JPH08158162A - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維の製造方法

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JPH08158162A
JPH08158162A JP30777494A JP30777494A JPH08158162A JP H08158162 A JPH08158162 A JP H08158162A JP 30777494 A JP30777494 A JP 30777494A JP 30777494 A JP30777494 A JP 30777494A JP H08158162 A JPH08158162 A JP H08158162A
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JP
Japan
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steam
yarn
acrylic fiber
carbon fiber
fiber yarn
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JP30777494A
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Fumio Ogawa
文夫 小川
Moriaki Shirakata
盛秋 白方
Hideo Tamai
秀雄 玉井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】スチーム延伸されたアクリル系繊維糸条であっ
て、かつ含水率が1%以上7%以下であるアクリル系繊
維糸条を耐炎化および炭化処理することを特徴とする炭
素繊維の製造方法。 【効果】アクリル系繊維糸条の表面毛羽を減少させるこ
とができるとともに、そのアクリル系繊維糸条を耐炎
化、炭化処理した際に糸傷みが少なく、それによって得
られる炭素繊維の強度を優れたものとすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素繊維の製造方法に関
するものであり、特に炭素繊維前駆体糸条の表面に毛羽
が少なく、かつ耐炎化、炭化処理した際糸傷みの少な
い、炭素繊維の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、アクリル系重合体の有機ま
たは無機溶媒液を凝固浴中に紡糸した後に、水洗して浴
中延伸するか、または浴中延伸して水洗し、しかる後糸
条を乾燥緻密化して製造されるアクリル系繊維糸条を耐
炎化および炭化処理して製造されることが多い。ここ
で、浴中延伸は、その浴液として水または水溶液が用い
られることが多いため、延伸温度を高めるには限界があ
り、アクリル系繊維糸条を高配向性、高強度とするに十
分な程の高延伸倍率が得られ難い欠点がある。そこで、
アクリル系繊維糸条の延伸倍率を高めるため、特開昭5
8−214520号公報には、浴中延伸、乾燥緻密化し
た後に、糸条張力を0.3〜0.7g/dに保って小口
径ノズルを有する加圧スチーム延伸機で二次延伸する事
が提案されている。しかし、かかる方法を単に適用した
だけでは、得られるアクリル系繊維糸条にはその表面に
毛羽が多く発生し、また、それを耐炎化および炭化処理
した際の糸傷みが多いという欠点があった。特開昭58
−214521号公報には、アクリル系繊維糸条表面の
毛羽の発生を減少させるため、浴中延伸、乾燥緻密化
後、加圧スチーム延伸するに際して、スチームの湿り度
を制御してスチーム延伸直後の糸条の含水率が7%以上
20%以下となるように加圧スチーム延伸する事が提案
されている。しかし、かかる方法では、アクリル系繊維
糸条の表面に発生する毛羽の減少には確かに効果はある
が、そのアクリル系繊維糸条を耐炎化、炭化処理する際
に、糸傷みが発生したり、糸傷みは観察されないまでも
得られる炭素繊維の強度の低下が生じる場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アク
リル系繊維糸条表面の毛羽が少なく、且つそれを耐炎
化、炭化処理した際に、糸傷みが少なく、得られる炭素
繊維の強度が優れたものとなる炭素繊維の製造方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、次の構成を有する。すなわち、スチーム
延伸されたアクリル系繊維糸条であって、かつ含水率が
1%以上7%未満であるアクリル系繊維糸条を耐炎化お
よび炭化処理することを特徴とする炭素繊維の製造方法
である。
【0005】以下本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明におけるアクリル系繊維糸条はスチ
ーム延伸されたものである。スチーム延伸されるまでの
糸条は従来公知の方法で得ることができる。例えば、ア
クリル系重合体として、アクリルニトリルのホモポリマ
ーあるいは、コモノマーを少量共重合したアクリルニト
リルの共重合体であり、たとえばイタコン酸を0.1%
