JPH08134253A - 高分子量ポリエチレン微孔性フィルムの製造方法 - Google Patents
高分子量ポリエチレン微孔性フィルムの製造方法Info
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Abstract
いて、フィルム中の可塑剤を抽出して非水電解液系二次
電池のセパレータとしての適性を有する高分子量ポリエ
チレン微孔性フィルムの製造方法を提供する。 【構成】高分子量ポリエチレンとパラフィンワックスと
の混合物を溶融混練し、冷却固化シトを得る工程と、パ
ラフィンワックスの融点以上、高分子量ポリエチレンの
融点以下の温度で二軸延伸してフィルムを得る工程と、
パラフィンワックスの融点以上、高分子ポリエチレンの
融点以下の温度で熱処理する工程と、残存するパラフィ
ンワックスをパラフィンワックスの融点以上、高分子ポ
リエチレンの融点未満の温度で、低級アルコール系溶剤
を用いて除去し、次いで乾燥することにより微孔性高分
子量ポリエチレンフィルムを得る工程からなる。
Description
ンもしくはエチレンとα−オレフィン共重合体(以下、
単に、高分子量ポリエチレンという)からなる微孔性二
軸延伸フィルムの製造方法に関するものであって、より
詳しくは、極限粘度[η]が3.5dl/g以上の高分
子量ポリエチレン(A)とパラフィンワックス(B)と
を特定の比率と条件で溶融混練し、シートを形成し、つ
いでパラフィンワックス(B)の融点以上、高分子量ポ
リエチレン(A)の融点以下で、少なくともパラフィン
ワックス(B)の一部の存在下で二軸延伸し、少なくと
も一方向の固定状態で熱処理を行い、ついでアルコール
系溶剤(C)でパラフィンワックス(B)を実質的に全
量除去することにより、透気性に優れた微孔性の高分子
量ポリエチレンフィルムを製造する方法に関する。本発
明によって得られるフィルムは、主として非水電解液系
二次電池のセパレータに、とくにリチウムイオン電池用
セパレータに好適に用いられる。
て、リチウムイオン電池のセパレータが着目されてい
る。このセパレータに課せられる物性構造上の特徴は
電極の脱落活物質の通過を防ぐために、突き刺し強度に
優れること、イオンの伝導性に優れること、すなわち
この代用物性である透気性に優れること、電解液の保
持性に優れること、すなわち空孔率が大きいことの三点
が必要機能として挙げられる。この様な特性を持つフィ
ルムの製造方法として、いくつかの先行技術が提案され
ている。
度平均分子量40万以上の超高分子量ポリエチレン0.
5ないし55重量%に対して炭素数15以上のアルコー
ル類、エーテル類、ケトン類又はエステル類より選ばれ
る常温固形で、該ポリエチレンより融点が低い流れ改良
剤99.5ないし45重量%を均一に混合した超高分子
量ポリエチレン組成物を、固化させることなく溶融状態
でシート又はフィルムに成形し、該成形の途中あるいは
成形の後に流れ改良剤成分を低級アルコール若しくは水
又は低級アルコールと水の混合物で抽出することを特徴
とする超高分子量ポリエチレンシート又はフィルムの製
造方法が開示されている。
超高分子量ポリエチレンに可塑剤として、流動パラフィ
ン、固形パラフィン、ステアリルアルコール、セシルア
ルコールを混合し、この組成物を押出機で溶融混練し、
シートとし、ついでペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の
炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水
素、三弗化エタン等の弗化炭化水素、メタノール、エタ
ノール、プロパノール等のアルコール類で全量の可塑剤
を除去し、ついで縦方向に2ないし6倍、横方向に2な
いし8倍の二軸延伸を行なうことにより、微孔性フィル
ムを製造する方法が開示されている。
アルコールを可塑剤として用い、これを低級アルコール
を用いて除去するものであり、静電気着火の危険性のな
い低級アルコールを溶剤として用いる点が長所である
が、前述の特開昭60−197752号公報に示され
た、孔径の小さく、均一な微孔性を得ることの出来る延
伸後に高級アルコールを抽出する方法では製造できるフ
ィルムの透気性が充分でないという欠点がある。
れた様に、予め延伸に先だって、可塑剤を全量除去する
方法は、延伸前シートから脱可塑剤を行う際に、シート
の微孔性が失われる場合があり、作業が難しいと同時に
