JPH09283794A - 面発光素子および自己走査型発光装置 - Google Patents

面発光素子および自己走査型発光装置

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JPH09283794A
JPH09283794A JP8523696A JP8523696A JPH09283794A JP H09283794 A JPH09283794 A JP H09283794A JP 8523696 A JP8523696 A JP 8523696A JP 8523696 A JP8523696 A JP 8523696A JP H09283794 A JPH09283794 A JP H09283794A
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JP
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light emitting
semiconductor layer
electrode
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light
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JP8523696A
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English (en)
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Yukihisa Kusuda
幸久 楠田
Shunsuke Otsuka
俊介 大塚
Seiji Ono
誠治 大野
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部発光効率の良い面発光素子を提供する。 【解決手段】 絶縁基板31上に設けられたP形の半導
体層32と、半導体層32上にメサ構造により設けられ
た、N形の半導体層33,P形の半導体層34と、N形
の半導体層35と、半導体層32上に設けられたアノー
ド電極38と、半導体層34上に設けられたゲート電極
37と、半導体層35上に設けられたカソード電極36
とを備え、N形半導体層35のシート抵抗値を、P形半
導体層32のシート抵抗値以下とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、面発光ダイオー
ド,面発光サイリスタのような面発光素子の外部発光効
率を高めるための構造、およびこのような面発光素子を
用いた自己走査型発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、面発光素子の代表的なものとして
発光ダイオードおよびレーザダイオードが知られてい
る。発光ダイオードは化合物半導体(GaAs,Ga
P,AlGaAs等)のPN接合またはPIN接合を形
成し、これに順方向電圧を加えることにより接合内部に
キャリアを注入し、その再結合の過程で生じる発光現象
を利用するものである。
【0003】またレーザダイオードは、この発光ダイオ
ードの内部に導波路を設けた構造となっている。あるし
きい電流以上の電流を流すと注入される電子−正孔対が
増加し反転分布状態となり、誘導放射による光子の増倍
(利得)が発生し、へき開面などを利用した平行な反射
鏡により発生した光が再び活性層に帰還されてレーザ発
振が起こる。そして導波路の端面からレーザ光が出射さ
れていくものである。
【0004】これら発光ダイオード,レーザダイオード
と同じ発光メカニズムを有する発光素子として、発光機
能を有する負性抵抗素子(発光サイリスタ,レーザサイ
リスタ等)も知られている。発光サイリスタは先に述べ
たような化合物半導体でPNPN構造を作るものであ
り、シリコンではサイリスタとして実用化されている。
これらについては、例えば青木昌治編著「発光ダイオー
ド」工業調査会、167〜169頁に記載されている。
この発光機能を有する負性抵抗素子(ここでは発光サイ
リスタと呼ぶ)の基本構造は、N形GaAs基板上にP
NPN構造を形成したもので、サイリスタと全く同じ構
造である。電流−電圧特性もサイリスタと全く同じS字
形負性抵抗の特性を示す。
【0005】また本出願人は、面発光型のサイリスタ
(以下、面発光サイリスタという)を用いた自己走査型
発光装置について、既に多くの出願において開示してい
る。例えば、特開平2−263668号公報「発光装
置」、特開平2−212170号公報「発光素子アレイ
およびその駆動方法」、特開平3−55885号公報
「発光・受光モジュール」、特開平3−200364号
公報「光信号の読み取り方法及びこれに使用するスイッ
チ素子アレイ」、特開平4−23367号公報「発光装
置」、特開平4−296579号公報「発光素子アレイ
の駆動方法」である。
【0006】多数個の発光素子を同一基板上に集積した
発光素子アレイはその駆動用ICと組み合わせて光プリ
ンタ等の書き込み用光源として利用されている。本発明
者らは発光素子アレイの構成要素としてPNPN構造を
持つ面発光サイリスタに注目し、発光点の自己走査が実
現できることを既に特許出願し、光プリンタ用光源とし
て実装上簡便となること、発光素子ピッチを細かくでき
ること、コンパクトな自己走査型発光装置を作製できる
こと等を示した。
【0007】さらに本発明者らは、スイッチ素子アレイ
をシフトレジスタとして、発光素子アレイと分離した構
造の自己走査型発光装置を提案している(特開平2−2
63668号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】面発光ダイオード,面
発光サイリスタのような面発光素子においては、電流を
注入する電極の真下に発光中心が位置し、電極自身が遮
光層となって外部発光効率が良くないという問題があ
る。この問題を面発光サイリスタを例に説明する。
【0009】図1(a),(b)は、メサ型のPNPN
構造の従来の面発光サイリスタの断面図および平面図を
示す。この面発光サイリスタは、N形半導体基板1上に
形成されたN形半導体層24,P形半導体層23,N形
半導体層22,P形半導体層21と、P形半導体層21
にオーミック接触するように形成されたアノード電極4
0とを備えている。図1(a)の構造上には、図示しな
いが全体に絶縁被膜(光を透過する絶縁材料よりなる)
