JPH08153890A - 発光サイリスタおよび自己走査型発光装置 - Google Patents

発光サイリスタおよび自己走査型発光装置

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JPH08153890A
JPH08153890A JP23992695A JP23992695A JPH08153890A JP H08153890 A JPH08153890 A JP H08153890A JP 23992695 A JP23992695 A JP 23992695A JP 23992695 A JP23992695 A JP 23992695A JP H08153890 A JPH08153890 A JP H08153890A
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JP
Japan
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light emitting
type semiconductor
conductivity type
semiconductor layer
light
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Application number
JP23992695A
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English (en)
Inventor
Yukihisa Kusuda
幸久 楠田
Seiji Ono
誠治 大野
Shunsuke Otsuka
俊介 大塚
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カソードとゲート間に十分な耐圧が確保さ
れ、しかもゲートと半導体層の接触抵抗が小さく、さら
には光の外部取り出し効率の良い発光サイリスタを得る
こと、さらに、この発光サイリスタを用いた発光素子ア
レイや発光装置を得ることを目的とする。 【解決手段】 N形半導体基板1上に、N形層24,P
形層23,N形層22,P形層21がこの順に積層して
ある。N形層22では、半導体基板1とは反対側の不純
物濃度を高く、半導体基板1側の不純物濃度を低く設定
する。またP形層23についても、半導体基板1とは反
対側の不純物濃度を低く、半導体基板1側の不純物濃度
を高く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光サイリスタの
特性向上に関するものであり、特にその低消費電力化お
よび高速化を可能ならしめるものである。また、本発明
は、外部への光の取り出し効率の向上を図るものであ
る。さらには、この発光サイリスタを用いた自己走査型
発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、発光サイリスタについて述べる。
図1に、従来の発光サイリスタの断面構造概略図を示
す。図1において、1はN形のGaAs基板であり、こ
の基板上にそれぞれ異なる導電形のGaAs層またはA
lGaAs層が、例えばN形層24,P形層23,N形
層22,P形層21の順に積層されている。この従来例
では、GaAs基板1の導電形としてN形とした場合を
示しており、層24,22はN形の半導体、層23,2
1はP形の半導体である。図1では、3端子発光サイリ
スタが示されており、3個の電極すなわちアノード電極
40,ゲート電極41,カソード電極47が設けられて
いる。
【0003】一方、よく知られた2端子サイリスタで
は、アノードとカソード間の電気的特性としてS字形の
負性抵抗特性が得られる。これに対し、3端子発光サイ
リスタは、ゲートに注入する電流によってブロック電圧
を変化させることができ、スイッチとして機能すること
が知られている。
【0004】この2端子や3端子発光サイリスタの特性
や機能については、笠原らの文献(笠原他、電子情報通
信学会研究会資料、OQE87−160)、および楠田
らの文献(Y.Kusuda et al., Jap
anese Journalof Applied P
hysics Vol.31 (1992) p.12
80−1286)に示されている。
【0005】ところで、図1においては、N形層22の
不純物濃度を1017cm-3と設定した場合を示してお
り、N形層22以外の層の不純物濃度は高く設定されて
いる。P形層23の不純物は1018cm-3と設定されて
おり、P形層21とN形層24の不純物は1019cm-3
と設定されている。ここで、N形層22の不純物濃度を
低く設定している理由は、ゲート電極41とカソード電
極47との間の耐圧を高くするためである。
【0006】一方、P形層23の不純物濃度をN形層2
4の不純物濃度より低く設定している理由は、N形層2
2をコレクタ、P形層23をベース、N形層24をエミ
ッタと見なした場合の、NPNトランジスタのエミッタ
注入効率を高くとり、NPNトランジスタの電流増幅率
を高くするためである。
【0007】また、アノード電極40は通常AuZnが
用いられており、ゲート電極41とカソード電極47に
はAuGeNiが用いられている。(Y.Kusuda
et al.,Japanese Journal
of Applied Physics Vol.31
(1992) p.1280−1286)。
【0008】さて本発明者らは、上記に述べた従来の発
光サイリスタをアレイ状に配列し、これらの発光サイリ
スタアレイ間に、適当な相互作用をもたせることによっ
て、発光点の自己走査機能が実現できることを既に出願
し、光プリンタ用光源として実装上簡便となること、発
光素子の配列ピッチが細かくできること、コンパクトな
自己走査型発光装置を作製できること等を示した。
【0009】以下、出願毎にその内容を記述する。
【0010】特開平1−238962号公報には、しき
い電圧もしくはしきい電流を外部からの光もしくは電気
的に制御可能な発光サイリスタを多数配列することによ
って、自己走査機能を付与した発光装置およびその駆動
方法について開示している。この発光装置では、ある発
光サイリスタのターンオン電圧または電流が、別の発光
サイリスタのオン状態の影響を受けるように構成されて
いるので、発光の自己走査機能を持つことができる。
【0011】特開平2−14584号公報には、しきい
電圧もしくはしきい電流を電気的に制御可能な発光サイ
リスタを多数配列し、近傍の発光サイリスタを互いに、
電圧もしくは電流の一方向性を持つ電気素子で接続する
ことによって、2相の転送クロックによって自己走査を
可能にした発光装置が開示されている。
【0012】特開平2−92650号公報には、しきい
電圧もしくはしきい電流を電気的に制御可能な積層半導
体型発光サイリスタを多数配列し、少なくとも2つの発
光サイリスタを互いに、発光サイリスタのバイアス電圧
が印加される第1導電形半導体に接する第2導電形半導
体の制御電極間を抵抗素子を用いて接続することによっ
て、オン状態の転送(自己走査)の引き金を形成するこ
とのできる発光装置が開示されている。
【0013】特開平2−92651号公報には、そのし
きい電圧もしくはしきい電流を電気的に制御可能な積層
半導体型発光サイリスタを多数配列し、少なくとも2つ
の発光サイリスタを互いに接続する電気的手段が、発光
サイリスタとカレントミラー回路を構成するトランジス
タである発光装置が開示されている。この発光装置は、
2相の転送クロックによる自己走査を可能にし、かつ転
送クロックパルス幅を広くとることを可能としている。
【0014】特開平2−208067号公報には、しき
い電圧もしくはしきい電流を電気的に制御可能な積層半
導体型発光サイリスタを多数配列し、少なくとも2つの
発光サイリスタを互いに電気的手段で接続した光走査装
置であって、各々の発光サイリスタに各発光サイリスタ
から発した光の出射方向を制御できる光偏向素子を設け
た光走査装置が開示されている。この装置において、光
偏向子の分解点数をn倍にすると、発光サイリスタの数
を増加させることなく、精細度をn倍にすることが可能
である。
【0015】特開平2−212170号公報には、しき
い電圧もしくはしきい電流を電気的に制御可能な発光サ
イリスタを多数配列し、少なくとも2つの発光サイリス
タを互いに電気的手段で接続した発光素子アレイを複数
の発光サイリスタのブロックに分け、その1つのブロッ
ク内の全部の発光サイリスタに同一の転送パルス信号を
印加できるようにした自己走査型発光装置が開示されて
いる。この発光装置での画像の書き込みは、ブロック内
の各発光サイリスタに同時に行っている。したがって、
移動する発光点が複数となるため、書き込みに必要な電
流がその分小さくなり、長寿命化を図ることができる。
【0016】特開平2−263668号公報には、しき
い電圧もしくはしきい電流を外部からの光もしくは電気
的に制御可能な発光サイリスタをスイッチ素子として多
数配列した自己走査スイッチ素子アレイと、しきい電圧
もしくはしきい電流を電気的に制御可能な発光サイリス
タを多数配列した発光素子アレイとからなり、発光素子
アレイの各発光サイリスタに発光のための電流を印加す
る配線を設けた自己走査型発光装置が開示されている。
この自己走査型発光装置では、スイッチ素子と発光素子
と分離させてあるので、それぞれの機能を明確に分離で
きる特徴を持っている。
【0017】特開平3−256372号公報には、しき
い電圧もしくはしきい電流を電気的に制御可能な発光サ
イリスタを多数配列し、少なくとも2つの発光サイリス
タを互いに電気的手段で接続した発光素子アレイにおい
て、この電気的手段に降下電圧が電流の方向に依存され
ず一定である結合素子を用いた自己走査型発光装置が開
示されている。この発光装置では、発光サイリスタのゲ
ート電位分布をゲート電流に依存することなく形成する
ことが可能である。したがって、発光素子アレイに他の
電気的素子を接続しても、確実な転送動作を実現するこ
とができる。
【0018】特開平4−23367号公報には、スイッ
チング動作のためのしきい電圧もしくはしきい電流を電
気的に制御可能な発光サイリスタをスイッチ素子として
多数配列した自己走査スイッチ素子アレイと、発光動作
のためのしきい電圧もしくはしきい電流を電気的に制御
可能な発光サイリスタを多数配列されており、各発光サ
イリスタに発光のための電流を印加する配線を設けた発
光素子アレイとからなり、スイッチ素子アレイのオン/
オフ状態が発光素子アレイに書き込まれ、かつ書き込ま
れたオン/オフ状態の情報が所望の時間だけ保持される
自己走査型発光装置が開示されている。この自己走査型
発光装置では、スイッチ素子アレイにより生じるバイア
ス光を遮蔽することができ、画像情報の品位の低下を防
ぐことが可能となっている。
【0019】特開平4−130817号公報には、各ス
イッチ素子のターンオン電圧またはターンオン電流が隣
接する他のスイッチ素子のオン状態によって影響を受け
る複数のスイッチ素子を配列し、転送クロックパルスが
スイッチ素子の「点弧」,「保持」,「消弧」の3つの
状態に対応する3つの電圧状態から構成されるスイッチ
素子アレイの駆動方法が開示されている。この方法によ
り、オン状態の転送を安定に制御することができるの
で、スイッチ素子の集積度を向上することができる。
【0020】特開平4−247671号公報には、相互
作用素子としてトランジスタを用いた発光素子アレイに
おいて、このトランジスタの負荷抵抗を互いに直列に接
続された2つの抵抗から構成し、これら2つの抵抗の接
続点を接続先の発光サイリスタの制御電極に接続した自
己走査型発光装置が開示されている。転送動作が安定な
トランジスタ結合式発光装置においても、クロックライ
ンの本数を低減することができ、2相のクロック転送を
行うことができる。
【0021】特開平4−296579号公報には、しき
い電圧もしくはしきい電流を制御するためのゲート電極
と、外部電圧もしくは外部電流が印加されるアノード電
極とを有する発光サイリスタを多数個配列し、隣接する
発光サイリスタのゲート電極間を電気的手段にて接続し
た自己走査型発光装置を、光プリンタの書き込み光源等
に応用する際の画像の表示方法が開示されている。この
方法は、例えば1次元に配列された発光素子アレイにお
いて、各発光サイリスタに割当てられた発光時間を同一
とするのでなく、印字等のドットに相当し発光が必要な
発光サイリスタの割当発光時間を長くとり、発光を必要
としない発光サイリスタの割当時間を短くするように駆
動する方法である。この方法により、発光サイリスタの
発光時間を長くとることができ、その分、各発光サイリ
スタに流れる電流を少なく抑えることができる。これに
より発光サイリスタの寿命を長くすることが可能とな
る。
【0022】特開平5−84971号公報には、しきい
電圧もしくはしきい電流を制御するためのゲート電極
と、外部電圧もしくは外部電流が印加されるアノード電
極とを有する発光サイリスタを多数個配列し、隣接する
発光サイリスタのゲート電極間を電気的手段にて接続し
た自己走査型発光装置を、光プリンタの書き込み光源等
に応用する際の画像の表示方法が開示されている。この
方法は、例えば1次元に配列された発光素子アレイにお
いて、光プリンタの印字用の発光が同時に1素子でな
く、クロックパルスの本数と同じ数の発光サイリスタが
点灯し、かつこれらの発光サイリスタは隣接する発光サ
イリスタであるように構成されたもので、従来の1素子
のみの発光に比較し、同時に発光する素子数が増加する
ため、その分発光強度を減ずる、すなわち電流を低減す
ることができ、発光サイリスタの信頼性を高めることが
できる。
【0023】以上のうちから、特開平2−14584号
公報に開示したダイオードによる電位結合を用いた、2
相クロック駆動により自己走査が可能な発光装置を図2
に示す。φ1 ,φ2 はともに、ハイレベル時間とローレ
ベル時間との比(デューティ比)がほぼ1:1である転
送用クロックパルスであり、VGKは電源(通常+5ボル
ト)である。T(1)〜T(5)は、発光素子として用
いられる発光サイリスタ、D1 〜D5 は発光サイリスタ
のゲート電極間を接続する電位結合用ダイオード、RL
はゲート電極の負荷でありゲート電極への電流を制限し
ている。
【0024】つづいて、動作を簡単に説明する。まず、
転送用クロックパルスφ2 の電圧がハイレベルで、発光
サイリスタT(2)がオン状態(発光状態)であるとす
る。このとき、ゲート電極G2 (T(2)のゲート)の
電位は、VGKの+5ボルトからほぼ0ボルトにまで低下
する。この電位低下の影響は、ダイオードD2 を介して
T(3)のゲート電極G3 に伝えられ、そのゲート電極
G3 の電位を約1ボルト(ダイオードD2 の順方向立上
り電圧(拡散電位に等しい))に設定する。
【0025】しかし、T(1)に接続されたダイオード
D1 は逆バイアス状態であるため、T(1)のゲート電
極G1 への電位の接続は行われず、ゲート電極G1 の電
位は+5ボルトのままである。発光サイリスタのオン電
位は、ゲート電極電位+PN接合の拡散電位(約1ボル
ト)で近似されるので、次の転送用クロックパルスφ2
のハイレベル電圧を、約2ボルト以上(T(3)をオン
させるのに必要な電圧)で、かつ約4ボルト(発光サイ
リスタT(5)をオンさせるのに必要な電圧)以下に設
定しておけば、発光サイリスタT(3)のみがオンし、
これ以外の発光サイリスタは、オフのままとすることが
できる。したがって、2本のクロックパルスによって、
発光状態が転送されることになる。
【0026】図3は、図2に示した自己走査型発光装置
を、同一半導体基板上に形成した場合を例示したもので
ある。N形のGaAs基板1上に、GaAsのPNPN
構造(P形半導体層21,23、N形半導体層22,2
4)を形成し、フォトエッチング等の手法により、図3
の構造を形成する。
【0027】この自己走査型発光装置の基本素子として
は、発光サイリスタを用いているが、この発光素子アレ
イの転送機能の速度向上のためには、発光サイリスタの
スイッチング速度の向上が要求される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来例に述べた発光サ
イリスタには、以下に述べる問題点があった。 スイッチング速度が遅い。
【0029】発光サイリスタのターンオン時間tONは、
P形層21から正孔が注入され、N形層22を通ってP
形層23に到達する時間をt1 とし、N形層24から電
子が注入され、P形層23を通ってN形層22に到達す
る時間t2 とすると、 tON=(t1 t2 )1/2 であることが知られている。(S.M.Sze著:Ph
ysics of Semiconductor De
vices 2nd Edition,JohnWil
ey & Sons,1981,p214)。
【0030】ところで、このt1 ,t2 は、それぞれN
形層22,P形層23の少数キャリアの拡散時間である
