JPH0814285A - ブレーキバンド - Google Patents

ブレーキバンド

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JPH0814285A
JPH0814285A JP16772194A JP16772194A JPH0814285A JP H0814285 A JPH0814285 A JP H0814285A JP 16772194 A JP16772194 A JP 16772194A JP 16772194 A JP16772194 A JP 16772194A JP H0814285 A JPH0814285 A JP H0814285A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキドラムの正転時と逆転時の係合トル
クの差を少なくする。 【構成】 バンド形状の可撓性の裏金3と、裏金3の内
周面に接着された湿式摩擦材4と、ブレーキ作用時にお
けるブレーキドラムと湿式摩擦材4間のオイルを摩擦係
合領域外に排出するオイル排出手段であって、作動力が
適用されるアプライ側よりもアンカ側においてオイル排
出特性が相対的に高くされたオイル排出手段とを具備す
る。オイル排出手段は湿式摩擦材4に形成されたオイル
溝9、オイル溝9と連通して裏金3に形成されたオイル
穴10、湿式摩擦材4及び裏金3を貫通して形成された
貫通穴等からなり、それらの個数、大きさ、または配置
をアプライ側とアンカ側とで相違させて、アンカ側のオ
イル排出特性をアプライ側より高くする(アプライ側を
アンカ側よりも低くする)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の自動変速機等にお
いて使用されるブレーキバンドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の自動変速機においては、変速
は遊星歯車列の入力要素を連結、遮断し、また、反力要
素を固定、解放して行うため、多板クラッチ、多板ブレ
ーキ、ワンウエイクラッチ等に加えて、バンドブレーキ
が使用されている。特に、バンドブレーキは同寸法の多
板ブレーキに比べ、高い静的トルク容量が得られるこ
と、ドラムを制動する方向によってトルク容量が異なる
ため、アップシフトでの解放要素として好ましい変速特
性が得られることなどから、反力要素として広く使用さ
れている。そして、このようなバンドブレーキは、他の
変速機構の要素と共に、潤滑オイルとしてのATF(オ
ートマチックトランスミッションフルード)中で使用さ
れる。
【0003】図19はこの種のバンドブレーキの一般的
な構造を示す説明図である。
【0004】図19において、1は係合要素であるブレ
ーキドラム、2はブレーキバンドである。このブレーキ
バンド2は、薄い鋼板等からバンド形状に形成された可
撓性の裏金3と、この内周面のほぼ全面に接着された湿
式摩擦材4とから構成され、この湿式摩擦材4には一般
にペーパー系の摩擦材が使用される。また、ブレーキバ
ンド2の裏金3の両端部にはブラケット5,6が設けら
れ、ブレーキバンド2の両端は、これらのブラケット
5,6を介して、それぞれサーボアクチュエータ7とア
ンカ8に連結される。そして、サーボアクチュエータ7
を作動し、その作動力をアプライ側ブラケット5を介し
てブレーキバンド2の一端に適用することによって、ブ
レーキバンド2は、ドラム1の回りに締め付けられ、ド
ラム1と係合する。なお、図中にドラムの回転方向を示
すように、「正転」はブレーキバンド2がリーディング
状態となり、これに自己締付(セルフエナージ)作用が
働く回転方向であり、また、「逆転」はブレーキバンド
2がトレーリング状態となり、これに反締付け(ディエ
ナージ)作用が働く回転方向である。
【0005】そして、図20はこのようなバンドブレー
キに用いる従来のブレーキバンドの一例を、内周側、即
ち摩擦係合面側から見て示す斜視図である。なお、図2
0では、アクチュエータ7の作動力が適用される側(ア
プライ側)を左側とし、アンカ8に係止される側(アン
カ側)を右側にして描かれている。
【0006】図20のように、ブレーキバンド2には、
ブレーキ作用時におけるドラム1と湿式摩擦材4間のオ
イル(油膜)を摩擦係合領域外に排出するために、オイ
ル溝9やオイル穴10を設けることが普通である。この
オイル溝9は、湿式摩擦材4を打抜いて、切欠くことに
よって一般に形成される。このため、オイル溝9が設け
られた部分では裏金3が露出している。そしてこのオイ
ル溝9は、通常、バンド2の長さ方向に沿って、適宜の
間隔を置いて設けられる。また、オイル穴10は、オイ
ル溝9と連通して裏金3に形成され、一般に、オイル溝
9の長さ方向の中央に設けられる。このようなオイル溝
9及びオイル穴10を設けることによって、ドラム1と
湿式摩擦材4間のオイル(油膜)はこれらを介して裏金
3の外周側に排出され、その結果、ブレーキバンドとド
ラムとの摩擦係合特性が向上し、ブレーキの係合トルク
が増大する。なお、図20において、11は裏金3と湿
式摩擦材4とを接着する際の位置合わせのために、これ
らを貫通して形成されたセンタ穴である。このセンタ穴
11も、ドラム1と湿式摩擦材4間のオイルの排出を促
進する。
【0007】なお、これらのオイル溝9及びオイル穴1
0は、ブレーキバンド2の長さ方向に均一に分布するよ
うに配置され、したがって、それらのアプライ側とアン
カ側のパターンは、中心に対して対称に形成されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、ブレーキ
バンドにオイル溝やオイル穴等のオイル排出手段を設け
ることによって、ブレーキ作用時における湿式摩擦材と
ドラム間のオイル(油膜)の排出特性、即ち油膜切れ特
性が向上し、係合トルクを増大させることができる。ま
たそれと共に、オイルの排出特性はそれらのオイル排出
手段の開口面積の総和が大きい程高くなり、また、その
開口面積の総和が小さい程低くなるため、それらのオイ
ル排出手段の大きさ、個数等を増減することによって、
オイルの排出特性を変え、係合トルクを調整することも
できる。
【0009】ところで、ブレーキバンドの係合要素であ
るブレーキドラムを正転、逆転で使用する場合、正転時
にはセルフエナージ作用によって実際の作動力より高い
係合トルクが発生し、また逆に、逆転時にはディエナー
ジ作用によって実際の作動力より低い係合トルクが発生
する。そして、このように正転時と逆転時で係合トルク
が異なることによって、アップシフトを滑らかにするこ
とができる等の好ましい変速特性を得ることができる。
【0010】しかしながら、この正転時と逆転時の係合
トルクの差は、理想上からは、一般には大きすぎる傾向
にあるものであった。即ち、正転時の係合トルクを最適
に設定すると逆転時の係合トルクが不足となり、十分に
迅速な係合が得られず、また、逆転時の係合トルクを最
適に設定すると正転時の係合トルクが過剰となり、十分
に滑らかな係合が得られず、変速ショックが生じる等の
傾向があった。
【0011】また逆に、自動変速機の種類等によって
は、特に、比較的低い作動力でドラムブレーキが作動さ
れる場合、正転時と逆転時の係合トルクの差は少なすぎ
る傾向にある場合もあった。
【0012】このような場合、正転時と逆転時の係合ト
ルクを共に最適にすることは、ブレーキバンドに適用す
る作動力を正転時と逆転時とで独立して制御するように
すれば可能ではある。しかし、そのような制御は実際上
