JPH08161990A - 保護素子及びその製造方法 - Google Patents

保護素子及びその製造方法

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JPH08161990A
JPH08161990A JP6323559A JP32355994A JPH08161990A JP H08161990 A JPH08161990 A JP H08161990A JP 6323559 A JP6323559 A JP 6323559A JP 32355994 A JP32355994 A JP 32355994A JP H08161990 A JPH08161990 A JP H08161990A
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low
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則和 岩崎
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裕治 古内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過電圧を防止することができると共に、安全
性に優れた保護素子を得る。また、チップ型の保護素子
を小型化させる。 【構成】 保護素子1aを、無機系基板2上に配設した
無機系材料からなる発熱体3、該発熱体の表面を覆う絶
縁層4、及び該絶縁層上に配設した低融点金属体5から
構成する。この保護素子1aは、ツエナダイオードを用
いた電圧検知手段と組み合わせて使用し、電圧検知手段
が所定電圧以上の電圧を検知することにより保護素子1
aの発熱体3が通電され発熱するようにすることによ
り、過電圧防止装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒューズ等の低融点金
属体を使用した保護素子に関する。特に、本発明は、所
定電圧以上の過電圧を防止するために有用な保護素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉛、スズ、アンチモン等の低
融点金属体を使用した保護素子としては、過電流により
溶断して電流を遮断する電流ヒューズが広く使用されて
いる。このヒューズの形態としては、短冊状の低融点金
属体の両端につめをつけたつめ付きヒューズ、棒状の低
融点金属体をガラス管内に封入した筒型ヒューズ、直方
体形状の低融点金属体にリード端子を設けたチップ型ヒ
ューズ等が知られている。この他、保護素子としては、
所定温度を超えると溶断する温度ヒューズも使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
保護素子には、いずれの態様のものについても、配線基
板上に表面実装しにくいという問題がある。これに対し
ては、直方体形状の樹脂内にヒューズを埋め込んで封止
し、その直方体形状の樹脂表面にヒューズのリード端子
を形成したチップ型ヒューズが提案されている(特開平
4−192237号)。しかし、単に樹脂内にヒューズ
を埋め込んで封止するだけでは、過電流が流れたときに
ヒューズが溶解はしても、必ずしも溶断には至らないの
で、安定的に保護素子として機能させることができない
という問題がある。
【0004】また、市販されているチップ型ヒューズの
大きさは、小さいものでも厚さ2.6×幅2.6×長さ
6mm程度あり、基板に搭載する他の電子部品に比して
大きい。特に、ICの厚みが一般に1mm程度であるの
に対して、チップ型ヒューズの厚みが約2.6mm程度
と著しく大きくなっている。そのため実装後の基板の高
さがチップ型ヒューズで制約されることとなり、実装ス
ペースの低減を妨げている。したがって、チップ型ヒュ
ーズの厚みも1mm程度に小型化させることが課題とな
っている。
【0005】また、近年の産業の発展に伴い、従来の電
流ヒューズや温度ヒューズの他に、過電圧により動作す
る保護素子が求められるようになっている。
【0006】例えば、高エネルギー密度の二次電池とし
て注目されているリチウムイオン電池では、過充電によ
