JPH08127830A - 電線導体用銅合金及び電線導体の製造方法 - Google Patents
電線導体用銅合金及び電線導体の製造方法Info
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- JPH08127830A JPH08127830A JP26905794A JP26905794A JPH08127830A JP H08127830 A JPH08127830 A JP H08127830A JP 26905794 A JP26905794 A JP 26905794A JP 26905794 A JP26905794 A JP 26905794A JP H08127830 A JPH08127830 A JP H08127830A
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- wire
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 強度及び導電率が高く、自動車用電線のより
一層の細径化及び軽量化が可能な電線導体用銅合金及び
電線導体の製造方法を提供する。 【構成】 Sn:0.8乃至2.0重量%、P:0.0
3乃至0.1重量%及びZr:0.008乃至0.02
重量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からな
る銅合金の鋳塊を、90%以上の減面率で冷間加工して
線状材を得る。次に、線状材を200〜400℃(但
し、200℃及び400℃を含まず)の温度で10〜4
00分間焼鈍する。
一層の細径化及び軽量化が可能な電線導体用銅合金及び
電線導体の製造方法を提供する。 【構成】 Sn:0.8乃至2.0重量%、P:0.0
3乃至0.1重量%及びZr:0.008乃至0.02
重量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からな
る銅合金の鋳塊を、90%以上の減面率で冷間加工して
線状材を得る。次に、線状材を200〜400℃(但
し、200℃及び400℃を含まず)の温度で10〜4
00分間焼鈍する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度及び高導電率であ
ると共に延性が優れ、細径の自動車用電線の導体材料と
して好適の電線導体用銅合金及び電線導体の製造方法に
関する。
ると共に延性が優れ、細径の自動車用電線の導体材料と
して好適の電線導体用銅合金及び電線導体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、自動車に使用される電線は電
力供給用電線と制御信号用電線とに分けられる。このう
ち、制御信号用電線においては、必要とされる許容電流
が1A以下と少ないにも拘わらず、高導電率の軟銅線
(JIS 3102)又はこれにスズめっきを施したス
ズめっき軟銅線が使用されている。これらの軟銅線又は
スズめっき軟銅線は、機械的強度(引張強さ)が比較的
低いため、電線導体として必要な強度を確保するため
に、電気的に必要とされる線径よりも太いものが使用さ
れている。
力供給用電線と制御信号用電線とに分けられる。このう
ち、制御信号用電線においては、必要とされる許容電流
が1A以下と少ないにも拘わらず、高導電率の軟銅線
(JIS 3102)又はこれにスズめっきを施したス
ズめっき軟銅線が使用されている。これらの軟銅線又は
スズめっき軟銅線は、機械的強度(引張強さ)が比較的
低いため、電線導体として必要な強度を確保するため
に、電気的に必要とされる線径よりも太いものが使用さ
れている。
【0003】ところで、近年、各種車載装備の増加及び
電子化に伴って車内配線箇所が急増しており、電線によ
る車輌重量及び空間占有率の増加が無視できないように
なってきている。このため、電線の細径化及び軽量化の
要求が強くなっており、現在では断面積が0.3mm2
と細径の圧縮軟銅撚線が使用されている。この圧縮軟銅
撚線は、複数本の軟銅素線を撚り合わせて撚線とし、こ
の撚線をダイスに通して半径方向に圧縮したものであ
る。しかし、この圧縮軟銅撚線でも細径化及び軽量化が
十分でなく、自動車用電線にはより一層の細径化及び軽
量化が要求されている。
電子化に伴って車内配線箇所が急増しており、電線によ
る車輌重量及び空間占有率の増加が無視できないように
なってきている。このため、電線の細径化及び軽量化の
要求が強くなっており、現在では断面積が0.3mm2
と細径の圧縮軟銅撚線が使用されている。この圧縮軟銅
撚線は、複数本の軟銅素線を撚り合わせて撚線とし、こ
の撚線をダイスに通して半径方向に圧縮したものであ
る。しかし、この圧縮軟銅撚線でも細径化及び軽量化が
十分でなく、自動車用電線にはより一層の細径化及び軽
量化が要求されている。
【0004】従来、自動車用電線のより一層の細径化及
び軽量化を達成するために、電線導体として、軟銅線に
比して機械的強度が高い硬銅線の使用が検討されてい
る。また、軟銅線に比して軽量の銅被アルミニウム線の
使用も検討されている。更に、導電率は軟銅線よりも若
干劣るものの機械的強度が高いことから銅スズ合金線及
びリン青銅線等の使用も検討されている。特に、銅スズ
合金線については、自動車用電線として、断面積が0.