から、高速化をするためには、N形層22とP形層23
の厚さを薄くすればよいことになる。しかしそうする
と、発光サイリスタ素子の耐圧が低くなるという問題が
発生する。つまり、スイッチング速度と耐圧とが、トレ
ードオフの関係となっていることがわかる。 ゲート電極41とN形層22との接触抵抗が大きい。
【0031】発光サイリスタの耐圧(特にカソードとゲ
ート間の耐圧:カソード電極47とゲート電極41の
間)を大きくとろうとすると、N形層22の不純物濃度
を低く抑える必要があることを従来例にて述べた。
【0032】例えば、従来例で示したように、N形層2
2の不純物濃度を1017cm-3に設定した場合では、N
形層22とP形層23の逆方向ブレークダウン電圧は、
約15ボルトであることが知られている。(S.M.S
ze著:Physics of Semiconduc
tor Devices 2nd Edition,J
ohn Wiley & Sons,1981,p10
1,Fig.26)。
【0033】この関係からカソード・ゲート間の耐圧を
求めると、これはベースオープンのコレクタとエミッタ
間の耐圧に等しいので、前記ブレークダウン電圧をこの
トランジスタの電流増幅率のn乗根(n=3〜6)で割
ったものになることが示されている。(A.S.Gro
ve,Physics and Technology
of Semiconductor Device
s,John Wiley & Sons,1967,
p233)。
【0034】本発明者らが、実験的に求めたnの値は約
6であったので、この数値を用い、かつ電流増幅率が5
0の場合を想定すると、カソード・ゲート間の耐圧は
7.8ボルトとなる。この値は、5ボルト電圧動作を考
えると、耐圧として余裕があるとはいえない。
【0035】さて、上記計算で用いたN形層22の不純
物濃度1017cm-3では、ゲート電極41との接触抵抗
がかなり大きく、かつ十分なオーミック接触が得られな
いという問題が発生していた。また発光波長を短くする
ため、従来例にて示したGaAsに対して、Gaの一部
をAlに置換したAlGaAsを用いることが一般的に
行われている。しかしこの場合、接触抵抗はさらに大き
くなることが知られている。
【0036】この接触抵抗が大きくなると、自己走査型
発光装置の等価回路(図2に示す)に寄生的に抵抗が加
わることになり、本来考えられていた理想的な動作から
ずれてしまい、良好な転送機能を実現できないという問
題があった。
【0037】これを解決するには、N形層22の濃度を
高くすることが必要であるが、この場合、発光サイリス
タの耐圧が下がってしまい、所定の電圧での動作が保証
できないという問題があった。特に、従来例で示した自
己走査型発光装置の場合では、電源電圧の値が定められ
ており、これがある程度以上でなければならないことか
ら、発光サイリスタにおける耐圧の確保は必須である。 外部への光の取り出し効率が悪い。
【0038】従来の発光サイリスタは、カソードから電
子を注入し、アノードから正孔を注入する。そしてゲー
ト層内でこれらが再結合し、ゲート層のバンドギャップ
に従った波長の光が取り出される。そして、カソード
層,アノード層はゲート層よりもバンドギャップを広く
取っているので、発生した光を吸収することはない。
【0039】しかし、発光サイリスタはゲート層の膜厚
が厚いため、表面に近い部分で発光した場合は吸収無く
外部に取り出されるが、基板側深くで発光した光はゲー
ト層自身に吸収され、外部に取り出される量が少なくな
ってしまうという問題があった。
【0040】特にP形基板を用いた発光サイリスタで
は、拡散長の短い正孔の注入が基板側から行われる。従
って、ゲート層内部の再結合発光が基板側に偏る。そこ
で発光した光が外部に取り出される際に、ゲート層内部
を通って行かねばならず、そこで光吸収が起こる。この
吸収により、光が減じ、外部への光取り出し効率が悪化
する。このためN型基板を用いた場合に比べて、外部へ
の光の取り出し効率が悪いという問題があった。
【0041】そこで本発明の目的は、N形基板の場合に
はカソードとゲートとの間に、P形基板の場合には、ア
ノードとゲートとの間に十分な耐圧が確保され、しかも
ゲートと半導体層の接触抵抗が小さく、スイッチング速
度の速い発光サイリスタを提供することにある。
【0042】本発明の他の目的は、外部への光の取り出
し効率が大きい、すなわち発光出力を向上させた発光サ
イリスタを提供することにある。
【0043】本発明のさらに他の目的は、このような発
光素子アレイを用いた自己走査型発光装置を提供するこ
とにある。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明における発光サイ
リスタは、第1導電形半導体基板上に、第1導電形半導
体層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,第1導
電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積層さ
れ、かつ前記積層された半導体層内部で生ずる光が外部
に取り出されるように構成されている発光サイリスタで
ある。
【0045】第1導電形をN形、第2導電形をP形とし
た場合、例えば図4において、発光サイリスタのゲート
層であるN形層22やP形層23の不純物濃度に勾配を
設けることによって、ゲート層内部に電界を発生させ、
注入された少数キャリアを電界によって押し出すこと
で、ゲート層内部での少数キャリア滞在時間t1 ,t2
を短くし、そのスイッチング時間を短縮し、高速化を図
っている。
【0046】またさらに本発明の発光サイリスタは、N
形層22の半導体基板とは反対側の不純物濃度を高く、
半導体基板側の不純物濃度を低く設定し、低い不純物濃
度領域で発光サイリスタの耐圧を保持しながら、高い不
純物濃度領域でゲート電極41との良好なオーミック接
触を実現するものである。上記それぞれの不純物濃度
は、連続的に変化していてもよいし、段階的に変化して
いてもよい。
【0047】また、上述の内部電界の形成は、N形層2
2やP形層23を構成する半導体層のバンドギャップに
勾配を設けることでも可能である。例えば、半導体層に
AlGaAsを用い、AlGaAsのAl組成に勾配を
設けることで、半導体層のバンドギャップに勾配を設け
ることができる。このAl組成の勾配は、連続的に変化
していてもよいし、段階的に変化していてもよい。この
ような構成とすることでも、発光サイリスタの高速化が
可能である。
【0048】さらには、上述の内部電界の形成は、N形
層22やP形層23を構成する半導体層の不純物濃度と
バンドギャップに、それぞれ勾配を設けてもよい。
【0049】一方、発光サイリスタの外部への光取り出
し効率を大きくするには、発光サイリスタのゲート層2
2,23を、発光するゲート層とそれ以外のゲート層に
分割し、発光するゲート層のバンドギャップに対し、そ
れ以外のゲート層のバンドギャップを大きくとる。この
構造によって、発光ゲート層の厚さを薄くすることがで
き、発光場所自身での吸収を小さくすることができる。
また、発光しないゲート層のバンドギャップは広いので
光を吸収することが無く、外部への光の取り出り効率を
大きくすることができる。
【0050】以上の説明では、第1導電形半導体として
N形半導体、第2導電形半導体としてP形半導体の場合
について説明したが、本発明はこの場合に限られるもの
ではなく、第1導電形半導体としてP形半導体、第2導
電形半導体としてN形半導体の場合についても成立す
る。
【0051】さらに本発明では、第1導電形を有する半
導体基板上に、第1導電形半導体層を介して/介さず
に、第2導電形半導体層,第1導電形半導体層,第2導
電形半導体層がこの順に積層されている。この第1導電
形半導体層を介する理由は、以下のとおりである。一般
に、半導体基板表面に直接PN(あるいはNP)接合を
形成すると、その形成した半導体層の結晶性の悪さか
ら、デバイスとしての特性が劣化する傾向があるためで
ある。つまり、基板表面に結晶層をエピタキシャル成長
する場合、基板表面近傍層の結晶性が、結晶層がある一
定以上に成長した後の結晶性と比べて、悪くなっている
ためである。このため、半導体基板と同一の半導体層を
一旦形成してから、PN(あるいはNP)接合を形成す
ると、上述した問題は解決できるからである。したがっ
て、この第1導電形半導体層を介することが好ましい。
【0052】
【発明の実施の形態】
【実施例1】本発明の発光サイリスタの基本構成の一実
施例を図4に示す。図4では、N形半導体基板1上に、
N形層24,P形層23,N形層22,P形層21がこ
の順に積層してある。本実施例は、図1の従来例に比べ
て、ゲート層であるN形層22とP形層23に不純物濃
度分布を設けたことが特徴である。
【0053】つまりN形層22では、半導体基板1とは
反対側の不純物濃度を、例えば1018cm-3程度あるい
はそれ以上とし、半導体基板1側の不純物濃度を、例え
ば1017cm-3程度あるいはそれ以下としている。また
P形層23についても、半導体基板1とは反対側の不純
物濃度を低く(図4の例では、3×1017cm-3)、半
導体基板1側の不純物濃度を高く(図4の例では、3×
1018cm-3)設定している。
【0054】アノード電極40はAuZnを用い、ゲー
ト電極41とカソード電極47にはAuGeNiを用い
る。
【0055】本実施例では、ゲート層であるN形層22
とP形層23の中に内部電界が形成され、これによって
内部に注入されたキャリアが加速されるので、ゲート層
中の滞在時間t1 ,t2 が小さくなる。シリコントラン
ジスタの例では、この内部電界によって、滞在時間が1
/2〜1/3になることが知られている。(A.S.G
rove,Physics and Technolo
gy of Semiconductor Devic
es,John Wiley & Sons,196
7,p224−226)。したがって、発光サイリスタ
のスイッチング速度を、2〜3倍程度にまで高速化する
ことが可能となる。
【0056】また、発光サイリスタの耐圧特性は、N形
層22の低い不純物濃度で定まるので、特に劣化は生じ
ない。また、N形層22の半導体基板1とは反対側の不
純物濃度が高くなっているので、ゲート電極41との接
触抵抗を小さく抑えることが可能となる。したがって、
耐圧の確保とゲート電極との接触抵抗の低減というメリ
ットを有しながら、スイッチング速度の2〜3倍の高速
化を実現することが可能となる。
【0057】本実施例では、N形層22とP形層23の
両方について、不純物濃度勾配を形成した場合を例示し
たが、必ずしも両方の層でこの勾配を設ける必要はな
く、いずれか一方だけであっても高速化を行うことがで
きる。しかしながら、ゲート電極41との接触抵抗の改
良を考えれば、N形層22には勾配を設けることが好ま
しい。
【0058】また本実施例では、N形半導体基板上に順
次NPNP形の各半導体層を積層したが、P形半導体基
板上に順次PNPN形の各半導体層を積層した場合で
も、そのゲート層となるN形層とP形層の両方にまたは
いずれか一方に、不純物勾配が形成されていれば同様の
結果が得られる。
【0059】またさらに本実施例では、N形半導体基板
上に順次NPNP形の各半導体層を計4層積層した場合
であったが、6層や8層のように偶数層積層された場合
でも、そのゲート層となるN形層とP形層の両方にまた
はいずれか一方に、不純物濃度勾配が形成されていれば
同様の結果が得られる。
【0060】
【実施例2】本発明の発光サイリスタの他の実施例の基
本構成を図5に示す。この図5では、図1の従来例のゲ
ート層のN形層22をN形層22a,N形層22bの2
層に分割し、N形層22bの不純物濃度を低濃度に、N
形層22aの不純物濃度を高濃度としたものである。電
極は、実施例1と同様に、アノード電極40にAuZn
を用い、ゲート電極41とカソード電極47にAuGe
Niを用いる。
【0061】本実施例の構造は、図4に示した構造に比
べ、内部電界の形成は局部的であるので、高速化の効果
は小さいと考えられる。しかし、図4に示した構造を、
通常のエピタキシャル製造技術により高精度に再現性よ
く形成するためには、かなり高度な制御技術が要求され
るのに対し、図5に示した構造では通常の制御で可能で
あるという利点がある。
【0062】通常、AlGaAs系材料でこの構造を形
成するには、MBE(分子ビームエピタキシー)法およ
びMOVPE(有機分子気相エピタキシー)法が一般的
である。図4に示した濃度勾配を形成するには、不純物
濃度を成長中に高精度で制御する必要があり、かなり面
倒な作業が必要となる。図5の構造では、濃度の異なる
層を積層して設けるのみであるので、特に面倒な制御を
必要としない。
【0063】図5の構成であっても、N形層22a,N
形層22bの境界で内部電界が形成され、そこでキャリ
アの加速が行われるので、高速化の機能は発揮される。
また耐圧は、N形層22bの低濃度により確保されるの
で、耐圧低下を生じることはない。ゲート電極41との
オーミック接触は、N形層22aが高濃度であるので、
問題なく確保される。
【0064】
【実施例3】本発明の発光サイリスタの具体的構成の一
実施例を図6に示す。図6は、図5の構造に保護膜,電
極を設けた例を示したものである。30は、発光サイリ
スタの保護用絶縁膜である。この実施例の特徴は、アノ
ード電極40とゲート電極41の金属材料を同じとした
ことである。
【0065】図4,図5の実施例および図1の従来例で
は、アノード電極40はAuZnであり、ゲート電極4
1にはAuGeNiである場合を例示している。特にゲ
ート電極41のAuGeNiは、N形半導体とのオーミ
ック接触を取り易い金属であるため例示したものであ
る。しかし、実施例2に示したように、N形層22aの
濃度を1018cm-3以上に設定することが可能であるた
め、ゲート電極41の材料をAuGeNi系材料に限定
する必要はない。
【0066】例えば、アノード電極40と同じAuZn
系材料であっても、オーミック接触を取ることが可能と
なる。このことから、ゲート電極41とアノード電極4
0の材料の共通化を図ることができ、発光サイリスタ製
造工程の簡略化を行うことができる。
【0067】
【実施例4】本発明の発光サイリスタのさらに他の実施
例の基本構成を図7および図8に示す。図7の発光サイ
リスタは、実施例1とは異なり、不純物濃度の勾配を設
けるのでなく、AlGaAsのAl組成の勾配を設け、
バンドギャップに勾配を設けることによって、内部電界
を形成するようにしたものである。
【0068】一般に、Alx Ga1-x As系材料では、
Al組成量を大きくすればバンドギャップが大きくなる
ことが知られている。図7では、P形層21,N形層2
4層のAl組成比xを0.3とし、N形層22,P形層
23のAl組成比を変化させた例を示している。
【0069】図7に例示された構成のバンド図を図8に
示す。図8(a)では、簡単のためにPNPN構造を一
次元的に示している。J1,J2,J3はPN接合を示
す。図8の(b)がバンド図であるが、ゲート層のN形
層22に相当する部分のバンドの下側(価電子帯EV )
が、図の右側に向かって上がっており、注入された正孔
(図中、hで示す)がP形層23層側に向かって加速さ
れることを示す。
【0070】一方、ゲート層のP形層23に相当する部
分のバンドの上側(伝導帯EC )が図の左側に向かって
下がっており、注入された電子(図中、eで示す)がN
形層22側に向かって加速されることを示す。
【0071】このように、ゲート層である半導体層にバ
ンドギャップ勾配をつけても、同様に内部電界が形成さ
れるので、発光サイリスタのスイッチング速度の向上を
果たすことができる。ただし、この構造を用いた場合、
ゲート電極41との接触点のAl組成比が高くなるため
に、オーミック接触という点では不利となる。これを防
止するためには、実施例1にて述べたように濃度勾配を
つける方法と兼用した方が好ましい。
【0072】本実施例では、AlGaAs系材料を中心
に例示したが、この材料に限られず、InGaAsP
系,GaP系,ZnSe系等の半導体材料であっても、
本発明は成立する。
【0073】
【実施例5】外部への光の取り出し効率の大きい発光サ
イリスタの基本構成である一実施例を図9に示す。基板
はN形半導体であるものとする。ゲート層22,23内
部での光吸収を防止するため、ゲート層を発光部と非発
光部に分割し、発光部のゲート層のバンドギャップは発
光波長で定め、それ以外の非発光部のゲート層のバンド
ギャップは発生した光が吸収しないようにバンドギャッ
プを拡げるようにする。
【0074】具体的には基板1側のゲート層23が発光
部に相当し、上側のゲート層22を非発光部とする。ゲ
ート層23の厚さは0.2μm、ゲート層22の厚さは
1μmである。
【0075】化合物半導体材料として、Alx Ga1-x
Asを用いるものとする。バンドギャップEg(eV)
は、Alの組成比xにより変化する。xが0<x<0.