り電極表面にデンドライトが生成し、電池性能が大きく
損なわれるので、充電時に電池が所定電圧以上に充電さ
れることを防止することが必要となる。しかしながら、
このような過電圧を防止するために有用な保護素子はこ
れまでに開発されていない。実際、リチウムイオン電池
の保護機構としては、短絡等により規定値以上の電流が
電池に流れた場合にPTCが発熱し、ヒューズが溶断す
るようにした保護機構は設けられているが、このような
保護機構は過充電の防止のためには使用することができ
ない。このため、過充電を防止するための新たな保護素
子が求められており、特に、このような電池の充電時等
に使用する保護素子として、発火等の危険がない、使用
上の安全性の高いものが求められている。
【0007】本発明は以上のようなヒューズに関する従
来技術の問題点を解決しようとするものであり、過電圧
を防止することのできる新たな保護素子を提供すること
を第1の目的とする。また、従来の電流ヒューズも含め
て、チップ型の保護素子を、安定的な動作を確保しつ
つ、より小型化させることを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、無機系基
板上に無機系材料からなる発熱体、絶縁層及び低融点金
属体を順次積層した素子が過電圧を防止する保護素子と
して有用であることを見出し、第1の本発明を完成させ
るに至った。また、そのような過電圧防止用の保護素子
だけでなく、従来の電流ヒューズも含めて、チップ型の
保護素子を形成する場合に、基板上に低融点金属体を配
設後、その低融点金属体よりも低融点又は低軟化点の材
料で低融点金属体を封止し、さらにその外側を空隙を置
いて外部ケースで覆うと、保護素子の機能を損なうこと
なく小型化できることを見出し、第2の本発明を完成さ
せるに至った。
【0009】すなわち、本発明は、第1の発明として、
無機系基板上に配設された無機系材料からなる発熱体、
該発熱体の表面を覆う絶縁層、及び該絶縁層上に配設さ
れた低融点金属体からなることを特徴とする保護素子を
提供する。
【0010】また、本発明はこのような保護素子を用い
た過電圧防止装置として、保護素子と電圧検知手段から
なり、電圧検知手段が所定電圧以上の電圧を検知するこ
とにより保護素子の発熱体が通電され発熱されるように
したことを特徴とする過電圧防止装置を提供する。
【0011】さらに本発明は、第2の発明として、基板
上に配設した低融点金属体、該低融点金属体よりも低融
点又は低軟化点材料からなり、該低融点金属体を封止す
る内側封止部、及び該内側封止部と空隙を置いて該内側
封止部を覆う外側ケースからなる過電流防止用保護素子
を提供する。
【0012】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明
する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要
素を表している。
【0013】図1は、本発明の基本的な態様の保護素子
を表した図である(同図(a)平面図、同図(b)断面
図)。同図に示したように、この保護素子1aは、基板
2上に配設された発熱体3と、その発熱体3の表面を覆
う絶縁層4と、その絶縁層4上に配設された低融点金属
体5からなっている。ここで、発熱体3と低融点金属体
5は、それぞれ発熱体用端子6a、6b、低融点金属体
用端子7a、7bに接続している。
【0014】本発明において、このような保護素子の基
板2としては、セラミック基板、金属基板等の無機系の
基板を使用する。基板2の厚さとしては、特に制限はな
いが、保護素子の小型化の点から、通常0.1〜1.0
mm程度とすることが好ましい。
【0015】発熱体3は、後述するように、この保護素
子1aをツエナダイオード等の電圧検知手段と組み合わ
せて使用し、過電圧防止用の保護素子として機能させる
場合に、低融点金属体5を溶断させる際の熱源となると
いう有用な機能をはたす。本発明においては、この発熱
体3としても無機系材料からなるものを使用する。例え
ば、酸化ルテニウム、カーボンブラック等の導電材料と
水ガラス等の無機系バインダからなるものを使用する。
このような発熱体材料としては、市販の無機系抵抗ペー
