JPH08141784A - 肉盛溶接用溶加材およびその製造方法 - Google Patents
肉盛溶接用溶加材およびその製造方法Info
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- JPH08141784A JPH08141784A JP30309794A JP30309794A JPH08141784A JP H08141784 A JPH08141784 A JP H08141784A JP 30309794 A JP30309794 A JP 30309794A JP 30309794 A JP30309794 A JP 30309794A JP H08141784 A JPH08141784 A JP H08141784A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、アルミニウムと銅が均一か
つ緻密に多層化し、アルミニウムと銅の組成比を任意に
コントロールすることができ、靭性に富み、取扱いが容
易である肉盛溶接用溶加材およびその製造方法を提供す
ることにある。 【構成】 本発明に係る肉盛溶接用溶加材の製造方法で
は、アルミニウム板1と銅板2を交互に積み重ねて積層
させ、この積層体3を加圧してビレット5を形成し、こ
のビレット5を熱間押出し加工により塑性変形させて、
アルミニウム部1aと銅部2aが同心円上に交互に配列
した多層Al−Cuワイヤ11に製造している。
つ緻密に多層化し、アルミニウムと銅の組成比を任意に
コントロールすることができ、靭性に富み、取扱いが容
易である肉盛溶接用溶加材およびその製造方法を提供す
ることにある。 【構成】 本発明に係る肉盛溶接用溶加材の製造方法で
は、アルミニウム板1と銅板2を交互に積み重ねて積層
させ、この積層体3を加圧してビレット5を形成し、こ
のビレット5を熱間押出し加工により塑性変形させて、
アルミニウム部1aと銅部2aが同心円上に交互に配列
した多層Al−Cuワイヤ11に製造している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、母材表面の改質に用い
られる肉盛溶接用溶加材(TIG用溶接棒、MIG用溶
接ワイヤ)およびその製造方法に関するものである。
られる肉盛溶接用溶加材(TIG用溶接棒、MIG用溶
接ワイヤ)およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウムおよびアルミニ
ウム合金は、軽量で熱伝導性、加工性および耐食性に優
れていることから、自動車部品をはじめ巾広い分野で使
用されている。ところが、これらアルミニウムおよびア
ルミニウム合金は、一般に鉄鋼材料に比べて強度、耐摩
耗性、耐熱性が劣っており、素材そのままでは鉄鋼材料
の代替材料として適用できる部位や部品が限られるた
め、アルミニウムおよびアルミニウム合金の表面に硬質
肉盛金属を溶接したり、あるいは硬化層を形成するなど
の各種方法が提案されている。
ウム合金は、軽量で熱伝導性、加工性および耐食性に優
れていることから、自動車部品をはじめ巾広い分野で使
用されている。ところが、これらアルミニウムおよびア
ルミニウム合金は、一般に鉄鋼材料に比べて強度、耐摩
耗性、耐熱性が劣っており、素材そのままでは鉄鋼材料
の代替材料として適用できる部位や部品が限られるた
め、アルミニウムおよびアルミニウム合金の表面に硬質
肉盛金属を溶接したり、あるいは硬化層を形成するなど
の各種方法が提案されている。
【0003】このうち、特開平6ー23546号公報で
は、図8および図9に示すような電極ワイヤ51をMI
G溶接およびTIG溶接で溶融させて母材表面に肉盛溶
接を行っている。この電極ワイヤ51には、銅パイプ5
2中にアルミニウム棒53を挿入することにより形成し
た伸線が用いられている。また、特開平5ー28569
0号公報では、図10および図11に示すような溶接用
複合材61をTIG溶接で溶融させて母材表面に肉盛溶
接を行っている。この溶接用複合材61は、アルミニウ
ム棒62に銅板63を巻いて得られた伸線が用いられて
いる。
は、図8および図9に示すような電極ワイヤ51をMI
G溶接およびTIG溶接で溶融させて母材表面に肉盛溶
