JPH08144002A - 耐熱性に優れた高強度アルミニウム合金 - Google Patents
耐熱性に優れた高強度アルミニウム合金Info
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- JPH08144002A JPH08144002A JP6308191A JP30819194A JPH08144002A JP H08144002 A JPH08144002 A JP H08144002A JP 6308191 A JP6308191 A JP 6308191A JP 30819194 A JP30819194 A JP 30819194A JP H08144002 A JPH08144002 A JP H08144002A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来の耐熱性アルミニウム合金よりも優れた
高温強度、特に、エンジンおよびコンプレッサ−等の部
品に要求される150℃における引張強さを十分満た
す、耐熱性に優れた高強度アルミニウム合金を提供す
る。 【構成】 本発明による耐熱性に優れた高強度アルミニ
ウム合金は、Cu:2.0〜3.5 wt.% 、Mg:1.
0〜2.5 wt.% 、Fe:0.8〜1.4 wt.%、N
i:0.8〜1.4 wt.% 、Cr:0.05〜0.25
wt.% 、Zr:0.05〜0.25 wt.% 、Si:0.
25 wt.% 以下、Mn:0.4 wt.% 以下(無添加の場
合を含む)、Be:0.001〜0.1 wt.% 、Ti:
0.005〜0.05 wt.% 、および、B:0.000
5から0.01 wt.% を含有し、残部がAlおよび不可
避的不純物からなる。
高温強度、特に、エンジンおよびコンプレッサ−等の部
品に要求される150℃における引張強さを十分満た
す、耐熱性に優れた高強度アルミニウム合金を提供す
る。 【構成】 本発明による耐熱性に優れた高強度アルミニ
ウム合金は、Cu:2.0〜3.5 wt.% 、Mg:1.
0〜2.5 wt.% 、Fe:0.8〜1.4 wt.%、N
i:0.8〜1.4 wt.% 、Cr:0.05〜0.25
wt.% 、Zr:0.05〜0.25 wt.% 、Si:0.
25 wt.% 以下、Mn:0.4 wt.% 以下(無添加の場
合を含む)、Be:0.001〜0.1 wt.% 、Ti:
0.005〜0.05 wt.% 、および、B:0.000
5から0.01 wt.% を含有し、残部がAlおよび不可
避的不純物からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐熱性に優れた高強
度アルミニウム合金に関し、特に150℃付近の高温強
度に優れ、エンジンやコンプレッサ−等の部品用材料に
好適なアルミニウム合金に関するものである。
度アルミニウム合金に関し、特に150℃付近の高温強
度に優れ、エンジンやコンプレッサ−等の部品用材料に
好適なアルミニウム合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンロッド等のエンジンの部品お
よびコンプレッサ−の部品等、高温雰囲気にて使用され
る部品用材料には、鉄系材料が用いられていた。しか
し、これら部品の軽量化は、自動車等における高出力化
および燃費の向上、並びに、低振動化および低騒音化に
大きく寄与する。そのため、最近、これら部品の軽量化
が強く要請されている。
よびコンプレッサ−の部品等、高温雰囲気にて使用され
る部品用材料には、鉄系材料が用いられていた。しか
し、これら部品の軽量化は、自動車等における高出力化
および燃費の向上、並びに、低振動化および低騒音化に
大きく寄与する。そのため、最近、これら部品の軽量化
が強く要請されている。
【0003】このような背景のもと、高強度アルミニウ
ム合金が、上記部品を軽量化するための有望な材料とし
て、検討されるようになってきた。しかしながら、従来
の代表的耐熱アルミニウム合金である2618合金は、
150℃における引張強さが350MPaを超える高温
強度を有してはいるが、上記部品の要求特性を満足させ
るには不十分である。
ム合金が、上記部品を軽量化するための有望な材料とし
て、検討されるようになってきた。しかしながら、従来
の代表的耐熱アルミニウム合金である2618合金は、
150℃における引張強さが350MPaを超える高温
強度を有してはいるが、上記部品の要求特性を満足させ
るには不十分である。
【0004】そこで、2618合金よりも高温強度を大
きくしたアルミニウム合金が提案されている。例えば、
特開平1−272743号公報は、下記の耐熱性に優れ
た高力アルミニウム合金を開示している。即ち、前記高
力アルミニウム合金は、Cu:2.5〜4.0 wt.% 、
Mg:1.0〜2.0 wt.% 、Ni:0.3〜1.2w
t.% を含有し、更に、Mn:0.6 wt.% 以下、Si:
0.6 wt.% 以下、および、Zr:0.006〜0.3
wt.% を含有し、更に、Ti:0.001〜0.2 wt.
