JPH08151268A - 炭化珪素質焼結体の製造方法 - Google Patents

炭化珪素質焼結体の製造方法

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JPH08151268A
JPH08151268A JP6294257A JP29425794A JPH08151268A JP H08151268 A JPH08151268 A JP H08151268A JP 6294257 A JP6294257 A JP 6294257A JP 29425794 A JP29425794 A JP 29425794A JP H08151268 A JPH08151268 A JP H08151268A
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昭彦 西本
Masaki Terasono
正喜 寺園
Shuichi Tateno
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Abstract

(57)【要約】 【目的】珪化処理後の焼結体表面への遊離珪素の残留を
抑制し、加工性に優れ、炭素と珪素の反応による発熱、
急激な体積膨張をおさえることができ、クラックのない
炭化珪素質焼結体を得る。 【構成】炭化珪素と炭素からなる成形体に対して、珪素
の融点以上の温度で金属珪素を含浸し、炭素を珪化する
炭化珪素質焼結体の製造方法であって、珪化処理におけ
る昇温過程の1200℃以上から珪化温度までの温度領
域で、5℃/min以下の昇温速度で、且つ炭素を含有
する雰囲気中で行う徐昇温工程を具備することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造部品用あるいは半
導体製造用治具などに適した炭化珪素質焼結体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来技術】炭化珪素質焼結体は、ガスタービン用部品
等の構造部品や半導体素子などを製造する際に使用する
プロセスチューブ、ライナーチューブ、ウエハーボート
などの治具用の材料として注目され、その実用化が進め
られている。
【0003】一般に、炭化珪素質焼結体を製造する方法
としては、炭化珪素の焼結助剤として知られるホウ素、
炭素、周期律表第3a族元素酸化物あるいはAl2 3
などを添加しこれを焼成して高密度化した助剤添加系、
あるいは炭化珪素と炭素からなる成形体に珪素を溶融含
浸させ、炭素と珪素を反応させ新たに炭化珪素を生成さ
せる反応焼結法が知られている。
【0004】また、助剤添加焼結法は、1900〜23
00℃の高温で焼結させるのに対して、反応焼結法は、
1450〜1700℃の低温で焼結させることができ
る。また、助剤添加焼結法は焼結時に15〜20%の寸
法収縮を伴うのに対して、反応焼結法では焼結時の寸法
収縮が1〜2%以下である。このため反応焼結法は複雑
形状の大型焼結体を得る方法として注目されている。ま
た、反応焼結法によれば、高純度が要求される半導体製
造用の焼結体としても多用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、上述
した2つの製造方法によれば、いずれも製品にするため
には焼結後加工が必要なことから多額な加工費用が必要
となる。特に、反応焼結法で得られた焼結体は焼結後に
遊離珪素が残留するためにその遊離珪素の除去のために
加工に時間を要する。
【0006】また、この炭化珪素質焼結体を半導体製造
用の治具として使用する場合は、高純度が要求されるた
め加工により不純物が混入すると製品として使用できな
いという問題があるために加工の方法が特殊な方法に制
限されるといった問題もあった。
【0007】さらに、反応焼結法では、炭素と珪素の反
応による発熱、体積膨張により焼結体にクラックが生じ
るという問題があり、特に、大型形状になった場合、ク
ラックの発生は顕著となる。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決すべく検討を重ねた結果、炭化珪素と炭素から