が設けられ、その上にAl配線140が設けられてい
る。絶縁被膜には、電極40とAl配線140とを電気
的に接続するためのコンタクトホールCが開けられてい
る。また、N形半導体基板1の裏面には、カソード電極
(図示せず)が設けられている。
【0010】このようなPNPN構造の面発光サイリス
タにおいては、アノード電極40から流れる電流は、図
1(a)に矢印で示すように、電極40の真下に向かっ
て主に流れる。したがってゲート層22,23での発光
中心は電極40の真下にある。このように発光中心が電
極40の真下にあるため、光が電極40自身さらにはA
l配線140によって遮られる結果、外部発光効率が良
くない。
【0011】また電極40に近い所では、注入電流が大
きいため発光光量は大きいが、電極40から遠ざかるに
従って、注入電流が小さくなるため発光光量は小さくな
る。これは、外部発光効率を低下させる要因の1つとも
なっている。
【0012】一方、特開平6−140666号公報「モ
ノリシック発光ダイオードアレイ」には、外部量子効率
の高い、すなわち外部発光効率の良い面発光ダイオード
が提案されている。これによると、図2に示すように、
絶縁形GaAs基板10上にP形AlGaAs活性層1
1およびN形AlGaAsクラッド層12が設けられ、
クラッド層12上にカソード電極(個別コンタクト電
極)13が、活性層11上にアノード電極(共通コンタ
クト電極)14が設けられている。
【0013】アノード電極14が活性層11上に設けら
れているため、カソード電極13から注入された電子
は、点線矢印で示すようにアノード電極14に向って流
れる。したがって、発光中心がカソード電極13の真下
からずれる結果、カソード電極13に妨げられることな
く光を取り出すことができる。
【0014】しかし、この従来技術は、活性層の表面に
共通コンタクト電極を設けるという基本思想を開示する
のみであって、外部発光効率を高めるという点について
は、なんら示唆するところがない。
【0015】この発明の目的は、上記面発光ダイオード
を改良し、さらに外部発光効率を高めることにある。
【0016】この発明の他の目的は、外部発光効率を高
めた面発光サイリスタを提供することにある。
【0017】この発明のさらに他の目的は、上記面発光
サイリスタを用いた自己走査型発光装置を提供すること
にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁基板上に
設けられた第1導電形の第1の半導体層と、第1の半導
体層上にメサ構造により設けられた第2導電形の第2の
半導体層と、第1の半導体層上に設けられた第1の電極
と、第2の半導体層上に設けられた第2の電極とを備え
る面発光ダイオードにおいて、第2の半導体層のシート
抵抗値を、第1の半導体層のシート抵抗値以下としたこ
とを特徴とする。
【0019】また本発明は、絶縁基板上に設けられた第
1導電形の第1の半導体層と、第1の半導体層上にメサ
構造により設けられた、第2導電形の第2の半導体層,
第1導電形の第3の半導体層と、第2導電形の第4の半
導体層と、第1の半導体層上に設けられた第1の電極
と、第3の半導体層上に設けられた第2の電極と、第4
の半導体層上に設けられた第3の電極とを備える面発光
サイリスタにおいて、第4の半導体層のシート抵抗値
を、第1の半導体層のシート抵抗値以下としたことを特
徴とする。
【0020】上記面発光ダイオードおよび面発光サイリ
スタにおいては、第1導電形をP形とし、第2導電形を
N形とするのが好適である。
【0021】また本発明は、スイッチング動作のための
しきい電圧またはしきい電流の制御電極を有するスイッ
チ素子を複数個配列し、各スイッチ素子の前記制御電極
をその近傍に位置する少なくとも1つのスイッチ素子の
制御電極に、接続用抵抗または電気的に一方向性を有す
る電気素子を介して接続するとともに、各スイッチ素子
の制御電極に電源ラインを負荷抵抗を介して接続し、か
つ各スイッチ素子にクロックパルスラインを接続して形
成したスイッチ素子アレイと、発光動作のためのしきい
電圧またはしきい電流の制御電極を有する発光素子を複
数個配列した発光素子アレイとからなり、前記発光素子
アレイの各制御電極を前記スイッチ素子の制御電極と電
気的手段にて接続し、各発光素子に発光のための電流を
供給する配線を設けた自己走査型発光装置において、前
記発光素子およびスイッチ素子は、それぞれ、上記面発
光サイリスタよりなることを特徴とする。
【0022】また本発明の自己走査型発光装置は、前記
スイッチ素子アレイと前記発光素子アレイとを、略平行
に、かつ略直線状に配列し、前記各スイッチ素子の第1
の電極および前記各発光素子の第1の電極を、前記スイ
ッチ素子アレイと前記発光素子アレイとの間に設けられ
た共通の1本の接地配線より構成するのが好適である。
【0023】さらに本発明の自己走査型発光装置は、前
記電流供給配線に接続される第1のボンディングパッド
と、前記接地配線に接続される第2のボンディングパッ
ドとを備え、前記第1および第2のボンディングパッド
を、前記発光素子アレイの配列方向両端に設けるのが好
適である。
【0024】また本発明の自己走査型発光装置は、発光
動作のためのしきい電圧またはしきい電流の制御電極を
有する発光素子を複数個配列し、各発光素子の前記制御
電極をその近傍に位置する少なくとも1つの発光素子の
制御電極に、接続用抵抗または電気的に一方向性を有す
る電気素子を介して接続するとともに、各発光素子に電
源ラインを負荷抵抗を介して前記制御電極に接続し、か
つ各発光素子にクロックラインを接続して形成した自己
走査型発光装置において、前記発光素子は、上記面発光
サイリスタよりなることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例1】図3は、図2の面発光ダイオードの改良を
説明するための図である。基本構成は図2と全く同じで
ある。すなわち、絶縁GaAs基板10上にP形AlG
aAs層11およびN形AlGaAs層12が設けら
れ、N形層12上にカソード電極13が、P形層11上
にアノード電極14が設けられている。
【0027】本実施例の面発光ダイオードでは、N形半
導体層12およびP形半導体層11のサイズおよび不純
物濃度を調整することによって、半導体層内の横方向電
流に伴う抵抗値(シート抵抗値)を制御することによっ
て、電流の分布を変えることができる。
【0028】図3に示すように、カソード電極13直下
