のセラミックで構成されており、セラ
ミックの圧電性を利用して、被試験体であるブレード
(30)から放射されるAE波を検出してAE信号に変換
している。特に、本実施例におけるAEセンサ(40)
は、ブレード(30)の固定治具(13)の側面に設置され
るので、冷凍機油(15)の高温部で使用可能な耐油及び
耐熱性の構造で、250KHz〜1MHzに周波数領域
をもつように構成されている。該AEセンサ(40)のA
E信号は、信号処理手段である信号処理回路(50)に入
力され、該信号処理回路(50)は、上記AE信号を信号
処理して焼付き状態の評価パラメータの変化特性を導出
するように構成されている。
【0024】上記信号処理回路(50)は、図6に示すよ
うに、AE信号をプリアンプ(51)で前置増幅した後、
フィルタ(52)及びメインアンプ(53)でフィルタリン
グ及び主増幅し、AE解析装置である信号処理器(54)
で包絡線検波等を行って評価パラメータを導出し、光磁
気ディスク等の記録計(55)に評価パラメータを記録す
るように構成されている。つまり、上記AEセンサ(4
0)が検出するAE信号は、数μV〜数mV程度である
ので、50dB〜100dBの増幅が必要であり、且つ
ノイズ除去が重要であるので、上記プリアンプ(51)、
フィルタ(52)及びメインアンプ(53)によって信号処
理を行うようにしている。また、上記信号処理器(54)
が導出した焼付き状態の評価パラメータは、記録計(5
5)に記録され、評価パラメータの変化特性における特
定点から焼付き状態、例えば、最大非焼付き荷重が評価
される。
【0025】そこで、上記信号処理器(54)の信号処理
について説明すると、図7に示すように、先ず、摩擦に
よる弾性波は、摩耗が大きいと振幅が大きく、摩耗が小
さいと振幅が小さくなり、この弾性波に対応してAE信
号は、摩耗が大きいと振幅が大きく、摩耗が小さいと振
幅が小さくなる(図7a参照)。そして、図7のW1に
おいて、摩耗が大きいことになる。尚、図7のW2は、
反射波であって、摩耗とは無関係な波形部分である。そ
して、上記信号処理器(54)は、上記AE信号を包絡線
検波して包絡線検波信号Eを導出し、評価パラメータの
1つであるイベントカウントを導出する。このイベント
カウントは、AE信号と検出数とを対応させるために用
いられるパラメータであって、包絡線検波信号Eが予め
設定されたスレッショルドSHを越えた点からスレッシ
ョルドSHより低下した点になるまでを1イベントとし
て計数した値である(図7d参照)。
【0026】また、上記信号処理器(54)は、評価パラ
メータとしてイベントカウントの他、オシレーションカ
ウント、エネルギレート、Σ振幅、平均振幅、平均持続
時間、平均立上がり時間、平均ウェーブフォームレシ
オ、及び平均デグラデーションレシオを導出するように
構成されている。
【0027】上記オシレーションカウント(リングダウ
ンカウント)は、AEセンサ(40)から出力されるフィ
ルタ(52)及びメインアンプ(53)を通過した検出波形
において、予め設定されたディスクリレベル(スレッシ
ョルドTH)を越えた波形の個数をそのまゝ計数した値
であり(図7c参照)、エネルギ的重み付けが加味され
るが、1つのAE源からのAE信号であっても反射波等
の複数の波数を数えるため、AE発生数との直接の対応
はできない。
【0028】上記エネルギレートは、1イベントのエネ
ルギに相当するもので、AE波の立上がり方と減衰の仕
方とが同じであると仮定して、エネルギは振幅値の自乗
に持続時間を掛けて算出した値(自乗×持続時間)であ
る。
【0029】上記Σ振幅は、イベント発生時における包
絡線検波信号Eの振幅値の総和である。
【0030】上記平均振幅は、イベント発生時における
包絡線検波信号Eの振幅値の平均値である。
【0031】上記平均持続時間は、1イベントが継続す
る時間である。
【0032】上記平均立上がり時間は、1イベントがス
レッショルドTHを越えた点から最大振幅に至までの時
間である(図7b参照)。
【0033】上記平均ウェーブフォームレシオは、波形
の立上がりの鋭さを簡易的に示すパラメータであって、
鋭い立上がりの波形ほど小さい値を示し、立上がり時間
を持続時間で割った値(立上がり時間/持続時間)であ
る。
【0034】上記平均デグラデーションレシオは、{エ
ネルギ/(振幅×立上がり時間)}で算出される値であ
る。
【0035】−実施例1における焼付き状態判定方法の