% を含有してもよく、残部がAlおよび不可避的不純物
からなることに特徴を有するものである(以下、先行技
術という)。先行技術の基本的技術思想は、アルミニウ
ム合金の高温強度の向上をはかるためにNiを比較的少
量添加した場合に、Feが多く含有されていると高温強
度が低下し、Feはむしろ耐熱性に対して有害であると
の知見により、Feを実質的に添加せずにアルミニウム
合金の強度向上を図るというものである。
きくしたアルミニウム合金が提案されている。例えば、
特開平1−272743号公報は、下記の耐熱性に優れ
た高力アルミニウム合金を開示している。即ち、前記高
力アルミニウム合金は、Cu:2.5〜4.0 wt.% 、
Mg:1.0〜2.0 wt.% 、Ni:0.3〜1.2w
t.% を含有し、更に、Mn:0.6 wt.% 以下、Si:
0.6 wt.% 以下、および、Zr:0.006〜0.3
wt.% を含有し、更に、Ti:0.001〜0.2 wt.
% を含有してもよく、残部がAlおよび不可避的不純物
からなることに特徴を有するものである(以下、先行技
術という)。先行技術の基本的技術思想は、アルミニウ
ム合金の高温強度の向上をはかるためにNiを比較的少
量添加した場合に、Feが多く含有されていると高温強
度が低下し、Feはむしろ耐熱性に対して有害であると
の知見により、Feを実質的に添加せずにアルミニウム
合金の強度向上を図るというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、先行技術1
は、高温で長時間保持すると強度が低下し、高温強度が
未だ十分ではないという問題を有している。従って、本
発明の目的は、上述した問題点を解決し、従来の耐熱性
アルミニウム合金よりも更に優れた高温強度、特に、エ
ンジンおよびコンプレッサ−等の部品等に要求される1
50℃における引張強さを十分満たす、耐熱性に優れた
高強度アルミニウム合金を提供することにある。
は、高温で長時間保持すると強度が低下し、高温強度が
未だ十分ではないという問題を有している。従って、本
発明の目的は、上述した問題点を解決し、従来の耐熱性
アルミニウム合金よりも更に優れた高温強度、特に、エ
ンジンおよびコンプレッサ−等の部品等に要求される1
50℃における引張強さを十分満たす、耐熱性に優れた
高強度アルミニウム合金を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述した
目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、2618合金
の主要な合金成分であるCu、Mg、FeおよびNiを
含有するAl合金に、適正な量のCrおよびZrを添加
することにより、アルミニウム合金において著しく繊維
組織を発達せしめ、更に、適正な量のBeを添加するこ
とにより、Al−Cu−Mg系合金がもつ析出硬化能を
増大させ、しかも、Al−Fe−Ni系金属間化合物を
微細化させ、もって、常温および高温における強度を向
上させ得るとの知見を得た。この発明は、上記知見に基
づいてなされたものであり、特に、Be添加による上記
作用・効果が重要な役割を果たすものである。
目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、2618合金
の主要な合金成分であるCu、Mg、FeおよびNiを
含有するAl合金に、適正な量のCrおよびZrを添加
することにより、アルミニウム合金において著しく繊維
組織を発達せしめ、更に、適正な量のBeを添加するこ
とにより、Al−Cu−Mg系合金がもつ析出硬化能を
増大させ、しかも、Al−Fe−Ni系金属間化合物を
微細化させ、もって、常温および高温における強度を向
上させ得るとの知見を得た。この発明は、上記知見に基
づいてなされたものであり、特に、Be添加による上記
作用・効果が重要な役割を果たすものである。
【0007】即ち、本発明による耐熱性に優れた高強度
アルミニウム合金は、Cu:2.0〜3.5 wt.% 、M
g:1.0〜2.5 wt.% 、Fe:0.8〜1.4 wt.
