JPH0812598A - 腫瘍治療剤 - Google Patents

腫瘍治療剤

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JPH0812598A
JPH0812598A JP6170437A JP17043794A JPH0812598A JP H0812598 A JPH0812598 A JP H0812598A JP 6170437 A JP6170437 A JP 6170437A JP 17043794 A JP17043794 A JP 17043794A JP H0812598 A JPH0812598 A JP H0812598A
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JP
Japan
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acid
tumor
metal chelating
cobalt
therapeutic agent
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JP6170437A
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English (en)
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Kiyonori Hatsushiba
清徳 初芝
Jiyunko Kadoki
純子 角木
Toshiro Yamaguchi
敏朗 山口
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Fujifilm RI Pharma Co Ltd
Original Assignee
Fujifilm RI Pharma Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 放射性金属元素、金属キレート試薬及び腫瘍
集積性油性溶媒を含有する腫瘍治療剤。 【効果】 本発明の腫瘍治療剤は、腫瘍集積性油性溶媒
により腫瘍選択性が著しく高まり、放射線照射による選
択的腫瘍治療に極めて有効である。また、本発明腫瘍治
療剤に用いられる金属キレート試薬、放射性金属元素及
び腫瘍集積性油性溶媒はいずれも容易に入手可能であ
り、また調製も極めて簡便に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は腫瘍治療剤に関し、さら
に詳細には、肝癌等の腫瘍部位に、有効成分である放射
性金属元素を集積させることが可能な腫瘍治療剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、肝癌のターゲッティング療法の一
つとして、腫瘍選択性の高い腫瘍集積性油性溶媒である
リピオドールを用い、このリピオドールが含む安定ヨー
ドを同位体交換反応により放射性ヨード131に置き換
え、肝動脈に注入し放射性ヨード131の放射線照射に
より肝癌を治療する方法が知られている(小林等:Ra
dioactive LipiodolのTransc
atheter Arterial Emboliza
tionによる肝癌の治療の可能性について.日本医学
放射線学会雑誌.第44巻.第1号.96−98.昭和
59年1月)。
【0003】一方、他の肝癌のターゲッティング療法の
一つに、放射性イットリウム90と結合したセリンを吸
着させた微小球(Yttriumserin sphe
re)を肝臓動脈から投与し、腫瘍近辺に集積した放射
性イットリウム90の放射線照射によって腫瘍細胞を殺
傷する方法がある(Grady,E.D.等:Inte
rnal Radiation Therapy of
Hepatic Cancer.Dis.col.&
Rect.22:371−375,1979)。
【0004】また、リピオドールを用いたターゲッティ
ング治療法の一つとして、リピオドールを基剤として用
い、これに、油性高分子制癌剤スマンクス(一般名ジノ
スタチンスチマラー)を溶解せしめて、肝動脈に注入し
肝癌を治療する方法も知られている(特願昭62−21
8638号公報 および 今野俊光等:原発性肝癌の新治
療法:油性リンパ管造影剤リピオドールと親油性高分子
制癌剤スマンクスの肝動脈内投与とその臨床成績.癌と
化学療法.第9巻.第11号.昭和57年11月)。