よりアノード電極14に至るシート抵抗回路を考えた場
合、N形半導体層12のシート抵抗値をRN ,P形半導
体層11のシート抵抗値をRP とすると、シート抵抗値
N ,RP は前述したように、N形半導体層12,P形
半導体層11のサイズおよび不純物濃度で定まる。一例
として、N形層12の厚さを0.5〜2μm、不純物濃
度を1018cm-3、P形層11の厚さを0.5〜2μ
m、不純物濃度を1019cm-3とすると、シート抵抗値
N とシート抵抗値RP はほぼ等しくなる。その結果、
カソード電極13からアノード電極14への電子の流
れ、すなわちアノード電極14からカソード電極13へ
の電流の流れは、ほぼ均等に拡がる。したがって、半導
体層のシート抵抗値を調整しない場合に比べて、外部発
光効率を高める(約50%)ことができた。
【0029】さらに、シート抵抗値RN をシート抵抗値
P よりも小さくすると、図4に示すように、電流が端
に集中するので、さらに外部発光効率が上がる。
【0030】以上の実施例では、絶縁基板上にP形半導
体層およびN形半導体層の順序で積層された構造につい
て説明したが、N形半導体層およびP形半導体層の順序
で積層された構造であってもよい。この場合、不純物濃
度の設定の点からは、N形半導体のシート抵抗値をP形
半導体のシート抵抗値よりも小さくすることの方が容易
である。したがって、図4に示した電流分布を得るに
は、絶縁基板上にP形半導体層およびN形半導体層の順
序で積層された構造とするのが好適である。
【0031】また、以上の実施例では、絶縁基板上に直
接にPN構造を形成しているが、基板の直上の半導体層
の結晶性の悪さから、デバイスとしての特性が劣化する
おそれがある場合には、前記直上の半導体層と同一の導
電形の半導体層を設け、この上にPN接合を形成しても
よい。
【0032】以上の実施例では、ヘテロ接合構造の面発
光ダイオードについて説明したが、ダブルヘテロ構造,
ホモ接合構造,量子井戸構造を含む面発光ダイオードに
も適用できる。
【0033】
【実施例2】図5は、本発明を面発光サイリスタに適用
した例を示す図である。この実施例によれば、絶縁Ga
As基板31上に、GaAsまたはAlGaAsよりな
るP形半導体層32,N形半導体層33,P形半導体層
34,N形半導体層35が順に積層されている。N形層
35上にカソード電極36、P形層34上にゲート電
極、P形層32上にアノード電極38が設けられてい
る。カソード電極36真下よりアノード電極38に至る
シート抵抗回路を考えた場合、N形層35のシート抵抗
値をRN ,P形層32のシート抵抗値をRP とすると、
シート抵抗値RN ,RP はN形半導体層35,P形半導
体層32のサイズおよび不純物濃度で定まる。一例とし
て、N形層35の厚さを0.5〜2μm、不純物濃度を
1018cm-3、P形層32の厚さを0.5〜2μm、不
純物濃度を1019cm-3とすると、シート抵抗値RN
シート抵抗値RP よりも小さくなる。その結果、図6に
示すように電流が端に集中するので、外部発光効率が上
がる。
【0034】以上の実施例は、絶縁基板上に、順にP
形,N形,P形,N形の半導体層を積層した面発光サイ
リスタを説明したが、絶縁基板上に、順にN形,P形,
N形,P形の半導体層を積層した面発光サイリスタとす
ることもできる。但し、不純物濃度の設定の点からは、
前者の方が製造が容易である。
【0035】また、以上の実施例では、絶縁基板上に直
接にPNPN構造を形成しているが、基板の直上の半導
体層の結晶性の悪さから、デバイスとしての特性が劣化
するおそれがある場合には、前記直上の半導体層と同一
の導電形の半導体層を設け、この上にPNPN構造を形
成してもよい。
【0036】
【実施例3】実施例2の面発光サイリスタを用いた自己
走査型発光装置について説明する。図7に、この自己走
査型発光装置の等価回路図を示す。この自己走査型発光
装置は、シフトレジスタを構成するスイッチ素子アレイ
T(−1)〜T(2)、書き込み用発光素子アレイL
(−1)〜L(2)からなる。隣接するスイッチ素子の
ゲート電極間は、ダイオードD-1,D0 ,D1 を用いて
接続している。スイッチ素子の各アノード電極は交互に
転送クロックラインφ1 ,φ2 に接続されている。スイ
ッチ素子のゲート電極G-1〜G1 は、負荷抵抗RL を介
して電源電圧VGKに接続されるとともに、書き込み用発
光素子のゲートにも接続される。書き込み用発光素子の
アノード電極には、書き込み信号Sinが加えられてい
る。初段のスイッチ素子のゲート電極には、スタートパ
ルスφS が印加され、スイッチ素子がオン状態にされ
る。
【0037】スイッチ素子および発光素子には、本発明
の面発光サイリスタを用いる。いま、スイッチ素子T
(0)がオン状態にあるとすると、ゲート電極G0 の電
圧は、電源電圧VGK(ここでは5ボルトとする)より低
下し、ほぼ零ボルトとなる。したがって、書き込み信号
inの電圧が、PN接合の拡散電位(約1ボルト)以上
であれば、発光素子L(0)の発光状態とすることがで
きる。
【0038】これに対し、ゲート電極G-1は約5ボルト
であり、ゲート電極G1 は約1ボルト(ダイオードD0
の順方向立上り電圧)となる。したがって、発光素子L
(−1)の書き込み電圧は約6ボルト、発光素子L
(1)の書き込み電圧は約2ボルトとなる。これから、
発光素子L(0)のみに書き込める書き込み信号Sin
電圧は、1〜2ボルトの範囲となる。発光素子L(0)
がオン、すなわち発光状態に入ると、書き込み信号Sin
ラインの電圧は約1ボルトに固定されてしまうので、他
の発光素子が選択されてしまう、というエラーは防ぐこ
とができる。
【0039】発光強度は書き込み信号Sinに流す電流量
で決められ、任意の強度にて画像書き込みが可能とな
る。また、発光状態を次の発光素子に転送するために
は、書き込み信号Sinラインの電圧を一度零ボルトまで
おとし、発光している発光素子をいったんオフにしてお
く必要がある。
【0040】図8は、1つの発光素子Lと、この発光素
子に接続されるスイッチ素子TおよびダイオードDの簡
略化した構成断面図を示す。絶縁GaAs基板20上に
N形半導体層24が積層されている。発光素子Lは、N
形半導体層24と、この上に島状に積層されたP形半導
体層23,N形半導体層22,P形半導体層21により
形成される。P形半導体層21上にはアノード電極26
が設けられ、N形半導体層22上にはゲート電極27が
設けられている。