2mm2 と細径のものが使用された例がある。
び軽量化を達成するために、電線導体として、軟銅線に
比して機械的強度が高い硬銅線の使用が検討されてい
る。また、軟銅線に比して軽量の銅被アルミニウム線の
使用も検討されている。更に、導電率は軟銅線よりも若
干劣るものの機械的強度が高いことから銅スズ合金線及
びリン青銅線等の使用も検討されている。特に、銅スズ
合金線については、自動車用電線として、断面積が0.
2mm2 と細径のものが使用された例がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、硬銅線
は、細径にしても強度を確保できるという利点はあるも
のの、伸び(延性)が著しく小さいため、自動車用電線
として満足できるものではない。また、銅被アルミニウ
ム線は、軽量であるものの強度が低いため、必要とされ
る強度を確保するためには線径を太くする等の対策が必
要になり、その結果、細径化且つ軽量化という目的を達
成することができない。
は、細径にしても強度を確保できるという利点はあるも
のの、伸び(延性)が著しく小さいため、自動車用電線
として満足できるものではない。また、銅被アルミニウ
ム線は、軽量であるものの強度が低いため、必要とされ
る強度を確保するためには線径を太くする等の対策が必
要になり、その結果、細径化且つ軽量化という目的を達
成することができない。
【0006】更に、銅スズ合金線は、断面積が0.2m
m2 の電線導体として実用化されているが、それ以下の
断面積になると強度が不足する。更にまた、リン青銅線
は、強度的には十分であるが、導電率が20%IACS
未満と極めて低い。
m2 の電線導体として実用化されているが、それ以下の
断面積になると強度が不足する。更にまた、リン青銅線
は、強度的には十分であるが、導電率が20%IACS
未満と極めて低い。
【0007】現在要求されている細径電線は、例えば、
導体断面積が0.15〜0.2mm2 、破断荷重が9.
5kgf以上であり、導電率が45%IACS以上のも
のである。即ち、導体断面積については、従来から信号
線として使用されている断面積が0.3mm2 の圧縮軟
銅撚線よりも30〜50%低減することが要求されてい
る。また、破断荷重については、前記圧縮軟銅撚線の破
断荷重(8.0kgf)と同等以上であることが要求さ
れており、9.5kgf以上であることが好ましい。更
に、通常、信号線はヒューズマッチングを必要としない
許容電流1A以下で使用されるが、電線導体の電気抵抗
が原因となるような信号劣化があってはならないため、
導電率は、少なくとも圧縮軟銅撚線の導電率の半分以
上、換言すると45%IACS以上であることが必要で
ある。
導体断面積が0.15〜0.2mm2 、破断荷重が9.
5kgf以上であり、導電率が45%IACS以上のも
のである。即ち、導体断面積については、従来から信号
線として使用されている断面積が0.3mm2 の圧縮軟
銅撚線よりも30〜50%低減することが要求されてい
る。また、破断荷重については、前記圧縮軟銅撚線の破
断荷重(8.0kgf)と同等以上であることが要求さ
れており、9.5kgf以上であることが好ましい。更
に、通常、信号線はヒューズマッチングを必要としない
許容電流1A以下で使用されるが、電線導体の電気抵抗
が原因となるような信号劣化があってはならないため、
導電率は、少なくとも圧縮軟銅撚線の導電率の半分以
上、換言すると45%IACS以上であることが必要で
ある。
【0008】7本の素線を撚り合わせて構成され導体断
面積が0.15mm2 の電線導体を考えた場合に、素線
に求められる特性は、以下の通りである。引張強さは、
荷重が9.5kgf以上であり断面積が0.15mm2
であることから、64kgf/mm2 以上であることが
必要である。また、導電率は、上述の如く、圧縮軟銅撚
線の半分以上、即ち45%IACS以上であることが必
要である。更に、組電線としたときの作業性及び端子圧
着性を確保するために、伸びは5%以上であることが必
要である。
面積が0.15mm2 の電線導体を考えた場合に、素線
に求められる特性は、以下の通りである。引張強さは、
荷重が9.5kgf以上であり断面積が0.15mm2
であることから、64kgf/mm2 以上であることが
必要である。また、導電率は、上述の如く、圧縮軟銅撚
線の半分以上、即ち45%IACS以上であることが必
要である。更に、組電線としたときの作業性及び端子圧
着性を確保するために、伸びは5%以上であることが必
要である。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、これらの特性を満足することができて、自
