JPH08141781A - ろう接用接合材 - Google Patents

ろう接用接合材

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JPH08141781A
JPH08141781A JP28035494A JP28035494A JPH08141781A JP H08141781 A JPH08141781 A JP H08141781A JP 28035494 A JP28035494 A JP 28035494A JP 28035494 A JP28035494 A JP 28035494A JP H08141781 A JPH08141781 A JP H08141781A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被接合部材を強固にろう接することのできる
接合材を提供する。 【構成】 ろう接用接合材1は、希土類元素と共晶反応
を生じる合金元素AEをAE≦50原子%含有する希土
類元素系合金よりなり、非晶質相の体積分率VfがVf
≧50%である。この接合材より生じた液相は各種材質
の被接合部材に対して優れた濡れ性を発揮する。また接
合材は非晶質化に伴い高い耐酸化性と均一組成を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はろう接用接合材、特に、
希土類元素系合金よりなる接合材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、希土類元素を含む永久磁石は、
非常に脆いため機械加工性が悪く、また高温下に曝され
ると、金属組織が変化するためそれに伴い磁気特性が低
下する、といった性質を有する。
【0003】そのため、例えば永久磁石をモータの金属
製ロータに取付ける場合、あり差し構造、ねじ止め、溶
接等の取付手段を採用することができないので、従来は
接着剤が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、接着剤
を用いると、永久磁石の濡れ性が悪いため接着強度が低
く、また温度上昇に伴いその接着強度が著しく低下す
る、といった問題を生ずる。このような状況下ではモー
タの高速回転化の要請に到底対応することはできない。
【0005】本発明は前記に鑑み、二つの被接合部材、
例えば金属部材を強固にろう接することが可能な合金系
接合材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るろう接用接
合材は、希土類元素と共晶反応を生じる合金元素AEを
AE≦50原子%含有する希土類元素系合金よりなり、
非晶質相の体積分率VfがVf≧50%であることを特
徴とする。
【0007】
【作用】ろう接時には希土類元素と合金元素AEとが共
晶反応を生じるため、接合材が液相状態または固液共存
状態となる温度は比較的低くなる。これにより、ろう接
による両被接合部材の特性変化を回避することができ
る。
【0008】一方、希土類元素を主成分とする接合材よ
り生じた液相は高活性であって、種種の材質の被接合部
材に対して優れた濡れ性を発揮する。また非晶質相は、
酸化の起点となるような粒界層が存在しないので耐酸化
性が著しく高く、また酸化物の混在も僅少であり、その
上偏析がなく組成が均一である、といった特性を有す
る。このように優れた濡れ性を有し、また非晶質相の体
積分率VfがVf≧50%(100%を含む)である接
合材を用いることによって両被接合部材を強固にろう接
することができる。
【0009】ただし、合金元素AEの含有量がAE>5
0原子%であると、固液共存状態における液相の体積分
率Vfが低くなるため接合強度が低下する。このことか
ら、合金元素AEの含有量は、希土類元素との関係にお
いて共晶組成またはそれに近い組成となるように設定す
るのが望ましい。
【0010】
【実施例】接合材を構成する希土類元素系合金は、基本
的には主成分である希土類元素と、その希土類元素と共
晶反応を行う合金元素AEとから構成される。希土類元
素はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mm(ミッシュ
メタル)、Di(ジジムまたはジジミウム)およびLu
から選択される少なくとも一種である。また合金元素A
Eは、Cu、Al、Ga、Co、Fe、Ag、Ni、A
u、Mn、Zn、Pd、Sn、Sb、Pb、Bi、Ge
およびInから選択される少なくとも一種である。その
合金元素AEの含有量はAE≦50原子%に設定され
る。二種以上の合金元素AEを含有する場合には、それ