かなり困難なことであると共に、装置の多大なコストア
ップにもつながるものである。
【0013】そこで、本発明は、ブレーキドラムの正転
時と逆転時の係合トルクの差を少なくすることができる
ブレーキバンドの提供を第一の課題とするものである。
また、本発明は、ブレーキドラムの正転時と逆転時の係
合トルクの差を大きくすることができるブレーキバンド
の提供を第二の課題とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、オイル溝
やオイル穴等のオイル排出手段のパターンに着目して検
討を重ねた結果、ブレーキ作用時の係合特性は、ブレー
キドラムの正転時では主にアプライ側のオイル排出手段
によるオイル排出特性が影響し、また、ブレーキドラム
の逆転時では主にアンカ側のオイル排出手段によるオイ
ル排出特性が影響することを見出した。そして、オイル
排出手段のパターンをアプライ側とアンカ側とで適宜に
設定することによって正転時と逆転時の係合トルクを独
立して制御できること、したがって、オイル排出手段の
パターンをアプライ側とアンカ側とで相違させ、オイル
排出特性をアプライ側よりもアンカ側において相対的に
高くすること(オイル排出特性をアンカ側よりもアプラ
イ側において相対的に低くすること)によって、正転時
と逆転時の係合トルクの差を少なくすることができるこ
と、また、オイル排出特性をアンカ側よりもアプライ側
において相対的に高くすること(オイル排出特性をアプ
ライ側よりもアンカ側において相対的に低くすること)
によって、正転時と逆転時の係合トルクの差を大きくす
ることができることを確認した。
【0015】即ち、本発明の第一の課題を解決するため
の請求項1にかかるブレーキバンドは、バンド形状の可
撓性の裏金と、裏金の内周面に接着された湿式摩擦材
と、ブレーキ作用時におけるブレーキドラムと湿式摩擦
材間のオイルを摩擦係合領域外に排出するオイル排出手
段であって、作動力が適用されるアプライ側よりもアン
カ側においてオイル排出特性が相対的に高くされたオイ
ル排出手段とを具備するものである。
【0016】請求項2にかかるブレーキバンドは、請求
項1におけるオイル排出手段が、湿式摩擦材に形成され
たオイル溝、オイル溝と連通して裏金に形成されたオイ
ル穴、湿式摩擦材及び裏金を貫通して形成された貫通穴
のいずれか少なくとも一つを含み、それらの個数、大き
さ、または配置を作動力が適用されるアプライ側とアン
カ側とで相違させることによって、オイル排出特性をア
プライ側よりもアンカ側において相対的に高くしたもの
である。
【0017】また、本発明の第二の課題を解決するため
の請求項3にかかるブレーキバンドは、バンド形状の可
撓性の裏金と、裏金の内周面に接着された湿式摩擦材
と、ブレーキ作用時におけるブレーキドラムと湿式摩擦
材間のオイルを摩擦係合領域外に排出するオイル排出手
段であって、アンカ側よりも作動力が適用されるアプラ
イ側においてオイル排出特性が相対的に高くされたオイ
ル排出手段とを具備するものである。
【0018】請求項4にかかるブレーキバンドは、請求
項3におけるオイル排出手段が、湿式摩擦材に形成され
たオイル溝、オイル溝と連通して裏金に形成されたオイ
ル穴、湿式摩擦材及び裏金を貫通して形成された貫通穴
のいずれか少なくとも一つを含み、それらの個数、大き
さ、または配置を作動力が適用されるアプライ側とアン
カ側とで相違させることによって、オイル排出特性をア
ンカ側よりもアプライ側において相対的に高くしたもの
である。
【0019】更に、本発明の第一の課題を解決するため
の請求項5にかかるブレーキバンドは、バンド形状の可
撓性の裏金と、裏金の内周面に接着された湿式摩擦材
と、湿式摩擦材に形成され、作動力が適用されるアプラ
イ側の端部が閉鎖されると共にアンカ側の端部が裏金に
形成されたオイル穴と連通するかまたは湿式摩擦材の側
端に開放するオイル溝であって、湿式摩擦材の長さ方向
に均一に配列された複数のオイル溝とを具備するもので
ある。
【0020】
【作用】請求項1においては、オイル排出手段によるオ
イル排出特性を、作動力が適用されるアプライ側よりも
アンカ側において相対的に高くなるようにした(アンカ
側よりも作動力が適用されるアプライ側において相対的
に低くなるようにした)ので、後の実施例からも分かる
ように、ブーキドラムの正転時の係合トルクを低くする
ことができると同時にブレーキドラムの逆転時の係合ト
ルクを高くすることができ、それによって正転時と逆転
時の係合トルクの差を少なくすることができる。これ
は、ブレーキ作用時の係合特性は、ブレーキドラムの正
転時では主にアプライ側のオイル排出特性が影響し、ま
た、ブレーキドラムの逆転時では主にアンカ側のオイル
排出特性が影響するためである。
【0021】また、請求項2においては、請求項1のオ
イル排出手段を、湿式摩擦材に形成されたオイル溝、オ
イル溝と連通して裏金に形成されたオイル穴、湿式摩擦
材及び裏金を貫通して形成された貫通穴のいずれか少な
くとも一つからなるものとし、それらのオイル排出手段
の個数、大きさ、または配置を、作動力が適用されるア
プライ側とアンカ側とで相違させることによって、オイ
ル排出特性がアプライ側よりもアンカ側において相対的
に高くなるようにした(オイル排出特性がアンカ側より
もアプライ側において相対的に低くなるようにした)の
で、請求項1の場合と同様に、正転時と逆転時の係合ト
ルクの差を少なくすることができる。
【0022】請求項3においては、オイル排出手段によ
るオイル排出特性を、アンカ側よりも作動力が適用され
るアプライ側において相対的に高くなるようにした(作
動力が適用されるアプライ側よりもアンカ側において相
対的に低くなるようにした)ので、請求項1の場合とは
反対に、ブレーキドラムの正転時の係合トルクを高くす
ることができると同時にブレーキドラムの逆転時の係合
トルクを低くすることができ、それによって正転時と逆
転時の係合トルクの差を大きくすることができる。
【0023】請求項4においては、請求項3のオイル排
出手段を、湿式摩擦材に形成されたオイル溝、オイル溝
と連通して裏金に形成されたオイル穴、湿式摩擦材及び
裏金を貫通して形成された貫通穴のいずれか少なくとも
一つからなるものとし、それらのオイル排出手段の個
数、大きさ、または配置を、作動力が適用されるアプラ
イ側とアンカ側とで相違させることによって、オイル排
出特性がアンカ側よりもアプライ側において相対的に高
くなるようにした(オイル排出特性がアプライ側よりも
アンカ側において相対的に低くなるようにした)ので、
請求項3の場合と同様に、ブレーキドラムの正転時と逆
転時の係合トルクの差を大きくすることができる。
【0024】請求項5においては、オイル溝のアプライ
側の端部は閉鎖されているので、ブレーキドラムの正転
時にはオイルが排出され難く、そのため係合トルクが比
較的低くなる。またそれと共に、ブレーキドラムの逆転
時には、オイル溝のアンカ側の端部は裏金に形成された
オイル穴と連通するかまたは湿式摩擦材の側端に開放し
ているので、オイルが排出され易く、そのため係合トル
クが比較的高くなる。したがって、正転時と逆転時の係
合トルクの差を少なくすることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0026】〈第1実施例〉図1は本発明の第1実施例
のブレーキバンドの摩擦係合面を、従来例及び比較例と
共に示す平面図である。そして、図1の(a)がその第
1実施例、(b)が従来例、(c)が比較例である。
【0027】図1(a)において、図19及び図20の
