JPH08157441A - カルバモイルオキシ酢酸の製造方法及び該方法に有用な中間体 - Google Patents

カルバモイルオキシ酢酸の製造方法及び該方法に有用な中間体

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JPH08157441A
JPH08157441A JP32133494A JP32133494A JPH08157441A JP H08157441 A JPH08157441 A JP H08157441A JP 32133494 A JP32133494 A JP 32133494A JP 32133494 A JP32133494 A JP 32133494A JP H08157441 A JPH08157441 A JP H08157441A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(1): HO−CH2 −COOR (1) [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
てもよいフェニル基もしくはベンジル基を表す]で表さ
れるグリコール酸エステルとクロロスルホニルイソシア
ナートとを反応させることを特徴とするカルバモイルオ
キシ酢酸の製造方法及び該方法に有用な中間体。 【効果】 本発明により、ペネム系抗生物質原料として
有用なカルバモイルオキシ酢酸及びカルバモイルオキシ
酢酸エステルを容易にかつ安価に製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】ペネム系抗生物質原料として有用
なカルバモイルオキシ酢酸の製造方法及びその中間体に
関する。
【0002】
【従来の技術】カルバモイルオキシ酢酸の合成法として
次の2とうりの方法が知られている。すなわち、第一の
合成法としては、チオカルバミルグリコール酸またはそ
のカリウム塩を原料として、臭素、過酸化マンガンまた
は無水酢酸を作用させて合成する方法(Alfred Ahlgvis
t, J.Prakt.Chem. , 2(99) 45(1919))であり、また第2
の方法としては、グリコール酸を原料として、クロロス
ルホニルイソシアナートを作用させて合成する方法(Wa
lter Cabri ら, Tetrahedron Letters , 34, 3491(199
3),Carlo Battistini ら、Tetrahedron Letters , 27,
513(1986) )である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら第1の方
法は実験室的に合成する方法であり工業的ではなく、ま
たその後改良された第2の方法は、実際の反応条件、処
理、単離方法等の詳細な製造方法は記載されておらず、
さらに原料として用いているグリコール酸は水溶液の形
で流通しているが、クロロスルホニルイソシアナートは
水と爆発的に反応するため、グリコール酸水溶液を直接
クロロスルホニルイソシアナートと反応させることはで
きない。このため、カルバモイルオキシ酢酸の製造に
は、商業的に高価である高純度で水分を含まないグリコ
ール酸を用いる必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】今般、発明者らは高純度
で水分を含まないグリコール酸を使用しない製造方法を
検討した結果、グリコール酸水溶液から容易に導けるグ
リコール酸エステルを用い、クロロスルホニルイソシア
ナートと反応させて得られるカルバモイルオキシ酢酸エ
ステルを中間体として単離するか、あるいはこれを単離
することなく加水分解してカルバモイルオキシ酢酸を製
造する方法を見出だすに至った。
【0005】すなわち、本発明は、式(1): HO−CH2 −COOR (1) [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
てもよいフェニル基もしくはベンジル基を表す]で表さ
れるグリコール酸エステルとクロロスルホニルイソシア
ナートとを反応させて、式(2): H2 NOC−O−CH2 −COOR (2) [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
てもよいフェニル基もしくはベンジル基を表す]で表さ
れるカルバモイルオキシ酢酸エステルを得た後、加水分
解することを特徴とするカルバモイルオキシ酢酸の製造
方法、及び該方法に有用な、式(2): H2 NOC−O−CH2 −COOR (2) [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
てもよいフェニル基もしくはベンジル基を表す]で表さ
れるカルバモイルオキシ酢酸エステルに関する。
