JPH0814294B2 - 4輪駆動車の駆動力配分制御装置 - Google Patents

4輪駆動車の駆動力配分制御装置

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JPH0814294B2
JPH0814294B2 JP1172129A JP17212989A JPH0814294B2 JP H0814294 B2 JPH0814294 B2 JP H0814294B2 JP 1172129 A JP1172129 A JP 1172129A JP 17212989 A JP17212989 A JP 17212989A JP H0814294 B2 JPH0814294 B2 JP H0814294B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、4輪駆動車の駆動力配分制御装置に関し、
特に、油圧クラッチの締結力を変更して、前・後輪への
駆動力配分比を制御する4輪駆動車の駆動力配分制御装
置の改良に関する。
(従来の技術) 従来の4輪駆動車の駆動力配分制御装置としては、例
えば特開昭61−275028号公報に記載されたものが知られ
ている。
この従来装置は、エンジンからの駆動力を常時一方側
車輪(例えば後輪)に伝えるとともに、締結力を変更可
能な油圧クラッチを介して他方の車輪にも伝えることの
できる車両において、車両が直進楕行状態にあるときに
前・後輪の回転速度差ΔNを零とするように決定された
補正係数Aで、他方の車輪の回転速度N2を補正し、この
補正された回転速度(A・N2)と一方の車輪の回転速度
N1とから、前・後輪の回転速度差ΔN(ΔN=N1−A・
N2)を算出し、このΔNの大きさに従って前記油圧クラ
ッチの締結力を制御している。このような構成によれ
ば、例えば、テンパータイヤのように異なる仕様(特
に、回転数に関係するタイヤ径など)のタイヤを装着し
た場合に、異径タイヤによって生じる前・後輪回転速度
差ΔNを演算上キャンセルすることができ、駆動スリッ
プの大きさとΔNとを正確に区別して油圧クラッチの締
結力制御を正確に行うことができる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上述の従来装置にあっては、直進楕行状態
での前・後輪の回転速度差(ΔN)を零とすることで、
異径タイヤによる回転速度差分を演算上キャンセルする
ことができ、駆動スリップ相当の回転速度差のみに応じ
たクラッチ締結力を与えて駆動力配分制御を正確にする
といった面では優れたものであるが、異径タイヤ装着に
起因する回転速度差が比較的大きく発生する高速直進時
にもクラッチの締結制御を行う構成となっていたため
に、油圧クラッチの発熱が無視できず、油圧クラッチの
耐久性の面で改良の余地があった。
ここで、クラッチの発生熱量Qは次式で求められ
る。
Q=k・T・ΔNC …… 但し、k:クラッチの制御定数 T:クラッチ締結トルク ΔNC:クラッチ入出力回転速度差 式において、ΔNcは、 ΔNC=ΔNC1+ΔNC2 …… 但し、ΔNC1:駆動輪のスリップにより生じる値 ΔNC2:異径タイヤにより生じる値 である。
すなわち、従来装置のように、異径タイヤによる回転
速度差をキャンセルしたといっても、それは本演算に伴
ない式中のTの指令値を減少させたに過ぎず、クラッ
チの摩擦部材間には、上記ΔNC2が常に加わることにな
る。したがって、上式で示したクラッチの発生熱量Q
が発生することが避けられず、特に、ΔNC2相当の値が
大きくかつ連続して発生し続ける高速走行時には、Qが
大となり、クラッチの耐久性上好ましくない。
そこで、本発明は、上式のTを(≒0)にすれば、
異径タイヤによるΔNC2が生じた場合でも、Qを(≒
0)にすることができる点に注目し、異径タイヤの装着
を検出するとともに、発熱が問題となる高速直進走行時
には、クラッチの締結力を零若しくは零に近い値に減少
させることにより、クラッチの発熱を抑え、耐久性を向
上させることを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明による4輪駆動車の駆動力配分制御装置は上記
目的達成のため、その基本概念図を第1図に示すよう
に、エンジンの駆動力を前・後一方の車輪に伝達し、ま
た、他方の車輪にも油圧クラッチを介して伝達すること
が可能な駆動力伝達手段と、前記油圧クラッチの締結力
を制御する制御手段と、を備えるとともに、異径タイヤ
の装着を検知する異径タイヤ検知手段と、車速を検出す
る車速検出手段と、車両が直進走行状態にあることを検
