JPH08159192A - 液圧式車両用ディスクブレーキのキャリパボディ - Google Patents

液圧式車両用ディスクブレーキのキャリパボディ

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JPH08159192A
JPH08159192A JP6298721A JP29872194A JPH08159192A JP H08159192 A JPH08159192 A JP H08159192A JP 6298721 A JP6298721 A JP 6298721A JP 29872194 A JP29872194 A JP 29872194A JP H08159192 A JPH08159192 A JP H08159192A
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piston
cylinder hole
hydraulic
disc
braking force
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JP6298721A
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Hiroshi Shimizu
浩 清水
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Astemo Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】制動操作の開始から制動力が短時間で立ち上が
るようにして、ディスクブレーキの制動初期における応
答性を向上する。初期制動力を極力高める。 【構成】シリンダ孔4に内挿したピストン5の内部に、
ディスクロータ側へ開口する内側シリンダ孔9を、ピス
トン5の中心軸O1よりもディスク外周側に偏位して設
ける。内側シリンダ孔9に内側ピストンシール15を介
して内側ピストン11を内挿する。ピストン5の底壁5
bに液通孔5cを穿設して、液圧室14と内側液圧室と
を連通させる。作動液に対する内側ピストン11の移動
抵抗を、ピストン5の移動抵抗よりも小さく設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車や自動二輪車等
の各種走行車両に用いられる液圧式ディスクブレーキの
キャリパボディに係り、詳しくは、摩擦パッドのライニ
ングの偏摩耗を極力防止し得るようにしたキャリパボデ
ィの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等に用いられる液圧式車両用ディ
スクブレーキのキャリパボディとして、例えば実公平5
−1704号公報や、実開平4−87037号公報に示
されるものがある。前者のキャリパボディは、作用部の
シリンダ孔にピストンを内挿して、ピストンとシリンダ
孔底部との間に液圧室を画成し、前記シリンダ孔とピス
トンとの嵌合部間に補助ピストンを配設して、該補助ピ
ストンとシリンダ孔との間に第1ピストンシールを介装
すると共に、前記補助ピストンと前記ピストンとの嵌合
部間に第2ピストンシールを介装し、これらピストンシ
ールにて前記液圧室を液密にシールすると共に、前記補
助ピストンと前記シリンダ孔との間に、前記第1ピスト
ンシールの摺動抵抗よりも大きな付勢力をもって前記補
助ピストンをディスクロータ方向へ押圧する付勢手段を
設け、且つこの付勢手段と前記第1ピストンシールの摺
動抵抗の和よりも、第2ピストンシールの摺動抵抗を大
きく設定することにより、制動解除時のピストンが、過
大な戻し力によって設定の後退位置を越えてシリンダ孔
の底部深くへ押し込まれてしまう、いわゆるノックバッ
クの発生を防止するようにしている。
【0003】また後者のキャリパボディは、作用部のシ
リンダ孔に内挿されるピストンの先端面の外径と内径と
をディスク半径方向やディスク周方向に偏心させて、ピ
ストン先端面の肉厚を非同心円に形成することにより、