【0005】上記した方法のうち、放射性ヨード131
を用いるリピオドールのターゲッティング療法において
は、放射性ヨード131から発せられる高エネルギーの
γ線により、他の正常臓器や組織への全身性の被爆の問
題があり、また、放射性ヨード131の発するβ線の飛
程が短いために、腫瘍径の大きなものに対しては十分な
放射線照射ができないという欠点があった。更に、リピ
オドール中の安定ヨードを放射性ヨード131に同位体
交換する操作が極めて煩雑であるという問題点があっ
た。
【0006】また、放射性イットリウム90と結合した
セリンを吸着させた微小球を用いる方法は投与物自体に
腫瘍への特異性がなく、腫瘍のみならず肝全体の照射と
なり、腹水、放射線肝臓炎等の重篤な副作用を伴うとい
う欠点がある。
【0007】さらに、油性高分子制癌剤を用いる方法で
は、この制癌剤の選択的毒性が低く、これをカバーする
ため腫瘍に対して十分量の制癌剤を投与すると、非腫瘍
部ならびに全身性の副作用が問題となり、抗腫瘍効果が
限界があるという欠点がある。また、転移性の肝癌に対
してはその栄養血管支配が門脈系と栄養血管系の二系統
に渡るために、必然的に投与量の増加を行う事が余儀な
くされるという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、肝癌等の治療
に有効において、優れた腫瘍集積性と腫瘍細胞殺傷能力
を有し、簡便に調合し得る腫瘍治療剤の開発が強く望ま
れていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記実情に
鑑み、鋭意研究を行った結果、一般に水溶液として供給
され、油性溶媒中に懸濁させることは困難であると考え
られていた放射性金属元素も、これと特異的に反応する
金属キレート試薬を用いて錯体を形成せしめた後、これ
を腫瘍集積性油性溶媒と組み合わせることにより上記問
題を解決しうることを見出し本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、放射性金属元素、金
属キレート試薬および腫瘍集積性油性溶媒を含有する腫
瘍治療剤を提供するものである。
【0011】本発明で用いる放射性金属元素としては、
例えばイットリウム90(90Y)、レニウム186(
186 Re)、レニウム188(188 Re)、銅67(67
Cu)、テクネシウム99m(99m Tc)、インジウム
111(111 In)、インジウム113m(113mI
n)、ガリウム67(67Ga)、ガリウム68(68G
a)、タリウム201(201 Tl)、鉄59(59F
e)、クロム51(51Cr)、コバルト57(57C
o)、コバルト58(58Co)、コバルト60(60C
o)、ストロンチウム85(85Sr)、金198(198
Au)、水銀197(197 Hg)、水銀203(203 H
g)、鉛109(109 Pb)、ジスプロシウム165(
165Dy)、ルテニウム103(103 Ru)などを挙げ
ることができる。
【0012】これらの放射性金属元素のなかでも、γ線
を放出せずにβ線のみを放出する放射性金属核種が望ま
しく、最大飛程(最大エネルギーを持つβ線を阻止する
のに十分な吸収板の厚さ)もある程度長い方が好まし
く、物理的半減期が余り長くないものが好ましい。
【0013】特にイットリウム90は、β線のみを放出
し、その最大エネルギーが2.28MeVで、組織中の
最大飛程が11.9mmで、物理的半減期が64.1時
間であるため、最も好ましい。
【0014】本発明で放射性金属元素と錯体を形成させ
るために用いる金属キレート試薬は、錯体形成後水に対
し難溶または不溶性を示し、加熱操作や超音波照射等の
手技により腫瘍集積性油性溶媒中に容易に懸濁可溶化せ
しめることができる金属キレート試薬が好ましい。
【0015】具体的な金属キレート試薬の例として、例
えば(1)8−ヒドロキシキノリン、8−アセトキシキ
ノリン、8−ヒドロキシキナルジン、硫酸オキシキノリ
ン、O−アセチルオキシン、O−ベンゾイルオキシン、
O−p−ニトロベンゾイルオキシン、キノリン骨格を有
するキノロン系化合物であるノルフロキサシン、オフロ
キサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、ロメフ
ロキサシン、トスフロキサシン、フレロキサシン、スパ
ルフロキサシン等のキノリン誘導体;(2)クロラニル
酸、アルミノン、チオ尿素、ピロガロール、クペロン、