従来例と同一の符号は同一または相当する部分を示し、
本実施例のブレーキバンド2は、従来例と同様に、バン
ド形状の可撓性の裏金3(図においては背面側になるた
め、一部しか現れない)と、裏金3の内周面側、即ち係
合面側のほぼ全面に接着された湿式摩擦材4から構成さ
れている。そして、このブレーキバンド2には、湿式摩
擦材4の切欠きからなるオイル溝9が合計4個形成さ
れ、更に、これらのオイル溝9の中央には、裏金3を貫
通するオイル穴10がそれぞれ形成されている。また、
ブレーキバンド2の中央には、湿式摩擦材4及び裏金3
の接着接合時の位置合わせのためのセンタ穴11が、こ
れらを貫通して設けられている。
【0028】なお、図1において、ブレーキバンド2の
摩擦係合面は、アクチュエータの作動力が適用される側
(アプライ側)を左側に、また、アンカに係止される側
(アンカ側)を右側にして記載されている(なお以下の
図においても、同様に記載される)。また、同図にはブ
レーキドラムの回転方向も合わせて記載され、ドラム
は、正転時にはアンカ側からアプライ側の方向に、逆転
時にはアプライ側からアンカ側の方向に回転する。
【0029】これらのオイル溝9及びオイル穴10は、
前述のように、ブレーキ作用時における湿式摩擦材とド
ラム間のオイル(油膜)を摩擦係合領域外に排出し、そ
れによって、ブレーキバンド2とブレーキドラムとの係
合特性を高める。ここで、本実施例は、所定の作動力の
もとでのドラムの逆転時の係合トルクが最適値である図
1(b)の従来例を基礎としてそれらのオイル溝9及び
オイル穴10のパターンを変更し、ブレーキドラムの正
転時の係合トルクを10%程度低下させて、変速時の最
適なフィーリングが得られるようにしたものである。
【0030】即ち、本実施例は、図1(b)の従来例の
ブレーキバンド2において、センタ穴11のある中央よ
りもアプライ側に位置する2個のオイル溝9の長さを2
/3にしたものである。このため、本実施例では、オイ
ル溝9のパターンは、バンド2の長さ方向中央を中心と
してアプライ側とアンカ側とで非対称に形成されてい
る。なお、オイル穴10の径及びその他は従来例と同じ
であり、また、アプライ側とアンカ側とで対称である。
【0031】次の表1は、本実施例のブレーキバンド2
の係合特性(初期係合トルク)を、従来例及び比較例と
共に測定した結果を示すものである。なお、比較例は図
1(c)のように、図1(b)の従来のオイル溝9の長
さを全て2/3にしたものである。
【0032】
【表1】
【0033】この表1の結果に示されるように、本実施
例のブレーキバンドによれば、従来のブレーキバンドの
逆転時の係合トルクを低下させることなく、正転時の係
合トルクを目標値に低下させることができた。これに対
して、オイル溝9の全てを従来例の2/3にした比較例
(c)では、正転時の係合トルクを目標値に低下させる
ことができたが、同時に、逆転時の係合トルクも低下す
るものであった。
【0034】そして、これらの実施例、従来例、及び比
較例のオイル溝9のパターンと係合トルク特性との関係
から、ブレーキドラムの正転時の係合特性はアプライ側
のパターンが主に影響し、また、ブレーキドラムの逆転
時の係合特性はアンカ側のパターンが主に影響すること
が分かる。そのため、アプライ側のパターンとアンカ側
のパターンとを適宜に調整することによって、ブレーキ
ドラムの正転時と逆転時の係合特性を独立的に制御し、
設定できることも分かる。
【0035】このように、本実施例のブレーキバンド2
は、バンド形状の可撓性の裏金3と、この裏金3の内周
面に接着された湿式摩擦材4と、ブレーキ作用時におけ
る湿式摩擦材とドラム間のオイル(油膜)を排出するた
めのオイル溝9及びオイル穴10とを具備し、そのオイ
ル溝9の面積を作動力が適用されるアプライ側とアンカ
側とで相違させ、アプライ側よりもアンカ側において大
きくした(アンカ側よりもアプライ側においてアンカ側
よりも小さくした)ものである。このため、オイル排出
特性がアプライ側よりもアンカ側において高められ(ア
ンカ側よりもアプライ側において低められ)、その結
果、ドラムの正転時と逆転時の係合トルクの差を少なく
することができ、ドラムの正転時の係合トルクを低める
ことができると同時に、ドラムの逆転時の係合トルクを
高く維持することができる。そして、このような係合ト
ルクの目標値への調整は、オイル溝9の開口面積を変え
るだけで容易に行うことができ、しかも、正転時または
逆転時のいずれかの係合トルクが最適であるものを基礎
とすることによって、その係合トルクの調整は更に容易
となる。
【0036】このように、オイル溝9のパターンをアプ
ライ側とアンカ側とで変えることによって、正転時と逆
転時の係合トルクの差を少なくすることができ、それに
よって、それらを適切な値に調整することができる。そ
して、このようにオイル溝9のパターンをアプライ側と
アンカ側とで変えることは、種々の態様において行うこ
とができる。以下に、その典型的な例を示す。
【0037】〈第2実施例〉図2は本発明の第2実施例
のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図である。な
お、図中、第1実施例と同一または相当する部分には同
一の符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
【0038】図2のように、本実施例のブレーキバンド
2においては、同じ大きさのオイル溝9が、センタ穴1
1が設けられているバンド2の長さ方向の中心からアプ
ライ側では1個、アンカ側では2個形成されている。こ
のオイル溝9のパターンは、図1(b)の従来のブレー
キバンド2の左右対称のオイル溝9のパターンにおい
て、アプライ側のオイル溝9を1個に減らしたものに相
当する。
【0039】このように、オイル溝9の個数がアンカ側
よりもアプライ側で少なくされているので、その開口面
積の総和はアンカ側がアプライ側よりも大きく、したが
って、オイルの排出特性はアプライ側よりもアンカ側が
より高い。そして、本実施例によれば、第1実施例と同
様に、逆転時の係合トルクを維持したままで正転時の係
合トルクを低めることができる。
【0040】〈第3実施例〉図3は本発明の第3実施例
のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【0041】図3のように、本実施例のブレーキバンド
2は同じ大きさのオイル溝9をアプライ側に2個、アン
カ側に4個設けたものである。即ち、このオイル溝9の
パターンは、図1(b)の従来のブレーキバンド2の左
右対称のオイル溝9のパターンにおいて、アプライ側の
オイル溝9の個数を減らすことに代えて、アンカ側のオ
イル溝9の個数を増加したものである。
【0042】したがって、このオイル溝9のパターンに
よれば、アンカ側のオイル溝9の開口面積の総和が大き
くされ、アンカ側のオイルの排出特性が高められてい
る。そのため、ドラム正転時の係合トルクを維持しつ
つ、逆転時の係合トルクを高めることができる。そし
て、ブレーキ作動力を適切に減じることによって、第1
実施例の場合とほぼ同じ係合トルク値を得ることができ
る。
【0043】〈第4実施例〉図4は本発明の第4実施例
のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【0044】図4のように、本実施例のブレーキバンド
2はバンドの中央よりもアプライ側にオイル溝9を形成
しないものである。したがって、本実施例の場合には、
正転時の係合トルクを最大限に低下させることができ
