JPH08155173A - ミシンの針棒機構 - Google Patents

ミシンの針棒機構

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JPH08155173A
JPH08155173A JP29971694A JP29971694A JPH08155173A JP H08155173 A JPH08155173 A JP H08155173A JP 29971694 A JP29971694 A JP 29971694A JP 29971694 A JP29971694 A JP 29971694A JP H08155173 A JPH08155173 A JP H08155173A
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JP
Japan
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needle bar
sewing machine
chromium
nitrogen
lubricating oil
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Application number
JP29971694A
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English (en)
Inventor
Jun Isono
純 磯野
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 縫製物を潤滑油で汚すことが一切無く、また
高速運転下、無給油条件下においても焼付くことなく、
低摩擦で滑らかな往復運動を実現する針棒機構を提供す
ること。 【構成】 針棒1側に、クロム及び窒素の硬質化合物被
膜2を施して、相手側軸受4a、4b及び針棒1の摩擦
抵抗を低減させ、ミシンの組み付け時に、針棒1の表面
に少量の潤滑油を塗布してやり、適当な時間、軸、軸受
間の馴染み運転を行えば、その後は無給油で焼き付くこ
とが無くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縫製物上への潤滑油の
滴下、飛散をなくしながら高速で縫製することができる
ミシンの針棒機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のミシンの上軸機構を図5に示す。
21はミシンのアーム、22は上軸、23a、23b、
23cは上軸22を支承する3つの軸受である。24は
プーリー、25は天秤クランクである。プーリー24及
び天秤クランク25は、共に上軸22に固定され、プー
リー24が回転すると、上軸22を介して天秤クランク
25が同方向に回転する。27は天秤、28は天秤支
え、29は支え軸、26は針棒クランク、30はコネク
ティングロッド、31は針棒抱き、32は針棒である。
その針棒32が精度よく所定の往復軌跡を描くように、
上下2つの針棒軸受34a、34bによって、針棒32
を支持している。
【0003】次に、前記のように構成されたミシンの針
棒機構の動作を説明する。
【0004】プーリー24及び上軸22を介して天秤ク
ランク25が回転すると、その回転運動は、天秤支え2
8、支え軸29及び針棒クランク26によって天秤27
の上下方向の揺動運動として伝達される。また、同様
に、天秤クランク25の回転運動は、針棒クランク2
9、コネクティングロッド30及び針棒抱き31から針
棒32に同期的な往復運動として伝達される。
【0005】このように、高速、高荷重という厳しい摺
動条件下で運転を行なう工業用ミシンの針棒機構では、
針棒32を焼入れ鋼で構成する一方、軸受側、即ち、軸
受34a、軸受34bを表面窒化した鋳鉄やリン青銅、
或は含油金属等で構成し、これら軸−軸受間では、潤滑
油膜を切らすことがないように、絶え間なく強制給油す
る機構を設けたものが一般的であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
強制給油を施す針棒機構では、その強制給油によって供
給された潤滑油が針棒に付着し、その針棒が高速で往復
運動するため縫製中の縫製物上に、その潤滑油が飛び散
ってしまうという問題があった。
【0007】これを解決するために、潤滑油の供給を停
止させると針棒及び軸受の摩擦によって針棒が焼付いて
しまうことがあった。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、縫製物を潤滑油で汚すことが一
切無く、またこのような高速運転下、無給油条件下にお
いても焼付くことなく、低摩擦で滑らかな往復運動を実
現するミシンの針棒機構を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のミシンの針棒機構は、鉄鋼等の金属材料で形
成された前記針棒の表面に、クロム(Cr)及び窒素
(N)の硬質化合物被膜層を生成している。
【0010】また、前記針棒の表面に生成された前記ク
ロム及び窒素の化合物被膜に対して、研磨、ポリッシン
グ等の処理を施してもよい。
【0011】更に、前記針棒を支持する軸受部を、浸炭
焼入れ処理した鉄鋼材料によって形成してもよい。
【0012】
【作用】上記の構成を有する本発明のミシンの針棒機構
によれば、針棒側に、クロム及び窒素の硬質化合物被膜
を施して、相手側軸受及び針棒の摩擦抵抗を低減させ
る。
【0013】また、前記針棒の表面に生成された前記ク
ロム及び窒素の化合物被膜に対して、研磨、ポリッシン
グ等の処理を施して、更に、摩擦抵抗を低減させる。
【0014】また、特に相手軸受側に浸炭焼入れ鋼を組
み合わせた場合、非常に優れた耐焼付き性、そして良好
な耐摩耗性、低摩擦性を発揮する。従って、ミシンの組
み付け時に、針棒の表面に少量の潤滑油を塗布してや
り、適当な時間、軸、軸受間の馴染み運転を行えば、そ
の後は無給油で焼き付くこと無く、滑らかな運転を永久
的に持続できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0016】図1に本実施例のミシンの針棒機構の断面
図を示す。鉄鋼、合金鋼、またはアルミ等の非鉄金属等
による金属材料で形成された針棒1の表面1a上には、
膜厚1〜20μm、被膜硬度Hv1500〜2000の
クロム及び窒素の化合物被膜層2がイオンプレーティン
グ法により形成されている。前記針棒1は、ミシンのア
ーム3先端部内に圧入等の方法で固定された2つの軸受
4a、4bによって往復動可能に支持されている。この
