JPH08141730A - エンジンのシリンダブロックの成形方法 - Google Patents
エンジンのシリンダブロックの成形方法Info
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- JPH08141730A JPH08141730A JP27900794A JP27900794A JPH08141730A JP H08141730 A JPH08141730 A JP H08141730A JP 27900794 A JP27900794 A JP 27900794A JP 27900794 A JP27900794 A JP 27900794A JP H08141730 A JPH08141730 A JP H08141730A
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- engine
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鋳造によりエンジンのシリンダブロックにス
リット溝を成形できるようにして鋳造後の切削加工工程
を省略する。 【構成】 本発明に係るエンジンのシリンダブロック2
の成形方法は、シリンダボア4bを画成する内壁4wが
隣接するシリンダボア4b間で共有されており、その共
有されている内壁4wのデッキ面側端面にスリット溝4
sが形成されて、そのスリット溝4sが内壁4wの回り
に形成されたウォータジャケット6と連通しているエン
ジンのシリンダブロック2の成形方法において、型開き
された鋳型内の所定位置にスリット溝を成形する薄板1
6を位置決めする工程と、薄板16を位置決めした後に
型締めし、ウォータジャケットの成形用鋳型njと薄板
16とが連続している状態で、鋳型内に溶湯を注入する
工程と、溶湯が凝固した後、型開きして製品素材2を取
り出し、その製品素材2から薄板16を抜き取る工程と
を有している。
リット溝を成形できるようにして鋳造後の切削加工工程
を省略する。 【構成】 本発明に係るエンジンのシリンダブロック2
の成形方法は、シリンダボア4bを画成する内壁4wが
隣接するシリンダボア4b間で共有されており、その共
有されている内壁4wのデッキ面側端面にスリット溝4
sが形成されて、そのスリット溝4sが内壁4wの回り
に形成されたウォータジャケット6と連通しているエン
ジンのシリンダブロック2の成形方法において、型開き
された鋳型内の所定位置にスリット溝を成形する薄板1
6を位置決めする工程と、薄板16を位置決めした後に
型締めし、ウォータジャケットの成形用鋳型njと薄板
16とが連続している状態で、鋳型内に溶湯を注入する
工程と、溶湯が凝固した後、型開きして製品素材2を取
り出し、その製品素材2から薄板16を抜き取る工程と
を有している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダボアを画成す
る内壁が隣接するシリンダボア間で共有されており、そ
の共有されている内壁のデッキ面側端面にスリット溝が
形成されて、そのスリット溝が内壁の回りに形成された
ウォータジャケットと連通しているエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法に関する。
る内壁が隣接するシリンダボア間で共有されており、そ
の共有されている内壁のデッキ面側端面にスリット溝が
形成されて、そのスリット溝が内壁の回りに形成された
ウォータジャケットと連通しているエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、シリンダボアを画成する内壁
が各々のシリンダボアの間で共有されている型式のシリ
ンダブロックでは、エンジンの運転中、前記内壁のうち
各々のシリンダボアの間に位置する内壁、即ち、内壁の
共有部分がその他の部分よりも高温となる。この結果、
シリンダボアを画成する内壁が円周方向において不均一
に熱膨張することになり、前記シリンダボアの真円度が
悪化するという問題が生じる。この問題を解決するため
に、高温となる部位、即ち、シリンダボア間の内壁にデ
ッキ面側からスリット溝を形成し、このスリット溝にウ
ォータジャケットから冷却水を導いてこの部分の温度上
昇を抑制する方法が採用されている。ここで、前記スリ
ット溝は、各々のシリンダボアの間に設けられるために
幅が0.5mm〜1.0mm と狭く、また、深さが20mm程度で精
度が要求されることから、従来は特開平5−14130
7号公報に示されるように、円盤状のメタルソーを使用
して切削加工により成形されていた。
が各々のシリンダボアの間で共有されている型式のシリ
ンダブロックでは、エンジンの運転中、前記内壁のうち
各々のシリンダボアの間に位置する内壁、即ち、内壁の
共有部分がその他の部分よりも高温となる。この結果、
シリンダボアを画成する内壁が円周方向において不均一
に熱膨張することになり、前記シリンダボアの真円度が
悪化するという問題が生じる。この問題を解決するため
に、高温となる部位、即ち、シリンダボア間の内壁にデ
ッキ面側からスリット溝を形成し、このスリット溝にウ
ォータジャケットから冷却水を導いてこの部分の温度上
昇を抑制する方法が採用されている。ここで、前記スリ
ット溝は、各々のシリンダボアの間に設けられるために
幅が0.5mm〜1.0mm と狭く、また、深さが20mm程度で精
度が要求されることから、従来は特開平5−14130
7号公報に示されるように、円盤状のメタルソーを使用
して切削加工により成形されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
円盤状のメタルソーを使用する方法では、鋳造工程の後
に切削加工の工程が必要となり、作業効率が悪いという
問題がある。また、加工されるスリット溝の底面形状は
円弧状に限定され、流体の流れに合わせて前記底面形状
を変えることは困難である。本発明の技術的課題は、ス
リット溝を鋳造により精度よく成形できるようにするこ
とにより、作業効率を向上させるとともに、スリット溝
を希望の形状に成形できるようにするものである。
円盤状のメタルソーを使用する方法では、鋳造工程の後
に切削加工の工程が必要となり、作業効率が悪いという
問題がある。また、加工されるスリット溝の底面形状は
円弧状に限定され、流体の流れに合わせて前記底面形状
を変えることは困難である。本発明の技術的課題は、ス
リット溝を鋳造により精度よく成形できるようにするこ
とにより、作業効率を向上させるとともに、スリット溝
を希望の形状に成形できるようにするものである。
【0004】
〔課題を解決するための請求項1に係る手段〕上記した
課題は、以下の工程を有するエンジンのシリンダブロッ
