JPH08134021A - カーボネート化合物及びその製造方法 - Google Patents

カーボネート化合物及びその製造方法

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JPH08134021A
JPH08134021A JP27255294A JP27255294A JPH08134021A JP H08134021 A JPH08134021 A JP H08134021A JP 27255294 A JP27255294 A JP 27255294A JP 27255294 A JP27255294 A JP 27255294A JP H08134021 A JPH08134021 A JP H08134021A
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JP
Japan
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chloro
general formula
genus
compound represented
carbonate compound
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JP27255294A
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English (en)
Inventor
Eiji Yanase
英司 簗瀬
Fumiaki Iwasaki
史哲 岩崎
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】医薬、農薬の合成原料として重要な新規カーボ
ネート及びその製造方法を提供する。 【構成】下記一般式(I)で示される新規カーボネート
化合物。 【化1】 (R1はアルキル基である。) この化合物は、バシルス属、ブレビバクテリウム属、コ
リネバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ミクロコ
ッカス属、キサントモナス属、ノカルディア属、ロドコ
ッカス属に属する特定の微生物に、下記一般式(II) 【化2】 (R2はアルキル基である。)で示されるジカーボネー
ト化合物を作用させることにより容易に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カーボネート化合物及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3−クロロ−1,2−プロパンジオール
は、該化合物に結合する塩素及び水酸基に代えて他の官
能基を導入し易く、医薬、農薬、その他の生理活性物質
さらには液晶材料などの新素材の合成原料として極めて
重要な化合物である。
【0003】しかし、3−クロロ−1,2−プロパンジ
オールを目的とする誘導体に変換するためには、しばし
ば、反応性が似通った二つの水酸基のどちらか一方を何
等かの保護基で保護する必要がある。
【0004】従来、3−クロロ−1,2−プロパンジオ
ールの水酸基を保護する方法としては、3−クロロ−
1,2−プロンジオールと保護剤を直接反応させるので
はなく、エピクロロヒドリンとベンジルアルコール或い
はカルボン酸を反応させて、炭素鎖末端の1級アルコー
ルをベンジル基或いはアシル基で保護する方法が一般的
であった。(特開昭61−189258号公報、特開昭
61−271240号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする手段】しかし、かかる方法に
おいては、得られる化合物は1級のアルコールが保護さ
れた3−クロロ−1,2−プロパンジオール誘導体であ
る。即ち、3−クロロ−1,2−プロパンジオールの2
級のアルコールのみが保護された誘導体は、各種用途の
工業原料として高い価値を有するものでありながら知ら
れていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有用な3
−クロロ−1,2−プロパンジオール誘導体を開発すべ
く鋭意検討を続けてきた。その結果、3−クロロ−1,
2−プロパンジオールの二つの水酸基が、アルコキシカ
ルボニル基で保護された特定の一般式で示されるカーボ
ネート化合物を基質として用い、これに特定の微生物の
培養液、菌体または菌体処理物を作用させることによっ
て、炭素鎖末端の1級のアルコールのみが加水分解され
た有用なカーボネート化合物が得られることを見いだし
本発明を完成させるに至った。
【0007】即ち、本発明は下記一般式(I)
【0008】
【化1】
【0009】(R1はアルキル基である。)で示される
カーボネート化合物である。
【0010】前記一般式(I)において、R1はアルキ