らの合計含有量がAE≦50原子%となる。また合金元
素の下限値は、固液共存状態における液相確保上、AE
=5原子%であることが望ましい。
【0011】希土類元素系合金における共晶合金を例示
すれば表1の通りである。
【0012】
【表1】 また希土類元素系合金における亜、過共晶合金としては
以下のものを挙げることができる。各化学式において、
数値の単位は原子%である(これは以下同じ)。Nd60
Cu40合金、Nd75Cu25合金、Nd80Cu20合金、N
50Cu50合金、Nd90Al10合金、Nd80Co20
金、Sm75Cu25合金、Sm65Cu35合金、La85Ga
15合金。さらに三元系合金としては、Nd65Fe5 Cu
30合金(液相発生温度510℃)およびNd70Cu25
5 合金(液相発生温度474℃)を挙げることができ
る。
【0013】二つの被接合部材のろう接に当っては、両
部材を接合材を介して重ね合せ、次いでその重ね合せ物
を真空加熱炉内に設置して、加熱下で接合材を液相状態
または固液共存状態にし、その後炉冷する、といった方
法が採用される。
【0014】このろう接時には希土類元素と合金元素A
Eとが共晶反応を生じるため、接合材が液相状態または
固液共存状態となる温度は比較的低くなる。これによ
り、ろう接による被接合部材の特性変化を回避すること
ができる。
【0015】一方、希土類元素を主成分とする接合材よ
り生じた液相は高活性であって、種種の材質の被接合部
材に対して優れた濡れ性を発揮する。また非晶質相は、
酸化の起点となるような粒界層が存在しないので耐酸化
性が著しく高く、また酸化物の混在も僅少であり、その
上偏析がなく組成が均一である、といった特性を有す
る。このように優れた濡れ性を有し、また非晶質相の体
積分率VfがVf≧50%(100%を含む)である接
合材を用いることによって両被接合部材を強固にろう接
することができる。
【0016】加熱時間tは、それが長過ぎる場合には被
接合部材の特性変化を招来するので、t≦10時間であ
ることが望ましく、生産性向上の観点からはt≦1時間
である。
【0017】接合材の製造に当っては液体急冷法、例え
ば単ロール法が適用される。即ち、 (a)希土類系合金組成の溶湯を調製する。(b)溶湯
を、高速回転するCu製冷却ロール外周面に噴出させて
超急冷し、これにより非晶質相の体積分率VfがVf≧
50%である薄い帯状接合材を得る。
【0018】接合材の厚さは、冷却ロールの回転数、溶
湯の噴出圧、溶湯の噴出温度等によって制御され、通常
10〜150μmである。この場合、接合材は非晶質相
を有することから高靱性であり、したがって薄帯状に成
形されても破断することがなく、連続的に量産される。
【0019】また前記高靱性化に伴い、被接合部材の接
合面の形状に合致させるべく、帯状接合材に打抜き加工
等を施して所定形状の接合材を得ることも容易である。 〔実施例1〕純度99.9%のNdと純度99.9%の
Cuとを、図1に示すように共晶組成を有するNd70
30合金が得られるように秤量し、次いでその秤量物を
真空溶解炉を用いて溶解し、その後鋳造を行ってインゴ
ットを得た。
【0020】このNd70Cu30合金よりなるインゴット
から約200gの原料を採取し、これを石英ノズル内で
高周波溶解して溶湯を調製し、次いで溶湯を石英ノズル
のスリットから、その下方で高速回転するCu製冷却ロ
ール外周面にアルゴンガス圧により噴出させて超急冷
し、幅30mm、厚さ70μmの極薄の帯状接合材を得
た。
【0021】この場合の製造条件は次の通りである。即
ち、石英ノズルの内径 40mm、スリットの寸法 幅
0.25mm、長さ 30mm、アルゴンガス圧 1.0kg
f/cm2 、溶湯温度 670℃、スリットと冷却ロール
との距離 1.0mm、冷却ロールの周速 20m/sec
、溶湯の冷却速度 約105 K/sec である。
【0022】図2はNd70Cu30合金よりなるインゴッ
トおよび帯状接合材のX線回折結果を示し、帯状接合材
においては2θ≒30°に幅広のハローパターンが観察
され、このことから帯状接合材は非晶質単相組織を有
し、したがって非晶質相の体積分率VfがVf=100
%であることが判明した。また帯状接合材は高い靱性を
有し、180°密着曲げが可能であった。
【0023】ろう接作業に当り、図3に示すように帯状
接合材より縦10mm、横10mm、厚さ70μmの極薄の
板状非晶質接合材1を切出した。
【0024】一方の被接合部材として、縦10mm、横1
0mm、厚さ3mmのNdFeB系永久磁石(住友特殊金属
社製、商品名NEOMAX−28UH)2を選定し、ま
