JPH08158017A - 歯切用刃物の製造方法 - Google Patents
歯切用刃物の製造方法Info
- Publication number
- JPH08158017A JPH08158017A JP29442594A JP29442594A JPH08158017A JP H08158017 A JPH08158017 A JP H08158017A JP 29442594 A JP29442594 A JP 29442594A JP 29442594 A JP29442594 A JP 29442594A JP H08158017 A JPH08158017 A JP H08158017A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- steel
- cutting
- cutting blade
- tooth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Gear Processing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 鍛練材に匹敵する靭性を有し優れた工具寿命
を有する歯切用刃物を鋳造品によって製造する方法を提
供する。 【構成】 鋼溶湯を、該鋼溶湯の融点以上20〜60℃
の温度よりロストワックス鋳型に鋳造して製造する歯切
用刃物であって、該歯切用刃物の合金元素の含有率が、
質量%でC:0.70〜2.00%、Si:3.00%
以下、Mn:1.50%以下、Cr:3.0〜6.0
%、Mo:13.5%以下、W:27.0%以下、V:
6.0%以下、N:0.025%以上、ただしW+2M
o:14.0〜27.0%であり、残部Feおよび不可
避的不純物からなることを特徴とする。その他Co:1
3.0%以下、Al:1.0%以下、Nb:1.0%以
下、Ti:1.0%以下、S :0.30%以下、P
b:0.40%以下、Te:0.15%以下、Ca:
0.01%以下、希土類元素:0.60%以下を含有す
ることができる。
を有する歯切用刃物を鋳造品によって製造する方法を提
供する。 【構成】 鋼溶湯を、該鋼溶湯の融点以上20〜60℃
の温度よりロストワックス鋳型に鋳造して製造する歯切
用刃物であって、該歯切用刃物の合金元素の含有率が、
質量%でC:0.70〜2.00%、Si:3.00%
以下、Mn:1.50%以下、Cr:3.0〜6.0
%、Mo:13.5%以下、W:27.0%以下、V:
6.0%以下、N:0.025%以上、ただしW+2M
o:14.0〜27.0%であり、残部Feおよび不可
避的不純物からなることを特徴とする。その他Co:1
3.0%以下、Al:1.0%以下、Nb:1.0%以
下、Ti:1.0%以下、S :0.30%以下、P
b:0.40%以下、Te:0.15%以下、Ca:
0.01%以下、希土類元素:0.60%以下を含有す
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一体型および組立型の
ホブカッター、スパイラルベベルギアカッター等の歯切
用刃物の製造方法に関する。
ホブカッター、スパイラルベベルギアカッター等の歯切
用刃物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】歯車の歯型切削用工具には高い硬度と耐
摩耗性と共に靭性が要求される。そのため歯型切削用工
具の材料としては、従来おもに高速度鋼鍛練材が用いら
れている。すなわち所要の化学組成に調整した高速度鋼
の溶鋼を鋳型に鋳造して鋼塊とし、これに熱間鍛造、熱
間圧延などの熱間加工を施して棒材とする。これによっ
て鋼を鍛練し組織を微細化して鋼の靭性を向上させる。
この棒材から切削加工によって歯切用刃物の形状を削出
し、焼入れ焼もどし、刃先加工を行い、組立型ホブカッ
ターの場合には組立工程を経て歯切用刃物を製造する。
摩耗性と共に靭性が要求される。そのため歯型切削用工
具の材料としては、従来おもに高速度鋼鍛練材が用いら
れている。すなわち所要の化学組成に調整した高速度鋼
の溶鋼を鋳型に鋳造して鋼塊とし、これに熱間鍛造、熱
間圧延などの熱間加工を施して棒材とする。これによっ
て鋼を鍛練し組織を微細化して鋼の靭性を向上させる。
この棒材から切削加工によって歯切用刃物の形状を削出
し、焼入れ焼もどし、刃先加工を行い、組立型ホブカッ
ターの場合には組立工程を経て歯切用刃物を製造する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の鋼塊形成過程に
おいて大型の鋼塊を用いると、成分偏析を生じたり晶出
炭化物が大きく成長して鋼の靭性を損ねたりするなどの
不都合を生じるおそれがある。そこで、ガス噴霧法など
によって溶鋼から高速度鋼粉末を製造し、高温等圧プレ
ス(HIP)を用いるなどして前記高速度鋼粉末を焼
結、固化して鋼塊を形成することが行われている。これ
を熱間加工して棒材とする。
おいて大型の鋼塊を用いると、成分偏析を生じたり晶出
炭化物が大きく成長して鋼の靭性を損ねたりするなどの
不都合を生じるおそれがある。そこで、ガス噴霧法など
によって溶鋼から高速度鋼粉末を製造し、高温等圧プレ
ス(HIP)を用いるなどして前記高速度鋼粉末を焼
結、固化して鋼塊を形成することが行われている。これ
を熱間加工して棒材とする。
【0004】上述のように歯切用刃物は鍛練材から切削