構成及び判定動作− 次に、上記焼付き状態測定装置(10)による最大非焼付
き荷重の判定動作について説明する。先ず、上記焼付き
状態測定装置(10)において、ブレード(30)を所定の
荷重でディスク(20)に押圧しつゝ、該ディスク(20)
を回転する。そして、上記荷重を増加させる一方、AE
センサ(40)によってAE波が検出され、該AEセンサ
(40)がAE信号を出力する。
【0036】このAE信号は、プリアンプ(51)、フィ
ルタ(52)及びメインアンプ(53)を介して、信号処理
器(54)に入力され、該信号処理器(54)で包絡線検波
等の信号処理が行われる。この信号処理器(54)におい
て、上記AE信号から焼付きの評価パラメータの1つで
あるイベントカウントが導出される。このイベントカウ
ントを受けて記録計(55)にイベントカウントの変化特
性が記録され、最大非焼付き荷重が導出されることにな
る。
【0037】そこで、上記イベントカウントと最大非焼
付き荷重との関係について説明する。図8は、焼付き試
験における荷重に対するイベントカウント(AE信号計
数率)の変化特性WLを示しており、また、図9は、荷
重に対するブレード(30)の先端における摩耗痕径の変
化特性MLを示している。
【0038】この図9において、ヘルツラインHより上
方が摩耗による摩耗痕径の増加量であり、−は、試
験開始直後の初期摩耗が発生しているなじみ過程領域で
あり、−は、摩耗速度が小さいマイルド摩耗領域で
あり、−は、荷重の増加によって摩耗速度が増大す
る領域で、において焼付きに至り、この−が摩耗
速度が大きいシビア摩耗領域である。
【0039】そして、図9における−は、従来の四
球式極圧試験における図11のA−Bに相当し、図9に
おける−は、図11のB−Cに相当し、図9におけ
る−は、図11のC−Dに相当することになる。
【0040】一方、図9における−は、AE信号に
よるイベントカウント特性WLを示す図8におけるWL
−1に相当し、初期摩耗によってイベントカウントが大
きなピークを生じることになる。その後、図9における
−は、図8におけるWL−2に相当し、摩耗速度が
小さいのでイベントカウントは計数されていない。更
に、図9における−は、図8におけるWL−3に相
当し、摩耗速度が再び大きくなっているのでイベントカ
ウントも顕著に増加している。
【0041】以上のことから、図8における−1は、
図9におけるに対応していることが判る。同時に、図
9におけるは、従来の図11におけるBに対応してい
ることが判る。従って、上記図8における−1は、従
来の図11におけるBに対応していることになり、AE
信号によって最大非焼付き荷重が導出さることになる。
【0042】−実施例1における特有の効果− 以上のように、AE信号から焼付き状態の評価パラメー
タを導出するようにしたゝめに、従来の摩擦係数を指標
とした評価に比して評価精度の向上を図ることができ
る。例えば、従来の摩擦係数による焼付き試験において
は、平均値X(kN)が2.8で、標準偏差σが0.87
で、バラツキ(X/σ×100)が30.9%であるの
に対し、本実施例のAE信号による焼付き試験において
は、平均値X(kN)が1.0で、標準偏差σが0.24
で、バラツキ(X/σ×100)が24.0%となり、
評価精度を著しく向上させることができる。
【0043】また、上記AE信号の時系列な信号処理に
よって焼付き状態を判定することができるので、オンラ
インで焼付き状態の情報を得ることができ、少ない実験
工数で焼付き状態の判定を行うことができる。特に、最
大非焼付き荷重を精度よく、且つ少ない実験工数で導出
することができるので、各種の摺動部材の判定に使用す
ることができる。
【0044】−実施例2− 本実施例は、図10に示すように、ローリングピストン
型圧縮機(60)に上記焼付き状態測定装置(10)を設け
たものである。該ローリングピストン型圧縮機(60)
は、空調機に備えられるものであって、ケーシング(6
1)の内部に駆動モータ(70)と圧縮部(80)とが収納
されて構成されている。
【0045】該駆動モータ(70)は、ケーシング(61)
に固着されたステータ(71)と、該ステータ(71)の中
央部に配設されたロータ(72)とによって構成され、ク
ランク軸(62)がロータ(72)の中央部に接続され、該
クランク軸(62)の下端部が下方へ延長されて圧縮部
(80)に連結されている。上記圧縮部(80)は、固定翼
形であって、ケーシング(61)に固着されたシリンダ