接を行っている。この電極ワイヤ51には、銅パイプ5
2中にアルミニウム棒53を挿入することにより形成し
た伸線が用いられている。また、特開平5ー28569
0号公報では、図10および図11に示すような溶接用
複合材61をTIG溶接で溶融させて母材表面に肉盛溶
接を行っている。この溶接用複合材61は、アルミニウ
ム棒62に銅板63を巻いて得られた伸線が用いられて
いる。
【0004】さらに、文献には、連続鋳造方法の一つで
あるOCC(Ohno Continuous Cas
ting)プロセスにて鋳造された図12および図13
に示す合金棒71をTIG溶接で溶融させて母材表面に
肉盛溶接を行っている。この合金棒71は、坩堝72中
のアルミニウムと銅から成る合金溶湯73を鋳型74内
に連続的に供給し、当該鋳型74により鋳造した棒状体
を外部の冷却装置75の冷却水にて凝固させることによ
り得られる。なお、図12において、76は合金溶湯7
3を加熱するヒータ、77は合金棒71を移送するロー
ラである。
あるOCC(Ohno Continuous Cas
ting)プロセスにて鋳造された図12および図13
に示す合金棒71をTIG溶接で溶融させて母材表面に
肉盛溶接を行っている。この合金棒71は、坩堝72中
のアルミニウムと銅から成る合金溶湯73を鋳型74内
に連続的に供給し、当該鋳型74により鋳造した棒状体
を外部の冷却装置75の冷却水にて凝固させることによ
り得られる。なお、図12において、76は合金溶湯7
3を加熱するヒータ、77は合金棒71を移送するロー
ラである。
【0005】そして、特開平6ー15482号公報で
は、図14および図15に示すような複合より線溶加材
81をMIG溶接およびTIG溶接で溶融させて母材表
面に肉盛溶接を行っている。この溶加材81は、アルミ
ニウム基材料からなる細線82と銅基材料からなる細線
83とをより合わせることによって形成されている。ま
た、特開平5ー169257号公報では、図16および
図17に示すような溶接ワイヤ91をMIG溶接で溶融
し、該溶接ワイヤ91の溶滴を先行のTIG溶接で溶融
された溶融層に加えて母材表面に肉盛溶接を行ってい
る。この溶接ワイヤ91は、アルミニウムパイプ92中
に銅粉末又は銅粒子93を充填して形成した伸線が用い
られている。さらに、特開平5ー337678号公報で
は、銅メッキが施されたアルミニウム棒をTIG溶接又
はMIG溶接で溶融させて母材表面に肉盛溶接を行って
いる。
は、図14および図15に示すような複合より線溶加材
81をMIG溶接およびTIG溶接で溶融させて母材表
面に肉盛溶接を行っている。この溶加材81は、アルミ
ニウム基材料からなる細線82と銅基材料からなる細線
83とをより合わせることによって形成されている。ま
た、特開平5ー169257号公報では、図16および
図17に示すような溶接ワイヤ91をMIG溶接で溶融
し、該溶接ワイヤ91の溶滴を先行のTIG溶接で溶融
された溶融層に加えて母材表面に肉盛溶接を行ってい
る。この溶接ワイヤ91は、アルミニウムパイプ92中
に銅粉末又は銅粒子93を充填して形成した伸線が用い
られている。さらに、特開平5ー337678号公報で
は、銅メッキが施されたアルミニウム棒をTIG溶接又
はMIG溶接で溶融させて母材表面に肉盛溶接を行って
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た電極ワイヤ51および溶接用複合材61を用いて母材
表面に肉盛溶接を行う方法にあっては、単層のものしか
製造できないので、肉盛溶接時にアルミニウム棒53,
62と銅パイプ52,63との合金化が不十分になり易
く、特に細径のワイヤでは外皮(この場合は銅)の割合
を低く抑えることが難しく、合金組成に限界を有してい
た。また、OCCプロセスの方法では、肉盛溶接に用い
る棒形状の合金棒71が比較的太径になり、MIG溶接
で使用できる細径のワイヤを製造することができないの
で、適用できる部位や部品が限られるおそれがあった。
しかも、Cu量が高くなると、ワイヤを鋳造した段階で
硬くて脆いCuAl2 相が晶出しているので、合金棒7
1自体が非常に脆くなり、その取扱いが困難であった。
た電極ワイヤ51および溶接用複合材61を用いて母材