【0041】一方、スイッチ素子TおよびダイオードD
は、N形半導体層24と、この上に島状に積層されたP
形半導体層23,N形半導体層22,P形半導体層21
a,21bにより形成される。半導体層21aと21b
とは層22上で2つの島に分離されており、半導体層2
1aはスイッチ素子の一部を、半導体層21bはダイオ
ードの一部を構成する。半導体層21a上にはアノード
電極28が設けられ、半導体層22上には、半導体層2
1a,21bを挟むようにして2つのゲート電極29
a,29bが設けられている。これら2つのゲート電極
は、下側の半導体層22を介して電気的に接続されてい
る。
【0042】スイッチ素子アレイと発光素子アレイとの
間には、ストライプ状のグランド(GND)電極41が
設けられている。このGND電極は、スイッチ素子Tお
よび発光素子Lの共通のカソード電極となる。GND電
極の材料は、下側半導体層24がN形であるので、オー
ミック接触するAuGeNiとするのが好適である。ま
た、下側半導体層がP形の場合には、AuZnとするの
が好適である。
【0043】スイッチ素子Tの一方のゲート電極29b
は、負荷抵抗RL を介して電源電圧VGKに接続され、ダ
イオードDのアノード層21bは次段のゲート電極29
bに接続される。スイッチ素子Tのアノード電極28
は、転送のロックラインφ1 またはφ2 に接続される。
スイッチ素子Tの他方のゲート電極29aは、配線42
により発光素子Lのゲート電極27に接続される。発光
素子Lのアノード電極26は、書き込み信号Sinに接続
される。
【0044】図9は、図7の自己走査型発光装置が形成
されたチップの概略を示す平面図である。図中、43は
GND取出しパッドであり、44はSin信号取出しパッ
ドである。GND取出しパッド43はGND配線41に
接続され、Sin信号取出しパッド44は配線45を介し
て、各発光素子のアノード電極26に接続されている。
なお、図7と同一の要素には同一の参照番号を付して示
してある。
【0045】GND配線41を、スイッチ素子アレイと
発光素子アレイとの間に設けるのは、以下の理由によ
る。図8からもわかるように、スイッチ素子Tと発光素
子LとはGaAs基板1およびN形半導体層24を介し
て電気的に接続されている。したがって、発光素子また
はスイッチ素子の電位変動が相互に影響しないようにす
るためである。
【0046】図7〜図9に示した自己走査型発光装置で
は、絶縁基板20上に、順にN形,P形,N形,P形の
半導体層を積層した構造を用いているが、基板の導電形
をP形とし、P形基板上に、順にP形,N形,P形,N
形の半導体層を積層した構造を用いることもできる。前
述したように、スイッチ素子Tおよび発光素子Lに本発
明の面発光サイリスタを使用する場合には、不純物濃度
の設定の点からは、後者の方が好適である。
【0047】また、図9に示したように、GND取出し
パッド43およびSin信号取出しパッド44は、チップ
の左右両端にそれぞれ設けられている。左右両端に設け
るのは、以下の理由による。すなわち、GND配線41
およびSin信号配線45には、配線抵抗が存在する。図
10に発光素子アレイに対するGND配線41およびS
in信号配線45の配線抵抗分布を示す。RGND はGND
配線の分布抵抗を、R inはSin信号配線の分布抵抗を示
す。
【0048】前述したように自己走査型発光装置では、
発光サイリスタは自己走査により発光点が順次移動して
いく。発光している1つのサイリスタに注目した場合、
電流はSin信号パッド43から発光サイリスタのアノー
ド電極,カソード電極を経て、GNDパッド43に流れ
る。この電流経路中の配線抵抗の総和は、どのサイリス
タが発光していても同じである。したがって、発光する
サイリスタに流れる電流は等しくなる。発光サイリスタ
の発光量は、流れる電流により決まるから、全発光サイ
リスタを通じて均一の光を発することができ、発光ムラ
が生じないという利点がある。
【0049】
【実施例4】本発明の面発光サイリスタを適用できる自
己走査型発光装置の他の例を示す。本実施例は、複数の
発光素子を同時に発光できるようにした発光装置であ
る。この自己走査型発光装置の等価回路図を、図11に
示す。
【0050】図7の回路と異なるのは、発光素子を3つ
ずつのブロックとし、1ブロック内の発光素子は1つの
スイッチ素子によって制御し、かつ1ブロック内の発光
素子にそれぞれ別々の書き込み信号ラインSin1,Sin
2,Sin3を接続して、発光素子の発光を制御した点で
ある。図中、発光素子L1 (−1),L2 (−1),L
3 (−1)、発光素子L1 (0),L2 (0),L3
(0)、発光素子L1 (−1),L2 (−1),L3
(−1)等が、ブロック化された発光素子を示してい
る。
【0051】動作は図7の回路と同じで、1素子ずつS
inによって発光が書き込まれていたものが、同時に複数
書き込まれ発光し、それがブロックごとに転送するよう
になったものである。
【0052】いま、LEDプリンタ等の一般的に知られ
る光プリンタ用の光源として、この発光装置を用いるこ
とを考えると、A4の短辺(約21cm)相当のプリン
トを16ドット/mmの解像度で印字するためには約3
400ビットの発光素子が必要になる。
【0053】実施例1にて説明してきた発光装置では、
発光しているポイントは常に一つで、上記の場合ではこ
の発光の強度を変化させて画像を書き込むことになる。
これを用いて光プリンタを形成すると、通常使用されて
いる光プリンタ用LEDアレイ(これは画像を書き込む
ポイントに位置するLEDが、同時に発光するよう駆動
ICによって制御されている)に比べ、画像書き込み時
に3400倍の輝度が必要となり、発光効率が同じなら
ば3400倍の電流を流す必要がある。ただし発光時間
は、逆に通常のLEDアレイに比べ1/3400とな
る。
【0054】しかし発光素子は、一般的に電流が増える
と加速度的に寿命が短くなる傾向があり、いくらデュー
ティが1/3400とはいえ従来のLEDプリンタに比
べ、寿命が短くなってしまうという問題点を持ってい
た。
【0055】しかしながら本実施例によると、ビット総
数が同じ条件で比較すると、この例では1ブロックに3
素子が入っているため、実施例3の発光装置に比べて1
素子の発光時間は3倍となる。したがって、オン状態の
発光素子に流す電流は1/3でよく、実施例3に比べ長
寿命化することが可能である。
【0056】本実施例では、1ブロックに3素子が含ま