クの成形方法によって解決される。即ち、請求項1に係
るエンジンのシリンダブロックの成形方法は、シリンダ
ボアを画成する内壁が隣接するシリンダボア間で共有さ
れており、その共有されている内壁のデッキ面側端面に
スリット溝が形成されて、そのスリット溝が内壁の回り
に形成されたウォータジャケットと連通しているエンジ
ンのシリンダブロックの成形方法において、型開きされ
た鋳型内の所定位置に前記スリット溝を成形する薄板を
位置決めする工程と、前記薄板を位置決めした後に型締
めし、前記ウォータジャケットの成形用鋳型と前記薄板
とが連続している状態で、鋳型内に溶湯を注入する工程
と、溶湯が凝固した後、型開きして製品素材を取り出
し、その製品素材から前記薄板を抜き取る工程と、を有
している。 〔請求項1に記載された発明の作用〕本発明によると、
スリット溝を成形する薄板が鋳型内の所定位置に位置決
めされ、さらに、ウォータジャケットの成形用鋳型と前
記薄板とが連続している状態で、鋳型内に溶湯が注入さ
れる。このため、溶湯が凝固した後に、鋳型開かれて製
品素材が取り出され、その製品素材から前記薄板が抜き
取られると、前記製品素材の所定位置にはスリット溝が
形成される。即ち、本発明によると、鋳造によりエンジ
ンのシリンダブロックにスリット溝を成形できる。この
ため、従来のように鋳造後に切削加工の工程が必要なく
なり作業効率が向上する。また、前記薄板の形状を変え
ることにより、スリット溝の形状も自由に変更できるよ
うになる。 〔請求項1に記載された発明の効果〕本発明によると、
鋳造によりエンジンのシリンダブロックにスリット溝を
成形できるために、作業効率が向上し、製作コストを低
減することができる。また、流体の流れに合わせてスリ
ット溝の形状も自由に変えられるため、スリット溝の冷
却能力を向上させることができる。
課題は、以下の工程を有するエンジンのシリンダブロッ
クの成形方法によって解決される。即ち、請求項1に係
るエンジンのシリンダブロックの成形方法は、シリンダ
ボアを画成する内壁が隣接するシリンダボア間で共有さ
れており、その共有されている内壁のデッキ面側端面に
スリット溝が形成されて、そのスリット溝が内壁の回り
に形成されたウォータジャケットと連通しているエンジ
ンのシリンダブロックの成形方法において、型開きされ
た鋳型内の所定位置に前記スリット溝を成形する薄板を
位置決めする工程と、前記薄板を位置決めした後に型締
めし、前記ウォータジャケットの成形用鋳型と前記薄板
とが連続している状態で、鋳型内に溶湯を注入する工程
と、溶湯が凝固した後、型開きして製品素材を取り出
し、その製品素材から前記薄板を抜き取る工程と、を有
している。 〔請求項1に記載された発明の作用〕本発明によると、
スリット溝を成形する薄板が鋳型内の所定位置に位置決
めされ、さらに、ウォータジャケットの成形用鋳型と前
記薄板とが連続している状態で、鋳型内に溶湯が注入さ
れる。このため、溶湯が凝固した後に、鋳型開かれて製
品素材が取り出され、その製品素材から前記薄板が抜き
取られると、前記製品素材の所定位置にはスリット溝が
形成される。即ち、本発明によると、鋳造によりエンジ
ンのシリンダブロックにスリット溝を成形できる。この
ため、従来のように鋳造後に切削加工の工程が必要なく
なり作業効率が向上する。また、前記薄板の形状を変え
ることにより、スリット溝の形状も自由に変更できるよ
うになる。 〔請求項1に記載された発明の効果〕本発明によると、
鋳造によりエンジンのシリンダブロックにスリット溝を
成形できるために、作業効率が向上し、製作コストを低
減することができる。また、流体の流れに合わせてスリ
ット溝の形状も自由に変えられるため、スリット溝の冷
却能力を向上させることができる。
【0005】〔課題を解決するための請求項2に係る手
段〕このエンジンのシリンダブロックの成形方法は、請
求項1に記載されたエンジンのシリンダブロックの成形
方法において、成形するスリット溝の数と等しい数の薄
板を各スリット溝間の距離と等しい距離を隔てて保持す
る置入子を準備し、その置入子に予め決められた枚数の
薄板をセットする工程と、薄板がセットされた置入子を
鋳型内の基準位置に位置決めすることにより、各々の薄
板を鋳型内の所定位置に位置決めする工程と、成形され
た製品素材から前記置入子を取り外すことにより前記薄
板を一括して抜き取る工程と、を有している。 〔請求項2に記載された発明の作用〕本発明によると、
スリット溝の数と等しい数の薄板が各々のスリット溝間
の距離と等しい距離を隔てて置入子に保持され、その置
入子が鋳型内に位置決めされることにより、前記薄板が
鋳型内の所定位置に位置決めされる。即ち、置入子を鋳
型内に位置決めすることにより、複数の薄板を一括して
所定位置に位置決めすることができる。このため、薄板
を個々に鋳型にセットする方法よりも作業効率が向上す
る。また、前記薄板の位置決め精度も安定する。さら
に、鋳造後、製品素材から前記置入子を取り外すことに
より前記薄板をその製品素材から一括して抜き取ること
ができるために、薄板を個々に抜き取る方法と比較して
作業効率が向上する。 〔請求項2に記載された発明の効果〕本発明によると、
置入子により複数の薄板を所定位置に一括セットできる
とともに前記薄板の抜き取りも一括で行えるために作業
効率がさらに向上する。
段〕このエンジンのシリンダブロックの成形方法は、請
求項1に記載されたエンジンのシリンダブロックの成形
方法において、成形するスリット溝の数と等しい数の薄
板を各スリット溝間の距離と等しい距離を隔てて保持す
る置入子を準備し、その置入子に予め決められた枚数の
薄板をセットする工程と、薄板がセットされた置入子を
鋳型内の基準位置に位置決めすることにより、各々の薄
板を鋳型内の所定位置に位置決めする工程と、成形され
た製品素材から前記置入子を取り外すことにより前記薄
板を一括して抜き取る工程と、を有している。 〔請求項2に記載された発明の作用〕本発明によると、
スリット溝の数と等しい数の薄板が各々のスリット溝間
の距離と等しい距離を隔てて置入子に保持され、その置
入子が鋳型内に位置決めされることにより、前記薄板が
鋳型内の所定位置に位置決めされる。即ち、置入子を鋳
型内に位置決めすることにより、複数の薄板を一括して
所定位置に位置決めすることができる。このため、薄板
を個々に鋳型にセットする方法よりも作業効率が向上す
る。また、前記薄板の位置決め精度も安定する。さら
に、鋳造後、製品素材から前記置入子を取り外すことに
より前記薄板をその製品素材から一括して抜き取ること
ができるために、薄板を個々に抜き取る方法と比較して
作業効率が向上する。 〔請求項2に記載された発明の効果〕本発明によると、
置入子により複数の薄板を所定位置に一括セットできる