摩擦パッドに対するピストン先端の押圧面を偏位させ
て、ディスクロータ内外周の周速差やキャリパボディの
ハの字変形、リーディング作用による摩擦パッドのライ
ニングの偏摩耗を防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図4は、これらのキャ
リパボディを用いて制動作用を行なった場合のペダルス
トロークと作動液の圧力との関係を示している。尚以下
の説明では、縦軸に示す作動液の圧力を、適宜液圧と換
言して用いることとする。
【0005】図4中、P1はピストンの押動に必要な液
圧、A1はピストンが液圧P1によってディスクロータ
方向への移動を開始する点、A2はピストンの押動で、
摩擦パッドのライニングがディスクロータ側面との摺接
を開始して、制動力が発生する制動力発生点、S1はピ
ストンの移動開始点A1へ到達するまでのペダルストロ
ーク、S2は制動力発生点A2へ到達するまでのブレー
キペダルの無効ストローク、ピストンの移動開始点A1
〜制動力発生点A2間の距離L1は、ピストンの移動開
始から、摩擦パッドのライニングがディスクロータの側
面へ摺接して、制動力が発生するまでのピストンの無効
ストロークである。
【0006】ブレーキペダルの踏み操作を開始すると、
液圧室へ供給される作動液が、ペダルストロークに比例
して上昇して行き、ストロークS1において、ピストン
の押動に必要な液圧P1線上の移動開始点A1へ到達す
る。シリンダ孔内のピストンは、移動開始点A1から液
圧P1によってディスクロータ方向へ押動され、ピスト
ンが無効ストロークL1を移動して、制動力発生点A2
へ到達すると、摩擦パッドのライニングがディスクロー
タの側面へ摺接して制動力を発生させる。また、液圧室
へ供給される作動液は、図4の実線のように変化して行
き、制動力発生点A2から先の勾配が制動力となる。
【0007】上記の説明からも明らかなように、従来の
キャリパボディを用いた制動で、制動力発生点A2から
制動力を発生するためには、ブレーキペダルが無効スト
ロークS2を移動しなければならず、この無効ストロー
クS2を極力短縮して、制動力を俊敏に立ち上げること
のできるキャリパボディが望まれていた。
【0008】本発明は、かかる実情を背景にしてなされ
たもので、制動操作の開始当初から制動力を短時間で立
ち上げて、制動初期の応答性を向上した液圧式車両用デ
ィスクブレーキのキャリパボディを提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的に
従い、ディスクロータの側部に配設される作用部に、シ
リンダ孔をディスクロータ側へ開口して設け、該シリン
ダ孔にピストンを内挿して、該ピストンとシリンダ孔底
部との間に液圧室を画成し、該液圧室に供給される作動
液にて、前記ピストンをディスクロータ方向へ前進させ
て摩擦パッドを押動し、該摩擦パッドのライニングを前
記ディスクロータの側面へ摺接させて、制動作用を行な
う車両用ディスクブレーキのキャリパボディにおいて、
前記ピストンの内部に、前記ディスクロータ側へ開口す
る内側シリンダ孔を、ピストンの中心軸よりもディスク
外周側に偏位して設け、該内側シリンダ孔に内側ピスト
ンを内挿して、該内側ピストンと前記ピストンの底壁と
の間に内側液圧室を画成し、前記内側ピストンと前記ピ
ストンとの嵌合部間に、内側ピストンを移動可能に支持
し、且つ前記内側液圧室を液密にシールする内側ピスト
ンシールを介装し、前記ピストンと前記シリンダ孔との
嵌合部間に、ピストンを移動可能に支持し、且つ前記液
圧室を液密にシールするピストンシールを介装すると共
に、前記ピストンの底壁に液通孔を穿設して前記液圧室
と前記内側液圧室とを連通し、前記作動液に対する前記
内側ピストンの移動抵抗を、同じく作動液に対する前記
ピストンの移動抵抗よりも小さく設定している。
【0010】作動液に対するピストンと内側ピストンの
移動抵抗を変える手段として、両ピストンに対するピス
トンシールと内側ピストンシールの締め代や硬度の変
更、或いは内外両ピストン及び/または内外両ピストン