れる場合を例示したが、この素子数が大きいほうが書き
込み電流が小さくて済み、さらに長寿命化をはかること
ができる。
【0057】
【実施例5】本実施例は、特開平4−23367号公報
に示された自己走査型発光装置であって、本発明の面発
光サイリスタを適用できる1つの例である。
【0058】実施例の発光装置を図12に示す。図12
においては、スイッチ素子アレイと発光素子アレイと
が、上下に分けて記載されている。
【0059】まず、シフトレジスタ機能を有するスイッ
チ素子アレイについて説明する。S(−2)〜S(2)
は、スイッチ素子(PNPN構造を有するサイリスタ)
である。φ1 ,φ2 は、スイッチ素子アレイを駆動する
転送クロックである。そして、CL1 は転送クロックφ
1 を供給されるクロックラインであり、CL2 は転送ク
ロックφ2 を供給されるクロックラインである。
【0060】各スイッチ素子S(−2)〜S(2)のゲ
ート電極G-1〜G2 の間は、それぞれ結合用ダイオード
-2〜D1 によって、接続されている。このようなダイ
オード結合方式を採用しているために、スイッチ素子ア
レイは2相の転送クロックφ 1 ,φ2 にて情報の転送動
作を行うことができる。
【0061】また、RA1,RA2 は、それぞれ各スイッ
チ素子S(−2)〜S(2)のアノードとクロックライ
ンCL1 ,CL2 のいずれか一方とを接続するアノード
負荷抵抗である。このアノード負荷抵抗RA1,RA2
は、各スイッチ素子S(−2)〜S(2)のオン状態で
の電流量を制限するものである。各スイッチ素子S(−
2)〜S(2)のカソードはそれぞれ接地されている。
【0062】さらに、RL1,RL2は、それぞれ各スイッ
チ素子S(−2)〜S(2)のゲートG-2〜G2 と電源
電圧VGKの直流電源とを接続するゲートの負荷抵抗であ
る。このゲート負荷抵抗RL1,RL2は、電源電圧VGK
直流電源から各ゲートG-2〜G2 に流れる電流量を制限
するものである。そして、各ゲートG-2,G0 ,G
2は、それぞれダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′のカ
ソードに接続されている。
【0063】次に、発光素子アレイについて説明する。
φR は発光素子(発光サイリスタ)L(−2),L
(0),L(2)への情報の書き込み許可/禁止を制御
し、かつ書き込まれた状態をリセットするクロックであ
る。そして、CLR はクロックφ R を供給する電流供給
ラインである。
【0064】またRA3は、各発光素子L(−2),L
(0),L(2)のアノードと電流供給ラインCLR
を接続するアノード負荷抵抗である。このアノード負荷
抵抗R A3は、各発光素子L(−2),L(0),L
(2)のオン状態での電流量を制限するものである。そ
して、各発光素子L(−2),L(0),L(2)のカ
ソードは、それぞれ接地されている。
【0065】さらにRL3は、各発光素子L(−2),L
(0),L(2)のゲートG-2′,G0 ′,G2 ′と電
源電圧VGKとを接続するゲート負荷抵抗である。このゲ
ート負荷抵抗RL3は、電源電圧VGKの直流電源から、各
ゲートG-2′,G0 ′,G2′に流れる電流量を制限す
るものである。そして、各ゲートG-2′,G0 ′,G
2 ′は、それぞれダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′の
アノードに接続されている。
【0066】すなわち、図12においては、スイッチ素
子S(−2),S(0),S(2)のゲートが、それぞ
れダイオードD-2′,D0 ′,D2 ′を介して、発光素
子L(−2),L(0),L(2)のゲートG-2′,G
0 ′,G2 ′に個々に接続されている。
【0067】次に、スイッチ素子アレイの部分の動作を
説明する。今、スタートパルスφSとして、ハイレベル
またはローレベルの電圧がスイッチ素子S(−3)のア
ノード(図示せず)に供給されたとする。この場合に、
ハイレベルの電圧が、電源電圧VGKに拡散電位Vdif
加えた電圧以上に高ければ、スイッチ素子S(−3)は
オン状態になる。そして、次に供給されるスタートパル
スφS のローレベルの電圧が、スイッチ素子S(−3)
のオン状態維持電圧より低ければ、S(−3)はオフ状
態となる。
【0068】オン状態では、スイッチ素子S(−3)の
ゲート電位はほぼ零ボルトとなり、オフ状態ではゲート
電圧は電源電圧VGKと同じ電圧になる。スイッチ素子S
(−3)のゲート電位が零ボルトになれば、結合用ダイ
オードD-3(図示せず)によって、スイッチ素子S(−
2)のゲート電位が低下する。そして、スイッチ素子S
(−2)のターンオン電圧も低下する。したがって、転
送クロックφ2 によって、スイッチ素子S(−2)をオ
ン状態に設定することができる。
【0069】このオン状態はφ1 ,φ2 によって順次、
図12の右方向へ転送されていく。つまり、スタートパ
ルスφS のハイレベルの電圧によって、スイッチ素子ア
レイにオン状態が書き込まれ、それが順次右方向へ転送
されていくことになる。
【0070】ただし、全てのビットがオン状態にある場
合に、このオン状態を転送することは、このスイッチ素
子アレイの動作原理上から不可能であって、1ビットお
きにオンとオフを繰り返して転送することになる。すな
わち、スタートパルスφS の波形も、転送パルスφ1
φ2 に同期して、ハイレベルとローレベルとを交互に送
る必要がある。
【0071】今、偶数ビットのみのオン状態とオフ状態
に有効な情報があるものとして、オン状態を1、オフ状
態を0とすると、スタートパルスφS によって1または
0が書き込まれ、転送クロックφ1 ,φ2 によって、そ
の1,0が転送されて行くことになる。このようにし
て、1または0という信号(情報)がスイッチ素子アレ
イに書き込まれる。
【0072】次に、発光素子L(−2)(L(0),L
(2))の動作について説明する。仮に、L(−2)が
0であるとすると、クロックφR の電圧が零ボルトであ
れば、発光素子L(−2)はオン状態とはならない。す
なわち、発光素子L(−2)は書き込み禁止の状態に設
定される。クロックφR の電圧が、発光素子L(−2)
のオン状態維持電圧からVGK+Vdif の間の電圧に設定
されたとすると、発光素子L(−2)は書き込み許可の
状態に設定される。そして、ゲートG-2′の電位が変化
させられることによって、発光素子L(−2)はオン状
態に設定可能となる。