ル基を示す。アルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれで
あってもよく、その炭素数は特に制限されない。製造の
容易さから炭素数が1〜4のアルキル基であることが好
適である。本発明に於いて好適なアルキル基を具体的に
例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i
so−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、
t−ブチル基等を挙げることができる。
【0011】前記一般式(I)で示されるカーボネート
化合物を具体的に例示すると、3−クロロ−2−メトキ
シカルボニルオキシ−1−プロパノール、3−クロロ−
2−エトキシカルボニルオキシ−1−プロパノール、3
−クロロ−2−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−
プロパノール、3−クロロ−2−iso−プロポキシカ
ルボニルオキシ−1−プロパノール、3−クロロ−2−
n−ブトキシカルボニルオキシ−1−プロパノール、3
−クロロ−2−iso−ブトキシカルボニルオキシ−1
−プロパノール、3−クロロ−2−t−ブトキシカルボ
ニルオキシ−1−プロパノール等を挙げることができ
る。
【0012】こうした一般式(I)で示されるカーボネ
ート化合物は、如何なる方法により製造しても良い。例
えば、前述の方法により3−クロロ−1,2−プロパン
ジオールからその1級のアルコールのみが保護された3
−クロロ−1,2−プロパンジオール誘導体を製造し、
これの2級アルコールを、除去条件の異なる他の保護基
で保護した後、上記1級アルコールの保護基を除去する
方法等によっても、製造は可能であるが、操作の簡便性
から下記の酵素法により製造するのが好ましい。
【0013】即ち、本発明において、前記一般式(I)
で示されるカーボネート化合物は、バシルス属、ブレビ
バクテリウム属、コリネバクテリウム属、フラボバクテ
リウム属、ミクロコッカス属、キサントモナス属、ノカ
ルディア属、ロドコッカス属に属し、下記一般式(II)
【0014】
【化2】
【0015】(R2はアルキル基である。)で示される
ジカーボネート化合物に作用させた時、下記一般式
(I)
【0016】
【化3】
【0017】(R1はアルキル基である。)で示される
カーボネート化合物を生成する能力を有する微生物の培
養液、菌体または菌体処理物を該一般式(II)で示され
る化合物に作用させ、生成した一般式(I)で示される
カーボネート化合物を採取する方法により得るのが好ま
しい。
【0018】ここで、上記一般式(II)
【0019】
【化4】
【0020】(R2はアルキル基である。)で示される
ジカーボネート化合物において、R2のアルキル基は、
前記一般式(I)で示されるR1のアルキル基と同様で
ある。
【0021】この一般式(II)で示されるジカーボネー
ト化合物を具体的に例示すると、3−クロロ−1,2−
ジメトキシカルボニルオキシプロパン、3−クロロ−
1,2−ジエトキシカルボニルオキシプロパン、3−ク
ロロ−1,2−ジ−n−プロポオキシカルボニルオキシ
プロパン、3−クロロ−1,2−ジ−iso−プロポオ
キシカルボニルオキシプロパン、3−クロロ−1,2−
ジ−n−ブトキシカルボニルオキシプロパン、3−クロ
ロ−1,2−ジ−iso−ブトキシカルボニルオキシプ
ロパン、3−クロロ−1,2−ジ−t−ブトキシカルボ
ニルオキシプロパン等を挙げることができる。
【0022】本発明では、こうした一般式(II)で示さ
れるジカーボネート化合物を基質とし、これにバシルス
属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、フ
ラボバクテリウム属、ミクロコッカス属、キサントモナ
ス属、ノカルディア属、ロドコッカス属に属し、該ジカ
ーボネート化合物を作用させた時、その炭素鎖末端部分
のアルコキシカルボニル基を選択的に加水分解する能力
を有する微生物の培養液、菌体または菌体処理物を作用
させる。
【0023】それにより、一般式(I)で示される化合
物が良好な収率で生成する。ここで、上記微生物として
は、前記性状を有するものであれば、何等制限なく使用
できる。具体的には、バシルス サブチリス(Bacillus
subtillis IFO 3007)、バシルス サブチリス バー
アテリムス(Bacillus subtillis var.aterrimus IFO
3038)、バシルス サークランス(Bacillus circulan
s IFO 3329)、バシルス スファエリカス(Bacillus s
phaericus IFO 3341)、ブレビバクテリウムジバリカタ
ム 1627(Brevibacterium divaricatum NRRL 231