% 、Ni:0.8〜1.4 wt.% 、Cr:0.05〜
0.25 wt.% 、Zr:0.05〜0.25 wt.% 、S
i:0.25 wt.% 以下、Mn:0.4 wt.% 以下、B
e:0.001〜0.1 wt.% 、Ti:0.005〜
0.05 wt.% 、および、B:0.0005〜0.01
wt.% を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から
なることに特徴を有するものである。
アルミニウム合金は、Cu:2.0〜3.5 wt.% 、M
g:1.0〜2.5 wt.% 、Fe:0.8〜1.4 wt.
% 、Ni:0.8〜1.4 wt.% 、Cr:0.05〜
0.25 wt.% 、Zr:0.05〜0.25 wt.% 、S
i:0.25 wt.% 以下、Mn:0.4 wt.% 以下、B
e:0.001〜0.1 wt.% 、Ti:0.005〜
0.05 wt.% 、および、B:0.0005〜0.01
wt.% を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物から
なることに特徴を有するものである。
【0008】
【作用】以下、この発明のアルミニウム合金の化学成分
組成を上述した範囲内に限定した理由を説明する。
組成を上述した範囲内に限定した理由を説明する。
【0009】(1) Cu:Cuは、Al−Cu−Mg系の
析出物を生成して析出効果を生ずることにより、常温お
よび高温における強度を向上させる効果を有する。しか
しながら、Cu含有量が2.0 wt.% 未満では前述した
強度の向上効果が少なく、一方、その含有量が3.5 w
t.% を超えると、溶体化処理時に未固溶の化合物が残存
するようになり強度が低下する。従って、Cu含有量を
2.0〜3.5 wt.% の範囲内に限定すべきである。
析出物を生成して析出効果を生ずることにより、常温お
よび高温における強度を向上させる効果を有する。しか
しながら、Cu含有量が2.0 wt.% 未満では前述した
強度の向上効果が少なく、一方、その含有量が3.5 w
t.% を超えると、溶体化処理時に未固溶の化合物が残存
するようになり強度が低下する。従って、Cu含有量を
2.0〜3.5 wt.% の範囲内に限定すべきである。
【0010】(2) Mg:Mgは、Cuと同様、Al−C
u−Mg系の析出物を生成して析出効果を生ずることに
より、常温および高温における強度を向上させる効果を
有する。しかしながら、Mg含有量が1.0 wt.% 未満
では前述した強度の向上効果が小さく、一方、その含有
量が2.5 wt.% を超えると、溶体化処理時に未固溶の
化合物が残存するようになり強度および加工性が低下す
る。従って、Mg含有量を1.0〜2.5 wt.% の範囲
内に限定すべきである。
u−Mg系の析出物を生成して析出効果を生ずることに
より、常温および高温における強度を向上させる効果を
有する。しかしながら、Mg含有量が1.0 wt.% 未満
では前述した強度の向上効果が小さく、一方、その含有
量が2.5 wt.% を超えると、溶体化処理時に未固溶の
化合物が残存するようになり強度および加工性が低下す
る。従って、Mg含有量を1.0〜2.5 wt.% の範囲
内に限定すべきである。
【0011】(3) FeおよびNi:FeおよびNiは、
共存すると、Al−Fe−Ni系金属間化合物の形で析
出し、母相中に分散して高温強度を向上させる効果を有
する。しかしながら、FeおよびNiのうちのいずれか
一方の含有量が0.8 wt.% 未満では、Al−Fe−N
i系金属間化合物の粒子の分散量が少なくなってAl合
金の所望の高温強度を得ることができない。一方、Fe
およびNiのうちのいずれか一方の含有量が1.4 wt.
% を超えると、Al−Fe−Cu系またはAl−Ni−
Cu系の金属間化合物が形成されるようになり、母相中
の固溶Cu量が減少するため、Al合金の強度は低下す
る。従って、Fe含有量およびNi含有量を、各々、
0.8〜1.4 wt.% の範囲内に限定すべきである。
共存すると、Al−Fe−Ni系金属間化合物の形で析
出し、母相中に分散して高温強度を向上させる効果を有
する。しかしながら、FeおよびNiのうちのいずれか
一方の含有量が0.8 wt.% 未満では、Al−Fe−N
i系金属間化合物の粒子の分散量が少なくなってAl合
金の所望の高温強度を得ることができない。一方、Fe
およびNiのうちのいずれか一方の含有量が1.4 wt.
