JPH0812633A - グリシンCa重炭酸塩およびその1水和物、それらの製法並びにそれらを含むCa補給用栄養剤 - Google Patents

グリシンCa重炭酸塩およびその1水和物、それらの製法並びにそれらを含むCa補給用栄養剤

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JPH0812633A
JPH0812633A JP6146861A JP14686194A JPH0812633A JP H0812633 A JPH0812633 A JP H0812633A JP 6146861 A JP6146861 A JP 6146861A JP 14686194 A JP14686194 A JP 14686194A JP H0812633 A JPH0812633 A JP H0812633A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記化学式(A)で示されるグリシンCa重
炭酸塩およびその1水和物およびその製法、並びにそれ
らを含有するCa補給用栄養剤を開示する。 【化1】 【効果】 乾燥状態で極めて安定で且つ胃酸等により容
易に分解して易溶性のグリシンCaに変化し、Ca補給
強化栄養剤等として有用な新規化合物とその製法が提供
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グリシンCa重炭酸塩
およびその1水和物よりなる新規化合物、およびそれら
の製法並びにそれらを有効成分として含有するCa補給
用栄養剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Caは、人間にとって骨や歯の形成維持
に不可欠の成分であり、Ca不足は骨や歯の発育不良
や、骨がカスカスになる骨粗鬆症を引き起こすばかりで
なく、高血圧、動脈硬化、糖尿病、免疫病、肥満等の疾
患を招く原因になることが確認されている。
【0003】Ca含有食品としては、煮干し、いわし、
ひじき、焼きのり等を始めとする様々の食品が知られて
おり、また牛乳は最も代表的なCa含有飲料として広く
飲用されている。また最近では、鉄骨飲料の如くCa分
を含有させた清涼飲料も種々市販さてており、更には乳
酸やアスパラギン酸の如く各種アミノ酸のCa塩よりな
るCa剤も多数市販されている。
【0004】ところが従来のCa含有飲料は、牛乳にし
てもその中に含まれるCa含有量はせいぜい100mb
/100ml程度であり、また乳酸やアスパラギン酸等
のアミノ酸のCa塩を含有する飲料にしても、その水に
対する溶解度は非常に小さく、十分な量のCaを摂取す
るには多量飲用しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目し、少ない飲用量で多量のCaを摂取すること
のできるCa分補給強化飲料を開発すべく鋭意研究を進
めた結果、グリシンCaは水に対する溶解度が非常に高
く、例えば中性水に対しても30〜50重量%といった
非常に高い溶解度を示し、10重量%程度であれば飲料
水、各種清涼飲料、乳酸飲料、果樹飲料、更にはアルコ
ール飲料等にCa源として含有させることによってCa
含有量の非常に高いCa補給強化飲料が得られることを
知り、こうした知見を元に先に特許出願を済ませた。
【0006】その後も本発明者等は、該グリシンCaの
特性を利用した種々の研究を進めているが、今回、該グ
リシンCaのアルカリ性水溶液に炭酸ガスを吹き込む
と、これまで知られていなかった新規な化合物を得るこ
とを確認した。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、下記式化
学(A)で示されるグリシンCa重炭酸塩およびその1
水和物
【0008】
【化2】
【0009】であり、上記グリシンCa重炭酸塩1水和
物は、グリシンCaのアルカリ性水溶液、好ましくはp
H10〜12程度の水溶液に炭酸ガスを吹き込むことに
より結晶として得られる。そして、これを120〜15
0℃で加熱乾燥すると、結晶水が脱離してグリシンCa
重炭酸塩が得られる。本発明に係る上記グリシンCa重
炭酸塩およびその1水和物は、服用すると胃酸により分
解して水に易溶性のグリシンCaとなり、Ca源として
有用な栄養補給剤となる。
【0010】
【作用】本発明に係るグリシンCa重炭酸塩1水和物
は、下記の恒数によって特定される。 (1) 分子量(X線回析分析及びX線光電子分光分析によ
る測定値):194 (2) Ca:グリシン比=20.38 :38.17 (重量比)≒