シールの接触面粗さの変更が挙げられる。
【0011】
【作用】シリンダ孔底部の液圧室へ供給された作動液
は、ピストン底壁の液通孔を通して内側液圧室へ供給さ
れ、内側ピストンをディスクロータ方向へ前進させるピ
ストン押圧力として作用する。作動液に対する移動抵抗
が小さな内側ピストンは、外側のピストンが前進を開始
する前に、作動液の低い液圧でディスクロータ方向へ前
進し、摩擦パッドのディスク外周側を押動する。
【0012】内側ピストンを押圧する作動液は、内側ピ
ストンが摩擦パッドを押動した反力抵抗によって昇圧さ
れて行き、シリンダ孔内のピストンの移動抵抗にうち勝
った時点で、ピストンをディスクロータ方向へ前進さ
せ、内側ピストンと同様に、その先端面を摩擦パッドに
当接させ、該摩擦パッドのライニングをディスクロータ
の側面へ摺接させて制動作用を行なう。
【0013】図2は、上述の作動をペダルストロークと
作動液の圧力(液圧)との関係で説明する図で、図2
中、P1はピストンの押動に必要な液圧、P2は内側ピ
ストンの押動に必要な液圧、A3は液圧P1によって、
内側ピストンがディスクロータ方向への移動を開始する
点、A4は内側ピストンの押圧で、摩擦パッドのライニ
ングがディスクロータ側面との摺接を開始して、制動力
が発生する制動力発生点、A5は液圧P1によって、ピ
ストンがディスクロータ方向への移動を開始する点、A
6は摩擦パッドのライニングとディスクロータ側面とを
摺接させる押動が、内側ピストンからピストンに切り換
えられる制動力転換点、S3は内側ピストンの移動開始
点A3へ到達するまでのペダルストローク、S4は制動
力発生点A4へ到達するまでのブレーキペダルの無効ス
トローク、内側ピストンの移動開始点A3〜制動力発生
点A4間の距離L2は、内側ピストンの移動開始から、
摩擦パッドのライニングがディスクロータの側面へ摺接
して、制動力が発生するまでの内側ピストンの無効スト
ローク、ピストンの移動開始点A5〜制動力転換点A6
間の距離L3は、ピストンの移動開始から、摩擦パッド
のライニングがディスクロータの側面へ摺接して、制動
力が発生するまでのピストンの無効ストロークであり、
液圧室内の作動液の圧力は、図2の実線のように変化し
て行く。
【0014】即ち、ブレーキペダルの踏み操作を開始す
ると、液圧室へ供給される作動液が、ペダルストローク
に比例して上昇して行き、従来構造によるストロークS
1よりも短かいストロークS3において、移動抵抗の小
さな内側ピストンの押動に必要な液圧P2線上の移動開
始点A3へ到達する。内側シリンダ孔内の内側ピストン
は、移動開始点A3から液圧P2によってディスクロー
タ方向へ押動され、内側ピストンが無効ストロークL2
を移動して、制動力発生点A4へ到達すると、内側ピス
トンが摩擦パッドを押動し、該摩擦パッドのライニング
がディスクロータの側面へ摺接して制動力を発生し、作
動液がペダルストロークに比例して上昇して行く。
【0015】制動力発生点A4からの液圧上昇は、内側
シリンダ孔の偏位によって、ディスク外周側へオフセッ
トされた内側ピストンが、摩擦パッドを周速の速いディ
スクロータの外周側へ押圧するため、内側ピストンが小
径な割に高い制動トルクが発生し、比較的短時間で移動
開始点A5へ到達する。
【0016】移動開始点A5から制動力転換点A6まで
は、内側ピストンによる押圧が継続し、一方移動開始点
A5からピストンが移動を開始する。そして、ピストン
が無効ストロークL3を移動して制動力転換点A6へ到
達すると、摩擦パッドに対する押動が内側ピストンから
ピストンへ切り換えられ、制動力転換点A6から先はピ
ストンの押動による制動力が発生する。
【0017】このように、本発明による初期制動は、ピ
ストンの作動よりも前に、内側ピストンが低い液圧で作
動するので、制動力の立ち上がりが早くなる。また、内
側ピストンは、内側シリンダ孔をシリンダ孔の中心軸か
らディスク外周側へ偏位させたことにより、先端面が摩
擦パッドのディスク外周側を押動して、ライニングのデ