1)、コリネバクテリウム グルタミカム No.53
4(Corynebacterium glutamicum No.534 ATCC 1303
2)、フラボバクテリウム エステロアロマティカム(F
lavobacterium esteroaromaticum IFO 3751)、ミクロ
コッカス ロゼウス(Micrococcus roseus IFO 376
8)、キサントモナス トランスルセンス(Xanthomonas
translucens IFO 13558)、ノカルディア アステロイ
デス(Nocardia asteroides IFO 3384)、ノカルディア
アウトトロフィカ(Nocardia autotrophica IFO 1274
3)、ロドコッカス エクイ(Rhodococcus equi ATCC 7
698)等が好ましく用いられる。
【0024】上記微生物を培養するにあたって使用する
培地としては、公知のものが使用される。例えば、グル
コース、シュクロース、フラクトース、グリセロール、
ソルビトール、精蜜、可溶性でんぷん等の炭素源、肉エ
キス、酵母エキス、ポリペプトン、ペプトン、硝酸塩
類、アンモニウム塩類等の窒素源、及びリン酸第一カリ
ウム、リン酸第二カリウム、塩化ナトリウム、硝酸マグ
ネシオウム等の無機塩類を含有するものであれば特に限
定されない。
【0025】培地の形態は液体、固体のいずれでもよ
い。また、培養の方法は静置培養、振とう培養、通気攪
拌培養のいずれでもよいが、大量培養には通気攪拌によ
る液体培養が適している。培養温度は、15〜45℃、
好ましくは20〜40℃で、通常20〜48時間培養す
る。
【0026】本発明に於いて、前記基質に上記微生物の
培養液、菌体または菌体処理物を作用させる方法は、微
生物を利用した酵素反応において通常行われている基質
への作用方法が何等制限なく採用される。例えば、前記
微生物の培地に上記基質を添加することにより、作用さ
せる方法が挙げられる。この場合、基質は最初から培地
に加えても良いし、培養途中で添加してもよい。
【0027】また、反応を阻害しない無機または有機の
溶媒中、好ましくは水性溶媒中において、基質に前記微
生物の菌体または菌体処理物を作用させても良い。な
お、本発明に於いて菌体処理物とは、例えば洗浄菌体、
乾燥菌体、菌体磨砕物、菌体の自己消化物、菌体の超音
波処理物、菌体抽出物、あるいは菌体抽出物等を精製し
て得たリパーゼ等が特に制限されることなく使用され
る。ここで、菌体、菌体抽出物、該菌体抽出物を精製し
て得たリパーゼ等は、公知の菌体、酵素の固定化方法に
より固定化したものを用いることもできる。
【0028】本発明において、このようにして得た微生
物の培養液、菌体または菌体処理物を作用させる際の基
質の濃度は、特に制限されるものではない。通常0.0
1〜10重量%の範囲、好ましくは0.05〜5重量%
から適宜採択すればよい。
【0029】また、本発明に於いて、このようにして微
生物の培養液、菌体または菌体処理物を作用させる際の
反応媒体のpHは、特に制限されるものではないが、通
常、pH6〜9の範囲であることが好ましい。さらに、
作用させる際の菌体または菌体処理物の濃度は、菌体処
理物の精製度等の違いにより一概には決定することはで
きないが、通常、タンパク質量で0.05〜10重量%
の範囲から適宜採択される。なお作用温度は、特に制限
されるものではないが、10〜50℃好ましくは30〜
45℃の範囲が好適である。作用時間については、基質
濃度および使用する菌株の種類によって決まるため一概
に決めることはできないが、通常3〜80時間作用させ
れば十分である。
【0030】以上により、基質の加水分解反応をを行っ
た後、生成した前記一般式(I)で示されるカーボネー
ト化合物を採取する。この生成物の採取の方法は特に制
限されるものではなく、例えば反応溶液に酢酸エチル或
いは塩化メチレン等の有機溶媒によって抽出し、溶媒を
留去した後、残渣を薄層クロマトグラフィーによって容
易に単離精製を行うことができる。
【0031】次に、本発明において、上記酵素法による
一般式(I)で示されるカーボネート化合物の製造方法
に使用する前記一般式(II)で示されるジカーボネート
化合物は、如何なる方法により製造されたものを使用し
ても良い。代表的な製造方法としては以下の方法を挙げ
ることができる。即ち、3−クロロ−1,2−プロパン
ジオールを塩基存在下、ハロゲン化炭酸モノアルキルエ
ステルと反応させる方法を挙げることができる。
【0032】ここで、ハロゲン化炭酸モノアルキルエス
テルのハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素等が何等
制限なく使用できる。
【0033】また、塩基としては、3級アミン及びアル
カリ金属炭酸塩が挙げられる。これらを具体的に例示す