表面に肉盛溶接を行う方法にあっては、単層のものしか
製造できないので、肉盛溶接時にアルミニウム棒53,
62と銅パイプ52,63との合金化が不十分になり易
く、特に細径のワイヤでは外皮(この場合は銅)の割合
を低く抑えることが難しく、合金組成に限界を有してい
た。また、OCCプロセスの方法では、肉盛溶接に用い
る棒形状の合金棒71が比較的太径になり、MIG溶接
で使用できる細径のワイヤを製造することができないの
で、適用できる部位や部品が限られるおそれがあった。
しかも、Cu量が高くなると、ワイヤを鋳造した段階で
硬くて脆いCuAl2 相が晶出しているので、合金棒7
1自体が非常に脆くなり、その取扱いが困難であった。
【0007】さらに、上述した複合より線溶加材81で
は、細線82,83同士を再びより合わせる必要がある
ため、コストが高くなるという欠点があった。また、溶
接ワイヤ91は、アルミニウムパイプ92中に銅粉末又
は銅粒子93を充填しているため、溶接時におけるスパ
ッターやブローホールの発生が多く、良好な肉盛溶接を
行うのは困難であった。そして、アルミニウム棒に銅メ
ッキを施す方法では、メッキ層の厚さに限界があるた
め、合成組成を自由にコントロールすることができなか
った。
は、細線82,83同士を再びより合わせる必要がある
ため、コストが高くなるという欠点があった。また、溶
接ワイヤ91は、アルミニウムパイプ92中に銅粉末又
は銅粒子93を充填しているため、溶接時におけるスパ
ッターやブローホールの発生が多く、良好な肉盛溶接を
行うのは困難であった。そして、アルミニウム棒に銅メ
ッキを施す方法では、メッキ層の厚さに限界があるた
め、合成組成を自由にコントロールすることができなか
った。
【0008】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、アルミニウムと銅が均一か
つ緻密に多層化し、アルミニウムと銅の組成比を任意に
コントロールすることができ、靭性に富み、取扱いが容
易である肉盛溶接用溶加材およびその製造方法を提供す
ることにある。
ものであって、その目的は、アルミニウムと銅が均一か
つ緻密に多層化し、アルミニウムと銅の組成比を任意に
コントロールすることができ、靭性に富み、取扱いが容
易である肉盛溶接用溶加材およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、本発明の要旨は、アルミニウム板
と銅板を交互に積み重ねて積層させ、この積層体を加圧
してビレットを形成し、該ビレットを熱間押出し加工に
より塑性変形させて、アルミニウムと銅が同心円上に交
互に配列した多層ワイヤに製造した肉盛溶接用溶加材の
製造方法にある。
題を解決するために、本発明の要旨は、アルミニウム板
と銅板を交互に積み重ねて積層させ、この積層体を加圧
してビレットを形成し、該ビレットを熱間押出し加工に
より塑性変形させて、アルミニウムと銅が同心円上に交
互に配列した多層ワイヤに製造した肉盛溶接用溶加材の
製造方法にある。
【0010】また、他の本発明の要旨は、上記発明の製
造方法によって製造される肉盛溶接用溶加材にある。
造方法によって製造される肉盛溶接用溶加材にある。
【0011】次に、本発明に係る肉盛溶接用溶加材の製
造方法について、製造プロセスに従って説明する。 (1) 原料 原料としては、純アルミニウム(Al)板またはアルミ
ニウム合金板と、純銅(Cu)板または銅合金板を用い
る。この場合、それぞれの板厚は10μm以上とする。
板厚が10μm以下では、板の剛性が無くなり取扱いが
困難である上、工業的にも入手が困難となるからであ
る。なお、アルミニウムと銅の組成比は、板厚を変化さ
せることにより、任意にコントロールすることが可能で
ある。
造方法について、製造プロセスに従って説明する。 (1) 原料 原料としては、純アルミニウム(Al)板またはアルミ
ニウム合金板と、純銅(Cu)板または銅合金板を用い
る。この場合、それぞれの板厚は10μm以上とする。
板厚が10μm以下では、板の剛性が無くなり取扱いが
困難である上、工業的にも入手が困難となるからであ
る。なお、アルミニウムと銅の組成比は、板厚を変化さ
せることにより、任意にコントロールすることが可能で
ある。