た他方の被接合部材として、厚さ0.3mmの冷間圧延鋼
板4を積層してなり、且つ縦10mm、横10mm、長さ1
5mmの直方体状の積層体3を選定した。この場合、各鋼
板4の接合にはかしめ手段5が用いられている。
【0025】図3に示すように、1つの積層体3の鋼板
端面よりなる接合面6上に1つの非晶質接合材1を、ま
た非晶質接合材1の上に永久磁石2を、さらに永久磁石
2の上にもう1つの非晶質接合材1を、さらにまた非晶
質接合材1の上にもう1つの積層体3をその接合面6を
下向きにしてそれぞれ重ね合わせて重ね合せ物を作製し
た。次いで、その重ね合せ物を真空加熱炉内に設置し、
加熱温度T=530℃、加熱時間t=20分間の加熱工
程、それに次ぐ炉冷よりなる冷却工程を行って、図4に
示すように2つの積層体3により永久磁石2を挟むよう
にそれら2,3を非晶質接合材1より形成された結晶質
の接合層7を介しろう接した接合体8を得た。このろう
接処理においては、加熱温度TがT=530℃であっ
て、図1に示す共晶点520℃を超えているので、非晶
質接合材1は液相状態となる。なお、両積層体3に存す
る貫通孔9は引張り試験においてチャックとの連結に用
いられる。
【0026】比較のため、前記インゴットにマイクロカ
ッタによる切断加工を施して、Nd 70Cu30合金よりな
り、且つ縦10mm、横10mm、厚さ0.25mm(マイク
ロカッタによる限界厚さ)の薄板状結晶質接合材を製作
し、この結晶質接合材を用いて前記と同様の方法で図4
に示す接合体8と同一構造の接合体を得た。
【0027】さらに比較のため、前記同様の永久磁石2
と前記同様の2つの積層体3とをエポキシ樹脂系接着剤
(日本チバガイギ社製、商品名アラルダイト)を介し重
ね合せて前記同様の重ね合せ物を作製した。次いで、そ
の重ね合せ物を乾燥炉内に設置して、加熱温度200
℃、加熱時間60分間の加熱工程、それに次ぐ炉冷より
なる接合処理を行って、2つの積層体3と永久磁石2と
をエポキシ樹脂系接着剤を介して接合した前記同様の接
合体を得た。
【0028】非晶質接合材1を用いた接合体8、結晶質
接合材を用いた接合体およびエポキシ樹脂系接着剤を用
いた接合体について室温下および150℃の加熱下で引
張り試験を行ったところ、表2の結果を得た。
【0029】
【表2】 表2から明らかなように、非晶質接合材1を用いた接合
体8は、室温下および150℃の加熱下において、エポ
キシ樹脂系接着剤を用いた接合体に比べて接合強度が高
く、その接合強度は両環境下において殆ど変わらず、ま
たそのばらつきも小さかった。接着剤を用いた接合体は
室温下における接合強度が低い上にそのばらつきが大き
く、また150℃の加熱下ではその接合強度が室温下の
それの3分の1に低下する。
【0030】また非晶質接合材1を用いた接合体8は結
晶質接合材を用いた接合体よりも前記両温度下において
接合強度が高い。これは、非晶質接合材1が優れた耐酸
化性を有し、また酸化物量も僅少であり、さらに均一組
成を有する、ということに起因する。
【0031】さらに非晶質接合材1の厚さは結晶質接合
材の厚さの3分の1以下であるから、食出し量は僅かで
あってろう接処理後の後処理が容易である。
【0032】NdFeB系永久磁石、SmCo系永久磁
石等の希土類元素を含む永久磁石2は、接合処理時の加
熱温度TがT>650℃になると、その磁気特性、特に
保磁力 IC (磁化の強さI=0)が低下傾向となる。
ただし、残留磁束密度Brおよび保磁力 BC (磁束密
度B=0)は殆ど変わらず、したがって最大磁気エネル
ギ積(BH)maxは略一定である。非晶質接合材1を
用いたろう接処理において、その加熱温度TはT=53
0℃であってT≦650℃であるから、永久磁石2の磁
気特性を変化させるようなことはない。
【0033】また前記永久磁石2の濡れ性の悪さは、そ
の結晶粒界に希土類元素濃度、この実施例ではNd濃度
の高い相が存在していることに起因する。非晶質接合材
1を用いたろう接処理において、その非晶質接合材1は
液相状態となっており、そのNdを主成分とするNd70
Cu30合金より生じた液相は、高活性であると共に前記
結晶粒界に存するNd濃度の高い相と主成分を共通にす
ることから永久磁石2に対して優れた濡れ性を発揮し、
また前記高活性化に伴い鋼板4よりなる積層体3に対す
る濡れ性も極めて良好である。
【0034】したがって、前記のような非晶質接合材1
を用いることによって、永久磁石2の磁気特性を損うこ
となく、その永久磁石2と積層体3とを強固に接合する
ことができる。
【0035】前記接合技術は、回転電機としてのモータ
において、ロータの成層鉄心に対する永久磁石2のろう