得られるフィルムは葉脈状の孔径分布の大きなもので、
最大孔径の大きさ故に非水系のセパレータ材料として使
用することは望ましくない。
量ポリエチレンを微粉珪酸のような無機微粉体およびジ
オクチルフタレート等の有機液体と混合成膜した後、該
無機粉体をアルカリで、また液状有機物を1,1,1−
トリクロロエタンで除去し、特定の条件下で延伸を行う
微孔性フィルムの製造方法が開示されている。この方法
によって得られるフィルムは、空孔率が大きく透気性に
優れる利点があるが、ここで用いられる1,1,1−ト
リクロロエタンは着火、爆発等の危険性はないが、発癌
性と環境汚染が指摘されている溶剤であり、作業員の健
康上の問題点が憂慮される。
は、高分子量ポリエチレンと流動パラフィンを混合成膜
した後、特定条件で延伸し、次いで流動パラフィンを塩
化メチレンで除去する微孔性フィルムの製造方法が開示
されている。ここで用いられる塩化メチレンは上述の溶
剤と同様に、着火、爆発の危険性はないが、発癌性が懸
念されている溶剤であり、前記同様に、作業員の健康上
の問題点が憂慮される。
いて成膜し、二軸延伸する微孔性フィルムの製造方法に
おいては、安全性と環境適合性、衛生性とフィルムの高
セパレータ特性を満たす可塑剤と溶剤の組み合わせはな
かった。したがって、引火性の観点から少なくとも引火
点が0℃以下という極端に低いものでなく、静電気着火
の危険性が少なく、環境適合性があり、衛生性の観点か
ら安全で、かつ製造されるフィルムの空孔率が大きくな
るような溶剤による製造方法の開発が望まれている。
の危険性が極端に少ないため作業安全性に優れ、工業的
には広く用いられている。しかしながら、近年、フッ素
系溶剤(例えばフロン113など)は環境問題の観点か
ら、これに代わる溶剤が探索されている。また塩素系溶
剤(例えば、1,1,1−トリクロロエタンや塩化メチ
レン)は、環境問題はもちろんのこと発癌性等の衛生性
の問題があり、これに代わる他の溶剤が探索されてい
る。最近、これらに代わる溶剤として軽沸点炭化水素
(たとえばヘキサンやヘプタンなど)が提案されている
が、これらの溶剤は可燃性であり、引火点も低く、静電
気着火や爆発の危険性が大きく、これを使うためには前
述のフッ素系もしくは塩素系溶剤の場合に比較して、設
備面での対応が技術的にも設備費的にも多大であり、も
しこれらをクリアーしたとしても引火爆発の危険性を持
った溶剤を取り扱っている精神的負担は作業者にとって
大きいものがある。
溶剤では引火点は常温以上となり、比較的、引火爆発の
危険性は低減されるが逆に沸点が高くなるため、乾燥が
著しく困難となり、溶剤としての本来の目的にそぐわな
い。また一方では低級アルコール系溶剤が、上述する問
題点の観点から注目されている。低級アルコール系溶剤
の場合、可燃物であるが、炭化水素に比べて、燃焼熱量
が少なく、静電気着火の危険性が極めて少なく、環境衛
生性の観点からも極めて優れた溶剤である。特に少量の
水との混合系の場合、引火性が低減するために、これら
の低級アルコール系溶剤を用いることが出来れば、安全
性、環境衛生性の観点ばかりでなく、製造設備費的にも
有益である。
認識した上で、本発明は、引火点が低く、静電気着火の
危険性のある溶剤、あるいは発癌性や環境汚染の虞のあ
る溶剤を用いずに、引張強度、突き刺し強度や空孔率、
透気性に優れたフィルムを製造する方法を提供すること
を目的とする。本発明の製造方法で得られるフィルム
は、電池セパレータ、とくにリチウムイオン電池用セパ
レータとしての用途に優れた適性を示すものである。
て提案されている上記微孔性ポリエチレンフィルムの製
造方法において、安全性、環境衛生性に優れた、低級ア
ルコール系溶剤もしくは低級アルコール系溶剤と水との
組成物を用いて、フッ素系や塩素系の溶剤を用いた場合
に比較して、利用目的への合致性に遜色のない微孔性高
分子量ポリエチレンフィルムの製造法を提供するもので
ある。
[η]が3.5dl/g以上である高分子量ポリエチレ
ン(A)からなる微孔性フィルムを製造する方法であっ
て、以下の工程、すなわち、 工程1.高分子量ポリエチレン(A)と、パラフィンワ
ックス(B)との混合物を溶融混練し、冷却固化シート
を得る工程、 工程2.該シートをパラフィンワックス(B)の一部も
しくは全部をシート中に残存させた状態で、パラフィン
ワックス(B)の融点以上高分子量ポリエチレンの融点
