JPH08165535A - 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金 - Google Patents
耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金Info
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- JPH08165535A JPH08165535A JP33206294A JP33206294A JPH08165535A JP H08165535 A JPH08165535 A JP H08165535A JP 33206294 A JP33206294 A JP 33206294A JP 33206294 A JP33206294 A JP 33206294A JP H08165535 A JPH08165535 A JP H08165535A
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- corrosion resistance
- brazing
- heat exchanger
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱交換器用アルミニウム合金として、薄肉化
が可能となるように耐食性を高めたものを提供する。 【構成】 Mn0.6〜1.5%、Cu0.10〜0.
80%、Fe0.30%以下、Si0.20%以下を含
有し、さらにW0.03〜0.30%、Mo0.03〜
0.30%、Co0.03〜0.50%の1種以上を含
有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる熱交換
器用アルミニウム合金。また上記の各成分のほか、さら
にMg0.06〜0.40%、Cr0.06〜0.25
%、Zr0.06〜0.25%のうちから選ばれた1種
または2種以上を含有する熱交換器用アルミニウム合
金。
が可能となるように耐食性を高めたものを提供する。 【構成】 Mn0.6〜1.5%、Cu0.10〜0.
80%、Fe0.30%以下、Si0.20%以下を含
有し、さらにW0.03〜0.30%、Mo0.03〜
0.30%、Co0.03〜0.50%の1種以上を含
有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる熱交換
器用アルミニウム合金。また上記の各成分のほか、さら
にMg0.06〜0.40%、Cr0.06〜0.25
%、Zr0.06〜0.25%のうちから選ばれた1種
または2種以上を含有する熱交換器用アルミニウム合
金。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車用熱交
換器のヘッダープレート、ドローンカップ等のろう付構
造体における水等の流体通路用のクラッド材の芯材な
ど、熱交換器用の構造材として使用されるアルミニウム
合金に関するものである。
換器のヘッダープレート、ドローンカップ等のろう付構
造体における水等の流体通路用のクラッド材の芯材な
ど、熱交換器用の構造材として使用されるアルミニウム
合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用の熱交換器としては、オイルク
ーラー、インタークーラー、ラジエーター、エアコンの
エバポレータやコンデンサ等があるが、このような自動
車用の熱交換器のうちヘッダープレートあるいはドロー
ンカップなどのろう付構造体には、アルミニウム合金芯
材(構造材)の片面もしくは両面にアルミニウムろう材
(皮材)をクラッドしてなるアルミニウム製ブレージン
グシートが多用されるようになっている。
ーラー、インタークーラー、ラジエーター、エアコンの
エバポレータやコンデンサ等があるが、このような自動
車用の熱交換器のうちヘッダープレートあるいはドロー
ンカップなどのろう付構造体には、アルミニウム合金芯
材(構造材)の片面もしくは両面にアルミニウムろう材
(皮材)をクラッドしてなるアルミニウム製ブレージン
グシートが多用されるようになっている。
【0003】このようなブレージングシートの芯材とし
ては、一般にAl−Mn系あるいはAl−Mn−Cu
系、Al−Mn−Mg−Cu系などの主としてMnを含
有する系の合金が用いられており、その代表的なものと
しては3003合金や3005合金などがあり、またこ
のほかAl−Mg−Si系の6951合金なども使用さ
れている。一方ブレージングシートのろう材(皮材)と
しては、Al−Si系、Al−Si−Mg系、Al−S
i−Mg−Bi系等の主にSiを含有するろう付用アル
ミニウム合金が用いられている。
ては、一般にAl−Mn系あるいはAl−Mn−Cu
系、Al−Mn−Mg−Cu系などの主としてMnを含
有する系の合金が用いられており、その代表的なものと