とともに前記薄板の抜き取りも一括で行えるために作業
効率がさらに向上する。
【0006】〔課題を解決するための請求項3に係る手
段〕このエンジンのシリンダブロックの成形方法は、請
求項1、及び/又は、請求項2に記載されたエンジンの
シリンダブロックの成形方法において、薄板は、薄板片
が少なくとも三層以上重ねられた構造であり、製品素材
から前記薄板を抜き取るときには、中央の薄板片を抜き
取った後、両端の薄板片を抜き取ることを特徴とする。 〔請求項3に記載された発明の作用〕本発明によると、
薄板は、薄板片が少なくとも三層以上重ねられた構造で
あり、製品素材から前記薄板を抜き取るときには、中央
の薄板片を抜き取った後、両端の薄板片を抜き取る方法
が使用されている。このために、一枚構成の薄板を抜き
取るよりは抜き取り力が小さくて済み、薄板の抜き取り
が容易になる。 〔請求項3に記載された発明の効果〕本発明によると、
製品素材から薄板を容易に抜き取ることができるため
に、作業効率が向上する。
段〕このエンジンのシリンダブロックの成形方法は、請
求項1、及び/又は、請求項2に記載されたエンジンの
シリンダブロックの成形方法において、薄板は、薄板片
が少なくとも三層以上重ねられた構造であり、製品素材
から前記薄板を抜き取るときには、中央の薄板片を抜き
取った後、両端の薄板片を抜き取ることを特徴とする。 〔請求項3に記載された発明の作用〕本発明によると、
薄板は、薄板片が少なくとも三層以上重ねられた構造で
あり、製品素材から前記薄板を抜き取るときには、中央
の薄板片を抜き取った後、両端の薄板片を抜き取る方法
が使用されている。このために、一枚構成の薄板を抜き
取るよりは抜き取り力が小さくて済み、薄板の抜き取り
が容易になる。 〔請求項3に記載された発明の効果〕本発明によると、
製品素材から薄板を容易に抜き取ることができるため
に、作業効率が向上する。
【0007】〔課題を解決するための請求項4に係る手
段〕このエンジンのシリンダブロックの成形方法は、請
求項3に記載されたエンジンのシリンダブロックの成形
方法において、中央の薄板片は先端側が薄く元部側が厚
い楔形をしており、元部側から引き抜くことを特徴とす
る。 〔請求項4に記載された発明の作用〕本発明によると、
中央の薄板片は先端側が薄く元部側が厚い楔形をしてい
るために、一定厚みの板材を引き抜くよりも引き抜きが
容易になる。 〔請求項4に記載された発明の効果〕本発明によると、
製品素材から薄板を容易に抜き取れるようになるため
に、作業効率が向上する。
段〕このエンジンのシリンダブロックの成形方法は、請
求項3に記載されたエンジンのシリンダブロックの成形
方法において、中央の薄板片は先端側が薄く元部側が厚
い楔形をしており、元部側から引き抜くことを特徴とす
る。 〔請求項4に記載された発明の作用〕本発明によると、
中央の薄板片は先端側が薄く元部側が厚い楔形をしてい
るために、一定厚みの板材を引き抜くよりも引き抜きが
容易になる。 〔請求項4に記載された発明の効果〕本発明によると、
製品素材から薄板を容易に抜き取れるようになるため
に、作業効率が向上する。
【0008】〔課題を解決するための請求項5に係る手
段〕このエンジンのシリンダブロックの成形方法は、請
求項3に記載されたエンジンのシリンダブロックの成形
方法において、薄板は、薄板片が少なくとも三層以上重
ねられた構造であり、両端の薄板片が前記製品素材に鋳
包まれ、中央の薄板片のみが抜き取られることを特徴と
するエンジンのシリンダブロックの成形方法。 〔請求項5に記載された発明の作用〕本発明によると、
中央の薄板片のみが抜き取られて両端の薄板片が前記製
品素材に鋳包まれて残されるために、両端の薄板片がス
リット溝の側壁を構成するようになる。このため、スリ
ット溝の側壁をシリンダブロックよりも熱伝導率の高い
別の材質で製作することが可能になる。また、両端の薄
板片を抜き取る場合と比較してスリット溝の側壁の面粗
度を向上させることができ、さらに、スリット溝の幅精
度が向上する。 〔請求項5に記載された発明の効果〕本発明によると、
スリット溝の側壁を熱伝導率の高い材質で製作できるた
めに、スリット溝の冷却能力を向上させることができ
る。また、スリット溝の側壁の面粗度やスリット溝の幅
精度を向上させることがでるために、製品毎の品質のバ
ラツキが低減される。
段〕このエンジンのシリンダブロックの成形方法は、請
求項3に記載されたエンジンのシリンダブロックの成形
方法において、薄板は、薄板片が少なくとも三層以上重
ねられた構造であり、両端の薄板片が前記製品素材に鋳
包まれ、中央の薄板片のみが抜き取られることを特徴と
するエンジンのシリンダブロックの成形方法。 〔請求項5に記載された発明の作用〕本発明によると、
中央の薄板片のみが抜き取られて両端の薄板片が前記製
品素材に鋳包まれて残されるために、両端の薄板片がス
リット溝の側壁を構成するようになる。このため、スリ
ット溝の側壁をシリンダブロックよりも熱伝導率の高い
別の材質で製作することが可能になる。また、両端の薄
板片を抜き取る場合と比較してスリット溝の側壁の面粗
度を向上させることができ、さらに、スリット溝の幅精
度が向上する。 〔請求項5に記載された発明の効果〕本発明によると、
スリット溝の側壁を熱伝導率の高い材質で製作できるた
めに、スリット溝の冷却能力を向上させることができ
る。また、スリット溝の側壁の面粗度やスリット溝の幅
精度を向上させることがでるために、製品毎の品質のバ
ラツキが低減される。
【0009】
(第1実施例)以下、図1〜図5に基づいて本発明の第
一実施例に係るエンジンのシリンダブロックの成形方法
の説明を行う。ここで、図5は、本実施例に係る成形方
法により製造されるエンジンのシリンダブロック2の平
面図、縦断面図(B−B断面図)及びC−C断面図を表
している。なお、シリンダブロック2の長手方向をX軸
方向、幅方向をY軸方向、シリンダの軸方向をZ軸方向
として以後の説明を行う。
一実施例に係るエンジンのシリンダブロックの成形方法
の説明を行う。ここで、図5は、本実施例に係る成形方
法により製造されるエンジンのシリンダブロック2の平
面図、縦断面図(B−B断面図)及びC−C断面図を表
している。なお、シリンダブロック2の長手方向をX軸
方向、幅方向をY軸方向、シリンダの軸方向をZ軸方向
として以後の説明を行う。
【0010】前記エンジンのシリンダブロック2は、ア
ルミ製の直列四気筒タイプのオープンデッキ型シリンダ
ブロックであり、隣合うシリンダ4のボア4b(以下、
シリンダボア4bという)が内壁4wの一部を互いに共
用した状態で一列に配置されている。前記シリンダボア
4bを画成する内壁4wと、前記シリンダブロック2の
外壁3との間には、冷却水を通すためのウォータジャケ
