JPH08157449A - チオホルムアミドの製造方法 - Google Patents
チオホルムアミドの製造方法Info
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- JPH08157449A JPH08157449A JP6301998A JP30199894A JPH08157449A JP H08157449 A JPH08157449 A JP H08157449A JP 6301998 A JP6301998 A JP 6301998A JP 30199894 A JP30199894 A JP 30199894A JP H08157449 A JPH08157449 A JP H08157449A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 シアン化水素と硫化水素とを反応させてチオ
ホルムアミドを製造するに際し、反応溶媒にはイソプロ
ピルアルコールを用い、アクリル系の弱塩基性陰イオン
交換樹脂の存在下で30〜60℃の温度で反応させることを
特徴とする。 【効果】 上記した範囲内で製造することにより、仕込
みのシアン化水素に対するチオホルムアミドの収率が非
常によく、副生物の生成も抑制することができる。ま
た、例え、使用する硫化水素の量が仕込みのシアン化水
素に対して等モルであっても十分な収率でチオホルムア
ミドを得ることが可能である。したがって、反応後にお
ける未反応物を除去する操作およびコストも、従来知ら
れていた製造方法に比し、格段に縮小することもでき
る。
ホルムアミドを製造するに際し、反応溶媒にはイソプロ
ピルアルコールを用い、アクリル系の弱塩基性陰イオン
交換樹脂の存在下で30〜60℃の温度で反応させることを
特徴とする。 【効果】 上記した範囲内で製造することにより、仕込
みのシアン化水素に対するチオホルムアミドの収率が非
常によく、副生物の生成も抑制することができる。ま
た、例え、使用する硫化水素の量が仕込みのシアン化水
素に対して等モルであっても十分な収率でチオホルムア
ミドを得ることが可能である。したがって、反応後にお
ける未反応物を除去する操作およびコストも、従来知ら
れていた製造方法に比し、格段に縮小することもでき
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シアン化水素と硫化水
素を反応せしめてチオホルムアミドを製造する方法に関
する。チオホルムアミドは、医薬製造における中間体な
どとして産業上有用な化合物である。
素を反応せしめてチオホルムアミドを製造する方法に関
する。チオホルムアミドは、医薬製造における中間体な
どとして産業上有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】チオホルムアミドは、ホルムアミドと五
硫化リンを反応させることにより得られることが知られ
ているが、この方法は出発物質が高価である上に収率が
低く、更には製造時に排出される排水の処理が非常に困
難であるという欠点がある。
硫化リンを反応させることにより得られることが知られ
ているが、この方法は出発物質が高価である上に収率が
低く、更には製造時に排出される排水の処理が非常に困
難であるという欠点がある。
【0003】そこで、原料としてはシアン化水素と硫化
水素を用い、触媒の存在下にチオホルムアミドを合成す
るという方法が従来いくつか開示されている。例えば、
低級アルコール又はベンゼンのような芳香族炭化水素
を反応溶媒とし、アンモニア又はトリメチルアミンある
いはトリエチルアミンのような pKa値5〜12を有する第
三級アミンを触媒としてシアン化水素と硫化水素を反応
させる方法(特公昭43−8244号公報)、前記とほぼ同
様の反応溶媒を用い、不溶性の三級アミンアニオン交換
樹脂を触媒として−40〜100 ℃でシアン化水素と硫化水
素を反応させ、仕込みのシアン化水素が20〜50%消費し
た時点で反応を止め、反応液から触媒を分離するなどし
てチオホルムアミドを得る方法(特公昭58-30304号公
報)が知られている。
水素を用い、触媒の存在下にチオホルムアミドを合成す
るという方法が従来いくつか開示されている。例えば、
低級アルコール又はベンゼンのような芳香族炭化水素
を反応溶媒とし、アンモニア又はトリメチルアミンある
いはトリエチルアミンのような pKa値5〜12を有する第
三級アミンを触媒としてシアン化水素と硫化水素を反応
させる方法(特公昭43−8244号公報)、前記とほぼ同