以下の温度で二軸延伸してフィルムを得る工程、 工程3.二軸延伸後、フィルムをパラフィンワックス
(B)の存在下でパラフィンワックス(B)の融点以上
高分子量ポリエチレン(A)の融点以下の温度で熱処理
(ヒートセット)を行う工程、 工程4.該フィルムから残存しているパラフィンワック
ス(B)をパラフィンワックス(B)の融点以上高分子
量ポリエチレン(A)の融点未満の温度で、低級アルコ
ール系溶剤(C)を用いて除去し、次いで乾燥すること
により微孔性高分子量ポリエチレンフィルムを得る工
程、 よりなることを特徴とする高分子量ポリエチレン微孔性
フィルムの製造方法が提供される。
ル系溶剤(C)が、イソプロピルアルコール、ノルマル
プロピルアルコール、イソブチルアルコールの単独もし
くは2種以上の混合物よりなる溶剤である高分子量ポリ
エチレン微孔性フィルムの製造方法が提供される。
ル系溶剤(C)が、ノルマルブチルアルコール、または
イソアミルアルコールであり、パラフィンワックスを除
去した後、更に該アルコール系溶剤(C)を水で置換
し、次いで乾燥する高分子量ポリエチレン微孔性フィル
ムの製造方法が提供される。
クス(B)が室温固体で融点が50℃以下のものであ
り、低級アルコール系溶剤(C)がエタノールである高
分子量ポリエチレン微孔性フィルムの製造方法が提供さ
れる。
がどの様に調製されるべきか、すなわち、原料、調製方
法(原反シートの調製方法、二軸延伸の方法、熱処理の
方法)、得られたフィルムの物性と構造について順次述
べる。
レン(A)とは、エチレン、もしくは、エチレンと少量
の炭素数4以上のα−オレフィンを、例えば、チーグラ
ー系触媒を使用し、スラリー重合させることにより得ら
れる極限粘度[ η] で3.5dl/g以上のポリエチレ
ンである。炭素数4以上のα−オレフィンとは,ブテン
−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1等の1種または2種以上の組み合
わせが挙げられるが、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン−1、オクテン−1等の炭素数6以上のα−オレフィ
ンが少なくとも一成分として用いられていることが好適
である。α−オレフィンコモノマーの量は5モル%以下
が好ましい。この中で好ましいコモノマーは、プロピレ
ン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1である。
は、前述した極限粘度[η]に対応する分子量を有する
ものであり、さらに好適には、極限粘度[η]で、5な
いし15デシリットル/グラム、さらに好適には5ない
し10デシリットル/グラムの範囲のものである。3.
5デシリットル/グラムを下回るものは、機械強度が低
くなる。また15デシリットル/グラムを上回る場合、
可塑剤との相溶性が乏しくなるために、フィルム化した
際の均一性に劣る。
は、可塑剤、つまり、流動性改良剤として、用いられる
ものであり、パラフィンワックス(B)は沸点が高分子
量ポリエチレン(A)の融点を超えるもので、好ましく
は、沸点が高分子量ポリエチレン(A)の融点+10℃
以上であり、また融点が110℃以下のものであり、1
20℃以上の温度で溶融混練することにより、容易に、
高分子量ポリエチレン(A)と相溶し、均一な混合物を
つくるもので、分子量2000以下の室温固体のパラフ
ィンワックスであって、好ましくは、分散性の観点か
ら、分子量は400以上、1000以下である。
ドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコンタン
等の炭素数22以上のn−アルカン、あるいはそれらを
主成分とした低級n−アルカン等の混合物、石油から分
離生成されたいわゆるパラフィンワックスが挙げられ
る。
法は、以下の通りである。高分子量ポリエチレン(A)
とパラフィンワックス(B)の組成比を、高分子量ポリ
エチレン(A)15ないし80重量%とパラフィンワッ
クス(B)85ないし20重量%、好ましくは、高分子
量ポリエチレン(A)20ないし60重量%とパラフィ
ンワックス(B)80ないし40重量%、より好ましく
は、高分子量ポリエチレン(A)25ないし50重量%
とパラフィンワックス(B)75ないし50重量%にな
るように配合する。これらを均一に配合し、溶融混合
し、ついで冷却固化することにより、原反シートを得
る。