【0073】さて、スイッチ素子アレイから発光素子ア
レイへの情報の書き込みについて説明する。スイッチ素
子アレイは、前述したように1または0信号が書き込ま
れる。最後のビットまで書き込まれた段階で、転送クロ
ックφ1 ,φ2 をそれぞれローレベル,ハイレベルの状
態に維持される。これによって、情報の転送動作が終了
し、スイッチ素子アレイに書き込まれた情報は保持され
る(特に、偶数ビットにおいて保持されている)。
【0074】スイッチ素子アレイの偶数ビットにおい
て、オン状態のスイッチ素子Sのゲート電位はほぼ零ボ
ルトであり、オフ状態のスイッチ素子Sのゲート電位
は、Vdi f の約2倍以上である。なお、オフ状態のスイ
ッチ素子Sのゲート電位については、転送方向に対して
逆方向に位置する最も隣接する偶数ビットがオン状態の
場合にVdif の約2倍であり、それ以外はVdif の約2
倍の電圧よりも大きくなる。なお、ここでVdif はPN
接合の拡散電位である。
【0075】スイッチ素子S(−2),S(0),S
(2)のそれぞれのゲート電圧は、ダイオードD-2′,
0 ′,D2 ′によって対応する発光素子L(−2),
L(0),L(2)のゲートG-2′,G0 ′,G2 ′に
伝達される。したがって、発光素子L(−2),L
(0),L(2)のゲート電圧は、オン状態の場合でV
difとなり、オフ状態の場合でVdif の3倍以上とな
る。そしてオン状態の場合で、発光素子のターンオン電
圧はVdif の2倍となり、オフ状態でVdif の4倍とな
る。
【0076】一方、クロックφR については、いったん
零ボルトに設定して全体の発光をなくし(すなわち、リ
セット)、その後にハイレベル電位VHRまで上昇させ
る。この電圧φHRとして 2Vdif <VHR<4Vdif の範囲に設定されていると、オン状態のスイッチ素子S
に対応する発光素子Lがオン状態となり、オフ状態のス
イッチ素子Sの対応する発光素子Lはオフ状態のままに
なる。
【0077】したがって、スイッチ素子アレイに書き込
まれた1,0の情報が、そのまま発光素子アレイに書き
込まれることになる。
【0078】この後、電圧VHRは発光素子のオン状態維
持電圧以上であってVdif の2倍の電圧未満の値に再設
定される。このことにより、発光素子Lは、スイッチ素
子Sのゲート電位に影響されなくなり、書き込まれた情
報を保持し続ける。そして、発光素子アレイが情報の保
持状態にある間に、前述と同様にして、スイッチ素子ア
レイには次の情報が書き込まれる。
【0079】やがて、クロックφR がローレベル電圧に
設定されて、各発光素子Lがリセットされる。リセット
後、再び情報が発光素子アレイに書き込まれる。以上の
ようにして、一連の動作が繰り返し行われる。
【0080】次に図12に示す発光装置を、光プリンタ
用の書き込み光源に適用した場合について述べる。
【0081】例えば、発光装置が2048ビットの発光
素子Lを有するものとすると、スイッチ素子Sはその倍
の4096ビットを必要とする。光プリンタにおける書
き込み光源の電流量は約5mAであるから、全てのビッ
トの発光素子Lが発光状態であるとすると、約10Aと
いう電流が流れる。
【0082】一方、スイッチ素子Sからの情報転送のた
めの電流は、ゲート負荷抵抗RL3=30kΩの場合に
0.5mAであることが実験的にわかっているので、全
てのビットの発光素子が発光状態であれば、1A程度で
ある。なお、この情報転送のための電流量は、光プリン
ティングに必要な10Aに比べ1割程度であり、実用上
問題のない値である。
【0083】また、スイッチ素子Sからの情報が、発光
素子Lに移動させられた段階でクロックφ1 ,φ2 の電
圧を一旦零ボルトに低下させることにより、スイッチ素
子アレイ全体がオフ状態となりリセットが行われる。こ
の方法を用いた場合には、スイッチ素子Sがオン状態に
なる時間が考慮されると、等価的に電流値が下がること
となる。つまり、前述の1Aに比べて等価的に0.5A
程度まで下がったことになる。
【0084】発光素子Lの2048ビットに対して、ス
タートパルスφS が供給されるデータ入力端(図示せ
ず)が1つだけでは、情報の転送速度はかなり高速であ
ることが必要である。この点については、データ入力端
を複数設けることによって、情報の転送速度を低下させ
ることができる。例えば、通常64ビットまたは128
ビットを一単位として発光素子Lのチップが形成され、
このチップごとに情報が入力されてもよい。
【0085】128ビットごとにデータ入力を並列に行
った場合、2048ビットに対して20個のデータ入力
端を有することになる。このため、情報の転送速度は1
/20でよいことになる。したがって、発光装置は余裕
のある動作を行うことができる。
【0086】なお、発光素子Lの出力光の光量のばらつ
きを防ぐために、アノード負荷抵抗RA3をレーザ等によ
り微調整することが可能である。このことによって、出
力光のばらつきのない発光装置を得ることができる。
【0087】また、図12では、スイッチ素子アレイに
おける偶数ビットの右側に接続される結合用ダイオード
-2,D0 の特性と、奇数ビットの右側に接続される結
合用ダイオードD-1,D1 の特性とが異なっている。し
たがって、偶数ビットと奇数ビットとで動作電流等を分
けて最適化することが重要である。このために、RL2
L1,RA1<RA2に設定するほうが望ましく、この場合
には発光装置はより安定で高速な動作を行い得る。
【0088】さらに、図12では、ダイオード結合方式
と呼ばれる構成を採用しているが、結合方式はこれに限
られず、抵抗結合方式であってもよい。
【0089】
【実施例6】図13は、本発明の面発光サイリスタを適
用できる自己走査型発光装置の他の例を示す図である。
この自己走査型発光装置は、実施例3の自己走査型発光
装置とは異なり、シフトレジスタを有していない。発光
素子として、面発光サイリスタT(−2)〜T(+2)
を用い、面発光サイリスタT(−2)〜T(+2)に
は、各々ゲート電極G-2〜G+2が設けられている。各々
のゲート電極には、負荷抵抗RL を介して電源電圧VGK
が印加される。また、各々のゲート電極G-2〜G +2は、
相互作用を作るために結合用抵抗RI を介して電気的に
接続されている。また、各単体発光サイリスタのアノー
ド電極に、3本の転送クロックライン(φ 1 ,φ2 ,φ
3 )が、それぞれ3素子おきに(繰り返されるように)
接続される。
【0090】動作を説明すると、まず転送クロックφ3