【0006】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて原料として用いる式(1): HO−CH2 −COOR (1) [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
てもよいフェニル基もしくはベンジル基を表す]で表さ
れるグリコール酸エステルとしては、炭素数1〜6の低
級アルキルエステルが最も好ましく次いでベンジルエス
テル、置換されてもよいフェニルエステルの順に好まし
い。
【0007】グリコール酸エステルとクロロスルホニル
イソシアナートとの反応において、クロロスルホニルイ
ソシアナートの量は、使用するグリコール酸エステルの
0.8〜2 モル当量、好ましくは1.0 〜1.3 モル当量であ
る。
【0008】グリコール酸エステルとクロロスルホニル
イソシアナートとの反応温度は -20〜50℃、好ましくは
0 〜25℃である。またその反応時間は15分から4 時間、
好ましくは30分〜2時間である。
【0009】この反応に使用する溶媒は、クロロスルホ
ニルイソシアナートに対して不活性なものであればよ
く、好ましくはヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等
の飽和炭化水素や、ジクロロメタン、ジクロロエタンな
どのハロゲン化炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳
香族系炭化水素などである。
【0010】本発明において、カルバモイルオキシ酢酸
の製造工程中、式(2): H2 NOC−O−CH2 −COOR (2) [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
てもよいフェニル基もしくはベンジル基を表す]で表さ
れるカルバモイルオキシ酢酸エステルが中間体として生
成され、本発明においては、そのカルバモイルオキシ酢
酸エステルを単離させることができる。
【0011】このようにして得られるカルバモイルオキ
シ酢酸エステルはいずれも新規化合物であり、この化合
物自身もペネム系抗生物質の原料として有用なる化合物
である。
【0012】カルバモイルオキシ酢酸の製造工程におい
て、そのカルバモイルオキシ酢酸エステルを単離しない
場合は、この反応液を使用するクロロスルホニルイソシ
アナートの1〜5倍重量、好ましくは2〜3倍重量の水
に滴下した後、そのまま0 〜100 ℃、好ましくは25〜50
℃の温度条件下で撹拌することにより、カルバモイルオ
キシ酢酸エステルの加水分解を進行させる。この加水分
解の反応時間は特に限定はされないが、1時間〜7日
間、好ましくは2〜24時間である。加水分解が進行する
と目的のカルバモイルオキシ酢酸が析出してくるので、
これをろ過すればカルバモイルオキシ酢酸を単離でき
る。
【0013】また、ろ過の前に、使用したクロロスルホ
ニルイソシアナートの1〜3モル当量好ましくは1.8 〜
2.2 当量のアルカリを投入して、系内の塩酸、硫酸を中
和することにより、加水分解液の酸臭や腐食性を軽減
し、かつ塩析効果によるカルバモイルオキシ酢酸の析出
量の増大を図ることができる。この時のアルカリはアル
カリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸化物が好ましい。
【0014】またカルバモイルオキシ酢酸の製造工程に
おいて、そのカルバモイルオキシ酢酸エステルを単離す
る場合は、この反応液に水を加え、0 〜100 ℃、好まし
くは5〜25℃を保ちながら撹拌することで、カルバモイ
ルオキシ酢酸エステルを生成させる。水の添加方法とし
ては、反応液に水を加えても、また水に反応液を加えて
もよい。その際の水の量としては使用するクロロスルホ
ニルイソシアナートの1〜10倍重量、好ましくは2〜3
倍重量である。また反応時間は15分〜8 時間、好ましく
は30分〜2時間である。
【0015】こうようにして得られたカルバモイルオキ
シ酢酸エステルは、混在する有機層を分離、濃縮するこ
とで単離することができる。
【0016】カルバモイルオキシ酢酸エステルは、酸性
条件下で0 〜100 ℃、好ましくは25〜50℃にて水と撹拌
することにより、エステル部分を選択的に加水分解でき
る。
【0017】この時に用いる酸は塩酸、硫酸のような鉱
酸やp- トルエンスルホン酸のような有機酸の他、強酸
性イオン交換樹脂が望ましい。使用する酸の量は加水分
解するカルバモイルオキシ酢酸エステルに対して0.2 〜
5モル当量、好ましくは0.5〜3モル当量である。強酸
性イオン交換樹脂を用いる場合、加水分解するカルバモ
イルオキシ酢酸エステルに対する使用量は、用いるイオ
ン交換樹脂の総交換容量で0.5 〜10倍モル当量、好まし
くは1〜3倍モル当量である。
【0018】またカルバモイルオキシ酢酸エステルの加
水分解に使用する水の量は、用いるカルバモイルオキシ