ビスムチオール(II)、ガロイル没食子酸、チオリド、
2−メルカプトベンゾチアゾール、テトラフェニルアル
ソニウムクロライド等の化合物;(3)エチレンジアミ
ン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸
(DTPA)およびこれらに類似した骨格を有するジヒ
ドロキシエチルグリシン、ジアミノプロパノール四酢
酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロ
ピオン酸塩酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三
酢酸、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン
酸)、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヘキサメチ
レンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、
イミノ二酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢
酸、ニトリロ三プロピオン酸、ニトリロトリス(メチレ
ンスルホン酸)三ナトリウム塩、トリエチレンテトラミ
ン六酢酸、アミノベンジルエチレンジアミン四酢酸、イ
ソチオシアノベンジルエチレンジアミン四酢酸、マレイ
ミドプロピルアミドベンジルエチレンジアミン四酢酸、
マレイミドペンチルアミドベンジルエチレンジアミン四
酢酸、マレイミドデシルアミドベンジルエチレンジアミ
ン四酢酸等が挙げられる。
【0016】これらの金属キレート試薬のなかでも、特
に8−ヒドロキシキノリン及び8−ヒドロキシキナルジ
ンが好ましい。
【0017】本発明で用いる腫瘍集積性油性溶媒とは、
腫瘍に対して特異的にかつ停滞性を持って集積する性質
を有する油性溶媒であり、脂肪酸エステル類、例えばヨ
ード化ケシ油脂肪酸エステル等が好ましく用いられる。
とりわけリピオドールとして知られる、ヨード化ケシ油
脂肪酸エチルエステルが好ましい。
【0018】この腫瘍集積性油性溶媒の薬理学的特性、
なかんずく腫瘍への選択的集積性と停滞性の理由は、固
形腫瘍の血管やリンパ管の構築や機能が、正常の臓器や
組織の脈管構築とは大きく異なっていることに基づくと
考えられている。すなわち、新生血管等の腫瘍血管の多
くは粗雑で過密であるため、血中の高分子や油がこの血
管外腔へ高率に漏出し、かつ蓄積しやすく、しかも漏出
した高分子や油を回収し運び去る為のシステムであるリ
ンパ系・網内系機能が血管に見合った程度に機能してい
ないためと考えられている(前田浩:肝癌治療薬−スマ
ンクス/リピオドール.毎日ライフ.第25巻.第6
号.44−49.1994)。
【0019】本発明の腫瘍治療剤の調製は、例えば以下
のいずれかの方法により行われる。まず第1の方法とし
ては、腫瘍集積性油性溶媒に金属キレート試薬を添加
し、必要に応じて加熱下で懸濁可溶化せしめた後、放射
性金属元素を含む溶液を添加し、超音波照射等の手技に
より腫瘍集積性油性溶媒中の金属キレート試薬と錯体を
形成させる方法が挙げられる。この場合、別個に調製し
た腫瘍集積性油性溶媒と金属キレート試薬との懸濁液
と、放射性金属元素溶液とからなる腫瘍治療用キットと
することも可能である。
【0020】また、第2の方法としては、事前に常法に
より金属キレート試薬と放射性金属元素の錯体を形成せ
しめ凍結乾燥あるいは常温で化学的に不活性なガスを吹
き付け、溶媒を留去する等の方法で粉末とした後、この
錯体粉末中に腫瘍集積性油性溶媒を添加し、加熱や超音
波照射等の手技により懸濁可溶化せしめる方法が挙げら
れる。この場合、別個に調製した懸濁用錯体粉末と、腫
瘍集積性油性溶媒とからなる腫瘍治療用キットとするこ
とも可能である。
【0021】本発明腫瘍治療剤の調製に際しては、放射
性金属元素と金属キレート試薬との錯体形成を確実なら
しむるため、使用する放射性金属元素に対し過剰の金属
キレート試薬を用いることが好ましい。例えば放射性金
属元素としてイットリウム90、金属キレート試薬とし
て8−ヒドロキシキノリンを用いる場合にはイットリウ
ム90 37〜148MBqに対し、0.1〜0.4mg
程度の金属キレート試薬を配合することが好ましい。
【0022】また、本発明腫瘍治療剤中に懸濁している
錯体の量は腫瘍治療剤 1 mlに対し、0.2〜1.0