ると、3級アミンとしては、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリブチルアミン、メチルジイソプロピ
ルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレン
ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレ
ンジアミン等の脂肪族3級アミン、ピリジン、4−ジメ
チルアミノピリジン、N,N−ジメチルベンジルアミ
ン、N,N−ジメチルアニリン等の芳香族3級アミン等
を挙げることができ、アルカリ金属炭酸塩としては、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム等を挙げることができる。
上記一般式(II)で示される化合物に対する塩基の仕込
みモル比は、必要に応じて適宜決定すればよいが、通常
2〜10倍モル、好ましくは2〜5倍モルの範囲で用い
るのが一般的である。
【0034】3−クロロ−1,2−プロパンジオール
と、クロロ炭酸モノアルキルエステルの仕込みモル比
は、必要に応じて適宜決定すればよいが、通常2〜10
倍モル、好ましくは2〜5倍モルの範囲で用いるのが一
般的である。
【0035】この反応は、一般に有機溶媒中で行うのが
好ましい。好適に使用できる有機溶媒を例示すれば、ジ
オキサン、テトラハイドロフラン、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタ
ン等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、プロピ
オニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル等のエステル類;トルエン、ベン
ゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類;クロロベンゼン
等のハロゲン化芳香族炭化水素類等を挙げることができ
る。
【0036】反応時間は、所望する一般式(II)で示さ
れるジカーボネート化合物の種類によって異なるため特
に限定することはできないが、1〜30時間の範囲から
選択することが好ましい。
【0037】反応温度としては、化合物によって異なる
ため特に限定することはできないが、通常−20〜10
0℃、好ましくは−10〜80℃の範囲から選択するこ
とが好ましい。
【0038】以上の反応により得られる前記一般式(I
I)で示されるジカーボネート化合物を単離精製する方
法は特に限定されず公知の方法を適宜採用すれば良い。
例えば、反応溶液に水を加えて析出する塩を溶解させた
後、反応を水に溶解する有機溶媒中で行った場合には、
さらに、水に溶解しない有機溶媒を加えて抽出すれば良
い。
【0039】また、反応を水に溶解しない有機溶媒中で
行った場合には、上記反応溶液に水を加えた後、その溶
媒で抽出すれば良い。
【0040】水洗後、該有機溶媒は、無水硫酸ナトリウ
ム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤で乾燥した後、有
機溶媒を留去し、残査をカラムクロマトグラフィー或い
は減圧蒸留によって分離精製することによって、目的物
を得ることができる。
【0041】本発明において、一般式(I)で示される
カーボネート化合物及び一般式(II)で示されるジカー
ボネート化合物の構造は、次の手段によって確認でき
る。
【0042】(1)1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−
NMR)を測定することにより、前記一般式(I)及び
(II)で示される化合物中に存在する水素原子の結合様
式を知ることができる。
【0043】(2)赤外吸収スペクトル(IR)を測定
することにより、前記一般式(I)及び(II)で示され
る化合物の官能基に由来する特性吸収を観察することが
できる。前記一般式(I)で表される化合物では170
0〜1780cm-1付近にC=O結合に基づく吸収を、
3300〜3600cm-1付近にはO−H結合に基づく
吸収を観察することができる。また、前記一般式(II)
で表される化合物では1700〜1780cm-1付近に
C=O結合に基づく吸収を観察することができる。
【0044】(3)質量スペクトル(MS)を測定し、
前記一般式(I)及び(II)の分子イオンピーク(以
下、M+と略記する)が観測される。従って、分子量を
決定することができる。
【0045】(4)元素分析によって炭素、水素、塩素
さらに各元素の重量%の和を100から減じることによ
り、酸素の重量%を算出することができ、従って組成式
を決定することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で示されるカーボ