から1%程度共重合した共重合体を、公知の有機または
無機の溶媒に溶解した紡糸原液を紡糸、浴中延伸、乾燥
緻密化して得られる。紡糸方法としては直接凝固浴中に
紡糸する湿式紡糸方法を採用しても良いし、一旦空気中
に紡出した糸条を浴中凝固させる乾湿式紡糸方法を採用
しても良い。また、浴中延伸は紡出糸に対して直接行っ
てもよいし、紡出糸を水洗して溶媒を除去したのち行っ
てもよい。浴中延伸は通常35℃から98℃の延伸浴中
で約1.5倍から6倍に延伸されることが望ましい。乾
燥緻密化は浴中延伸後の糸条をホットローラー等で乾燥
することによって行われるが、乾燥温度、乾燥時間等は
適宜選択することができる。
【0007】このようにして得られた糸条をスチーム延
伸するのである。スチーム延伸は通常1〜6kg/cm
2 Gの加圧スチーム中で120〜170℃の温度で2〜
6倍程度に延伸するのが良い。
【0008】スチーム延伸機に入る直前の糸条は通常乾
燥緻密化後のものであるから、実質的に水分率はほぼ0
%である。ところが、スチーム延伸は加圧スチーム中で
行われるため、糸条はこの間に水分を保持しスチーム延
伸機を出た後のアクリル系繊維糸条はある程度水分を含
有している。本発明では、かかるスチーム延伸後の含水
率が1%以上7%未満、好ましくは3%以上6%以下で
あるアクリル系繊維糸条を耐炎化、炭化処理するのであ
る。
【0009】アクリル系繊維糸条の含水率が上記範囲よ
り小さいと、アクリル系繊維糸条表面の毛羽が多くなる
ばかりか、引き続く耐炎化、炭化処理の際、糸傷みが多
くなりまた得られる炭素繊維の強度が低下する。このよ
うな現象が生じる理由は明らかではないが、次のように
推測される。すなわち、加圧スチーム延伸アクリル系繊
維糸条の含水率が上記範囲より小さい時は、供給スチー
ムが過熱スチームの状態にあると予想され、延伸はスチ
ーム中で熱媒体のみによって行われる。アクリル系繊維
糸条の延伸においては水分が可塑剤として作用するた
め、過熱スチーム中では可塑効果が減少し、その結果糸
条各単糸に張力むらが発生する。これにより各単糸の太
さ斑が起こり、結果として得られるアクリル系繊維糸条
の目付むらとなるばかりでなく、単繊維の細い部分が切
断されて毛羽になったり、耐炎化・炭化時には高張力に
耐えられず糸傷みになると考えられる。
【0010】一方、アクリル系繊維糸条の含水率が上記
範囲より大きいと、アクリル系繊維糸条の表面毛羽は減
少できても、その効果はほとんど飽和してしまい、引き
続く耐炎化処理での水分蒸発負荷が増大するばかりであ
るだけでなく、かかる蒸発の局部的なばらつきによる糸
条の昇温ムラで発現張力差が生じ、これにより得られる
炭素繊維の強度が低下する。
【0011】アクリル系繊維糸条の糸条含水率を上記範
囲内とするために、たとえばスチーム延伸後に過剰の含
水率を示すアクリル系繊維糸条から耐炎化前に水分を蒸
発させることも可能ではあるが、かかる予備乾燥工程を
追加するための設備対応が必要となるので、好ましくは
加圧スチーム延伸した直後のアクリル系繊維糸条をその
まま耐炎化、炭化処理するのが良い。
【0012】スチーム延伸直後のアクリル系繊維糸条の
含水率は、スチーム延伸機中のスチームの圧力あるい
は、糸条の滞留時間によっても多少影響されるが、最も
大きな要因はスチーム延伸機に供給されるスチームの湿
り度である。つまり、スチーム延伸直後のアクリル系繊
維糸条の含水率が前記範囲となるように、スチームの湿
り度を制御することが大切である。このようなスチーム
の湿り度は、比較的高いレベルの湿り度であるので、特
別な制御をすることなく常に高い湿り度のスチームを供
給できる設備であれば良いが、工業的に供給されるスチ
ームは通常多目的のために製造される場合が多く、ま
た、スチームボイラーがスチーム延伸機から遠隔した場
所にあり、スチーム延伸に供給するスチーム圧力と元圧
の隔たりが大きい場合が多い。かかる場合のスチーム延
伸に供給するスチームの湿り度は、糸条含水率を上記範
囲内に制御し得る程度に大きな湿り度ではないことが多
い。そこでスチームをスチーム延伸機に供給する以前
に、たとえばスチームラインに複数の減圧弁を直列に設
置して多段減圧することによりスチームの湿り度を高い
レベルに維持することができるので本発明においては好
ましく適用される。また、多段減圧した後に、スチーム
パイプに水冷ジャケットを設けてスチームを冷却し、ス
チームの相対湿度を上げた状態にして、スチーム延伸機
に供給するという制御方法を採用することがより好まし
い。
【0013】本発明におけるスチーム延伸に好ましく用
いられるスチーム供給ラインの概略図を図1に示した。
多目的に作られた高圧スチームは、減圧弁1で一度減圧
されたのちフィルター2を介し再度スチーム延伸機で使
用される圧力になるよう、減圧弁2で減圧された後、ス
チームパイプに水冷ジャケットを設けたクーラー4に送
られ、冷却水によって冷却され、相対的な湿り度が上昇
する。湿り度が上昇したスチームはドレンセパレーター
5でドレンを除去しスチーム延伸機におくられるのであ
る。この時、スチームの湿り度は、クーラーに供給する
冷却水の流量、温度等を変更することにより、さらに適
正に調整することが可能である。