45のとき、 Eg=1.424+1.247x で表される。発光部であるゲート層23により発生され
る光の波長が780nmである場合、バンドギャップは
1.58eVであり、このときのAl組成比はx=0.
13である。発光部でないゲート層22のAl組成比は
x=0.2とする。このときのバンドギャップは、1.
67eVである。また、アノード層21およびカソード
層24のAl組成比はx=0.3とする。このときのバ
ンドギャップは、1.79eVである。
【0076】この場合のバンド図を図10に示す。
(a)はサイリスタのPNPN構造、(b)はバンド図
である。非発光部のゲート層22のバンドギャップは発
光部のゲート層23のバンドギャップより広いので、P
形ゲート層23で発生した光は、N形ゲート層22で光
吸収されないので、光の取り出し効率が増大する。
【0077】以上の実施例は、N形半導体基板の発光サ
イリスタを例としたが、P型半導体基板を用いた発光サ
イリスタの場合により効果が顕著である。なぜなら、P
型半導体から注入される正孔は拡散長が短いため、注入
された場所で再結合して発光し、その光はゲート層で吸
収される量が増えることになるが、本実施例の構造を用
いれば、この吸収がなくなり、発光量が増大するからで
ある。
【0078】
【実施例6】実施例5の構成では、基板側から注入され
た電子がP形ゲート層23を通ってN形ゲート層22に
到達しなければならないが、ゲート層22のバンドギャ
ップが広いので、電子のN形層22への到達率が悪くな
り、P形ゲート層23内部で再結合してしまう。すなわ
ち、P形ゲート層23とN形ゲート層22との間のバン
ドギャップに電子が跳ね返される。これは、内部の等価
トランジスタの電流増幅率が悪くなることに相当し、発
光光量は高いが、サイリスタの電気的特性が悪化するこ
とを意味する。これを防止するため、図11に示すよう
に、上のゲート層22を22a,22bの2つに分割
し、その下側の層22bを基板側ゲート層23と同じバ
ンドギャップにする。これによって電子が跳ね返される
現象が緩和され、サイリスタ特性の悪化を防ぐことがで
きる。
【0079】図12に、この実施例のバンド図を示す。
層22bのバンドギャップは、ゲート層23のバンドギ
ャップ(Eg=1.58eV)に等しい。
【0080】本実施例においても、基板がP形半導体で
ある場合に、効果が顕著であることは前述したとおりで
ある。
【0081】
【実施例7】実施例6におけるゲート層を2分割にする
考え方はゲート層22のみでなく、ゲート層23にも適
用できる。すなわち、図13に示すように、ゲート層2
3を23a,23bに2分割し、上側層23aのバンド
ギャップを発光層22bのそれと合わせ、下側層23b
のバンドギャップを広くとる。これによって発光部分は
層23aと層22bとなり、発光部分の厚さを小さくす
ることができる。
【0082】本実施例においても、基板がP形半導体で
ある場合に、効果が顕著であることは前述したとおりで
ある。
【0083】
【実施例8】本実施例は、本発明者らが特開平1−23
8962号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、本発明の発光サイリスタを適用できる例の1つであ
る。
【0084】まず、本実施例の発光装置の原理を説明す
るための等価回路図を図14に示す。これは発光しきい
電圧,電流が外部から制御できる発光サイリスタとし
て、上述した本発明による三端子の発光サイリスタを用
いた場合を表している。
【0085】発光サイリスタT(−2)〜T(+2)
は、一列に並べられた構成となっている。各単体発光サ
イリスタのアノード電極に3本の転送クロックライン
(φ1 ,φ2 ,φ3 )がそれぞれ3素子ごとに(繰り返
されるように)接続される。一般に発光サリスタは、光
を感じてそのターンオン電圧が低下する特性を持つ。発
光サイリスタをその発光が互いの素子に入射するよう構
成すると、発光サイリスタに距離的に近い素子、または
光がよくあたるよう配置された素子は、そのターンオン
電圧が下がることになる。
【0086】図14の等価回路図の動作について説明す
る。今、転送クロックラインφ3 にハイレベルパルス電
圧が加わっており、発光サイリスタT(0)がオン状態
になっているとする。発光サイリスタT(0)からの発
光は隣接する発光サイリスタT(−1),T(+1)に
入射し、これらのターンオン電圧を引き下げる。発光サ
イリスタT(−2),T(+2)は、発光サイリスタT
(―1),T(+1)に比べ、遠方にあるため入射光は
弱く、ターンオン電圧はそれほど低下しない。
【0087】この状態で、次にクロックラインφ1 にハ
イレベルパルス電圧を印加する。発光サイリスタT(+
1)のターンオン電圧は、発光サイリスタT(−2)の
ターンオン電圧に比べ、光の影響で低下しているため、
発光サイリスタT(+1)のオン電圧と発光サイリスタ
T(−2)のオン電圧の間の電圧に、転送クロックのハ
イレベル電圧を設定すると、発光サイリスタT(+1)
のみオンし、発光サイリスタT(―2)はオンしないよ
うにすることができる。
【0088】よって、発光サイリスタT(+1),T
(0)が同時にオンする状況が生まれる。そして、クロ
ックラインφ3 をローレベル電圧に落とすと、発光サイ
リスタT(0)はオフとなり、発光サイリスタT(+
1)のみオンすることになる。よってオン状態の転送が
行われることになる。
【0089】上に述べたような原理から、転送クロック
φ1 ,φ2 ,φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少し
ずつ重なるように設定すれば、発光サイリスタのオン状
態は順次転送されていく。すなわち、発光点が順次転送
され、自己走査型発光装置を実現することができる。
【0090】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。
【0091】本実施例の発光装置の構造概念図を図15
に示す。接地されたN形GaAs基板1上にP形半導体
層23,N形半導体層22,P形半導体層21の各層を
形成する。そして、ホトリソグラフィおよびエッチング
等により、各単体発光サイリスタT(−2)〜T(+
1)に分離する。アノード電極40はP形半導体層21
とオーミック接触をしており、絶縁層30は素子と配線
との短絡を防ぎ、同時に特性劣化を防ぐための保護膜と
して作用する。ここで、絶縁層30には、発光サイリス
タの発光波長の光が通るような材質を用いている。
【0092】P形半導体層21はこのサイリスタのアノ
ードであり、N形GaAs基板1はカソードである。各
単体発光サイリスタのアノード電極40に、3本の転送
クロックライン(φ1 ,φ2 ,φ3 )が、それぞれ3素
子おきに接続される。
【0093】発光サイリスタのターンオン電圧が、素子
に入射する光量に依存して変化することは一般に知られ
ている。したがって、オン発光サイリスタの光の一部が
隣接する発光サイリスタに入射するよう構成されていれ
ば、オン発光サイリスタに近い発光サイリスタのオン電
圧は、光がない場合に比べ低下することになる。
【0094】図15の構造では、絶縁層30が発光波長
に対し透明な膜で形成されているため、光は容易に隣接
する素子に入りそのターンオン電圧を低下させることが
できる。
【0095】
【実施例9】本実施例の自己走査型発光装置は、相互作
用の媒介として電位を利用するものである。すなわち上
述の実施例8は、光による結合を用いた場合であった
が、本実施例は電位による結合を用いたものである。
【0096】その具体的な例として、図16に本実施例
の自己走査型発光装置の等価回路図を示す。この発光装
置の特徴は実施例8、すなわち図14の回路に抵抗ネッ
トワークが加わった構成となっている。
【0097】発光素子として、本発明による発光サイリ
スタT(−2)〜T(+2)を用い、発光サイリスタT
(−2)〜T(+2)には、各々ゲート電極G-2〜G+2
が設けられている。各々のゲート電極には、負荷抵抗R
L を介して電源電圧VGKが印加される。また、各々のゲ
ート電極G-2〜G+2は、相互作用を作るために抵抗RI
を介して電気的に接続されている。また、各単体発光サ
イリスタのアノード電極に、3本の転送クロックライン
(φ1 ,φ2 ,φ3 )が、それぞれ3素子おきに(繰り
返されるように)接続される。
【0098】動作を説明すると、まず転送クロックφ3
がハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンし
ているとする。このとき3端子サイリスタの特性から、
ゲート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電
源電圧VGKを仮に5ボルトとすると、負荷抵抗RL ,相
互作用抵抗RI のネットワークから各発光サイリスタの
ゲート電圧が決まる。そして、発光サイリスタT(0)
に近い素子のゲート電圧が最も低下し、以降順にT
(0)から離れるにしたがいゲート電圧は上昇してい
く。これは次のように表せる。
【0099】 VG0<VG1=VG-1 <VG2=VG-2 (1) これらの電圧の差は、負荷抵抗RL ,相互作用抵抗RI
の値を適当に選択することにより設定することができ
る。
【0100】3端子サイリスタのアノード側のターンオ
ン電圧VONは、ゲート電圧よりPN接合の拡散電位V
dif だけ高い電圧となることが知られている。
【0101】VON≒VG +Vdif (2) したがって、アノードにかける電圧をこのターンオン電
圧VONより高く設定すれば、その発光サイリスタはオン
することになる。
【0102】さてこの発光サイリスタT(0)がオンし
ている状態で、次の転送クロックパルスφ1 にハイレベ
ル電圧VH を印加する。このクロックパルスφ1 は発光
サイリスタT(+1)とT(―2)に同時に加わるが、
ハイレベル電圧VH の値を次の範囲に設定すると、発光
サイリスタT(+1)のみをオンさせることができる。
【0103】 VG-2 +Vdif >VH >VG+1 +Vdif (3) これで発光サイリスタT(0),T(+1)が同時にオ
ンしていることになる。そしてクロックパルスφ3 のハ
イレベル電圧を切ると、発光サイリスタT(0)がオフ
となりオン状態の転送ができたことになる。
【0104】このように、本実施例では抵抗ネットワー
クで各発光サイリスタのゲート電極間を結ぶことによ
り、発光サイリスタに転送機能をもたせることが可能と
なる。
【0105】上に述べたような原理から、転送クロック
φ1 ,φ2 ,φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少し
ずつ重なるように設定すれば、発光サイリスタのオン状
態は順次転送されていく。すなわち、発光点が順次転送
され、自己走査型発光装置を実現することができる。
【0106】次に、本実施例の発光装置を集積化して作
製する場合の構成について説明する。
【0107】本実施例の発光装置の構成概略図を図17
に示す。接地されたN形GaAs基板1上にN形半導体
層24,P形半導体層23,N形半導体層22,P形半
導体層21の各層を形成する。そしてホトリソグラフィ
およびエッチング等により、各単体発光サイリスタT
(−1)〜T(+1)に分離する。分離溝を50で示
す。アノード電極40はP形半導体層21とオーミック
接触を有し、ゲート電極41はN形半導体層22とオー
ミック接触を有する。
【0108】絶縁層30は素子と配線との短絡を防ぎ、
同時に特性劣化を防ぐための保護膜でもある。N形Ga
As基板1は、このサイリスタのカソードである。各単
体発光サイリスタのアノード電極40に3本の転送クロ
ックライン(φ1 ,φ2 ,φ3 )がそれぞれ3素子おき
に接続される。またゲート電極41には、負荷抵抗R
L ,相互作用抵抗RI による抵抗ネットワークが接続さ
れる。
【0109】ここで、実施例8で述べたような光結合が
発生すると、本実施例の発光素子アレイ転送動作が影響
されることが考えられるため、ゲート電極41の一部を
発光サイリスタ間の分離溝50のなかに入れ、光結合を
防止する構造としている。
【0110】
【実施例10】本実施例は実施例9の自己走査型発光装
置の現実的な構造を示したものである。図18に本実施
例の発光装置の平面図を、図19および図20に図18
のX−X′,Y−Y′ラインの断面図を各々示す。
【0111】各発光サイリスタT(−1)〜T(+
1),発光サイリスタの分離溝50、フィールド60等
は前記実施例と同様である。N形半導体層による抵抗6
3は、各々のゲート電極間を結ぶ抵抗ネットワークを形
成している。また、抵抗63は、光吸収ブロック62に
よって、発光サイリスタからの光が入らないようになっ
ている。本実施例では光障壁としてフィールドの一部を
用いているが、別の物質を用いてもよいし、また形状も
別の形状としてもよい。
【0112】発光サイリスタの上部電極は、取り出し用
コンタクトホールC1 を通して、アノード電極40で取
り出される。電極40と転送クロックラインφ1 ,φ
2 ,φ3 との接続はスルーホールC2 を用いて行なわれ
る。クロックラインφ1 は発光サイリスタT(−2)お
よびT(+1)に接続され、クロックラインφ2 は発光
サイリスタT(−1)に、クロックラインφ3 は発光サ
イリスタT(0)に接続される。抵抗63は、コンタク
トホールC3 を用いて電源ライン43にて外部に取り出
される。
【0113】図19に図18のX−X′ラインの断面図
を示す。これは発光素子アレイの配列方向に切ったライ
ンであり、各発光サイリスタが並んでいる様子がわか
る。50は発光サイリスタの分離溝、30は発光サイリ
スタと電極40,41との短絡防止用絶縁膜であり、電
極40と転送クロックラインとの短絡防止用層間絶縁膜
31等は前記の実施例と同様である。これらの絶縁膜3
0,31は、光が外部ヘ漏れ出さないように光を通さな
い絶縁膜であることが好ましい。この場合、先に述べた
ように光結合による転送動作への影響をなくすため、分
離溝中にゲート電極を入れて光を遮るよう構成すること
は有効である。
【0114】図20に図18のY−Y′ラインの断面図
を示す。これは発光素子アレイの配列方向に垂直に切っ
たラインであり、配線,電極の接続状況がわかる。発光
サイリスタの上部電極との取り出し用コンタクトホール
C1 を絶緑膜30に設け、アノード電極40にて外部に
取り出す。そしてフィールド60上にて、転送クロック
ラインφ3 とスルーホールC2 を通じて接続される。
【0115】また抵抗ネットワークのための抵抗とし
て、本実施例ではN形半導体層22が用いられる。これ
は別の層であってももちろんよいし、また半導体層を用
いず、スパッタ等により別の種類の膜を形成してもよ
い。また、ゲート電極41は発光サイリスタからの光が
抵抗63の抵抗値に影響を与えないようにするため、分
離溝50の中に入るように工夫されている。
【0116】
【実施例11】本実施例は、本発明者らが特開平2−9
2650号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、本発明の発光サイリスタを適用できる例の1つであ