しては3003合金や3005合金などがあり、またこ
のほかAl−Mg−Si系の6951合金なども使用さ
れている。一方ブレージングシートのろう材(皮材)と
しては、Al−Si系、Al−Si−Mg系、Al−S
i−Mg−Bi系等の主にSiを含有するろう付用アル
ミニウム合金が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アルミニウム合金製熱
交換器のろう付構造物におけるブレージングシートの芯
材には、優れた耐食性が要求されるとともに、構造材と
して必要な機械的強度を有することが要求される。従来
この種のブレージングシートの芯材に使用されている3
003合金や6951合金は、耐食性が比較的良好であ
ってしかもある程度の機械的強度を確保することが可能
であった。しかしながら最近では自動車等の熱交換器に
おいては軽量化、低コスト化の要請が一層強まってお
り、そのため熱交換器用ブレージングシートの芯材で代
表される熱交換器用構造材についてもより一層の薄肉化
が強く求められており、したがって薄肉化しても充分な
機械的強度が得られるように材料強度をより一層高める
ことが求められているが、そればかりでなく、より一層
耐食性を向上させることが強く求められている。
交換器のろう付構造物におけるブレージングシートの芯
材には、優れた耐食性が要求されるとともに、構造材と
して必要な機械的強度を有することが要求される。従来
この種のブレージングシートの芯材に使用されている3
003合金や6951合金は、耐食性が比較的良好であ
ってしかもある程度の機械的強度を確保することが可能
であった。しかしながら最近では自動車等の熱交換器に
おいては軽量化、低コスト化の要請が一層強まってお
り、そのため熱交換器用ブレージングシートの芯材で代
表される熱交換器用構造材についてもより一層の薄肉化
が強く求められており、したがって薄肉化しても充分な
機械的強度が得られるように材料強度をより一層高める
ことが求められているが、そればかりでなく、より一層
耐食性を向上させることが強く求められている。
【0005】すなわち熱交換器用構造材における腐食の
代表的な形態としては孔食があるが、薄肉化を図った場
合に孔食が進行すれば、その孔食が板厚方向に貫通して
しまい、その結果熱交換器の内外の水や空気等の流出、
流入が生じて熱交換機能が正常に働かなくなる。したが
って薄肉化を図りながらも熱交換器に充分な耐久性を確
保させるためには、従来よりも一層耐食性を向上させる
必要がある。また一般にこの種のブレージングシート用
芯材などのアルミニウム合金では、高強度化を図ろうと
すれば耐食性が低下する傾向が強く、そのため薄肉、高
強度化を図った場合には、耐食性を充分に確保できなく
なってしまいやすいという問題があり、したがって薄肉
化、高強度化にも限界があったのが実情である。
代表的な形態としては孔食があるが、薄肉化を図った場
合に孔食が進行すれば、その孔食が板厚方向に貫通して
しまい、その結果熱交換器の内外の水や空気等の流出、
流入が生じて熱交換機能が正常に働かなくなる。したが
って薄肉化を図りながらも熱交換器に充分な耐久性を確
保させるためには、従来よりも一層耐食性を向上させる
必要がある。また一般にこの種のブレージングシート用
芯材などのアルミニウム合金では、高強度化を図ろうと
すれば耐食性が低下する傾向が強く、そのため薄肉、高
強度化を図った場合には、耐食性を充分に確保できなく
なってしまいやすいという問題があり、したがって薄肉
化、高強度化にも限界があったのが実情である。
【0006】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、熱交換器用ブレージングシートの芯材など、
熱交換器に使用されるアルミニウム合金として、特に優
れた耐食性を有するアルミニウム合金を提供することを
目的とするものである。
たもので、熱交換器用ブレージングシートの芯材など、
熱交換器に使用されるアルミニウム合金として、特に優
れた耐食性を有するアルミニウム合金を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、本発明者等が鋭意実験・検討を重ねた結果、
Al−Mn−Cu系をベースとし、これにW,Mo,C
oのいずれか一種以上を適切な量だけ添加することによ
って、耐食性を従来の熱交換器用アルミニウム合金より
も格段に向上させ得ることを見出し、この発明をなすに
至った。
するため、本発明者等が鋭意実験・検討を重ねた結果、
Al−Mn−Cu系をベースとし、これにW,Mo,C
oのいずれか一種以上を適切な量だけ添加することによ
って、耐食性を従来の熱交換器用アルミニウム合金より
も格段に向上させ得ることを見出し、この発明をなすに
至った。
【0008】具体的には、請求項1の発明の熱交換器用
アルミニウム合金は、Mn0.6〜1.5%、Cu0.