加工によって製造するので、高価な鋼材を用いながらも
材料歩留が悪く、切削費用が嵩み、またカッター製造に
長期間を要するという経済上の大きな問題があった。歯
切用刃物形状に近い形状に高速度鋼の溶鋼を鋳造してこ
れを素材とすれば、切削加工量を低減することができる
ので、上述の材料歩留、切削費用、製造期間などの諸問
題の解決に有効である。しかし、鋳造品は金属組織が粗
くて鋼の靭性が低いという問題があるため、従来鋳造品
は歯切用刃物などの靭性を要する工具用の素材としては
用いられなかった。
加工によって製造するので、高価な鋼材を用いながらも
材料歩留が悪く、切削費用が嵩み、またカッター製造に
長期間を要するという経済上の大きな問題があった。歯
切用刃物形状に近い形状に高速度鋼の溶鋼を鋳造してこ
れを素材とすれば、切削加工量を低減することができる
ので、上述の材料歩留、切削費用、製造期間などの諸問
題の解決に有効である。しかし、鋳造品は金属組織が粗
くて鋼の靭性が低いという問題があるため、従来鋳造品
は歯切用刃物などの靭性を要する工具用の素材としては
用いられなかった。
【0005】本発明は上記のような技術の現状を背景と
してなされたもので、その目的とするところは、鍛練材
に匹敵する靭性を有し優れた工具寿命を有する歯切用刃
物を鋳造品によって製造する方法を提供することにあ
る。
してなされたもので、その目的とするところは、鍛練材
に匹敵する靭性を有し優れた工具寿命を有する歯切用刃
物を鋳造品によって製造する方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の歯切用刃物の製
造方法は、鋼溶湯を、該鋼溶湯の融点以上20〜60℃
の温度よりロストワックス鋳型に鋳造して製造する歯切
用刃物であって、 (1)該歯切用刃物の合金元素の含有率が、質量%で C :0.70〜2.00%、Si:3.00%以下、
Mn:1.50%以下、Cr:3.0〜6.0%、M
o:13.5%以下、W :27.0%以下、V :
6.0%以下、N :0.025%以上、ただしW+2
Mo:14.0〜27.0%であり、残部Feおよび不
可避的不純物からなることを特徴とする。
造方法は、鋼溶湯を、該鋼溶湯の融点以上20〜60℃
の温度よりロストワックス鋳型に鋳造して製造する歯切
用刃物であって、 (1)該歯切用刃物の合金元素の含有率が、質量%で C :0.70〜2.00%、Si:3.00%以下、
Mn:1.50%以下、Cr:3.0〜6.0%、M
o:13.5%以下、W :27.0%以下、V :
6.0%以下、N :0.025%以上、ただしW+2
Mo:14.0〜27.0%であり、残部Feおよび不
可避的不純物からなることを特徴とする。
【0007】(2)前記(1)の合金元素に加えて、質
量%で Co:13.0%以下 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなること
を特徴とする。 (3)前記(1)または(2)のいずれか1項記載の合
金元素に加えて、質量%でAl:1.0%以下、Nb:
1.0%以下、Ti:1.0%以下のいずれか1種また
は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物か
らなることを特徴とする。
量%で Co:13.0%以下 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなること
を特徴とする。 (3)前記(1)または(2)のいずれか1項記載の合
金元素に加えて、質量%でAl:1.0%以下、Nb:
1.0%以下、Ti:1.0%以下のいずれか1種また
は2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物か
らなることを特徴とする。
【0008】(4)前記(1)、(2)または(3)の
いずれか1項記載の合金元素に加えて、質量%でS :
0.30%以下、Pb:0.40%以下、Te:0.1
5%以下、Ca:0.01%以下のいずれか1種または
2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物から
なることを特徴とする。
いずれか1項記載の合金元素に加えて、質量%でS :
0.30%以下、Pb:0.40%以下、Te:0.1
5%以下、Ca:0.01%以下のいずれか1種または
2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物から
なることを特徴とする。
【0009】(5)前記(1)、(2)、(3)または
(4)のいずれか1項記載の合金元素に加えて、質量%
で希土類元素:0.60%以下を含有し、残部Feおよ
び不可避的不純物からなることを特徴とする。
(4)のいずれか1項記載の合金元素に加えて、質量%
で希土類元素:0.60%以下を含有し、残部Feおよ
び不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0010】
【作用】以下に、本発明の歯切用刃物の製造法における
歯切用刃物が含有する合金元素の含有率の限定理由につ
いて説明する。 C:0.70〜2.00% Cは、同時に含有するCr、W、Mo、Vと炭化物を形
成し晶出、析出すること、およびマトリックスに固溶す
ることによって鋼の硬さを高めるために必須の元素であ
る。歯切用刃物として必要な高硬度を得るためには0.