る。しかし、アンカ側には第1、第2実施例と同様に2
個のオイル溝9を備えるので、逆転時の係合トルクはそ
のまま維持することができる。
【0045】以上の第1実施例乃至第4実施例のオイル
溝9はブレーキバンド2の長さ方向に平行に形成したも
のであるが、このようなオイル溝9は、ブレーキバンド
2の幅方向に形成することも、またブレーキバンド2の
長さ方向に対して傾斜して形成することもできる。
【0046】〈第5実施例〉図5は本発明の第5実施例
のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【0047】図5のように、本実施例のブレーキバンド
2は、バンド形状の可撓性の裏金3と、この裏金3の内
周面に接着された湿式摩擦材4と、ブレーキ作用時にお
ける湿式摩擦材4とドラム間のオイル(油膜)を排出す
るためのオイル溝9及びオイル穴10とを含む。そし
て、このオイル溝9は、ブレーキバンド2の長さ方向に
傾斜したものとして湿式摩擦材4に形成されている。ま
た、オイル穴10は、これまでの実施例と同様に、オイ
ル溝9の中央に設けられている。
【0048】このようなブレーキバンド2の長さ方向に
傾斜したオイル溝9は、湿式摩擦材4とブレーキドラム
間のオイルを幅方向に広い範囲で排出できるために、バ
ンド2の長さ方向に平行な同じ大きさのオイル溝に比較
して、より高いオイル排出特性を有する。そして、本実
施例においては、この傾斜したオイル溝9が、バンド2
の長さ方向中心よりアプライ側では2個、またアンカ側
では3個設けられている。したがって、ブレーキバンド
2の中心からアプライ側のオイル溝9の開口面積の総和
は、アンカ側の領域のオイル溝9の開口面積の総和より
も小さい。このため、これまでの実施例と同様に、正転
時の係合特性は主にアプライ側の排出特性が支配的であ
るために比較的低く、また逆転時の係合特性は主にアン
カ側の排出特性が支配的であるために比較的高いので、
正転時と逆転時の係合トルクの差を少なくすることがで
きる。
【0049】〈第6実施例〉図6は本発明の第6実施例
のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【0050】図6のように、本第6実施例のブレーキバ
ンド2は、第5実施例では傾斜したオイル溝9を一方向
の向きで配列したのに対して、オイル溝9の傾斜の向き
を順次変えてバンド2の長さ方向に配列したものであ
る。このような配列によれば、ブレーキドラムとの摩擦
係合時に、ブレーキバンド2に横方向の力、或いは捩り
力が発生することが防止できる。ただ、オイル溝9が均
一に分布されるという点では、第5実施例のような配列
が好ましい。
【0051】そして、本実施例では、オイル溝9がバン
ド2の長さ方向中心よりアプライ側では2個、またアン
カ側では4個設けられている。したがって、オイル溝9
の開口面積の総和はアンカ側がアプライ側の2倍であ
り、アンカ側のオイルの排出特性はアプライ側よりも高
くされている。このため、同様に、正転時と逆転時の係
合トルクの差を少なくすることができる。
【0052】〈第7実施例〉図7は本発明の第7実施例
のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【0053】図7のように、本実施例のブレーキバンド
2は、バンド2の長さ方向中心よりもアプライ側のオイ
ル溝9をバンド2の長さ方向に平行なものとし、また、
アンカ側のオイル溝9をバンド2の長さ方向に対して傾
斜したものとしたものである。そして、これまでの実施
例ではアンカ側のオイル溝の開口面積の総和をアプライ
側よりも大きくしているのに対し、本実施例ではオイル
溝9の大きさ、個数はアプライ側とアンカ側とで同じで
あり、したがってオイル溝9の開口面積の総和もほぼ等
しい。しかし、オイル溝9の配置の相違により、アンカ
側でのオイル排出特性はアプライ側よりも高い。そのた
め、本実施例によれば、これまでの実施例と同様に、ブ
レーキドラムの正転時と逆転時の係合トルクの差を少な
くすることができる。
【0054】〈第8実施例〉図8は本発明の第8実施例
のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【0055】第7実施例のオイル溝9のパターンによれ
ば、排出特性の高いオイル溝9をアンカ側に設けたた
め、アンカ側のオイル排出特性をアプライ側よりも高く
することができる。しかし、その高くすることができる
程度にも限界がある。そこで、図8のように、本第8実
施例のブレーキバンド2は、アンカ側の傾斜したオイル
溝9の個数を増加して4個としたものである。
【0056】したがって、本実施例によれば、アンカ側
のオイル溝9の開口面積の総和を大きくしているので、
第7実施例の場合よりも逆転時の係合特性を更に高める
ことができる。しかも、アンカ側のオイル溝9はバンド
2の長さ方向に対して傾斜したオイル排出特性の高いも
のであるため、大きさが同じであるとすれば、図3の第
3実施例の場合よりも高い逆転時の係合トルクを得るこ
とができる。
【0057】なお、以上の実施例はオイル溝9のパター
ンをアプライ側とアンカ側で相違させたものであるが、
オイル穴10のパターンを変えることもできる。
【0058】〈第9、第10実施例〉図9は本発明の第
9、第10実施例のブレーキバンドの係合面を、従来例
及び比較例と共に示す平面図である。そして、図9の
(a)はその第9実施例、(b)は第10実施例、
(c)は従来例、(d)は比較例である。
【0059】図9(a)(b)のように、本第9、第1
0実施例のブレーキバンド2は、これまでの実施例と同
様に、バンド形状の可撓性の裏金3と、湿式摩擦材4
と、オイル排出手段であるオイル溝9及びオイル穴10
を含む。そして、これらの第9、第10実施例は、第1
実施例の場合と同様に、図9(c)の従来例を基礎とし
てオイル排出手段のパターンを変更し、ブレーキドラム
の逆転時の係合トルク特性を維持したままで、正転時の
係合トルクを少しだけ低下させることを具体的に目的と
したものである。
【0060】このために、図9(a)の第9実施例で
は、図9(c)の従来例において、ブレーキバンド2の
中央よりアプライ側のオイル穴10の径を1/3にして
いる。また、図9(b)の第10実施例は、その第9実
施例のアプライ側の小径のオイル穴10を、更にアンカ
側の方向にズラし、オイル溝9のアンカ側端部に配置し
たものである。なお、オイル溝9の大きさは変更がな
く、これらはバンド2の中心に対してアプライ側とアン
カ側とで対称に形成されている。
【0061】そして、これらの排出手段のパターンを有
するブレーキバンド2について、オイル穴10の径を全
て1/3にした図9(d)の比較例のブレーキバンド2
と共に、その係合トルク(初期係合トルク)を測定し
た。その結果は、次の通りである。
【0062】
【表2】
【0063】この表2の結果に示されるように、第9、
第10実施例のブレーキバンドによれば、従来のブレー
キバンドの逆転時の係合トルクを低下させることなく、
正転時の係合トルクを低下させることができた。そし
て、特に、第10実施例(b)によれば、要求される目
標値を達成できるものであった。これに対して、全ての
オイル穴10の径を従来例の1/3に縮小した比較例
(d)では、正転時の係合トルクを低下させることがで
きたが、同時に、逆転時の係合トルクも低下させるもの
であった。
【0064】このように、図9(a)の第9実施例のブ
レーキバンド2は、第1実施例ではアプライ側のオイル