動車用電線のより一層の細径化及び軽量化が可能な電線
導体用銅合金及び電線導体の製造方法を提供することを
目的とする。
のであって、これらの特性を満足することができて、自
動車用電線のより一層の細径化及び軽量化が可能な電線
導体用銅合金及び電線導体の製造方法を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電線導体用
銅合金は、Sn;0.8乃至2.0重量%、P;0.0
3乃至0.1重量%及びZr;0.008乃至0.02
重量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からな
ることを特徴とする。
銅合金は、Sn;0.8乃至2.0重量%、P;0.0
3乃至0.1重量%及びZr;0.008乃至0.02
重量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からな
ることを特徴とする。
【0011】本発明に係る電線導体の製造方法は、S
n;0.8乃至2.0重量%、P;0.03乃至0.1
重量%及びZr;0.008乃至0.02重量%を含有
し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金の鋳
塊を90%以上の減面率で冷間加工して線状材を得る工
程と、この線状材を焼鈍する工程とを有することを特徴
とする。
n;0.8乃至2.0重量%、P;0.03乃至0.1
重量%及びZr;0.008乃至0.02重量%を含有
し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金の鋳
塊を90%以上の減面率で冷間加工して線状材を得る工
程と、この線状材を焼鈍する工程とを有することを特徴
とする。
【0012】
【作用】以下、本発明に係る銅合金における各成分の添
加理由及び組成限定理由について説明する。
加理由及び組成限定理由について説明する。
【0013】Sn(スズ) Snは銅合金の強度を向上させるという作用がある。し
かし、Sn含有量が0.8重量%未満の場合は、強度向
上効果が十分でない。一方、Sn含有量が2.0重量%
を超えると、添加量に見合う強度向上効果が得られない
だけでなく、導電率の低下を招来する。このため、Sn
含有量は0.8〜2.0重量%とする。
かし、Sn含有量が0.8重量%未満の場合は、強度向
上効果が十分でない。一方、Sn含有量が2.0重量%
を超えると、添加量に見合う強度向上効果が得られない
だけでなく、導電率の低下を招来する。このため、Sn
含有量は0.8〜2.0重量%とする。
【0014】P(リン) Pは銅合金の延性を向上させる効果がある。しかし、P
含有量が0.03重量%未満の場合は、スズ合金に比し
て延性の特性改善効果が小さい。一方、P含有量が0.
1重量%を超えると、導電率が著しく低下する。このた
め、P含有量は0.03〜0.1重量%とする。
含有量が0.03重量%未満の場合は、スズ合金に比し
て延性の特性改善効果が小さい。一方、P含有量が0.
1重量%を超えると、導電率が著しく低下する。このた
め、P含有量は0.03〜0.1重量%とする。
【0015】Zr(ジルコニウム) Zrは銅合金の耐熱性を向上させるという作用がある。
Zr含有量が0.008重量%未満の場合は、耐熱性を
十分に向上させることができない。一方、Zr含有量が
0.02重量%を超えると、延性の向上に対し障害にな
ることがあり、また鋳造が困難になる等の不都合が発生
する。このため、Zr含有量は0.008〜0.02重
量%とする。
Zr含有量が0.008重量%未満の場合は、耐熱性を
十分に向上させることができない。一方、Zr含有量が
0.02重量%を超えると、延性の向上に対し障害にな
ることがあり、また鋳造が困難になる等の不都合が発生
する。このため、Zr含有量は0.008〜0.02重
量%とする。
【0016】本実施例方法においては、上述の組成の銅
合金の鋳塊を99%以上の減面率で冷間加工する。この
冷間加工時の減面率が99%未満の場合は、加工硬化に
よる強度の上昇が不十分で、期待される引張強さを得る
ことができない。
合金の鋳塊を99%以上の減面率で冷間加工する。この
冷間加工時の減面率が99%未満の場合は、加工硬化に
よる強度の上昇が不十分で、期待される引張強さを得る
ことができない。
【0017】その後、この線状材を例えば200〜40
0℃(但し、200℃及び400℃を含まず)温度で1
0〜400分間焼鈍し、その引張強さ及び延性(伸び)
を所望の範囲に調整する。焼鈍時の温度が200℃以下
の場合は延性が十分でなく、400℃以上の場合は引張
強さが低下する。また、焼鈍時間が10分間未満では延