10〜0.80%、Fe0.30%以下、Si0.20
%以下を含有し、かつW0.03〜0.30%、Mo
0.03〜0.30%、Co0.03〜0.50%のう
ちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がA
lおよび不可避的不純物からなることを特徴とするもの
である。
アルミニウム合金は、Mn0.6〜1.5%、Cu0.
10〜0.80%、Fe0.30%以下、Si0.20
%以下を含有し、かつW0.03〜0.30%、Mo
0.03〜0.30%、Co0.03〜0.50%のう
ちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がA
lおよび不可避的不純物からなることを特徴とするもの
である。
【0009】また請求項2の発明の熱交換器用アルミニ
ウム合金は、Mn0.6〜1.5%、Cu0.10〜
0.80%、Fe0.30%以下、Si0.20%以下
を含有し、かつW0.03〜0.30%、Mo0.03
〜0.30%、Co0.03〜0.50%のうちから選
ばれた1種または2種以上を含有し、さらにMg0.0
6〜0.40%、Cr0.06〜0.25%、Zr0.
06〜0.25%のうちから選ばれた1種または2種以
上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる
ことを特徴とするものである。
ウム合金は、Mn0.6〜1.5%、Cu0.10〜
0.80%、Fe0.30%以下、Si0.20%以下
を含有し、かつW0.03〜0.30%、Mo0.03
〜0.30%、Co0.03〜0.50%のうちから選
ばれた1種または2種以上を含有し、さらにMg0.0
6〜0.40%、Cr0.06〜0.25%、Zr0.
06〜0.25%のうちから選ばれた1種または2種以
上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる
ことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】先ずこの発明における合金成分の限定理由を説
明する。
明する。
【0011】Mn:Mnはこの発明の系の合金で基本と
なる合金元素であって、強度を高めるために有効である
と同時に、耐食性を向上させるに有効な元素であり、さ
らにはろう付性の改善に効果がある。Mn含有量が0.
6%未満ではこれらの効果が充分に得られず、一方1.
5%を越えて添加されれば、巨大な金属間化合物が生成
されて、加工性および耐食性が低下し、また粒界腐食感
受性が高くなる。したがってMn量は0.6〜1.5%
の範囲内とした。
なる合金元素であって、強度を高めるために有効である
と同時に、耐食性を向上させるに有効な元素であり、さ
らにはろう付性の改善に効果がある。Mn含有量が0.
6%未満ではこれらの効果が充分に得られず、一方1.