(81)にローラ(82)が収容されていると共に、シリン
ダ(81)の上端面にフロントヘッド(83)が、下端面に
リヤヘッド(84)がそれぞれ取付けられて構成され、上
記シリンダ(81)とローラ(82)との間には圧縮室(8
5)が形成されている。
【0046】また、上記フロントヘッド(83)及びリヤ
ヘッド(84)には、上記クランク軸(62)が回転自在に
支持され、該クランク軸(62)が回転要素に、フロント
ヘッド(83)及びリヤヘッド(84)がクランク軸(62)
に接する圧接要素になり、摺接部には、ケーシング(6
1)の下部に貯溜された潤滑油(63)がクランク軸(6
2)を介して供給されている。
【0047】更に、上記シリンダ(81)には圧縮室(8
5)に開口する吸入管(64)が連結され、上記ケーシン
グ(61)の上部には吐出管(65)が連接されている。ま
た、上記ローラ(82)は、クランク軸(62)に対して偏
心したカム部(86)を介して嵌入され、上記シリンダ
(81)にはブレード(87)が設けられている。
【0048】一方、上記フロントヘッド(83)には、本
発明の特徴として、AEセンサ(40)が取付けられてお
り、該AEセンサ(40)は、クランク軸(62)とフロン
トヘッド(83)との間から放出されるAE波を検出して
いる。そして、上記AEセンサ(40)は、ケーシング
(61)の外部に設けられた信号処理回路(50)に接続さ
れ、該信号処理回路(50)は、実施例1に示したように
イベントカウントを導出している。また、上記信号処理
回路(50)の信号処理器(54)には、焼付き状態の判定
手段である判定回路(56)が接続されている。該判定回
路(56)は、信号処理器(54)が信号処理した評価パラ
メータの変化特性における特定点から焼付き状態を導出
するように構成されており、具体的に、最大非焼付き荷
重を導出して判定信号を出力するように構成されてい
る。
【0049】−ローリングピストン型圧縮機(60)の焼
付き判定動作− 次に、このローリングピストン型圧縮機(60)における
運転動作について説明する。先ず、駆動モータ(70)を
駆動すると、クランク軸(62)が回転し、このクランク
軸(62)の回転によって圧縮部(80)のローラ(82)が
シリンダ(81)内で圧縮室(85)を収縮するように回転
する。これにより、冷媒ガスが吸入管(64)より圧縮室
(85)に流入し、この圧縮室(85)が収縮して冷媒ガス
を圧縮することになる。
【0050】この圧縮動作中において、クランク軸(6
2)はフロントヘッド(83)及びリヤヘッド(84)とに
摺接しており、該クランク軸(62)とフロントヘッド
(83)との摺接部より発生するAE波はAEセンサ(4
0)によって検出される。そして、該AEセンサ(40)
が出力するAE信号は信号処理回路(50)によって処理
され、焼付き状態の評価パラメータであるイベントカウ
ントが導出される。このイベントカウントを判定回路
(56)が受けて、変化特性WLから最大非焼付き荷重を
導出し、焼付き状態の判定信号が出力されることにな
る。
【0051】つまり、上記判定回路(56)は、図8に示
す−1点を導出し、イベントカウントの変化特性WL
が−1点を示すと、異常等の判定信号を出力して圧縮
機(60)の運転中止等の異常処理を行うことになる。
【0052】−実施例2における特有の効果− 以上のように、本実施例によれば、AE信号によって焼
付き状態を判定するようにしたゝめに、クランク軸(6
2)の軸受けの焼付き状態を正確に判定することができ
るので、圧縮動作を正確に実行させることができること
から、信頼性の高い運転を行うことができる。
【0053】−他の変形例− 尚、各実施例においては、焼付き状態を判定する評価パ
ラメータとしてイベントカウントを適用したが、本発明
は、イベントカウントの他に、Σ振幅などを適用しても
よいものである。
【0054】また、実施例2は、ローリングピストン型
圧縮機(60)の焼付き状態測定装置(10)を設けたが、
請求項4に係る発明は、各種の回転機械に適用すること
ができるものであり、例えば、回転モータ、エンジン、
ポンプなどのシャフトと支持部材との間の摺動部分に焼
付き状態測定装置(10)を適用してもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】焼付き状態測定装置の概略構成図である。
【図3】焼付き状態測定装置の摩擦試験部分の構成図で
ある。
【図4】焼付き状態測定装置の摩擦部分の概略構成図で