出する直進走行状態検出手段と、を設け、前記制御手段
は、異径タイヤの装着を検知し、かつ車速が所定値より
も大きく、しかも直進走行状態であれば、前記油圧クラ
ッチの締結力を減少若しくは零となるように制御するこ
とを特徴として構成している。
(作用) 本発明では、異径タイヤを装着した走行時で車速が所
定値よりも大きく、しかも、直進走行状態にあるときに
は、クラッチの締結力が減少若しくは零に制御される。
したがって、異径タイヤ装着による前・後輪の回転速度
差(前式のΔNC2)がクラッチの摩擦部材間に加わっ
たとしても、クラッチは弱い締結状態にあるか若しくは
解放状態にあるから、クラッチの発生熱量Qを低減で
き、クラッチの耐久性を向上できる。
(実施例) 以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第2〜5図は本発明に係る4輪駆動車の駆動力配分制
御装置の第1実施例を示す図であり、前置エンジン後輪
駆動車をベースとする4輪駆動車に適用した例である。
まず、構成を説明する。第2図において、1はエンジ
ン、2はエンジン1と一体に組み付けられたトランスミ
ッションであり、トランスミッション2の出力軸2aは、
前・後輪の駆動力配分を変更可能なトランスファ(駆動
力伝達手段)3を介して後輪プロペラシャフト4および
前輪プロペラシャフト5に連結されている。後輪プロペ
ラシャフト4は、後輪側の差動装置6および左右のアク
スル7a、7bを介して左右の後輪8a、8bに連結され、同様
に、前輪プロペラシャフト5は、前輪側の差動装置9お
よび左右のアクスル10a、10bを介して左右の前輪11a、1
1bに連結されている。
上記トランスファ3は、第3図にその構成を示すよう
に、トランスミッション2の出力軸2aに連結する入力軸
3aと、この入力軸3aに連結するとともに、後輪プロペラ
シャフト4に連結する後輪側出力軸3bと、入力軸3aおよ
び後輪側出力軸3bに結合し、入力軸3aおよび後輪側出力
軸3bと共に回転するドラム3cと、ドラム3c内周面に取り
付けられた複数のドライブプレート3dと、入力軸3aの軸
回りに設けられた中空軸3eと、中空軸3e外周面に取り付
けられた複数のドリブンプレート3fと、中空軸3eに固定
されたドライブギア3gと、カウンタギア3hを介してドラ
イブギア3gと歯合するドリブンギア3iと、前輪プロペラ
シャフト5に連結する前輪側出力軸3jと、を備え、前記
ドラム3c、ドライブプレート3dおよびドリブンプレート
3fは油圧クラッチCを構成する。
油圧クラッチCは、油圧Pの供給によりドライブプレ
ート3dおよびドリブンプレート3f間を摩擦締結し、入力
軸3aに入力したエンジン1からの駆動力を、前輪側出力
軸3jから前輪11a、11bに伝える。すなわち、エンジン1
からの駆動力T0は、後輪側出力軸3bから後輪8a、8bに伝
えられるとともに、前輪11a、11bにも伝えられるように
なっており、油圧Pを変えることで、前輪側11a、11bへ
の駆動力伝達量を変更することができ、これにより前・
後輪の駆動力配分比を変更することができる。
再び第2図において、20はセンサ群で、センサ群20
は、前輪プロペラシャフト5の回転数や前輪11a、11bの
回転数から前輪側の回転速度Nfを検出する前輪回転セン
サ20aと、後輪プロペラシャフト4の回転数や後輪8a、8
bの回転数から後輪側の回転速度Nrを検出する後輪回転
センサ20bと、車体に作用する横加速度Gを検出する加
速度センサ20cと、操向車輪(例えば前輪11a、11b)の
操舵量θを検出する操舵センサ20dと、車速V(擬似車
をVとしてもよい)を検出する車速センサ20eと、スロ
ットル開度THを検出する開度センサ20fと、差動装置9
の作動油温TFを検出する前輪側油温センサ20gと、差動
装置6の作動油温TRを検出する後輪側油温センサ20h
と、を備える。
30は、油圧供給装置30aを含む制御手段としての制御
部で、制御部30は、例えばマイクロコンピュータ等によ
って構成され、センサ群20からの各種信号を読み込み、
これらの信号に従って所定のプログラムを実行し、トラ
ンスファ3への供給油圧Pの量を決定するための制御値
を演算する。所定のプログラムの要部は、第4図のフロ
ーチャートに示される。このフローチャートにおいて、
P1はセンサ群20からの各種信号を読み込むステップ、P2
はTHと所定値とを比較してスロットルペダルの踏込量が
それ程大きくない運転状態、すなわち急加速要求時でな
い運転状態を判別するステップ、P3は急加速要求でない
ときに、次式に従って異径タイヤの装着判別指標値a