酢酸エステルに対して1〜20重量倍、好ましくは5〜10
重量倍である。
【0019】加水分解の反応時間は特に限定されない
が、1時間〜7日間、好ましくは2時間〜24時間であ
る。
【0020】強酸性イオン交換樹脂を使用する場合、カ
ルバモイルオキシ酢酸エステルと強酸性イオン交換樹脂
とを水とともに撹拌する方法、あるいは強酸性イオン交
換樹脂の充填塔にカルバモイルオキシ酢酸エステル水溶
液を循環させる方法が好ましい。
【0021】加水分解により生成したカルバモイルオキ
シ酢酸は、加水分解液を濃縮することにより析出してく
るのでこれをろ過すれば単離できる。
【0022】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を具体的に説
明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0023】実施例1(グリコール酸メチルからカルバ
モイルオキシ酢酸の合成) 撹拌子をいれた200ml 四つ口フラスコに、温度計を装着
し系内を窒素置換した。ここに塩化メチレン90ml、グリ
コール酸メチル31.36g(ガスクロマトグラフ分析で98%
純度、0.341mol)を加え、氷冷下、クロロスルホニルイ
ソシアナート30ml(48.78g、0.345mol)を5 〜10℃を維
持しながら1 時間かけて滴下した。
【0024】滴下終了後は1.5 時間氷冷下に撹拌した。
一方、温度計、撹拌機のついた500ml 四つ口フラスコに
水100ml を入れ、撹拌しながら10℃以下に氷冷した。こ
こに、前述の反応液を15〜18℃を保ちながら35分かけて
加えた。滴下終了後は室温にて1 時間撹拌した後、一晩
放置すると白色結晶が析出した。
【0025】再び系を撹拌しながら、25% 水酸化ナトリ
ウム水溶液110.4g(0.69mol )を25℃以下を維持しなが
ら20分かけて加え、その後氷冷下30分撹拌した。白色結
晶をろ過し、これを50℃で減圧乾燥することにより、カ
ルバモイルオキシ酢酸30.51gを得た。この結晶の純度は
高速液体クロマトグラフより96.2% であった。その収率
は72.3% であり、またNMRデ−タは次のとうりであ
る。
【0026】1H-NMR(DMSO-d6); 4.38ppm(s,2H), 6.
5-6.9ppm(bd,2H),12.3-13.5ppm (bs,1H) 13C-NMR(DMSO-d6); 60.2ppm, 156.2ppm, 170.4ppm 実施例2(カルバモイルオキシ酢酸エチルの合成) 100ml 三つ口フラスコに、温度計を装着し、撹拌子を入
れて、系内を窒素置換した。塩化メチレン30ml、グリコ
ール酸エチル5.02g (ガスクロマトグラフ分析により96
% 純度品、46.3mmol)を加え、系を氷冷した。
【0027】ここにクロロスルホニルイソシアナート5m
l (57.4mmol)を加え、氷冷下1.5時間撹拌した。その
後、水10mlを加えて30分撹拌し、分液後、塩化メチレン
抽出の後、有機層をまとめて濃縮して、白色結晶5.56g
を得た。その収率は78.4% であり、またNMRデ−タは
次のとうりである。
【0028】1H-NMR(DMSO-d6); 1.29ppm(t,3H), 4.
23ppm(q,2H), 4.58ppm(s,2H),5.1-5.5ppm(bs,2H) 13C-NMR(DMSO-d6); 13.8ppm, 6 0.9ppm, 61.1ppm,
156.3ppm, 168.6ppm 実施例3(カルバモイルオキシ酢酸エチルの加水分解
1) 実施例2の方法により得られたカルバモイルオキシ酢酸
エチル1.006g(6.84mmol)を、1N塩酸10.3mlに溶かし、
25〜35℃で24時間撹拌した。この液を液体クロマトグラ
フ分析したところ、99% の収率で2-カルバモイルオキシ
酢酸が生成していた。
【0029】実施例4(カルバモイルオキシ酢酸エチル
の加水分解2) 温度計、撹拌機、ジムロート冷却管を装着した200ml 四
つ口フラスコに、実施例2の方法により得られたカルバ
モイルオキシ酢酸エチル7.50g (51.0mmol)、強酸性イ
オン交換樹脂(アンバーライトIR-120B )75ml、水70ml
を加えて、48℃にて8 時間撹拌した。
【0030】その後樹脂をろ過してこれを水100ml でよ
く洗浄した。母液と洗液とをあわせ、減圧下で80g まで
濃縮しこれを塩化メチレン50mlで2 回洗浄した。水層を
さらに21.84gまで減圧濃縮し、これを氷冷すると白色結
晶が析出した。これをろ過し、乾燥して2-カルバモイル
オキシ酢酸3.88g を得た。純度99.3% 、収率63.5% であ
った。
【0031】実施例5(カルバモイルオキシ酢酸エチル
の加水分解3) 恒温槽を用いて44℃に調節した強酸性イオン交換樹脂充
填塔(アンバーライトIR-120B 、60ml)に、実施例2の