接に適用され、回転数が10000rpm 以上である高速
回転モータの実現を可能にするものである。 〔実施例2〕実施例1と同様の単ロール法を採用して各
種組成の混相接合材および非晶質接合材を製造し、また
各接合材を用い実施例1と同様のろう接処理を行って各
種接合体を得、さらに各接合体について実施例1と同様
の引張り試験を行った。また実施例1と同様に各種組成
のインゴットより結晶質接合材を製作して比較を行っ
た。
【0036】表3は各種接合材の組成等、ろう接処理条
件および接合体の接合強度を示す。
【0037】
【表3】 表3において、接合材の例1は非晶質相と結晶質相との
混相よりなる金属組織を備えた混相接合材であるが、非
晶質相の体積分率Vfが75%であって、Vf≧50%
の条件を満たしているので結晶質接合材の例1aに比べ
て組成が均一であり、その結果、接合体の接合強度が高
くなる。また接合材の例2,3は何れも非晶質接合材で
あり、一方、接合材の例2a,3aは何れも結晶質接合
材である。この場合にも、非晶質接合材2,3を用いる
と好結果が得られることが判る。
【0038】なお、前記接合材は前記永久磁石以外の金
属部材と他の金属部材とのろう接等にも用いられる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように特定され
た構成を具備させることにより、比較的低温域にて液相
を生じて2つの被接合部材を強固にろう接することが可
能な接合材を提供することができる。
【0040】特に、この接合材は、その組成の選定によ
り、希土類元素を含む永久磁石と異種金属部材との接合
において、永久磁石の磁気特性を損うことなく接合強度
を高め得る、といった利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cu−Nd系状態図の要部を示す。
【図2】帯状接合体およびNd70Cu30合金インゴット
に関するX線回折図である。
【図3】積層体と接合材との重ね合せ関係を示す斜視図
である。
【図4】接合体の斜視図である。
【符号の説明】
1 接合材 2 永久磁石 3 積層体 7 接合層 8 接合体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】接合材の製造に当っては液体急冷法、例え
ば単ロール法が適用される。即ち、 (a)希土類元素系合金組成の溶湯を調製する。(b)
溶湯を、高速回転するCu製冷却ロール外周面に噴出さ
せて超急冷し、これにより非晶質相の体積分率VfがV
f≧50%である薄い帯状接合材を得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【表3】 表3において、接合材の例1は非晶質相と結晶質相との
混相よりなる金属組織を備えた混相接合材であるが、非
晶質相の体積分率Vfが75%であって、Vf≧50%
の条件を満たしているので結晶質接合材の例1aに比べ
て組成が均一であり、その結果、接合体の接合強度が高
くなる。また接合材の例2,3は何れも非晶質接合材で
あり、一方、接合材の例2a,3aは何れも結晶質接合
材である。この場合にも、非晶質接合材の例2,3を用
いると好結果が得られることが判る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類元素と共晶反応を生じる合金元素
    AEをAE≦50原子%含有する希土類元素系合金より
    なり、非晶質相の体積分率VfがVf≧50%であるこ
    とを特徴とするろう接用接合材。
  2. 【請求項2】 前記合金元素AEはCu、Al、Ga、
    Co、Fe、Ag、Ni、Au、Mn、Zn、Pd、S
    n、Sb、Pb、Bi、GeおよびInから選択される
    少なくとも一種である、請求項1記載のろう接用接合
    材。
  3. 【請求項3】 前記希土類元素系合金は共晶組成を有す
    る、請求項1または2記載のろう接用接合材。
  4. 【請求項4】 希土類元素を含む永久磁石と異種金属部
    材との接合に用いられる、請求項1,2または3記載の
    ろう接用接合材。
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JP2011061038A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Toyota Central R&D Labs Inc 希土類磁石とその製造方法および磁石複合部材

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