性回復効果が小さく、400分間以上の場合は特性改善
に寄与するものがないだけでなく、強度の低下を招来す
る。このため、焼鈍条件は、温度が200〜400℃
(但し、200℃及び400℃を含まず)、焼鈍時間が
10〜400分間とすることが好ましい。焼鈍温度のよ
り好ましい範囲は250〜300℃であり、焼鈍時間の
より好ましい範囲は30乃至300分間である。
0℃(但し、200℃及び400℃を含まず)温度で1
0〜400分間焼鈍し、その引張強さ及び延性(伸び)
を所望の範囲に調整する。焼鈍時の温度が200℃以下
の場合は延性が十分でなく、400℃以上の場合は引張
強さが低下する。また、焼鈍時間が10分間未満では延
性回復効果が小さく、400分間以上の場合は特性改善
に寄与するものがないだけでなく、強度の低下を招来す
る。このため、焼鈍条件は、温度が200〜400℃
(但し、200℃及び400℃を含まず)、焼鈍時間が
10〜400分間とすることが好ましい。焼鈍温度のよ
り好ましい範囲は250〜300℃であり、焼鈍時間の
より好ましい範囲は30乃至300分間である。
【0018】なお、このようにして焼鈍した線材を複数
本撚り合わせて電線導体とする場合に、減面率を23%
を限度として円形圧縮を行い撚線の空隙を少なくするこ
とにより、より一層細径化され、真円性が良好の導体を
得ることができる。この場合に、減面率が23%を超え
ると、長手方向への変形が必要となり、加工性が著しく
低下する。このため、減面率は23%以下とすることが
好ましい。
本撚り合わせて電線導体とする場合に、減面率を23%
を限度として円形圧縮を行い撚線の空隙を少なくするこ
とにより、より一層細径化され、真円性が良好の導体を
得ることができる。この場合に、減面率が23%を超え
ると、長手方向への変形が必要となり、加工性が著しく
低下する。このため、減面率は23%以下とすることが
好ましい。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0020】先ず、無酸素銅に下記表1に示す量のS
n、P及びZrを加え、これらを誘導加熱炉によって溶
解した後、直径が8mmの棒状の鋳塊を連続的に鋳造し
た。なお、溶解及び鋳造はアルゴンガス雰囲気下におい
て行った。
n、P及びZrを加え、これらを誘導加熱炉によって溶
解した後、直径が8mmの棒状の鋳塊を連続的に鋳造し
た。なお、溶解及び鋳造はアルゴンガス雰囲気下におい
て行った。
【0021】次に、この棒状の鋳塊をスウェージング及
びダイス引きにより冷間加工し、直径が0.161mm
まで伸線(減面率99.96%)した。その後、表1に
併せて示す条件で焼鈍した。
びダイス引きにより冷間加工し、直径が0.161mm
まで伸線(減面率99.96%)した。その後、表1に
併せて示す条件で焼鈍した。
【0022】このようにして得た線材について、強度、
伸び、導電性及び鋳造性を評価した。但し、強度及び伸
びは引張試験により調べた。また、導電性については、
導電率(%IACS)を測定することにより評価した。
更に鋳造性については、鋳造時の棒状鋳塊の表面の状態
により評価した。
伸び、導電性及び鋳造性を評価した。但し、強度及び伸
びは引張試験により調べた。また、導電性については、
導電率(%IACS)を測定することにより評価した。
更に鋳造性については、鋳造時の棒状鋳塊の表面の状態
により評価した。
【0023】更にまた、従来例1,2として、夫々軟銅
線及び硬銅線を用意した。そして、これらの従来例1,
2についても、実施例及び比較例と同様に焼鈍を行い、
強度、伸び及び導電率を測定した。これらの結果を、表
2にまとめて示す。
線及び硬銅線を用意した。そして、これらの従来例1,
2についても、実施例及び比較例と同様に焼鈍を行い、
強度、伸び及び導電率を測定した。これらの結果を、表
2にまとめて示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】この表2から明らかなように、実施例1〜
7はいずれも鋳造性が良好であると共に、強度、伸び及
び導電率も良好であった。一方、Sn含有量が少ない比
較例1は、伸び及び導電率は良好であるものの、強度が
低いものであった。また、Sn含有量が多い比較例2
は、強度は高いものの、伸び及び導電率がいずれも低い
ものであった。
7はいずれも鋳造性が良好であると共に、強度、伸び及
び導電率も良好であった。一方、Sn含有量が少ない比
較例1は、伸び及び導電率は良好であるものの、強度が
低いものであった。また、Sn含有量が多い比較例2
は、強度は高いものの、伸び及び導電率がいずれも低い
ものであった。
【0027】P含有量が少ない比較例3は、延性が4.