ネート化合物は、炭素鎖末端の水酸基に、種々の置換基
を容易に導入できる。そして、得られた化合物は、2級
のアルコールが保護されているアルコキシカルボニル基
もアルカリ加水分解で簡単に除去でき、これに代えて種
々の官能基を容易に導入できる。従って、該化合物は、
3−クロロ−1,2−プロパンジオールにおいて、1級
のアルコール部分に先に官能基を導入し、次いで2級の
アルコール部分を反応に供することが要求される各種用
途の工業原料として極めて有効に使用できる。
【0047】また、このカーボネート化合物は、バシル
ス属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、
フラボバクテリウム属、ミクロコッカス属、キサントモ
ナス属、ノカルディア属、ロドコッカス属に属する特定
の微生物の培養液、菌体または菌体処理物を前記一般式
(II)で示されるジカーボネート化合物に作用させるこ
とにより、簡単に製造することができ極めて有用であ
る。
【0048】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に何等制限されるものではな
い。
【0049】実施例1 ・(基質の合成)攪拌器、温度計を備え付けた4つ口フ
ラスコに、3−クロロ−1,2−プロパンジオール3
3.2g(0.3mol)、ピリジン79.1g(1.
0mol)を塩化メチレン300mlに溶解させ、氷冷
下攪拌し、この混合溶液にクロロ炭酸メチル72.4g
(0.9mol)を内温が10℃以下になるように1時
間かけて滴下した。4時間攪拌した後、反応液に塩化メ
チレン200mlを加え、水200mlで洗浄した。さ
らにこの塩化メチレン溶液を、2%塩酸200ml、水
200mlで洗浄した後硫酸マグネシウムで乾燥し、溶
媒を留去した。得られた、黄色透明の液体を、0.4T
orr、140℃で減圧蒸留を行うと、3−クロロ−
1,2−ジメトキシカルボニルオキシプロパンを58.
0g(85%)取得した。
【0050】このものの赤外吸収スペクトルを測定した
結果、1753cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。その元素分析値は、C37.00%、H4.88
%、Cl15.78%であって組成式C711ClO
6(226.61)に対する計算値であるC37.10
%、H4.89%、Cl15.65%に良く一致した。
また、質量スペクトルを測定した結果、m/e226に
+に対応するピークを示した。
【0051】さらに、1H−核磁気共鳴スペクトル
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準;重クロロホル
ム溶媒)を測定した結果は次の通りであった。
【0052】
【化5】
【0053】3.73〜3.77ppmにプロトン2個
分の多重線を示し、(c)のメチレンプロトンに相当し
た。3.80ppmにプロトン3個分の一重線を示し、
(e)のメチルプロトンに相当した。3.82ppmに
プロトン3個分の一重線を示し、(d)のメチルプロト
ンに相当した。4.31〜4.48ppmにプロトン二
個分の多重線を示し、(a)のメチレンプロトンに相当
した。5.05〜5.13ppmにプロトン一個分の多
重線を示し、(b)のメチレンプロトンに相当した。
【0054】上記の結果から、単離生成物が、3−クロ
ロ−1,2−ジメトキシカルボニルオキシプロパンであ
ることが明らかとなった。
【0055】・(3−クロロ−2−メトキシカルボニル
オキシ−1−プロパノールの製造)菌の培養は、2.0
%グルコース、1.0%サッカロース、1.0%肉エキ
ス、0.5%ペプトン、0.2%酵母エキス、0.3%
塩化ナトリウム、0.4%リン酸第一カリウム、0.2
%リン酸第二カリウム、0.1%硫酸マグネシウム・7
水塩、pH7の培地500mlを2Lの肩付きフラスコ
に加え、ブレビバクテリウム ジバリカタム 1627
NRRL 2311菌株を30℃で48時間振とう培
養を行った。培養後、遠心分離によって上澄み液を除
き、冷却下50mMのリン酸緩衝液(pH7.0)50
mlで2回洗浄した。得られた菌体250mgをpH7
に調整した50mMリン酸緩衝液5mlに分散させ、こ
れに3−クロロ−1,2−ジメトキシカルボニルオキシ
プロパンが1%(重量/容量)となるように添加し、引
き続き30℃で、48時間振とう培養した。反応後、5
mlの酢酸エチルを加えて抽出した。
【0056】この抽出液をカラムクロマトグラフィーで
分析したところ、加水分解率は99.6%であった。ま
た、この抽出液を濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィ
ーで単離精製したところ、3−クロロ−2−メトキシカ
ルボニルオキシ−1−プロパノールを35mg(95.