ット6が形成されている。このウォータジャケット6は
デッキ面2dにおいて連続しており、内壁4wと外壁3
とは完全に分離されている。また、各々のシリンダボア
4b間に位置する内壁4wには、その上端部に冷却水を
通すためのスリット溝4sがシリンダブロック2の幅方
向(Y軸方向)に前記ウォータジャケット6と連通する
ように形成されている。
ルミ製の直列四気筒タイプのオープンデッキ型シリンダ
ブロックであり、隣合うシリンダ4のボア4b(以下、
シリンダボア4bという)が内壁4wの一部を互いに共
用した状態で一列に配置されている。前記シリンダボア
4bを画成する内壁4wと、前記シリンダブロック2の
外壁3との間には、冷却水を通すためのウォータジャケ
ット6が形成されている。このウォータジャケット6は
デッキ面2dにおいて連続しており、内壁4wと外壁3
とは完全に分離されている。また、各々のシリンダボア
4b間に位置する内壁4wには、その上端部に冷却水を
通すためのスリット溝4sがシリンダブロック2の幅方
向(Y軸方向)に前記ウォータジャケット6と連通する
ように形成されている。
【0011】本実施例では前記エンジンのシリンダブロ
ック2は低圧鋳造法によって成形される。図2は、前記
シリンダブロック2にスリット溝4sを成形する際に使
用される置入子10を表している。前記置入子10は、
スリット溝4sの成形に使用される三枚の薄板16と、
これらの薄板16を所定の間隔で平行に保持する入子本
体12とから構成されている。前記入子本体12は、図
示されていない金型の基準位置に位置決めされた状態
で、シリンダブロック2のデッキ面2dを成形する直方
体状の置台であり、その表面12bには長手方向に等間
隔で四個の凹部12hが形成されている。これらの凹部
12hが形成されていることより、前記入子本体12は
金型の基準位置に位置決めされた状態で、シリンダボア
4b等を成形する中子nb(図1の一点鎖線 参照)の
巾木nhと干渉することがなくなる。
ック2は低圧鋳造法によって成形される。図2は、前記
シリンダブロック2にスリット溝4sを成形する際に使
用される置入子10を表している。前記置入子10は、
スリット溝4sの成形に使用される三枚の薄板16と、
これらの薄板16を所定の間隔で平行に保持する入子本
体12とから構成されている。前記入子本体12は、図
示されていない金型の基準位置に位置決めされた状態
で、シリンダブロック2のデッキ面2dを成形する直方
体状の置台であり、その表面12bには長手方向に等間
隔で四個の凹部12hが形成されている。これらの凹部
12hが形成されていることより、前記入子本体12は
金型の基準位置に位置決めされた状態で、シリンダボア
4b等を成形する中子nb(図1の一点鎖線 参照)の
巾木nhと干渉することがなくなる。
【0012】また、隣合う凹部12hと凹部12hの間
の中央位置には、入子本体12の表面12bから裏面1
2uまで達するスリット状の開口12kが形成されてい
る。そして、各々の開口12kに前記薄板16が挿入さ
れるようになっている。ここで、前記開口12kの幅及
び厚みは薄板16の幅及び厚みにほぼ等しく設定されて
いるために、前記開孔12kに挿入された薄板16はX
軸、Y軸方向の動きが規制される。また、隣合う開口1
2kと開口12kとの間の距離は、各開口12kに挿入
された各薄板16の間の距離がシリンダブロック2に成
形される各スリット溝4sの間の距離と等しくなるよう
に設定されている。
の中央位置には、入子本体12の表面12bから裏面1
2uまで達するスリット状の開口12kが形成されてい
る。そして、各々の開口12kに前記薄板16が挿入さ
れるようになっている。ここで、前記開口12kの幅及
び厚みは薄板16の幅及び厚みにほぼ等しく設定されて
いるために、前記開孔12kに挿入された薄板16はX
軸、Y軸方向の動きが規制される。また、隣合う開口1
2kと開口12kとの間の距離は、各開口12kに挿入
された各薄板16の間の距離がシリンダブロック2に成
形される各スリット溝4sの間の距離と等しくなるよう
に設定されている。
【0013】また、前記入子本体12の裏面12uに
は、その入子本体12の長手方向(X軸方向)両側で、
かつ、幅方向(Y軸方向)の中央位置に一対の軸受部1
2jが設けられている。そして、その軸受部12jにシ
ャフト12sが取り外しできる状態で水平に支持されて
いる。前記シャフト12sは、入子本体12の各開口1
2kに挿入された各薄板16をその入子本体12に固定
するための部材であり、前記薄板16の上部中央に形成
された開孔16h(図2(C)参照)の内径とほぼ等し
い外径に成形されている。そして、前記シャフト12s
が各薄板16の開孔16hに挿通されて前記軸受部12
jに支持されることにより、各開口12kに挿入された
それらの薄板16はZ軸方向の動きが規制されて入子本
体12に固定される。ここで、前記薄板16が入子本体
12に固定された状態で、その薄板16の先端部は入子
本体12の表面12bからスリット溝4sの深さに等し
い寸法だけ突出するようになっている。
は、その入子本体12の長手方向(X軸方向)両側で、
かつ、幅方向(Y軸方向)の中央位置に一対の軸受部1
2jが設けられている。そして、その軸受部12jにシ
ャフト12sが取り外しできる状態で水平に支持されて
いる。前記シャフト12sは、入子本体12の各開口1
2kに挿入された各薄板16をその入子本体12に固定
するための部材であり、前記薄板16の上部中央に形成
された開孔16h(図2(C)参照)の内径とほぼ等し
い外径に成形されている。そして、前記シャフト12s
が各薄板16の開孔16hに挿通されて前記軸受部12
jに支持されることにより、各開口12kに挿入された
それらの薄板16はZ軸方向の動きが規制されて入子本
体12に固定される。ここで、前記薄板16が入子本体
12に固定された状態で、その薄板16の先端部は入子
本体12の表面12bからスリット溝4sの深さに等し
い寸法だけ突出するようになっている。
【0014】また、前記シャフト12sを軸受部12j
から取り外し、そのシャフト12sを前記薄板16の開
孔16hから抜き取れば、入子本体12からその薄板1
6を自由に外すことが可能になる。これによって、磨耗
した薄板16の交換が簡単に行える。前記薄板16は、
その先端部が、図3に示されるように、三枚の薄板片1
6a,16b,16cを張り合わせた構造になってお
り、中央の薄板片16bに前記シャフト12sが通され
る前記開孔16h(図示されていない)が形成されてい
る。この構造により、鋳造後、シリンダブロック2の製
品素材(以下、製品素材2という)に鋳包まれた薄板1
6を抜き取る際に、前記置入子10に図中上方向の外力
が付与されると、中央の薄板片16bのみが両端の薄板