ィスク外周側を、周速の速いディスクロータのディスク
外周側面へ摺接させるので、内側ピストンが小径な割に
は、初期制動に高い制動トルクが得られる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の第1実施例を示すもので、デ
ィスクブレーキ1のキャリパボディ2は、ディスクロー
タ3の両側に配設される一対の作用部2a,2bにシリ
ンダ孔4,4を対向して設け、該シリンダ孔4,4にそ
れぞれピストン5を収容したピストン対向型で、シリン
ダ孔4,4の間には、一対の摩擦パッド6,6が、ディ
スクロータ3を挟んで対向配置されている。
【0019】ピストン5には、中心軸O1からディスク
外周側に内側シリンダ孔9が、また中心軸O1からディ
スク内周側に係合孔10が、それぞれ先端面5aに開口
して設けられている。ディスク外周側の内側シリンダ孔
9は、その中心軸O2がピストン5の中心軸O1から長
さL1分偏位しており、この内側シリンダ孔9内に、有
底円筒状の内側ピストン11が、開口側の先端面11a
をディスクロータ側に向けて内挿されている。
【0020】摩擦パッド6は、ディスクロータ3の側面
に摺接するライニング7と、上部をハンガーピン12に
て吊持される金属製の裏板8とを接合して構成されてお
り、ライニング7と裏板8の中央部ディスク内周側は凹
凸嵌合されていて、ライニング7と裏板8との接合力を
高めると共に、裏板8の結着用凹孔をハーフピアスで加
工して、裏板8の背面に突起8aを突出させている。各
摩擦パッド6の突起8aは、それぞれピストン5の係合
孔10に嵌合されており、該突起8aと係合孔10との
嵌合によって、摩擦パッド6からの引摺りトルクでピス
トン5が回転することがないようにしている。
【0021】内側シリンダ孔9の深さと内側ピストン1
1の長さは、同一長に設定されていて、制動を解除され
た内側ピストン11が内側シリンダ孔9を底部方向へ復
帰した際に、ピストン5の底壁5bと当接して後退限を
規制するようにしており、このような構成によって、車
両のコーナリング等の車体横加速度で、内側ピストン1
1が後退限以上に押し戻されるノックバックが防止され
ると共に、後退限に位置した内側ピストン11の先端面
11aが、ピストン5の先端面5aと位置合わせしてい
る。
【0022】シリンダ孔4とピストン5の嵌合部間には
ピストンシール13が介装されており、該ピストンシー
ル13にて、ピストン5が移動可能に支持されると共
に、シリンダ孔4とピストン5の底壁2c,5b間に画
成された液圧室14が液密にシールされている。また、
ピストン5と内側ピストン11の両底壁5b,11bの
間には、内側液圧室(図示せず)が画成されるが、本実
施例では、内側ピストン11の長さを内側シリンダ孔9
の深さと同一長さとしていて、内側ピストン11が後退
限に位置した図3の状態では、この内側液圧室が消滅し
ている。内側シリンダ孔9と内側ピストン11との嵌合
部間には、内側ピストンシール15が介装され、該内側
ピストンシール15にて、内側ピストン11が移動可能
に支持されると共に、図示しない内側液圧室が液密にシ
ールされている。
【0023】ピストン5の底壁5bには液通孔5cが貫
通して設けられ、各作用部2a,2bの液圧室14と図
示しない内側液圧室とは、それぞれこの液通孔5cを介
して連通しており、公知の図示しない液圧マスタシリン
ダで昇圧された作動液は、双方の液圧室14,14に供
給され、更にピストン5の液通孔5cを通して、それぞ
れの内側液圧室へ供給されるようになっている。
【0024】作動液に対する内側ピストン11の移動抵
抗は、ピストン5のそれよりも小さく設定されており、
内側ピストン11が、ピストン5よりも低い液圧で移動
できるようにしている。外側のピストン5と内側ピスト
ン11との移動抵抗を変える手段としては、ピストン5
と内側ピストン11に対するピストンシール13と内側
ピストンシール15の締め代や、内外ピストンシール1
3,15の硬度、或いは内外ピストン5,11と内外ピ
ストンシール13,15の一方または双方の接触面粗さ