様の反応溶媒を用い、不溶性の三級アミンアニオン交換
樹脂を触媒として−40〜100 ℃でシアン化水素と硫化水
素を反応させ、仕込みのシアン化水素が20〜50%消費し
た時点で反応を止め、反応液から触媒を分離するなどし
てチオホルムアミドを得る方法(特公昭58-30304号公
報)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来よ
り知られる上記の製造方法は、いずれも仕込みシアン化
水素に対するチオホルムアミドの収率が低く、また反応
後における生成物の処理が煩雑であったり、あるいは反
応設備のほかに大がかりな付帯設備を必要とするなどの
問題があり、工業的に効率よくチオホルムアミドを製造
しようとする際には満足できる方法ではない。
り知られる上記の製造方法は、いずれも仕込みシアン化
水素に対するチオホルムアミドの収率が低く、また反応
後における生成物の処理が煩雑であったり、あるいは反
応設備のほかに大がかりな付帯設備を必要とするなどの
問題があり、工業的に効率よくチオホルムアミドを製造
しようとする際には満足できる方法ではない。
【0005】すなわち、上記したの方法では、シアン
化水素に対するチオホルムアミドの収率が10〜60%程度
と低く、反応後において触媒が生成物に溶解しているた
めにこれを蒸発させるなどして分離しなければならず、
更には有機溶媒による抽出操作が必要であるなど、製品
を得るまでの操作が非常に煩雑である。
化水素に対するチオホルムアミドの収率が10〜60%程度
と低く、反応後において触媒が生成物に溶解しているた
めにこれを蒸発させるなどして分離しなければならず、
更には有機溶媒による抽出操作が必要であるなど、製品
を得るまでの操作が非常に煩雑である。
【0006】またの方法は、触媒としては不溶性のも
のを用い、また副生物の生成を少なくできるという点で
は有意義な方法であるが、原料シアン化水素が20〜50%
消費した時点で反応を強制的に止めなければならないた
め、反応生成液中に存在する大量の未反応シアン化水素
及び硫化水素を回収しなければならず、このための設備
及び用役費が莫大なものとなり、コスト的に非常に不利
である。更にこの方法では、消費したシアン化水素に対
する目的物の収率は比較的よいものの、出発の原料シア
ン化水素に対するチオホルムアミドの収率は精々50%に
とどまるものでしかない。
のを用い、また副生物の生成を少なくできるという点で
は有意義な方法であるが、原料シアン化水素が20〜50%
消費した時点で反応を強制的に止めなければならないた
め、反応生成液中に存在する大量の未反応シアン化水素
及び硫化水素を回収しなければならず、このための設備
及び用役費が莫大なものとなり、コスト的に非常に不利
である。更にこの方法では、消費したシアン化水素に対
する目的物の収率は比較的よいものの、出発の原料シア
ン化水素に対するチオホルムアミドの収率は精々50%に
とどまるものでしかない。
【0007】以上のように、従来より知られるシアン化
水素及び硫化水素からのチオホルムアミドの製造方法で
は、仕込みシアン化水素に対するチオホルムアミドの収
率が低いことから、必然的に未反応のシアン化水素及び
硫化水素を回収するための大がかりな設備が必要となる
か、又はこれらが多量に含まれた排水を処理しなければ
ならないという問題があり、いずれもコスト面あるいは
環境面で好ましくない方法である。
水素及び硫化水素からのチオホルムアミドの製造方法で
は、仕込みシアン化水素に対するチオホルムアミドの収
率が低いことから、必然的に未反応のシアン化水素及び
硫化水素を回収するための大がかりな設備が必要となる
か、又はこれらが多量に含まれた排水を処理しなければ
ならないという問題があり、いずれもコスト面あるいは
環境面で好ましくない方法である。
【0008】そこで本発明では、シアン化水素と硫化水
素を反応させてチオホルムアミドを製造するに際し、原
料シアン化水素の転化率が高く、高収率で目的物を得る
ことができる方法を提供し、上記従来に知られていた製
造方法における欠点を解消する方法を提供することを目
的とする。
素を反応させてチオホルムアミドを製造するに際し、原
料シアン化水素の転化率が高く、高収率で目的物を得る
ことができる方法を提供し、上記従来に知られていた製
造方法における欠点を解消する方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するためにシアン化水素と硫化水素とを種々の