る。本実施例では、さらに抵抗接続の例について述べ
る。本実施例の発光装置の原理を説明するための等価回
路図を図21に示す。
【0117】これは発光しきい電圧,電流が外部から制
御できる発光サイリスタとして、本発明による3端子の
発光サイリスタを用いた場合を表している。発光サイリ
スタT(−2)〜T(+2)は一列に並べられた構成と
なっている。各発光サイリスタはトランジス夕Tr1 ,
Tr2 の組合せとして表わされる。トランジスタTr1
はPNPトランジスタであり、トランジスタTr2 はN
PNトランジスタである。発光サイリスタ間の相互接続
用抵抗RI はNPNトランジスTr2 のベース間に接続
される。各単体発光サイリスタのアノード電極に、3本
の転送クロックライン(φ1 ,φ2 ,φ3 )が順次繰り
返して1本ずつ接続される。クロックラインには、クロ
ックラインの電流制限用抵抗Re が設けられる。
【0118】動作を説明する。まず転送クロックφ3 が
ハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンして
いるとする。この時、NPNトランジスタTr2 (0)
のベースは、発光サイリスタT(0)のオン電流を流せ
る電位に設定されている。この電位が相互接続接抗RI
を通じて、隣接する発光サイリスタT(−1),T
(1)のNPNトランジスタTr2 (−1),Tr2
(1)のベースに伝達され、これらのベース電流が流れ
る。ただし転送クロックラインφ1 ,φ2 がローレベル
である限り、発光サイリスタT(−1),T(1)はオ
フ状態のままである。
【0119】さて、この相互接続抵抗RI が小さけれ
ば、NPNトランジス夕Tr2 (−1),Tr2 (1)
は、発光サイリスタT(0)のオン電流と同じ電流を流
す能力を持っている。しかし相互接続抵抗RI が大きけ
れば、NPNトランジスタTr2 (−1),Tr2
(1)のベース電流が相互接続抵抗RI により制限さ
れ、NPNトランジスタTr2 (−1),Tr2 (1)
の電流駆動能力は低下する。NPNトランジスタTr2
(−1),Tr2 (1)よりさらに遠方に位置するNP
NトランジスタTr2 (−2),Tr2 (2)のベース
電流はさらに小さくなり、これらの電流駆動能力はもっ
と低下することになる。
【0120】このNPNトランジスタTr2 のベース電
流量、すなわち電流駆動能力が大きくなると、発光サイ
リスタのターンオン電圧が低下することが知られてい
る。図22にその様子を示す。横軸がアノード電圧(P
NPトランジスタTr1 のエミッタ電圧)であり、縦軸
がアノード電流である。ここで、ターンオン電圧VS は
外部から全く影響のない場合のターンオン電圧であり、
ターンオン電圧VS (1)は発光サイリスタT(1)
の、ターンオン電圧VS (−2)は発光サイリスタT
(−2)のターンオン電圧を表わす。オン状態を維持す
るために必要な最小電圧はホールド電圧Vh と呼ばれ
る。オンしている発光サイリスタT(0)に最も近い発
光サイリスタT(−1),T(1)は上に述べた理由で
ターンオン電圧が低下し、ターンオン電圧VS (1)に
なる。次に近い発光サイリスタT(−2),T(2)は
ベース電流の影響が小さくターンオン電圧VS (−2)
となる。
【0121】さて、図21において、クロックパルスφ
3 の次のクロックパルスφ1 は発光サイリスタT(1)
,T(−2)に印加される。これらのターンオン電圧は
上に述べた理由からそれぞれターンオン電圧VS (1)
,VS (−2)の値となっているため、クロックパルス
のハイレベル電圧をターンオン電圧VS (1) ,V
S(−2)の間に設定しておくと発光サイリスタT
(1)のみをオンさせることができる。これから各クロ
ックパルスφ1 ,φ2 ,φ3 をそのハイレベルが互いに
重なりあうように設定しておくと、オン状態発光サイリ
スタが順次転送されていくことになる。これから自己走
査可能な発光装置を実現することができる。
【0122】以上より、本実施例では発光サイリスタ間
を接続する抵抗が1つで済むことから、簡単な構造で自
己走査型発光装置が構成できることがわかる。
【0123】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。本実施
例の要点は電気的結合を行なうための相互接続用抵抗
を、発光サイリスタの一部を利用して設けることによ
り、発光サイリスタと同じ工程で、抵抗素子まで形成す
ることのできる構造にある。
【0124】本実施例の自己走査型発光装置の構造断面
概念図を図23に示す。接地されたN形GsAs基板1
上にN形半導体層24,P形半導体層23,N形半導体
層22,P形半導体層21の各層を形成する。そしてホ
トリノソグラフィおよびエッチング等により各単体発光
サイリスタT(−2)〜T(2)に分離する(分離溝5
0)。
【0125】N形GaAs基板1は、このサイリスタの
カソードとして働き接地される。各単体発光サイリスタ
のアノードとなるP形半導体層21には、転送クロック
ラインφ1 ,φ2 ,φ3 がそれぞれ2素子おきに接続さ
れる。この構成における特徴は、サイリスタを構成する
P形半導体層23が各素子を通して接続されていること
である。このP形半導体層23の内部抵抗が図21に示
した相互接続抵抗RIとなる。
【0126】図24に構造平面概念図を示す。これは図
23の発光素子アレイを上から見た図となっている。各
発光サイリスタT(−2)〜T(2)において、内側の
四角形はP形半導体層21を示し、そのまわりの部分は
P形半導体層23を示している。この構造において、P
形半導体層23には切込み55が形成されている。これ
は相互接続抵抗RI の値を変化させるためのもので、切
込み55を大きく取れば相互接続抵抗RI は大きくな
る。したがって、本実施例は接続抵抗RI を自由に変化
させ、最適化させることができ、転送動作をより安定化
させることが可能となる。
【0127】以上より、本実施例の自己走査型発光装置
では、ゲート電極を設ける必要がなく、かつ発光サイリ
スタ間を相互接続する抵抗が1つで済み、さらには相互
接続抵抗RI を発光サイリスタを構成する半導体層にて
形成できる。これより簡単な構造の自己走査型発光装置
が実現できる。
【0128】
【実施例12】本実施例は実施例11の自己走査型発光
装置のより現実的な構造を示したものある。図25に本
実施例の平面図を、図26に図25のX−X′ラインの
断面図を示す。
【0129】図26に示すように、発光サイリスタは、
N形GaAs基板1上にN形GaAs層24b,N形A
lGaAs層24a,P形GaAs層23,N形GaA
s層22,P形AlGaAs層21b,P形GaAs層
21bの各層が形成されている。そしてホトリソグラフ
ィおよびエッチング等により、各単体発光サイリスタに
分離される(分離溝50)。
【0130】また分離溝55は、接続用抵抗RI の値を
変化させるための切込みである。図26の断面図では示
していないが、接続用抵抗RI はP形半導体層23(こ
の例ではGaAs層)を用いている。絶縁層30は、ア
ノード電極40と各半導体層との電気的分離を行なって
いる。この絶縁層30の材質としては、発光サイリスタ
間の光分離という意味で、発光サイリスタからの光が通
過しないような物質を用いることが望ましい。
【0131】または、この絶縁層30を複数の層からな
る多層膜とし、絶縁機能と光分離機能を持たせてもよ
い。ただし、光分離機能を持たせた場合、光が外に取り
出せるように窓部を別に設けておく必要がある。層間絶
縁層31はアノード電極40とクロックラインとの絶縁
分離を行なう。
【0132】図25に示すように、転送クロックライン
φ1 ,φ2 ,φ3 は、スルーホールC2 を通して下にあ
るアノード電極40に接続される。このアノード電極4
0は、コンタクトホールC1 を通して各発光サイリスタ
のP形半導体層21aに接続される。各発光サイリスタ
T(−2)〜T(2)において、四角形のP形半導体層
21aの外側に描かれているのは、P形半導体層23で
ある。
【0133】
【実施例13】本実施例は、本発明者らが特開平2−1
4584号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、上述した発光サイリスタを適用できる例の1つであ
る。
【0134】本実施例では、電気的接続の方法としてダ
イオードを用いた例について述べる。本実施例の自己走
査型発光装置の原理を説明するための等価回路図を図2
7に示す。これは発光しきい電圧,電流が外部から制御
できる発光サイリスタとして、本発明による3端子の発
光サイリスタを用いた場合を表している。発光サイリス
タT(−2)〜T(+2)は、一列に並べられた構成と
なっている。G-2〜G+2は、発光サイリスタT(−2)
〜T(+2)のそれぞれのゲート電極を表す。RL はゲ
ート電極の負荷抵抗を表し、D-2〜D+2は電気的相互作
用を行うダイオードを表す。またVGKは電源電圧を表
す。各単体発光サイリスタのアノード電極に、2本の転
送クロックライン(φ1 ,φ2 )がそれぞれ1素子おき
に接続される。
【0135】動作を説明する。まず転送クロックφ2 が
ハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンして
いるとする。このとき3端子サイリスタの特性からゲー
ト電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電源電
圧VGKを仮に5ボルトとすると、抵抗RL ,ダイオード
D-2〜D+2のネットワークから各発光サイリスタのゲー
ト電圧が決まる。そして発光サイリスタT(0)に近い
素子のゲート電圧が最も低下し、以降順にT(0)から
離れるにしたがいゲート電圧は上昇していく。
【0136】しかしながら、ダイオード特性の一方向
性,非対称性から、電圧を下げる効果は、T(0)の右
方向にしか働かない。すなわちゲート電極G1 はG0 に
対し、ダイオードの順方向立上がり電圧Vdif (PN接
合の拡散電位に等しい)だけ高い電圧に設定され、ゲー
ト電極G2 はG1 に対し、さらにダイオードの順方向立
上がり電圧Vdif だけ高い電圧に設定される。一方、T
(0)の左側のゲート電極G-1はダイオードD-1が逆バ
イアスになっているため電流が流れず、したがって電源
電圧VGKと同電位となる。
【0137】次の転送クロックパルスφ1 は、最近接の
発光サイリスタT(1),T(−1)、そしてT(3)
およびT(−3)等に印加されるが、これらのなかで、
最もターンオン電圧の最も低い素子はT(1)であり、
T(1)のターンオン電圧は約G1 のゲート電圧+V
dif であるが、これはVdif の約2倍である。次にター
ン電圧の低い素子はT(3)であり、Vdif の約4倍で
ある。T(−1)とT(−3)のオン電圧は、約VGK+
Vdif となる。
【0138】以上から、転送クロックパルスのハイレベ
ル電圧をVdif の約2倍からVdifの約4倍の間に設定
しておけば、発光サイリスタT(1)のみをオンさせる
ことができ、転送動作を行うことができる。
【0139】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。
【0140】本実施例の発光装置の構造概念図を図28
に示す。接地されたN形GaAs基板1上に、N形半導
体層24,P形半導体層23,N形半導体層22,P形
半導体層21の各層を形成する。そしてホトリソグラフ
ィおよびエッチング等により、各単体発光サイリスタT
(−2)〜T(+1)に分離する。分離溝を50で示
す。アノード電極40はP形半導体層21とオーミック
接触しており、ゲート電極41はN形半導体層22とオ
ーミック接触している。絶縁層30は素子と配線との短
絡を防ぎ、同時に特性劣化を防ぐための保護膜として作
用する。ここで、絶縁層30には、発光サイリスタの発
光波長の光が通らないような材質を用いている。
【0141】N形GaAs基板1はカソードとして働
く。各単体発光サイリスタのアノード電極40に、2本
の転送クロックライン(φ1 ,φ2 )が、それぞれ1素
子おきに接続される。
【0142】転送クロックφ1 ,φ2 のハイレベル電圧
を交互に互いに少しずつ重なるように設定すれば、発光
サイリスタのオン状態は順次転送されていく。すなわ
ち、発光点が順次転送され、ダイオードによる電位結合
を用いた集積化された自己走査型発光装置を実現するこ
とができる。
【0143】
【実施例14】本実施例は実施例13の自己走査型発光
装置の現実的な構造を示したものである。図29に本実
施例の発光装置の平面図を、図30に図29のY−Y′
ラインの断面図を示す。
【0144】各発光サイリスタのゲートにつながる負荷
抵抗RL を63で示し、発光サイリスタを構成する半導
体層を流用している。ダイオードD-2〜D+1は、T(−
2)〜T(+1)につながり、そのアノード側はゲート
電極41を介して、次の発光サイリスタのゲート電極お
よび負荷抵抗63に接続される。
【0145】発光サイリスタの上部電極は、取り出し用
コンタクトホールC1 を通して、アノード電極40で取
り出される。アノード電極40と転送クロックラインφ
1 ,φ2 との接続は、スルーホールC2 を用いて行なわ
れる。電源ライン42は、電源電圧VGKおよび負荷抵抗
RL に接続される。また電源ラインはゲート電極41と
同時に形成される。ここでゲート電極41は、発光サイ
リスタがその発光により互いに影響することを防ぐ遮光
層も兼ねている。
【0146】図30に示すように、発光サイリスタは、
N形GaAs基板1上に、N形半導体層24,P形半導
体層23,N形半導体層22,P形半導体層21の各層
が形成されている。そしてホトリソグラフィおよびエッ
チング等により、各単体発光サイリスタに分離される。
また分離溝51は、発光サイリスタと結合用ダイオード
とを分離するための溝である。
【0147】負荷抵抗RL (63)は、発光サイリスタ
のN形GaAs層22を用いている。またこれは別の層
を用いてもよい。例えば、P形半導体層23を用いる、
あるいはスパッタ法等による別の抵抗を設けてこれを用
いてもよい。
【0148】
【実施例15】本実施例は、本発明者らが特開平2−9
2651号公報にて開示した自己走査型発光装置であっ
て、本発明の発光サイリスタを適用できる例の1つであ
る。
【0149】本実施例の自己走査型発光装置の原理を説
明するための等価回路図を図31に示す。これは発光し
きい電圧,電流が外部から制御できる発光サイリスタと
して、本発明による3端子の発光サイリスタを用いた場
合を表している。各発光サイリスタは、トランジス夕T
r1 ,Tr2 の組合せとして表わされる。トランジスタ
Tr1 はPNPトランジスタであり、トランジスタTr
2 はNPNトランジスタである。また、トランジスタT
r3 が設けられ、トランジスタTr3 のベースは、NP
NトランジスTr2 のベースに接続され、NPNトラン
ジスTr2 と組合わさってカレントミラー回路を構成し
ている。発光サイリスタT(−1)〜T(1)は一列に