5%を越えて添加されれば、巨大な金属間化合物が生成
されて、加工性および耐食性が低下し、また粒界腐食感
受性が高くなる。したがってMn量は0.6〜1.5%
の範囲内とした。
【0012】Cu:Cuは、ブレージングシートの芯材
としてその芯材の電位を貴にし、ろう材との電位差を大
きくしてろう材の犠牲陽極効果を高め、またろう付後の
強度を高めるために有効である。Cuが0.10%未満
ではこれらの効果が小さく、一方0.80%を越えて添
加されれば、自己耐食性が低下するとともに、粒界腐食
が激しくなって結果的に耐食性が低下する。したがって
Cu量は0.10〜0.80%の範囲内とした。
としてその芯材の電位を貴にし、ろう材との電位差を大
きくしてろう材の犠牲陽極効果を高め、またろう付後の
強度を高めるために有効である。Cuが0.10%未満
ではこれらの効果が小さく、一方0.80%を越えて添
加されれば、自己耐食性が低下するとともに、粒界腐食
が激しくなって結果的に耐食性が低下する。したがって
Cu量は0.10〜0.80%の範囲内とした。
【0013】Fe:Feは通常のアルミニウム合金にお
いて不可避的に含有される不純物元素であり、Al−F
e系、Al−Fe−Mn系、Al−Fe−Mn−Si系
の金属間化合物の晶出物や析出物を生成し、これらの金
属間化合物がAlマトリックスに対しカソードとなって
電気化学的に耐食性を低下させるから、Fe量は可及的
に少ないことが望ましい。特にFe量が0.30%を越
えて含有されれば、耐食性の低下が激しくなるから、F
eは不純物として0.30%以下に規制することとし
た。
いて不可避的に含有される不純物元素であり、Al−F
e系、Al−Fe−Mn系、Al−Fe−Mn−Si系
の金属間化合物の晶出物や析出物を生成し、これらの金
属間化合物がAlマトリックスに対しカソードとなって
電気化学的に耐食性を低下させるから、Fe量は可及的
に少ないことが望ましい。特にFe量が0.30%を越
えて含有されれば、耐食性の低下が激しくなるから、F
eは不純物として0.30%以下に規制することとし
た。
【0014】Si:Siも通常のアルミニウム合金にお
いて不可避的に含有される不純物元素であり、Feと共
存してAl−Fe−Si系やAl−Fe−Mn−Si系
の金属間化合物の晶出物や析出物を生成し、これらの金
属間化合物がAlマトリックスに対してカソードとなっ
て耐食性を低下させるから、Si量も可及的に少ないこ
とが望ましい。特にSi量が0.20%を越えれば耐食
性の低下が激しくなるから、Siは不純物として0.2
0%以下に規制することとした。
いて不可避的に含有される不純物元素であり、Feと共
存してAl−Fe−Si系やAl−Fe−Mn−Si系
の金属間化合物の晶出物や析出物を生成し、これらの金
属間化合物がAlマトリックスに対してカソードとなっ
て耐食性を低下させるから、Si量も可及的に少ないこ
とが望ましい。特にSi量が0.20%を越えれば耐食
性の低下が激しくなるから、Siは不純物として0.2
0%以下に規制することとした。
【0015】W,Mo,Co:これらの元素は、この発
明において積極的な添加元素であり、いずれか1種また
は2種以上が耐食性向上のために添加される。すなわ
ち、これらの元素はいずれもピット状の腐食形態を層状
に変化させて板厚方向への腐食の進行を遅らせ、最大腐
食深さを小さくすることを通じて、耐食性向上に寄与す
る。またこれらの元素は、いずれもブレージングシート
の芯材としてその電位を貴にし、ろう材との電位差を大
きくしてろう材の犠牲陽極効果を高めるためにも有効で
ある。いずれの元素もその添加量が0.03%未満では
これらの効果が充分に得られない。一方W,Moの添加
量がそれぞれ0.30%を越えれば、またCoの添加量
が0.50%を越えれば、いずれの場合も巨大金属間化
合物を形成して成形性を低下させる。したがってW,M
oの添加量はそれぞれ0.03〜0.30%の範囲内、
Coの添加量は0.03〜0.50%の範囲内とした。
明において積極的な添加元素であり、いずれか1種また
は2種以上が耐食性向上のために添加される。すなわ
ち、これらの元素はいずれもピット状の腐食形態を層状
に変化させて板厚方向への腐食の進行を遅らせ、最大腐
食深さを小さくすることを通じて、耐食性向上に寄与す
る。またこれらの元素は、いずれもブレージングシート
の芯材としてその電位を貴にし、ろう材との電位差を大
きくしてろう材の犠牲陽極効果を高めるためにも有効で
ある。いずれの元素もその添加量が0.03%未満では
これらの効果が充分に得られない。一方W,Moの添加
量がそれぞれ0.30%を越えれば、またCoの添加量
が0.50%を越えれば、いずれの場合も巨大金属間化
合物を形成して成形性を低下させる。したがってW,M
oの添加量はそれぞれ0.03〜0.30%の範囲内、
Coの添加量は0.03〜0.50%の範囲内とした。
【0016】Mg,Cr,Zr:これらは請求項2の発
明において、ろう付加熱後の強度をより一層高めるため
に、1種または2種以上が積極的に添加される。これら
のうち、Mgはろう付加熱後の強度を高めるために最も
有効な元素であるが、Mgが0.06%未満ではその効
果が充分に得られず、一方Mgが0.40%を越えて添
加されれば、ブレージングシートの芯材としてその電位
を卑にして、ろう材による犠牲陽極効果が得られなくな
るから、Mgを添加する場合のMg量は0.06〜0.