mg程度とすることが好ましい。
【0023】本発明の腫瘍治療剤においては、さらに必
要に応じてエチルアルコール、ベンジルアルコール等の
任意成分を配合することもできる。
【0024】叙上の如くして得られる本発明の腫瘍治療
剤は、例えば肝癌、肺癌、腎臓癌、乳癌、食道癌、胃
癌、胆嚢癌、前立腺癌、膀胱癌、卵巣癌、子宮癌、大腸
癌、膵臓癌等の癌の治療に用いられ、特に肝癌の治療に
適している。
【0025】この腫瘍治療剤の投与は、一般に腫瘍の支
配動脈に動脈内注射することにより行われる。 例え
ば、肝癌の場合には肝動脈に、肺癌の場合には気管支動
脈に、腎臓の場合には腎動脈に注射すればよい。 より
具体的には、例えば肝癌の場合には、カテーテルを用
い、大腿動脈から逆行性にカテーテルを挿入し、腹部大
動脈、復腔動脈、総肝動脈を経由して肝動脈へ導きそこ
で腫瘍治療剤を投与すればよい。
【0026】投与量および投与回数は、使用する放射性
金属元素によっても異なるが、例えばイットリウム90
を用いた場合、対象となる腫瘍の大きさが1〜500g
であればイットリウム90として 0.9〜925MB
qを3〜4週間の間隔で投与すればよい。
【0027】
【作用】本発明においては、金属キレート試薬を用いる
事により、放射性金属元素を腫瘍集積性油性溶媒中に安
定で均一に懸濁可溶化せしめる事が可能である。そし
て、投与された本発明腫瘍治療剤は、腫瘍新生血管内に
特異的に集積・停滞し、放射性金属元素から発せられる
放射線によって腫瘍細胞に対し殺細胞効果を発揮するも
のである。従って、選択的かつ効率的な放射線治療が可
能になるとともに、適用範囲も広がるのである。
【0028】
【発明の効果】本発明の腫瘍治療剤は、以下の如く種々
の優れた効果を有するので、放射線照射による腫瘍治療
剤として極めて有用である。 1)腫瘍集積性油性溶媒により腫瘍選択性が著しく高ま
り、放射線照射による選択的腫瘍治療に極めて有効であ
る。 2)放射性金属元素と錯体を形成し、水に対して難溶ま
たは不溶性を示す金属キレート試薬を用いることによ
り、放射性金属元素を腫瘍集積性油性溶媒中に安定で均
一に懸濁可溶化せしめる事ができ、極めて広範囲の治療
に適用できる。 3)例えばイットリウム90のようにβ線のみを放出
し、最大飛程がある程度長く、物理的半減期は余り長く
ない放射性金属元素を用いることにより腫瘍組織深部ま
で放射線照射が可能となり、腫瘍に対して極めて有効な
殺細胞効果を発揮する事ができる。 4)本発明の腫瘍治療剤は、腫瘍選択性が極めて高く、
また通常局所投与により投与させるので、β線のみを放
出する核種を用いれば腫瘍周辺の正常組織や他の正常臓
器への被爆が極力軽減され、放射線による炎症等の重篤
な副作用が極めて少ない。 5)本発明腫瘍治療剤に用いられる金属キレート試薬、
放射性金属元素及び腫瘍集積性油性溶媒はいずれも容易
に入手可能であり、また調製も極めて簡便に行うことが
できる。
【0029】
【実施例】次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例になんら制約されるも
のでない。
【0030】実 施 例 1 8−ヒドロキシキノリンと放射性インジウム111から
なる懸濁用錯体粉末の調製:8−ヒドロキシキノリン
(キシダ化学製)20mgを2ml容量のガラス瓶に分
け取り、エタノール(キシダ化学製)1mlを用いて溶
解させた。この溶液100μlを2ml容量のガラス瓶
に分取し、これに対して放射性塩化インジウム111の
希塩酸溶液(カナダ:ノルディオン社製)92.5MB
q/30μlを添加し、数秒間攪拌する事により8−ヒ
ドロキシキノリンと放射性インジウム111の錯体溶液
を得た。このガラス瓶にゴム製キャップで蓋をし、注射
針を通して窒素ガスを持続的に吹き付けエタノールと塩
酸溶液を留去し、8−ヒドロキシキノリンと放射性イン
ジウム111の錯体粉末を得た。
【0031】実 施 例 2 8−ヒドロキシキノリンとリピオドールからなる懸濁用
溶液の調製:リンパ系・子宮・卵管造影剤リピオドール
ウルトラフルイド(フランス:ラボラトワール・ゲルベ
社製、以下リピオドール)1mlをガラス瓶に分取し、
リピオドール1mlに対し8−ヒドロキシキノリンを2
mgの割合で添加した。この溶液を加熱器により約90
℃で約10分間加熱し、8−ヒドロキシキノリンをリピ
オドール中に均一に融解させ、懸濁用溶液とした。
【0032】実 施 例 3 8−ヒドロキシキノリンと放射性イットリウム90から