の変更があり、これらを適宜組合わせて適用してもよ
い。
【0025】上述の設定により、液圧マスタシリンダで
昇圧された作動液がそれぞれの作用部2a,2bの液圧
室14と内側液圧室とに供給されると、作動液に対する
移動抵抗が小さな内側ピストン11が、これよりも移動
抵抗の大きなピストン5に先駆けて、内側ピストンシー
ル15を変形させながらディスクロータ方向へ移動を開
始し、先端面11aを摩擦パッド6の裏板8に当接させ
て摩擦パッド6,6をディスクロータ方向へ押動し、ラ
イニング7,7をディスクロータ3の側面へ摺接させて
制動作用が行なわれる。
【0026】液圧室14と内側液圧室内の作動液は、内
側ピストン11が摩擦パッド6を押動した反力抵抗を受
けて更に昇圧されて行き、ピストン5の移動抵抗にうち
勝った時点でピストン5をディスクロータ方向へ前進さ
せ、内側ピストン11と同様に、その先端面5aをそれ
ぞれの摩擦パッド6の裏板8に当接させ、摩擦パッド6
をディスクロータ方向へ押動して、ライニング7をディ
スクロータ3の側面へ摺接させる。
【0027】これを図2のペダルストロークと作動液の
圧力(液圧)との関係図を併用して説明すると、液圧室
14と内側液圧室とに供給された作動液は、ペダルスト
ロークに比例して上昇して行き、従来構造によるストロ
ークS1よりも短いストロークS3において、移動抵抗
の小さな内側ピストン11の押動に必要な液圧P2線上
の移動開始点A3へ到達する。内側ピストン11は、移
動開始点A3からピストン5の押動に必要な液圧P1よ
りも低い液圧P2によってディスクロータ方向へ押動さ
れ、内側ピストン11が無効ストロークL2を移動し
て、制動力発生点A4へ到達すると、摩擦パッド6のラ
イニング7がディスクロータ3の側面へ摺接して制動力
を発生し、制動力発生点A4以降は、作動液がペダルス
トロークに比例して上昇して行く。
【0028】ストロークS4から上昇した作動液は、ス
トロークS5において、ピストン5の押動に必要な液圧
P1線上の移動開始点A5へ到達し、ピストン5を、移
動開始点A5から液圧P1でディスクロータ方向へ押動
する。そして、ピストン5が無効ストロークL3を移動
して制動力転換点A6へ到達すると、摩擦パッド6に対
する押動が内側ピストン11からピストン5へと切り換
えられ、制動力転換点A6から先はピストン5の押動に
よる制動力が発生する。
【0029】そして、上述の制動操作を解除すると、摩
擦パッド6,6が、ディスクロータ3との競りによって
ディスクロータ3の側面から離間し、ピストン5と内側
ピストン11とが、ピストンシール13と内側ピストン
シール15との復元力によって、それぞれ後退位置に復
帰する。
【0030】本実施例は、作動液に対する内側ピストン
11の移動抵抗を、ピストン5の移動抵抗よりも小さく
設定したことにより、内側ピストン11が、ピストン5
に先駆けて作動液の低い液圧で移動を開始するので、従
来構造では、ブレーキペダルに無効ストロークS2を必
要としていたのに対し、これよりも短い無効ストローク
S4によって、内側ピストン11の制動力を短時間に立
ち上がらせることができるようになり、制動初期の応答
性に優れたブレーキが得られる。
【0031】また、内側シリンダ孔9の中心軸O2を、
シリンダ孔4の中心軸O1からディスク外周側へ長さL
1分偏位させて、内側ピストン11をディスク外周側に
オフセットしたから、内側ピストン11による押動は、
摩擦パッド6のディスク外周側を、ディスクロータ3の
周速の速いディスク外周側面へ摺接させる。従って、内
側ピストン11による制動力発生点A4から移動開始点
A5までの初期制動は、作動液が液圧P1からP2へ短
時間で急激に上昇するので、内側ピストン11が小径な
割に、初期制動に高い制動トルクを得ることができる。
【0032】更に本実施例では、移動抵抗の小さな内側
ピストン11の底壁11bを、移動抵抗の大きなピスト
ン5の底壁5bに直接当接させて、内側ピストン11の
後退限を規制するので、作動液に対する移動抵抗の小さ