条件下で反応させ、鋭意有利な反応条件を探索した結
果、特に、イソプロピルアルコールを反応溶媒として用
い、アクリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂の存在下で
特定の温度範囲で反応させた場合には、以外にも副生物
が少なく、しかもチオホルムアミドが非常な高収率で得
られることを見出し、更に研究を重ねて本発明を完成す
るに至った。
的を達成するためにシアン化水素と硫化水素とを種々の
条件下で反応させ、鋭意有利な反応条件を探索した結
果、特に、イソプロピルアルコールを反応溶媒として用
い、アクリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂の存在下で
特定の温度範囲で反応させた場合には、以外にも副生物
が少なく、しかもチオホルムアミドが非常な高収率で得
られることを見出し、更に研究を重ねて本発明を完成す
るに至った。
【0010】すなわち、本発明は、シアン化水素と硫化
水素とを反応させてチオホルムアミドを製造するに際
し、反応溶媒としてイソプロピルアルコールを用い、ア
クリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂の存在下で30〜60
℃の温度で反応させることを特徴とするチオホルムアミ
ドの製造方法である。
水素とを反応させてチオホルムアミドを製造するに際
し、反応溶媒としてイソプロピルアルコールを用い、ア
クリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂の存在下で30〜60
℃の温度で反応させることを特徴とするチオホルムアミ
ドの製造方法である。
【0011】本発明の製造方法において、チオホルムア
ミドはおよそ次のようにして製造される。すなわち、ま
ず、反応器に溶媒であるイソプロピルアルコールと触媒
であるアクリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂を仕込
み、気相部を窒素置換する。次に、所定量のシアン化水
素を仕込み、昇温するなどして適度な温度とした後、硫
化水素を添加し所定時間反応させる。あるいはまた、連
続式であれば、アクリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂
がカラムなどに充填されたイオン交換樹脂塔を用い、こ
れにシアン化水素、硫化水素、および溶媒であるイソプ
ロピルアルコールの混合物を通過させることにより反応
させる。そして反応終了後は、反応液中に不活性ガスを
吹き込むなどして未反応の硫化水素とシアン化水素を除
き、触媒を濾別するなどした後、溶媒を分離することに
より目的とするチオホルムアミドを得る。
ミドはおよそ次のようにして製造される。すなわち、ま
ず、反応器に溶媒であるイソプロピルアルコールと触媒
であるアクリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂を仕込
み、気相部を窒素置換する。次に、所定量のシアン化水
素を仕込み、昇温するなどして適度な温度とした後、硫
化水素を添加し所定時間反応させる。あるいはまた、連
続式であれば、アクリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂
がカラムなどに充填されたイオン交換樹脂塔を用い、こ
れにシアン化水素、硫化水素、および溶媒であるイソプ
ロピルアルコールの混合物を通過させることにより反応
させる。そして反応終了後は、反応液中に不活性ガスを
吹き込むなどして未反応の硫化水素とシアン化水素を除
き、触媒を濾別するなどした後、溶媒を分離することに
より目的とするチオホルムアミドを得る。
【0012】本発明の方法に用いられる触媒としてのア
クリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂は、一般市販品で
ある弱塩基性陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA−
35、同IRA−68、同IRA−60E(以上、オル
ガノ社製)、ダイヤイオンWA−10、同WA−11
(以上、三菱化成工業社製)などの商品名で市販されて
いるものが使用できる。これらのうちでも、アンバーラ
イトIRA−68はより好ましく用いることができ、仕
込みシアン化水素に対するチオホルムアミドの収率を高
くできる効果がとりわけ顕著である。本発明の方法で