1:1(モル比) 但し、Ca量はEDTA滴定により、またグリシン量
は、試料をHClに溶解し、液体クロマトグラフィーに
より定量 (3) 融点および分解点:400℃付近で発熱が見られる
が、明瞭でない。 (4) 水に対する溶解度:25℃で0.1重量%以下 (5) 塩酸水溶液を滴下すると、発泡(炭酸ガスを発生)
しながら溶解する。 (6) 熱天秤チャート:図1、150℃付近で1結晶水を
放出 (7) IRチャート:図2 IR(ヌジョール)3379.7,1581.8,1529.7,1419.8,
1309.8,1244.2,808.3 (8) ESCAチャート:図3、Ca:N:C(カルボニ
ル)≒1:1:2 (9) XRDチャート:図4
【0011】更に、上記グリシンCa重炭酸塩・1水和
物は、後で詳述する如くグリシンCaのアルカリ性(特
にpH10〜12程度)の水溶液に炭酸ガスを吹き込む
ことにより、水に難溶性の結晶として得られるが、グリ
シニウムイオン、炭酸イオンおよび重炭酸イオンのpK
aは夫々下記のとおりであり、 電離反応 pKa N+H3CH2COO- → NH2CH2COO- + H+ 9.78 H2CO3 → HCO3 - + H+ 6.35 HCO3 - → CO3 2- + H+ 10.33 pH=9.5付近では NH2CH2COO- と HCO3 -が多く存在
していることになり、上記分析値を総合すると、下記化
学式(B)で示されるグリシンCa重炭酸塩・1水和物
であることが確認できる。
【0012】
【化3】
【0013】また、Caイオンは6配位8面体構造を
取る、グリシンはカルボニル酸素とアミノ基の両方で
配位できる、重炭酸イオンは炭素を中心とする平面構
造を取り、3個の酸素原子での配位も可能である、結
晶水は余ったところに配位し得る、といったことが確認
されており、これらを総合して本発明に係る上記グリシ
ンCa重炭酸塩・1水和物の構造を推定すると、下記式
で示される構造を有するものと考えられる。
【0014】
【化4】
【0015】また前記(6) の特性より、上記グリシンC
a重炭酸塩・1水和物を加熱乾燥して結晶水を離脱させ
たものは、前記化学式(A)で示されるグリシンCa重
炭酸塩となる。
【0016】上記化学構造のグリシンCa重炭酸塩・1
水和物は、グリシンCaのアルカリ性(好ましくはpH
10〜12程度)の水溶液に、炭酸ガスを吹き込むこと
によって容易に得ることができる。即ち上記水溶液に炭
酸ガスを吹き込むと、炭酸ガスの吸収によって液のpH
は徐々に低下してくるが、pHが約9.5〜9.0の間
で不溶性の結晶としてCa:グリシン:重炭酸=1:
1:1のグリシンCa重炭酸塩・1水和物が析出してく
る。その後更に炭酸ガスの吹き込みを続けると、反応液
のpHは徐々に低下し、pHが約8.5までに生成する
結晶はCa:グリシン=1.12:1(モル比)、pH
が約8.0までに生成する結晶はCa:グリシン=2.
86:1(モル比)となるが、これらはグリシンCa重
炭酸塩・1水和物と炭酸カルシウムの混合物であり、該
析出物から炭酸カルシウムを分離除去すると、本発明の
グリシンCa重炭酸塩・1水和物を得ることができる
が、上記の様に反応液のpHが約9.5〜9.0の領域
では炭酸カルシウムは殆ど析出せず、グリシンCa重炭
酸塩・1水和物のみが生成するので、その後の分離・精
製操作等を全く要することなく本発明の目的物を容易且
つ効率よく得ることができる。
【0017】かくして得られる沈殿を水洗し、好ましく
は減圧乾燥して付着水分を乾燥除去すると、白色粉末状
のグリシンCa重炭酸塩・1水和物が得られる。この白
色粉末は常温の大気雰囲気中はもとより、80℃程度以
下の高温雰囲気下においても変質することがなく、安定
に保存することができる。そして、該グリシンCa重炭
酸塩・1水和物を減圧下に120〜150℃程度に加熱
すると、上記の様に結晶水の離脱が起こり、無水のグリ
シンCa重炭酸塩が得られる。該無水物も化学的に安定
であるが、大気雰囲気中で放置すると徐々に雰囲気中の
水分を吸収し、1水和物となって安定化する。
【0018】本発明のグリシンCa重炭酸塩およびその
1水和物は、上記の様に大気雰囲気中で非常に安定で且
つ水に難溶性のものであるが、強酸、例えば塩酸の存在
下で容易に分解して水に易溶性のグリシンCaとなる。
従ってこの特性を利用すると、Ca補給強化用の栄養剤
として有効に活用することができる。即ちグリシンCa
重炭酸塩またはその1水和物を服用すると、胃酸により
速やかに分解してグリシンCaとなり、Ca源として容
易に吸収され得るものとなる。従って、グリシンCa重
炭酸塩および/もしくはその1水和物をそれ自体でCa