並べられ、かつ発光サイリスタ間がカレントミラー回路
によって接続された構成となっている。
【0150】発光サイリスタT(−1)〜T(+1)
は、それぞれのゲート電極G-1〜G+1を有し、これらゲ
ート電極は、負荷抵抗RL を有する。ゲート電極には、
負荷抵抗RL を経て電源電圧VGKが印加される。各単体
発光サイリスタのアノード電極(Tr1 のエミッタ)
に、2本の転送クロックライン(φ1 ,φ2 )がそれぞ
れ1素子おきに接続される。クロックラインには、クロ
ックラインの電流制限用抵抗Re が設けられる。
【0151】動作を説明する。まず、転送クロックφ2
がハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンし
ているとする。このとき、3端子サイリスタの特性から
ゲート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電
源電圧VGKを5ボルトとすると、ゲート電極G0 に負荷
抵抗RL で制限された電流が流れ込む。またエミッタ
(アノード)には、抵抗Re で制限された電流が流れ込
む。
【0152】さて、トランジス夕Tr2 とTr3 は、カ
レントミラー回路になっているため、トランジスタTr
3 にはTr2 に比例した電流駆動能力が備わっている。
この電流駆動能力からトランジスタTr3 のコレクタに
接続される負荷抵抗RL を介して電流を引き込み、隣の
発光サイリスタT(1)のゲート電極G1 の電位を引き
下げる。トランジスタTr3 の駆動能力を適当に調整す
ることにより、ゲート電極G1 の電位をほぼ零まで下げ
ることができる。
【0153】発光サイリスタT(1)のオン電圧は、ゲ
ート電極G1 の電位よりPN接合の拡散電位Vdif だけ
高い電圧となるため、転送クロックパルスφ1 の電圧
が、拡散電位Vdif 以上であればオン状態を発光サイリ
スタT(1)に伝達することができる。
【0154】さて、このように発光サイリスタT(1)
のターンオン電圧は下がることになるが、反対側に位置
する発光サイリスタT(−1)のターンオン電圧は変化
しない。これはゲートG0 がほぼ零まで下がったとして
も、発光サイリスタT(−1)のオン電圧を決めるゲー
ト電極G-1の電圧に影響を与えないからである。したが
って、転送クロックφ1 ,φ2 のハイレベル電圧を交互
に互いに少しずつ重なるように設定すれば、発光サイリ
スタのオン状態は順次転送されていく。すなわち、発光
点が順次転送され、光結合による集積化された自己走査
型発光装置を実現することができる。
【0155】以上のことから、このカレントミラー回路
を用いた発光装置は、Vdif からVGK+Vdif までの転
送クロックパルス電圧によって動作し、動作電圧幅とし
てVGKという広い幅で動作させることができる。
【0156】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。
【0157】本実施例の発光装置の構造概念図を図32
に示す。接地されたN形GaAs基板1上に、N形半導
体層24,P形半導体層23,N形半導体層22,P形
半導体層21の各層が形成される。そして、ホトリソグ
ラフィおよびエッチング等により、各単体発光サイリス
タT(−1)〜T(+1)に分離される。分離溝を50
で示す。アノード電極40はP形半導体層21とオーミ
ック接触しており、ゲート電極41はN形半導体層22
とオーミック接触している。絶縁層30は素子と配線と
の短絡を防ぎ、同時に特性劣化を防ぐための保護膜とし
て作用する。
【0158】図中、破線で囲った部分がトランジスタT
r3 であり、ゲート電極41に接続される。トランジス
タTr3 は、コレクタ22,ベース23,エミッタ24
を有する。トランジスタTr1 は、コレクタ23,ベー
ス22,エミッタ21を有する。トランジスタTr2
は、コレクタ22,ベース23,エミッタ24を有す
る。
【0159】トランジスタTr2 のベースは、トランジ
スタTr3 のベースと電気的に接続されている。またこ
れらのトランジスタのコレクタは分離されている。ゲー
ト電極41は負荷抵抗RL を介して電源VGKに接続さ
れ、基板1は接地されている。また基板1は、トランジ
スタTr2 ,Tr3 のエミッタとなっている。
【0160】
【実施例16】本実施例は実施例15の自己走査型発光
装置の現実的な構造を示したものである。図33に本実
施例の発光装置の平面図を、図34および図35に図3
3のX−X′,Y−Y′ラインの断面図を各々示す。
【0161】図34および図35に示すように、発光サ
イリスタは、N形GaAs基板1上に、N形半導体層2
4,P形半導体層23,N形半導体層22,P形半導体
層21の各層を順次積層し形成する。そして、ホトリソ
グラフィおよびエッチング等により、各単体発光サイリ
スタに分離する(分離溝50)。また、分離溝51は、
発光サイリスタT(0)とカレントミラー用トランジス
タTr3 とを分離するための溝である。
【0162】各発光サイリスタのゲートにつながる負荷
抵抗RL を63で示す。この負荷抵抗は、発光サイリス
タを構成するN形GaAs層22を流用している。カレ
ントミラー用トランジス夕Tr3 (−1)〜Tr3
(1)のコレクタは、取り出し用コンタクトホールC1
を通って、ゲート電極41に接続される。発光サイリス
タのアノード電極40と転送クロックラインφ1 ,φ2
とは、スルーホールC1 ,C2 を用いて接続されてい
る。電源ライン42は電源電圧VGKに接続され、負荷抵
抗63に接続される。また電源ライン42は、ゲート電
極41と同時に形成される。ここで、ゲート電極41
は、発光サイリスタT(−2)〜T(+1)がその発光
によりお互いに影響し合うことを防ぐための遮光層をも
兼ねている。
【0163】なお、本実施例では、負荷抵抗63として
発光サイリスタのN形GaAs層22を用いたが、別の
層を用いてもよい。例えば、P形半導体層23を用い
る、あるいはスパッタ法等による別の抵抗を設け、これ
を用いてもよい。
【0164】
【実施例17】本実施例は、本発明者らが特開平2−2
63668号公報にて開示した自己走査型発光装置であ
って、スイッチ素子および発光素子に本発明の発光サイ
リスタを適用できる例の1つである。
【0165】本実施例の発光装置の原理を説明するため
の等価回路図を図36に示す。この発光装置は、スイッ
チ素子T(−1)〜T(2)、書き込み用発光素子L
(−1)〜L(2)からなる。スイッチ素子部分の構成
は、ダイオード接続を用いた例を示している。スイッチ
素子のゲート電極G-1〜G1 は、書き込み用発光素子の
ゲートにも接続される。書き込み用発光素子のアノード
には、書き込み信号Sinが加えられている。
【0166】以下に、この自己走査型発光装置の動作を
説明する。スイッチ素子回路の簡略化した構成断面図を
図37に示す。いま、スイッチ素子T(0)がオン状態
にあるとすると、ゲート電極G0 の電圧は、VGK(ここ
では5ボルトと想定する)より低下し、ほぼ零ボルトと
なる。したがって、書き込み信号Sinの電圧が、PN接
合の拡散電位(約1ボルト)以上であれば、発光素子L
(0)を発光状態とすることができる。
【0167】これに対し、ゲート電極G-1は約5ボルト
であり、ゲート電極G1 は約1ボルトとなる。したがっ
て、発光素子L(−1)の書き込み電圧は約6ボルト、
発光素子L(1)の書き込み電圧は約2ボルトとなる。
これから、発光素子L(0)のみに書き込める書き込み
信号Sinの電圧は、約1〜2ボルトの範囲となる。発光
素子L(0)がオン、すなわち発光状態に入ると、書き
込み信号Sinラインの電圧は約1ボルトに固定されてし
まうので、他の発光素子が選択されてしまう、というエ
ラーは防ぐことができる。
【0168】発光強度は書き込み信号Sinに流す電流量
で決められ、任意の強度にて画像書き込みが可能とな
る。また、発光状態を次の素子に転送するためには、書
き込み信号Sinラインの電圧を一度零ボルトまでおと
し、発光している素子をいったんオフにしておく必要が
ある。
【0169】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。図38
は本実施例の発光装置の概略を示す平面図、図39は図
38のX−X′ラインの断面図である。
【0170】まず、N形GaAs基板1上に、N形Ga
As層24b,N形AlGaAs層24a,P形GaA
s層23,N形GaAs層22,P形AlGaAs層2
1b,およびP形GaAs層21aを順次積層する。
【0171】積層された半導体層は、分離溝50により
各発光素子に分離される。また、各発光素子TのP形G
aAs層21aおよびP形AlGaAs層21bは、3
つの島状にN形GaAs層22上に残留するよう、ゲー
ト電極および一方向性結合素子作製のために一部削除さ
れる。前記3つの島は、1つの大きな島と連続する2つ
の小さな島とされ、2つの小さな島は、発光素子アレイ
の長手方向に、島,島,谷、島,島,谷、島,島,谷
と、繰り返すように配置される。ここで、島,島,谷は
1つの発光素子に対応し、谷とは露出したN形GaAs
層22部分を示す。
【0172】次に基板上全体に絶縁被膜30を被覆す
る。そして、絶縁被膜30の、前記削除処理されたN形
GaAs層22上および3箇所のP形GaAs層21a
上の位置に、接続用コンタクトホールC1 を開ける。
【0173】次に、絶縁被膜30上に、各発光素子のN
形GaAs層22と隣接する発光素子のP形GaAs層
21aとを、コンタクトホールC1 を用いて接続するT
字型の電源電極およびゲート電極結合用金属薄膜配線4
5と、発光素子の大きな島状P形GaAs層21aへ、
コンタクトホールC1 を介してクロックパルスを伝える
金属薄膜配線40と、発光素子の残りの島状P形GaA
s層21aへ、コンタクトホールC1 を介して駆動電圧
を伝える金属薄膜配線42とをそれぞれ設ける。
【0174】次に、金属薄膜配線45上の一部に、ゲー
ト電極と電源電極間の負荷抵抗RLとして使用する燐を
ドープした非晶質シリコン163を、約1μmの厚さで
被覆する。非晶質シリコン163は、各発光素子に対し
て1つずつになるよう分離される。
【0175】次に、基板上全体に絶縁被膜31を被覆す
る。そして、絶縁被膜31の、非晶質シリコン163,
金属薄膜配線42、および金属薄膜配線44の上の位置
に、接続用コンタクトホールC2 を開ける。
【0176】次に、絶縁被膜31上に、コンタクトホー
ルC2 を介して金属薄膜配線44(発光素子のアノード
電極)へクロックパルスを伝える書き込み信号ラインS
in、コンタクトホールC2 を介して金属薄膜配線43
(非晶質シリコン163を介してスイッチ素子のゲート
電極に接続される)へ電源電圧を伝える電源ライン4
1、コンタクトホールC2 を介して金属薄膜配線40
(スイッチ素子のアノード電極)へクロックパルスを伝
えるクロックラインφ1 ,φ2 をそれぞれ設けた。
【0177】ここで、クロックライン結合用金属薄膜配
線40上に設ける片側のコンタクトホールC2 の位置
は、各スイッチ素子のアノード電極が、クロックライン
φ1 ,φ2 のいずれか1本に、長さ方向に向かってφ
1 ,φ2 の順番で繰り返しすように調整される。
【0178】上記実施例の構造では、スイッチ素子,結
合用ダイオード,書き込み用発光素子の全てをP形Ga
As層21aおよびP形AlGaAs層21bのパター
ンニングのみで形成でき、構造が複雑化しているわりに
は、製造工程は複雑化していない。
【0179】本実施例では、しきい電圧もしくはしきい
電流が外部から制御可能な制御電極の結合方式として、
ダイオード結合方式を用いているが、この結合方式に限
らず、抵抗ネットワークによる方式、カレントミラー回
路による接続方式などの方法であってもよい。
【0180】また、本実施例においては、抵抗163と
して非晶質シリコンを用いているが、同様の抵抗率の物
質であれば、任意の物質が使用できる。また、抵抗の構
造も上記構造に限らず、発光素子作成のために積層した
一部の層を抵抗層として流用する等、任意の構造を使用
できる。またスパッタ法等による抵抗膜を用いてもよ
い。
【0181】
【実施例18】本実施例は、複数の発光素子を同時に発
光できるようにした自己走査型発光装置であり、スイッ
チ素子および発光素子に本発明の発光サイリスタを適用
できる。この発光装置の等価回路図を、図40に示す。
【0182】図36の回路と異なるのは、発光素子を3
つずつのブロックとし、1ブロック内の発光素子は1つ
のスイッチ素子によって制御し、かつ1ブロック内の発
光素子にそれぞれ別々の書き込み信号ラインSin1,S
in2,Sin3を接続して、発光素子の発光を制御した点
である。図中、発光素子L1 (−1),L2 (−1),
L3 (−1)、発光素子L1 (0),L2 (0),L3
(0)、発光素子L1(−1),L2 (−1),L3
(−1)等が、ブロック化された発光素子を示してい
る。
【0183】動作は図36の回路と同じで、1素子ずつ
Sinによって発光が書き込まれていたものが、同時に複
数書き込まれ発光し、それがブロックごとに転送するよ
うになったものである。
【0184】次に、本実施例の自己走査型発光装置を集
積化して作製する場合の構成について説明する。図41
は本実施例の発光装置の平面図である。
【0185】まず、実施例17と同様に、N形GaAs
基板1上に、N形GaAs層24b,N形AlGaAs
層24a,P形GaAs層23,N形GaAs層22,
P形AlGaAs層21b,およびP形GaAs層21
aを順次積層する。
【0186】積層された半導体層は、分離溝50により
各発光素子に分離される。また、各発光素子のP形Ga
As層21aおよびP形AlGaAs層21bは、5つ
の島状にN形GaAs層22上に残留する様、ゲート電
極および一方向性結合素子作製のために一部削除され
る。これら5つの島は、2つの小さな島と連続する3つ
の比較的大きな島とされ、3つの比較的大きな島は、発
光素子アレイの長手方向に、並ぶように配置される。2
つの小さな島は、発光素子アレイの長手方向に、島,
島,谷、島,島,谷、島,島,谷と繰り返すように配置
される。ここで、1つの比較的大きな島は1つのスイッ
チ素子に対応し、島,島,谷は3つの発光素子に結合さ
れた1つのスイッチ素子に対応し、谷とは露出したN形
GaAs層22のゲート電極部分を示す。
【0187】次に、基板上全体に絶縁被膜30を被覆す
る。そして、絶縁被膜30の、前記削除処理されたN形
GaAs層22上および5箇所のP形GaAs層21a
上の位置に、接続用コンタクトホールC1 を開ける。
【0188】次に、絶縁被膜30上に、各スイッチ素子
のN形GaAs層22と隣接するスイッチ素子のP形G
aAs層21aとをコンタクトホールC1 を用いて接続
し、かつの電源電極およびゲート電極結合用T字型金属
薄膜配線45、発光素子の3つの大きな島状P形GaA
s層21aへコンタクトホールC1 を介してクロックパ
ルスを伝える金属薄膜配線40、発光素子の残りの島状
P形GaAs層21aへコンタクトホールC1 を介して
駆動電圧を伝える金属薄膜配線42とを、それぞれ設け
る。