0%)採取した。
【0057】このものの赤外吸収スペクトルを測定した
結果、1753cm-1にカルボニル基に基づく吸収を、
3500cm-1に水酸基に基づく吸収を得た。その元素
分析値は、C35.48%、H5.18%、C21.2
6%であって組成式C59ClO4(168.58)に
対する計算値であるC35.62%、H5.38%、C
l21.03%に良く一致した。また、質量スペクトル
を測定した結果、m/e168にM+に対応するピーク
を示した。
【0058】さらに、1H−核磁気共鳴スペクトル
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準;重クロロホル
ム溶媒)を測定した結果は次の通りであった。
【0059】
【化6】
【0060】3.10ppmにプロトン一個分の幅広い
一重線を示し、(e)の水酸基のプロトンに相当した。
3.50〜3.74ppmにプロトン四個分の多重線を
示し、(a)(c)のメチレンプロトンに相当した。
3.82ppmにプロトン三個分の一重線を示し、
(d)のメチルプロトンに相当した。4.95〜5.0
7ppmにプロトン1個分の一重線を示し、(b)のメ
チンプロトンに相当した。
【0061】上記の結果から、単離生成物が、3−クロ
ロ−2−メトキシカルボニルオキシ−1−プロパノール
であることが明らかとなった。
【0062】実施例2 ブレビバクテリウム ジバリカタム 1627 NRR
L 2311菌株の代わりに表1に示した菌株を用い、
実施例1と同様な操作を 行った。48時間培養後の加
水分解率は表1に示す通りであった。
【0063】
【表1】
【0064】実施例3 ・(基質の合成)実施例1のクロロ炭酸メチルの代わり
にクロロ炭酸エチルを用いて、実施例1と同様な操作を
行った。得られた無色透明の液体を0.2Torr、1
28℃で減圧蒸留を行うと、3−クロロ−1,2−ジエ
トキシカルボニルオキシプロパンを67.2g(88
%)取得した。
【0065】このものの赤外吸収スペクトルを測定した
結果、1749cm-1にカルボニル基に基づく吸収を得
た。その元素分析値は、C42.28%、H5.88
%、Cl14.10%であって組成式C915ClO
6(254.67)に対する計算値であるC42.45
%、H5.94%、Cl13.92%に良く一致した。
【0066】また、質量スペクトルを測定した結果、m
/e254にM+に対応するピークを示した。
【0067】さらに、1H−核磁気共鳴スペクトル
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準;重クロロホル
ム溶媒)を測定した結果は次の通りであった。
【0068】
【化7】
【0069】1.29〜1.35ppmにプロトン六個
分の多重線を示し、(f)(g)のメチルプロトンに相
当した。3.68〜3.80ppmにプロトン二個分の
多重線を示し、(c)のメチレンプロトンに相当した。
3.68〜3.80ppmにプロトン四個分の多重線を
示し、(d)(e)のメチレンプロトンに相当した。
【0070】4.30〜4.47ppmにプロトン二個
分の多重線を示し、(a)のメチレンプロトンに相当し
た。5.04〜5.11ppmにプロトン一個分の多重
線を示し、(b)のメチンプロトンに相当した。
【0071】上記の結果から、単離生成物が、3−クロ
ロ−1,2−ジエトキシカルボニルオキシプロパンであ
ることが明らかとなった。
【0072】・(3−クロロ−2−エトキシカルボニル
オキシ−1−プロパノールの製造)3−クロロ−1,2
−ジメトキシカルボニルオキシプロパンの代わりに3−
クロロ−1,2−ジエトキシカルボニルオキシプロパン
を用い実施例1と同様の操作を行った。
【0073】酢酸エチル抽出溶液をガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、その加水分解率は85.5%で
あった。また、この抽出液を濃縮し、残渣を薄層クロマ