ィンワックス(B)との溶融混練は、たとえば、ヘンシ
ェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タ
ンブラーブレンダー等の混練機で混合後、一軸押出機、
二軸押出機等のスクリュー押出機、ニーダー、バンバリ
ーミキサー等で、通常、融点以上、300℃以下の温度
で行い得る。エチレン・α−オレフィン共重合体の融点
以下の混練は、混合物の粘度が高く、均一に混合できな
い。また300℃を超える温度での溶融混練では、エチ
レン・α−オレフィン共重合体の熱劣化が起こり、好ま
しくない。特に好ましい溶融混練温度は180ないし2
50℃の範囲である。
装着した押出機による押出成形が好ましく、また生産性
は劣るものの、圧縮成形による方法でもよい。溶融混練
は、シートの成形に先だってあらかじめ行ってもよい
し、また、スクリュー押出機等で溶融混練しながら、ダ
イより原反シートを押し出す連続法で行ってもよい。ス
クリュー押出機の場合には、単軸押出機よりも多軸押出
機の方が高分子量ポリエチレン(A)とパラフィンワッ
クス(B)の均一な混練のためには好ましい。圧縮成形
による場合は、予め溶融混練を別途行い、シート状の形
状付与を圧縮成形にて行う。原反シートの厚みは延伸時
にチャックで挟み操作するため、0.05mmないし5
mmの範囲にあることが好ましい。
シートは、次いで延伸される。パラフィンワックス
(B)の除去については詳しくは後述するが、延伸は実
質的に加えたパラフィンワックス(B)の少なくとも一
部を原反シート中に残存させた状態で行わなければなら
ない。延伸に先だって、実質的に全量のパラフィンワッ
クス(B)を除去した場合には、得られる多孔性二軸配
向フィルムは均一な多孔性構造を持たず、大きさに分布
を持った葉脈状の不均一多孔性構造を持つために好まし
くない。また平均孔径が大きく、本発明で提供されるフ
ィルム製造方法で得られる微孔性フィルムの主要用途で
ある電池セパレータ、特にリチウムイオン電池のセパレ
ータには不向きである。
温度で、縦及び横方向に、同時もしくは逐次で二軸延伸
されることが好ましい。延伸温度の下限は60℃であ
る。この範囲内の温度で延伸することにより、フィルム
は均一な微孔性構造を持つ。60℃以下の温度での延伸
では、到達可能な延伸倍率が低い値に留まるし、その結
果、優れた突き刺し強度を発現することが困難である。
また延伸応力も大きく延伸操作上、不利である。
子量ポリエチレン(A)に延伸応力が掛かりにくいた
め、その結果、これも、優れた引張強度を発現すること
が困難である。延伸温度がさらに160℃以上の場合に
は微孔性構造をとらず、緻密構造となるため、160℃
が延伸温度の上限である。調製された原反シートを二軸
延伸する方法としては、テンター法による同時もしくは
逐次二軸延伸、あるいは、ロール等により縦方向に延伸
後、テンターにより横方向に延伸する逐次二軸延伸法が
挙げられる。
倍率×横方向延伸倍率)で9倍以上であり、更に好まし
くは面倍率で16倍以上である。超薄膜の作製を目的と
するときには、縦方向、横方向ともに20倍以上の延伸
倍率が好ましい。延伸倍率が20倍を超えると、延伸に
より作製される高分子量二軸延伸フィルムの厚さは、空
孔率、原反シートの組成にもよるが400分の1以下に
なるため、超極薄フィルム(膜厚1μ以下)の製作に適
しているが、本発明が主目的とするセパレータとしての
フィルム製造においては現行では特殊な場合を除いて不
向きであると云える。
以上の場合には多段延伸が好ましい。この時、延伸温度
は、160℃を超えない範囲で前段の延伸工程から後段
の延伸工程に向かって温度を上昇させていってもよい。
押出された原反シートを延伸する際には、ダイより押し
出された溶融状態のシートが冷却されて延伸温度に入っ
たときに、延伸を行う方法もあるが、本発明に於いて
は、シート状溶融混合物を、一旦、加えたパラフィンワ
ックス(B)とともに冷却固化した後、再度加熱し、上
記延伸温度内で少なくとも一部の溶融パラフィンワック
ス(B)の存在下で延伸すべきである。
伸中にパラフィンワックス(B)の除去を行うのであれ
ば、比較的沸点が高く、延伸温度で高分子量ポリエチレ
ン(A)と相溶せず、パラフィンワックス(B)と相溶
する後述する低級アルコール系溶剤(C)が使用され
る。
ト)〉延伸フィルムの熱処理は、二軸延伸後、パラフィ
ンワックス(B)の一部もしくは全量の存在下で行われ
