JPH08143596A - 新規ポリペプチド及びそれを有効成分とする抗菌剤 - Google Patents

新規ポリペプチド及びそれを有効成分とする抗菌剤

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JPH08143596A
JPH08143596A JP6305509A JP30550994A JPH08143596A JP H08143596 A JPH08143596 A JP H08143596A JP 6305509 A JP6305509 A JP 6305509A JP 30550994 A JP30550994 A JP 30550994A JP H08143596 A JPH08143596 A JP H08143596A
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amino acid
zapesin
polypeptide
acid sequence
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Satoshi Koikeda
聡 小池田
Shunji Natori
俊二 名取
Hikari Kimura
光 木村
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Amano Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規な抗菌性ポリペプチドを提供する。 【構成】両親媒性を示し、尚且つ塩基性アミノ酸を含む
アミノ酸配列を有する新規ポリペプチドまたはその塩で
あり、より具体的には、次の式で示されるアミノ酸配列
を有する新規ポリペプチドまたはその塩。 A−B−B−C−B−B−A−C−B−B−C (但し、Aは塩基性アミノ酸を示し、Bはαヘリックス
構造を妨げない疎水性アミノ酸を示し、Cはαヘリック
ス構造を妨げない親水性アミノ酸を示す。)本発明の新
規ポリペプチドは、抗菌剤として利用が可能できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、センチニクバエ(Sarc
ophaga peregrina)幼虫体液中に誘導される抗菌性ポリ
ペプチドであるザーペシン(Sapecin)のアミノ酸配列
を、部位特異的変異法をもちいて変異改変することによ
り得られたアミノ酸配列を有する新規な抗菌性ポリペプ
チドに関する。この新規な抗菌性ポリペプチドは抗真菌
剤として利用が可能できる。
【0002】
【従来の技術】細菌や異種の血球を、昆虫に接種したり
単に体表に傷をつけるといった刺激を与えると体液中に
数々の蛋白が誘導されることが知られている。これらの
物質は、抗体産生能を持たない動物の生体防御にとって
重要な係わりがあるものと考えられる。
【0003】これらのうちで、例えばセンチニクバエ幼
虫体液中に誘導される活性蛋白として、血球凝集作用を
もつ蛋白〔J. Biol. Chem.、255巻、2919-2924頁(198
0)〕、抗菌活性を持つ蛋白〔Biochem. J.、211巻、727
-734頁(1983)〕などが同定されている。
【0004】前者のレクチン様蛋白は、ザルコファーガ
(Sarcophaga)レクチンと命名され、マウスの骨髄細胞
やマクロファージの真菌殺能を増強させる、ヒトT細胞
よりのγ−インターフェロンの産生を導く、生体防御等
の作用が研究されている。
【0005】また後者の抗菌活性を持つ蛋白としては、
例えばザルコトキシン(Sarcotoxin)Iと命名されてそ
の理化学的性質も明らかにされている(特開昭59-1373
0)蛋白、ザルコトキシンIIと命名されてその理化学
的性質も明らかにされている(特開昭63-35599)蛋白、
および同じくセンチニクバエの幼虫体液から得られ、ザ
ーペシンと命名され、単離されてそのアミノ酸配列が決
定されている(特開昭63-185997)蛋白等が知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ザーペシンは40個のア
ミノ酸からなるポリペプチドで、グラム陰性菌陽性菌に
対し幅広い抗菌活性を有している。しかしながら、抗菌
作用を発揮しない菌種などもあり、これらに対する抗菌
力の強化が望まれていたと同時に、抗菌性蛋白質の活性
部位の特定など、詳細な検討が必要とされていた。
【0007】即ち、これまでにザーペシンなどの抗菌性
ポリペプチドの活性の発揮に必要とされるアミノ酸残基