方法により得られたカルバモイルオキシ酢酸エチル10.0
3g(68.2mmol)を水100ml に溶かした液を定量ポンプを
用いて循環させた。SV=8/hで16時間循環させた後、反応
液をとり、充填塔は水100ml で洗浄した。
【0032】この洗浄液と反応液を高速液体クロマトグ
ラフにより分析したところ、収率にして84.3% のカルバ
モイルオキシ酢酸が生成していた。
【0033】実施例6(グリコール酸イソプロピルを用
いる2-カルバモイルオキシ酢酸の合成) 撹拌子をいれた100ml 四つ口フラスコに、温度計を装着
し系内を窒素置換した。ここに塩化メチレン50ml、グリ
コール酸イソプロピル10.24g(ガスクロマトグラフ分析
で93% 純度、80.6mmol)を加え、氷冷下、クロロスルホ
ニルイソシアナート7.0ml (11.38g、80.4mmol)を5 〜
10℃を維持しながら20分かけて滴下した。
【0034】滴下後氷冷下で30分撹拌し、その後室温で
1時間撹拌した。さらに塩化メチレン50mlを入れた後水
30mlを滴下し、1.5 時間室温で撹拌した。液を分液後、
水層を50mlの塩化メチレンで2回抽出し、有機層をすべ
てあわせて硫酸マグネシウムで乾燥後、これを濃縮する
と無色のオイル12.55gがとれた。このオイルは冷蔵庫で
一晩冷やすと結晶となった。
【0035】この結晶のうち12.14gをとり、水100ml 、
濃塩酸6.2ml を加えて45℃で17時間撹拌した後、この液
を塩化メチレン洗浄した。洗浄した後の水層を高速液体
クロマトグラフにて分析したところ、6.60g (55.4mmo
l)のカルバモイルオキシ酢酸が生成していた。グリコ
ール酸イソプロピルからの換算収率は71.1% であった。
【0036】実施例7(グリコール酸ブチルから2-カル
バモイルオキシ酢酸の合成) 撹拌子をいれた200ml 四つ口フラスコに、温度計を装着
し系内を窒素置換した。ここに塩化メチレン60ml、グリ
コール酸ブチル29.43g(ガスクロマトグラフ分析で98%
純度、0.218mol)を加え、氷冷下、クロロスルホニルイ
ソシアナート20ml(0.230mol)を5 〜10℃を維持しなが
ら1 時間かけて滴下した。滴下終了後は1.5 時間氷冷下
に撹拌した。
【0037】一方、温度計、撹拌機のついた500ml 四つ
口フラスコに水67mlを入れ、撹拌しながら10℃以下に氷
冷しておき、ここに、前述の反応液を15〜18℃を保ちな
がら30分かけて加えた。滴下終了後は室温にて1 時間撹
拌した後、42-44 ℃で12.5時間撹拌した後、室温で4日
間放置した。再び系を撹拌しながら、25% 水酸化ナトリ
ウム水溶液73.6g (0.46mol )を25℃以下を維持しなが
ら20分かけて加え、その後氷冷下30分撹拌した。白色結
晶をろ過し、これを50℃で減圧乾燥することにより、カ
ルバモイルオキシ酢酸19. 71g を得た。この結晶の純度
は高速液体クロマトグラフより95.0% であった。なおそ
の収率は72% であった。
【0038】
【発明の効果】本発明により、ペネム系抗生物質原料と
して有用なカルバモイルオキシ酢酸及びカルバモイルオ
キシ酢酸エステルを容易にかつ安価に製造することがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1): HO−CH2 −COOR (1) [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
    てもよいフェニル基もしくはベンジル基を表す]で表さ
    れるグリコール酸エステルとクロロスルホニルイソシア
    ナートとを反応させて、式(2): H2 NOC−O−CH2 −COOR (2) [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
    てもよいフェニル基もしくはベンジル基を表す]で表さ
    れるカルバモイルオキシ酢酸エステルを得た後、加水分
    解することを特徴とするカルバモイルオキシ酢酸の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 カルバモイルオキシ酢酸エステルを単離
    した後、酸性条件下で加水分解することを特徴とする請
    求項1に記載のカルバモイルオキシ酢酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(2): H2 NOC−O−CH2 −COOR (2) [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換されてい
    てもよいフェニル基もしくはベンジル基を表す]で表さ
    れるカルバモイルオキシ酢酸エステル。
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