【0012】(2) 積層 アルミニウム板および銅板を脱脂・洗浄し、交互に積み
重ねた後、この積層体をアルミニウム製または銅製のケ
ースに封入する。ケースに封入するのは、積層体の取扱
いが容易になるからである。 (3) ビレットの作製 次いで、アルミニウム板と銅板を交互に積層させた積層
体をケースと一緒にプレス等で加圧することにより、緻
密化したビレットを作製する。このように緻密化するこ
とにより、次工程の押出し効率が向上する。
重ねた後、この積層体をアルミニウム製または銅製のケ
ースに封入する。ケースに封入するのは、積層体の取扱
いが容易になるからである。 (3) ビレットの作製 次いで、アルミニウム板と銅板を交互に積層させた積層
体をケースと一緒にプレス等で加圧することにより、緻
密化したビレットを作製する。このように緻密化するこ
とにより、次工程の押出し効率が向上する。
【0013】(4) 熱間押出し加工 得られたビレットを熱間押出し加工により塑性変形させ
て素材を作製する。押出しの際に、アルミニウム板およ
び銅板は塑性変形して、押出し方向にアルミニウムと銅
が均一かつ緻密に、なおかつ交互に配列した押出し素材
が得られる。ここで、押出し温度は200〜500゜
C、押出し比は5以上の条件で行うことが好ましい。こ
の時、押出し温度が200゜C以下では変形抵抗が大き
くなり、押出し効率が低下してしまう。一方、押出し温
度が500゜C以上では押出し時の摩擦熱でアルミニウ
ムと銅の共晶温度548゜Cを越えてしまい、CuAl
2 が生じて押出し素材が脆弱化することになるため、好
ましくない。以上の理由により、熱間押出し加工は、押
出し温度が200〜500゜Cの範囲で行う。また、押
出し比が5未満では塑性変形量が少なく、緻密な押出し
素材が得られないため、押出し比は5以上とする。
て素材を作製する。押出しの際に、アルミニウム板およ
び銅板は塑性変形して、押出し方向にアルミニウムと銅
が均一かつ緻密に、なおかつ交互に配列した押出し素材
が得られる。ここで、押出し温度は200〜500゜
C、押出し比は5以上の条件で行うことが好ましい。こ
の時、押出し温度が200゜C以下では変形抵抗が大き
くなり、押出し効率が低下してしまう。一方、押出し温
度が500゜C以上では押出し時の摩擦熱でアルミニウ
ムと銅の共晶温度548゜Cを越えてしまい、CuAl
2 が生じて押出し素材が脆弱化することになるため、好
ましくない。以上の理由により、熱間押出し加工は、押
出し温度が200〜500゜Cの範囲で行う。また、押
出し比が5未満では塑性変形量が少なく、緻密な押出し
素材が得られないため、押出し比は5以上とする。
【0014】(5) 肉盛溶接用溶加材 押出し加工により、アルミニウムと銅が同心円上に、ま
た均一かつ緻密に、交互に積層配列した多層Al−Cu
ワイヤが得られる。なお、この多層ワイヤをさらに伸線
加工を施して所望の径に細線化してもよい。
た均一かつ緻密に、交互に積層配列した多層Al−Cu
ワイヤが得られる。なお、この多層ワイヤをさらに伸線
加工を施して所望の径に細線化してもよい。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。
に説明する。
【0016】図1〜図7は本発明に係る肉盛溶接用溶加
材の製造方法の一実施例を説明するものである。まず、
原料として図1に示すようなアルミニウム板1と銅板2
を用意する。本実施例では、アルミニウム板1として厚
さ200μmのA1100板を用い、銅板2として厚さ
50μmのC1220板を用いている。次いで、これら
アルミニウム板1および銅板2をアセトンで脱脂し、図
2に示す如く、アルミニウム板1と銅板2の重量比が5
0:50となるように交互に積層することにより積層体
3を成形するとともに、アルミニウム製のケースに封入
する。そして、図3に示すように、この積層体3を乾式
プレス機4にセットし、該プレス機4で150MPaの
圧力を加えて、ビレット5を作製する。
材の製造方法の一実施例を説明するものである。まず、
原料として図1に示すようなアルミニウム板1と銅板2
を用意する。本実施例では、アルミニウム板1として厚
さ200μmのA1100板を用い、銅板2として厚さ
50μmのC1220板を用いている。次いで、これら
アルミニウム板1および銅板2をアセトンで脱脂し、図