% を超えると、Al−Fe−Cu系またはAl−Ni−
Cu系の金属間化合物が形成されるようになり、母相中
の固溶Cu量が減少するため、Al合金の強度は低下す
る。従って、Fe含有量およびNi含有量を、各々、
0.8〜1.4 wt.% の範囲内に限定すべきである。
【0012】(4) CrおよびZr:CrおよびZrは、
それぞれ、Al−Cr系金属間化合物およびAl3 Zr
金属間化合物の形で、Al合金中の母相中に微細な粒子
で分散し、熱間加工およびこれに次いで行われる溶体化
処理において生じる再結晶を抑制し、そして、繊維組織
を形成して、Al合金の強度を向上させる効果を有す
る。しかしながら、CrおよびZrのうちのいずれか一
方の含有量が0.05 wt.% 未満では、前述した効果が
小さく、一方、CrおよびZrのうちのいずれか一方の
含有量が0.25 wt.% を超えると、溶湯の鋳造時に巨
大な金属間化合物を晶出し、Al合金の強度は低下す
る。従って、CrおよびZrの含有量を、各々、0.0
5〜0.25 wt.% の範囲内とすべきである。
それぞれ、Al−Cr系金属間化合物およびAl3 Zr
金属間化合物の形で、Al合金中の母相中に微細な粒子
で分散し、熱間加工およびこれに次いで行われる溶体化
処理において生じる再結晶を抑制し、そして、繊維組織
を形成して、Al合金の強度を向上させる効果を有す
る。しかしながら、CrおよびZrのうちのいずれか一
方の含有量が0.05 wt.% 未満では、前述した効果が
小さく、一方、CrおよびZrのうちのいずれか一方の
含有量が0.25 wt.% を超えると、溶湯の鋳造時に巨
大な金属間化合物を晶出し、Al合金の強度は低下す
る。従って、CrおよびZrの含有量を、各々、0.0
5〜0.25 wt.% の範囲内とすべきである。
【0013】(5) Si:Siは不純物として混入する不
可避的不純物の1つであり、強度向上に有効なMgと晶
出物を形成するため、Mgによる強度向上効果を阻害す
る。Si含有量が、0.25 wt.% を超えると上記弊害
が顕れる。従って、Si含有量を、0.25 wt.% 以下
に限定すべきである。
可避的不純物の1つであり、強度向上に有効なMgと晶
出物を形成するため、Mgによる強度向上効果を阻害す
る。Si含有量が、0.25 wt.% を超えると上記弊害
が顕れる。従って、Si含有量を、0.25 wt.% 以下
に限定すべきである。
【0014】(6) Mn:Mnは、Al合金の高温強度を
向上させる効果を有する。従って、この発明のAl合金
において、より耐熱性に優れた合金をうるためには、M
nを添加すべきである。しかし、Mn含有量が0.4 w
t.% を超えると、巨大な晶出物が発生して塑性加工時に
割れが生じ易くなり、また、材料破壊の起点となるた
め、Al合金の強度は低下する。従って、より望ましく
は、Mn含有量を0.4 wt.% 以下(無添加の場合を含
む)に限定すべきである。
向上させる効果を有する。従って、この発明のAl合金
において、より耐熱性に優れた合金をうるためには、M
nを添加すべきである。しかし、Mn含有量が0.4 w
t.% を超えると、巨大な晶出物が発生して塑性加工時に
割れが生じ易くなり、また、材料破壊の起点となるた
め、Al合金の強度は低下する。従って、より望ましく
は、Mn含有量を0.4 wt.% 以下(無添加の場合を含
む)に限定すべきである。
【0015】(7) Be:Beは、Al−Fe−Ni系分
散粒子を微細化する作用を有し、更に、Al−Cu−M
g系の析出物が生成することにより生じる析出硬化能を
増大させる作用を有する。Beはかかる作用を有するこ
とによりAl合金の強度を向上させる効果を有する。し
かしながら、Be含有量が0.001 wt.% 未満では、
前述した効果が小さい。一方、Beは毒性の強い元素で
あるから、余り多量に使用すると鋳造作業の環境を害す
る恐れがあるので、0.1 wt.% を超えた量を添加する
のは望ましくない。従って、Be含有量を0.001〜
0.1 wt.% の範囲内に限定すべきである。
散粒子を微細化する作用を有し、更に、Al−Cu−M
g系の析出物が生成することにより生じる析出硬化能を
増大させる作用を有する。Beはかかる作用を有するこ
とによりAl合金の強度を向上させる効果を有する。し
かしながら、Be含有量が0.001 wt.% 未満では、
前述した効果が小さい。一方、Beは毒性の強い元素で
あるから、余り多量に使用すると鋳造作業の環境を害す
る恐れがあるので、0.1 wt.% を超えた量を添加する
のは望ましくない。従って、Be含有量を0.001〜
0.1 wt.% の範囲内に限定すべきである。
【0016】(8) Ti:Tiは、鋳造組織を微細化し鋳
片のワレ発生を防止と共に、Al合金の熱間加工性を向