なる成形体に珪素を溶融含浸させ、炭素を珪化させる工
程において、1200℃以上から珪化温度までの温度領
域で、5℃/min以下の昇温速度で且つ炭素を含有す
る雰囲気中で行う、徐昇温工程を具備することにより、
遊離珪素が残留せず、しかも炭素と珪素の反応による発
熱、急激な体積膨張量を抑えることができるために、ク
ラックのない焼結体が得られることを見いだしたもので
ある。
【0009】以下本発明を詳述する。本発明の炭化珪素
質焼結体を製造するために、まず原料粉末として炭化珪
素粉末を準備する。炭化珪素粉末としてはα型、β型の
いずれかまたは混合して使用することもできる。炭化珪
素粉末の平均粒径としてはサブミクロンから数百μmま
でのいずれでもよいが、焼結体の機械的特性を考慮する
と5μm以下とするのが望ましい。
【0010】そして、上記粉末を公知の成形方法、たと
えば、プレス成形、押し出し成形、鋳込み成形、冷間静
水圧成形等により所望の形状に成形する。また、得られ
た成形体に対しては、800〜2000℃の非酸化性雰
囲気中で熱処理して保形性を付与することもできる。
【0011】その後、上記の成形体あるいは仮焼体に対
して炭素を導入する。炭素を導入する方法としては、ま
ず、熱分解したときに残炭するような樹脂、たとえば、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミ
ン樹脂等を溶媒に溶解させ、この溶液中に成形体あるい
は仮焼体を浸漬または塗布する。樹脂成分は溶媒に溶解
させているため成形体または仮焼体の細孔中に均一に導
入される。そしてこの処理後の成形体または仮焼体を8
00〜2000℃の非酸化性雰囲気中で熱処理して熱分
解させて炭化させることにより炭素を均一に導入するこ
とができる。
【0012】炭素の導入方法としては、上記のほかに出
発組成において、炭化珪素粉末と炭素粉末、または熱分
解により残炭するような前述した樹脂を予め混合し、上
記と同様にこの混合粉末を公知の成形方法により所望の
形状に成形してもよい。
【0013】これら炭素の導入にあたり、炭素の導入量
としては炭化珪素と炭素の合量に対して、炭素が2〜5
0重量%となるように制御することが望ましい。これ
は、炭素量がこれより多いと未反応カーボンが残留する
ためであり、これより少ないと試料内部まで完全にSi
を含浸させることが困難となるためである。
【0014】次に、炭素が導入された成形体あるいは仮
焼体を溶融珪素と接触させることにより、導入された炭
素を珪化処理する。この珪化処理の方法としては、珪素
粉末と有機溶媒および有機バインダーとを混合して調製
された珪素ペーストを成形体あるいは仮焼体の表面に塗
布し、これを珪素の融点以上、即ち、1414℃以上の
温度に加熱する。この加熱により溶融珪素が成形体ある
いは仮焼体中に浸透し、炭素成分と接触させ炭素の珪化
により新たに炭化珪素が生成される。
【0015】この炭素の珪化処理による炭化珪素の生成
に伴い体積膨張が生じるために成形体および仮焼体の緻
密化が進行する。また、新たに生成された炭化珪素によ
り細孔がすべて充填されない場合も、残存した細孔中を
金属珪素が埋めるために完全な緻密体を得ることができ
る。
【0016】本発明によれば、この珪化処理の際、室温
から珪化温度までの昇温過程の1200℃から珪化温度
までの温度領域において、昇温速度を5℃/min以
下、特に3℃/min以下、且つ炭素含有雰囲気で処理
する、いわゆる徐昇温工程を具備することが重要であ
る。炭素含有雰囲気としては珪化処理を炭素製の鉢内で
行ったり、炭素粉末中に成形体あるいは仮焼体を埋めて
処理したり、あるいは炉内の雰囲気中に一酸化炭素など
のガスを導入してもよい。この徐昇温工程での昇温速度
は、昇温速度0℃/min、即ち、1200℃から珪化
温度までのある一定の温度に所定時間保持する場合も含
まれる。この徐昇温工程による処理時間は、温度とその
昇温速度によりだいたい30分から3000分の間で変
わる。
【0017】そして、珪化温度に達した後は、雰囲気は
真空またはアルゴン等の非酸化性雰囲気とし炭素の珪化
が完全に進行するまで処理を行った後、室温まで冷却す
る。
【0018】なお、珪化温度での保持時間はおよそ0.