る。熱処理温度は60℃以上かつパラフィンワックス
(B)の融点以上、高分子量ポリエチレン(A)の融点
以下で、好ましくは延伸温度以上、高分子量ポリエチレ
ン(A)の融点以下で行われる。好ましい熱処理温度は
110℃ないし130℃である。この時、フィルムにか
かる変形は少なくとも伸張側であってはならない。すな
わち、縦横方向固定端処理が好ましい。但し、縦方向、
横方向いずれか10%を上回らない範囲で熱処理時に収
縮させても良い。
フィンワックス(B)は最終的にはフィルムから実質的
に全量が除去される。本発明において重要なことは、延
伸に先立って、パラフィンワックス(B)の全量を除去
してはならないことであり、それ以外には、どのような
方法によっても、最終的にフィルムから実質的に全量の
パラフィンワックスが除去されれば良い。すなわち、上
述した様に調製した原反シートから、延伸に先だってパ
ラフィンワックス(B)の一部を抽出除去して、その後
延伸してもよいし、延伸しながら一部もしくは全部抽出
除去してもよいし、延伸後に残存するパラフィンワック
ス(B)を全部抽出除去してもよい。ただし、抽出効率
の面からみて、延伸時に一部もしくは全部のパラフィン
ワックス(B)を共存させて、フィルムが薄くなった延
伸後に残りの全部か、全部を抽出除去するのが最も好ま
しい。パラフィンワックス(B)の除去は、延伸過程で
はその延伸温度で、それ以外の工程では80℃以下の温
度で、除去するのが好ましい。
去する時の溶剤(C)の第一の群としては、イソプロピ
ルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソブチ
ルアルコールの単独もしくは2種以上の混合物が挙げら
れる。これらの溶剤は10重量%を超えない範囲で、水
もしくは他の低級アルコール系溶剤を含んでいても良
い。特に水の場合には引火点が上昇するので好ましい。
パラフィンワックス(B)の除去の容易さの観点から、
水の含有量は10重量%以下、好ましくは5重量%程度
である。
ノルマルブチルアルコールとイソアミルアルコールが挙
げられる。これらを用いてパラフィンワックス(B)を
除去した場合、乾燥速度が遅いためか、製造されるフィ
ルムは空孔率が低い。この場合は、パラフィンワックス
(B)を除去した後、これらの溶剤(C)を水で置換し
乾燥することにより、空孔率の低下を防止することが出
来る。これらの溶剤は第一群の溶剤と同様に10重量%
を超えない範囲で、水もしくは他の低級アルコール系溶
剤を含んでいても良い。特に水の場合には引火点が上昇
するので好ましい。パラフィンワックス(B)の除去の
容易さから、この場合も水の含有量は10重量%以下、
好ましくは5重量%程度である。
第二の群で示唆されているように、水で置き換えること
は、プロセス的には煩雑となるが、フィルム物性にとっ
て更に良い結果を期待できるために排除されるものでは
ない。
ンワックス(B)の残存量は、パラフィンワックス
(B)が結晶性であるので、示差走査型熱量計(DS
C)により、融点の大小または有無で確認することが出
来るし、ソックスレー抽出器を用いて、高分子量ポリエ
チレン(A)を溶解しない、かつパラフィンワックス
(B)を溶解し得る適当な溶剤、例えば沸騰n−ヘキサ
ンのようなものを用いて、原反シートを抽出処理するこ
とにより、その重量の減少から確認することもできる。
高分子量ポリエチレン(A)とパラフィンワックス
(B)に加えて、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、アン
チブロッキング剤、スリップ剤、顔料、染料、界面活性
剤、無機充填剤等、通常ポリオレフィンに添加して使用
される各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で配
合しておいてもよい。
ト)〉得られるフィルムは、用途によっては、寸法安定
性、引張弾性率や引張強度を改良するために、脱パラフ
ィンワックス終了後にさらに熱処理をすることができ
る。延伸操作を終了したフィルムを一旦60℃以下の温
度に冷却し、この後、好ましくは二方向(縦方向および
横方向)、少なくとも一方向(縦方向もしくは横方法)
を拘束した状態で80ないし170℃の範囲の温度で処
理することが好ましい。この段階に先だって、パラフィ
ンワックス(B)は実質的に除去されていなければなら
ない。
窒素ガスなどの気体やポリエチレンを溶解、変性しない