【0014】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0015】なお、アクリル系繊維糸条の含水率、炭素
繊維のストランド強度、炭素繊維の目付むらは次のよう
にして測定した。
【0016】(アクリル系繊維糸条の含水率)アクリル
系繊維糸条を105℃のオーブン乾燥機で1.5時間処
理したのち糸条重量を測定して求めた。
【0017】(炭素繊維のストランド強度)JIS−R
−7601に準じて、エポキシ樹脂含浸ストランド強度
を測定回数10回の平均値として求めた。
【0018】(炭素繊維の目付むら)炭素繊維の1m当
たりの重量を50回測定した時の相対標準偏差で評価し
た。 (実施例1〜5、比較例2〜4)アクリルニトリル99
モル%、イタコン酸1モル%からなる、アクリル系重合
体の20%ジメチルスルホキシド(以下DMSOと略
す。)溶液を0.15mmφの口金孔に通しDMSO3
5%/水65%からなる、凝固浴中に吐出し、その後、
水洗、浴中延伸、乾燥緻密化を行ない、加圧スチーム延
伸機で、約5倍延伸してアクリル系繊維糸条を作製し
た。この時、加圧スチーム延伸機に供給するスチームと
して、元圧15kg/cm2 Gを8kg/cm2 Gに減
圧した後、再度5.2kg/cm2 Gに減圧した後、ク
ーラで冷却し冷却水量・温度を変更することで種々の湿
り度に調整したスチームを供給した。
【0019】加圧スチーム延伸直後のアクリル系繊維糸
条の糸条走行毛羽発生数を目視観察した結果および糸条
の含水率を表1に示した。なお、糸条含水率はスチーム
延伸直後の糸条を取って測定した。また、得られたアク
リル系繊維糸条を引き続いて耐炎化温度260℃で40
分間耐炎化処理した後、炉内最高温度を1800℃とし
て炭化処理して炭素繊維を得た。耐炎化、炭化処理中の
糸傷みの発生状況得られた炭素繊維のストランド強度お
よび目付むらを表2に示す。
【0020】(比較例1)加圧スチーム延伸機に供給す
るスチームを、元圧15kg/cm2 Gのスチームを
5.2kg/cm2 Gに1段減圧した後クーラー冷却を
中止して得た以外は、実施例1と同様にしてアクリル系
繊維糸条を作製した。
【0021】加圧スチーム延伸直後のアクリル系繊維糸
条の糸条走行毛羽発生数を目視観察した結果および糸条
の含水率を表1に示した。なお、糸条含水率はスチーム
延伸直後の糸条を取って測定した。また、得られたアク
リル系繊維糸条を引き続いて耐炎化、炭化処理して炭素
繊維を得た。耐炎化、炭化処理中の糸傷みの発生状況得
られた炭素繊維のストランド強度および目付むらを表2
に示す。
【0022】
【表1】 表1中、前駆体の品位判定記号の意味は、○は糸条走行
毛羽発生数が5分間で1個以下、△は5分間で1〜3
個、×は5分間で4個以上である。
【0023】
【表2】 表2中、耐炎化、炭化工程糸傷みの判定記号は、○はほ
とんど発生せず、△はやや発生、×は頻繁に発生したこ
とを意味する。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、スチーム延伸されたア
クリル系繊維糸条の含水率が特定範囲内のものであるた
め、アクリル系繊維糸条の表面毛羽を減少させることが
できるとともに、そのアクリル系繊維糸条を耐炎化、炭
化処理した際に糸傷みが少なく、それによって得られる
炭素繊維の強度を優れたものとすることができる。さら
に、スチーム延伸に供給するスチームとして多段減圧さ
れたものを用いる好ましい態様においては、かかるアク
リル系繊維糸条を容易にかつ安定して得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に用いるスチーム供給ライ
ンの模式図である。
【符号の説明】
1 : 1段目の減圧弁 2 : フィルター 3 : 2段目の減圧弁 4 : クーラー 5 : ドレンセパレータ 6 : 元圧供給蒸気 7 : スチーム延伸機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチーム延伸されたアクリル系繊維糸条で
    あって、かつ含水率が1%以上7%未満であるアクリル
    系繊維糸条を耐炎化および炭化処理することを特徴とす
    る炭素繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】多段減圧したスチームを用いてスチーム延
    伸することを特徴とする請求項1記載の炭素繊維の製造
    方法。
JP30777494A 1994-12-12 1994-12-12 炭素繊維の製造方法 Pending JPH08158162A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013157314A (ja) * 2012-01-06 2013-08-15 Mitsubishi Rayon Co Ltd 固体高分子型燃料電池用ガス拡散層
WO2016114385A1 (ja) * 2015-01-16 2016-07-21 三菱レイヨン株式会社 アクリル繊維束の製造方法及び加圧スチーム延伸装置

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