【0189】次に、金属薄膜配線45上の一部に、ゲー
ト電極−電源電極間の負荷抵抗RLとして使用する燐を
ドープした非晶質シリコン163を約1μmの厚さで被
覆する。非晶質シリコン163は、各発光素子に対して
1つずつになるよう分離される。
【0190】次に、基板上全体に絶縁被膜31を被覆す
る。そして、絶縁被膜31の、非晶質シリコン163、
金属薄膜配線42、および金属薄膜配線44の上の位置
に接続用コンタクトホールC2 を開ける。
【0191】次に、絶縁被膜31上に、コンタクトホー
ルC2 を介して金属薄膜配線44(発光素子のアノード
電極)へクロックパルスを伝える書き込みライン(Sin
1,Sin2,Sin3)、コンタクトホールC2 (非晶質
シリコン163)を介して金属薄膜配線43(スイッチ
素子のゲート電極に接続)へ電源電圧を伝える電源ライ
ン41、コンタクトホールC2 を介して金属薄膜配線4
0(スイッチ素子のアノード電極)へクロックパルスを
伝えるクロックラインφ1 ,φ2 をそれぞれ設けた。
【0192】ここで、クロックライン結合用金属薄膜配
線40上に設ける片側のコンタクトホールC2 の位置
は、各走査回路素子のアノード電極が、クロックライン
Sin1,Sin2,Sin3のいずれか1本に、長さ方向に
向かってSin1,Sin2,Sin3の順番で繰り返すよう
に調整される。
【0193】いま、LEDプリンタ等の一般的に知られ
る光プリンタ用の光源として、この発光装置を用いるこ
とを考えると、A4の短辺(約21cm)相当のプリン
トを16ドット/mmの解像度で印字するためには約3
400ビットの発光素子が必要になる。
【0194】実施例17にて説明してきた発光装置で
は、発光しているポイントは常に一つで、上記の場合で
はこの発光の強度を変化させて画像を書き込むことにな
る。これを用いて光プリンタを形成すると、通常使用さ
れている光プリンタ用LEDアレイ(これは画像を書き
込むポイントに位置するLEDが、同時に発光するよう
駆動ICによって制御されている)に比べ、画像書き込
み時に3400倍の輝度が必要となり、発光効率が同じ
ならば3400倍の電流を流す必要がある。ただし発光
時間は、逆に通常のLEDアレイに比べ1/3400と
なる。
【0195】しかし発光素子は、一般的に電流が増える
と加速度的に寿命が短くなる傾向があり、いくらデュー
ティが1/3400とはいえ従来のLEDプリンタに比
べ、寿命が短くなってしまうという問題点を持ってい
た。
【0196】しかしながら本実施例によると、ビット総
数が同じ条件で比較すると、この例では1ブロックに3
素子が入っているため、実施例17の発光装置に比べて
1素子の発光時間は3倍となる。したがって、オン状態
の発光素子に流す電流は1/3でよく、実施例17に比
べ長寿命化することが可能である。
【0197】本実施例では、1ブロックに3素子が含ま
れる場合を例示したが、この素子数が大きいほうが書き
込み電流が小さくて済み、さらに長寿命化をはかること
ができる。
【0198】
【実施例19】以下に、デューティをさらに向上するこ
とができる自己走査型発光装置の例を、図42,図4
3,図44,図45を用いて説明する。図42は本実施
例の発光装置のブロック構成図である。
【0199】本実施例の発光装置は、シフトレジスタ2
00,書き込みスイッチアレイ201,リセットスイッ
チアレイ202,発光素子アレイ203から構成され
る。各々のアレイはN個の素子からなっており、その番
号を(1)〜(N)とする。
【0200】シフトレジスタ200は、電源V1 、複数
の転送パルスφ、およびスタートパルスφS により駆動
され、オン状態が転送(自己走査)される。転送方向
は、ここでは左から右、すなわち(1)から(N)とし
てある。
【0201】書き込みスイッチアレイ201は、画像信
号VINを発光素子アレイ203に書き込むスイッチであ
り、シフトレジスタ200に同期する。つまり、時刻t
にオン状態であるシフトレジスタ200に対応する発光
素子アレイ203のビットに、画像信号VIN(t)を書
き込む働きを有する。
【0202】この画像信号VINの書き込みは、本実施例
では各ビットとも同じ番号内で行われるようにされてい
る。一度書き込まれた発光情報は、発光素子アレイ20
3に保持される。
【0203】一方、シフトレジスタ200は、同時にリ
セットスイッチアレイ202もアドレスするよう構成さ
れている。ただし、番号(1)のシフトレジスタ出力は
番号(2)のリセットスイッチに、番号(2)のシフト
レジスタ出力は番号(3)のリセットスイッチになど、
1ビット転送方向へ進んだ素子に接続されている。
【0204】このリセットスイッチがアドレスされる
と、発光素子はリセットされる。すなわち、シフトレジ
スタがオンすると、このシフトレジスタより1ビット転
送方向へ進んだ発光素子は、発光状態,非発光状態に関
わらず、一旦非発光状態(オフ状態)に戻される。
【0205】このような構成になっていれば、画像信号
の時間変化が発光素子の位置変化として書き込まれ、発
光素子に画像情報が書き込まれて発光による画像パター
ンが構成される。そして次の画像信号を書き込む際、リ
セットスイッチにより書き込まれた画像情報は消去さ
れ、そのすぐ後に新たな画像情報が書き込まれる。この
ため、発光素子はほぼ常時点灯に近い状態となり、デュ
ーティはほぼ1となる。
【0206】ここではシフトレジスタ200を1つのみ
設け、この出力を画像信号書き込み、およびリセットの
両方に用いるよう構成したが、シフトレジスタを2つ設
け、それぞれ画像信号書き込み用およびリセット用とし
て用いてもよい。
【0207】図43に、図42で説明した機能を発光サ
イリスタおよびトランジスタで構成した回路を示す。図
44に、図43の回路をP,Nイメージで書き直した図
を示す。
【0208】シフトレジスタ200は、サイリスタTS
(1)〜TS (4)により構成される。各サイリスタは
トランジスタTr1 ,Tr2 で構成され、そのゲートが
負荷抵抗RL ,結合用抵抗RI を介して隣接するサイリ
スタおよび電源V1 に接続される。このシフトレジスタ
の出力はゲートから取り出され、出力電圧VO (1)〜
VO (3)と表示されている。(1)〜(3)は各ビッ
トの番号である。図中、転送クロックラインの電流を制
限する抵抗は、抵抗Re で表している。
【0209】書き込みスイッチとして、PNPトランジ
スタTr3 (1)〜Tr3 (3)を用い、リセットスイ
ッチとして、NPNトランジスタTr4 (1)〜Tr4
(3)を用いている。抵抗Re は、発光素子に流れる電
流を制限する抵抗である。また発光素子として、トラン
ジスタTr5 ,Tr6 の組合せで表示される発光サイリ
スタを用いている。この発光サイリスタの特性として、
一度オンしてしまうと電源を落とすまでオンし続けると
いう特徴を持ち、これを発光のメモリ機能として利用す
る。
【0210】この回路の動作を、図45に示すパルスタ
イミング図を用いて説明する。図44においてT1 〜T
5 は時刻を表す。転送クロックはφ1 〜φ3 であり、φ
1 はT1 〜T2 およびT4 〜T5 の間、φ2 はT2 〜T
3 の間、φ3 はT3 〜T4 の間がハイレベルとなってい
る。シフトレジスタ出力VO (1)〜VO (3)はそれ
ぞれφ1 〜φ3 に同期して取り出され、出力はローレベ
ルとして与えられる。画像信号VINは時刻T2 〜T3 に
ハイレベルとなり、ビット番号(2)の発光素子に書き
込む。
【0211】今、時刻T1 〜T2 の間を考える。このと
きシフトレジスタの出力として、出力VO (1)がロー
レベルとして取り出される。この出力VO (1)は、書
き込みスイッチであるトランジスタTr3 (1)のベー
スに接続され、トランジスタTr3 (1)を書き込み可
能状態にする。しかしここで、画像信号VINはローレベ
ルであるから、発光素子への書き込みは行われない。
【0212】一方、出力VO (1)は同時にリセットス
イッチであるトランジスタTr4 (2)のベースにも印
加される。この出力VO (1)は零ボルト程度まで下が
るため、トランジスタTr4 (2)のエミッタ電圧もほ
ぼ零ボルトとなり、発光素子をオフ状態にしてしまう。
したがって、ビット番号(2)の発光素子は、リセット
されたことになる。
【0213】次に時刻T2 〜T3 の間を考える。シフト
レジスタ出力はVO (2)であり、これがTr3 (2)
のベースに印加される。ここで、画像信号VINはハイレ
ベルであるからトランジスタTr3 (2)に電流が流
れ、発光メモリに流れ込む。この電流はトランジスタT
r6 (2)のベース電流となり、これがビット番号
(2)の発光素子をオンさせる。この発光は次のリセッ
ト信号まで維持される。この時、ビット番号(3)の発
光素子は、VO (2)によりリセットされる。
【0214】発光素子に流れる電流は抵抗Re によって
制限され、デューティが大きくなったため少ない電流で
よく、高信頼度の発光装置を得ることができる。
【0215】図46には、本実施例の自己走査型発光装
置を集積化して作製する場合を示す。シフトレジスタの
各ビットはPNPNの4層構成で表され、発光素子も同
様にPNPN構成で表される。シフトレジスタのPNP
Nの各ビットをTS (1)〜TS (4)と表し、発光素
子の各ビットをTL (1)〜TL (4)と表す。この構
成は、半導体基板1上に作製される。
【0216】特に、図46は、ビット番号(2)につい
てその断面図を示したものである。半絶縁性GaAs基
板1上に、N形GaAs層24,P形GaAs層23,
N形GaAs層22,P形GaAs層21を順次積層し
た構造となっている。各半導体層は絶縁膜30により分
離され、それぞれ機能を有する素子に分割され、金属電
極43により電気的に接続される。抵抗RL ,RI はN
形GaAs層22で形成される抵抗素子であり、その端
は電源V1 に接続される。
【0217】シフトレジスタTS (2)は、半導体層2
1,22,23,24の4層から構成される。
【0218】書き込みスイッチTr3 (2)は、半導体
層21,22,23から構成され、不要な半導体層24
を半導体層23に接続し、半導体層24の効果を殺して
いる。
【0219】発光素子TL (2)は、半導体層21,2
2,23,24の4層から構成され、書き込みスイッチ
Tr3 (2)の半導体層23,24が、シフトレジスタ
TL(2)の半導体層23と接続される。これが発光素
子の書き込み電極となる。抵抗Re も抵抗RL ,RI と
同じくN形GaAs層22で形成される。
【0220】リセットスイッチTr4 (2)は、半導体
層22,23,24から構成され、不要な半導体層21
は半導体層22と接続されている。半導体層23は書き
込みスイッチTr3 (1)のベース21と接続される。
図46に示した構造を用いると、上述の機能を完全に果
たすことが可能となる。
【0221】この自己走査型発光装置は、光プリンタの
書き込みヘッド,ディスプレイ等への応用が考えられ、
これらの機器の低価格化,高性能化に大きな寄与をする
ことができる。
【0222】
【実施例20】本実施例は、特開平4−23367号公
報に示された自己走査型発光装置であって、本発明の発
光サイリスタを適用できる1つの例である。
【0223】実施例の発光装置を図47に示す。図47
においては、スイッチ素子アレイ(SDA)と発光素子
アレイ(LMA)とが、上下に分けて記載されている。
【0224】まず、シフトレジスタ機能を有するスイッ
チ素子アレイについて説明する。S(−2)〜S(2)
は、スイッチ素子(PNPN構造を有するサイリスタ)
である。φ1 ,φ2 は、スイッチ素子アレイを駆動する
転送クロックである。そして、CL1 は転送クロックφ
1 を供給されるクロックラインであり、CL2 は転送ク
ロックφ2 を供給されるクロックラインである。
【0225】各スイッチ素子S(−2)〜S(2)のゲ
ート電極G-1〜G2 の間は、それぞれ結合用ダイオード
D-2〜D1 によって接続されている。このようなダイオ
ード結合方式を採用しているために、スイッチ素子アレ
イは2相の転送クロックφ1,φ2 にて情報の転送動作
を行うことができる。
【0226】また、RA1,RA2 は、それぞれ各スイッ
チ素子S(−2)〜S(2)のアノードとクロックライ
ンCL1 ,CL2 のいずれか一方とを接続するアノード
負荷抵抗である。このアノード負荷抵抗RA1,RA2
は、各スイッチ素子S(−2)〜S(2)のオン状態で
の電流量を制限するものである。各スイッチ素子S(−
2)〜S(2)のカソードはそれぞれ接地されている。
【0227】さらに、RL1,RL2は、それぞれ各スイッ
チ素子S(−2)〜S(2)のゲートG-2〜G2 と電源
電圧VGKの直流電源とを接続するゲートの負荷抵抗であ
る。このゲート負荷抵抗RL1,RL2は、電源電圧VGKの
直流電源から各ゲートG-2〜G2 に流れる電流量を制限
するものである。そして、各ゲートG-2,G0 ,G
2は、それぞれダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′のカ
ソードに接続されている。
【0228】次に、発光素子アレイについて説明する。
φR は発光素子(発光サイリスタ)L(−2),L
(0),L(2)への情報の書き込み許可/禁止を制御
し、かつ書き込まれた状態をリセットするクロックであ
る。そして、CLR はクロックφR を供給する電流供給
ラインである。
【0229】またRA3は、各発光素子L(−2),L
(0),L(2)のアノードと電流供給ラインCLR と
を接続するアノード負荷抵抗である。このアノード負荷
抵抗RA3は、各発光素子L(−2),L(0),L
(2)のオン状態での電流量を制限するものである。そ
して、各発光素子L(−2),L(0),L(2)のカ
ソードは、それぞれ接地されている。
【0230】さらにRL3は、各発光素子L(−2),L
(0),L(2)のゲートG-2′,G0 ′,G2 ′と電
源電圧VGKとを接続するゲート負荷抵抗である。このゲ
ート負荷抵抗RL3は、電源電圧VGKの直流電源から、各
ゲートG-2′,G0 ′,G2′に流れる電流量を制限す
るものである。そして、各ゲートG-2′,G0 ′,G
2 ′は、それぞれダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′の
アノードに接続されている。
【0231】すなわち、図47においては、スイッチ素
子S(−2),S(0),S(2)のゲートが、それぞ
れダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′を介して、発光素
子L(−2),L(0),L(2)のゲートG-2′,G
0 ′,G2 ′に個々に接続されている。
【0232】次に、スイッチ素子アレイの部分の動作を
説明する。今、スタートパルスφSとして、ハイレベル
またはローレベルの電圧がスイッチ素子S(−3)のア
ノード(図示せず)に供給されたとする。この場合に、
ハイレベルの電圧が、電源電圧VGKにPN接合の拡散電
位Vdif を加えた電圧以上に高ければ、スイッチ素子S
