JPH08165394A - 塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物

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JPH08165394A
JPH08165394A JP31062894A JP31062894A JPH08165394A JP H08165394 A JPH08165394 A JP H08165394A JP 31062894 A JP31062894 A JP 31062894A JP 31062894 A JP31062894 A JP 31062894A JP H08165394 A JPH08165394 A JP H08165394A
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JP
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vinylidene chloride
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chloride copolymer
copolymer resin
resin composition
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JP31062894A
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Noboru Anazawa
昇 穴沢
Masahiro Koizumi
雅裕 小泉
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来に比べて、押出成形時の熱安定性に優
れ、食品衛生性に優れた塩化ビニリデン系共重合樹脂組
成物を提供することである。 【構成】 塩化ビニリデン系共重合体100重量部に対
し、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタンを0.001〜1重量部、クエン酸あるいは
クエン酸アルカリ金属塩から選ばれる一種以上を合計で
0.001〜1重量部、及びエポキシ系安定剤0.2〜
5重量部を配合してなる塩化ビニリデン系共重合樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押出成形時の熱安定
性、食品衛生性に優れた新規塩化ビニリデン系共重合樹
脂組成物に関する。この塩化ビニリデン系共重合樹脂組
成物からは、食品包装等に使用される酸素遮断性、防湿
性等に極めて優れた、ラップ、フィルム、シート、容器
等を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニリデン系共重合樹脂は、加熱押
出成形により、ラップ、フィルム等に成形される。その
際に、該樹脂は熱により部分的な熱劣化を受けたり、酸
素による酸化劣化を受け易く、このため成形品が着色
し、製品の価値が著しく損なわれることが多い。このよ
うな熱による着色を防止するために、一般には熱安定化
剤が使用されており、特に食品包装分野においては衛生
性が優れた熱安定化剤が要求されている。
【0003】これに対して、従来より、塩化ビニリデン
系共重合体に対し、顕著に熱劣化及び酸化劣化を防止す
る作用のある各種の熱安定化剤が、見出され、多くの熱
安定化剤の使用が提案されている。なかでも、塩化ビニ
リデン系共重合体の熱安定化剤として、エポキシ系安定
剤は必須であり、押出成形用の塩化ビニリデン系共重合
樹脂組成物には必ず添加されていると言っても良い。し
かし、エポキシ系安定剤単独では、十分な熱安定化効果
が得られないため、通常、抗酸化剤やその他の熱安定化
剤と併用されている。
【0004】抗酸化剤としては、例えば、フェノール系
抗酸化剤のテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタン(特公昭57−10894号公報)、オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(特公昭57−
10894号公報)、2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メチルフェノール(特公昭49−20947号公
報)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
プロピオネート](特公平6−18963号公報)、あ
るいは、硫黄系抗酸化剤のジラウリルチオジプロピオネ
ート(特公昭61−26813号公報)等が知られてい
る。
【0005】その他の熱安定化剤としては、例えば、ク
エン酸アルカリ金属塩(特開平6−192523号公
報)、エチレンジアミン四酢酸塩(特公昭62−576
63号公報)等が知られている。しかしながら、昨今、
押出生産性の向上等の理由で該樹脂の加工条件が更に苛
酷になってきており、従来の塩化ビニリデン系共重合樹
脂組成物は、熱安定性の点で十分に満足できるものとは
言えず、更なる改善が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
に比べて、押出成形時の熱安定性、食品衛生性に優れた
塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記従来
技術の問題点を克服するために、従来公知の熱安定化
剤、抗酸化剤等の熱安定化を図るための添加剤の相乗効
果に関して、鋭意研究した結果、塩化ビニリデン系共重
合体に、下記(1)式で表される
【0008】
【化1】
【0009】−(1) テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メ
タン、クエン酸あるいはクエン酸アルカリ金属塩から選
ばれる一種以上、及びエポキシ系安定剤を特定の割合で
配合させることにより、上記問題点を解決することに成
功した。即ち、本発明の塩化ビニリデン系共重合樹脂組
成物を使用することにより、押出時の熱分解が抑えら
れ、加工条件が苛酷な状況下においても着色の極めて少
ない食品衛生性に優れた、ラップ、フィルム、シート等
が容易に得られることを見い出し完成したものである。
以下、本発明について詳述する。
【0010】本発明に用いる塩化ビニリデン系共重合体
は、塩化ビニリデン及び塩化ビニリデンと共重合可能な
単量体一種以上からなる共重合体で、塩化ビニリデン5
0〜99重量%及び塩化ビニリデンと共重合可能な単量
体一種以上1〜50重量%からなる共重合体である。塩
化ビニリデンと共重合可能な単量体としては、共重合性
に富むものであれば何でも良いが、産業上有用なものと
して例えば、塩化ビニル;アクリル酸メチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル
酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸
エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪族
カルボン酸のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸、フマル酸等の不飽和脂肪族カルボン酸;マレイン
酸モノブチル、マレイン酸モノ2−エチルヘキシル、イ
タコン酸モノブチル等の不飽和脂肪族カルボン酸のハー
フエステル;スチレン、メタクリロニトリル、メタクリ
ルアミド等の共重合性二重結合を有するオレフィン類;
ブタジエン、イソプレン等の共重合性二重結合を2個有
するジエン類及びクロロブタジエン等のそれらの塩化
物;メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテ
ル等の共重合性二重結合とエポキシ基を有する単量体;
ジビニルベンゼンや二価の脂肪族アルコールのメタクリ
ル酸エステルのように共重合性二重結合を分子内に2個
有する単量体;等を挙げることができるが、塩化ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシルが好んで用いられる。
【0011】本発明に用いる塩化ビニリデン系共重合体
は、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法のいずれの方
法によっても得られるが、懸濁重合法が好んで用いられ
る。本発明で使用する前記(1)式の化合物の配合割合
は、塩化ビニリデン系共重合体100重量部に対して、
0.001〜1重量部、好ましくは0.005〜0.2
重量部である。この配合割合が少な過ぎると、押出成形
時の熱安定化効果が小さく、逆に、多過ぎてもむしろ熱
安定性が悪化したり、製膜性が損なわれたり、或いはガ
スバリヤー性が低下する等の問題点がある。前記(1)
式の化合物は、例えばIRGANOX1010の商品名
(チバガイギー株式会社製)で市販されており、食品衛
生上優れているものである。
【0012】また、本発明で使用するクエン酸あるいは
クエン酸アルカリ金属塩から選ばれる一種以上の合計の
配合割合は、塩化ビニリデン系共重合体100重量部に
対して、0.001〜1重量部、好ましくは0.005
〜0.2重量部である。この配合割合が少な過ぎると、
押出成形時の熱安定化効果が小さく、逆に、多過ぎると
むしろ熱安定性が悪化したり、製膜性が損なわれたり、
或いはガスバリヤー性が低下する等の問題点がある。ク
エン酸あるいはクエン酸アルカリ金属塩は、食品衛生上
優れており、特に、クエン酸とクエン酸三ナトリウムは
食品添加物として認定されている。
【0013】また、本発明で使用するエポキシ系安定剤
は、分子内にエポキシ基を有する化合物である。エポキ
シ系安定剤は、塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物の熱
分解により発生する塩化水素の捕捉するものとして作用
する。エポキシ系安定化剤としては、例えば、アマニ
油、大豆油、ヤシ油、サフラワー油、サンフラワー油、
綿実油、ヒマワリ油等をエポキシ化したエポキシ化植物
油;エポキシ化ステアリン酸オクチルに代表されるエポ
キシ化脂肪酸モノエステル;不飽和脂肪酸のグリコール
エステルをエポキシ化して得られるエポキシ化脂肪酸ジ
エステル;エポキシ化ヘキサヒドロフタル酸エステルに
代表される脂環系エポキシド;ビスフェノールAジグリ
シジルエーテルに代表されるエポキシ樹脂;等を挙げる
ことができる。これらの中でも、特にエポキシ化植物油
が食品衛生上等の観点から好んで用いられる。エポキシ
系安定剤の配合割合は、塩化ビニリデン系共重合体10
0重量部に対して、0.2〜5重量部、好ましくは0.
