JPH08151332A - 点鼻用水性懸濁液 - Google Patents

点鼻用水性懸濁液

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JPH08151332A
JPH08151332A JP7274743A JP27474395A JPH08151332A JP H08151332 A JPH08151332 A JP H08151332A JP 7274743 A JP7274743 A JP 7274743A JP 27474395 A JP27474395 A JP 27474395A JP H08151332 A JPH08151332 A JP H08151332A
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JP
Japan
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nasal
cyclodextrin
drug
suspension
aqueous
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Withdrawn
Application number
JP7274743A
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English (en)
Inventor
Kiyoko Kimura
聖子 木村
Taiji Morita
泰司 森田
Kunihiro Fukushi
国弘 福士
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Senju Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Senju Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来、難水溶性薬物を含有する点鼻用水性懸濁
液は、投与後比較的短時間に咽頭に流下されるか、外鼻
孔から流出または自然排泄されてしまって充分な薬効を
発現させることが困難であった。そこで薬物の鼻粘膜貯
留性を改善し、薬効の持続時間の延長をもたらす難水溶
性薬物含有点鼻剤の出現が待ち望まれていた。 【解決手段】シクロデキストリンに対する安定度定数が
1000以下である難水溶性薬物をシクロデキストリン
と共に点鼻用水性懸濁液とすることにより、投与後薬物
の鼻粘膜貯留性を改善し、局所における薬効の持続時間
の延長をもたらし、ひいては薬物の効果を著しく高める
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水に難溶性の薬物
の点鼻用水性懸濁液に関する。さらに詳細には、シクロ
デキストリンおよび、シクロデキストリンに対する安定
度定数が1000以下である難水溶性薬物を含んでなる
点鼻用水性懸濁液に関する。
【0002】
【従来の技術】点鼻薬は、一般に水剤や粉末剤等の形態
で投与される。しかし水剤として投与された薬物は投与
後比較的短時間に咽頭に流下されてしまうか、鼻汁と混
入して外鼻孔から自然に排泄されてしまう。また、粉末
剤の形態で投与された場合、その粉末剤の粒子径が10
μm以下の場合は、当該粒子が気管支部分にまで移行す
るし、粒子径が500μm以上の場合は当該粒子が鼻前
方部の絨毛のない部分に沈着して絨毛のある粘膜に貯留
されず、薬効が奏されないという問題があった。そのた
め、点鼻薬の薬効を発揮させるためには頻回投与の必要
があった。しかし、点鼻薬の頻回投与はしばしば薬物性
鼻炎と称される鼻粘膜の慢性浮腫性病変をもたらす。そ
こで、薬物の鼻粘膜での貯留性が保持され、薬物の作用
時間の延長される点鼻薬の開発が待ち望まれていた。
【0003】シクロデキストリン類は、環状のオリゴ糖
で、疏水性の空洞に種々の化合物を取り込み包接化合物
である水溶性複合体を形成する性質を有し、薬物の溶解
度の向上、安定化等の目的に利用されている化合物であ
るため、難水溶性薬物を注射液や点眼液のような液体製
剤に調製するために使用されている。また、シクロデキ
ストリンと包接した化合物は、徐々に包接部位から放出
されるため、薬物の作用の持続時間が延長されるともい
われている。かかるシクロデキストリンは、α−、β−
およびγ−型があり、各々異なった性質を有している
が、難水溶性薬物の可溶化、安定化には主にβ−、また
はγ−シクロデキストリンおよびその誘導体を用いるも
のの研究が主体であり、多くの報告がなされている(例
えば特公平6−43314、特公平5−70612号、
特開平3−11018号、特開平5−178765、特
開平4−134093号、特開平2−167228号
等)。
【0004】シクロデキストリン類を使用した点鼻薬に
関しても、例えば上記シクロデキストリンの性質を利用
し、シクロデキストリンの空洞に適合する難水溶性の抗
ウィルス剤の製薬学的組成物(特開昭64−4531