(−3)はオン状態になる。そして、次に供給されるス
タートパルスφS のローレベルの電圧が、スイッチ素子
S(−3)のオン状態維持電圧より低ければ、S(−
3)はオフ状態となる。
【0233】オン状態では、スイッチ素子S(−3)の
ゲート電位はほぼ零ボルトとなり、オフ状態ではゲート
電圧は電源電圧VGKと同じ電圧になる。スイッチ素子S
(−3)のゲート電位が零ボルトになれば、結合用ダイ
オードD-3(図示せず)によって、スイッチ素子S(−
2)のゲート電位が低下する。そして、スイッチ素子S
(−2)のターンオン電圧も低下する。したがって、転
送クロックφ2 によって、スイッチ素子S(−2)をオ
ン状態に設定することができる。
【0234】このオン状態はφ1 ,φ2 によって順次、
図47の右方向へ転送されていく。つまり、スタートパ
ルスφS のハイレベルの電圧によって、スイッチ素子ア
レイにオン状態が書き込まれ、それが順次右方向へ転送
されていくことになる。
【0235】ただし、全てのビットがオン状態にある場
合に、このオン状態を転送することは、このスイッチ素
子アレイの動作原理上から不可能であって、1ビットお
きにオンとオフを繰り返して転送することになる。すな
わち、スタートパルスφS の波形も、転送パルスφ1 ,
φ2 に同期して、ハイレベルとローレベルとを交互に送
る必要がある。
【0236】今、偶数ビットのみのオン状態とオフ状態
に有効な情報があるものとして、オン状態を1、オフ状
態を0とすると、スタートパルスφS によって1または
0が書き込まれ、転送クロックφ1 ,φ2 によって、そ
の1,0が転送されて行くことになる。このようにし
て、1または0という信号(情報)がスイッチ素子アレ
イに書き込まれる。
【0237】次に、発光素子L(−2)(L(0),L
(2))の動作について説明する。仮に、L(−2)が
0であるとすると、クロックφR の電圧が零ボルトであ
れば、発光素子L(−2)はオン状態とはならない。す
なわち、発光素子L(−2)は書き込み禁止の状態に設
定される。クロックφR の電圧が、発光素子L(−2)
のオン状態維持電圧からVGK+Vdif の間の電圧に設定
されたとすると、発光素子L(−2)は書き込み許可の
状態に設定される。そして、ゲートG-2′の電位が変化
させられることによって、発光素子L(−2)はオン状
態に設定可能となる。
【0238】さて、スイッチ素子アレイから発光素子ア
レイへの情報の書き込みについて説明する。スイッチ素
子アレイは、前述したように1または0信号が書き込ま
れる。最後のビットまで書き込まれた段階で、転送クロ
ックφ1 ,φ2 をそれぞれローレベル,ハイレベルの状
態に維持される。これによって、情報の転送動作が終了
し、スイッチ素子アレイに書き込まれた情報は保持され
る(特に、偶数ビットにおいて保持されている)。
【0239】スイッチ素子アレイの偶数ビットにおい
て、オン状態のスイッチ素子Sのゲート電位はほぼ零ボ
ルトであり、オフ状態のスイッチ素子Sのゲート電位
は、Vdi f の約2倍以上である。なお、オフ状態のスイ
ッチ素子Sのゲート電位については、転送方向に対して
逆方向に位置する最も隣接する偶数ビットがオン状態の
場合にVdif の約2倍であり、それ以外はVdif の約2
倍の電圧よりも大きくなる。なお、ここでVdif はPN
接合の拡散電位である。
【0240】スイッチ素子S(−2),S(0),S
(2)のそれぞれのゲート電圧は、ダイオードD-2′,
D0 ′,D2 ′によって対応する発光素子L(−2),
L(0),L(2)のゲートG-2′,G0 ′,G2 ′に
伝達される。したがって、発光素子L(−2),L
(0),L(2)のゲート電圧は、オン状態の場合でV
difとなり、オフ状態の場合でVdif の3倍以上とな
る。そしてオン状態の場合で、発光素子のターンオン電
圧はVdif の2倍となり、オフ状態でVdif の4倍とな
る。
【0241】一方、クロックφR については、いったん
零ボルトに設定して全体の発光をなくし(すなわち、リ
セット)、その後にハイレベル電位VHRまで上昇させ
る。この電圧φHRとして2Vdif <VHR<4Vdifの範
囲に設定されていると、オン状態のスイッチ素子Sに対
応する発光素子Lがオン状態となり、オフ状態のスイッ
チ素子Sの対応する発光素子Lはオフ状態のままにな
る。
【0242】したがって、スイッチ素子アレイに書き込
まれた1,0の情報が、そのまま発光素子アレイに書き
込まれることになる。
【0243】この後、電圧VHRは発光素子のオン状態維
持電圧以上であってVdif の2倍の電圧未満の値に再設
定される。このことにより、発光素子Lは、スイッチ素
子Sのゲート電位に影響されなくなり、書き込まれた情
報を保持し続ける。そして、発光素子アレイが情報の保
持状態にある間に、前述と同様にして、スイッチ素子ア
レイには次の情報が書き込まれる。
【0244】やがて、クロックφR がローレベル電圧に
設定されて、各発光素子Lがリセットされる。リセット
後、再び情報が発光素子アレイに書き込まれる。以上の
ようにして、一連の動作が繰り返し行われる。
【0245】次に図47に示す自己走査型発光装置を、
光プリンタ用の書き込み光源に適用した場合について述
べる。
【0246】例えば、発光装置が2048ビットの発光
素子Lを有するものとすると、スイッチ素子Sはその倍
の4096ビットを必要とする。光プリンタにおける書
き込み光源の電流量は約5mAであるから、全てのビッ
トの発光素子Lが発光状態であるとすると、約10Aと
いう電流が流れる。
【0247】一方、スイッチ素子Sからの情報転送のた
めの電流は、ゲート負荷抵抗RL3=30kΩの場合に
0.5mAであることが実験的にわかっているので、全
てのビットの発光素子が発光状態であれば、1A程度で
ある。なお、この情報転送のための電流量は、光プリン
ティングに必要な10Aに比べ1割程度であり、実用上
問題のない値である。
【0248】また、スイッチ素子Sからの情報が、発光
素子Lに移動させられた段階でクロックφ1 ,φ2 の電
圧を一旦零ボルトに低下させることにより、スイッチ素
子アレイ全体がオフ状態となりリセットが行われる。こ
の方法を用いた場合には、スイッチ素子Sがオン状態に
なる時間が考慮されると、等価的に電流値が下がること
となる。つまり、前述の1Aに比べて等価的に0.5A
程度まで下がったことになる。
【0249】発光素子Lの2048ビットに対して、ス
タートパルスφS が供給されるデータ入力端(図示せ
ず)が1つだけでは、情報の転送速度はかなり高速であ
ることが必要である。この点については、データ入力端
を複数設けることによって、情報の転送速度を低下させ
ることができる。例えば、通常64ビットまたは128
ビットを一単位として発光素子Lのチップが形成され、
このチップごとに情報が入力されてもよい。
【0250】128ビットごとにデータ入力を並列に行
った場合、2048ビットに対して20個のデータ入力
端を有することになる。このため、情報の転送速度は1
/20でよいことになる。したがって、発光装置は余裕
のある動作を行うことができる。
【0251】なお、発光素子Lの出力光の光量のばらつ
きを防ぐために、アノード負荷抵抗RA3をレーザ等によ
り微調整することが可能である。このことによって、出
力光のばらつきのない発光装置を得ることができる。
【0252】また、図47では、スイッチ素子アレイに
おける偶数ビットの右側に接続される結合用ダイオード
D-2,D0 の特性と、奇数ビットの右側に接続される結
合用ダイオードD-1,D1 の特性とが異なっている。し
たがって、偶数ビットと奇数ビットとで動作電流等を分
けて最適化することが重要である。このために、RL2<
RL1,RA1<RA2に設定するほうが望ましく、この場合
には発光装置はより安定で高速な動作を行い得る。
【0253】さらに、図47では、ダイオード結合方式
と呼ばれる構成を採用しているが、結合方式はこれに限
られず、スイッチ素子の発光機能および受光機能を利用
する光結合方式や、抵抗結合方式であってもよい。
【0254】図48は、図47に示した等価回路を同一
半導体基板上に作製した場合の一例を示す断面図であ
る。図48において、71はN形半導体基板であり、8
1はP形半導体層、82はN形半導体層、83はP形半
導体層である。なお、図47と同一の要素には同一の符
号が付されている。
【0255】この図48に示す実施例で重要な点は、図
47に示したスイッチ素子S、結合用ダイオードD-2〜
D1 ,D-2′〜D2 ′、発光素子L等が半導体層81,
82,83、半導体基板71の組合せで形成でき、した
がって、製造工程を複雑化することなく、図47の回路
構成が集積化されて形成されることである。
【0256】例えばスイッチ素子S(−2)において、
最上層のP形半導体層81がアノードになり、N形半導
体層82がゲートG-2になり、N形半導体基板71がカ
ソードとなっている。そして、N形半導体層82の上に
形成されたP形半導体層81の2つの島が、結合用ダイ
オードD-2,D-2′になっている。これらのダイオード
D-2,D-2′は、スイッチ素子S(−2)と同様の構造
を有しており、S(−2)と全く同じ製造工程で形成さ
れる。
【0257】また、発光素子L(−2)についても、ス
イッチ素子S(−2)と全く同じ構造を有し、やはり同
じ工程で形成される。なお、抵抗部分RA1〜RA3、RL1
〜RL3は、薄膜抵抗によって形成することができ、また
半導体層81,82,83を利用して形成することもで
きる。
【0258】さらに図49には、図48の平面構造の一
例を示す平面図である。図49に示すように、スイッチ
素子アレイと発光素子アレイとが、上下に分けて配置さ
れている。そして、各抵抗RA1〜RA3,RL1〜RL3が、
薄膜抵抗によって形成されている(半導体層81〜83
を用いて形成することもできる)。
【0259】図49では、2つのスイッチ素子Sに対し
て、1つの発光素子Lが設けられており、発光素子Lの
配列ピッチがスイッチ素子の配列ピッチの2倍になって
いる。このために、集積度が上がらないかのように見え
るが、この点についてはスイッチ素子の配列の仕方を2
列とし、ジグザクに配列することにより解決することが
できる。また、もう1つのスイッチ素子アレイを発光素
子アレイの反対側に設けることにより、発光素子の配列
ピッチを小さくすることもできる。
【0260】また、スイッチ素子Sの上部には、光遮蔽
層が設けられるものであるが、図48および図49では
省かれている。このような図48および図49に示され
る構造によれば、この発光装置は図47で説明したもの
と全く同じ動作を行うことができる。
【0261】上述した発光装置では、自己走査型の発光
装置を転送用アレイとして使用し、ほぼ同一構造の別の
発光素子アレイに発光機能を分離したので、バイアス光
の原因となるオン状態の転送を行うスイッチ素子の上部
に光遮蔽層を設けることができ、画像情報の書き込みに
対するバイアス光の影響を除去することができる。この
ため、光プリンタ等への発光装置の応用を行う際には、
光プリンタ等の品位を向上させることができる。
【0262】また、画像情報を書き込むための信号は、
スタートパルスの一部としてスイッチ素子に直接入力で
きる。このため、駆動回路が簡略化できる。さらに、発
光素子に書き込まれた情報は、走査信号によってリセッ
トされるまで維持されるので、発光のデューティサイク
ルがほぼ1に設定される。したがって、発光素子に流れ
る電流(ピーク値)を少なくすることができるので、発
光装置の長寿命化を実現できる。
【0263】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明による発
光サイリスタは、そのスイッチング速度を向上させるこ
とができる。また耐圧を確保し、かつゲート金属とのオ
ーミック接触の確保、接触抵抗の低減をも行うことがで
きる。また光の外部への取り出し効率を増大させること
ができる。このように、発光サイリスタの特性を向上す
ることができる。
【0264】また、このような発光サイリスタを用いた
自己走査型発光装置では、その転送速度を耐圧を保持し
た状態で向上させることができ、かつゲート金属との接
触抵抗が実現でき、さらには光の外部への取り出し効率
を向上させることができるので、より理論的な転送動作
電圧を期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の発光サイリスタの構造図である。
【図2】従来の自己走査型発光装置の等価回路図であ
る。
【図3】従来の自己走査型発光装置の構成概略図であ
る。
【図4】本発明の実施例1の発光サイリスタを示す構造
概略図である。
【図5】本発明の実施例2の発光サイリスタを示す構造
概略図である。
【図6】本発明の実施例3の発光サイリスタを示す構造
概略図である。
【図7】本発明の実施例4の発光サイリスタを示す構造
概略図である。
【図8】図7に示した発光サイリスタのバンド図であ
る。
【図9】本発明の実施例5の発光サイリスタを示す構造
概略図である。
【図10】図9に示した発光サイリスタのバンド図であ
る。
【図11】本発明の実施例6の発光サイリスタを示す構
造概略図である。
【図12】図9に示した発光サイリスタのバンド図であ
る。
【図13】本発明の実施例7の発光サイリスタのバンド
図である。
【図14】本発明の発光サイリスタを用いた実施例8の
自己走査型発光装置の概略を示す回路図である。
【図15】図14の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図16】本発明の発光サイリスタを用いた実施例9の
自己走査型発光装置の断面概略図である。
【図17】図16の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図18】本発明の発光サイリスタを用いた実施例10
の自己走査型発光装置の平面概略図である。
【図19】図18の自己走査型発光装置の平面概略図で
ある。
【図20】図18の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図21】本発明の発光サイリスタを用いた実施例11
の自己走査型発光装置の等価回路図である。
【図22】図21の発光サイリスタの特性図である。
【図23】図21の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図24】図21の自己走査型発光装置の平面概略図で
ある。
【図25】本発明の発光サイリスタを用いた実施例12
の自己走査型発光装置の平面概略図である。
【図26】図25の発光素子アレイの断面概略図であ
る。
【図27】本発明の発光サイリスタを用いた実施例13
の自己走査型発光装置の等価回路図である。
【図28】図27の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図29】本発明の発光サイリスタを用いた実施例14
の自己走査型発光装置の平面概略図である。
【図30】図29の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図31】本発明の発光サイリスタを用いた実施例15