5〜3重量部である。この配合割合が少な過ぎると押出
成形時の熱安定化改良効果が小さく、逆に多過ぎてもむ
しろ熱安定性が悪化したり、製膜性が損なわれたり、或
いはガスバリヤー性が低下する等の問題点がある。
【0014】本発明に用いる塩化ビニリデン系共重合樹
脂組成物はこれら各成分を混合することにより調整する
ことができる。これらの各成分は、塩化ビニリデン系共
重合体の重合段階で前添加しても、重合終了後塩化ビニ
リデン系共重合体に後添加してもいずれでも良い。前記
(1)式の化合物に関しては、特に前添加が押出時の熱
安定性改良に、より効果的である。理由は明確ではない
が、塩化ビニリデン系共重合体の重合段階で添加される
ことにより、熱安定性を阻害する化合物の重合反応中の
生成を抑制しているのではないかと推定される。
【0015】本発明の塩化ビニリデン系共重合樹脂組成
物は、そのまま成形加工に付しても良いが、必要に応じ
て、さらに、その他の各種添加剤を加えることも可能で
ある。その他の各種添加剤としては、液状可塑剤、例え
ば、アセチルクエン酸トリブチル、セバシン酸ジブチ
ル;前記(1)式の化合物以外のフェノール系抗酸化剤
の、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ル−フェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシ−−5−メチルフェニ
ル)プロピオネート]、dl−α−トコフェロール及び
その誘導体;チオエーテル系抗酸化剤の、例えば、ジラ
ウリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸;ホ
スファィト系抗酸化剤の、例えば、トリスノニルフェニ
ルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メ
チル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシ
ル)ホスファイト;UV吸収剤の、例えば、2−(2−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベゾトリアゾール、
2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン;エチレン
ジアミン四酢酸及びそのアルカリ金属塩;酸化マグネシ
ウム;炭酸塩類の、例えば、炭酸ナトリウム;亜硫酸塩
類の、例えば、亜硫酸水素ナトリウム;リン酸塩類の、
例えば、リン酸ナトリウム;ピロリン酸塩類の、例え
ば、ピロリン酸ナトリウム;コハク酸及びそのアルカリ
金属塩;リン酸;アスコルビン酸;各種着色剤;各種滑
剤;等を挙げることができる。
【0016】本発明による塩化ビニリデン系共重合樹脂
組成物は、公知の成形手段、例えばインフレーション
法、Tダイ法等の押出成形法、射出成形法、ブロー成形
法等により、ラップ、フィルム、シート等に成形するこ
とができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例
のみに限定されるものではない。尚、例中の熱安定性、
酸素透過率は、以下の方法によって求めた。 熱安定性 塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物を、180℃、20
0kg/cm2 の条件で所定の時間プレスし、厚さ約2
mmのシートを作成し、これらサンプルの変色の度合い
を色彩色差計(日本電色工業株式会社製、Z−300
A)によるb*、YI値で表し、抗酸化剤の熱安定化効
果を評価した。b*は彩度を表す色度を意味し、プラス
値が大きくなる程黄色味が強くなる方向を示し、マイナ
ス値が大きくなる程青味が強くなる方向を示す。YIは
色相が黄色方向に離れる度合いで、黄色度と呼ばれ、プ
ラスの値として表示される。従って、マイナスの値とし
て算出されたときは、色相が青方向へ移行することを示
す。塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物は熱劣化が進む
程黄色味が強くなるので、b*、YI値が大きい程熱安
定性が悪いことを意味する。
【0018】酸素透過率 JIS−K7126に準拠して測定し、1μm厚みに換
算した。(単位:cc・μm/m2 ・day・atm
at 23℃−65%RH)
【0019】