9)や、消化管吸収性の乏しいポリペプチドとシクロデ
キストリンの経鼻投与製剤(特公平2−19092)に
ついての報告がある。しかし、シクロデキストリンに対
する安定度定数が1000以下であり、且つ水に難溶性
の薬物は、シクロデキストリンに包接されないかまたは
極めて包接され難く、水にも解け難いので、シクロデキ
ストリンを用いての可溶化および安定化には適さず、し
たがって、シクロデキトリンとの医薬調製物、特に点鼻
薬としての有用性については未だ検討がなされていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる現況に鑑みて、
本発明者らは薬物の鼻粘膜貯留性が改善され、局所にお
ける薬物の作用時間が延長される難水溶性薬物の点鼻用
水性懸濁液について鋭意研究をおこなった。
【0006】
【課題を解決するための手段】その結果、シクロデキス
トリンの水溶液に、シクロデキストリンに対する安定度
定数が低い難水溶性薬物を懸濁させ点鼻すると、意外に
も局所における難水溶性薬物の薬理効果が著しく上昇
し、かつ薬理効果が持続することが明らかとなった。本
発明は、この新知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明はシクロデキストリンおよび、シクロ
デキストリンに対する安定度定数が1000以下である
難水溶性薬物を含んでなる点鼻用水性懸濁液に関する。
ここで、安定度定数とは、シクロデキストリンと薬物の
複合体の安定度を示す指標であり、また、シクロデキス
トリンと薬物から複合体が生成される程度を示すもので
もある。本発明における薬物とシクロデキストリンとの
安定度定数は、薬物濃度を一定にし、種々の濃度のシク
ロデキストリン溶液とともに、25℃で200回/分、
24時間、振盪機で振盪し、シクロデキストリン溶液中
の飽和薬物の溶解度相図を作成し、Higuchi 等の溶解度
法( Advances in AnalyticalChemistry and Instrum
entation, 4巻,144−148頁,1965年)によ
り算出する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において使用されるシクロ
デキストリンはα−シクロデキストリン、β−シクロデ
キストリン、γ−シクロデキストリン、およびこれらシ
クロデキストリンの誘導体であるジメチル−β−シクロ
デキストリンおよびヒドロキシプロピル−γ−シクロデ
キストリン等、いずれも使用が可能である。これらシク
ロデキストリンの中でも、各種薬物との安定度定数が低
く、包接化合物をつくる比率が極めて低いα−シクロデ
キストリンがとりわけ好ましい。これらシクロデキスト
リンは、通常1.0〜10.0w/v%、好ましくは
2.5〜7.5w/v%となるよう水に溶解し、目的に
応じて単独あるいは2種以上を混合して使用することが
できる。本発明に使用される難水溶性薬物とは、25
℃、1気圧下で薬物1gを溶解するのに必要な精製水が
通常は1000ml以上、好ましくは10000ml以
上、より好ましくは100000ml以上である薬物を
いうが、日本薬局方において溶解性を示す用語である
「極めて溶けにくい」および「ほとんど溶けない」(第
12改正日本薬局方解説書、通則A−45、広川書店、
1991年)を包含するものである。
【0008】本発明に使用される難水溶性薬物は、シク
ロデキストリンに対する安定度定数が通常は1000以
下、好ましくは500以下、より好ましくは300以下
である難水溶性薬物が好ましく、点鼻薬の使用目的によ
りステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗
ヒスタミン剤、抗アレルギー剤および抗菌剤等から適宜
に選択される。かかる難水溶性薬物のうち、ステロイド
系抗炎症剤としては、例えばロテプレドノールエタボネ
ート、フルオロメトロン、ヒドロコーチゾン、ベタメサ
ゾン、プロピオン酸ベクロメタゾンおよびプロピオン酸
フルチカゾン等が挙げられる。非ステロイド系抗炎症剤
としては、例えばメフェナム酸等が挙げられる。抗ヒス
タミン剤としては、例えばフマル酸クレマスチンおよび
テルフェナジン等が挙げられる。抗アレルギー剤として
は、例えばトラニラスト等が挙げられる。抗菌剤として
は、例えばエリスロマイシン、テトラサイクリン等の抗
生物質、スルファメチゾール、スルファメトキサゾー
ル、スルフイソキサゾール等の化学療法剤等が挙げられ
る。
【0009】これら難水溶性薬物は、通常0.01〜1
0.0w/v%、好ましくは0.05〜5.0w/v
%、より好ましくは0.1〜1.0w/v%となるよう
水に懸濁させ、点鼻薬の目的に応じて単独あるいは2種
以上を混合して使用することもできる。本発明の点鼻用
水性懸濁液は、これら難水溶性薬物を点鼻に通常使用さ
れる粒子径の範囲内に調整して用いるのが有利であり、
その粒子径は通常1.0〜100μm、好ましくは5.