な内側ピストン11が、車両のコーナリング等による車
体横加速度によって、必要以上に押し込まれてしまうノ
ックバックが防止されると共に、内側ピストン11の先
端面11aをピストン5の先端面5aと面一に設定した
ことにより、摩擦パッド6を押動するまでの内側ピスト
ン11の無効ストロークL2を小さく抑えるので、ブレ
ーキペダルの無効ストロークS4を極力短くすることが
できる。
【0033】図3は、本発明の他の実施例を示すもの
で、シリンダ孔20に内挿されたピストン21には、中
心軸O3からディスク外周側に2つの内側シリンダ孔2
2,22が、また中心軸O3からディスク内周側に係合
孔23が、それぞれ先端面21aに開口して設けられて
いる。
【0034】内側シリンダ孔22,22は、中心軸O
4,O4が、ピストン21の中心軸O3とディスクロー
タ3の回転中心とを結ぶディスク半径方向線Rを、ピス
トン21の中心軸O3からディスク外周側へ長さL2分
偏位し、且つディスク半径方向線Rを挟んだ等距離に位
置させており、各内側シリンダ孔22には、それぞれ有
底円筒状の内側ピストン24が内挿されている。また、
係合孔23には、摩擦パッド6の裏板8から突出する2
つの突起8b,8bが嵌合されており、係合孔23と突
起8b,8bとの嵌合によって、ピストン21が摩擦パ
ッド6からの引摺りトルクで回転することがないように
している。
【0035】シリンダ孔20とピストン21の嵌合部間
にはピストンシールが、また各内側シリンダ孔22と内
側ピストン24の嵌合部間には内側ピストンシール(い
ずれも図示せず)がそれぞれ介装されており、ピストン
21と内側ピストン24,24が移動可能に支持されて
いる。作動液に対する内側ピストン24の移動抵抗は、
ピストン21のそれよりも低く設定されており、両内側
ピストン24,24をピストン21に先駆けて作動し、
摩擦パッド6のライニング7とディスクロータ3のディ
スク外周部同士を、ディスク周方向に広い面積で摺接さ
せることによって、上述の実施例よりもより高い初期制
動力が短時間に得られるようにしている。
【0036】尚、後退限に位置した内側ピストンの先端
面は、外側のピストンの先端面より突出させておいても
よい。この場合には、内側ピストンの無効ストロークを
一層短縮できて、初期制動力を短いペダルストロークで
俊敏に発生させることができるようになり、応答性に一
層優れたブレーキが得られる。
【0037】更に本発明は、ピストン対向型以外に、ピ
ンスライド型のキャリパボディにも適用することがで
き、またピストン内の内側シリンダ孔と内側ピストンの
組合わせ個数を、3つ以上としてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外側のピストンが後退限から前進を開始する前に、ブレ
ーキペダルやブレーキレバーの無効ストロークを短縮し
ながら、作動液に対する移動抵抗が小さな内側ピストン
を作動するので、初期制動力を短時間に立ち上がらせる
ことができるようになり、制動初期の応答性に優れたブ
レーキが得られる。
【0039】また、内側シリンダ孔を、シリンダ孔の中
心軸からディスク外周側へ偏位したことにより、内側ピ
ストンがディスク外周側にオフセットされるので、内側
ピストンによる押動は、摩擦パッドのディスク外周側
を、ディスクロータの周速の速いディスク外周側面へ摺
接させて、作動液を短時間で急激に昇圧するようにな
り、内側ピストンが小径な割には、初期制動に高い制動
トルクを得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すキャリパボディの断面
平面図
【図2】本発明に基づくペダルストロークと液圧の関係
【図3】本発明の他の実施例を示すキャリパボディの断
面平面図
【図4】従来構造に基づくペダルストロークと作動液の
圧力との関係図
【符号の説明】