は、使用する触媒として上記以外のもの、例えばスチレ
ン系のものなどを用いた場合には、得られるチオホルム
アミドの収率が顕著に下がることになり、本発明におけ
る目的を達成することが非常に困難である。
クリル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂は、一般市販品で
ある弱塩基性陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA−
35、同IRA−68、同IRA−60E(以上、オル
ガノ社製)、ダイヤイオンWA−10、同WA−11
(以上、三菱化成工業社製)などの商品名で市販されて
いるものが使用できる。これらのうちでも、アンバーラ
イトIRA−68はより好ましく用いることができ、仕
込みシアン化水素に対するチオホルムアミドの収率を高
くできる効果がとりわけ顕著である。本発明の方法で
は、使用する触媒として上記以外のもの、例えばスチレ
ン系のものなどを用いた場合には、得られるチオホルム
アミドの収率が顕著に下がることになり、本発明におけ
る目的を達成することが非常に困難である。
【0013】本発明の方法において、触媒としてのアク
リル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂の使用量は、仕込み
シアン化水素1モルに対し、イオン交換樹脂の樹脂交換
容量(グラム当量)が10%以上の樹脂量であれば顕著な
効果があり、より経済的にチオホルムアミドを製造する
ことを考慮すると、仕込みシアン化水素1モルに対し10
〜30%の範囲で用いるのがよい。
リル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂の使用量は、仕込み
シアン化水素1モルに対し、イオン交換樹脂の樹脂交換
容量(グラム当量)が10%以上の樹脂量であれば顕著な
効果があり、より経済的にチオホルムアミドを製造する
ことを考慮すると、仕込みシアン化水素1モルに対し10
〜30%の範囲で用いるのがよい。
【0014】また、本発明の方法における反応溶媒とし
ては、イソプロピルアルコールを使用するのが非常に好
ましく、この場合得られるチオホルムアミドの収率を顕
著に大とすることが可能である。これを他のアルコー
ル、例えばメタノール、エタノール、n-プロピルアルコ
ール、またはベンゼンなどのような芳香族炭化水素を使
用した場合には、チオホルムアミドの収率低下が激し
く、やはり本発明の目的を達成し得なくなる点から好ま
しくない。反応溶媒としてのイソプロピルアルコールの
使用量は、シアン化水素1重量部に対し、4〜20重量
部、より好ましくは10〜20重量部の範囲で用いるのがよ
い。
ては、イソプロピルアルコールを使用するのが非常に好
ましく、この場合得られるチオホルムアミドの収率を顕
著に大とすることが可能である。これを他のアルコー
ル、例えばメタノール、エタノール、n-プロピルアルコ
ール、またはベンゼンなどのような芳香族炭化水素を使
用した場合には、チオホルムアミドの収率低下が激し
く、やはり本発明の目的を達成し得なくなる点から好ま
しくない。反応溶媒としてのイソプロピルアルコールの
使用量は、シアン化水素1重量部に対し、4〜20重量
部、より好ましくは10〜20重量部の範囲で用いるのがよ
い。
【0015】本発明の方法において、硫化水素の添加
は、反応液中に吹き込んでもよいし、又は反応液上部の
気相部に添加する方法のいずれであっても構わない。硫
化水素の使用量は、仕込みのシアン化水素に対し等モル
以上であれば副生物の生成は少なく、十分な収率をもっ
てチオホルムアミドを得ることが可能である。しかしな
がら、本発明の目的を達成する上からこの量は、1〜1.
5 モル、より好ましくは1.0〜1.2 モルである。この量
が1モル未満ではシアン化水素に由来する副生物の生成
や生成物の着色の問題が顕著に現れるため好ましくはな
い。また 1.5モルを越えるような比較的大過剰の量を使
用しても、そのようにする効果は見られなく、かえって
反応後における未反応物の回収または除去に手間がかか
ってくるなど、本発明の目的を達しえなくなる点から好
ましくはない。
は、反応液中に吹き込んでもよいし、又は反応液上部の
気相部に添加する方法のいずれであっても構わない。硫
化水素の使用量は、仕込みのシアン化水素に対し等モル
以上であれば副生物の生成は少なく、十分な収率をもっ
てチオホルムアミドを得ることが可能である。しかしな
がら、本発明の目的を達成する上からこの量は、1〜1.