3%と低く、満足できるものではなかった。また、P含
有量が多い比較例4は、強度及び伸びは十分であるもの
の、導電率が低いものであった。
3%と低く、満足できるものではなかった。また、P含
有量が多い比較例4は、強度及び伸びは十分であるもの
の、導電率が低いものであった。
【0028】Zr含有量が少ない比較例5は、焼鈍が過
剰になり、強度が低下した。更に、Zr含有量が多い比
較例6は、鋳造性が悪くなり、微小クラックが発生し
た。
剰になり、強度が低下した。更に、Zr含有量が多い比
較例6は、鋳造性が悪くなり、微小クラックが発生し
た。
【0029】また、軟銅線である従来例1は強度が2
1.1kgf/mm2 と低く、硬銅線である従来例2は
伸びが1%と低いものであった。
1.1kgf/mm2 と低く、硬銅線である従来例2は
伸びが1%と低いものであった。
【0030】次に、実施例7と同一組成の銅合金を実施
例7と同一条件で線状に加工した後、下記表3に示す条
件で焼鈍を行った。そして、これらの線材の引張強さ及
び伸びを調べた。その結果を、下記表3にまとめて示し
た。但し、表3中の上側の数値は引張強さ(kgf/m
m2 )であり、下側の数値は伸び(%)である。
例7と同一条件で線状に加工した後、下記表3に示す条
件で焼鈍を行った。そして、これらの線材の引張強さ及
び伸びを調べた。その結果を、下記表3にまとめて示し
た。但し、表3中の上側の数値は引張強さ(kgf/m
m2 )であり、下側の数値は伸び(%)である。
【0031】
【表3】
【0032】この表3から明らかなように、焼鈍温度が
200℃と低い場合及び400℃と高い場合は、焼鈍時
間を調整しても引張強さが64kgf/mm2、伸びが
5%以上という細径電線の素線に求められている条件を
満足することができず、また、焼鈍時間が10分間未満
の場合及び400分間を越える場合も、焼鈍温度を調整
しても前記条件を満足することができなかった。
200℃と低い場合及び400℃と高い場合は、焼鈍時
間を調整しても引張強さが64kgf/mm2、伸びが
5%以上という細径電線の素線に求められている条件を
満足することができず、また、焼鈍時間が10分間未満
の場合及び400分間を越える場合も、焼鈍温度を調整
しても前記条件を満足することができなかった。
【0033】なお、本発明に係る銅合金は、その適用範
囲が自動車用電線の導体に限定されるものではないこと
は勿論であり、種々の装置に使用される電線の導体とし
て適用できる。
囲が自動車用電線の導体に限定されるものではないこと
は勿論であり、種々の装置に使用される電線の導体とし
て適用できる。
【0034】次に、減面率を種々変更した実施例及び比
較例について説明する。下記表4は銅合金の鋳塊を冷間
加工して線状材を得るときの減面率と、得られた線状材
の引張強さとの関係を示す。焼鈍条件はいずれも270
℃に1時間加熱したものである。
較例について説明する。下記表4は銅合金の鋳塊を冷間
加工して線状材を得るときの減面率と、得られた線状材
の引張強さとの関係を示す。焼鈍条件はいずれも270
℃に1時間加熱したものである。
【0035】
【表4】
【0036】この表4に示すように、本願請求項2に規
定したように、減面率を99%以上とした場合には、十
分に高い引張り強さが得られている。
定したように、減面率を99%以上とした場合には、十
分に高い引張り強さが得られている。
【0037】次に、請求項4に記載のように、焼鈍後の
線状材を複数本撚合わせて所定の減面率で圧縮加工する
ことにより、撚線を製造する場合の実施例及び比較例を
示す。下記表5は撚線の構成と、減面率と、真円性との
関係を示す。
線状材を複数本撚合わせて所定の減面率で圧縮加工する
ことにより、撚線を製造する場合の実施例及び比較例を
示す。下記表5は撚線の構成と、減面率と、真円性との
関係を示す。
【0038】
【表5】
【0039】但し、表5において、構成欄には、素線の
径と、その本数とを記載した。即ち、0.26/7とい
う場合は、素線の直径が0.26mmであり、この素線
を7本撚合わせたものである。また、断面積は、外径か
ら求めた断面積である。
径と、その本数とを記載した。即ち、0.26/7とい
う場合は、素線の直径が0.26mmであり、この素線
を7本撚合わせたものである。また、断面積は、外径か
ら求めた断面積である。
【0040】この表5に示すように、減面率が23%以
下の場合には、素線の崩れが生じることなく、真円性が
高い撚線を得ることができた。
下の場合には、素線の崩れが生じることなく、真円性が
高い撚線を得ることができた。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電線導
体用銅合金は、所定量のSn、P及びZrを含有し残部
がCu及び不可避的不純物からなるから、強度及び導電
率が高く、細径の自動車用電線の導体材料として極めて
好適である。
体用銅合金は、所定量のSn、P及びZrを含有し残部
がCu及び不可避的不純物からなるから、強度及び導電
率が高く、細径の自動車用電線の導体材料として極めて
好適である。
【0042】また、本発明方法によれば、前記銅合金を
所定の減面率で冷間加工した後、所定の条件で焼鈍する
から、強度及び導電率が高く、伸びが大きい電線導体を
得ることができる。また、撚線を所定の条件で圧縮する
ことにより、真円度が高い撚線を得ることができる。