ストを使用することができる。なお、無機系材料からな
る発熱体3は、基板上に無機系抵抗ペーストを塗布し、
焼成することにより容易に形成できるが、抵抗ペースト
中に有機系成分が含まれていてもその有機系成分は焼成
過程で分解除去されるので、基板に塗布する抵抗ペース
ト中には有機系成分が含まれていてもよい。
【0016】このように発熱体3として、有機系材料で
はなく無機系材料からなるものを使用すると、発熱体3
の抵抗値に対する熱の影響を大きく抑制することができ
る。したがって、保護素子の使用に際して発熱体3に長
時間通電が行われ、発熱体3が発熱を持続しても、その
発熱状態は安定しており、暴走することはない。よっ
て、過度の発熱による発火の危険がなく、安全性に優れ
た保護素子を得ることが可能となる。また、基板2とし
て無機系基板を使用することにより、無機系材料からな
る発熱体3を、基板上に抵抗ペーストを塗布し焼成する
ことにより容易に形成することが可能となる。さらに、
基板自体を不燃性にできるので、保護素子の使用上の安
全性を高めることが可能となる。
【0017】絶縁層4は、発熱体3と低融点金属体5と
を絶縁する層である。この絶縁層4の形成材料には特に
制限はなく、例えば、エポキシ系、アクリル系、ポリエ
ステル系等の種々の有機系樹脂あるいはSiOを主成
分とする無機系材料を使用することができる。また、絶
縁層4に有機系樹脂を用いる場合には、熱伝導性の高い
無機系粉末を分散させてもよい。これにより、発熱体3
の発熱時の熱を効率的に低融点金属体5に伝導させるこ
とが可能となる。このうような無機系粉末としては、例
えば、ボロンナイトライド(熱伝導率0.18cal/
cm・sec・℃)、アルミナ(熱伝導率0.08ca
l/cm・sec・℃)等を使用することができる。
【0018】低融点金属体5は、従来よりヒューズ材料
に使用されている種々の低融点金属から構成することが
でき、例えば表1の合金から構成することができる。
【0019】
【表1】 合金組成 液相点(℃) Bi:Sn:Pb=52.5:32.0:15.5 95 Bi:Pb:Sn=55.5:44.0: 1.0 120 Pb:Bi:Sn=43.0:28.5:28.5 137 Bi:Pb= 55.5:44.5 124 Bi:Sn= 58.0:42.0 138 Sn:Pb= 63.0:37.0 183 Sn:Ag= 97.5: 2.5 226 Sn:Ag= 96.5: 3.5 221 Pb:In= 81.0:19.0 280 Zn:Al= 95.0: 5.0 282 In:Sn= 52.0:48.0 118 Pb:Ag:Sn=97.5: 1.5: 1.0 309 なお、発熱体用端子6a、6b及び低融点金属体用端子
7a、7bは、一般に基板上に形成される電極端子と同
様に形成することができる。例えば、銅箔をパターニン
グしたもの、銅パターン上に順次ニッケルメッキ、金メ
ッキを施したもの、あるいは銅パターン上に半田メッキ
を施したもの等から形成することができる。
【0020】図1の保護素子1aの製造方法としては、
例えば、無機系基板2上に常法により端子6a、6b、
7a、7bを形成し、次いで、無機系抵抗ペーストをス
クリーン印刷等により塗布し、焼成することにより発熱
体3を形成し、その発熱体3の表面に絶縁性樹脂を印刷
等により塗布して硬化させることにより絶縁層4を形成
し、さらに絶縁層4上に低融点金属体箔を熱圧着するこ
とにより低融点金属体5を配設する。
【0021】以上のように、本発明の保護素子は、無機
系基板2上に配設された無機系材料からなる発熱体3、
絶縁層4、低融点金属体5から構成することができる
が、さらに図2あるいは図3に示すように低融点金属体
5を内側封止部8で封止し、さらにその外側を外部ケー
ス又は外側封止部で覆うことが好ましい。
【0022】即ち、図2は、上述の図1の保護素子1a
の低融点金属体5を、該低融点金属体5よりも低融点又
は低軟化点を有する内側封止部8で封止し、さらにその
内側封止部8を外側ケース9で覆った保護素子1bの断
面図である。
【0023】低融点金属体5の表面が酸化されると、低
融点金属体5が本来の溶融温度に加熱されても、その表
面酸化部分が溶融せず、そのために低融点金属体5が溶