7%以上のCが必要である。しかし過度にCを含有する
と鋼の靭性を害するのでC含有率の上限を2.00%と
する。
歯切用刃物が含有する合金元素の含有率の限定理由につ
いて説明する。 C:0.70〜2.00% Cは、同時に含有するCr、W、Mo、Vと炭化物を形
成し晶出、析出すること、およびマトリックスに固溶す
ることによって鋼の硬さを高めるために必須の元素であ
る。歯切用刃物として必要な高硬度を得るためには0.
7%以上のCが必要である。しかし過度にCを含有する
と鋼の靭性を害するのでC含有率の上限を2.00%と
する。
【0011】Si:3.00%以下 Siは鋼を脱酸するために添加する。またSiは、鋼マ
トリックスに固溶してその硬さを高める効果をもつ。し
かし過度に添加すると鋼の靭性を損うのでSi含有率の
上限を3.00%とする。 Mn:1.50%以下 Mnは鋼を脱酸するために添加する。またMnは鋼の焼
入れ性を増し、耐摩耗性を高める。しかし過度に添加す
ると、熱処理時に焼割れを生じたり多量の残留オーステ
ナイトを生成して鋼を脆化したりするのでMn含有率の
上限を1.50%とする。
トリックスに固溶してその硬さを高める効果をもつ。し
かし過度に添加すると鋼の靭性を損うのでSi含有率の
上限を3.00%とする。 Mn:1.50%以下 Mnは鋼を脱酸するために添加する。またMnは鋼の焼
入れ性を増し、耐摩耗性を高める。しかし過度に添加す
ると、熱処理時に焼割れを生じたり多量の残留オーステ
ナイトを生成して鋼を脆化したりするのでMn含有率の
上限を1.50%とする。
【0012】Cr:3.0〜6.0% Crは鋼の焼もどし時に炭化物として析出して鋼の硬さ
を高めるために添加する。またCrは鋼の焼入れ性を向
上し鋼の硬さを高めることにも寄与する。歯切用刃物と
して必要な高硬度を得るためにはCr含有率3.0%以
上が必要である。しかし過度に添加するとCrを主体と
するM23C6 炭化物の析出量が増加し、鋼の靭性を低下
するのでCr含有率の上限を6.0%とする。
を高めるために添加する。またCrは鋼の焼入れ性を向
上し鋼の硬さを高めることにも寄与する。歯切用刃物と
して必要な高硬度を得るためにはCr含有率3.0%以
上が必要である。しかし過度に添加するとCrを主体と
するM23C6 炭化物の析出量が増加し、鋼の靭性を低下
するのでCr含有率の上限を6.0%とする。
【0013】Mo:13.5%以下、W:27.0%以
下、ただしW+2Mo:14.0〜27.0% MoおよびWは、いずれも鋼の焼もどし時にM6 C型炭
化物として析出し、鋼の硬さを高めるために添加する。
鋼の鋳造時にM2 C型の炭化物をネット状に晶出し、鋼
の硬さを増加し耐摩耗性を向上する。歯切用刃物として
必要な高硬度を得るためには(W+2Mo)として1
4.0%以上を含有することが必要である。しかし過度
に添加すれば粗大なM2 C炭化物の生成量を増加して鋼
の靭性が低下するので、WおよびMoの含有率は、単独
ではそれぞれW:27.0%、Mo:13.5%を上限
とする。また(W+2Mo)として27.0%の含有を
上限とする。
下、ただしW+2Mo:14.0〜27.0% MoおよびWは、いずれも鋼の焼もどし時にM6 C型炭
化物として析出し、鋼の硬さを高めるために添加する。
鋼の鋳造時にM2 C型の炭化物をネット状に晶出し、鋼
の硬さを増加し耐摩耗性を向上する。歯切用刃物として
必要な高硬度を得るためには(W+2Mo)として1
4.0%以上を含有することが必要である。しかし過度
に添加すれば粗大なM2 C炭化物の生成量を増加して鋼
の靭性が低下するので、WおよびMoの含有率は、単独
ではそれぞれW:27.0%、Mo:13.5%を上限
とする。また(W+2Mo)として27.0%の含有を
上限とする。
【0014】V:6.0%以下 Vは、鋼中においてMC型炭化物として析出して鋼の硬
さを高める。しかし過度に添加するとMC型炭化物の量
が増大し、鋼の靭性が低下するのでV含有率の上限を
6.0%とする。 N:0.025%以上 Nは鋼の鋳造時に晶出するネット状炭化物の晶出間隔を
低減し、鋼の靭性を向上する効果を有する。
さを高める。しかし過度に添加するとMC型炭化物の量
が増大し、鋼の靭性が低下するのでV含有率の上限を
6.0%とする。 N:0.025%以上 Nは鋼の鋳造時に晶出するネット状炭化物の晶出間隔を
低減し、鋼の靭性を向上する効果を有する。
【0015】鍛練材においては鋼の鋳造時にネット状に
晶出した炭化物は鍛練によって分散し微細化される。こ
れによって鋼の靭性が向上される。しかし本発明におけ
るように鋳造材を使用する場合には、ネット状炭化物の
晶出状態は改変されることがないので、鋳造時における
ネット状炭化物の晶出状況によって鋼の靭性が大きく影
響される。