溝9の長さ(開口面積)をアンカ側よりも小さくしたの
に対し、アプライ側のオイル穴10の径(開口面積)を
アンカ側よりも小さくしたものである。したがって、こ
れによっても、ブレーキドラムの正転時の係合特性に特
に影響するアプライ側のオイル排出特性が低下されるの
で、第1実施例の場合と同様に、ブレーキドラムの正転
時の係合トルクを低下させ、その正転時と逆転時の係合
トルクの差を小さくすることができる。
【0065】また、図2(b)の第10実施例のブレー
キバンド2は、アプライ側のオイル穴10の径(開口面
積)を小さくすることによってオイルの排出特性を低下
することに加えて、そのオイル穴10の位置をオイル溝
9内のアンカ側の端部としたものである。したがって、
このようにオイル穴10が配置されているので、ブレー
キドラムがアンカ側からアプライ側に向けて回転する正
転時には、オイルはオイル溝9内でアプライ側の閉鎖さ
れた端部に向かうため排出され難くなっている。そのた
め、正転時にはアプライ側のオイル排出特性が更に低下
され、正転時の係合トルクを更に低下することができ
る。なお、逆転時には、これと反対にオイルの排出特性
が高められるが、逆転時の係合トルクはアプライ側のオ
イル排出特性によっては余り影響されないため、実質的
に増加しない。このようにオイル穴10の配置を変える
ことによっても、正転時のアプライ側のオイル排出特性
をアンカ側よりも低下させることができ、それによっ
て、正転時と逆転時の係合トルクの差を小さくすること
ができる。
【0066】〈第11実施例〉図10は本発明の第11
実施例のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図であ
る。
【0067】本第11実施例は図9(b)の第10実施
例を変形したものである。即ち、図10のように、本実
施例のブレーキバンド2はアンカ側のオイル穴10を、
第10実施例では各オイル溝9の中央に設けたのに対し
て、各オイル溝9の両端に設けたものである。このよう
に、オイル穴10をオイル溝9のバンド2の長さ方向に
沿った両端に設けることによって、合計面積が同じの単
一のオイル穴10をオイル溝9の中央に設ける場合に比
較して、より高いオイルの排出効果を得ることができ
る。
【0068】そして、本実施例では、ブレーキバンド2
の長さ方向の中心よりもアンカ側のオイル穴10の開口
面積の総和は、その個数が多いためにアプライ側よりも
大きく、そのため、オイルの排出特性はアンカ側がアプ
ライ側よりも高くなっている。しかも、アプライ側のオ
イル穴10は、第10実施例の場合と同様に、正転時の
オイルの排出特性が低くなるように、オイル溝9のアン
カ側の端部に形成されている。したがって、本実施例に
よれば、第10実施例と同じ効果を得ることができる。
【0069】〈第12実施例〉図11は本発明の第12
実施例のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図であ
る。
【0070】図11のように、本第12実施例のブレー
キバンド2は、オイル溝9を更に変形し、その一端が湿
式摩擦材4の側端に解放するように形成したものであ
る。このようなオイル溝9によれば、オイル溝9内のオ
イルはその開放した端部から摩擦係合領域外に排出され
るため、オイル穴10がその分不要となる。
【0071】そして、本実施例のブレーキバンド2にお
いて、このオイル溝9は湿式摩擦材4の側端からその幅
方向のほぼ中央部までアプライ側の方向に斜めに形成さ
れ、ブレーキバンド2の長さ方向に千鳥状に配列されて
いる。また、バンド2の長さ方向中心からアンカ側の領
域のオイル溝9には、その閉鎖側端部にオイル穴10が
それぞれ形成されている。これに対して、アプライ側の
オイル溝9にはオイル穴10は形成されていない。した
がって、アンカ側のオイルの排出特性はオイル穴10の
ないアプライ側よりも高く、また、アプライ側のオイル
溝9はアプライ側方向の端部が閉鎖されているために、
正転時のオイルの排出特性が低い。そのため、本実施例
によれば、第10,11実施例の場合と同じ効果が得ら
れ、正転時と逆転時の係合トルクの差の少ないブレーキ
バンドを得ることができる。
【0072】〈第13実施例〉図12は本発明の第13
実施例のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図であ
る。
【0073】本第13実施例のブレーキバンド2は、第
12実施例のオイル溝9を変形したものである。即ち、
図12のように、本実施例のオイル溝9はL字状の形状
を有し、ブレーキバンド2の長さ方向に平行な溝部分と
その一端から直角に曲がり湿式摩擦材4の側端に開放す
る溝部分とからなる。
【0074】そして、第12実施例の場合と同様に、バ
ンド2の長さ方向中心からアンカ側の領域のオイル溝9
には、その閉鎖側端部にオイル穴10がそれぞれ形成さ
れているのに対して、アプライ側のオイル溝9にはオイ
ル穴10は形成されていない。また、アプライ側のオイ
ル溝9の閉鎖された端部は、アプライ側の方向に向けら
れている。したがって、本実施例の効果は第12実施例
と同じであり、ブレーキドラムの正転時と逆転時の係合
トルクの差を少なくすることができる。
【0075】〈第14実施例〉図13は本発明の第14
実施例のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図であ
る。
【0076】本第14実施例は、これまでの実施例とは
異なり、オイル排出手段を、湿式摩擦材4と裏金3とを
貫通して形成された貫通孔12として形成したものであ
る。このため、図13においては、ブレーキバンド2の
裏金3は表面に現れていない。このような貫通穴12に
よれば、オイルによる摩擦係合面の高い冷却効果が得ら
れる。
【0077】そして、本実施例のブレーキバンド2で
は、このような貫通穴12が、ブレーキバンド2の長さ
方向中心からアンカ側の領域において、アプライ側の領
域よりも数多く設けられている。即ち、複数の貫通穴1
2からなるオイル排出手段の開口面積の総和はアプライ
側よりもアンカ側が大きく、オイルの排出特性がアプラ
イ側よりもアンカ側において相対的に高くされている。
したがって、本実施例のブレーキバンド2によれば、こ
れまでの実施例と同様に、ブレーキドラムの正転時と逆
転時の係合トルクの差を少なくし、正転時の係合トルク
を低くすることができると同時に逆転時の係合トルクを
高くすることができる。
【0078】以上、ブレーキドラムの正転時と逆転時の
係合トルクの差を少なくすることができる本発明のブレ
ーキバンドについて、特にオイル排出手段とそのパター
ンに関して典型的な実施例のいくらかを説明したが、オ
イル溝9、オイル穴10、貫通穴12等のオイル排出手
段はその他の任意の形状であることができ、また、オイ
ル排出手段としては、ブレーキ作用時におけるブレーキ
ドラムと湿式摩擦材間のオイルを摩擦係合領域外に排出
するものであれば、その他のどのようなものでもよく、
例えば、裏金にブラケットを設ける際に形成される穴が
利用されてもよい。また、それらのオイル排出手段は任
意の組合わせが可能である。
【0079】そして、それらのオイル排出手段からなる
パターンは、それらのオイル排出手段の個数、大きさ、
配置等をブレーキバンドの長さ方向中心に対してアプラ
イ側とアンカ側とで非対称に相違させ、それらのオイル
排出手段によるオイル排出特性がアプライ側よりもアン
カ側において相対的に高くなるようにしたものであれ
ば、どのようなパターンでもよい。特に、実施例ではブ