ある。
【図5】ブレードの斜視図である。
【図6】焼付き状態測定装置の信号処理回路の構成図で
ある。
【図7】AE信号の波形図及び信号処理波形図である。
【図8】イベントカウントの特性図である。
【図9】摩耗痕径の特性図である。
【図10】ローリングピストン型圧縮機の断面図であ
る。
【図11】従来の試験方法による摩耗痕径の特性図であ
る。
【符号の説明】
10 焼付き状態測定装置 20 ディスク(固体要素) 30 ブレード(固体要素) 40 AEセンサ(検出手段) 50 信号処理回路(信号処理手段) 51 プリアンプ 52 フィルタ 53 メインアンプ 54 信号処理器 55 記録計 56 判定回路(判定手段) 60 ローリングピストン型圧縮機 62 クランク軸(回転要素) 70 駆動モータ 80 圧縮部 83 フロントヘッド(圧接要素) 84 リヤヘッド(圧接要素)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに接触する2つの固体要素(20,3
    0)の接触部における摩擦によって発生する弾性波に基
    づくアコースティックエミッション波を検出手段(40)
    によって検出した後、 上記検出手段(40)が出力するアコースティックエミッ
    ション波のアコースティックエミッション信号を信号処
    理手段(50)が受けて該アコースティックエミッション
    信号を時系列に信号処理し、焼付き状態を判定するため
    の評価パラメータの変化特性を導出することを特徴とす
    る焼付き状態測定方法。
  2. 【請求項2】 互いに接触する2つの固体要素(20,3
    0)と、 該両固体要素(20,30)の接触部における摩擦によって
    発生する弾性波に基づくアコースティックエミッション
    波を検出してアコースティックエミッション信号を出力
    する検出手段(40)と、 該検出手段(40)が出力するアコースティックエミッシ
    ョン信号を受けて信号処理し、焼付き状態を判定するた
    めの評価パラメータの変化特性を導出する信号処理手段
    (50)とを備えていることを特徴とする焼付き状態測定
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の焼付き状態測定装置にお
    いて、 評価パラメータは、イベントカウントであることを特徴
    とする焼付き状態検測定装置。
  4. 【請求項4】 回転要素(62)と該回転要素(62)に接
    する圧接要素(83)とを備えた回転機械において、 上記回転要素(62)と圧接要素(83)との接触部におけ
    る摩擦によって発生する弾性波に基づくアコースティッ
    クエミッション波を検出してアコースティックエミッシ
    ョン信号を出力する検出手段(40)と、該検出手段(4
    0)が出力するアコースティックエミッション信号を受
    けて信号処理し、焼付き状態の評価パラメータの変化特
    性を導出する信号処理手段(50)とを有している焼付き
    状態測定装置(10)と、 上記焼付き状態測定装置(10)における信号処理手段
    (50)が信号処理した評価パラメータの変化特性におけ
    る特定点から焼付き状態を導出する判定手段(56)とを
    備えていることを特徴とする焼付き状態測定装置を備え
    た回転機械。
JP6265022A 1994-10-28 1994-10-28 焼付き状態測定方法並びに焼付き状態測定装置及び該焼付き状態測定装置を備えた回転機械 Pending JPH08122304A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006226731A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Sumitomo Metal Ind Ltd 軸受の異常検出装置
JP2011033627A (ja) * 2009-08-03 2011-02-17 Georgia Tech Research Corp 溶接部における欠陥のタイプ及び重度を分類するための方法及びシステム
CN119881094A (zh) * 2025-01-17 2025-04-25 湘潭大学 一种声发射模拟信号的演变趋势调控方法

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