2に示す如く、アルミニウム板1と銅板2の重量比が5
0:50となるように交互に積層することにより積層体
3を成形するとともに、アルミニウム製のケースに封入
する。そして、図3に示すように、この積層体3を乾式
プレス機4にセットし、該プレス機4で150MPaの
圧力を加えて、ビレット5を作製する。
【0017】しかる後、図4に示す如く、このビレット
5を押出しプレス機6内にセットする。すなわち、ビレ
ット5は、パンチ7の下部に設けた押し駒8と、出口9
を有するダイス10との間に入れられる。この状態で、
当該ビレット5を押出し温度450゜C、押出し比10
で押圧してダイス10の出口9から丸棒形状に押出せ
ば、図5に示すような多層Al−Cuワイヤ11の押出
し素材が得られた。この押出し素材の断面組織写真を示
したのが図6である。ここで、白色の部分がアルミニウ
ム部1aであって、灰色の部分が銅部2aであり、これ
らアルミニウム部1aと銅部2aが同心円上に、また均
一かつ緻密に、交互に配列された層状となっているのが
図6から判断できる。
5を押出しプレス機6内にセットする。すなわち、ビレ
ット5は、パンチ7の下部に設けた押し駒8と、出口9
を有するダイス10との間に入れられる。この状態で、
当該ビレット5を押出し温度450゜C、押出し比10
で押圧してダイス10の出口9から丸棒形状に押出せ
ば、図5に示すような多層Al−Cuワイヤ11の押出
し素材が得られた。この押出し素材の断面組織写真を示
したのが図6である。ここで、白色の部分がアルミニウ
ム部1aであって、灰色の部分が銅部2aであり、これ
らアルミニウム部1aと銅部2aが同心円上に、また均
一かつ緻密に、交互に配列された層状となっているのが
図6から判断できる。
【0018】また、上記押出し素材をさらに直径1.6
mmのワイヤに伸線した後、溶接電流が200A、溶接
速度が10mm/secの条件でMIG溶接にてAC4
Bの溶接母材に肉盛溶接を行ったところ、割れやブロー
ホールの無い健全な溶接ビードが得られた。図7は当該
溶接ビードの断面組織の顕微鏡写真であるが、α相(A
l)とθ相(CuAl2 )が微細かつ均一に晶出した組
織となっている。すなわち、アルミニウムと銅を多層と
することによって、偏析を生じていない均一なAlーC
u肉盛合金が得られる。しかも、硬いθ相が微細かつ均
一に晶出しているため、溶接ビード断面での硬さは、硬
さ試験を行ってみると、ビッカース硬さで平均Hv25
0であって、AC4Bの溶接母材のビッカース硬さHv
100に対して大幅に硬さが向上しており、耐摩耗性に
優れた合金層が形成されていた。
mmのワイヤに伸線した後、溶接電流が200A、溶接
速度が10mm/secの条件でMIG溶接にてAC4
Bの溶接母材に肉盛溶接を行ったところ、割れやブロー
ホールの無い健全な溶接ビードが得られた。図7は当該
溶接ビードの断面組織の顕微鏡写真であるが、α相(A
l)とθ相(CuAl2 )が微細かつ均一に晶出した組
織となっている。すなわち、アルミニウムと銅を多層と
することによって、偏析を生じていない均一なAlーC
u肉盛合金が得られる。しかも、硬いθ相が微細かつ均
一に晶出しているため、溶接ビード断面での硬さは、硬
さ試験を行ってみると、ビッカース硬さで平均Hv25
0であって、AC4Bの溶接母材のビッカース硬さHv
100に対して大幅に硬さが向上しており、耐摩耗性に
優れた合金層が形成されていた。
【0019】以上、本発明の各実施例につき述べたが、
本発明は既述の実施例に限定されるものではなく、本発
明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能
である。
本発明は既述の実施例に限定されるものではなく、本発
明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能
である。
【0020】
【発明の効果】上述の如く、本発明に係る肉盛溶接用溶
加材の製造方法は、アルミニウム板と銅板を交互に積み
重ねて積層させ、この積層体を加圧してビレットを形成
し、該ビレットを熱間押出し加工により塑性変形させ
て、アルミニウムと銅が同心円上に交互に配列した多層
ワイヤに製造しているので、アルミニウムと銅が均一か