断しない場合が生じるが、このように内側封止部8で低
融点金属体5を封止することにより、低融点金属体5の
表面酸化を防止できるので、低融点金属体5が所定温度
に加熱された場合の溶断を確実に生じさせることが可能
となる。また、内側封止部8は、低融点金属体5よりも
低融点又は低軟化点を有する材料から形成するので、こ
の内側封止部8による低融点金属体5の封止により、低
融点金属体5の溶断が阻害されることはない。
【0024】内側封止部8には、単に低融点金属体5の
表面酸化を防止するだけでなく、表面に形成された金属
酸化膜の除去作用をもたせることが好ましい。したがっ
て、内側封止部8の封止材料としては、例えば、有機
酸、無機酸等の金属酸化膜の除去作用を有する封止材料
を使用することが好ましい。なかでも、主成分としてア
ビエチン酸を含有する非腐食性の固形フラックスが好ま
しい。これは、アビエチン酸は室温では固形で不活性で
あるが、約120℃以上に加熱されると溶融し、活性状
態となって金属酸化物の除去作用を発揮するので、低融
点金属体5が所定温度に加熱された場合の溶断を確実化
できるだけでなく、保護素子の保存安定性も向上させる
ことができるからである。また、固形フラックスを用い
て内部封止部8を形成する方法としては、クレーター防
止の点から、溶剤を使用することなく固形フラックスを
加熱溶融させ、その溶融物を低融点金属体5上に塗布す
ることが好ましい。
【0025】内側封止部8の厚さは、その封止材料の種
類等にもよるが、通常は低融点金属体5の表面酸化の防
止の点、あるいは表面酸化膜の除去能の点から、約10
〜100μmとすることが好ましい。
【0026】外側ケース9は、低融点金属体5や内側封
止部8が溶解した場合に、保護素子からそれらの溶融物
が流出することを防止するために設けられている。この
外側ケース9は、図2に示したように内側封止部8と空
隙10を置いて配することが好ましく、この場合、空隙
の垂直方向の大きさd1 は50〜500μm程度、水平
方向の大きさd2 は0.2〜1.0mm程度とすること
が好ましい。このような大きさの空隙10により、低融
点金属体5や内側封止部8が溶融した場合に、溶融物が
移動するスペースが確保されるので、確実に溶断を生じ
させることが可能となる。
【0027】外側ケース9の構成素材については特に制
限はないが、内側封止部8と空隙をあけたハウジング形
状とする点、及び耐熱性、難燃性の点から、難燃剤が添
加された4,6−ナイロンあるいは液晶ポリマー等を使
用することが好ましい。
【0028】以上のように、低融点金属体5を内側封止
部8で封止し、さらにその内側封止部8と空隙10をも
たせて外側ケース9で覆うと、低融点金属体5の表面を
保護し、低融点金属体5が所定温度に加熱された場合の
溶断の確実性を確保し、かつ保護素子の全体としての厚
みDを1mm程度以下にすることができる。したがっ
て、このよう保護素子1bは、保護素子としての動作の
信頼性と小型化の要請に応えた優れた保護素子となる。
【0029】なお、低融点金属体5を内側封止部8で封
止し、さらにその内側封止部8に対して空隙10をもた
せて外側ケース9で覆うという構成自体は、発熱体3を
もたない保護素子にも適用することができる。即ち、図
2に示した保護素子1bには、後述するように過電圧防
止装置において機能させられるように発熱体3が設けて
あるが、このような発熱体3をもたない従来の過電流防
止用のチップ型ヒューズにおいても、その低融点金属体
を内側封止部で封止し、さらにその外側を空隙を置いて
外側ケースで覆うことは、保護素子としての動作の信頼
性を向上させ、かつ素子の小型化を図る上で有用であ
り、これによりチップ型ヒューズの厚さを従来の50%
程度に低減させることができる。したがって、本発明
は、基板上に配設した低融点金属体、その低融点金属体
よりも低融点又は低軟化点材料からなり、その低融点金
属体を封止する内側封止部、及びその内側封止部と空隙
を置いて内側封止部を覆う外側ケースからなる過電流防
止用保護素子も包含する。
【0030】一方、図3は、上述の図2の保護素子1b
において内側封止部8を外側ケース9で覆ったのに代え
て、内側封止部8を外側封止部11で封止した態様の保