がハイレベルになり、面発光サイリスタT(0)がオン
しているとする。このとき3端子サイリスタの特性か
ら、ゲート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられ
る。電源電圧VGKを仮に5ボルトとすると、負荷抵抗R
L 、結合用抵抗RI のネットワークから各面発光サイリ
スタのゲート電圧が決まる。そして、面発光サイリスタ
T(0)に近い素子のゲート電圧が最も低下し、以降順
にT(0)から離れるにしたがいゲート電圧は上昇して
いく。これは次のように表せる。
【0091】 VG0<VG1=VG-1 <VG2=VG-2 (1) これらの電圧の差は、負荷抵抗RL ,結合用抵抗RI
値を適当に選択することにより設定することができる。
【0092】3端子サイリスタのアノード側のターンオ
ン電圧VONは、ゲート電圧よりPN接合の拡散電位V
dif だけ高い電圧となることが知られている。
【0093】VON≒VG +Vdif (2) したがって、アノードにかける電圧をこのターンオン電
圧VONより高く設定すれば、その発光サイリスタはオン
することになる。
【0094】さてこの面発光サイリスタT(0)がオン
している状態で、次の転送クロックパルスφ1 にハイレ
ベル電圧VH を印加する。このクロックパルスφ1 は面
発光サイリスタT(+1)とT(−2)に同時に加わる
が、ハイレベル電圧VH の値を次の範囲に設定すると、
面発光サイリスタT(+1)のみをオンさせることがで
きる。
【0095】 VG-2 +Vdif >VH >VG+1 +Vdif (3) これで面発光サイリスタT(0),T(+1)が同時に
オンしていることになる。そしてクロックパルスφ3
ハイレベル電圧を切ると、面発光サイリスタT(0)が
オフとなりオン状態の転送ができたことになる。
【0096】このように、本実施例では抵抗ネットワー
クで各面発光サイリスタのゲート電極間を結ぶことによ
り、面発光サイリスタに転送機能をもたせることが可能
となる。
【0097】上に述べたような原理から、転送クロック
φ1 ,φ2 ,φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少し
ずつ重なるように設定すれば、発光サイリスタのオン状
態は順次転送されていく。すなわち、発光点が順次転送
され、自己走査型発光装置を実現することができる。
【0098】
【実施例7】図14は、実施例6において結合用抵抗に
代えて、ダイオードを用いた自己走査型発光装置を示す
図である。
【0099】本実施例の自己走査型発光装置では、面発
光サイリスタT(−2)〜T(+2は、一列に並べられ
た構成となっている。G-2〜G+2は、面発光サイリスタ
T(−2)〜T(+2)のそれぞれのゲート電極を表
す。RL はゲート電極の負荷抵抗を表し、D-2〜D+2
電気的相互作用を行うダイオードを表す。またVGKは電
源電圧を表す。各単体面発光サイリスタのアノード電極
に、2本の転送クロックライン(φ1 ,φ2 )がそれぞ
れ1素子おきに接続される。
【0100】動作を説明する。まず転送クロックφ2
ハイレベルとなり、面発光サイリスタT(0)がオンし
ているとする。このとき3端子サイリスタの特性からゲ
ート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電源
電圧VGKを仮に5ボルトとすると、抵抗RL ,ダイオー
ドD-2〜D+2のネットワークから各発光サイリスタのゲ
ート電圧が決まる。そして発光サイリスタT(0)に近
い素子のゲート電圧が最も低下し、以降順にT(0)か
ら離れるにしたがいゲート電圧は上昇していく。
【0101】しかしながら、ダイオード特性の一方向
性,非対称性から、電圧を下げる効果は、T(0)の右
方向にしか働かない。すなわちゲート電極G1 はG0
対し、ダイオードの順方向立ち上がり電圧Vdif (PN
接合の拡散電位に等しい)だけ高い電圧に設定され、ゲ
ート電極G2 はG1 に対し、さらにダイオードの順方向
立ち上がり電圧Vdif だけ高い電圧に設定される。一
方、T(0)の左側のゲート電極G-1はダイオードD-1
が逆バイアスになっているため電流が流れず、したがっ
て電源電圧VGKと同電位となる。
【0102】次の転送クロックパルスφ1 は、最近接の
発光サイリスタT(1),T(−1)、そしてT(3)
およびT(−3)等に印加されるが、これらのなかで、
最もターンオン電圧の最も低い素子はT(1)であり、
T(1)のターンオン電圧は約G1 のゲート電圧+V
dif であるが、これはVdif の約2倍である。次にター
ン電圧の低い素子はT(3)であり、Vdif の約4倍で
ある。T(−1)とT(−3)のオン電圧は、約VGK
dif となる。
【0103】以上から、転送クロックパルスのハイレベ
ル電圧をVdif の約2倍からVdifの約4倍の間に設定
しておけば、発光サイリスタT(1)のみをオンさせる
ことができ、転送動作を行うことができる。
【0104】
【実施例8】本発明の自己走査型発光装置の応用例とし
て光プリンタへの応用について述べる。従来、LEDア
レイの各画素に駆動用ICを接続したモジュールを使っ
て光プリンタへ応用した例が知られている。光プリンタ
の原理図を図15に示す。まず円筒形の感光ドラム61
の表面にアモルファスSi等の光導伝性を持つ材料(感
光体)が作られている。このドラムはプリントの速度で
回転している。まず帯電器67で感光体表面を一様に帯
電させる。そして発光素子アレイ光プリントヘッド68
で印字するドットイメージの光を感光体上に照射し、光
の当たったところの帯電を中和する。次に現像器で感光
体上の帯電状態に従って、トナーを感光体上に付ける。
そして転写器62でカセット611中から送られてきた
用紙69上にトナーを転写する。そしてその用紙は定着
器63にて熱等を加えられ定着される。一方転写の終了
したドラムは消去ランプ65で帯電が全面に渡って中和
され、清掃器66で残ったトナーが除去される。
【0105】さて本発明による自己走査型発光装置を所
定の実装基板上に直線状に一列に配列した発光素子アレ
イモジュールを光プリントヘッドに応用する。光プリン
トヘッドの構造を図16に示す。この光プリントヘッド
は、発光素子アレイ612とロッドレンズアレイ613
とで構成され、レンズの焦点が感光ドラム61上に結ぶ
ようになっている。この発光素子アレイモジュールから
の光で感光ドラムに画像情報を書き込むことができる。