つ緻密に多層化した押出し素材が得られ、しかも、熱間
押出し加工によって当該アルミニウムと銅が緻密に接合
させることができる。それに加えて、本発明の製造方法
によれば、アルミニウム板と銅板の板厚を変え得るた
め、アルミニウムと銅の組成比を任意にコントロールす
ることができ、巾広い分野に使用可能な肉盛溶接用溶加
材を製造できる。
加材の製造方法は、アルミニウム板と銅板を交互に積み
重ねて積層させ、この積層体を加圧してビレットを形成
し、該ビレットを熱間押出し加工により塑性変形させ
て、アルミニウムと銅が同心円上に交互に配列した多層
ワイヤに製造しているので、アルミニウムと銅が均一か
つ緻密に多層化した押出し素材が得られ、しかも、熱間
押出し加工によって当該アルミニウムと銅が緻密に接合
させることができる。それに加えて、本発明の製造方法
によれば、アルミニウム板と銅板の板厚を変え得るた
め、アルミニウムと銅の組成比を任意にコントロールす
ることができ、巾広い分野に使用可能な肉盛溶接用溶加
材を製造できる。
【0021】一方、他の本発明に係る肉盛溶接用溶加材
は、上記発明の製造方法によって製造されているので、
アルミニウムと銅が均一かつ緻密に多層化しており、肉
盛溶接時にアルミニウムと銅が均一に合金化し、CuA
l2 の分布が均一となっている。また、本発明の肉盛溶
接用溶加材は、熱間押出し加工によって緻密にアルミニ
ウムと銅が接合しているので、溶接時のブローホールの
発生が少なく、良好な肉盛溶接を行うことができる。さ
らに、本発明の肉盛溶接用溶加材は、ワイヤの段階では
アルミニウムと銅が合金化していないので、靭性に富
み、取扱いが容易である上、銅の含有量を高くとること
ができる。したがって、本発明の肉盛溶接用溶加材を用
いて、アルミニウム製シリンダヘッド燃焼室、ピストン
ヘッドおよびリング溝に肉盛溶接を行えば、耐熱性およ
び耐摩耗性を向上させ、ひいては出力の向上および燃費
の低減を図ることができる。
は、上記発明の製造方法によって製造されているので、
アルミニウムと銅が均一かつ緻密に多層化しており、肉
盛溶接時にアルミニウムと銅が均一に合金化し、CuA
l2 の分布が均一となっている。また、本発明の肉盛溶
接用溶加材は、熱間押出し加工によって緻密にアルミニ
ウムと銅が接合しているので、溶接時のブローホールの
発生が少なく、良好な肉盛溶接を行うことができる。さ
らに、本発明の肉盛溶接用溶加材は、ワイヤの段階では
アルミニウムと銅が合金化していないので、靭性に富
み、取扱いが容易である上、銅の含有量を高くとること
ができる。したがって、本発明の肉盛溶接用溶加材を用
いて、アルミニウム製シリンダヘッド燃焼室、ピストン
ヘッドおよびリング溝に肉盛溶接を行えば、耐熱性およ
び耐摩耗性を向上させ、ひいては出力の向上および燃費
の低減を図ることができる。
【図1】本発明の一実施例に係る肉盛溶接用溶加材の製
造方法において、原料として用いるアルミニウム板と銅
板を示す斜視図である。
造方法において、原料として用いるアルミニウム板と銅
板を示す斜視図である。
【図2】上記アルミニウム板と銅板を交互に積層した積
層体を示す斜視図である。
層体を示す斜視図である。
【図3】上記積層体を乾式プレス機で加圧してビレット
を作製している状態を示す断面図である。
を作製している状態を示す断面図である。
【図4】上記ビレットを押出しプレス機で熱間押出し加
工している状態を示す断面図である。
工している状態を示す断面図である。
【図5】本実施例の製造方法により製造された多層Al
−Cuワイヤを示す断面図である。
−Cuワイヤを示す断面図である。
【図6】押出し素材の断面組織を説明する50倍の写真
である。
である。
【図7】溶接ビードの断面組織を説明する400倍の顕
微鏡写真である。
微鏡写真である。
【図8】銅パイプ中にアルミニウム棒を挿入して形成し
た従来の電極ワイヤを示す斜視図である。
た従来の電極ワイヤを示す斜視図である。
【図9】上記電極ワイヤを示す断面図である。
【図10】アルミニウム棒に銅板を巻いて得られる従来
の溶接用複合材を示す斜視図である。
の溶接用複合材を示す斜視図である。
【図11】上記溶接用複合材を示す断面図である。
【図12】OCCプロセスによって従来の合金ワイヤを
鋳造している状態を示す概念図である。