5 モル、より好ましくは1.0〜1.2 モルである。この量
が1モル未満ではシアン化水素に由来する副生物の生成
や生成物の着色の問題が顕著に現れるため好ましくはな
い。また 1.5モルを越えるような比較的大過剰の量を使
用しても、そのようにする効果は見られなく、かえって
反応後における未反応物の回収または除去に手間がかか
ってくるなど、本発明の目的を達しえなくなる点から好
ましくはない。
【0016】本発明の方法において、シアン化水素と硫
化水素とを反応させる際の温度は30〜60℃の範囲で可能
であり、更には、副生物の生成量をとりわけ少なく、し
かも比較的短時間のうちに収率よく目的物を得ることを
考慮すると35〜50℃の温度範囲で反応させるのがより好
ましい。反応温度が30℃未満の場合には、反応の進行が
極端に遅く、チオホルムアミドを収率よく得るのが非常
に困難なため好ましくない。また、60℃を越える反応温
度では、反応時間は短くすることができるが、目的物以
外に副生物も顕著に生成してしまい、結果的にチオホル
ムアミドの収率が低下することになる。しかもこのよう
な温度下では、使用するアクリル系の弱塩基性陰イオン
交換樹脂の種類にもよるが、その劣化が激しくなり始め
るため、好ましくはない。
化水素とを反応させる際の温度は30〜60℃の範囲で可能
であり、更には、副生物の生成量をとりわけ少なく、し
かも比較的短時間のうちに収率よく目的物を得ることを
考慮すると35〜50℃の温度範囲で反応させるのがより好
ましい。反応温度が30℃未満の場合には、反応の進行が
極端に遅く、チオホルムアミドを収率よく得るのが非常
に困難なため好ましくない。また、60℃を越える反応温
度では、反応時間は短くすることができるが、目的物以
外に副生物も顕著に生成してしまい、結果的にチオホル
ムアミドの収率が低下することになる。しかもこのよう
な温度下では、使用するアクリル系の弱塩基性陰イオン
交換樹脂の種類にもよるが、その劣化が激しくなり始め
るため、好ましくはない。
【0017】反応時間は、反応温度及び使用するアクリ
ル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂の量によっても左右さ
れるため一定しないが、通常は3〜24時間の範囲であ
る。すなわち、一例を挙げれば、35〜40℃の反応温度で
かつ上記触媒を仕込みシアン化水素に対し10モル%で行
なう場合には15〜24時間で通常は可能であり、より好ま
しくは17〜22時間の範囲である。また、これを45〜50℃
の範囲で行なう場合は、通常7〜15時間、より好ましく
は8〜10時間の範囲である。
ル系の弱塩基性陰イオン交換樹脂の量によっても左右さ
れるため一定しないが、通常は3〜24時間の範囲であ
る。すなわち、一例を挙げれば、35〜40℃の反応温度で
かつ上記触媒を仕込みシアン化水素に対し10モル%で行
なう場合には15〜24時間で通常は可能であり、より好ま
しくは17〜22時間の範囲である。また、これを45〜50℃
の範囲で行なう場合は、通常7〜15時間、より好ましく
は8〜10時間の範囲である。
【0018】また、上記した35〜40℃の温度条件におい
て、触媒量を30モル%で行なう場合の好ましい反応時間
は通常10〜18時間、より好ましくは12〜15時間の範囲で
ある。更にこの触媒量下において45〜50℃の範囲で行な
う場合は通常3〜10時間、より好ましくは4〜8時間の
範囲である。また、本発明の方法では、上記した量以上
に触媒を使用すれば、更に短時間のうちにチオホルムア
ミドを得ることが可能となるが、触媒にかかるコストの
割合が大きくなることからあまり好ましくはない。
て、触媒量を30モル%で行なう場合の好ましい反応時間
は通常10〜18時間、より好ましくは12〜15時間の範囲で
ある。更にこの触媒量下において45〜50℃の範囲で行な
う場合は通常3〜10時間、より好ましくは4〜8時間の
範囲である。また、本発明の方法では、上記した量以上
に触媒を使用すれば、更に短時間のうちにチオホルムア
ミドを得ることが可能となるが、触媒にかかるコストの
割合が大きくなることからあまり好ましくはない。
【0019】本発明の方法を用いるチオホルムアミドの
製造は、回分式のみならず、例えば前記に示したよう
に、連続式でも十分に行なうことが可能である。
製造は、回分式のみならず、例えば前記に示したよう
に、連続式でも十分に行なうことが可能である。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。以下において、溶液中の成分分析は高速液体クロ
マトグラフィー及びイオンクロマトグラフィーにより測
定したものである。
する。以下において、溶液中の成分分析は高速液体クロ
マトグラフィー及びイオンクロマトグラフィーにより測
定したものである。
【0021】実施例1 容量 200mlのオートクレーブに反応溶媒であるイソプロ
ピルアルコール 100ml、及び触媒として、アクリル系の
弱塩基性陰イオン交換樹脂であるアンバーライトIRA-68
(商品名;オルガノ社製)13.5ml(反応に使用するシア
ン化水素に対し10モル%)を仕込み、気相部を窒素置換
した。これにシアン化水素 5.6g( 0.207モル)を仕込
んだ後、密閉下で50℃に昇温し、攪拌しながら硫化水素
7.1g(0.207モル)を圧入添加した。圧力は約7kg・G
/cm2 であった。これを50℃に保持したまま9時間反応
させた。反応後は、反応液を室温まで冷却し、圧力を常
圧とした後、反応液中に窒素を吹き込み、未反応の硫化
水素及びシアン化水素を分離した。次いで反応液中より
触媒を濾別し、その触媒をイソプロピルアルコール100m
lで洗浄しチオホルムアミドを回収した。回収されたチ
オホルムアミドは0.72g( 0.012モル)であった。ま
た、触媒が分離された反応液中にはチオホルムアミドが
10.99g( 0.180モル)が含まれていた。したがって、
チオホルムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素基準
で92.6モル%であった。
ピルアルコール 100ml、及び触媒として、アクリル系の
弱塩基性陰イオン交換樹脂であるアンバーライトIRA-68
(商品名;オルガノ社製)13.5ml(反応に使用するシア
ン化水素に対し10モル%)を仕込み、気相部を窒素置換
した。これにシアン化水素 5.6g( 0.207モル)を仕込
んだ後、密閉下で50℃に昇温し、攪拌しながら硫化水素
7.1g(0.207モル)を圧入添加した。圧力は約7kg・G
/cm2 であった。これを50℃に保持したまま9時間反応
させた。反応後は、反応液を室温まで冷却し、圧力を常
圧とした後、反応液中に窒素を吹き込み、未反応の硫化
水素及びシアン化水素を分離した。次いで反応液中より
触媒を濾別し、その触媒をイソプロピルアルコール100m
lで洗浄しチオホルムアミドを回収した。回収されたチ
オホルムアミドは0.72g( 0.012モル)であった。ま
た、触媒が分離された反応液中にはチオホルムアミドが
10.99g( 0.180モル)が含まれていた。したがって、
チオホルムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素基準
で92.6モル%であった。
【0022】実施例2 実施例1において、圧入添加した硫化水素の量を 8.5g
( 0.248モル)として行なったほかは全て実施例1と同
様に操作した。その結果、チオホルムアミドの収率は、
仕込みのシアン化水素基準で93.8モル%であった。
( 0.248モル)として行なったほかは全て実施例1と同
様に操作した。その結果、チオホルムアミドの収率は、
仕込みのシアン化水素基準で93.8モル%であった。
【0023】実施例3 実施例1において、反応時の温度を35℃とし、24時間反
応させたほかは全て実施例1と同様に操作した。その結
果、チオホルムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素
基準で91.2モル%であった。
応させたほかは全て実施例1と同様に操作した。その結
果、チオホルムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素
基準で91.2モル%であった。
【0024】実施例4 実施例1において、触媒の種類を、アクリル系の弱塩基
性陰イオン交換樹脂であるダイヤイオン WA-10(商品
名;三菱化成工業社製)に代え、これを仕込みシアン化
水素に対し10モル%使用したほかは全て実施例1と同様
に操作した。その結果、チオホルムアミドの収率は、仕
込みのシアン化水素基準で88.5モル%であった。
性陰イオン交換樹脂であるダイヤイオン WA-10(商品
名;三菱化成工業社製)に代え、これを仕込みシアン化
水素に対し10モル%使用したほかは全て実施例1と同様
に操作した。その結果、チオホルムアミドの収率は、仕
込みのシアン化水素基準で88.5モル%であった。
【0025】比較例1 実施例1において、反応溶媒をイソプロピルアルコール
に代えてメタノールを使用し、行なったほかは全て実施
例1と同様に操作した。その結果、チオホルムアミドの
収率は、仕込みのシアン化水素基準で61.8モル%であっ
た。
に代えてメタノールを使用し、行なったほかは全て実施
例1と同様に操作した。その結果、チオホルムアミドの
収率は、仕込みのシアン化水素基準で61.8モル%であっ
た。
【0026】比較例2 実施例1において、触媒をスチレン系の弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂であるアンバーライト IRA-94S(商品名;オ
ルガノ社製)に代え、これを仕込みシアン化水素に対し
10モル%使用したほかは全て実施例1と同様に操作し
た。その結果、チオホルムアミドの収率は、仕込みのシ
アン化水素基準で66.4モル%であった。
ン交換樹脂であるアンバーライト IRA-94S(商品名;オ
ルガノ社製)に代え、これを仕込みシアン化水素に対し
10モル%使用したほかは全て実施例1と同様に操作し
た。その結果、チオホルムアミドの収率は、仕込みのシ
アン化水素基準で66.4モル%であった。
【0027】比較例3 実施例1において、反応時の温度を65℃として行なった
ほかは全て実施例1と同様に操作した。その結果、チオ
ホルムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素基準で7
7.9モル%であった。
ほかは全て実施例1と同様に操作した。その結果、チオ
ホルムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素基準で7
7.9モル%であった。
【0028】比較例4 実施例1において、反応時の温度を25℃とし、24時間反
応させたほかは全て実施例1と同様に操作した。その結
果、チオホルムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素
基準で61.1モル%であった。
応させたほかは全て実施例1と同様に操作した。その結
果、チオホルムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素
基準で61.1モル%であった。
【0029】比較例5 実施例1において、反応溶媒をイソプロピルアルコール
に代えてn-プロピルアルコールを使用し、行なったほか
は全て実施例1と同様に操作した。その結果、チオホル
ムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素基準で78.4モ
ル%であった。
に代えてn-プロピルアルコールを使用し、行なったほか
は全て実施例1と同様に操作した。その結果、チオホル