1…ディスクブレーキ 2…キャリパボディ 2a,2b…キャリパボディ2の作用部 2c…シリンダ孔4の底壁 3…ディスクロータ 4…シリンダ孔 5…ピストン 5a…ピストン5の先端面 5b…ピストン5の底壁 5c…ピストン5の底壁5bに形成された液通孔 6…摩擦パッド 9…内側シリンダ孔 10…係合孔 11…内側ピストン 11a…内側ピストン11の先端面 11b…内側ピストン11の底壁 13…ピストンシール 14…液圧室 15…内側ピストンシール 20…シリンダ孔 21…ピストン 21a…ピストン21の先端面 22…内側シリンダ孔 23…係合孔 24…内側ピストン P1…ピストン5の押動に必要な液圧 P2…内側ピストン11の押動に必要な液圧 A3…内側ピストン11がディスクロータ方向への移動
を開始する点 A4…内側ピストン11によって制動力が発生する制動
力発生点 A5…ピストン5がディスクロータ方向への移動を開始
する点 A6…ライニング7とディスクロータ3の側面とを摺接
させる押動が、内側ピストン11からピストン5に切り
換えられる制動力転換点 S3…内側ピストン11の移動開始点A3へ到達するま
でのペダルストローク S4…制動力発生点A4へ到達するまでのブレーキペダ
ルの無効ストローク L2…内側ピストン11の無効ストローク L3…ピストン5の無効ストローク O1…シリンダ孔4の中心軸 O2…内側シリンダ孔9の中心軸 L1…中心軸O1,O2間の長さ O3…シリンダ孔20の中心軸 O4…内側シリンダ孔22の中心軸 L2…中心軸O3,O4間の長さ R…ディスク半径方向線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクロータの側部に配設される作用
    部に、シリンダ孔をディスクロータ側へ開口して設け、
    該シリンダ孔にピストンを内挿して、該ピストンとシリ
    ンダ孔底部との間に液圧室を画成し、該液圧室に供給さ
    れる作動液にて、前記ピストンをディスクロータ方向へ
    前進させて摩擦パッドを押動し、該摩擦パッドのライニ
    ングを前記ディスクロータの側面へ摺接させて、制動作
    用を行なう車両用ディスクブレーキのキャリパボディに
    おいて、前記ピストンの内部に、前記ディスクロータ側
    へ開口する内側シリンダ孔を、ピストンの中心軸よりも
    ディスク外周側に偏位して設け、該内側シリンダ孔に内
    側ピストンを内挿して、該内側ピストンと前記ピストン
    の底壁との間に内側液圧室を画成し、前記内側ピストン
    と前記ピストンとの嵌合部間に、内側ピストンを移動可
    能に支持し、且つ前記内側液圧室を液密にシールする内
    側ピストンシールを介装し、前記ピストンと前記シリン
    ダ孔との嵌合部間に、ピストンを移動可能に支持し、且
    つ前記液圧室を液密にシールするピストンシールを介装
    すると共に、前記ピストンの底壁に液通孔を穿設して前
    記液圧室と前記内側液圧室とを連通し、前記作動液に対
    する前記内側ピストンの移動抵抗を、同じく作動液に対
    する前記ピストンの移動抵抗よりも小さく設定したこと
    を特徴とする液圧式車両用ディスクブレーキのキャリパ
    ボディ。
JP6298721A 1994-12-01 1994-12-01 液圧式車両用ディスクブレーキのキャリパボディ Pending JPH08159192A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10200967A1 (de) * 2002-01-12 2003-07-31 Kurt Fuechtler Scheibenbremse für eine Kraftfahrzeugbremsanlage
JP2007187209A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Toyota Motor Corp パッド摩耗に対応するディスクブレーキ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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