(このaが大きければ、異径タイヤを装着している可能
性が高くなる)を演算する。ここで、異径タイヤとは、
テンパータイヤや、空気圧の変化したタイヤ、あるいは
異なった外径サイズのタイヤなどを指し、4輪のうちの
一部のタイヤがこれらのタイヤである場合に、他の同一
仕様のタイヤに対して、その一部のタイヤを異径タイヤ
という。
但し、ΔN:前後輪の回転速度差(Nf−Nr) P4は上式で求めたaと所定値a0とを比較し、a>a0
のときに異径タイヤを装着した走行状態にあることを判
別するステップ、P5はGまたはθが所定値よりも小さい
場合に、直進走行状態を判別するステップ、P6はVが所
定値よりも大きい場合に高速走行を判別するステップ、
P7はΔNの絶対値(|Nf−Nr|)が所定値よりも小さい場
合に低μ路でない路面上の走行を判別するステップ、P8
は上記P2、P4〜P7の判別結果が全てYES命令の場合に、
トランスファ3に供給する油圧Pの量を零若しくは零に
近いわずかな量に設定して、前輪側への伝達トルク量を
零若しくは減少させる制御値を演算するステップ、P9
上記P2、P4〜P7の判別結果が何れか1つでもNO命令の場
合に、次の1つを行うステップ。
i)前・後輪の回転速度差ΔNに応じた前輪側への伝達
トルク量が得られるように、トランスファ3への油圧P
の量を設定する制御値を演算する例えば特開昭61−1574
37号公報に記載の制御を行う、 ii)または、スロットル開度THに応じた前輪側への伝達
トルクの目標値ΔT1(ΔT1=f1(TH))と、前・後輪の
回転速度差ΔNに応じた前輪側への伝達トルクの目標値
ΔT2(ΔT2=f2(ΔN))との和の値(ΔT1+ΔT2)あ
るいはどちらか大きい方の値MAX(ΔT1,ΔT2)を求め、
求めた値に従ってトランスファ3への油圧Pの量を設定
する制御値を演算する例えば特開昭61−183220号公報に
記載の制御を行う。なお、第5図に和(ΔT1+ΔT2)を
求める場合の原理構成図を、また、第6図にMAX(ΔT1,
ΔT2)を求める場合の原理構成図を示す。
次に、作用を説明する。
本実施例では、車両の走行状態が次の何れか一つに該
当するとき、上記通常制御(i)(ii)の何れかが行わ
れる。すなわち、急加速要求時、異径タイヤ非装着
時、旋回走行時、低・中速走行時、低μ路走行時
の何れかの場合のときに、前・後輪の回転速度差ΔNに
従って前輪側への伝達トルクが大きくなるように制御さ
れる。
一方、上記〜の全ての条件が逆の場合、すなわ
ち、急加速要求時でない、異径タイヤが装着されてい
る。直進走行時である、高速走行時である、低μ路走行
でない、の全ての条件に合致する場合、トランスファ3
への油圧Pの量が零若しくは零に近い小さな量にされ
る。したがって、トランスファ3のドライブプレート3d
とドリブンプレート3f間の摩擦結合力が弱められ、若し
くは解放され、異径タイヤ装着に起因して発生する前・
後輪の回転速度差によるドライブプレート3d、ドリブン
プレート3f間の摩擦発熱を抑制することができる。
このように、本実施例では、油圧クラッチCの発生熱
量が問題となる高速直進走行時に、トランスファ3の締
結力(前式中のT)を減少若しくは零にするようにし
たので、異径タイヤによる回転速度差(前式中のΔN
C2)分が生じても、発生熱量Qを(≒0)とすることが
でき、油圧クラッチCの耐久性向上や燃費を改善できる
効果が得られる。また、発生熱量Qが特に問題とならな
い走行時、例えば第4図のフローチャートのステップ
P2、P4〜P7の何れかがNO命令のときには、回転速度差Δ
N(多少のΔNC2によるノイズはあるが)に応じた通常
制御を行うようにして、発進加速性や旋回安定性などの
確保を図っている。
第6図は本発明に係る4輪駆動車の駆動力配分制御装
置の第2実施例を示すそのプログラムのフローチャート
である。
第6図において、P11は車速Vが設定値よりも大のと
きに高速走行を判定するステップ、P12は前輪側の差動
装置9の作動油温TFあるいは後輪側の差動装置6の作動
油温TRと設定値とを比較し、TFあるいはTRが設定値より
も大きければ異径タイヤの装着を判定するステップ、P
13はステップP11、P12が共にYES命令の場合に警報を発
して運転者に警告するステップ、P14は第1実施例のス
テップP8と同様に、トランスファ3に供給する油圧Pの
量を零若しくは零に近いわずかな量に設定して前輪側へ
の伝達トルク量を零若しくは減少させるステップ、P15
は第1実施例のステップP9と同様に通常制御を行うステ
ップである。
このような構成によれば、高速走行時に前輪側若しく