40%の範囲内とした。またCr,Zrもろう付加熱後
の強度を高めるために有効な元素であるが、それぞれ
0.06%未満ではその効果が充分に得られず、一方そ
れぞれ0.25%を越えて添加されれば、巨大な金属間
化合物が形成されて加工性が低下する。したがってCr
もしくはZrを添加する場合の添加量は、それぞれ0.
06〜0.25%の範囲内とした。なお請求項1の発明
のアルミニウム合金においても、Mg,Cr,Zrが不
純物としてそれぞれ0.06%未満含有される場合があ
ることは勿論である。
明において、ろう付加熱後の強度をより一層高めるため
に、1種または2種以上が積極的に添加される。これら
のうち、Mgはろう付加熱後の強度を高めるために最も
有効な元素であるが、Mgが0.06%未満ではその効
果が充分に得られず、一方Mgが0.40%を越えて添
加されれば、ブレージングシートの芯材としてその電位
を卑にして、ろう材による犠牲陽極効果が得られなくな
るから、Mgを添加する場合のMg量は0.06〜0.
40%の範囲内とした。またCr,Zrもろう付加熱後
の強度を高めるために有効な元素であるが、それぞれ
0.06%未満ではその効果が充分に得られず、一方そ
れぞれ0.25%を越えて添加されれば、巨大な金属間
化合物が形成されて加工性が低下する。したがってCr
もしくはZrを添加する場合の添加量は、それぞれ0.
06〜0.25%の範囲内とした。なお請求項1の発明
のアルミニウム合金においても、Mg,Cr,Zrが不
純物としてそれぞれ0.06%未満含有される場合があ
ることは勿論である。
【0017】以上の各元素のほかは、AlおよびFe,
Si以外の不可避的不純物とすれば良い。ここで、Ti
も不純物に含まれるが、各不純物元素はそれぞれ0.0
6%未満、望ましくは0.05%以下であれば特にこの
発明で目的とする性能を損なうことはない。但し、S
n,Pb,Gaは微量でもブレージングシートの芯材と
してその電位を卑にし、耐食性を損なうおそれがあるか
ら、これらはそれぞれ0.02%以下に規制することが
望ましい。
Si以外の不可避的不純物とすれば良い。ここで、Ti
も不純物に含まれるが、各不純物元素はそれぞれ0.0
6%未満、望ましくは0.05%以下であれば特にこの
発明で目的とする性能を損なうことはない。但し、S
n,Pb,Gaは微量でもブレージングシートの芯材と
してその電位を卑にし、耐食性を損なうおそれがあるか
ら、これらはそれぞれ0.02%以下に規制することが
望ましい。
【0018】以上のような成分組成のこの発明の熱交換
器用アルミニウム合金をブレージングシートの芯材とし
て用いる場合は、その片面もしくは両面にろう材をクラ
ッドする。その場合のろう材としては、Al−Si系合
金、Al−Si−Mg系合金あるいはAl−Si−Mg
−Bi系合金などを用いることができ、その具体的な規
格合金としては、4003合金、4004合金、410
4合金、4005合金、4N04合金、4045合金、
4343合金、4145合金、4047合金等がある
が、特にこれらに限定されるものではなく、その他の元
素例えばBe,Cu,Zn,In,Sn等を添加したろ
う材を使用することもできる。なおブレージングシート
とする場合のろう材のクラッド率は、板厚にもよるが、