なる懸濁用錯体粉末の調製:8−ヒドロキシキノリン
(キシダ化学製)20mgを2ml容量のガラス瓶に分
け取り、エタノール(キシダ化学製)1mlを用いて溶
解させた。この溶液100μlを2ml容量のガラス瓶
に分取し、これに対して放射性塩化イットリウム90の
希塩酸溶液(カナダ:ノルディオン社製)を14.8M
Bq/50μl添加し、数秒間攪拌する事により8−ヒ
ドロキシキノリンと放射性イットリウム90の錯体溶液
を得た。このガラス瓶にゴム製キャップで蓋をし、注射
針を通して窒素ガスを持続的に吹き付けエタノールと塩
酸溶液を留去し、8−ヒドロキシキノリンと放射性イッ
トリウム90の錯体粉末を得た。
【0033】実 施 例 4 腫瘍治療剤(リピオドール;放射性インジウム111)
の調製(I):実施例1で調製した懸濁用錯体粉末に、
リピオドール1mlを添加した。加熱器を用いて約12
0℃で約30分間加熱し、錯体粉末をリピオドール中に
均一に融解させ本発明腫瘍治療剤を調製した。
【0034】実 施 例 5 腫瘍治療剤(リピオドール;放射性インジウム111)
の調製(II):実施例2で調製した懸濁用溶液1mlに
対して、放射性塩化インジウムの希塩酸溶液92.5M
Bq/30μlを添加した。超音波洗浄器により超音波
照射を1分間行い懸濁させて、本発明腫瘍治療剤とし
た。
【0035】実 施 例 6 腫瘍治療剤(リピオドール;放射性イットリウム90)
の調製:実施例3で調製した懸濁用錯体粉末に、リピオ
ドール1mlを添加した。加熱器を用いて約120℃で
約30分間加熱し、錯体粉末をリピオドール中に均一に
融解させ、本発明腫瘍治療剤とした。
【0036】実 施 例 7 腫瘍治療剤の純度試験:インスタント薄層クロマトグラ
フィー(200mm×50mm、ドイツ:ゲルマンサイ
エンス社製)を200mm×10mmに切断し、下端か
ら20mm及び120mmに短辺に平行になるように線
を引いた。下端から20mmの位置に引いた線の中心
に、実施例4、5及び6で調製した腫瘍治療剤を3μl
滴下し、0.2Mのクエン酸溶液を溶媒として展開し
た。また、対照として放射性塩化インジウム111の希
塩酸溶液及び放射性塩化イットリウム90の希塩酸溶液
を同様の方法で展開した。展開溶媒が下端から120m
mに引いた線上に達した時点を展開終了とし、直ちにド
ライヤーで乾燥させた。乾燥後、セロハンテープで両面
を皮膜し、薄層上の放射性インジウム111及び放射性
イットリウム90の分布をラジオ薄層クロマトグラフィ
ーアナライザー(アロカ社製、ラジオクロマナイザー)
で測定した。
【0037】上記試験においては放射性インジウム11
1及び放射性イットリウム90単独の場合の移動率は1
で、腫瘍治療剤中の8−ヒドロキシキノリンと錯体を形
成した放射性インジウム111及び放射性イットリウム
90の移動率は約0.8であり、腫瘍治療剤中の未反応
放射性インジウム111及び放射性イットリウム90を
定量的に測定することが可能であった。
【0038】実 施 例 8 VX2腫瘍移植肝転移癌モデル家兎の作製:右大腿部V
X2腫瘍移植家兎(日本白色種、約2kg)の右大腿部
より腫瘍細胞を摘出し、直径約2mmとなるよう刻ん
だ。正常家兎(日本白色種、約2kg)を、耳介静脈よ
りペントバルビタールナトリウム(ピットマン・ムーア
社製、ソムノペンチル、30mg/kg)を投与するこ
とにより麻酔し、開腹した。肝臓の内側左葉に、直径約
2mmの腫瘍塊を1つ移植し、開腹部位を縫合した。移
植後7日間飼育したものを、VX2腫瘍移植肝転移癌モ
デル家兎とした。
【0039】実 施 例 9 VX2腫瘍移植肝転移癌モデル家兎による本発明腫瘍治
療剤の集積実験(I): (1)イメージング実験 実施例8で作製したVX2腫瘍移植肝臓転移癌モデル家
兎に、耳介静脈よりペントバルビタールナトリウム(3
0mg/kg)を投与することにより麻酔し、開腹し
た。腫瘍の直径が約1cmになっていることを確認し、
固有肝動脈により、実施例4で調製した腫瘍治療剤10
0μlを肝動脈注射用シリンジを用いて投与した。開腹
部位を縫合後、ガンマーカメラ(アロカ社製、オメガ5
00、中エネルギー用コリメーター)にて前面像を撮像
した。撮像は腫瘍治療剤を動脈注射後1日、2日及び3
日まで続けて行った。その結果、投与直後から腫瘍部位
への放射性インジウム111の高い集積が観察された。
【0040】(2)集積実験 上記(1)で用いたVX2腫瘍移植肝臓転移癌モデル家
兎を3日目の撮影終了後、心臓採血により約150ml