水、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールの
ような液体が用いられる。好適な処理温度は、120℃
ないし160℃付近であるが処理時間を選ぶことにより
この温度に制限されない。上述の処理により、空孔率は
若干低下しフィルムは処理前に比べて薄くなる。
と物性について〉本発明のフィルムは、厚みにもよる
が、半透明か、不透明で光沢のある白色を呈している。
フィルムの構造は高分子量ポリエチレンのフィブリルが
均一に分散し、紙漉き状の構造をしている。この構造は
走査型電子顕微鏡による3000ないし10000倍の
倍率での観察により容易に認められる。
は、後述する方法で300g以上、好ましくは、400
g以上、更に好ましくは、500g以上である。本発明
で得られるフィルムの厚みは、延伸前のシート厚みや可
塑剤との組成比、そして延伸倍率、さらに得られたシー
トの空孔率によって調整されるが、フィルム調製時の操
作性や調製後のフィルムの取扱い易さから見て、100
μm以下で1μm以上、好ましくは50μm以下で4μ
m以上である。
ないし60%、好ましくは45ないし55%である。フ
ィルムの空孔率が40%を下回るときは本発明のフィル
ムの特徴である良好な透気性が得られない場合がある。
また空孔率が60%を上回るときには上述したフィルム
の引張強度が得られない。
ーレーデンソメーターで測定することにより、評価する
ことができる。透気度は50ないし1000秒/100
mlの範囲にあるべきで、好ましくは50ないし800
秒/100mlである。
して衛生性に優れる溶剤を用いて、非水電解液系二次電
池のセパレータとしての優れた適性を有する高分子量ポ
リエチレン微孔性フィルムの製造方法が提供される。
定法について述べる。
デカリン溶媒にて135℃で測定する値である。測定法
はASTM D4020に基づいて行う。
は、特に断わりの無い限り、ASTM D3417によ
り、示差走査型熱量計(DSC)により測定したサーモ
グラフの吸熱ピークのピークトップを測定したものであ
る。
定機ミニアックス(型式DH−150型)にて測定し
た。
密度を0.95g/cm3 として、緻密フィルムとして
の厚みを計算で求め、上述の膜厚測定機による値との関
係で求めた。 ここで、To は膜厚測定機で求めた実際のフィルムの厚
み、そして、Tw は重量から計算した空孔率0%のフィ
ルムの厚みである。
M D726に従い、フィルムを標準ガーレーデンソメ
ーター(GurleyDensometer)に装着することにより測定
される。すなわち、水12.2インチの標準差圧(フィ
ルム両面の圧力差)でフィルムの一平方インチの面積を
通して、空気100mlが流れるのに要する時間(秒)
を測定する。この値を透気度とした。
シロン引張試験機(型式RMT100型)を用い、23
℃にて、クロスヘッドスピード100mm/分で測定し
た。突き刺し用の針は 針先端が0.5mmRである、
直径1mmの針を用いて行った。突き刺し強度は 針が
フィルムを突き破る時の力をもって、その値とした。こ
の時の突き刺し力は 当然のことながら、フィルムのポ
リエチレンの真の厚みに依存する。そのために得られた
結果はポリエチレンの真の厚み12.5μm相当に換算
した。すなわち、一定面積のフィルムの重量を測定し、
ポリエチレンの緻密膜としての厚み(真の厚み)をポリ
エチレン密度から計算し、結果を比例計算で12.5μ
m厚みに相当するように標準化した。
する。本明細書中や以下の実施例および比較例での%は
他に特定のない限り、すべて重量規準(内重量%)であ
る。
6.8dl/g)の粉末とパラフィンワックス(融点=
69℃、分子量=460)の粉末とを均一に混合した。
さらに、この混合物に、プロセス安定剤として、ポリ
エチレンの総量に対して、0.5%の3,5−ジ−タシ
ャリ−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)を添
加した。この混合物を二軸スクリュータイプの溶融混練
機ラボプラストミル(東洋精機製作所製:型式20R2
00型)で均一な溶融混合物とした。この時の条件は溶
融混練温度190℃でスクリュー回転数は50回転/
分、混練時間は10分間であった。この溶融混合物を溶
融状態で取り出し、一対のステンレス製のプレス板の間
にいれて、金枠(スペーサー:厚さ1mm)で厚みを調