他のミシンの構成は、図5に示した従来のミシンの構成
と同様である。
【0017】本実施例において、前記クロム及び窒素の
化合物被膜層2は、約400℃に加熱された真空チャン
バ中に、プロセスガスとして窒素ガス(N2)を流しな
がら、アーク放電によりカソードからクロムイオンを蒸
発させ、被処理物(針棒1)の表面1aに、主にCr2
Nの形からなる化合物として蒸着するというイオンプレ
ーティング法によって形成される。
【0018】ここで、前記クロム及び窒素の化合物被膜
層2は、イオンプレーティングによって形成されたまま
の状態で摺動部材として用いてもよいが、被膜層表面に
多くの微小な凸部を有しているために、摺動する際に相
手材料を傷つけ、摩耗させることがある。そこで、被膜
層を形成した後に、凸部を除去する目的で研磨やポリッ
シング等の後加工処理を行い、平均表面粗さを3.2μ
m以下にすれば、被膜層自身の摩耗のみならず、相手材
の摩耗も極力減じることが可能となるばかりか、摩擦係
数の低減にも効果がある。
【0019】次に、前記クロム及び窒素の化合物被膜層
2の摩擦摩耗特性を評価し、優れた特性を見い出した結
果について説明する。
【0020】図2は、被膜層の基本的な摩擦摩耗特性の
評価に用いたピンオンディスク型試験機の概略図であ
る。この試験方法は、回転するディスク試験片5上に、
そのディスク試験片5の回転軸線とは一定の距離だけ間
隔をおいた対称位置に、固定された2つのピン試験片6
を押し付けるものである。潤滑油は、ディスク試験片5
上に一定の供給速度で滴下される。本実験では、ミシン
用潤滑油を120cc/hrの供給速度で滴下した。
【0021】図3は、前記ピンオンディスク型試験機を
用いて、様々な摺動材料の組合せについて試験して得ら
れた摩擦係数μと押付け荷重Pとの関係を示す図であ
る。実験では、摺動速度を試験機の最高周速4m/se
cに固定しており、摺動距離500m毎に押付け荷重P
を段階的に増加していき、その間の摩擦係数及び運転限
界を見ている。最大押付け荷重は、50kgfである。
試験材料は、ディスク試験片5側を前記クロム及び窒素
の化合物被膜層2を形成させたものとし、ピン試験片6
側を種々の材料に変えて比較した。また、従来例として
浸炭焼入鋼同士、そして浸炭焼入鋼と窒化処理鋼の組合
せについても同様の試験を行った。
【0022】図3から明らかなように、ディスク試験片
5に前記クロム及び窒素の化合物被膜層2を用いた組合
せは、従来例に比べていづれも低摩擦と高い焼付き限界
を示しており、前記クロム及び窒素の化合物被膜層2の
有意性が認められる。
【0023】図4は、やはり前記ピンオンディスク型試
験機を用いて、図3で評価した材料組合せについて、耐
摩耗性を評価した結果である。潤滑条件、摺動速度は前
回の実験と同様であるが、押付け荷重を10kgfに固
定し、摺動距離を10000mと長くとってある。そし
て、実験終了後の各ディスク試験片5及びピン試験片6
の摩耗量を摩耗痕形状から測定して、単位荷重、単位距
離あたりの摩耗量、即ち、比摩耗量として算出した。
【0024】図4から明らかなように、やはりディスク
試験片5に前記クロム及び窒素の化合物被膜層2を用い
た組合せは、比較材に対して概ね相手材(ピン試験片
6)の比摩耗量が低く、特に相手材に浸炭焼入れ鋼を組
合せた場合には、非常に低い値を示している。
【0025】以上、ピンオンディスク型実験の結果か
ら、前記クロム及び窒素の化合物被膜層2は、非常に優
れた耐焼付き性、そして、良好な耐摩耗性、低摩擦性を
有しており、特に、相手材に浸炭焼入れ鋼を選定した場
合、その効果が著しいことが明示された。
【0026】実際に、前記クロム及び窒素の化合物被膜
層2と浸炭焼入れ鋼の組合せにて針棒機構を形成し、組
み付け時に潤滑油を塗布させた後、初期馴染み運転を行
い、以降は完全な無給油状態で5000rpmの耐久運
転を達成した。この間、異音や急な温度上昇もなく、耐
久後の各部品の摩耗状況も縫製性能に影響を与えるもの
ではなかった。
【0027】以上説明したことから明かなように、本実
施例のミシンの針棒機構によれば、針棒側に、クロムと
窒素の硬質化合物被膜を施して、相手側軸受と針棒の摩
擦抵抗を低減させるため、ミシンの組み付け時に、針棒
の表面に少量の潤滑油を塗布してやり、適当な時間、
軸、軸受間の馴染み運転を行えば、その後は無給油で焼
き付くことが無くなり、縫製物を潤滑油によって汚すこ
とを確実に防ぐことができる。
【0028】尚、金属材料表面に、クロム及び窒素の化
合物被膜層2を形成するにあたって、イオンプレーティ
ングの性質上、軸外周面に比べて長幅の軸受内面には被
膜層が付きにくく、またポリッシング等も難しいため、
前記クロム及び窒素の化合物被膜層2は針棒1側に形成
することが望ましい。また、被膜層の膜圧は、1μm以
下であると、摩耗により早期に針棒1の表面1aが露出
して特性が失われてしまい、逆に20μm以上である
と、被膜層の残留応力が増して表面1aからの剥離等が
発生する恐れがあり、また、コスト高になる。従って、
被膜層厚さは1〜20μmの範囲に納めることが望まし
い。
【0029】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように本発
明のミシンの針棒機構によれば、針棒側に、クロム及び
窒素の硬質化合物被膜を施して、相手側軸受と針棒の摩
擦抵抗を低減させるため、ミシンの組み付け時に、針棒
の表面に少量の潤滑油を塗布してやり、適当な時間、
軸、軸受間の馴染み運転を行えば、その後は無給油で焼
き付くこと無がくなり、縫製物が潤滑油によって汚れる
ことがなくなる。
【0030】また、前記針棒の表面に生成された前記ク
ロム及び窒素の化合物被膜に対して、研磨、ポリッシン
グ等の処理を施したので、容易に摩擦抵抗を低減させる
ことができ、無給油で焼き付くことが確実になくなる。
【0031】また、特に相手軸受側に浸炭焼入れ鋼を組
み合わせた場合、非常に優れた耐焼付き性、そして良好
な耐摩耗性、低摩擦性を発揮し、滑らかな運転を永久的
に持続できる等の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のミシンの針棒機構の部分断面図であ
る。
【図2】基本的な摩擦摩耗特性の評価に用いたピンオン
ディスク型試験機の概略図である。
【図3】ピンオンディスク型試験機を用いて試験して得
られた摩擦係数μと押付け荷重Pとの関係を示す図であ
る。
【図4】ピンオンディスク型試験機を用いて試験した結
果得られた比摩耗量を示す図である。
【図5】従来のミシンの構成図である。
【符号の説明】
1 針棒 2 硬質化合物被膜 3 フレーム 4a 軸受 4b 軸受