については詳細に検討されたことはなく、本発明者等は
部位特異的変異法をもちいてこれらを同定することに成
功した。さらに本発明は、本来のザーペシンが持たない
抗菌力を備えた新規な抗菌性ポリペプチドを提供するも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は両親媒性を示
し、尚且つ塩基性アミノ酸を含むアミノ酸配列を有する
新規ポリペプチドまたはその塩並びにこれを有効成分と
する抗菌剤を提供する。更に詳細には、次の式で示され
るアミノ酸配列を有する新規ポリペプチドまたはその塩
及びこれを有効成分とする抗菌剤に関する。 A−B−B−C−B−B−A−C−B−B−C
【0009】上記アミノ酸配列において、Aは塩基性ア
ミノ酸であり、具体的にはLys、Arg或いはHisを示す。
Bはαヘリックス構造を妨げない疎水性アミノ酸であ
り、より具体的には、Tyr、Pro、Glyを除く疎水性アミ
ノ酸を示す。更にCはαヘリックス構造を妨げない親水
性アミノ酸であり、より具体的には、Asn、Glyを除く親
水性アミノ酸を示す。勿論本発明のポリペプチドは上記
のアミノ酸配列のN末及びC末に更にアミノ酸を付加さ
れていても良い。
【0010】本発明において、アミノ酸は、以下のよう
に略号で示される。 Asn:アスパラギン、Asp:アスパラギン酸、Ala:アラ
ニン、Arg:アルギニン、Ile:イソロイシン、Gly:グ
リシン、Gln:グルタミン、Cys:システイン、Ser:セ
リン、Tyr:チロシン、Thr:トレオニン、His:ヒスチ
ジン、Leu:ロイシン、Pro:プロリン、Lys:リジン
【0011】本発明で提供されるより具体的なポリペプ
チドとしては、ヒスチジン(His)をN末端とし、11個
のアミノ酸から構成され、カルボキシル末端がリジン
(Arg)であるポリペプチドが挙げられる。
【0012】また、本発明のポリペプチドは、塩の形を
取ることができ、例えば、トリフルオロ酢酸、メタンス
ルホン酸、塩酸、硫酸、燐酸等の有機酸または無機酸の
付加塩が含まれる。
【0013】本発明のポリペプチドは、ペプチド合成に
常用される固相法などで、容易に合成することが可能で
ある。例えば、メリフィールドらの方法[Journal of C
hemical Society, 85巻, 2149-2154頁,(1963)」に準じ
て合成することが可能である。また、市販のペプチドシ
ンセサイザーなどによっても合成することができる。更
に本発明のポリペプチドのアミノ酸配列をコードする遺
伝子を利用することで、遺伝子工学的手法を用いて大量
に生産することが可能である。
【0014】得られた粗合成ポリペプチドは、ゲル濾
過、逆相HPLC、イオン交換カラムなど、通常の蛋白
質・ペプチドの精製に用いられる手段により高純度に精
製することができる。
【0015】本発明のポリペプチドは、目的に応じて種
々の組成物として抗菌剤として利用できる。即ち、それ
単独でまたは適当な担体などと組合せた形態で抗菌剤と
して利用できる。更に、他の薬剤と組合せて用いること
もできる。
【0016】例えば、医薬、食品、飼料のみならず、コ
ンタクトレンズの洗浄液、軟膏剤、石鹸、シャンプー、
ペットフード、歯磨ペーストなどの防腐剤および消毒剤
として使用することもできる。
【0017】医薬としての使用としては例えば、細菌性
疾患に対する治療および予防用の薬剤として用いること
ができる。この場合は、疾患の種類、症状に応じて本発
明の抗菌ポリぺプチドが活性を有する限り任意の投与方
法および投与量が選択できる。
【0018】例えば、粉末、顆粒、錠剤、糖衣錠、散
剤、トローチ剤、カプセル剤、溶剤、坐剤、注射剤等の
医薬組成物として、ヒトに経口的又は非経口的に安全に
投与することができる。これらは、医薬上許容される賦
形剤を配合して製造される。
【0019】賦形剤としてはシロップ、アラビアゴム、
ゼラチン、ソルビトール、トラガントゴム、ポリビニル
ピロリドン、ラクトース、糖類、とうもろこし澱粉、燐
酸カルシウム、ソルビトール、グリシン、ステアリン酸
マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリ
カ、馬鈴薯澱粉、ナトリウムラウリルサルフェート、ポ
リビニルアルコール、ステアリン酸カルシウム、、二酸
化チタン、オリーブ油、ピーナツ油、ゴマ油などの植物
油、パラフィン油、中性脂肪基剤、エタノール、プロピ
レングリコール、生理食塩水、滅菌水、グリセリン等の
他、着色剤、調味剤、濃厚剤、安定剤、等張剤、緩衝剤
などおよびその他医薬上許容されるものであれば使用で