片16a,16cの間から抜き取られる。さらに、中央
の薄板片16bが抜き取られた後、両端の薄板片16
a,16cが抜き取られる。これによって、前記製品素
材2から一枚板の薄板を抜き取るよりは抜き取り力が小
さくて済むようになる。図3(B)は、抜き取り力をさ
らに小さくできるようにするため、中央の薄板片16b
を楔状に成形してその厚み先端側で小さくしたものであ
る。なお、薄板片16a,16b,16cの材料として
は鉄板等が好適に使用される。
から取り外し、そのシャフト12sを前記薄板16の開
孔16hから抜き取れば、入子本体12からその薄板1
6を自由に外すことが可能になる。これによって、磨耗
した薄板16の交換が簡単に行える。前記薄板16は、
その先端部が、図3に示されるように、三枚の薄板片1
6a,16b,16cを張り合わせた構造になってお
り、中央の薄板片16bに前記シャフト12sが通され
る前記開孔16h(図示されていない)が形成されてい
る。この構造により、鋳造後、シリンダブロック2の製
品素材(以下、製品素材2という)に鋳包まれた薄板1
6を抜き取る際に、前記置入子10に図中上方向の外力
が付与されると、中央の薄板片16bのみが両端の薄板
片16a,16cの間から抜き取られる。さらに、中央
の薄板片16bが抜き取られた後、両端の薄板片16
a,16cが抜き取られる。これによって、前記製品素
材2から一枚板の薄板を抜き取るよりは抜き取り力が小
さくて済むようになる。図3(B)は、抜き取り力をさ
らに小さくできるようにするため、中央の薄板片16b
を楔状に成形してその厚み先端側で小さくしたものであ
る。なお、薄板片16a,16b,16cの材料として
は鉄板等が好適に使用される。
【0015】次に、本実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロック2の成形方法を説明する。先ず、図示されてい
ない金型が型開きされている状態で、シリンダボア4b
やウォータジャケット6等を成形する中子nb,njが
セットされ、さらに、スリット溝4sを成形するための
置入子10が基準位置にセットされる。これによって、
置入子10に装着された薄板16はスリット溝4sが成
形されるべき所定位置に位置決めされ、ウォータジャケ
ット6を成形する中子njと連続するようになる。この
とき、前述のように、置入子10には、その表面12b
に凹部12hが形成されているため、この置入子10と
シリンダボア4b等を成形する中子nbの巾木nhとが
干渉することはない。このようにして中子nと置入子1
0が金型にセットされると型締めが行われ、金型内に溶
湯が注入される。そして、所定の時間が経過して溶湯が
完全に凝固すると型開きが行われて製品素材2が金型か
ら取り出される。
ブロック2の成形方法を説明する。先ず、図示されてい
ない金型が型開きされている状態で、シリンダボア4b
やウォータジャケット6等を成形する中子nb,njが
セットされ、さらに、スリット溝4sを成形するための
置入子10が基準位置にセットされる。これによって、
置入子10に装着された薄板16はスリット溝4sが成
形されるべき所定位置に位置決めされ、ウォータジャケ
ット6を成形する中子njと連続するようになる。この
とき、前述のように、置入子10には、その表面12b
に凹部12hが形成されているため、この置入子10と
シリンダボア4b等を成形する中子nbの巾木nhとが
干渉することはない。このようにして中子nと置入子1
0が金型にセットされると型締めが行われ、金型内に溶
湯が注入される。そして、所定の時間が経過して溶湯が
完全に凝固すると型開きが行われて製品素材2が金型か
ら取り出される。
【0016】図1(A)は、前記金型から取り出された
製品素材2の縦断面図、図1(B)は、図1(A)のB
−B矢視図を表している。図に示されるように、置入子
10の薄板16は、その先端部が製品素材2に鋳包まれ
ている。しかしながら、前述のように、前記薄板16
は、その先端部が三枚の薄板片16a,16b,16c
を張り合わせた構造になっており、中央の薄板片16b
のみが置入子10に固定されている。このために、製品
素材2に対して置入子10を引き上げると中央の薄板片
16bのみが、図4(B)に示されるように、両端の薄
板片16a,16cの間から一括して抜き取られる。そ
して、後に残った両端の薄板片16a,16cが一枚づ
つ成形後のスリット溝4sから抜き取られる。このよう
に、薄板16を三枚の薄板片16a,16b,16cか
ら構成して、その薄板片16a,16b,16cを一枚
づつ抜き取る方法であるため、抜き取り力が少なくて済
むようになる。このようにして、製品素材2から置入子
10及び中子nb,njが除去されることにより、図5
に示されるエンジンのシリンダブロック2が成形され
る。ここで、前記ウォータジャケット6を成形する中子
njが本発明のウォータジャケット成形用鋳型として機
能する。
製品素材2の縦断面図、図1(B)は、図1(A)のB
−B矢視図を表している。図に示されるように、置入子
10の薄板16は、その先端部が製品素材2に鋳包まれ
ている。しかしながら、前述のように、前記薄板16
は、その先端部が三枚の薄板片16a,16b,16c
を張り合わせた構造になっており、中央の薄板片16b
のみが置入子10に固定されている。このために、製品
素材2に対して置入子10を引き上げると中央の薄板片
16bのみが、図4(B)に示されるように、両端の薄
板片16a,16cの間から一括して抜き取られる。そ
して、後に残った両端の薄板片16a,16cが一枚づ
つ成形後のスリット溝4sから抜き取られる。このよう
に、薄板16を三枚の薄板片16a,16b,16cか
ら構成して、その薄板片16a,16b,16cを一枚
づつ抜き取る方法であるため、抜き取り力が少なくて済
むようになる。このようにして、製品素材2から置入子
10及び中子nb,njが除去されることにより、図5
に示されるエンジンのシリンダブロック2が成形され
る。ここで、前記ウォータジャケット6を成形する中子
njが本発明のウォータジャケット成形用鋳型として機
能する。
【0017】本実施例によると、鋳造によりエンジンの
シリンダブロック2にスリット溝4sを成形できるた
め、従来のように鋳造後に切削加工の工程が必要なくな
り作業効率が向上する。このため、エンジンのシリンダ
ブロック2の製作コストが低減する。また、薄板16の
形状を変えることにより、スリット溝4sの形状も自由
に変更できるために、流体の流れに合わせてスリット溝
の形状を変えることもでき、スリット溝4sの冷却能力
を向上させることが可能となる。また、スリット溝4s
の数と等しい数の薄板16が置入子10に保持され、そ
の置入子10によって一括所定位置に位置決めされるた