【0106】本実施例によれば、この発光素子アレイモ
ジュールのコストを従来よりはるかに低減できるため、
低価格のプリントヘッド、低価格の光プリンタを提供す
ることができる。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、外部発光効率の良い面
発光素子を提供することが可能であり、このような面発
光素子のうち面発光サイリスタを用いた自己走査型発光
装置は、外部発光効率が良い。さらには、このような自
己走査型発光装置を用いて、光プリンタ用の低価格の光
プリントヘッドを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メサ型のPNPN構造の従来の面発光サイリス
タの断面図および平面図である。
【図2】従来の面発光ダイオードの断面図である。
【図3】本発明の面発光ダイオードの改良を説明するた
めの図である。
【図4】図3の面発光ダイオードの電流分布を示す図で
ある。
【図5】本発明の面発光サイリスタを示す図である。
【図6】図5の面発光サイリスタの電流分布を示す図で
ある。
【図7】自己走査型発光装置の等価回路図である。
【図8】自己走査型発光装置における、1つの発光素子
Lと、この発光素子に接続されるスイッチ素子Tおよび
ダイオードDの簡略化した構成断面図である。
【図9】図7の自己走査型発光装置が形成されたチップ
の概略を示す平面図である。
【図10】発光素子アレイに対するGND配線およびS
in信号配線の配線抵抗分布を示す図である。
【図11】他の自己走査型発光装置の等価回路図であ
る。
【図12】他の自己走査型発光装置の等価回路図であ
る。
【図13】他の自己走査型発光装置の等価回路図であ
る。
【図14】他の自己走査型発光装置の等価回路図であ
る。
【図15】光プリンタ装置を示す図である。
【図16】発光素子モジュールとロッドレンズアレイと
の組合せを示す図である。
【符号の説明】
T スイッチ素子 L 発光素子 φ1 ,φ2 転送用クロックパルス VGK 電源電圧 φS スタートパルス Sin 書き込み信号 1 N形基板 10,20,31 絶縁基板 13 カソード電極 14,26 アノード電極 11,22,24,32,34 P形半導体層 12,21,23,33,35 N形半導体層 38 アノード電極 41 GND配線

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に設けられた第1導電形の第1
    の半導体層と、第1の半導体層上にメサ構造により設け
    られた第2導電形の第2の半導体層と、第1の半導体層
    上に設けられた第1の電極と、第2の半導体層上に設け
    られた第2の電極とを備える面発光ダイオードにおい
    て、 第2の半導体層のシート抵抗値を、第1の半導体層のシ
    ート抵抗値以下としたことを特徴とする面発光ダイオー
    ド。
  2. 【請求項2】第1導電形はP形であり、第2導電形はN
    形である、請求項1記載の面発光ダイオード。
  3. 【請求項3】絶縁基板上に設けられた第1導電形の第1
    の半導体層と、第1の半導体層上にメサ構造により設け
    られた、第2導電形の第2の半導体層,第1導電形の第
    3の半導体層,第2導電形の第4の半導体層と、第1の
    半導体層上に設けられた第1の電極と、第3の半導体層
    上に設けられた第2の電極と、第4の半導体層上に設け
    られた第3の電極とを備える面発光サイリスタにおい
    て、 第4の半導体層のシート抵抗値を、第1の半導体層のシ
    ート抵抗値以下としたことを特徴とする面発光サイリス
    タ。
  4. 【請求項4】第1導電形はP形であり、第2導電形はN
    形である、請求項3記載の面発光サイリスタ。
  5. 【請求項5】スイッチング動作のためのしきい電圧また
    はしきい電流の制御電極を有するスイッチ素子を複数個
    配列し、各スイッチ素子の前記制御電極をその近傍に位
    置する少なくとも1つのスイッチ素子の制御電極に、接
    続用抵抗または電気的に一方向性を有する電気素子を介
    して接続するとともに、各スイッチ素子の制御電極に電
    源ラインを負荷抵抗を介して接続し、かつ各スイッチ素
    子にクロックパルスラインを接続して形成したスイッチ
    素子アレイと、 発光動作のためのしきい電圧またはしきい電流の制御電
    極を有する発光素子を複数個配列した発光素子アレイと
    からなり、 前記発光素子アレイの各制御電極を前記スイッチ素子の
    制御電極と電気的手段にて接続し、各発光素子に発光の
    ための電流を供給する配線を設けた自己走査型発光装置
    において、 前記発光素子およびスイッチ素子は、それぞれ、請求項
    3または4記載の面発光サイリスタよりなることを特徴
    とする自己走査型発光装置。
  6. 【請求項6】前記スイッチ素子アレイと前記発光素子ア
    レイとは、略平行に、かつ略直線状に配列され、 前記各スイッチ素子の第1の電極および前記各発光素子
    の第1の電極は、前記スイッチ素子アレイと前記発光素
    子アレイとの間に設けられた共通の1本の接地配線より
    なる、請求項5記載の自己走査型発光装置。
  7. 【請求項7】前記電流供給配線に接続される第1のボン
    ディングパッドと、前記接地配線に接続される第2のボ
    ンディングパッドとを備え、前記第1および第2のボン
    ディングパッドは、前記発光素子アレイの配列方向両端
    に設けられている、請求項6記載の自己走査型発光装
    置。
  8. 【請求項8】発光動作のためのしきい電圧またはしきい
    電流の制御電極を有する発光素子を複数個配列し、各発
    光素子の前記制御電極をその近傍に位置する少なくとも
    1つの発光素子の制御電極に、接続用抵抗または電気的
    に一方向性を有する電気素子を介して接続するととも
    に、各発光素子に電源ラインを負荷抵抗を介して前記制
    御電極に接続し、かつ各発光素子にクロックラインを接
    続して形成した自己走査型発光装置において、 前記発光素子は、請求項3または4記載の面発光サイリ
    スタよりなることを特徴とする自己走査型発光装置。
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