護素子1cである。この外側封止部11も、低融点金属
体5や内側封止部8が溶解した場合に、保護素子からそ
れらの溶融物が流出することを防止するために設けられ
ている。したがって、その構成材料としては、低融点金
属体5よりも高融点又は高軟化点を有するものを使用す
る。例えばエポキシ系封止材、フェノール系封止材等を
使用することができる。
【0031】なお、上述の図2に示した保護素子1bに
おいては、内側封止部8の厚さは、低融点金属体5の表
面酸化の防止の点、あるいは表面酸化膜の除去能の点か
ら通常、約10〜100μmで十分であるが、この図3
に示した保護素子1cの態様においては、低融点金属体
5の溶断が、内側封止部8の形成領域内での溶融流動に
より可能となるので、内側封止部8の厚さは、低融点金
属体5の溶断の確実性の点から約500〜1500μm
とすることが好ましい。
【0032】図1〜図3に示した本発明の保護素子1
(1a、1b、1c)は、図4に示す回路のように、ツ
エナダイオードとトランジスタからなる電圧検知手段1
2と組み合わせて接続することにより、過電圧防止装置
を構成することができる。同図の回路において、端子A
1 、A2 には、例えばリチウムイオン電池等の被保護装
置の電極端子が接続され、端子B1 、B2 には、被保護
装置に接続して使用される充電器等の装置の電極端子が
接続される。この回路構成によれば、リチウムイオン電
池の充電が進行し、電圧検知手段12のツエナダイオー
ドに降伏電圧以上の逆電圧が印加されるようになると、
急激にベース電流ib が流れ、それにより大きなコレク
タ電流ic が発熱体3に通電され、発熱体3が発熱する
ので、発熱体3上の低融点金属体5が溶断し、端子A1
、A2 間に過電圧が印加されることが防止される。し
たがって、本発明は、上述の本発明の保護素子1と電圧
検知手段12からなり、保護素子の発熱体が電圧検知手
段により通電され発熱されるようにした過電圧防止装置
も包含する。
【0033】以上、本発明の保護素子について詳細に説
明したが、本発明の保護素子はこの他種々の態様をとる
ことができる。
【0034】例えば、図5は、図1に示した保護素子の
発熱体3と低融点金属体5の平面的なパターンを変更
し、加熱により低融点金属体5が2箇所5a、5bで溶
断するようにした保護素子1dである。また、図6はそ
の保護素子1dを用いて過電圧防止装置を構成した場合
の回路図である。
【0035】上述の図4に示した回路構成においては、
端子A1 、A2 にリチウムイオン電池の電極端子を接続
し、端子B1 、B2 に充電器の電極端子を接続してリチ
ウムイオン電池を充電した場合に、過充電により保護素
子1の低融点金属体5が溶断しても引き続き発熱体3へ
の通電は持続するが、図6に示した回路構成によれば低
融点金属体5が2箇所5a、5bで溶断した後は、発熱
体3への通電が完全に停止する。したがって、過電圧防
止装置としての安全性をより向上させることが可能とな
る。
【0036】
【作用】本発明の保護素子は、無機系基板上に配設され
た無機系材料からなる発熱体、該発熱体の表面を覆う絶
縁層、及び該絶縁層上に配設された低融点金属体からな
るので、この保護素子と電圧検知手段とを組み合わせる
ことにより、過電圧防止装置を構成することが可能とな
る。即ち、電圧検知手段が過電圧を検知した場合に保護
素子の発熱体が発熱し、その上に配された低融点金属体
が溶断する。
【0037】この場合、保護素子の発熱体は無機系材料
から構成されているので、発熱体の抵抗値は発熱状態が
持続した場合でも安定である。したがって、保護素子の
使用に際して発熱体に長時間通電が行われ、発熱体が発
熱を持続しても、その発熱状態は安定しており、暴走す
ることはない。よって、本発明の保護素子には、過度の
発熱による発火の危険がなく、安全性に優れたものとな
る。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0039】実施例1 図1に示した評価用保護素子を次のようにして作製し
た。
【0040】まず、無機系基板として、アルミナ系セラ
ミック(厚さ0.5mm)を用意し、その上に銀ペース
ト(QS174、デュポン社製)を図1に示した端子パ
ターンにスクリーン印刷により塗布し、870℃で30