鋳造している状態を示す概念図である。
【図13】上記合金ワイヤを示す断面図である。
【図14】2種類の細線をより合わせた状態の従来のよ
り線溶加材を示す斜視図である。
り線溶加材を示す斜視図である。
【図15】上記より線溶加材を示す断面図である。
【図16】アルミニウムパイプ中に銅粒子を入れて形成
した従来の電極ワイヤを示す斜視図である。
した従来の電極ワイヤを示す斜視図である。
【図17】上記電極ワイヤを示す断面図である。
1 アルミニウム板 1a アルミニウム部 2 銅板 2a 銅部 3 積層体 4 乾式プレス機 5 ビレット 6 押出しプレス機 11 多層Al−Cuワイヤ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】は、押出し素材の断面組織を説明する50倍の
顕微鏡写真である。
顕微鏡写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウム板と銅板を交互に積み重ね
て積層させ、この積層体を加圧してビレットを形成し、
該ビレットを熱間押出し加工により塑性変形させて、ア
ルミニウムと銅が同心円上に交互に配列した多層ワイヤ
に製造したことを特徴とする肉盛溶接用溶加材の製造方
法。 - 【請求項2】 請求項1の製造方法によって製造される
肉盛溶接用溶加材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30309794A JPH08141784A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 肉盛溶接用溶加材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30309794A JPH08141784A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 肉盛溶接用溶加材およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08141784A true JPH08141784A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17916862
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30309794A Pending JPH08141784A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 肉盛溶接用溶加材およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08141784A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112440026A (zh) * | 2020-11-10 | 2021-03-05 | 鄂尔多斯市特种设备检验所 | 一种改性奥氏体不锈钢堆焊焊条及其制备方法 |
| CN115864087A (zh) * | 2022-11-22 | 2023-03-28 | 中航锂电(洛阳)有限公司 | 导电排及其制备方法、电池装置及用电设备 |
-
1994
- 1994-11-11 JP JP30309794A patent/JPH08141784A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN112440026A (zh) * | 2020-11-10 | 2021-03-05 | 鄂尔多斯市特种设备检验所 | 一种改性奥氏体不锈钢堆焊焊条及其制备方法 |
| CN112440026B (zh) * | 2020-11-10 | 2022-05-10 | 鄂尔多斯市特种设备检验所 | 一种改性奥氏体不锈钢堆焊焊条及其制备方法 |
| CN115864087A (zh) * | 2022-11-22 | 2023-03-28 | 中航锂电(洛阳)有限公司 | 导电排及其制备方法、电池装置及用电设备 |
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