整し、それをすばやく、190℃に温度設定した熱プレ
ス機の熱板に挟んだ。5分間圧縮した後、取り出して更
に20℃に温度設定した冷却プレスの冷却板に挟み、1
0分間圧縮して冷却固化し、プレスシートとした。
チャック方式の東洋精機製作所製二軸延伸機ヘビー型を
用いて、延伸倍率6×6倍(縦×横)、延伸温度100
℃、延伸速度1.5m/min.で二軸延伸を行った。
で二方向(縦と横)固定し、120℃のエアーオーブン
で2分間熱処理(ヒートセット)を行った。
MD方向のみ固定し、70℃に加温したイソプロパノー
ル(和光純薬工業製試薬1級)中でパラフィンワックス
を完全に除去した。このあと、空気気流中で室温で乾燥
を行った。
ない場合と併せて表1に示した。 工程3を省略した場合、空孔率が低く、この結果、透気
性(ガーレー秒)に乏しいことが分かる。
分子量ポリエチレンを用いて、実験例1と同様な方法で
微孔性フィルムを調製した。この時、脱パラフィンワッ
クス溶剤として、80℃に加温したノルマルプロパノー
ル(和光純薬工業製試薬1級)を用いた。実験例1と同
様に、実験条件と結果を工程3(熱処理)を行わない場
合と併せて表2に示した。
分子量ポリエチレンを用いて、実験例1と同様な方法で
微孔性フィルムを調製した。この時、脱パラフィンワッ
クス溶剤として、80℃に加温したノルマルブタノール
(和光純薬工業製試薬1級)を用いた。ノルマルプタノ
ールの乾燥は60℃に加温された空気気流中で行った。
実験例1と同様に、実験条件と結果を工程3(熱処理)
を行わない場合と併せて表3に示した。
分子量ポリエチレンを用いて、実験例1と同様な方法で
微孔性フィルムを調製した。この時、脱パラフィンワッ
クス溶剤として、80℃に加温したイソブタノール(和
光純薬工業製試薬1級)を用いた。イソブタノールの乾
燥は60℃に加温された空気気流中で行った。実験条件
と結果を表4に示した
分子量ポリエチレンを用いて、実験例1と同様な方法で
微孔性フィルムを調製した。この時、パラフィンワック
スの代わりにステアリルアルコール(和光純薬工業製試
薬1級)を用い、脱ステアリルアルコール溶剤として、
80℃に加温したイソブタノール(和光純薬工業製試薬
1級)を用いた。イソプタノールの乾燥は60℃に加温
された空気気流中で行った。実験条件と結果を表5に示
した
分子量ポリエチレンを用いて、実験例1と同様な方法で
微孔性フィルムを調製した。この時、脱パラフィンワッ
クス溶剤として、80℃に加温したノルマルブタノール
(和光純薬工業製試薬1級)を用いた。実験番号10は
実験例3と同様にノルマルブタノールで脱パラフィンワ
ックスを行い、その乾燥は60℃に加温された空気気流
中で行った。実験番号11は脱パラフィンワックスを行
った後、ノルマルブタノールを常温の水に置き換えて、
60℃に加温された空気気流中で乾燥を行った。実験番
号12は実験番号11と同じであるが、室温の水の代わ
りに60℃に加温された水を用いた。実験条件と結果を
併せて表6に示した
分子量ポリエチレンを用いて、実験例1と同様な方法で
微孔性フィルムを調製した。この時、脱パラフィンワッ
クス溶剤として、80℃に加温したノルマルブタノール
(和光純薬工業製試薬1級)と水の90:10の混合溶
剤を用いた。実験番号13は実験例3と同様にノルマル
ブタノールと水の混合溶媒で脱パラフィンワックスを行
い、その乾燥は60℃に加温された空気気流中で行っ
た。実験番号14は脱パラフィンワックスを行った後、
ノルマルブタノールと水の混合溶媒を常温の水に置き換
えて、60℃に加温された空気気流中で乾燥を行った。
実験条件と結果を併せて表7に示した
分子量ポリエチレンを用いて、実験例1と同様な方法で
微孔性フィルムを調製した。この時、脱パラフィンワッ
クス溶剤として、80℃に加温したイソアミルアルコー
ル(和光純薬工業製試薬1級)を用いた。実験番号15
と17はイソアミルアルコールで脱パラフィンワックス
を行い、その乾燥は60℃に加温された空気気流中で行
った。実験番号16と18は脱パラフィンワックスを行
った後、イソアミルアルコールを常温の水に置き換え
て、60℃に加温された空気気流中で乾燥を行った。実
験条件と結果を併せて表8に示した
て、プレスシートを作成した。この時、高分子量ポリエ
チレンとパラフィンワックスの組成は30:70であっ
た。このシートを二方向(縦方向および横方向)を固定
し、80℃に加温したイソブタノール(和光純薬工業製