0〜50μmである。これらシクロデキストリンと難水
溶性薬物との配合比率は、シクロデキストリンと薬物と
の安定度定数等に応じて適宜決定されるが、通常は、難
水溶性薬物1モルに対してシクロデキストリンを通常
1.0〜10.0モル、好ましくは2.5〜7.5モル
の割合で使用するのが好ましい。具体的には、例えばα
−シクロデキストリンの場合、α−シクロデキストリン
に対する安定度定数が200以下の薬物1モルに対し、
α−シクロデキストリンを通常1.0〜10.0モル、
好ましくは2.5〜7.5モル配合するのが好ましい。
【0010】本発明の点鼻用水性懸濁液には、公知の点
鼻薬一般に用いられる添加剤を含有させることもでき
る。このような添加剤としては、例えば保存剤、等張化
剤、緩衝剤、安定化剤、pH調整剤、増粘剤および懸濁
化剤等が用いられる。保存剤としては、パラベン類(パ
ラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル
等)、逆性石ケン類(塩化ベンザルコニウム、塩化ベン
ゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチル
ピリジニウム等)、アルコール誘導体(フェネチルアル
コール等)、有機酸およびその塩類(デヒドロ酢酸ナト
リウム、ソルビン酸およびその塩等)、フェノール類
(パラクロルメトキシフェノール、パラクロルメタクレ
ゾール等)および有機水銀剤(チメロサール、硝酸フェ
ニル水銀、ニトロメゾール等)等が挙げられる。等張化
剤としては、例えば塩化ナトリウム、ソルビトールおよ
びマンニトール等が挙げられる。緩衝剤としては、例え
ばホウ酸およびその塩、リン酸塩、酢酸塩およびアミノ
酸塩等が挙げられる。安定化剤としては、例えば酸化防
止剤(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ
亜硫酸水素ナトリウム等)およびキレート剤(エデト酸
ナトリウム、クエン酸およびその塩等)等が挙げられ
る。pH調整剤としては、例えば塩酸、酢酸、水酸化ナ
トリウム、リン酸等が挙げられる。増粘剤としては、例
えば、糖類(ソルビトール、マンニトール、ショ糖
等)、セルロース類(メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチル
セルロース等)および合成高分子化合物(ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポ
リマー等)等が挙げられる。懸濁化剤としては、上記セ
ルロース類、合成高分子化合物および界面活性剤(第4
級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、アルキル硫
酸塩等の陰イオン界面活性剤およびレシチン等の両イオ
ン界面活性剤)等が挙げられる。
【0011】これらの添加剤の使用量は、有効成分およ
びその使用量により異なるが、通常鼻の生理状態(鼻汁
と等張)に近似させることが望ましく、例えば、浸透圧
が0.2〜4.0w/v%の食塩液に相当する範囲、好
ましくは0.5〜2.0w/v%の食塩液に相当する範
囲、より好ましくは0.9〜1.5w/v%の食塩液に
相当する範囲である。なお、本発明に使用される難水溶
性薬物は、本点鼻用水性懸濁液中において難水溶性であ
ることが必要であり、従って懸濁液中における難水溶性
薬物の溶解性を本明細書における定義を外れて高めるよ
うな添加剤をその作用が奏される量において使用するこ
とは避けるべきである。
【0012】本発明の点鼻用水性懸濁液は、点鼻に通常
使用されるpH範囲内に調整して用いるのが有利であ
り、通常pH5〜7に調整して用いるのが好ましい。本
発明の点鼻用水性懸濁液は、点鼻に通常使用される浸透