きる。錠剤、顆粒等は自体公知の方法によってフィルム
コーティングすることもできる。
【0020】本発明の抗菌剤は、本発明のポリペプチド
を0.001〜100重量%、好ましくは0.005〜
60重量%含有することができる。
【0021】更に本発明のポリペプチドについて詳述す
る。本発明者らはザーペシンについて鋭意研究の結果、
ザーペシンの活性の発揮に必要とされるアミノ酸残基
を、部位特異的変異法をもちいて同定することに成功し
た。
【0022】更に、本発明者等は活性中心となるアミノ
酸を適宜置換したポリペプチドが、本来のザーペシンが
抗菌活性を発揮しない真菌に対して抗菌力を示すことを
見い出し、本発明を完成した。
【0023】ザーペシンとは、塩基性アミノ酸に富んだ
抗菌性ポリペプチド[The Jounal of Biological Chemi
stry, 263巻, 17112頁(1988)]で、その一次構造は、
配列番号:2に示される。
【0024】このザーペシンは、センチニクバエの幼虫
体液から得られ、更に、ザーペシン(Sapecin)をコー
ドする遺伝子を宿主微生物である酵母に組み込んで形質
転換し、該酵母を培養することによってザーペシンを大
量に製造する方法(特開平4−335883)も知られてい
る。
【0025】本発明者等は、ザーペシンのアミノ酸配列
(配列番号:1)において、3位、16位、20位、30位、
36位及び38位の6つのシステイン残基は、3対のジスル
フィド結合を形成していることが明らかとなっている
[Journal of Biochemistry, 107巻, 514頁(1990)]
ことより、このジスルフィド結合と、塩基性アミノ酸が
ザーペシンの活性の発揮に必要であろうと予想し、これ
らについて詳細な解析を行った。
【0026】そこでまず、これらのジスルフィド結合と
塩基性アミノ酸を特異的に化学修飾して、活性への影響
を調べることにした。
【0027】以下、実験例及び実施例を示しながら本発
明を詳述する。尚、本発明はこれらにより限定されるも
のではない。
【0028】実験例1 ザーペシンの化学修飾 ザーペシンのジスルフィド結合と塩基性アミノ酸(アル
ギニン、リシン、ヒスチジン)をそれぞれ特異的に修飾
して、活性への影響をみた。
【0029】 ジスルフィド結合の開裂 ザーペシンのジスルフィド結合を開裂するために、10μ
gのザーペシンを28mMDTT溶液[0.14M Tris-塩酸緩衝液
(pH7.2)]0.5mlに溶解し、抗菌活性を以下のようにし
て調べた。
【0030】成育したスタフィロコッカス・アウレウス
(Staphylococcus aureus)FDA209P株をAntibiotic med
ium3(以下、M3という)プレート培地(Difco社製)
10mlに接種し、37℃でOD650=0.3になるまで振盪培養し
た。
【0031】培養後、遠心分離(8000×g, 15分)によ
り菌体を回収して緩衝液D〔30mMリン酸カリウム緩衝液
(pH7.0),60mM NaCl〕にOD650が正確に0.3になるよう
に懸濁した。この懸濁液0.04mlに0.16mlのM3液体培地
と上記のザーペシン溶解液0.1mlと0.2%BSAを含んだ
緩衝液D 0.1mlを試験管中で混ぜ合わせて、37℃で3
時間振盪培養した。培養後、試験管を氷中で1時間冷却
後、培養液のOD650を測定した。ザーペシン溶液の代わ
りに、28mM DTT溶液[0.14M Tris-塩酸緩衝液(pH7.
2)]を0.1ml加えた時の培養液のOD650の値をコントロ
ールとして、下記の式によりスタフィロコッカス・アウ
レウスFDA209P株の増殖率を算出した。
【0032】増殖率=(ザーペシン溶解液におけるOD
650/コントロールのOD650)×100
【0033】その結果を図1に示した。ジスルフィド結
合を開裂することにより、ザーペシンの活性は激減し
た。
【0034】 Lys残基の修飾 Lys残基を修飾するために、ザーペシン10μgを溶解液
[500mM HEPES(pH7.5)/2mMホルムアルデヒド/10mM
NaB(CN)H3]0.5mlに溶解して25℃で90分インキュベー
トした。インキュベート後、修飾ザーペシンの抗菌活性
をと同様にして測定した。
【0035】その結果を図2に示した。Lys残基の修飾
によりザーペシンの抗菌活性は激減した。
【0036】 Arg残基の修飾 Arg残基の修飾はペプチジルアルギニンデイミナーゼ
(以下、PDIという)を用いて行なった。ザーペシン10
μgを28mM CaCl2溶液[0.14M Tris-塩酸緩衝液(pH7.