晶出した炭化物は鍛練によって分散し微細化される。こ
れによって鋼の靭性が向上される。しかし本発明におけ
るように鋳造材を使用する場合には、ネット状炭化物の
晶出状態は改変されることがないので、鋳造時における
ネット状炭化物の晶出状況によって鋼の靭性が大きく影
響される。
【0016】前述のNの効果によって、鋳造材において
鍛造材と同等の靭性を得るためにはN含有率0.025
%以上が必要である。なお、N添加量が過度になると鋳
造品にブローホールなどの鋳造欠陥を生じる恐れがある
ので、N含有率は0.1%以下とするのが好ましい。 Co:13.0%以下 Coは、鋼マトリックスに固溶することと、マトリック
スに対するCの溶解度を高めることとにより鋼の硬さを
高める効果を有する。またCoは鋼の焼もどし軟化抵抗
を増加する。高硬度の歯切用刃物が必要な場合や刃先の
温度が異常に高温となる場合に添加する。しかし、過度
に添加してもその効果が飽和し、徒にコストを高めるの
みなのでCoの含有率は13.0%を上限とする。
鍛造材と同等の靭性を得るためにはN含有率0.025
%以上が必要である。なお、N添加量が過度になると鋳
造品にブローホールなどの鋳造欠陥を生じる恐れがある
ので、N含有率は0.1%以下とするのが好ましい。 Co:13.0%以下 Coは、鋼マトリックスに固溶することと、マトリック
スに対するCの溶解度を高めることとにより鋼の硬さを
高める効果を有する。またCoは鋼の焼もどし軟化抵抗
を増加する。高硬度の歯切用刃物が必要な場合や刃先の
温度が異常に高温となる場合に添加する。しかし、過度
に添加してもその効果が飽和し、徒にコストを高めるの
みなのでCoの含有率は13.0%を上限とする。
【0017】Al:1.0%以下、Nb:1.0%以
下、Ti:1.0%以下 Alは鋼マトリックス中に窒化物として析出し、またN
bおよびTiは炭化物あるいは炭窒化物として鋼マトリ
ックス中に微細に析出し、いずれも鋼の焼入れ時におけ
る結晶粒の粗大化を防止する効果を有する。これによっ
て鋼の靭性の劣化を阻止するので、特に靭性を要する場
合に添加してもよい。しかし、過度に添加してもその効
果が飽和し、徒にコストを高めるのみなのでAl、N
b、Tiのいずれも含有率の上限を1.0%とする。
下、Ti:1.0%以下 Alは鋼マトリックス中に窒化物として析出し、またN
bおよびTiは炭化物あるいは炭窒化物として鋼マトリ
ックス中に微細に析出し、いずれも鋼の焼入れ時におけ
る結晶粒の粗大化を防止する効果を有する。これによっ
て鋼の靭性の劣化を阻止するので、特に靭性を要する場
合に添加してもよい。しかし、過度に添加してもその効
果が飽和し、徒にコストを高めるのみなのでAl、N
b、Tiのいずれも含有率の上限を1.0%とする。
【0018】S:0.30%以下、Pb:0.40%以
下、Te:0.15%以下、Ca:0.01%以下 S、Pb、TeおよびCaはいずれも鋼の被削性を向上
するのに効果がある。鋳造後の切削加工量が多い場合は
添加してもよい。S、Pb、TeおよびCaはいずれも
過度に添加すると鋼の靭性を損うので、含有率の上限を
それぞれS:0.30%、Pb:0.40%、Te:
0.15%、Ca:0.01%とする。
下、Te:0.15%以下、Ca:0.01%以下 S、Pb、TeおよびCaはいずれも鋼の被削性を向上
するのに効果がある。鋳造後の切削加工量が多い場合は
添加してもよい。S、Pb、TeおよびCaはいずれも
過度に添加すると鋼の靭性を損うので、含有率の上限を
それぞれS:0.30%、Pb:0.40%、Te:
0.15%、Ca:0.01%とする。
【0019】希土類元素:0.60%以下 希土類元素は、MC型炭化物の晶出温度範囲を狭めるこ
とにより、鋳造時に晶出するネット状炭化物を微細化
し、鋼の抗折力を向上する効果を有する。しかし、過度
に添加してもその効果が飽和し、徒にコストを高めるの
みなので含有率の上限を0.60%とする。
とにより、鋳造時に晶出するネット状炭化物を微細化
し、鋼の抗折力を向上する効果を有する。しかし、過度
に添加してもその効果が飽和し、徒にコストを高めるの
みなので含有率の上限を0.60%とする。
【0020】鋼溶湯をロストワックス鋳型に鋳造し、刃
切用刃物の完成形状に近い鋳造品とする。組立ホブなど
の組立品においては組立部品形状に近い鋳造品とする。
これによって完成形状に仕上げる切削または研削の加工
費を低減することができる。鋳造温度の上限は鋼溶湯の
融点以上60℃とする。これによって炭化物の晶出間隔
が低減し、鋼の靱性が向上する。しかし、鋳造温度が低
すぎると湯流れが悪くなり、形状不良や内部欠陥を生じ
たりする恐れがあるので、鋳造温度の下限は鋼溶湯の融
点以上20℃とする。
切用刃物の完成形状に近い鋳造品とする。組立ホブなど
の組立品においては組立部品形状に近い鋳造品とする。