圧の範囲内に調整して用いるのが有利であり、通常14
0〜1140mOsm、好ましくは200〜870mOsm、よ
り好ましくは280〜310mOsmに調整して用いられ
る。本発明の点鼻用水性懸濁液は、点鼻に通常使用され
る粘度の範囲内に調整して用いるのが有利であり、通常
800cSt以下、好ましくは600cSt以下に調整
して用いられる。また、本発明の点鼻用水性懸濁液に
は、その他の医薬成分例えば、血管収縮剤、表面麻酔剤
等の適量を添加してもよい。血管収縮剤としては、例え
ば硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン等が挙げられ
る。表面麻酔剤としては、例えば塩酸リドカイン、塩酸
メピバカイン、塩酸ブピバカイン等が挙げられる。
【0013】本発明の点鼻用水性懸濁液は、自体公知の
方法に従って製造しうる。例えば第九改訂調剤指針(日
本薬剤師会編集、128−129頁、薬事日報社発行)
等に記載の方法により製造される。かくして得られる本
発明の点鼻用水性懸濁液は、難水溶性薬物の鼻粘膜貯留
性を改善することにより局所における薬理効果を上昇さ
せ、かつ薬理効果を持続させることができるので、点鼻
回数を減少させることができ、患者のコンプライアンス
を改善することができる。本発明の点鼻用水性懸濁液
は、公知の点鼻薬一般に用いられている方法に従って使
用することができ、例えば噴霧法および滴下法によって
行うことができる。噴霧法による場合には、例えば年
令、体重、症状等により異なるが、本発明の点鼻用水性
懸濁液を成人のアレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎の治
療に用いるには、プロピオン酸ベクロメタゾンの濃度を
0.05〜0.5w/v%、 好ましくは0.1〜0.2
5w/v%となるようにし、これを1日1〜2回、1回
1〜2度ずつ鼻腔内に噴霧器を用いて噴霧吸入するのが
よい。滴下法による場合には、例えば年令、体重、症状
等により異なるが、本発明の点鼻用水性懸濁液を成人の
アレルギー性鼻炎の治療に用いるには、ロテプレドノー
ルエタボネートの濃度を0.1〜1.0w/v%、 好ま
しくは0.25〜0.5w/v%となるようにし、これ
を1日1〜2回、1回2〜3滴ずつ立位または座位のま
ま首を後屈し、外鼻孔から滴下する。
【0014】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明し、本発明の効果を明らかにするが、
これらは単なる例示であって、これらにより本発明の範
囲が限定されるものではない。
【0015】 〔実施例1〕ロテプレドノールエタボネート含有懸濁点鼻液 ロテプレドノールエタボネート 0.5g α−シクロデキストリン 5.0g 塩化ナトリウム 0.9g 酢酸ナトリウム 0.1g エデト酸ナトリウム 0.02g 塩化ベンザルコニウム 0.005g 滅菌精製水 100.0ml 上記処方を一夜撹拌後、塩酸でpH5.0に調整した。
【0016】 〔実施例2〕ロテプレドノールエタボネート含有懸濁点鼻液 ロテプレドノールエタボネート 0.5g β−シクロデキストリン 1.8g 塩化ナトリウム 0.9g 酢酸ナトリウム 0.1g エデト酸ナトリウム 0.02g 塩化ベンザルコニウム 0.005g 滅菌精製水 100.0ml 上記の処方を一夜撹拌後、塩酸でpH5.0に調整し
た。
【0017】 〔実施例3〕フルオロメトロン含有懸濁点鼻液 フルオロメトロン 0.1g γ−シクロデキストリン 4.0g 塩化ナトリウム 0.8g リン酸二水素ナトリウム 0.1g 塩化ベンザルコニウム 0.01g 滅菌精製水 100.0ml 上記の処方を一夜撹拌後、水酸化ナトリウムでpH7.