試薬1級)で脱パラフィンワックスを行い、固定状態
で、60℃の空気気流中で乾燥を行ったところ、乾燥シ
ートは部分的に透明化し、微孔性構造が失われており、
延伸前段階のシートとしては不適当であった。
高分子量ポリエチレンを用いて、実験例1と同様な方法
で微孔性フィルムを調製した。この時、脱パラフィンワ
ックス溶剤として、60℃に加温したエタノール(和光
純薬工業製試薬1級)と水の95:5の混合溶剤を用い
た。実験番号21は実験例1で用いたパラフィンワック
スの代わりに、融点が47℃のパラフィンワックスを用
いた。実験条件と結果を併せて表9に示した。
全重量当たり、実験番号19では36.4%、実験番号
20では26.3%が残存していた。しかし、実験番号
21では1.5%であり、実質的には完全に除去されて
いた。
Claims (4)
- 【請求項1】 極限粘度[η]が3.5dl/g以上で
ある高分子量ポリエチレン(A)からなる微孔性フィル
ムを製造する方法であって、以下の工程よりなることを
特徴とする高分子量ポリエチレン微孔性フィルムの製造
方法。 工程1.高分子量ポリエチレン(A)と、パラフィンワ
ックス(B)との混合物を溶融混練し、冷却固化シート
を得る工程。 工程2.該シートをパラフィンワックス(B)の一部も
しくは全部をシート中に残存させた状態で、パラフィン
ワックス(B)の融点以上高分子量ポリエチレンの融点
以下の温度で二軸延伸してフィルムを得る工程。 工程3.二軸延伸後、フィルムをパラフィンワックス
(B)の存在下でパラフィンワックス(B)の融点以上
高分子量ポリエチレン(A)の融点以下の温度で熱処理
(ヒートセット)を行う工程。 工程4.該フィルムから残存しているパラフィンワック
ス(B)をパラフィンワックス(B)の融点以上高分子
量ポリエチレン(A)の融点未満の温度で、低級アルコ
ール系溶剤(C)を用いて除去し、次いで乾燥すること
により微孔性高分子量ポリエチレンフィルムを得る工
程。 - 【請求項2】 低級アルコール系溶剤(C)が、イソプ
ロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソ
ブチルアルコールの単独もしくは2種以上の混合物より
なる溶剤である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 低級アルコール系溶剤(C)が、ノルマ
ルブチルアルコール、またはイソアミルアルコールであ
り、パラフィンワックスを除去した後、更に該アルコー
ル系溶剤(C)を水で置換し、次いで乾燥する請求項1
記載の製造方法。 - 【請求項4】 パラフィンワックス(B)が、室温固体
で融点が50℃以下のものであり、低級アルコール系溶
剤(C)がエタノールである請求項1記載の製造方法。
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|---|---|---|---|
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|---|---|---|---|
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| JPH08134253A true JPH08134253A (ja) | 1996-05-28 |
| JP3372116B2 JP3372116B2 (ja) | 2003-01-27 |
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ID=17502315
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| JP2000248088A (ja) * | 1999-03-03 | 2000-09-12 | Tonen Chem Corp | ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法 |
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-
1994
- 1994-11-04 JP JP27159894A patent/JP3372116B2/ja not_active Expired - Lifetime
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