の血液を抜き、脱血を行った。その後開腹し、肝臓全体
を摘出した。肝臓は、腫瘍中心部、腫瘍周辺白色部、正
常肝臓の一部に分け、各々の放射能をガンマーカウンタ
ー(パッカード社製、卓上型ミナキシ−ガンマーカウン
ター オートガンマー5530、ウインドウ幅154−
270keV)にて測定した。各部位への集積率をcp
m/gとして表1に示した。リピオドールと放射性イン
ジウム111の腫瘍部位への高い集積を確認した。
【0041】
【0042】(3)オートラジオグラフィー 実施例8で作製したVX2腫瘍移植肝臓転移癌モデル家
兎を本実施例(2)と同様に肝臓全体を摘出した。腫瘍
部と正常部が含まれるよう肝臓を切り出し、O.C.
T.コンパウンド(ティッシューテック社製)により包
埋し、ドライアイスとヘキサンにて凍結した。クリオス
タット(ライツ社製)で凍結切片を作製し、乾燥させ
た。暗室にて凍結切片をX線フィルム(富士写真フィル
ム社製、X−RAY FILM 150)に貼り、2日
間放置した。 放置後、レンドール(富士写真フィルム
社製)で10分、3%酢酸溶液で1分、レンフィックス
(富士写真フィルム社製)で10分処理することにより
現像した。 その結果、腫瘍周辺及び腫瘍内新生血管部
位への放射製インジウム111の集積が示された。
【0043】実 施 例 10 VX2腫瘍移植肝転移癌モデル家兎による本発明腫瘍治
療剤の集積実験(II): (1)イメージング実験 実施例8で作製したVX2腫瘍移植肝転移癌モデル家兎
に、耳介静脈よりペントバルビタールナトリウム(30
mg/kg)を投与することにより麻酔し、開腹した。
腫瘍の直径が約1cmになっていることを確認し、固有
肝動脈より、実施例6で調製した腫瘍治療剤100μl
を肝動脈注射用シリンジを用いて投与した。 開腹部位
を縫合後、そのまま3日間飼育した。3日後に実施例9
の(2)と同様にして摘出した肝臓全体を、ガンマーカ
メラ(ウインドウ幅 タリウム201用の固定値、コリ
メート無し)にて、生体外(exo vivo)で撮像
した。 その結果、腫瘍部位への放射性イットリウム9
0の集積が観察された。
【0044】(2)集積実験 上記(1)で用いたVX2腫瘍移植肝転移癌モデル家兎
の肝臓を、生体外(exo vivo)での撮影終了
後、腫瘍部、腫瘍周辺正常肝臓部の一部、他葉正常肝臓
部の一部に分け、各々の制動X線をガンマーカウンター
(ウインドウ幅25−500keV)にて測定した。各
部位の集積率をcpm/gとして表2に示した。その結
果、リピオドールと放射性イットリウム90の腫瘍部位
への高い集積を確認した。
【0045】
【0046】実 施 例 11 8−ヒドロキシキノリン誘導体の利用:8−ヒドロキシ
キノリンの誘導体である、8−ヒドロキシキナルジン及
び8−アセトキシキノリンを用いて上記1〜10と同じ
操作を行った。その結果、8−ヒドロキシキノリンを用
いた上記1〜10までの実施例と同様の効果を得ること
ができた。 以 上

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性金属元素、金属キレート試薬及び
    腫瘍集積性油性溶媒を含有する腫瘍治療剤。
  2. 【請求項2】 放射性金属元素が、イットリウム90(
    90Y)、レニウム186(186 Re)、レニウム188
    (188 Re)、銅67(67Cu)、テクネシウム99m
    (99m Tc)、インジウム111(111 In)、インジ
    ウム113m(113mIn)、ガリウム67(67Ga)、
    ガリウム68(68Ga)、タリウム201(201 T
    l)、鉄59(59Fe)、クロム51(51Cr)、コバ
    ルト57(57Co)、コバルト58(58Co)、コバル
    ト60(60Co)、ストロンチウム85(85Sr)、金
    198(198 Au)、水銀197(197 Hg)、水銀2
    03(203 Hg)、鉛109(109 Pb)、ジスプロシ
    ウム165(165 Dy)またはルテニウム103(103
    Ru)である請求項第1項記載の腫瘍治療剤。
  3. 【請求項3】 金属キレート試薬が、キノリン誘導体、
    クロラニル酸、アルミノン、チオ尿素、ピロガロール、
    クペロン、ビスムチオール(II)、ガロイル没食子酸、
    チオリド、2−メルカプトベンゾチアゾール、テトラフ
    ェニルアルソニウムクロライド、エチレンジアミン四酢