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針棒の往復運動によって布等を縫製する
    ミシンにおいて、 鉄鋼等の金属材料で形成された前記針棒の表面に、クロ
    ム(Cr)及び窒素(N)の硬質化合物被膜層を生成し
    たことを特徴とするミシンの針棒機構。
  2. 【請求項2】 前記針棒の表面に生成された前記クロム
    及び窒素の化合物被膜に対して、研磨、ポリッシング等
    の処理を施したことを特徴とする請求項1に記載のミシ
    ンの針棒機構。
  3. 【請求項3】 前記針棒を支持する軸受部を、浸炭焼入
    れ処理した鉄鋼材料によって形成したことを特徴とする
    請求項1に記載のミシンの針棒機構。
JP29971694A 1994-12-02 1994-12-02 ミシンの針棒機構 Pending JPH08155173A (ja)

Priority Applications (1)

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JP29971694A JPH08155173A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 ミシンの針棒機構

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JP29971694A JPH08155173A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 ミシンの針棒機構

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JPH08155173A true JPH08155173A (ja) 1996-06-18

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ID=17876114

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JP29971694A Pending JPH08155173A (ja) 1994-12-02 1994-12-02 ミシンの針棒機構

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JP (1) JPH08155173A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040043613A (ko) * 2002-11-19 2004-05-24 (주)엠지테크 다두식 자수기의 침봉 케이스 및 그 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20040043613A (ko) * 2002-11-19 2004-05-24 (주)엠지테크 다두식 자수기의 침봉 케이스 및 그 제조방법

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