所定の減面率で冷間加工した後、所定の条件で焼鈍する
から、強度及び導電率が高く、伸びが大きい電線導体を
得ることができる。また、撚線を所定の条件で圧縮する
ことにより、真円度が高い撚線を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 和素 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内
Claims (4)
- 【請求項1】 Sn;0.8乃至2.0重量%、P;
0.03乃至0.1重量%及びZr;0.008乃至
0.02重量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純
物からなることを特徴とする電線導体用銅合金。 - 【請求項2】 Sn;0.8乃至2.0重量%、P;
0.03乃至0.1重量%及びZr;0.008乃至
0.02重量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純
物からなる銅合金の鋳塊を99%以上の減面率で冷間加
工して線状材を得る工程と、この線状材を焼鈍する工程
とを有することを特徴とする電線導体の製造方法。 - 【請求項3】 前記焼鈍時の温度は200℃を超え、4
00℃未満であり、前記焼鈍時間は10乃至400分間
であることを特徴とする請求項2に記載の電線導体の製
造方法。 - 【請求項4】 前記焼鈍後の前記線状材を複数本撚り合
わせて、23%以下の減面率で圧縮することを特徴とす
る請求項2又は3に記載の電線導体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26905794A JPH08127830A (ja) | 1994-11-01 | 1994-11-01 | 電線導体用銅合金及び電線導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26905794A JPH08127830A (ja) | 1994-11-01 | 1994-11-01 | 電線導体用銅合金及び電線導体の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08127830A true JPH08127830A (ja) | 1996-05-21 |
Family
ID=17467068
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26905794A Pending JPH08127830A (ja) | 1994-11-01 | 1994-11-01 | 電線導体用銅合金及び電線導体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08127830A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006016629A1 (ja) | 2004-08-10 | 2006-02-16 | Sanbo Shindo Kogyo Kabushiki Kaisha | 被削性、強度、耐摩耗性及び耐蝕性に優れた銅合金鋳物及びその鋳造方法 |
| JP2007211317A (ja) * | 2006-02-12 | 2007-08-23 | Sanbo Copper Alloy Co Ltd | 銅合金製塑性加工材及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-11-01 JP JP26905794A patent/JPH08127830A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2006016629A1 (ja) | 2004-08-10 | 2006-02-16 | Sanbo Shindo Kogyo Kabushiki Kaisha | 被削性、強度、耐摩耗性及び耐蝕性に優れた銅合金鋳物及びその鋳造方法 |
| WO2006016631A1 (ja) | 2004-08-10 | 2006-02-16 | Sanbo Shindo Kogyo Kabushiki Kaisha | Sn含有銅合金及びその製造方法 |
| EP1777307A4 (en) * | 2004-08-10 | 2008-11-05 | Mitsubishi Shindo Kk | SN-CONTAINING COPPER ALLOY AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
| EP1777310A4 (en) * | 2004-08-10 | 2008-11-12 | Mitsubishi Shindo Kk | COPPER CAST ALLOY MATERIALS WITH EXCELLENT WORKABILITY, STRENGTH, WEAR AND CORROSION RESISTANCE AND CASTING METHOD THEREFOR |
| JP2007211317A (ja) * | 2006-02-12 | 2007-08-23 | Sanbo Copper Alloy Co Ltd | 銅合金製塑性加工材及びその製造方法 |
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