の自己走査型発光装置の等価回路図である。
【図32】図31の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図33】本発明の発光サイリスタを用いた実施例16
の自己走査型発光装置の平面概略図である。
【図34】図33の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図35】図34の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図36】本発明の発光サイリスタを用いた実施例17
の自己走査型発光装置の等価回路図である。
【図37】図36の自己走査型発光装置のスイッチ素子
回路の断面概略図である。
【図38】図36の自己走査型発光装置の平面概略図で
ある。
【図39】図38の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図40】本発明の発光サイリスタを用いた実施例18
の自己走査型発光装置の等価回路図である。
【図41】図40の自己走査型発光装置の平面概略図で
ある。
【図42】本発明の発光サイリスタを用いた実施例19
の自己走査型発光装置のブロック構成図である。
【図43】図42の自己走査型発光装置の等価回路図で
ある。
【図44】図42の自己走査型発光装置の等価回路のP
Nイメージ図である。
【図45】図42の自己走査型発光装置の駆動方法を示
すパルスタイミング図である。
【図46】図42の自己走査型発光装置の断面概略図で
ある。
【図47】本発明の発光サイリスタを用いた実施例20
の自己走査型発光装置の等価回路図である。
【図48】図47の自己走査型発光装置の等価回路を同
一半導体基板に製作したときの断面概略図である。
【図49】図47の自己走査型発光装置の等価回路を同
一半導体基板に製作したときの平面概略図である。
【符号の説明】
T 発光サイリスタ D 結合用ダイオード φ 転送用クロックパルス RL ゲート負荷抵抗 Re カソード負荷抵抗 RI 相互作用を作るために抵抗 Tr トランジスタ C コンタクトホール(スルーホール) 1 第1導電形基板 22,24 第1導電形半導体層 21,23 第2導電形半導体層 30 絶縁膜 40 アノード電極 41 ゲート電極 47 カソード電極 50 分離溝
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/45 2/455

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電形半導体基板上に、第1導電形半
    導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,第1
    導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積層さ
    れ、かつ前記積層された半導体層内部で生ずる光が外部
    に取り出されるように構成されている発光サイリスタに
    おいて、 前記第1導電形半導体層のうち、前記2つの第2導電形
    半導体層に挟まれた第1導電形半導体層の不純物濃度
    は、前記半導体基板とは反対側が高濃度でかつ前記半導
    体基板側が低濃度であり、および/または、 前記第2導電形半導体層のうち、前記2つの第1導電形
    半導体層に挟まれたあるいは前記第1導電形半導体層と
    前記第1導電形半導体基板とに挟まれた第2導電形半導
    体層の不純物濃度は、前記半導体基板とは反対側が低濃
    度でかつ前記半導体基板側が高濃度であることを特徴と
    する発光サイリスタ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の発光サイリスタにおい
    て、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層の不純物濃度、および/または、 前記2つの第1導電形半導体層に挟まれたあるいは前記
    第1導電形半導体層と前記第1導電形半導体基板とに挟
    まれた第2導電形半導体層の不純物濃度は、層の厚み方
    向に連続的に変化している発光サイリスタ。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の発光サイリスタにおい
    て、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層の不純物濃度、および/または、 前記2つの第1導電形半導体層に挟まれたあるいは前記
    第1導電形半導体層と前記第1導電形半導体基板とに挟
    まれた第2導電形半導体層の不純物濃度は、層の厚み方
    向に段階的に変化している発光サイリスタ。
  4. 【請求項4】請求項2または3に記載の発光サイリスタ
    において、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層の不純物濃度の最高濃度は1018cm-3以上であ
    る発光サイリスタ。
  5. 【請求項5】第1導電形半導体基板上に、第1導電形半
    導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,第1
    導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積層さ
    れ、かつ前記積層された半導体層内部にて生ずる光が外
    部に取り出されるように構成されている発光サイリスタ
    において、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層のバンドギャップ幅は、前記半導体基板とは反対
    側が広幅でかつ前記半導体基板側が狭幅であること、お
    よび/または、 前記2つの第1導電形半導体層に挟まれたあるいは前記
    第1導電形半導体層と前記第1導電形半導体基板とに挟
    まれた第2導電形半導体層のバンドギャップ幅は、前記
    半導体基板とは反対側が狭幅でかつ前記半導体基板側が
    広幅である発光サイリスタ。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の発光サイリスタにおい
    て、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層のバンドギャップ幅、および/または、 前記2つの第1導電形半導体層に挟まれたあるいは前記
    第1導電形半導体層と前記第1導電形半導体基板とに挟
    まれた第2導電形半導体層のバンドギャップ幅は、層の
    厚み方向に連続的に変化している発光サイリスタ。
  7. 【請求項7】請求項5に記載の発光サイリスタにおい
    て、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層のバンドギャップ幅、および/または、 前記2つの第1導電形半導体層に挟まれたあるいは前記
    第1導電形半導体層と前記第1導電形半導体基板とに挟
    まれた第2導電形半導体層のバンドギャップ幅は、層の
    厚み方向に段階的に変化している発光サイリスタ。
  8. 【請求項8】第1導電形半導体基板上に、第1導電形半
    導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,第1
    導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積層さ
    れ、かつ前記積層された半導体層内部にて生ずる光が外
    部に取り出されるように構成されている発光サイリスタ
    において、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層の不純物濃度は、前記半導体基板とは反対側が高
    濃度でかつ前記半導体基板側が低濃度であり、かつ前記
    第1導電形半導体層のバンドギャップ幅は、前記半導体
    基板とは反対側が広幅でかつ前記半導体基板側が狭幅で
    あり、および/または、 前記2つの第1導電形半導体層に挟まれたあるいは前記
    第1導電形半導体層と前記第1導電形半導体基板とに挟
    まれた第2導電形半導体層の不純物濃度は、前記半導体
    基板とは反対側が低濃度でかつ前記半導体基板側が高濃
    度であり、かつ前記第2導電形半導体層のバンドギャッ
    プ幅は、前記半導体基板とは反対側が狭幅でかつ前記半
    導体基板側が広幅であることを特徴とする発光サイリス
    タ。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の発光サイリスタにおい
    て、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層の不純物濃度およびバンドギャップ、および/ま
    たは、 前記2つの第1導電形半導体層に挟まれたあるいは前記
    第1導電形半導体層と前記第1導電形半導体基板とに挟
    まれた第2導電形半導体層の不純物濃度およびバンドギ
    ャップ幅は、それぞれ層の厚み方向に連続的に変化して
    いる発光サイリスタ。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の発光サイリスタにおい
    て、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層の不純物濃度およびバンドギャップ幅、および/
    または、 前記2つの第1導電形半導体層に挟まれたあるいは前記
    第1導電形半導体層と前記第1導電形半導体基板とに挟
    まれた第2導電形半導体層の不純物濃度およびバンドギ
    ャップ幅は、それぞれ層の厚み方向に段階的に変化して
    いる発光サイリスタ。
  11. 【請求項11】請求項9または10に記載の発光サイリ
    スタにおいて、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層の不純物濃度の最高濃度は1018cm-3以上であ
    る発光サイリスタ。
  12. 【請求項12】第1導電形半導体基板上に、第1導電形
    半導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,第
    1導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積層
    され、かつ前記積層された半導体層内部にて生ずる光が
    外部に取り出されるように構成されている発光サイリス
    タにおいて、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層のバンドギャップ幅は、前記2つの第1導電形半
    導体層に挟まれたあるいは前記第1導電形半導体層と前
    記第1導電形半導体基板とに挟まれた第2導電形半導体
    層のバンドギャップ幅より大きい発光サイリスタ。
  13. 【請求項13】第1導電形半導体基板上に、第1導電形
    半導体層を介して/介さずに、第2導電形半導体層,第
    1導電形半導体層,第2導電形半導体層がこの順に積層
    され、かつ前記積層された半導体層内部にて生ずる光が
    外部に取り出されるように構成されている発光サイリス
    タにおいて、 前記2つの第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半
    導体層の基板側のバンドギャップ幅を、前記2つの第1
    導電形半導体層に挟まれたあるいは前記第1導電形半導
    体層と前記第1導電形半導体基板とに挟まれた第2導電
    形半導体層のバンドギャップ幅と略同一とし、前記2つ
    の第2導電形半導体層に挟まれた第1導電形半導体層の
    前記半導体基板とは反対側のバンドギャップ幅を前記半
    導体基板側のバンドギャップ幅より大きくとったことを
    特徴とする発光サイリスタ。
  14. 【請求項14】請求項12または13に記載の発光サイ
    リスタにおいて、 前記2つの第1導電形半導体層に挟まれたあるいは前記
    第1導電形半導体層とに挟まれた第2導電形半導体層の
    前記半導体基板側のバンドギャップ幅を、前記第2導電
    形半導体層の前記半導体基板とは反対側のバンドギャッ
    プ幅より大きくとったことを特徴とする発光サイリス
    タ。
  15. 【請求項15】発光の開始電圧が素子に入射する光強度
    によって変化する発光素子を複数個配列し、各発光素子
    の発光がその近傍に位置する少なくとも1つの発光素子
    に入射するよう構成されており、各発光素子の発光を制
    御する電極に、外部から電圧あるいは電流を印加する複
    数本の配線を接続した自己走査型発光装置において、 前記発光素子は、請求項1から14のいずれかに記載さ
    れている発光サイリスタである自己走査型発光装置。
  16. 【請求項16】しきい電圧またはしきい電流の制御電極
    を有する発光素子を複数個配列し、各発光素子の前記制
    御電極をその近傍に位置する少なくとも1つの発光素子
    の制御電極に、直接に、あるいは電気抵抗または電気的
    に一方向性を有する電気素子を介して接続し、各発光素
    子の発光を制御する電極に、外部から電圧あるいは電流
    を印加する複数本の配線を接続した自己走査型発光装置
    において、 前記発光素子は、請求項1から14のいずれかに記載さ
    れている発光サイリスタであることを特徴とする自己走
    査型発光装置。
  17. 【請求項17】スイッチング動作のためのしきい電圧ま
    たはしきい電流の制御電極を有するスイッチ素子を複数
    個配列し、各スイッチ素子の前記制御電極をその近傍に
    位置する少なくとも1つのスイッチ素子の制御電極に、
    直接に、あるいは電気抵抗または電気的に一方向性を有
    する電気素子を介して接続するとともに、各スイッチ素
    子に電源ラインを電気的手段を用いて接続し、かつ各ス
    イッチ素子にクロックラインを接続して形成したスイッ
    チ素子アレイと、 発光動作のためのしきい電圧またはしきい電流の制御電
    極を有する発光素子を複数個配列した発光素子アレイと
    からなり、 前記発光素子アレイの各発光素子の制御電極を前記スイ
    ッチ素子の制御電極と電気的手段にて接続し、各発光素
    子に発光のための電流を印加するラインを設けた自己走
    査型発光装置において、 前記発光素子は、請求項1から14のいずれかに記載さ
    れている発光サイリスタであることを特徴とする自己走
    査型発光装置。
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