レーキバンドの長さ方向中心からアプライ側またはアン
カ側の全領域のパターンを互いに相違させたが、それら
の一部の領域のパターンのみを互いに相違させることも
できる。しかし、そのパターンを互いに相違させる領域
範囲は、アプライ側またはアンカ側の端部からバンドの
長さの半分の少なくとも1/3以上であることが好まし
く、また1/2以上であることがより好ましい。そし
て、最も好ましいのは、実施例のようにバンドの長さの
半分の全領域、即ちバンドの長さ方向中心からアプライ
側またはアンカ側の全領域のパターンを互いに相違させ
ることである。それによって、より幅広い係合特性の調
整が可能である。
【0080】なお、以上の第1実施例乃至第14実施例
は請求項1,2の態様に相当するものである。
【0081】ところで、これらの実施例はブレーキドラ
ムの正転時と逆転時の係合トルクの差を少なくすること
を目的とするものであるが、これらについての今までの
説明から、それらの実施例の排出手段をアプライ側とア
ンカ側とで正反対にし、アンカ側よりもアプライ側にお
いてオイル排出特性が高くなるようにすれば、ブレーキ
ドラムの正転時と逆転時の係合トルクの差を逆に大きく
できることが分かる。これについて、以下実施例を挙げ
て説明する。
【0082】〈第15実施例〉図14は本発明の第15
実施例のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図であ
る。
【0083】図14のように、本第15実施例のブレー
キバンド2は、図1(a)の第1実施例のオイル排出手
段のパターンを、アプライ側とアンカ側で正反対にした
ものである。即ち、本実施例のブレーキバンド2は、第
1実施例と同様に、バンド形状の可撓性の裏金3と、こ
の裏金3の内周面に接着された湿式摩擦材4と、オイル
排出手段として湿式摩擦材4に形成された4個のオイル
溝9とを備え、この各オイル溝9の中央には裏金3を貫
通するオイル穴10が形成されている。ここで、センタ
穴11のあるバンド2の長さ方向中央からアンカ側に位
置する2個のオイル溝9は、アプライ側のオイル溝9よ
りも長さが短く、その2/3の長さに形成されている。
したがって、アンカ側のオイル溝9の開口面積の総和は
アプライ側のそれの2/3であり、アンカ側のオイルの
排出特性はアプライ側よりも低くされている。
【0084】そして、このオイル溝9のパターンを有す
る本実施例について、その係合特性(初期係合トルク)
を第1実施例の場合と同じ条件で測定したところ、ブレ
ーキドラムの正転時の係合トルクは15kg・m、逆転
時の係合トルクは5kg・mであった。このように、ド
ラムの正転時の係合特性は主にアプライ側のオイル排出
特性が影響し、またドラムの逆転時の係合特性は主にア
ンカ側のオイル排出特性が影響するため、アンカ側のオ
イルの排出特性が低くされた本実施例では、逆転時の係
合トルクが低下し、ドラムの正転時と逆転時の係合トル
クの差が大きくなっている。
【0085】このように、アプライ側のオイル排出特性
をアンカ側よりも相対的に高くすることによって、ブレ
ーキドラムの正転時と逆転時の係合トルクの差を大きく
することができる。そして、アプライ側のオイル排出特
性をアンカ側よりも相対的に高くすることは、前述の第
1実施例乃至第14実施例の場合と同様に、オイル溝、
オイル穴、貫通穴等のオイル排出手段の個数、大きさ、
配置をアプライ側とアンカ側とで相違させることによっ
て、種々の態様で実施することができる。なお、この場
合、図9(b)、図10乃至図12の第10実施例乃至
第13実施例における一端が閉鎖されたオイル溝9は、
その閉鎖側端部をアンカ側に向けて配置される。また、
オイル排出手段のパターンをアプライ側とアンカ側とで
互いに相違させる領域範囲は、アプライ側またはアンカ
側の端部からバンドの長さの半分の少なくとも1/3以
上であることが好ましいこと等は、既に説明したとおり
である。
【0086】なお、以上の第15実施例は請求項3,4
の態様に相当するものである。
【0087】ところでまた、前述の第10実施例乃至第
13実施例から分かるように、オイル溝として、ブレー
キドラムの正転時と逆転時とでオイルの排出特性が異な
るオイル溝、即ち、ブレーキバンド2の長さ方向の一端
が湿式摩擦材4の側端に開放されているかまたはオイル
穴10に連通されると共に他端が閉鎖されているオイル
溝9を採用することによって、アプライ側とアンカ側と
のオイル排出特性を相違させないでも、正転時と逆転時
の係合トルクの差を少なくすることが可能である。以
下、その典型的な例を説明する。
【0088】〈第16実施例〉図15は本発明の第16
実施例のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図であ
る。
【0089】図15のように、本第16実施例のブレー
キバンド2は、図11の第12実施例におけるオイル穴
10を省いたものに相当し、バンド形状の可撓性の裏金
3と裏金3の内周面に接着された湿式摩擦材4と、更
に、湿式摩擦材4に形成されたオイル排出手段としての
オイル溝9とを備える。そして、このオイル溝9は、湿
式摩擦材4の側端からその幅方向のほぼ中央部まで、ア
プライ側の方向に斜めに向かって延びて終端している。
したがって、このオイル溝9のアンカ側の方向の端部は
湿式摩擦材4の側端に解放しているが、アプライ側の方
向の端部は閉鎖されている。そして複数の、ここでは6
本のこのようなオイル溝9が、バンドの長さ方向に、千
鳥状に均一に配列されている。このため、この複数のオ
イル溝9からなるパターンは、アプライ側とアンカ側と
で同じである。
【0090】このようにオイル溝9はそのアプライ側の
方向の端部が閉鎖された状態にあるため、ブレーキドラ
ムがアプライ側の方向に回転する正転時には、オイルが
排出され難い。また逆に、オイル溝9のアンカ側の方向
の端部は解放されているので、ブレーキドラムがアンカ
側の方向に回転する逆転時には、オイルが排出され易く
なっている。そのため、ブレーキドラムの正転時にはオ
イルの排出特性が悪いので、係合トルクが比較的低くな
り、また、ブレーキドラムの逆転時にはオイルの排出特
性がよいので、係合トルクが比較的高くなる。したがっ
て、正転時の係合トルクを低めると共に逆転時の係合ト
ルクを高めることができ、その差を少なくすることがで
きる。
【0091】〈第17実施例〉図16は本発明の第17
実施例のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図であ
る。
【0092】本第17実施例のブレーキバンド2は、図
10の第11実施例において、アンカ側の各オイル溝9
の両端のオイル穴10のうちのアプライ側のオイル穴1
0を除いたものに相当する。そして、図16のように、
本実施例のブレーキバンド2においては、オイル溝9は
バンド2の長さ方向に平行に延びたものとして形成さ
れ、バンド2の長さ方向に均一に配置されている。また
各オイル溝9には、そのアンカ側の方向の端部にオイル
穴10が設けられている。
【0093】したがって、このパターンによれば、第1
6実施例と同様に、ブレーキドラムの正転時にはオイル
の排出特性が悪く、係合トルクが比較的低くなり、ま
た、ブレーキドラムの逆転時にはオイルの排出特性がよ
く、係合トルクが比較的高くなる。そのため、正転時の
係合トルクを低めると共に逆転時の係合トルクを高める
ことができ、その差を少なくすることができる。
【0094】〈第18実施例〉図17は本発明の第18