トグラフィーで単離精製したところ、3−クロロ−2−
エトキシカルボニルオキシ−1−プロパノールを29m
g(80.0%)採取した。
【0074】このものの赤外吸収スペクトルを測定した
結果、1753cm-1にカルボニル基に基づく吸収を、
3500cm-1に水酸基に基づく吸収を得た。その元素
分析値は、C39.58%、H6.20%、C19.2
5%であって組成式C611ClO4(182.60)に
対する計算値であるC39.47%、H6.07%、C
l19.42%に良く一致した。また、質量スペクトル
を測定した結果、m/e182にM+に対応するピーク
を示した。
【0075】さらに、1H−核磁気共鳴スペクトル
(δ:ppm:テトラメチルシラン基準;重クロロホル
ム溶媒)を測定した結果は次の通りであった。
【0076】
【化8】
【0077】1.30〜1.35ppmにプロトン二個
分の三重線を示し、(e)のメチルプロトンに相当し
た。3.12ppmにプロトン一個分の幅広い一重線を
示し、(f)の水酸基のプロトンに相当した。3.62
〜4.13ppmにプロトン四個分の多重線を示し、
(a)(c)のメチレンプロトンに相当した。4.20
〜4.27ppmにプロトン二個分の四重線を示し、
(d)のメチルプロトンに相当した。4.95〜5.0
5ppmにプロトン1個分の一重線を示し、(b)のメ
チンプロトンに相当した。
【0078】上記の結果から、単離生成物が、3−クロ
ロ−2−エトキシカルボニルオキシ−1−プロパノール
であることが明らかとなった。
【0079】実施例4 ブレビバクテリウム ジバリカタム 1627 NRR
L 2311菌株の代わりに表2に示した菌株を用い、
実施例3と同様な操作を行った。48時間培養後の加水
分解率は表1に示す通りであった。
【0080】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:62) (C12P 7/62 C12R 1:15) (C12P 7/62 C12R 1:20) (C12P 7/62 C12R 1:265) (C12P 7/62 C12R 1:365)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (R1はアルキル基である。)で示されるカーボネート
    化合物。
  2. 【請求項2】下記一般式(II) 【化2】 (R2はアルキル基である。)で示されるジカーボネー
    ト化合物。
  3. 【請求項3】バシルス属、ブレビバクテリウム属、コリ
    ネバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ミクロコッ
    カス属、キサントモナス属、ノカルディア属、ロドコッ
    カス属に属し、請求項2記載のジカーボネート化合物に
    作用させた時、請求項1記載のカーボネート化合物を生
    成する能力を有する微生物の培養液、菌体または菌体処
    理物を請求項2記載のジカーボネート化合物に作用さ
    せ、生成した請求項1記載のカーボネート化合物を採取
    することを特徴とするカーボネート化合物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115353457A (zh) * 2022-08-29 2022-11-18 武汉理工大学 一种不对称碳酸酯及其制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115353457A (zh) * 2022-08-29 2022-11-18 武汉理工大学 一种不对称碳酸酯及其制备方法
CN115353457B (zh) * 2022-08-29 2023-12-12 武汉理工大学 一种不对称碳酸酯及其制备方法

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