これによって完成形状に仕上げる切削または研削の加工
費を低減することができる。鋳造温度の上限は鋼溶湯の
融点以上60℃とする。これによって炭化物の晶出間隔
が低減し、鋼の靱性が向上する。しかし、鋳造温度が低
すぎると湯流れが悪くなり、形状不良や内部欠陥を生じ
たりする恐れがあるので、鋳造温度の下限は鋼溶湯の融
点以上20℃とする。
【0021】
【実施例】減圧吸引鋳造法によって、ロストワックス鋳
型に溶鋼を鋳造して、表1に示す化学組成を有する歯切
り用ホブ鋳造品を得た。鋳造温度と鋼の融点との差を過
熱温度として表1に示す。前記鋳造品を870℃で1h
r加熱後、15℃/hrの冷却速度で徐冷して焼なまし
した。焼なましした前記鋳造品の刃先部を切削加工して
モジュール0.5の歯切り用ホブを製作した。これを表
2に示す焼入れ条件、焼もどし条件で熱処理し、刃先を
研削加工して工具寿命試験用試験体とする。
型に溶鋼を鋳造して、表1に示す化学組成を有する歯切
り用ホブ鋳造品を得た。鋳造温度と鋼の融点との差を過
熱温度として表1に示す。前記鋳造品を870℃で1h
r加熱後、15℃/hrの冷却速度で徐冷して焼なまし
した。焼なましした前記鋳造品の刃先部を切削加工して
モジュール0.5の歯切り用ホブを製作した。これを表
2に示す焼入れ条件、焼もどし条件で熱処理し、刃先を
研削加工して工具寿命試験用試験体とする。
【0022】前記熱処理した試験体から組織観察用試験
片および抗折試験片を切出した。
片および抗折試験片を切出した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】前記工具寿命試験用試験体によってS45
C焼ならし材丸棒に歯切り加工を施し、切削不能となる
までの丸棒加工本数によって工具寿命を測定した。ま
た、比較材として鍛練材から前記工具寿命試験用試験体
と同形の歯切り用ホブを切出して工具寿命を測定した。
鍛練材の工具寿命を100として各試験体の工具寿命指
数を求めた。
C焼ならし材丸棒に歯切り加工を施し、切削不能となる
までの丸棒加工本数によって工具寿命を測定した。ま
た、比較材として鍛練材から前記工具寿命試験用試験体
と同形の歯切り用ホブを切出して工具寿命を測定した。
鍛練材の工具寿命を100として各試験体の工具寿命指
数を求めた。
【0026】組織観察用試験片について試験体の刃先部
のネット状一次炭化物を検出し、切断法によって炭化物
晶出間隔を測定した。幅5mm×高さ3mm×長さ30
mmの抗折試験片を用い、支点間距離20mmとして3
点曲げ試験を行って抗折力を測定した。また抗折試験片
について硬さを測定した。
のネット状一次炭化物を検出し、切断法によって炭化物
晶出間隔を測定した。幅5mm×高さ3mm×長さ30
mmの抗折試験片を用い、支点間距離20mmとして3
点曲げ試験を行って抗折力を測定した。また抗折試験片
について硬さを測定した。
【0027】炭化物晶出間隔、硬さ、抗折力および工具
寿命の測定結果を表2に示す。表2より明らかなよう
に、本発明の実施例はいずれも抗折力が高く、また工具
寿命指数も鍛練材に匹敵する高い値を示すことが判る。
寿命の測定結果を表2に示す。表2より明らかなよう
に、本発明の実施例はいずれも抗折力が高く、また工具
寿命指数も鍛練材に匹敵する高い値を示すことが判る。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明の歯切用刃物の製
造方法によれば、鋳造品によって鍛練材と同等の工具寿
命を有する歯切用刃物が得られる。鋳造によって歯切用
刃物完成品に近い形状に成形されるので、素材から歯切
用刃物完成品に仕上げる加工の手間が省かれ、材料の歩
留りが向上するなどの大きな経済的効果を得ることがで
きる。また、本製造方法によれば、エンドミル等の切削
用途においても高性能を発揮する。
造方法によれば、鋳造品によって鍛練材と同等の工具寿
命を有する歯切用刃物が得られる。鋳造によって歯切用
刃物完成品に近い形状に成形されるので、素材から歯切
用刃物完成品に仕上げる加工の手間が省かれ、材料の歩
留りが向上するなどの大きな経済的効果を得ることがで
きる。また、本製造方法によれば、エンドミル等の切削
用途においても高性能を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/60
Claims (5)
- 【請求項1】 鋼溶湯を、該鋼溶湯の融点以上20〜6
0℃の温度よりロストワックス鋳型に鋳造して製造する
歯切用刃物であって、該歯切用刃物の合金元素の含有率
が、質量%で C :0.70〜2.00%、 Si:3.00%以下、 Mn:1.50%以下、 Cr:3.0〜6.0%、 Mo:13.5%以下、 W :27.0%以下、 V :6.0%以下、 N :0.025%以上、 ただしW+2Mo:14.0〜27.0%であり、 残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とす