め、薄板16を個々に金型にセットする方法よりも作業
効率が向上する。また、前記薄板16の位置決め精度も
安定する。さらに、置入子10を製品素材2から取り外
すことにより前記薄板16を一括して抜き取ることがで
きるために、薄板16を個々に抜き取る方法と比較して
作業効率が向上する。
シリンダブロック2にスリット溝4sを成形できるた
め、従来のように鋳造後に切削加工の工程が必要なくな
り作業効率が向上する。このため、エンジンのシリンダ
ブロック2の製作コストが低減する。また、薄板16の
形状を変えることにより、スリット溝4sの形状も自由
に変更できるために、流体の流れに合わせてスリット溝
の形状を変えることもでき、スリット溝4sの冷却能力
を向上させることが可能となる。また、スリット溝4s
の数と等しい数の薄板16が置入子10に保持され、そ
の置入子10によって一括所定位置に位置決めされるた
め、薄板16を個々に金型にセットする方法よりも作業
効率が向上する。また、前記薄板16の位置決め精度も
安定する。さらに、置入子10を製品素材2から取り外
すことにより前記薄板16を一括して抜き取ることがで
きるために、薄板16を個々に抜き取る方法と比較して
作業効率が向上する。
【0018】ここで、本実施例では、薄板16を構成す
る三枚の薄板片16a,16b,16cを全て抜き取る
ことにより、スリット溝4sを成形する方法を説明し
た。しかしながらこの方法に限定されるわけではなく、
両端の薄板片16a,16cを残して中央の薄板片16
bのみ抜き取ることにより、スリット溝4sを成形する
ことも可能である。この場合、両端の薄板片16a,1
6cがスリット溝4sの側壁を構成するようになる。こ
のため、スリット溝4sの側壁をシリンダブロック2よ
りも熱伝導率の高い別の材質で製作することが可能にな
り、この結果、スリット溝の冷却能力を向上させること
ができる。また、両端の薄板片16a,16cを抜き取
る場合と比較してスリット溝4sの側壁の面粗度を向上
させることができ、さらに、スリット溝4sの幅精度も
向上する。
る三枚の薄板片16a,16b,16cを全て抜き取る
ことにより、スリット溝4sを成形する方法を説明し
た。しかしながらこの方法に限定されるわけではなく、
両端の薄板片16a,16cを残して中央の薄板片16
bのみ抜き取ることにより、スリット溝4sを成形する
ことも可能である。この場合、両端の薄板片16a,1
6cがスリット溝4sの側壁を構成するようになる。こ
のため、スリット溝4sの側壁をシリンダブロック2よ
りも熱伝導率の高い別の材質で製作することが可能にな
り、この結果、スリット溝の冷却能力を向上させること
ができる。また、両端の薄板片16a,16cを抜き取
る場合と比較してスリット溝4sの側壁の面粗度を向上
させることができ、さらに、スリット溝4sの幅精度も
向上する。
【0019】(第2実施例)次に、図6から図9に基づ
いて本発明の第二実施例に係るエンジンのシリンダブロ
ックの成形方法の説明を行う。第一実施例では低圧鋳造
法により、図5に示されるエンジンのシリンダブロック
2を成形する方法を説明したが、本実施例ではダイカス
ト法により前記シリンダブロック2を成形する方法につ
いて説明する。このため、ダイカスト金型の構造に合わ
せてスリット溝4sを成形する置入子20の構造を改造
している。前記置入子20は、図6に示されるように、
スリット溝4sの成形に使用される三枚の薄板26と、
これらの薄板26を所定の間隔で平行に保持する入子本
体22とから構成されている。前記入子本体22は、可
動金型30の基準位置に位置決めされた状態でシリンダ
ブロック2のデッキ面2dを成形する直方体状の厚板で
あり、その長手方向に(X軸方向)には等間隔で四個の
貫通孔22hが形成されている。そして、これらの貫通
孔22hにシリンダボア4bを成形するボア入子32
(図7参照)が挿通されるようになっている。なお、前
記貫通孔22hとボア入子32との間のクリアランスは
溶湯が侵入しない所定値に設定されている。
いて本発明の第二実施例に係るエンジンのシリンダブロ
ックの成形方法の説明を行う。第一実施例では低圧鋳造
法により、図5に示されるエンジンのシリンダブロック
2を成形する方法を説明したが、本実施例ではダイカス
ト法により前記シリンダブロック2を成形する方法につ
いて説明する。このため、ダイカスト金型の構造に合わ
せてスリット溝4sを成形する置入子20の構造を改造
している。前記置入子20は、図6に示されるように、
スリット溝4sの成形に使用される三枚の薄板26と、
これらの薄板26を所定の間隔で平行に保持する入子本
体22とから構成されている。前記入子本体22は、可
動金型30の基準位置に位置決めされた状態でシリンダ
ブロック2のデッキ面2dを成形する直方体状の厚板で
あり、その長手方向に(X軸方向)には等間隔で四個の
貫通孔22hが形成されている。そして、これらの貫通
孔22hにシリンダボア4bを成形するボア入子32
(図7参照)が挿通されるようになっている。なお、前
記貫通孔22hとボア入子32との間のクリアランスは
溶湯が侵入しない所定値に設定されている。
【0020】また、前記入子本体22の表面22bに
は、隣合う貫通孔22hと貫通孔22hの間の中央位置
に所定の深でスリット状の凹部22kが形成されてい
る。そして、各々のスリット状の凹部22kに前記薄板
26が挿入されるようになっている。ここで、前記凹部
22kの幅及び厚みは薄板26の幅及び厚みにほぼ等し
く設定されており、さらに、その凹部22kの深さは、
挿入された薄板26の先端部が表面22bからスリット
溝4sの深さに等しい寸法だけ突出するような値に設定
されている。
は、隣合う貫通孔22hと貫通孔22hの間の中央位置
に所定の深でスリット状の凹部22kが形成されてい
る。そして、各々のスリット状の凹部22kに前記薄板
26が挿入されるようになっている。ここで、前記凹部
22kの幅及び厚みは薄板26の幅及び厚みにほぼ等し
く設定されており、さらに、その凹部22kの深さは、
挿入された薄板26の先端部が表面22bからスリット
溝4sの深さに等しい寸法だけ突出するような値に設定
されている。
【0021】また、隣合う貫通孔22hと貫通孔22h
の間には、両貫通孔22hを連通させるようにピン孔2
2fがX軸方向に形成されており、このピン孔22fに
短ピン23を挿入できるようになっている。さらに、前
記薄板26には、前記凹部22kに挿入された状態で、
前記ピン孔22fと重なる位置にそのピン孔22fと等
しい径の開孔(図示されていない)が形成されている。
この構造により、前記薄板26が前記凹部22kに挿入
された状態で、前記短ピン23をピン孔22f及び薄板
26の開孔に挿入することができるようになる。これに