5〜10時間が適当である。
【0019】
【作用】本発明によれば、炭素の珪化処理における昇温
時の1200℃から珪化温度までの温度領域内で、昇温
速度を5℃/min以下の炭素含有雰囲気で処理する徐
昇温工程を具備する。この徐昇温工程は、珪化処理にお
いて、成形体あるいは仮焼体の表面に存在する珪素を雰
囲気中の炭素あるいは一酸化炭素と反応させて、炭化珪
素を生成させるためである。この炭化珪素の膜は簡単に
取り除くことができるため、珪化処理後の表面への遊離
珪素の付着を防止することができる。これにより、珪化
処理後の遊離珪素の除去を必要とせず、加工を容易に行
うことができる。なお、1200℃以上での昇温速度が
5℃/minよりも速いと塗布した珪素と炭素あるいは
一酸化炭素との反応が進まないために炭化珪素の膜が得
られず、珪化処理後の焼結体表面には遊離珪素が付着し
てしまい、遊離珪素の除去および加工が難しくなる。
【0020】また、1200℃以上の温度で5℃/mi
n以下とすることにより炭素と珪素の反応による発熱
量、急激な体積膨張を抑えることができるため、クラッ
クのない焼結体を得ることができる。これは、炭素と珪
素の反応は1200℃付近から始まり、5℃/minで
昇温を行うことによりその反応速度を穏やかに制御でき
るためである。
【0021】
【実施例】
比較例1、2、実施例1〜10、 平均粒径1.5μmの炭化珪素粉末にフェノール樹脂を
熱分解した時の残炭量が2重量%となるように添加し、
これを混練乾燥後、篩を通して成形用顆粒を得た。これ
ら顆粒を金型プレスにより成形し、50×60×7mm
の成形体を作製した。得られた成形体の気孔率は40%
であった。そしてこの成形体をフェノール樹脂を溶解し
た溶液中に含浸してフェノール樹脂を導入した。これに
よる全炭素導入量は4%であった。
【0022】その後、成形体の表面に珪素ペーストを塗
布し、試料をカーボン炉内に収容して1450℃の温度
で0.5時間加熱して珪化処理を行った。この時、表1
に示す温度範囲を0.1〜10℃/minの昇温速度で
行った。なお、表1の温度範囲に到達するまでは10℃
/minの昇温速度で昇温した。そして、珪化処理した
試料の表面性状を観察後、研磨しクラックを観察した。
【0023】実施例11 実施例1〜10における珪化処理で、1200℃から珪
化温度(1450℃)までを0.5℃/minの昇温速
度とするとともに、成形体を炭素粉末に埋めて珪化処理
した。そして、珪化処理した試料の表面性状を観察後、
研磨しクラックを観察した。
【0024】比較例3 実施例1〜10における珪化処理で、1200℃から珪
化温度までを0.5℃/minとし、タングステン炉を
用いて真空中で処理し、同様に試料の表面性状を観察
後、研磨しクラックを観察した。
【0025】比較例4、実施例12〜15 実施例1〜10における珪化処理で、試料をカーボン炉
に収容し、表1に示す温度にて一次的に保持(昇温速度
0℃/min)として処理を行った。その一次温度保持
前後の昇温過程は、10℃/minの昇温速度に設定し
た。そして、同様に試料の表面性状を観察後、研磨しク
ラックを観察した。
【0026】
【表1】
【0027】表1によれば、1200℃以上の温度で昇
温速度を0〜5℃/min以下、かつ炭素含有雰囲気中
で珪化処理したものは、遊離珪素がなく、存在してもご
くわずかであって、またその表面に炭化珪素膜が形成さ
れており、その炭化珪素膜も容易に剥がすことができる
ものであった。しかも、焼結体においてクラックの発生
は何ら認められなかった。
【0028】これに対して、昇温速度が5℃/minを
越える比較例1、2、保持温度が1200℃より低い比
較例4では遊離珪素がその表面に多量に付着しており、
珪素を研削加工でしかこれを除去することはできなかっ
た。しかも焼結体中にはクラックが発生していた。ま
た、昇温速度が5℃/min以下であっても炭素を含ま
ないタングステン炉で行った比較例3では、クラックの
発生はなかったが、遊離珪素が多量に付着しており、炭
化珪素膜の生成は認められなかった。
【0029】この結果から、本発明の方法によれば、遊
離珪素の表面への付着を抑制できるために加工性が顕著
に向上すると共に、珪化によるクラックの発生を防止で
きることがわかった。
【0030】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、珪
化処理後の焼結体表面への遊離珪素の残留を抑制し、加
工性に優れた炭化珪素質焼結体を得ることができる。ま
た、同時に炭素と珪素の反応による発熱、急激な体積膨
張をおさえることができ、クラックのない焼結体が得ら
れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化珪素と炭素からなる成形体に対して、
    珪素の融点以上の温度で金属珪素を含浸させ、前記炭素
    を珪化する炭化珪素質焼結体の製造方法であって、前記
    炭素を珪化する工程における昇温過程の1200℃以上
    から珪化温度までの温度領域で、5℃/min以下の昇
    温速度で、且つ炭素を含有する雰囲気中で行う工程を具
    備することを特徴とする炭化珪素質焼結体の製造方法。
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