る歯切用刃物の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の合金元素に加えて、質量
%で Co:13.0%以下 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなること
を特徴とする請求項1記載の歯切用刃物の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2のいずれか1項
記載の合金元素に加えて、質量%で Al:1.0%以下、 Nb:1.0%以下、 Ti:1.0%以下 のいずれか1種または2種以上を含有し、残部Feおよ
び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2のいずれか1項記載の歯切用刃物の製造方
法。 - 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3のい
ずれか1項記載の合金元素に加えて、質量%で S :0.30%以下、 Pb:0.40%以下 Te:0.15%以下、 Ca:0.01%以下 のいずれか1種または2種以上を含有し、残部Feおよ
び不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1、
請求項2または請求項3のいずれか1項記載の歯切用刃
物の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請
求項4のいずれか1項記載の合金元素に加えて、質量%
で 希土類元素:0.60%以下 を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなること
を特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求
項4のいずれか1項記載の歯切用刃物の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29442594A JPH08158017A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 歯切用刃物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29442594A JPH08158017A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 歯切用刃物の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08158017A true JPH08158017A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17807602
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29442594A Pending JPH08158017A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 歯切用刃物の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08158017A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1493833A1 (de) * | 2003-06-23 | 2005-01-05 | Böhler Bleche GmbH | Stahl für spanabhebende Werkzeuge |
| CN103667932A (zh) * | 2012-09-20 | 2014-03-26 | 日立金属株式会社 | 高速工具钢、刀刃用材料及切割工具、以及刀刃用材料的制造方法 |
| CN109112265A (zh) * | 2018-11-14 | 2019-01-01 | 江苏万达新能源科技股份有限公司 | 一种用于锂电池分切机的高速钢 |
| KR20200054642A (ko) * | 2018-11-12 | 2020-05-20 | 나이프코리아 주식회사 | 나이프의 인서트 주조방법 |
-
1994
- 1994-11-29 JP JP29442594A patent/JPH08158017A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1493833A1 (de) * | 2003-06-23 | 2005-01-05 | Böhler Bleche GmbH | Stahl für spanabhebende Werkzeuge |