上させる効果を有する。しかしながら、Ti含有量が
0.005 wt.% 未満では、その効果が小さく、また、
鋳造割れが発生が発生し易くなる。一方、その含有量が
0.05 wt.% を超えると、溶湯の鋳造時に巨大なTi
Al3 化合物の晶出を防止するためには好ましくない。
従って、Ti含有量を0.005〜0.05 wt.% の範
囲内に限定すべきである。
片のワレ発生を防止と共に、Al合金の熱間加工性を向
上させる効果を有する。しかしながら、Ti含有量が
0.005 wt.% 未満では、その効果が小さく、また、
鋳造割れが発生が発生し易くなる。一方、その含有量が
0.05 wt.% を超えると、溶湯の鋳造時に巨大なTi
Al3 化合物の晶出を防止するためには好ましくない。
従って、Ti含有量を0.005〜0.05 wt.% の範
囲内に限定すべきである。
【0017】(9) B:Bは、Tiとの共存下において鋳
造組織の微細化作用を有する。従って、Al合金の熱間
加工性を向上させるために効果がある。しかしながら、
B含有量が0.0005 wt.% 未満ではその効果が小さ
く、一方、その含有量が0.01 wt.% を超えると、巨
大なTiB2 晶出物が生成するため強度を劣化させる。
従って、B含有量を0.0005〜0.01 wt.% の範
囲内に限定すべきである。
造組織の微細化作用を有する。従って、Al合金の熱間
加工性を向上させるために効果がある。しかしながら、
B含有量が0.0005 wt.% 未満ではその効果が小さ
く、一方、その含有量が0.01 wt.% を超えると、巨
大なTiB2 晶出物が生成するため強度を劣化させる。
従って、B含有量を0.0005〜0.01 wt.% の範
囲内に限定すべきである。
【0018】上述した化学成分組成を有する本発明のA
l合金は、常法に従って、鋳造、均質化処理、押出加
工、鍛造加工、溶体化処理および時効処理等の工程によ
り、エンジンおよびコンプレッサ−等の部品用材料に調
製され、使用される。
l合金は、常法に従って、鋳造、均質化処理、押出加
工、鍛造加工、溶体化処理および時効処理等の工程によ
り、エンジンおよびコンプレッサ−等の部品用材料に調
製され、使用される。
【0019】
【実施例】次に、この発明を実施例により更に詳細に説
明する。表1に示す、本発明の範囲内の化学成分組成を
有する本発明合金No.1〜12、および、本発明の範囲
外の化学成分組成を有する比較用合金No.1〜14の各
々を通常の方法で溶製し、次いで、連続鋳造により直径
8インチ(約204mm)のビレットを調製し、次い
で、これに490℃で12hrの均質化熱処理を施し、
そして、次いで、450℃で熱間押出し加工を施して直
径40mmの丸棒を調製した。このようにして得られた
丸棒にT6処理、即ち、525℃で2hrの溶体化処理
を施し、水焼入をし、そして、175℃で24hrの時
効処理を施した。このようにして、本発明合金から得ら
れた本発明供試体、および、比較用合金から得られた比
較用供試体の各々の供試体について、常温および150
℃における引張試験を行なった。150℃における引張
試験方法は、所定の引張試験片を150℃の温度に10
0hr保持後、引き続き引張試験を行なった。その結果
を表2に示す。
明する。表1に示す、本発明の範囲内の化学成分組成を
有する本発明合金No.1〜12、および、本発明の範囲
外の化学成分組成を有する比較用合金No.1〜14の各
々を通常の方法で溶製し、次いで、連続鋳造により直径
8インチ(約204mm)のビレットを調製し、次い
で、これに490℃で12hrの均質化熱処理を施し、
そして、次いで、450℃で熱間押出し加工を施して直
径40mmの丸棒を調製した。このようにして得られた
丸棒にT6処理、即ち、525℃で2hrの溶体化処理
を施し、水焼入をし、そして、175℃で24hrの時
効処理を施した。このようにして、本発明合金から得ら
れた本発明供試体、および、比較用合金から得られた比
較用供試体の各々の供試体について、常温および150
℃における引張試験を行なった。150℃における引張
試験方法は、所定の引張試験片を150℃の温度に10
0hr保持後、引き続き引張試験を行なった。その結果
を表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、本発明供試体N
o.1〜12の引張強さは、すべて、常温においては50
0MPa以上であり、そして、150℃においては42
0MPa以上であり、耐熱性に優れた高強度アルミニウ
ム合金である。
o.1〜12の引張強さは、すべて、常温においては50
0MPa以上であり、そして、150℃においては42
0MPa以上であり、耐熱性に優れた高強度アルミニウ