2)]0.5mlに溶解して、ついでPDI 0.6ユニットを加え
55℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、
修飾ザーペシンの抗菌活性をと同様に測定した。
【0037】その結果を図3に示した。Arg残基の修飾
によりザーペシンの抗菌活性は減少した。
【0038】 His残基の修飾 His残基を修飾するために、ザーペシン10μgを溶解液
[50mMリン酸緩衝液(pH7)/0.5mM DEPC]0.5mlに溶解
し20℃で30分間インキュベートした。インキュベート
後、修飾ザーペシンの抗菌活性をと同様に測定した。
【0039】その結果を図4に示した。His残基の修飾
によりザーペシンの抗菌活性は激減した。
【0040】以上から記載の実験により、ザーペシ
ンの抗菌活性の発揮には、ジスルフィド結合と3種の塩
基性アミノ酸が重要であることがわかった。
【0041】実験例2 ザーペシン部位特異的変異体の
作製 ザーペシンの3対のジスルフィド結合と6個の塩基性ア
ミノ酸のうち、どのジスルフィド結合並びにどの塩基性
アミノ酸残基が、活性の発揮に必要であるかを明らかに
するために、部位特異的変異法を用いて各種変異ザーペ
シンを作製し、これらの活性測定よりザーペシンの活性
発揮に必須なアミノ酸残基の同定を試みた。
【0042】各種ザーペシン部位特異的変異体の作製
は、すでに明らかとなっているザーペシン遺伝子[The
Jounal of Biological Chemistry, 263巻, 17112頁(19
88)]を用いた酵母による組み換えザーペシンの発現系
(特開平4-335883)と、アマーシャム社のSculptorイン
ビトロミュータジェネシスキットを用いて行なった。変
異の導入に用いたプライマーの配列及び導入されたアミ
ノ酸変換を下記に示す。尚、上記の各種変異ザーペシン
の発現は、ウエスタンブロット法で確認した。
【0043】 #1 5'-GCCACTGGCGATTTATTG-3' Cys 3 → Gly #2 5'-TCGGCTGGTGCTGCCCAT-3' Cys 16 → Gly #3 5'-GCCCATGGCTTGTTGAGAG-3' Cys 20 → Gly #4 5'-CATTGCTTGTTGGGAGGAAATCGTGGCG-3' Arg 23 → Gly #5 5'-TTGAGAGGAAATGGTGGCGGCTATTGCAATG-3' Arg 26 → Gly #6 5'-GGCTATTGCAATGGCGGAGCTGTCTGCGTA-3' Lys 33 → Gly #7 5'-GCTGTCTGCGTATGTGGCAATTAAGAATTC-3' Arg 39 → Gly #8 5'-ACTGGCATCAATGGCTCGGCTTGTGCT-3' His 13 → Gly #9 5'-GCTTGTGCTGCCGGTTGCTTGTTG-3' His 19 → Gly
【0044】実験例3 変異ザーペシンの活性測定 ウエスタンブロット法からの推算で、実験例2で得られ
た各種変異ザーペシン及びザーペシンがほぼ等量になる
ように、実験例1で使用した抗菌活性の測定法に従いそ
の抗菌力を調べた。その結果を、表1に示した。活性の
強さは3段階(++;強い、+;弱い、−;非常に弱
い)で評価した。
【0045】
【表1】
【0046】その結果、3つのジスルフィド結合は、い
ずれの結合も、また塩基性アミノ酸のうちArg 26、Arg
39、His 13、His 19が活性の発揮に重要であることがわ
かった。変異体#4では活性の減少はさほど大きくなか
ったので、Arg 26は前述の4つのアミノ酸よりは活性の
発揮に寄与していないものと思われる。
【0047】近年、ザーペシンのNMR解析が報告され
ており、Hanzawa等の報告[FEBS Letters, 269巻, 413
頁(1990)]によれば、Arg 23とArg 39は構造的に酸性
リン脂質カルジオリピンに結合しうる構造をとっている
と考えられる。ザーペシンの黄色ブドウ球菌への活性発
揮はカルジオリピンへの結合を介しているとされている
ので、Arg 23とArg39をGlyに変換した変異体#4と#7
で活性が減少したのは、これらの変異体がカルジオリピ
ンに結合できなくなったためと考えられる。
【0048】一方、His 13とHis 19を含むHis 13からGl
y 24の間の領域はコンピューター解析で両親媒性のαヘ
リックス構造をとると予測された。
【0049】いくつかのザーペシン以外の抗菌タンパク
の抗菌活性は、このような正電荷を持った両親媒性αヘ
リックスが抗菌作用を及ぼす細菌膜にチャンネルを形成
するか、あるいは界面活性剤様の作用で膜構造を破壊す
るために引き起こされると考えられている。
【0050】したがって、変異体#8と#9で活性が激
減したのは、活性の本体を担う両親媒性αヘリックスの
正電荷が失われ、チャンネル形成能あるいは界面活性剤
様作用を失ったためと考えられる。
【0051】実施例1 新規な抗菌性ポリペプチド ザーペシンの活性本体がHis 13からGly 24の両親媒性の
αヘリックス構造に司どられていると推察されたので、
この部分だけを合成して、新しいタイプの抗菌タンパク
として利用できないかと考えた。
【0052】よって、この領域の配列をもとに、より安
定なαヘリックスを形成できるように一部のアミノ酸配