ムアミドの収率は、仕込みのシアン化水素基準で78.4モ
ル%であった。
【0030】比較例6 実施例1において、反応溶媒をイソプロピルアルコール
に代えてベンゼンを使用し、行なったほかは全て実施例
1と同様に操作した。その結果、チオホルムアミドの収
率は、仕込みのシアン化水素基準で55.1モル%であっ
た。
に代えてベンゼンを使用し、行なったほかは全て実施例
1と同様に操作した。その結果、チオホルムアミドの収
率は、仕込みのシアン化水素基準で55.1モル%であっ
た。
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によるチオホルムアミドの
製造によれば、仕込みのシアン化水素に対するチオホル
ムアミドの収率を非常に高くすることが可能であり、副
生物の生成も少ない。さらには、例え、使用する硫化水
素の量が仕込みのシアン化水素に対して等モルであって
も十分な収率を得ることができる。そのため、反応後に
おける反応液中の未反応物はわずかであり、未反応物を
除去する操作も非常に容易とすることができ、このため
の除去設備及び排水処理などにかかるコストも、従来知
られていた製造方法に比し格段に縮小することが可能で
ある。
製造によれば、仕込みのシアン化水素に対するチオホル
ムアミドの収率を非常に高くすることが可能であり、副
生物の生成も少ない。さらには、例え、使用する硫化水
素の量が仕込みのシアン化水素に対して等モルであって
も十分な収率を得ることができる。そのため、反応後に
おける反応液中の未反応物はわずかであり、未反応物を
除去する操作も非常に容易とすることができ、このため
の除去設備及び排水処理などにかかるコストも、従来知
られていた製造方法に比し格段に縮小することが可能で
ある。
【0032】また、本発明の方法では、使用する反応溶
媒の種類、使用する触媒、および反応時の温度を、それ
ぞれ特定のものにまたは特定の範囲下で反応させる、と
したことにより、従来例に見られるような途中で反応を
止める操作を不要とした点についても大きな特徴があ
る。したがって、シアン化水素と硫化水素を反応させ、
工業的にチオホルムアミドを製造する際には、本発明の
方法を好適に用いることができる。
媒の種類、使用する触媒、および反応時の温度を、それ
ぞれ特定のものにまたは特定の範囲下で反応させる、と
したことにより、従来例に見られるような途中で反応を
止める操作を不要とした点についても大きな特徴があ
る。したがって、シアン化水素と硫化水素を反応させ、
工業的にチオホルムアミドを製造する際には、本発明の
方法を好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾形 英昭 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 尾留川 淳 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 鈴木 博之 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 シアン化水素と硫化水素とを反応させて
チオホルムアミドを製造するに際し、反応溶媒としてイ
ソプロピルアルコールを用い、アクリル系の弱塩基性陰
イオン交換樹脂の存在下で30〜60℃の温度で反応させる
ことを特徴とするチオホルムアミドの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6301998A JPH08157449A (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | チオホルムアミドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6301998A JPH08157449A (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | チオホルムアミドの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08157449A true JPH08157449A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17903657
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6301998A Pending JPH08157449A (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | チオホルムアミドの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08157449A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2025179095A1 (en) * | 2024-02-22 | 2025-08-28 | The Penn State Research Foundation | Thiol-catalyzed synthesis of thioamides |
-
1994
- 1994-12-06 JP JP6301998A patent/JPH08157449A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2025179095A1 (en) * | 2024-02-22 | 2025-08-28 | The Penn State Research Foundation | Thiol-catalyzed synthesis of thioamides |
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