ム合金である。
【0023】これに対して、化学成分組成が1つでも本
発明の範囲外である比較用供試体においては、No.1〜
14の引張強さは、すべて、常温においては500MP
a未満であり、そして、150℃においては400MP
a未満である。従って、本発明供試体の引張強さよりも
劣っている。即ち、比較用供試体については、No.1お
よび2においては、Cu含有量が、本発明の範囲外にそ
れぞれ低いかまたは高いため、No.3においては、Mg
含有量が、本発明の範囲外に低いため、No.5において
は、Fe含有量が本発明の範囲外に低く、Ni含有量が
本発明の範囲外に高いため、No.6においては、Fe含
有量が本発明の範囲外に高く、Ni含有量が本発明の範
囲外に低いため、No.7においては、CrおよびZr含
有量が本発明の範囲外に低いため、No.8においては、
Cr含有量が本発明の範囲外に高いため、No.9におい
ては、Zr含有量が本発明の範囲外に高いため、No.1
0においては、Be含有量が本発明の範囲外に低いた
め、No.12においては、Ti含有量が、本発明の範囲
外に高いため、そして、No.13および14は、それぞ
れ、Si含有量およびMn含有量が本発明の範囲外に高
いため、十分な強度が得られない。即ち、比較用供試体
の常温および150℃における引張強さは、本発明供試
体のそれよりも劣っている。なお、比較用供試体No.4
においては、Mg含有量が本発明の範囲外に高いため熱
間押出し加工時に割れが発生し、また、No.11におい
ては、Ti含有量が本発明の範囲外に低い(添加されて
いない)ためビレットに割れが発生したので、いずれも
試験を中止した。
発明の範囲外である比較用供試体においては、No.1〜
14の引張強さは、すべて、常温においては500MP
a未満であり、そして、150℃においては400MP
a未満である。従って、本発明供試体の引張強さよりも
劣っている。即ち、比較用供試体については、No.1お
よび2においては、Cu含有量が、本発明の範囲外にそ
れぞれ低いかまたは高いため、No.3においては、Mg
含有量が、本発明の範囲外に低いため、No.5において
は、Fe含有量が本発明の範囲外に低く、Ni含有量が
本発明の範囲外に高いため、No.6においては、Fe含
有量が本発明の範囲外に高く、Ni含有量が本発明の範
囲外に低いため、No.7においては、CrおよびZr含
有量が本発明の範囲外に低いため、No.8においては、
Cr含有量が本発明の範囲外に高いため、No.9におい
ては、Zr含有量が本発明の範囲外に高いため、No.1
0においては、Be含有量が本発明の範囲外に低いた
め、No.12においては、Ti含有量が、本発明の範囲
外に高いため、そして、No.13および14は、それぞ
れ、Si含有量およびMn含有量が本発明の範囲外に高
いため、十分な強度が得られない。即ち、比較用供試体
の常温および150℃における引張強さは、本発明供試
体のそれよりも劣っている。なお、比較用供試体No.4
においては、Mg含有量が本発明の範囲外に高いため熱
間押出し加工時に割れが発生し、また、No.11におい
ては、Ti含有量が本発明の範囲外に低い(添加されて
いない)ためビレットに割れが発生したので、いずれも
試験を中止した。
【0024】このように、本発明合金から調製されるA
l合金材料は、常温から150℃までの温度範囲内にお
いて優れた強度を有することがわかる。
l合金材料は、常温から150℃までの温度範囲内にお
いて優れた強度を有することがわかる。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のAl合金に
よれば、常温強度および高温強度について、従来の耐熱
Al合金よりも優れたものが得られ、従って、エンジ
ン、コンプレッサ−等の常温から比較的高温雰囲気まで
において使用される機械類の構成部品用材料として適し
たアルミニウム合金を提供することができる、工業上有
用な効果がもたらされる。
よれば、常温強度および高温強度について、従来の耐熱
Al合金よりも優れたものが得られ、従って、エンジ
ン、コンプレッサ−等の常温から比較的高温雰囲気まで
において使用される機械類の構成部品用材料として適し
たアルミニウム合金を提供することができる、工業上有
用な効果がもたらされる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年8月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】即ち、本発明による耐熱性に優れた高強度
アルミニウム合金は、Cu:2.0〜3.5wt.%、
Mg:1.0〜2.5wt.%、Fe:0.8〜1.4
wt.%、Ni:0.8〜1.4wt.%、Cr:0.