| CN103667932A (zh) * | 2012-09-20 | 2014-03-26 | 日立金属株式会社 | 高速工具钢、刀刃用材料及切割工具、以及刀刃用材料的制造方法 |
| US9273384B2 (en) | 2012-09-20 | 2016-03-01 | Hitachi Metals, Ltd. | High speed tool steel, material for blade edge, cutting tool, and manufacturing method of material for blade edge |
| KR20200054642A (ko) * | 2018-11-12 | 2020-05-20 | 나이프코리아 주식회사 | 나이프의 인서트 주조방법 |
| CN109112265A (zh) * | 2018-11-14 | 2019-01-01 | 江苏万达新能源科技股份有限公司 | 一种用于锂电池分切机的高速钢 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3257649B2 (ja) | 高靭性高速度鋼部材およびその製造方法 | |
| US5648044A (en) | Graphite steel for machine structural use exhibiting excellent free cutting characteristic, cold forging characteristic and post-hardening/tempering fatigue resistance | |
| MX2008013467A (es) | Acero de alta velocidad para cuchillas de serrucho. | |
| KR100740414B1 (ko) | 재질 이방성이 작고 강도, 인성 및 피삭성이 우수한비조질 강 및 그의 제조 방법 | |
| JPH10273756A (ja) | 鋳物製冷間工具およびその製造方法 | |
| JPH0717986B2 (ja) | 合金工具鋼 | |
| US6663726B2 (en) | High-hardness prehardened steel for cold working with excellent machinability, die made of the same for cold working, and method of working the same | |
| US4011108A (en) | Cutting tools and a process for the manufacture of such tools | |
| EP1088906B1 (en) | High impact and thermal shock resistant die steel, dies, die blocks and method of manufacture therefor | |
| JP3581028B2 (ja) | 熱間工具鋼及びその熱間工具鋼からなる高温用部材 | |
| JPH093604A (ja) | 精密鋳造用高速度工具鋼 | |
| JPH08158017A (ja) | 歯切用刃物の製造方法 | |
| JP2005336553A (ja) | 熱間工具鋼 | |
| JPS5815529B2 (ja) | セツサクコウグ オヨビ ソノセイゾウホウ | |
| JP2001123247A (ja) | 被削性に優れた冷間工具鋼 | |
| JP3780690B2 (ja) | 被削性および工具寿命に優れた熱間工具鋼 | |
| GB2096171A (en) | Tool steel | |
| JPH07116550B2 (ja) | 低合金高速度工具鋼およびその製造方法 | |
| US3360365A (en) | Process of producing an alloy steel for hot-working tools | |
| JP3414855B2 (ja) | 精密鋳造用高速度工具鋼 | |
| JPH0987807A (ja) | 高靭性精密鋳造用高速度工具鋼 | |
| JP2002003988A (ja) | 被削性に優れる冷間工具鋼 | |
| JPH09227990A (ja) | 高温強度及び破壊靱性に優れた熱間工具鋼 | |
| JP2702728B2 (ja) | 鋳塊の塑性加工による高硬度高靭性高速度鋼 | |
| CN112899559B (zh) | 模具用钢以及模具 |