    酸(EDTA)およびこれに類似した骨格を有する金属
    キレート試薬、ジエチレントリアミン五酢酸(DTP
    A)およびこれに類似した骨格を有する金属キレート試
    薬からなる群より選ばれるものである請求項第1項記載
    の腫瘍治療剤。
  4. 【請求項4】 キノリン誘導体が、8−ヒドロキシキノ
    リン、8−アセトキシキノリン、8−ヒドロキシキナル
    ジン、硫酸オキシキノリン、O−アセチルオキシン、O
    −ベンゾイルオキシン、O−p−ニトロベンゾイルオキ
    シン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、エノキサシ
    ン、シプロフロキサシン、ロメフロキサシン、トスフロ
    キサシン、フレロキサシンまたはスパルフロキサシンで
    ある請求項第3項記載の腫瘍治療剤。
  5. 【請求項5】 エチレンジアミン四酢酸(EDTA)お
    よびジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)に類似し
    た骨格を有する金属キレート試薬がジヒドロキシエチル
    グリシン、ジアミノプロパノール四酢酸、エチレンジア
    ミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸塩酸塩、
    ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジ
    アミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、グリコール
    エーテルジアミン四酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢
    酸、ヒドロキシエチルイミノニ酢酸、イミノ二酢酸、ジ
    アミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プ
    ロピオン酸、ニトリロトリス(メチレンスルホン酸)三
    ナトリウム塩、トリエチレンテトラミン六酢酸、アミノ
    ベンジルエチレンジアミン四酢酸、イソチオシアノベン
    ジルエチレンジアミン四酢酸、マレイミドプロピルアミ
    ドベンジルエチレンジアミン四酢酸、マレイミドペンチ
    ルアミドベンジルエチレンジアミン四酢酸、マレイミド
    デシルアミドベンジルエチレンジアミン四酢酸である請
    求項第3項記載の腫瘍治療剤。
  6. 【請求項6】 腫瘍集積性油性溶媒が、脂肪酸エステル
    である特許請求の範囲第1項記載の腫瘍治療剤。
  7. 【請求項7】 脂肪酸エステルが、ヨード化ケシ油脂肪
    酸エステルである特許請求の範囲第6項記載の腫瘍治療
    剤。
  8. 【請求項8】 ヨード化ケシ油脂肪酸エステルがリピオ
    ドールである請求項第7項記載の腫瘍治療剤。
  9. 【請求項9】 腫瘍集積性油性溶媒と金属キレート試薬
    との懸濁液と、放射性金属元素溶液とからなる腫瘍治療
    用キット。
  10. 【請求項10】 腫瘍集積性油性溶媒がリピオドールで
    あり、金属キレート試薬がキノリン誘導体、クロラニル
    酸、アルミノン、チオ尿素、ピロガロール、クペロン、
    ビスムチオール(II)、ガロイル没食子酸、チオリド、
    2−メルカプトベンゾチアゾール、テトラフェニルアル
    ソニウムクロライド、エチレンジアミン四酢酸(EDT
    A)およびこれに類似した骨格を有する金属キレート試
    薬、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)およびこ
    れに類似した骨格を有する金属キレート試薬からなる群
    より選ばれるものであるものであり、放射性金属元素
    が、イットリウム90(90Y)、レニウム186(186
    Re)、レニウム188(18 8 Re)、銅67(67C
    u)、テクネシウム99m(99m Tc)、インジウム1
    11(111 In)、インジウム113m(113mIn)、
    ガリウム67(67Ga)、ガリウム68(68Ga)、タ
    リウム201(201 Tl)、鉄59(59Fe)、クロム
    51(51Cr)、コバルト57(57Co)、コバルト5