05〜0.25wt.%、Zr:0.05〜0.25w
t.%、Si:0.25wt.%以下、Mn:0.4w
t.%以下(無添加の場合を含む)、Be:0.001
〜0.1wt.%、Ti:0.005〜0.05wt.
%、および、B:0.0005〜0.01wt.%を含
有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなることに
特徴を有するものである。
アルミニウム合金は、Cu:2.0〜3.5wt.%、
Mg:1.0〜2.5wt.%、Fe:0.8〜1.4
wt.%、Ni:0.8〜1.4wt.%、Cr:0.
05〜0.25wt.%、Zr:0.05〜0.25w
t.%、Si:0.25wt.%以下、Mn:0.4w
t.%以下(無添加の場合を含む)、Be:0.001
〜0.1wt.%、Ti:0.005〜0.05wt.
%、および、B:0.0005〜0.01wt.%を含
有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなることに
特徴を有するものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】
【表1】
Claims (1)
- 【請求項1】 銅(Cu) :2.0〜3.5
wt.% 、 マグネシウム(Mg):1.0〜2.5 wt.% 、 鉄(Fe) :0.8〜1.4 wt.% 、 ニッケル(Ni) :0.8〜1.4 wt.% 、 クロム(Cr) :0.05〜0.25 wt.% 、 ジルコニウム(Zr):0.05〜0.25 wt.% 、 シリコン(Si) :0.25 wt.% 以下、 マンガン(Mn) :0.4 wt.% 以下(無添加の場
合を含む)、 ベリリウム(Be) :0.001〜0.1 wt.% 、 チタン(Ti) :0.005〜0.05 wt.% 、
および、 ボロン(B) :0.0005〜0.01 wt.%
を含有し、残部がアルミニウム(Al)および不可避的
不純物からなることを特徴とする、耐熱性に優れた高強
度アルミニウム合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6308191A JPH08144002A (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 耐熱性に優れた高強度アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6308191A JPH08144002A (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 耐熱性に優れた高強度アルミニウム合金 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08144002A true JPH08144002A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17978017
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6308191A Pending JPH08144002A (ja) | 1994-11-16 | 1994-11-16 | 耐熱性に優れた高強度アルミニウム合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08144002A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1557567A3 (en) * | 2004-01-26 | 2010-12-29 | Furukawa-Sky Aluminum Corporation | Cast aluminum alloy compressor wheel for a turbocharger |
| EP2036993A4 (en) * | 2006-06-29 | 2011-01-26 | Hitachi Metals Ltd | ALUMINUM ALLOY ALLOY, THE ALLOY COMPREHENSIVE CASTED COMPRESSOR LOAD AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
| JP2011122180A (ja) * | 2009-12-08 | 2011-06-23 | Kobe Steel Ltd | 高温強度及び高温疲労特性に優れた耐熱アルミニウム合金押出材 |
| JP2016087624A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 昭和電工株式会社 | アルミニウム合金製ターボコンプレッサホイール用鍛造素形材およびその製造方法 |
| CN110484792A (zh) * | 2019-09-27 | 2019-11-22 | 福建省闽发铝业股份有限公司 | 一种提高铝型材抗压强度的熔铸生产工艺 |
-
1994
- 1994-11-16 JP JP6308191A patent/JPH08144002A/ja active Pending
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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