分間焼成し、発熱体用端子6a、6bと低融点金属体用
端子7a、7bとを形成した。次いで、発熱体用端子6
a、6b間に、酸化ルテニウム系抵抗ペースト(DP1
900、デュポン社製)をスクリーン印刷により塗布
し、870℃で30分間焼成し、10Ωの抵抗をもった
発熱体3を形成した。次に、発熱体3上にシリカ系絶縁
ペースト(AP5346、デュポン社製)を、低融点金
属体用端子7a、7bを覆わないように印刷し、500
℃で30分間焼成して絶縁層4を形成した。次に、発熱
体用端子6a、6b上に低融点金属箔(Sn:Sb=9
5:5、液相点240℃)(1mm×4mm)を熱圧着
することにより低融点金属体5を形成し、本発明の評価
用保護素子を作製した。
【0041】比較例1 発熱体3をフェノール系カーボンペースト(FC−40
3R、藤倉化成社製)を用いて形成し、絶縁層4をエポ
キシ系絶縁ペーストから形成する以外は実施例1を繰り
返し、比較例の評価用保護素子を作製した。
【0042】評価 実施例1及び比較例1の保護素子のそれぞれについて、
発熱体用端子6a、6b間に4Vの電圧を印加し、その
場合の電流の経時的変化と低融点金属体5が溶断するま
での時間を測定し、また溶断の状態を目視観察した。測
定された電流の経時的変化を図7に示す。図7から、実
施例1の発熱体は常に安定した電流値を示し、その抵抗
値が変化していないことがわかる。これに対して、比較
例1の発熱体は通電開始後約15秒で電流の上昇が始ま
り、抵抗値が下がっていることがわかる。さらに比較例
1の発熱体では、通電開始後約80秒から急激に電流値
が上昇していることがわかる。
【0043】また、実施例1の保護素子では、低融点金
属体5が溶断するまでの時間は21秒であり、発熱体の
外観には、終始格別の変化は認められなかった。一方、
比較例1の保護素子では、低融点金属体5が溶断するま
での時間は19秒であり、通電開始後約93秒で発熱体
が発火した。
【0044】以上の結果から、発熱体を無機系材料で構
成することにより、安全性の高い保護素子を得られるこ
とが確認できた。
【0045】実施例2 実施例1で作製した保護素子の低融点金属体5上にペー
スト状フラックス(HA・78・TS−M、タルチン社
製)を約0.5mmの厚さに塗布することにより内側封
止部8を形成し、次いで液晶ポリマー(G−530、日
石化学社製)を用いて成型された外側ケース9をエポキ
シ系接着剤で接着することにより、図2に示した態様の
保護素子を作製した。
【0046】実施例3 実施例1で作製した保護素子の低融点金属体5上に固形
状フラックス(Flux K201、タルチン社製)を
140°に加熱したディスペンサーを用いて塗布し、次
いで100℃の熱風循環式オーブン中で、塗布したフラ
ックスが低融点金属体5上に均一に広がるように処理す
ることにより内側封止部8を形成した。このときのフラ
ックスの厚みは約0.8mmであった。
【0047】次に、得られた内側封止部8の全面を覆う
ように2液混合型のエポキシ樹脂を塗布し、40℃で1
6時間硬化させ、外側封止部11を形成し、図3に示し
た態様の保護素子を作製した。
【0048】評価 実施例2及び実施例3の保護素子のそれぞれについて、
低融点金属体用端子7a、7bにデジタルマルチメータ
ーを接続し、抵抗値を確認しながら発熱体用端子6a、
6b間に4Vの電圧を印加したところ、いずれの保護素
子においても60秒以内に低融点金属体5が溶断するこ
とが確認された。このとき外側ケース9あるいは外側封
止部11からの低融点金属体の流出は観察されなかっ
た。
【0049】また、それぞれの保護素子を60℃、95
%RH又は105℃の環境下で250時間保持し、その
後上記と同様の電圧印加試験を行った。この場合にも、
当初の電圧印加試験と同様の結果が得られた。
【0050】
【発明の効果】第1の本発明によれば、過電圧を防止す
ることができ、安全性にも優れた保護素子を得ることが
できる。また、第2の本発明によれば、チップ型の保護
素子を、安定的な動作を確保しつつ、より小型化させる
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護素子の平面図(同図(a))及び