    8(58Co)、コバルト60(60Co)、ストロンチウ
    ム85(85Sr)、金198(198 Au)、水銀197
    (197 Hg)、水銀203(203 Hg)、鉛109(
    109 Pb)、ジスプロシウム165(165 Dy)または
    ルテニウム103(103 Ru)である請求項第9項記載
    の腫瘍治療用キット。
  11. 【請求項11】 放射性金属元素と金属キレート試薬と
    の錯体と、腫瘍集積性油性溶媒とからなる腫瘍治療用キ
    ット。
  12. 【請求項12】 放射性金属元素と金属キレート試薬と
    の錯体が粉末状である請求項第11項記載の腫瘍治療用
    キット。
  13. 【請求項13】 腫瘍集積性油性溶媒がリピオドールで
    あり、金属キレート試薬がキノリン誘導体、クロラニル
    酸、アルミノン、チオ尿素、ピロガロール、クペロン、
    ビスムチオール(II)、ガロイル没食子酸、チオリド、
    2−メルカプトベンゾチアゾール、テトラフェニルアル
    ソニウムクロライド、エチレンジアミン四酢酸(EDT
    A)およびこれに類似した骨格を有する金属キレート試
    薬、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)およびこ
    れに類似した骨格を有する金属キレート試薬からなる群
    より選ばれるものであるものであり、放射性金属元素
    が、イットリウム90(90Y)、レニウム186(186
    Re)、レニウム188(18 8 Re)、銅67(67C
    u)、テクネシウム99m(99m Tc)、インジウム1
    11(111 In)、インジウム113m(113mIn)、
    ガリウム67(67Ga)、ガリウム68(68Ga)、タ
    リウム201(201 Tl)、鉄59(59Fe)、クロム
    51(51Cr)、コバルト57(57Co)、コバルト5
    8(58Co)、コバルト60(60Co)、ストロンチウ
    ム85(85Sr)、金198(198 Au)、水銀197
    (197 Hg)、水銀203(203 Hg)、鉛109(
    109 Pb)、ジスプロシウム165(165 Dy)または
    ルテニウム103(103 Ru)である請求項第11項ま
    たは第12項記載の腫瘍治療用キット。
  14. 【請求項14】 イットリウム90(90Y)、レニウム
    186(186 Re)、レニウム188(188 Re)、銅
    67(67Cu)、テクネシウム99m(99mTc)、イ
    ンジウム111(111 In)、インジウム113m(
    113mIn)、ガリウム67(67Ga)、ガリウム68(
    68Ga)、タリウム201(201 Tl)、鉄59(59F
    e)、クロム51(51Cr)、コバルト57(57C
    o)、コバルト58(58Co)、コバルト60(60C
    o)、ストロンチウム85(85Sr)、金198(198
    Au)、水銀197(197 Hg)、水銀203(203 H
    g)、鉛109(109 Pb)、ジスプロシウム165(
    165 Dy)またはルテニウム103(103 Ru)のいず
    れかの放射性金属元素と、キノリン誘導体、クロラニル
    酸、アルミノン、チオ尿素、ピロガロール、クペロン、
    ビスムチオール(II)、ガロイル没食子酸、チオリド、
    2−メルカプトベンゾチアゾール、テトラフェニルアル
    ソニウムクロライド、エチレンジアミン四酢酸(EDT
    A)およびこれに類似した骨格を有する金属キレート試
    薬、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)およびこ
    れに類似した骨格を有する金属キレート試薬からなる群
    より選ばれる金属キレート試薬とからなる腫瘍治療用錯
    体粉末。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011068667A (ja) * 2002-07-02 2011-04-07 Univ Medisch Centrum Utrecht 直径が少なくとも1マイクロメートルの粒子を含んでなる走査懸濁液

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