は後輪側の差動装置6、9の作動油温TF,TRが上昇する
と、ステップP14が実行され、トランスファ3への油圧
Pの量が零若しくは減少させられる。
すなわち、差動装置6、9の作動油温TF,TRが上昇す
る場合としては、特に、パワートレーン系の負荷が大き
くなったときで、例えば前・後輪に異径タイヤを装着し
たり、空気圧が不均一であったり、タイヤの摩耗程度が
各輪で異なっていたりした場合では、タイヤの径差によ
って前・後輪回転速度差(ΔN)が生じ(しかも、高速
走行時はこのΔNは大きくなる)、第7図に示すよう
に、径の大きい方の一方のタイヤ(第7図では後輪)に
駆動トルク、他方のタイヤ(第7図では前輪)に制動ト
ルクが働く。そして、車速を維持するためには、他方の
タイヤの制動トルクをキャンセルするだけの駆動トルク
を余分に与えなければならないから、それだけパワート
レーン系への負荷が増大し、その結果、差動装置6、9
の作動油温TF,TRが上昇することになる。したがって、
作動油温TF,TRのモニタすることで、異径タイヤの装着
を検出でき、この検出時に、トランスファ3の締結力を
零若しくは減少させれば、異径タイヤ装着時の油圧クラ
ッチCの発熱を抑えることができる。
(効果) 本発明によれば、異径タイヤの装着を検出するととも
に、高速、直進走行時には、油圧クラッチの締結力を零
若しくは零に近い値に制御するようにしたので、前記異
径タイヤ装着による前・後輪回転速度差に起因する油圧
クラッチの発熱を抑えることができ、耐久性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本概念図、第2〜6図は本発明に係
る4輪駆動車の駆動力配分制御装置の第1実施例を示す
図であり、第2図はその構成図、第3図はそのトランス
ファの構成図、第4図はその制御プログラムのフローチ
ャート、第5、6図は通常制御の和(ΔT1+ΔT2)を求
める場合およびMAX(ΔT1,ΔT2)を求める場合のそれぞ
れの原理構成図である。第7、8図は本発明に係る4輪
駆動車の駆動力配分制御装置の第2実施例を示す図であ
り、第7図はその制御プログラムのフローチャート、第
8図はその異径タイヤ(後輪タイヤ径<前輪タイヤ径)
装着時の前輪および後輪の駆動(制動)トルクを示すグ
ラフである。 C……油圧クラッチ、 1……エンジン、 20e……車速センサ(車速検出手段)、 30……制御部(制御手段、異径タイヤ検知手段、直進走
行状態検出手段)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの駆動力を前・後一方の車輪に伝
    達し、また、他方の車輪にも油圧クラッチを介して伝達
    することが可能な駆動力伝達手段と、前記油圧クラッチ
    の締結力を制御する制御手段と、を備えるとともに、 異径タイヤの装着を検知する異径タイヤ検知手段と、車
    速を検出する車速検出手段と、車両が直進走行状態にあ
    ることを検出する直進走行状態検出手段と、を備え、 前記制御手段は、異径タイヤの装着を検知し、かつ車速
    が所定値よりも大きく、しかも直進走行状態であれば、
    前記油圧クラッチの締結力を減少若しくは零となるよう
    に制御することを特徴とする4輪駆動車の駆動力配分制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記異径タイヤ検知手段は、前輪側または
    後輪側の差動装置の作動油温を検知する油温センサを含
    み、該油温が所定値よりも大きいときに異径タイヤの装
    着を検知することを特徴とする請求項(1)記載の4輪
    駆動車の駆動力配分制御装置。
  3. 【請求項3】前記異径タイヤ検知手段は、スロットル開
    度を検出する開度センサ、前輪の回転速度(Nf)を検出
    する前輪回転センサおよび後輪の回転速度(Nr)を検出
    する後輪回転センサを含み、スロットル開度が所定値よ
    りも小さいときに、 車速 に対する前後輪の回転速度差(ΔN=Nf−Nr)の割合を
    示す値(a)が所定値(a0)よりも大きいときに異径タ
    イヤの装着を検知することを特徴とする請求項(1)記
    載の4輪駆動車の駆動力配分制御装置。
  4. 【請求項4】クラッチの締結力を減少若しくは零に制御
    すると同時に警報を発生することを特徴とする請求項
    (1)、(2)または(3)記載の4輪駆動車の駆動力
    配分制御装置。
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