0に調整した。
【0018】 〔実施例4〕トラニラスト含有懸濁点鼻液 トラニラスト 0.1g α−シクロデキストリン 4.0g 塩化ナトリウム 0.8g リン酸二水素ナトリウム 0.1g 塩化ベンザルコニウム 0.01g 滅菌精製水 100.0ml 上記の処方を一夜撹拌後、水酸化ナトリウムでpH7.
0に調整した。
【0019】 〔実施例5〕プロピオン酸ベクロメタゾン含有懸濁点鼻液 プロピオン酸ベクロメタゾン 0.5g α−シクロデキストリン 5.0g 塩化ナトリウム 0.8g リン酸二水素ナトリウム 0.1g 塩化ベンザルコニウム 0.01g 滅菌精製水 100.0ml 上記の処方を一夜撹拌後、塩酸でpH6.3に調整し
た。
【0020】 〔実施例6〕メフェナム酸含有懸濁点鼻液 メフェナム酸 0.5g α−シクロデキストリン 5.0g 塩化ナトリウム 0.8g 酢酸ナトリウム 0.1g 塩化ベンザルコニウム 0.005g 滅菌精製水 100.0ml 上記の処方を一夜撹拌後、塩酸でpH5.8に調整し
た。
【0021】
【試験例】
〔試験例1〕 薬物の安定度定数 各薬物の濃度を一定にし、種々の濃度のα−デキストリ
ン溶液とともに、25℃で200回/分、24時間振盪機(TAT
EC BIO-SHAKER BR-40L)で振盪し、α−シクロデキスト
リン溶液中の飽和薬物の溶解度相図を作成し、Higuchi
等の溶解度法(Advances in Analytical Chemistry and
Instrumentation, 4巻,144-148頁,1965年)のうち14
6頁、式(8)に基づき算出した薬物の安定度定数は〔表
1〕のとおりであった。
【0022】
【表1】
【0023】〔試験例2〕 ラット鼻炎モデルに対する効果 (試験方法)ウィスター系雄性ラット(体重170g、
1群7〜10匹)の両鼻腔にペントバルビタール麻酔下
で、0.5v/v%酢酸を3μl点鼻投与し、その20
分後に10w/v%アラキドン酸を3μl点鼻投与し、
鼻腔粘膜の炎症を惹起させた。炎症惹起4時間後に気管
を切開し、カニューレを挿入して気道確保し、次に食道
を切開して頚部から鼻腔の手前までエラスターチューブ
を挿入した。ただちに、1w/v%エバンスブルーを1
ml静脈内注射し、5v/v%ホルムアミド含有生理食
塩液をエラスターチューブより10ml/hrの流速で
鼻腔内を6分間灌流して、左右鼻腔からの漏出液を採取
した。採取した液の吸光度を625nmで測定した。被
験液は実施例1の点鼻剤(LTP/α-CyD点鼻剤) および実
施例1からα−シクロデキストリンを除いた点鼻剤(LT
P 点鼻剤) を使用し、0.5v/v%酢酸点鼻1または
15時間前に両鼻腔にペントバルビタール麻酔下で10
μl点鼻投与した。対照群には被験液の代わりに生理食
塩液を点鼻した。
【0024】
【表2】
【0025】(試験結果)結果は〔表2〕に示すとおり
であった。炎症惹起1時間前にLTP/α-CyD点鼻剤を処置
した場合において、LTP/α-CyD点鼻剤投与群は鼻腔粘膜
からの色素漏出を有意に抑制した。また、その抑制効果
は、炎症惹起15時間前に点鼻した場合にも認められ
た。一方、LTP 点鼻剤投与群は、炎症惹起1時間前に点
鼻した場合に、抑制が認められたが、その効果は有意で
はなく、また、炎症惹起15時間前に点鼻した場合に
は、その効果は認められなかった。以上のことから、ロ
テプレドノールエタボネートにα−シクロデキストリン
を配合することによって、抗炎症作用が増強されかつそ
の効果が持続することが明らかとなった。
【0026】〔試験例3〕 ラット鼻粘膜への滞留性試験 (試験方法)ウィスター系雄性ラット(体重170g、
1群5匹)の両鼻腔にペントバルビタール麻酔下で、被
験液を10μl点鼻投与した。投与後0.5、1、2、
4、6、8、12および24時間後にペントバルビター
ル麻酔下で腹部大静脈より全採血するとともに、鼻腔粘
膜を採取した。鼻腔粘膜の湿重量を測定後、酢酸エチル