実施例のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図であ
る。
【0095】図17のように、本第18実施例のブレー
キバンド2は、図6乃至図8の第6実施例乃至第8実施
例と同様のオイル溝9を備え、このオイル溝9が傾斜の
方向を順次変えてバンド2の長さ方向に均一に配列され
ている。そして、各オイル溝9には、そのアンカ側の方
向の端部にオイル穴10が設けられているが、アプライ
側の方向の端部にはオイル穴は設けられていない。この
ため、オイル溝9のアプライ側の端部は閉鎖された状態
であり、ドラムの正転時にはオイルが排出させ難くなっ
ている。したがって、本実施例によれば、第16,17
実施例と同様に、ドラムの正転時と逆転時での係合トル
クの差の少ないブレーキバンド2が得られる。
【0096】〈第19実施例〉図18は本発明の第19
実施例のブレーキバンドの摩擦係合面を示す平面図であ
る。
【0097】図18のように、本第18実施例のブレー
キバンドでは、図15乃至図17の第16実施例乃至第
18実施例のオイル溝が直線状であるのに対し、くの字
形に折曲がった形状のオイル溝9を備えている。そし
て、このオイル溝9は、その折曲部(角部)をアプライ
側の方向に向けて配置され、その両端であるアンカ側方
向の端部にはオイル穴10が設けられている。したがっ
て、このオイル溝9によれば、ブレーキドラムの正転時
のオイル排出特性は悪く、またブレーキドラムの逆転時
のオイル排出特性はよいので、第16実施例乃至第18
実施例の場合と同様に、正転時の係合トルクを低めると
共に逆転時の係合トルクを高めることができ、その差を
少なくすることができる。なお、このオイル溝9はその
折曲部(角部)をアンカ側の方向に向けて配置すること
もできるが、その場合には、その折曲部にオイル穴10
が設けられることになる。
【0098】以上、典型的ないくつかの例を説明した
が、オイル溝9はこれら以外の任意の形状のものである
ことができ、また、2種類以上を組合わせて用いること
もできる。また、その大きさ、配列する個数等も適宜設
定することができる。
【0099】そして、これらの第16実施例乃至第19
実施例のブレーキバンド2は、バンド形状の可撓性の裏
金3と、裏金3の内周面に接着された湿式摩擦材4と、
湿式摩擦材4に形成され、作動力が適用されるアプライ
側の端部が閉鎖されると共にアンカ側の端部が湿式摩擦
材4の側端に開放するかまたは裏金3に形成されたオイ
ル穴10と連通するオイル溝9であって、湿式摩擦材4
の長さ方向に均一に配列された複数のオイル溝9とを具
備するものである。
【0100】したがって、ブレーキドラムの正転時には
オイルの排出特性が悪いために、係合トルクが比較的低
くなり、また、ブレーキドラムの逆転時にはオイルの排
出特性がよいために、係合トルクが比較的高くなる。そ
のため、第1実施例乃至第14実施例の場合と同様に、
ブレーキドラムの正転時と逆転時の係合トルクの差の少
ないブレーキバンドを得ることができる。
【0101】なお、これらの実施例において、アプライ
側とアンカ側とを反対にすれば、逆に、ブレーキドラム
の正転時の係合トルクを高めると共に逆転時の係合トル
クを低めることができ、それによって正転時と逆転時の
係合トルクの差を大きくすることができる。また、ブレ
ーキバンド2の長さ方向中央を中心としてアプライ側と
アンカ側とで対称になるようにオイル溝を配列すれば、
正転時と逆転時の係合トルクを共に高め、または共に低
めることができる。
【0102】なお、以上の第16実施例乃至第19実施
例は、請求項5の態様に相当するものである。
【0103】なお、本発明のブレーキバンドについては
主に自動車の自動変速機での用途に関して説明したが、
本発明を実施する場合には、この用途に限定されるもの
ではなく、オイル中で使用されるバンドブレーキであれ
ば、他のどのようなバンドブレーキに対しても適用する
ことができる。
【0104】
【発明の効果】以上のように、請求項1にかかるブレー
キバンドは、バンド形状の可撓性の裏金と、裏金の内周
面に接着された湿式摩擦材と、ブレーキ作用時における
ブレーキドラムと湿式摩擦材間のオイルを摩擦係合領域
外に排出するオイル排出手段であって、作動力が適用さ
れるアプライ側よりもアンカ側においてオイル排出特性
が相対的に高くされたオイル排出手段とを具備するもの
である。
【0105】したがって、オイル排出手段のオイル排出
特性が、ブレーキドラムの正転時の係合特性が特に影響
するアプライ側では低く、また、ブレーキドラムの逆転
時の係合特性が特に影響するアンカ側では高くされてい
るので、ブレーキドラムの正転時と逆転時の係合トルク
の差を少なくすることができる。そのため、オイル排出
手段のオイル排出特性をアプライ側とアンカ側とで変え
るだけで、ブレーキバンドに適用する作動力を正転時と
逆転時とで独立して制御しないでも、容易に所望の係合
特性を得ることができる。
【0106】また、請求項2にかかるブレーキバンド
は、請求項1におけるオイル排出手段が、湿式摩擦材に
形成されたオイル溝、オイル溝と連通して裏金に形成さ
れたオイル穴、湿式摩擦材及び裏金を貫通して形成され
た貫通穴のいずれか少なくとも一つを含み、それらの個
数、大きさ、または配置を作動力が適用されるアプライ
側とアンカ側とで相違させることによって、オイル排出
特性をアプライ側よりもアンカ側において相対的に高く
したものである。
【0107】したがって、オイル溝、オイル穴、貫通穴
のいずれか少なくとも一つの個数、大きさ、または配置
をアプライ側とアンカ側とで相違させ、オイル排出特性
をアプライ側よりもアンカ側において相対的に高くした
ので、請求項1と同様に、ブレーキドラムの正転時と逆
転時の係合トルクの差を少なくすることができる。その
ため、オイル溝等の排出手段のパターンを調整するだけ
で、容易に所望の係合特性を得ることができ、ブレーキ
バンドを作動するアクチュエータの複雑な制御やコスト
アップを必要としない。
【0108】請求項3にかかるブレーキバンドは、バン
ド形状の可撓性の裏金と、裏金の内周面に接着された湿
式摩擦材と、ブレーキ作用時におけるブレーキドラムと
湿式摩擦材間のオイルを摩擦係合領域外に排出するオイ
ル排出手段であって、アンカ側よりも作動力が適用され
るアプライ側においてオイル排出特性が相対的に高くさ
れたオイル排出手段とを具備するものである。
【0109】したがって、オイル排出手段のオイル排出
特性が、ブレーキドラムの正転時の係合特性が特に影響
するアプライ側では高く、また、ブレーキドラムの逆転
時の係合特性が特に影響するアンカ側では低くされてい
るので、ブレーキドラムの正転時と逆転時の係合トルク
の差を大きくすることができる。そのため、オイル排出
手段のオイル排出特性をアプライ側とアンカ側とで変え
るだけで、ブレーキバンドに適用する作動力を正転時と
逆転時とで独立して制御しないでも、容易に所望の係合
特性を得ることができる。
【0110】また、請求項4にかかるブレーキバンド
は、請求項3におけるオイル排出手段が、湿式摩擦材に
形成されたオイル溝、オイル溝と連通して裏金に形成さ
れたオイル穴、湿式摩擦材及び裏金を貫通して形成され
た貫通穴のいずれか少なくとも一つを含み、それらの個
数、大きさ、または配置を作動力が適用されるアプライ
側とアンカ側とで相違させることによって、オイル排出
特性をアンカ側よりもアプライ側において相対的に高く
したものである。
【0111】したがって、オイル溝、オイル穴、貫通穴
のいずれか少なくとも一つの個数、大きさ、または配置