【実施例1〜3】50リットルの撹拌機付き反応機に、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.1重量部を溶
解した脱イオン水100重量部を投入し、撹拌開始後系
内30℃にて窒素置換する。その後、塩化ビニリデン単
量体(VDC)82重量部、塩化ビニル単量体(VC)
18重量部、前記(1)式の化合物(IRGANOX1
010の商品名(チバーガイギー株式会社製))を得ら
れる塩化ビニリデン系共重合体に対して0.02重量部
となる量、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート
0.15重量部からなる混合物を投入し、反応機内を4
2℃に昇温して重合を開始する。42℃で15時間、そ
の後更に53℃まで昇温し、53℃で18時間重合した
後、未反応単量体を回収、降温後スラリーを取り出す。
得られたスラリーを遠心式の脱水機にかけ水を分離し、
水分を約20%含有する粉末状の塩化ビニリデン系共重
合体を得た。
【0020】この塩化ビニリデン系共重合体100重量
部に対し、クエン酸0.01重量部(実施例1)、或い
はクエン酸三ナトリウム0.01重量部(実施例2)、
或いはクエン酸三カリウム0.01重量部(実施例3)
を添加し、さらにエポキシ化アマニ油(ニューサイザー
512の商品名(日本油脂株式会社製))1.0重量部
とアセチルクエン酸トリブチル5重量部、これに水20
0重量部を加えてスラリー状態で、常温で60分撹拌し
た。これを遠心式の脱水機で脱水し、熱風式乾燥機を用
い50℃で1日乾燥した。得られたポリマーの熱安定性
を前述の方法により評価した。更に、得られた塩化ビニ
リデン系共重合樹脂組成物からインフレーション法によ
り40μm厚みのフィルムを得、前述の方法で酸素透過
率の評価を行った。この結果を表1に示す。
【0021】
【比較例1〜3】クエン酸あるいはクエン酸アルカリ金
属塩を無添加とする(比較例1)、前記(1)式の化合
物を無添加とする(比較例2)、エポキシ化アマニ油を
無添加とする(比較例3)以外は実施例1と同様にして
塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物を得た。更に、実施
例1と同様の方法で熱安定性及びガスバリヤー性評価を
行った。この結果を表1に示す。
【0022】
【比較例4〜6】前記(1)式の化合物の添加量を1.
2重量部とする(比較例4)、クエン酸の添加量を1.
2重量部とする(比較例5)、エポシキ化アマニ油の添
加量を6.0重量部とする(比較例6)以外は実施例1
と同様にして塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物を得
た。更に、実施例1と同様の方法で熱安定性及びガスバ
リヤー性評価を行った。この結果を表1に示す。
【0023】実施例1〜3は、比較例1〜6に比べ、各
プレス時間でb*及びYI共に値が小さい。これは熱劣
化等による変色が少ないことを示しており、前者が後者
より熱安定化効果が優れていることが分かる。つまり、
本発明の組成物において使用される3種の添加剤、すな
わち、前記(1)式の化合物、クエン酸あるいはクエン
酸アルカリ金属塩、エポキシ系安定剤はいずれも高い熱
安定化効果を発現するためには必須成分であって、1種
類でも欠けると、残りの添加剤の添加量を増加しても本
発明の樹脂組成物の熱安定性よりも劣ったものとなる。
この理由は明らかではないが、3種類の添加剤がそれぞ
れ別の熱安定化作用を持っており、その3種類の相乗作
用によってはじめて本発明のような高い熱安定化効果が
発現できると考えられる。また、1種類の添加剤が欠け
た状態で、残りの添加剤の添加量を増加すると、ガスバ
リヤー性の低下につながる。
【0024】
【比較例7〜10】前記(1)式の化合物の代わりに、
ジラウリルチオジプロピオネート(アンチオックスLの
商品名(日本油脂株式会社製))を0.02重量部(比
較例7)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
−フェノール(スミライザーBHTの商品名(住友化学
株式会社製))を0.02重量部(比較例8)、オクタ
デシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−フェニル)プロピオネート(IRGANOX
1076の商品名(チバガイギー株式会社製))を0.