でロテプレドノールエタボネートを抽出し、液体高速ク
ロマトグラフィーにより鼻腔粘膜中のロテプレドノール
エタボネートを測定した。被験液には実施例1の点鼻剤
(LTP/α-CyD点鼻剤) および実施例1からα−シクロデ
キストリンを除いた点鼻剤(LTP 点鼻剤) を使用した。
【0027】(試験結果)結果は〔図1〕に示すとおり
であった。〔図1〕に示す結果から求めた鼻腔粘膜から
のロテプレドノールエタボネートの消失速度および鼻腔
粘膜中の薬物濃度下面積(AUC)は表3に示した。LT
P/α-CyD点鼻剤投与群のロテプレドノールエタボネート
の消失速度は、LTP 点鼻剤投与群より1/20と遅く、
またLTP/α-CyD点鼻剤投与群のAUCはLTP 点鼻剤投与
群よりも約10倍大きく、α−シクロデキストリンをロ
テプレドノールエタボネート懸濁液に配合した点鼻剤は
鼻腔粘膜での滞留性が向上することが明らかとなった。
なお、消失速度は次の計算式により算出される。 消失速度(hr-1)=ln C1 −ln C2 /t1−t2 t1 ,t2 =LTP投与後の時間(hr) C1 =t1 時の鼻腔粘膜中のLTP濃度 C2 =t2 時の鼻腔粘膜中のLTP濃度
【0028】
【表3】 表中、Cmax は、鼻粘膜組織1mg 中におけるロテプレド
ノールエタボネートの実測値のうち最高濃度値を示す。
【0029】
【発明の効果】本発明の点鼻用水性懸濁液は難水溶性薬
物の薬効を上昇させ、鼻粘膜貯留性を改善し薬効の持続
時間の延長をもたらすことから,点鼻回数を減少させる
ことが可能となり、患者のコンプライアンスを改善する
優れた局所治療点鼻剤として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は点鼻後のラット鼻腔粘膜中のロテプレドノー
ルエタボネート量を示す。
【符号の説明】
○はLTP/α-CyD点鼻剤点鼻群および、●はLTP 点鼻剤点
鼻群を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/40 AEM 31/445 31/57 ABE 31/635 31/65 31/71 ADZ 47/40 N Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロデキストリンおよび、シクロデキス
    トリンに対する安定度定数が1000以下である難水溶
    性薬物を含んでなる点鼻用水性懸濁液。
  2. 【請求項2】難水溶性薬物が局所治療薬である請求項1
    記載の点鼻用水性懸濁液。
  3. 【請求項3】難水溶性薬物がステロイド系抗炎症剤、非
    ステロイド系抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー
    剤および抗菌剤から選択される1種以上の薬物である請
    求項1または2記載の点鼻用水性懸濁液。
  4. 【請求項4】ステロイド系抗炎症剤がロテプレドノール
    エタボネート、フルオロメトロン、プロピオン酸ベクロ
    メタゾンおよびプロピオン酸フルチカゾン;非ステロイ
    ド系抗炎症剤がメフェナム酸;抗ヒスタミン剤がフマル
    酸クレマスチンおよびテルフェナジン;抗アレルギー剤
    がトラニラスト;抗菌剤がエリスロマイシン、テトラサ
    イクリン、スルファメチゾール、スルファメトキサゾー
    ルおよびスルフイソキサゾールから選択される1種以上
    の薬物である請求項3記載の点鼻用水性懸濁液。
  5. 【請求項5】シクロデキストリンの濃度が0.1〜1
    0.0w/v%である請求項1〜4記載のいずれか1項
    に記載の点鼻用水性懸濁液。
  6. 【請求項6】シクロデキストリンがα−シクロデキスト
    リンである請求項1〜5のいずれか1項に記載の点鼻用
    水性懸濁液。
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