をアプライ側とアンカ側とで相違させ、オイル排出特性
をアンカ側よりもアプライ側において相対的に高くした
ので、請求項3と同様に、ブレーキドラムの正転時と逆
転時の係合トルクの差を大きくすることができる。その
ため、オイル溝等の排出手段のパターンを調整するだけ
で、容易に所望の係合特性を得ることができ、ブレーキ
バンドを作動するアクチュエータの複雑な制御やコスト
アップを必要としない。
【0112】更に、請求項5にかかるブレーキバンド
は、バンド形状の可撓性の裏金と、裏金の内周面に接着
された湿式摩擦材と、湿式摩擦材に形成され、作動力が
適用されるアプライ側の端部が閉鎖されると共にアンカ
側の端部が裏金に形成されたオイル穴と連通するか湿式
摩擦材の側端に開放するオイル溝であって、湿式摩擦材
の長さ方向に均一に配列された複数のオイル溝とを具備
するものである。
【0113】したがって、オイル溝によるオイルの排出
特性がブレーキドラムの正転時と逆転時で異なり、正転
時のオイルの排出特性は悪く、逆転時のオイルの排出特
性はよいために、正転時の係合トルクは低められると共
に逆転時の係合トルクは高められので、請求項1の場合
と同様に、ブレーキドラムの正転時と逆転時の係合トル
クの差を少なくすることができる。そのため、オイル溝
のパターンを調整するだけで、ブレーキバンドに適用す
る作動力を正転時と逆転時とで独立して制御しないで
も、容易に所望の係合特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第1実施例のブレーキバンド
の摩擦係合面を、従来例及び比較例と共に示す平面図で
ある。そして、図1の(a)がその第1実施例、(b)
が従来例、(c)が比較例である。
【図2】 図2は本発明の第2実施例のブレーキバンド
の摩擦係合面を示す平面図である。
【図3】 図3は本発明の第3実施例のブレーキバンド
の摩擦係合面を示す平面図である。
【図4】 図4は本発明の第4実施例のブレーキバンド
の摩擦係合面を示す平面図である。
【図5】 図5は本発明の第5実施例のブレーキバンド
の摩擦係合面を示す平面図である。
【図6】 図6は本発明の第6実施例のブレーキバンド
の摩擦係合面を示す平面図である。
【図7】 図7は本発明の第7実施例のブレーキバンド
の摩擦係合面を示す平面図である。
【図8】 図8は本発明の第8実施例のブレーキバンド
の摩擦係合面を示す平面図である。
【図9】 図9は本発明の第9、第10実施例のブレー
キバンドの摩擦係合面を、従来例及び比較例と共に示す
平面図である。そして、図9の(a)がその第9実施
例、(b)が第10実施例、(c)が従来例、(d)が
比較例である。
【図10】 図10は本発明の第11実施例のブレーキ
バンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【図11】 図11は本発明の第12実施例のブレーキ
バンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【図12】 図12は本発明の第13実施例のブレーキ
バンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【図13】 図13は本発明の第14実施例のブレーキ
バンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【図14】 図14は本発明の第15実施例のブレーキ
バンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【図15】 図15は本発明の第16実施例のブレーキ
バンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【図16】 図16は本発明の第17実施例のブレーキ
バンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【図17】 図17は本発明の第18実施例のブレーキ
バンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【図18】 図18は本発明の第19実施例のブレーキ
バンドの摩擦係合面を示す平面図である。
【図19】 図19はバンドブレーキの一般的構造を示
す説明図である。
【図20】 図20は従来のブレーキバンドの一例を摩
擦係合面側から見て示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ブレーキドラム 2 ブレーキバンド 3 裏金 4 湿式摩擦材 5,6 ブラケット 7 サーボアクチュエータ 8 アンカ 9 オイル溝(オイル排出手段) 10 オイル穴(オイル排出手段) 11 センタ穴 12 貫通穴(オイル排出手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バンド形状の可撓性の裏金と、 前記裏金の内周面に接着された湿式摩擦材と、 ブレーキ作用時におけるブレーキドラムと前記湿式摩擦
    材間のオイルを摩擦係合領域外に排出するオイル排出手
    段であって、作動力が適用されるアプライ側よりもアン
    カ側においてオイル排出特性が相対的に高くされたオイ
    ル排出手段とを具備することを特徴とするブレーキバン
    ド。
  2. 【請求項2】 前記オイル排出手段は、前記湿式摩擦材
    に形成されたオイル溝、前記オイル溝と連通して前記裏
    金に形成されたオイル穴、前記湿式摩擦材及び前記裏金
    を貫通して形成された貫通穴のいずれか少なくとも一つ
    を含み、それらの個数、大きさ、または配置を作動力が
    適用されるアプライ側とアンカ側とで相違させることに
    よって、オイル排出特性がアプライ側よりもアンカ側に
    おいて相対的に高くされていることを特徴とする請求項
    1に記載のブレーキバンド。
  3. 【請求項3】 バンド形状の可撓性の裏金と、 前記裏金の内周面に接着された湿式摩擦材と、 ブレーキ作用時におけるブレーキドラムと前記湿式摩擦
    材間のオイルを摩擦係合領域外に排出するオイル排出手
    段であって、アンカ側よりも作動力が適用されるアプラ
    イ側においてオイル排出特性が相対的に高くされたオイ
    ル排出手段とを具備することを特徴とするブレーキバン
    ド。
  4. 【請求項4】 前記オイル排出手段は、前記湿式摩擦材
    に形成されたオイル溝、前記オイル溝と連通して前記裏
    金に形成されたオイル穴、前記湿式摩擦材及び前記裏金
    を貫通して形成された貫通穴のいずれか少なくとも一つ
    を含み、それらの個数、大きさ、または配置を作動力が
    適用されるアプライ側とアンカ側とで相違させることに
    よって、オイル排出特性がアンカ側よりもアプライ側に
    おいて相対的に高くされていることを特徴とする請求項
    3に記載のブレーキバンド。
  5. 【請求項5】 バンド形状の可撓性の裏金と、 前記裏金の内周面に接着された湿式摩擦材と、 前記湿式摩擦材に形成され、作動力が適用されるアプラ
    イ側の端部が閉鎖されると共にアンカ側の端部が前記裏
    金に形成されたオイル穴と連通するかまたは湿式摩擦材
    の側端に開放するオイル溝であって、前記湿式摩擦材の
    長さ方向に均一に配列された複数のオイル溝とを具備す
    ることを特徴とするブレーキバンド。
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