列を代えて、配列番号:1に記載のアミノ酸配列をもつ
ポリペプチド(以下、SAH2という)を合成した。
【0053】実施例2 SAH2の活性評価 SAH2の活性評価を以下のようにして行なった。即ち、SA
H2を種々の濃度で、Candida albicanceを含む培養液にI
ijima等の方法[The Journal of Biological Chemistr
y, 268巻, 12055頁(1993)]に従って加え、その増殖
への影響を調べた。その結果を図5に示す。
【0054】図より明らかなようにSAH2は少なくとも1
2.5μg/ml以上の濃度でCandida albicanceの増殖を抑え
る抗真菌活性を有することがわかった。ザーペシンは抗
真菌活性を有さないことは明らかで、この物質はザーペ
シンとは異なった活性をもつ新規な抗菌性ポリペプチド
である。
【0055】
【発明の効果】本発明により得られる新規なポリペプチ
ドは、これまでザーペシンが適用できなかった抗真菌剤
としての応用が可能であり、更にザーペシンよりも低分
子であることより、医薬品と使用する場合の抗原性の低
減により有利である。
【0056】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 配列 His Leu Ala Gln Ala Ala His Gln Leu Leu Arg 11
【0057】配列番号:2 配列の長さ:40 配列の型:アミノ酸 配列 Ala Tyr Cys Asp Leu Leu Ser Gly Thr Gly Ile Asn His Ser Ala 15 Cys Ala Ala His Cys Leu Leu Arg Gly Asn Arg Gly Gly Tyr Cys 30 Asn Gly Lys Ala Val Cys Val Cys Arg Asn 40
【図面の簡単な説明】
【図1】ザーペシンとジスルフィド結合を開裂したザー
ペシンの抗菌活性を比較する図である。図中で左は修飾
されたザーペシンの結果を示し、右はザーペシンの結果
を示す。
【図2】ザーペシンとLysを修飾したザーペシンの抗菌
活性を比較する図である。図中で左は修飾されたザーペ
シンの結果を示し、右はザーペシンの結果を示す。
【図3】ザーペシンのArgを修飾したザーペシンの抗菌
活性を比較する図である。図中で左は修飾されたザーペ
シンの結果を示し、右はザーペシンの結果を示す。
【図4】ザーペシンのHisを修飾したザーペシンの抗菌
活性を比較する図である。図中で左は修飾されたザーペ
シンの結果を示し、右はザーペシンの結果を示す。
【図5】SAH2のCandida albicanceに対する抗菌活
性とザーペシンの抗菌活性の比較を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】その結果、3つのジスルフィド結合は、い
ずれの結合も、また塩基性アミノ酸のうちArg26、
Lys33、Arg39、His13、His19が活
性の発揮に重要であることがわかった。変異体#4では
活性の減少はさほど大きくなかったので、Arg26は
前述の5つのアミノ酸よりは活性の発揮に寄与していな
いものと思われる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】近年、ザーペシンのNMR解析が報告され
ており、Hanzawa等の報告[FEBS Lett
ers,269巻,413頁(1990)]によれば、
Arg23とArg39とLys33は構造的に酸性リ
ン脂質カルジオリピンに結合しうる構造をとっていると
考えられる。ザーペシンの黄色ブドウ球菌への活性発揮
はカルジオリピンへの結合を介しているとされているの
で、Arg23とArg39をGlyに変換した変異体
#4と#7で活性が減少したのは、これらの変異体がカ
ルジオリピンに結合できなくなったためと考えられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 7/06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両親媒性を示し、尚且つ塩基性アミノ酸を
    含むアミノ酸配列を有する新規ポリペプチドまたはその
    塩。
  2. 【請求項2】次の式で示されるアミノ酸配列を有する新
    規ポリペプチドまたはその塩。 A−B−B−C−B−B−A−C−B−B−C (但し、Aは塩基性アミノ酸を示し、Bはαヘリックス
    構造を妨げない疎水性アミノ酸を示し、Cはαヘリック
    ス構造を妨げない親水性アミノ酸を示す。)
  3. 【請求項3】配列番号:1で示される新規ポリペプチド
    またはその塩。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3記載の新規ポリペプ
    チドまたはその塩を有効成分として含有してなる抗菌
    剤。
JP6305509A 1994-11-14 1994-11-14 新規ポリペプチド及びそれを有効成分とする抗菌剤 Pending JPH08143596A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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