源補給強化用の栄養剤として有効に利用することがで
き、更には、様々の薬理効果を有する薬剤(粉末、錠
剤、カプセル剤等)の賦形剤等として利用することによ
り、Caの補助的な補給に活用することも可能である。
【0019】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0020】実施例1 グリシンCa・2水和物59.57g(0.26モル)
の水340.5g溶液(グリシンCaとして12.5重
量%、pH11.61)を室温で攪拌しつつ、これに精
製した炭酸ガスを吹き込んだ。炭酸ガスの吹き込みを続
けるにつれて反応液のpHは徐々に低下し、pH が約
9.5になった時点で沈殿が生成し始めるので、pH
9.0までに生成する沈殿を採取する。その後更にpH
9.0〜8.5およびpH8.5〜8.0のpH域で生
成する沈殿を夫々採取し、80℃で減圧乾燥してから化
学分析を行なった。その結果、pH9.0までに生成す
る沈殿のCa:グリシン:重炭酸のモル比は1:1:1
であり、化学分析の結果、このものは先に示した特性値
を有しており、グリシンCa重炭酸塩・1水和物である
ことが確認された。このもののXRDチャートは図4に
示す通りであった。
【0021】またpH9.0〜8.5およびpH8.5
〜8.0で生成する沈殿について、前記と同じ方法でC
a:グリシンのモル比を調べたところ、夫々1.12:
1および2.86:1であった。また、これらのXRD
チャートは図5,6に示す通りで、これらのスペクトル
からCaCO3 のピークを差し引いた回折ピークは上記
図4のものと一致しており、上記pH域で生成する沈殿
は、グリシンCa重炭酸塩・1水和物とその後に生成す
るCaCO3 の混合物であることが確認された。
【0022】上記結晶のうち、pH9.0までに生成し
た沈殿の乾燥物20gを、150℃で5時間加熱したと
ころ、18gの白色粉末として無水のグリシンCa重炭
酸塩を得た。
【0023】上記で得たグリシンCa重炭酸塩およびそ
の1水和物は、いずれも水に対して殆ど溶解しないが、
夫々の2gを1Nの塩酸水溶液18mlに添加すると、
いずれも発泡しながら完全に溶解した。このことから、
本発明のグリシンCa重炭酸塩およびその1水和物は、
固形状態で服用すると胃酸により容易に分解して易溶性
のグリシンCaに変化し、Ca補給用の栄養剤や医薬用
の賦形剤等として活用できることが確認された。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、乾
燥状態で極めて安定で且つ胃酸等により容易に分解して
易溶性のグリシンCaに変化し、Ca補給強化剤等とし
て有用な新規化合物であるグリシンCa重炭酸塩および
その1水和物を提供し得ることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグリシンCa重炭酸塩・1水和物
の熱天秤チャートである。
【図2】本発明に係るグリシンCa重炭酸塩・1水和物
のIRチャートである。
【図3】本発明に係るグリシンCa重炭酸塩・1水和物
のESCAチャートである。
【図4】本発明に係るグリシンCa重炭酸塩・1水和物
のXRDチャートである。
【図5】実施例で得たグリシンCa重炭酸塩・1水和物
とCaCO3 混合物のXRDチャートである。
【図6】実施例で得たグリシンCa重炭酸塩・1水和物
とCaCO3 混合物のXRDチャートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式(A)で示されることを特徴
    とするグリシンCa重炭酸塩およびその1水和物。 【化1】
  2. 【請求項2】 グリシンCaのアルカリ性水溶液に炭酸
    ガスを吹き込むことを特徴とするグリシンCa重炭酸塩
    1水和物の製法。
  3. 【請求項3】 請求項2で得たグリシンCa重炭酸塩1
    水和物を乾燥することを特徴とするグリシンCa重炭酸
    塩の製法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたグリシンCa重炭
    酸塩および/もしくはその1水和物を含有することを特
    徴とするCa補給用栄養剤。
JP6146861A 1994-06-28 1994-06-28 グリシンCa重炭酸塩またはその1水和物、それらの製法並びにそれらを含むCa補給用栄養剤 Expired - Fee Related JP2677518B2 (ja)

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