よって、前記薄板26はX軸、Y軸、Z軸方向の動きを
規制された状態で入子本体22に固定される。また、前
記短ピン23をピン孔22f及び薄板26の開孔から引
く抜くと、入子本体22から薄板26を自由に外すこと
が可能になる。これによって、磨耗した薄板26の交換
が簡単に行える。前記薄板26は、第1実施例の場合と
同様に、その先端部が三枚の薄板片を張り合わせた構造
になっており、中央の薄板片に前記短ピン23が通され
る開孔が形成されている。
の間には、両貫通孔22hを連通させるようにピン孔2
2fがX軸方向に形成されており、このピン孔22fに
短ピン23を挿入できるようになっている。さらに、前
記薄板26には、前記凹部22kに挿入された状態で、
前記ピン孔22fと重なる位置にそのピン孔22fと等
しい径の開孔(図示されていない)が形成されている。
この構造により、前記薄板26が前記凹部22kに挿入
された状態で、前記短ピン23をピン孔22f及び薄板
26の開孔に挿入することができるようになる。これに
よって、前記薄板26はX軸、Y軸、Z軸方向の動きを
規制された状態で入子本体22に固定される。また、前
記短ピン23をピン孔22f及び薄板26の開孔から引
く抜くと、入子本体22から薄板26を自由に外すこと
が可能になる。これによって、磨耗した薄板26の交換
が簡単に行える。前記薄板26は、第1実施例の場合と
同様に、その先端部が三枚の薄板片を張り合わせた構造
になっており、中央の薄板片に前記短ピン23が通され
る開孔が形成されている。
【0022】次に、本実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロック2の成形方法を説明する。先ず、金型が型開き
されている状態で、図7に示されるように、置入子20
の貫通孔22hにボア入子32が通され、その置入子2
0が可動金型30の基準位置に位置決めされる。これに
よって、置入子20に装着された薄板26はスリット溝
4sが成形されるべき所定位置に位置決めされる。な
お、この状態で、置入子20の裏面22uには可動金型
30の押出しピン34が当接するようになっている。ま
た、前記置入子20に装着された薄板26は可動金型3
0のウォータジャケット成形部36と連続するようにな
る。このようにして置入子20が可動金型30にセット
されると型締めが行われ、金型内に溶湯が注入される。
そして、所定の時間が経過して溶湯が完全に凝固すると
型開きが行われて製品素材2が金型から取り出される。
このとき、置入子20は押出しピン34によって可動金
型30から押し出されるために、前記置入子20は製品
素材2と一体で金型から取り出される。
ブロック2の成形方法を説明する。先ず、金型が型開き
されている状態で、図7に示されるように、置入子20
の貫通孔22hにボア入子32が通され、その置入子2
0が可動金型30の基準位置に位置決めされる。これに
よって、置入子20に装着された薄板26はスリット溝
4sが成形されるべき所定位置に位置決めされる。な
お、この状態で、置入子20の裏面22uには可動金型
30の押出しピン34が当接するようになっている。ま
た、前記置入子20に装着された薄板26は可動金型3
0のウォータジャケット成形部36と連続するようにな
る。このようにして置入子20が可動金型30にセット
されると型締めが行われ、金型内に溶湯が注入される。
そして、所定の時間が経過して溶湯が完全に凝固すると
型開きが行われて製品素材2が金型から取り出される。
このとき、置入子20は押出しピン34によって可動金
型30から押し出されるために、前記置入子20は製品
素材2と一体で金型から取り出される。
【0023】図8は、前記金型から取り出された製品素
材2の縦断面図を表している。図に示されるように、置
入子20の薄板26は、その先端部が製品素材2に鋳包
まれている。しかしながら、前述のように、前記薄板2
6は、その先端部が三枚の薄板片を張り合わせた構造に
なっており、中央の薄板片のみが置入子20に固定され
ている。このために、製品素材2に対して置入子20を
引き上げると中央の薄板片のみが、図4(B)に示され
るように、両端の薄板片の間から一括して抜き取られ
る。そして、後に残った両端の薄板片が一枚づつ成形後
のスリット溝4sから抜き取られる。このようにして、
製品素材2から置入子20が除去されることにより、図
5に示されるエンジンのシリンダブロック2が成形され
る。このように、本実施例においても、第1実施例の場
合と同様に鋳造によりシリンダブロック2のスリット溝
4sを成形することができるようになる。
材2の縦断面図を表している。図に示されるように、置
入子20の薄板26は、その先端部が製品素材2に鋳包
まれている。しかしながら、前述のように、前記薄板2
6は、その先端部が三枚の薄板片を張り合わせた構造に
なっており、中央の薄板片のみが置入子20に固定され
ている。このために、製品素材2に対して置入子20を
引き上げると中央の薄板片のみが、図4(B)に示され
るように、両端の薄板片の間から一括して抜き取られ
る。そして、後に残った両端の薄板片が一枚づつ成形後
のスリット溝4sから抜き取られる。このようにして、
製品素材2から置入子20が除去されることにより、図
5に示されるエンジンのシリンダブロック2が成形され
る。このように、本実施例においても、第1実施例の場
合と同様に鋳造によりシリンダブロック2のスリット溝
4sを成形することができるようになる。
【0024】図9は、置入子20を使用することなく可
動金型30に直接スリット状の凹部32kを設け、この
凹部32kに前記薄板26を挿入して所定位置に位置決
めできるようにしたものである。この方法でも、鋳造に
よりシリンダブロック2のスリット溝4sを成形するこ
とは可能であるが、前記薄板26のセットあるいは抜き
取りを一枚ずつ行わなければならないために、作業効率
が低いという問題がある。
動金型30に直接スリット状の凹部32kを設け、この
凹部32kに前記薄板26を挿入して所定位置に位置決
めできるようにしたものである。この方法でも、鋳造に
よりシリンダブロック2のスリット溝4sを成形するこ
とは可能であるが、前記薄板26のセットあるいは抜き
取りを一枚ずつ行わなければならないために、作業効率
が低いという問題がある。
【図1】本発明の第1実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法において、金型から取り出された製
品素材、置入子の縦断面図である。
ブロックの成形方法において、金型から取り出された製
品素材、置入子の縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法において使用される置入子の斜視