02重量部(比較例9)、トリエチレングリコール−ビ
ス[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオネート](IRGANOX
245の商品名(チバーガイギー株式会社製))を0.
02重量部(比較例10)添加する以外は実施例1と同
様にして塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物を得た。更
に、実施例1と同様の方法で熱安定性及びガスバリヤー
性評価を行った。この結果を表2に示す。
【0025】実施例1〜3は、比較例7〜10に比べ、
各プレス時間でb*及びYI共に値が小さい。これは熱
劣化等による変色が少ないことを示しており、前者が後
者より熱安定化効果が優れていることが分かる。前記
(1)式の化合物以外の抗酸化剤は、たとえクエン酸あ
るいはクエン酸アルカリ金属塩や、エポキシ系安定剤と
組み合わせても、十分な熱安定化効果は得られない。
【0026】多くの抗酸化剤の中で、本発明に使用す
る、前記(1)式の化合物だけが卓越した熱安定化効果
を発揮する理由については明確ではないが、クエン酸あ
るいはクエン酸アルカリ金属塩や、エポキシ系安定剤を
添加しない場合の前記(1)式の化合物の熱安定化効果
は、その他の抗酸化剤と大きな差がないことから、前記
(1)式の化合物の持つ4官能構造が、クエン酸あるい
はクエン酸アルカリ金属塩や、エポキシ系安定剤との相
乗作用に関して、特別の効果を持っているものと考えら
れる。
【0027】
【実施例4〜6、比較例11〜20】単量体として、塩
化ビニリデン(VDC)93重量部とアクリル酸メチル
(MA)7重量部を使用したこと以外は、実施例1〜3
及び比較例1〜10と同様にして塩化ビニリデン系共重
合樹脂組成物を得た。以上の結果は表3及び表4に示
す。
【0028】実施例4〜6は、比較例11〜20に比
べ、各プレス時間でb*及びYI共に値が小さく、熱劣
化等による変色が少ないことが分かる。これは本発明
が、塩化ビニリデン系共重合体として塩化ビニリデン−
アクリル酸メチル共重合体を用いた樹脂組成物において
も、熱安定化効果が優れていることを示している。ま
た、酸素透過率の絶対値は塩化ビニリデン−塩化ビニル
共重合体を用いた樹脂組成物より劣るものの、これは共
重合体組成の違いによるものであり、添加剤に起因する
ものではない。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、従来に比べて、押出成
形時の熱安定性に優れ、食品衛生性に優れた塩化ビニリ
デン系共重合樹脂組成物を提供することができる。本発
明の塩化ビニリデン系共重合体は各種成形物の原料とし
て使用できるが、ガスバリヤー性が極めて良好で、食品
衛生性に優れているので、特にラップ、フィルム、シー
ト等の食品包装材料として好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニリデン系共重合体100重量
    部、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−ter
    t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
    ト]メタンを0.001〜1重量部、クエン酸あるいは
    クエン酸アルカリ金属塩から選ばれる一種以上を合計で
    0.001〜1重量部、及びエポキシ系安定剤0.2〜
    5重量部を含有してなる塩化ビニリデン系共重合樹脂組
    成物
JP31062894A 1994-12-14 1994-12-14 塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物 Pending JPH08165394A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008074908A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Asahi Kasei Chemicals Corp 塩化ビニリデン−アクリル酸メチル共重合体樹脂組成物及びその樹脂組成物から成るフィルム
JP2016023271A (ja) * 2014-07-23 2016-02-08 旭化成ケミカルズ株式会社 塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム

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