断面図(同図(b))である。
【図2】本発明の保護素子の他の態様の平面図(同図
(a))及び断面図(同図(b))である。
【図3】本発明の保護素子の他の態様の平面図(同図
(a))及び断面図(同図(b))である。
【図4】本発明の保護素子を用いた過電圧防止装置の回
路図である。
【図5】本発明の保護素子の他の態様の平面図(同図
(a))及び断面図(同図(b))である。
【図6】本発明の保護素子を用いた過電圧防止装置の他
の態様の回路図である。
【図7】実施例及び比較例の保護素子の発熱体に電圧を
印加した場合の発熱体の経時的電流変化を表した図であ
る。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d 保護素子 2 基板 3 発熱体 4 絶縁層 5 低融点金属体 6、6a、6b 発熱体用端子 7、7a、7b 低融点金属体用端子 8 内側封止部 9 外側ケース 10 空隙 11 外側封止部 12 電圧検知手段

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系基板上に配設された無機系材料か
    らなる発熱体、該発熱体の表面を覆う絶縁層、及び該絶
    縁層上に配設された低融点金属体からなることを特徴と
    する保護素子。
  2. 【請求項2】 低融点金属体が、該低融点金属体よりも
    低融点又は低軟化点を有する内側封止部で封止され、さ
    らに内側封止部が、該内側封止部と空隙を置いて配され
    た外側ケースで覆われている請求項1記載の保護素子。
  3. 【請求項3】 低融点金属体が該低融点金属体よりも低
    融点又は低軟化点を有する内側封止部で封止され、さら
    に内側封止部が低融点金属体よりも高融点又は高軟化点
    を有する外側封止部で封止されている請求項1記載の保
    護素子。
  4. 【請求項4】 内側封止部が、金属酸化膜除去作用を有
    する封止材料からなる請求項2又は3記載の保護素子。
  5. 【請求項5】 金属酸化膜除去作用を有する封止材料
    が、固形フラックスからなる請求項4記載の保護素子。
  6. 【請求項6】 外側ケースが液晶ポリマーからなる請求
    項2記載の保護素子。
  7. 【請求項7】 無機系基板上に無機系抵抗ペーストを塗
    布し、焼成することにより発熱体を形成する工程、発熱
    体の表面を絶縁層で覆う工程、絶縁層上に低融点金属体
    を配設する工程を含むことを特徴とする保護素子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 低融点金属体を配設した後、その低融点
    金属体を該低融点金属体よりも低融点又は低軟化点を有
    する内側封止部で封止する工程、さらに内側封止部の外
    側に空隙を置いて外側ケースを配設することにより内側
    封止部を外側ケースで覆う工程を有する請求項7記載の
    保護素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 低融点金属体を配設した後、その低融点
    金属体を該低融点金属体よりも低融点又は低軟化点を有
    する内側封止部で封止する工程、さらに内側封止部を該
    低融点金属体よりも高融点又は高軟化点を有する外側封
    止部で封止する工程を有する請求項7記載の保護素子の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれかに記載の保護
    素子と電圧検知手段からなり、電圧検知手段が所定電圧
    以上の電圧を検知することにより保護素子の発熱体が通
    電され発熱されるようにしたことを特徴とする過電圧防
    止装置。
  11. 【請求項11】 基板上に配設した低融点金属体、該低
    融点金属体よりも低融点又は低軟化点材料からなり、該
    低融点金属体を封止する内側封止部、及び該内側封止部
    と空隙を置いて該内側封止部を覆う外側ケースからなる
    過電流防止用保護素子。
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