図、及び断面図である。
ブロックの成形方法において使用される置入子の斜視
図、及び断面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法において使用されるスリット溝成形
用の薄板の先端部詳細図である。
ブロックの成形方法において使用されるスリット溝成形
用の薄板の先端部詳細図である。
【図4】本発明の第1実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法において薄板を製品素材から抜き取
る様子を表す断面図である。
ブロックの成形方法において薄板を製品素材から抜き取
る様子を表す断面図である。
【図5】本発明の第1実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法により成形されたエンジンのシリン
ダブロックの平面図、及び断面図である。
ブロックの成形方法により成形されたエンジンのシリン
ダブロックの平面図、及び断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法において使用される置入子の斜視図
である。
ブロックの成形方法において使用される置入子の斜視図
である。
【図7】本発明の第2実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法において、可動金型に装着された置
入子を表す縦断面図である。
ブロックの成形方法において、可動金型に装着された置
入子を表す縦断面図である。
【図8】本発明の第2実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法において、金型から取り出された製
品素材、置入子の縦断面図である。
ブロックの成形方法において、金型から取り出された製
品素材、置入子の縦断面図である。
【図9】本発明の第2実施例に係るエンジンのシリンダ
ブロックの成形方法において、可動金型に薄板を直接装
着した状態を表す縦断面図である。
ブロックの成形方法において、可動金型に薄板を直接装
着した状態を表す縦断面図である。
2 エンジンのシリンダブロック(製品素材) 2d デッキ面 4 内壁 4b シリンダボア 4s スリット溝 10 置入子 16 薄板 16a 左端の薄板片 16b 中央の薄板片 16c 右端の薄板片 20 置入子 26 薄板 30 可動金型 32 ボア入子 36 ウォータジャケット成形部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 茂 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 シリンダボアを画成する内壁が隣接する
シリンダボア間で共有されており、その共有されている
内壁のデッキ面側端面にスリット溝が形成されて、その
スリット溝が内壁の回りに形成されたウォータジャケッ
トと連通しているエンジンのシリンダブロックの成形方
法において、 型開きされた鋳型内の所定位置に前記スリット溝を成形
する薄板を位置決めする工程と、 前記薄板を位置決めした後に型締めし、前記ウォータジ
ャケットの成形用鋳型と前記薄板とが連続している状態
で、鋳型内に溶湯を注入する工程と、 溶湯が凝固した後、型開きして製品素材を取り出し、そ
の製品素材から前記薄板を抜き取る工程と、 を有することを特徴とするエンジンのシリンダブロック
の成形方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジンのシリン
ダブロックの成形方法において、 成形するスリット溝の数と等しい数の薄板を各スリット
溝間の距離と等しい距離を隔てて保持する置入子を準備
し、その置入子に予め決められた枚数の薄板をセットす
る工程と、 薄板がセットされた置入子を鋳型内の基準位置に位置決
めすることにより、各々の薄板を鋳型内の所定位置に位
置決めする工程と、 成形された製品素材から前記置入子を取り外すことによ
り前記薄板を一括して抜き取る工程と、を有することを
特徴とするエンジンのシリンダブロックの成形方法。 - 【請求項3】 請求項1、及び/又は、請求項2に記載
されたエンジンのシリンダブロックの成形方法におい
て、 薄板は、薄板片が少なくとも三層以上重ねられた構造で
あり、製品素材から前記薄板を抜き取るときには、中央
の薄板片を抜き取った後、両端の薄板片を抜き取ること
を特徴とするエンジンのシリンダブロックの成形方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載されたエンジンのシリン
ダブロックの成形方法において、 中央の薄板片は先端側が薄く元部側が厚い楔形をしてお
り、元部側から引き抜くことを特徴とするエンジンのシ
リンダブロックの成形方法。 - 【請求項5】 請求項3に記載されたエンジンのシリン
ダブロックの成形方法において、 薄板は、薄板片が少なくとも三層以上重ねられた構造で
あり、両端の薄板片が前記製品素材に鋳包まれ、中央の
薄板片のみが抜き取られることを特徴とするエンジンの
シリンダブロックの成形方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27900794A JPH08141730A (ja) | 1994-11-14 | 1994-11-14 | エンジンのシリンダブロックの成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27900794A JPH08141730A (ja) | 1994-11-14 | 1994-11-14 | エンジンのシリンダブロックの成形方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08141730A true JPH08141730A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17605109
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27900794A Pending JPH08141730A (ja) | 1994-11-14 | 1994-11-14 | エンジンのシリンダブロックの成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08141730A (ja) |
-
1994
- 1994-11-14 JP JP27900794A patent/JPH08141730A/ja active Pending
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