通常は片面当り5〜20%程度が好ましい。
器用アルミニウム合金をブレージングシートの芯材とし
て用いる場合は、その片面もしくは両面にろう材をクラ
ッドする。その場合のろう材としては、Al−Si系合
金、Al−Si−Mg系合金あるいはAl−Si−Mg
−Bi系合金などを用いることができ、その具体的な規
格合金としては、4003合金、4004合金、410
4合金、4005合金、4N04合金、4045合金、
4343合金、4145合金、4047合金等がある
が、特にこれらに限定されるものではなく、その他の元
素例えばBe,Cu,Zn,In,Sn等を添加したろ
う材を使用することもできる。なおブレージングシート
とする場合のろう材のクラッド率は、板厚にもよるが、
通常は片面当り5〜20%程度が好ましい。
【0019】この発明の熱交換器用アルミニウム合金を
製造する方法は、特に限られるものではなく、常法に従
えば良いが、特にブレージングシートの芯材として、ろ
う材とクラッド化して使用する場合におけるブレージン
グシート製造方法の好適な例を次に示す。
製造する方法は、特に限られるものではなく、常法に従
えば良いが、特にブレージングシートの芯材として、ろ
う材とクラッド化して使用する場合におけるブレージン
グシート製造方法の好適な例を次に示す。
【0020】すなわち、芯材を半連続鋳造法(DC鋳造
法)によって0.05〜100℃/秒の冷却速度で鋳造
し、得られた芯材の鋳塊に対して530〜620℃程度
で1〜12時間程度の均質化処理を施す。このような温
度で均質化処理を行なうことによって、Al−Mn系の
晶出物が粗大化し、ろう付け時のろう材のエロージョン
を防止することに有効となる。均質化処理後、面削を施
してから、片面もしくは両面にろう材を重ね合わせて4
50〜520℃程度の温度で熱間クラッド圧延を行な
う。その後、60%以上の圧延率で冷間圧延を施し、そ
の後300〜550℃において最終焼鈍を行なう。この
最終焼鈍方法としてはバッチ炉による焼鈍、あるいは連
続焼鈍炉による短時間焼鈍のいずれを適用しても良い。
また必要に応じて、熱間クラッド圧延後、あるいは冷間
圧延の中途で中間焼鈍を施しても良い。
法)によって0.05〜100℃/秒の冷却速度で鋳造
し、得られた芯材の鋳塊に対して530〜620℃程度
で1〜12時間程度の均質化処理を施す。このような温
度で均質化処理を行なうことによって、Al−Mn系の
晶出物が粗大化し、ろう付け時のろう材のエロージョン
を防止することに有効となる。均質化処理後、面削を施
してから、片面もしくは両面にろう材を重ね合わせて4
50〜520℃程度の温度で熱間クラッド圧延を行な
う。その後、60%以上の圧延率で冷間圧延を施し、そ
の後300〜550℃において最終焼鈍を行なう。この
最終焼鈍方法としてはバッチ炉による焼鈍、あるいは連
続焼鈍炉による短時間焼鈍のいずれを適用しても良い。
また必要に応じて、熱間クラッド圧延後、あるいは冷間
圧延の中途で中間焼鈍を施しても良い。
【0021】なおこの発明の熱交換器用アルミニウム合
金を芯材として用いたブレージングシートを用いてろう
付構造体を組立てるにあたっては、真空ろう付法、フラ
ックスろう付法、非腐食性フラックスろう付法などが好
適に適用されるが、これらに限定されないことは勿論で
ある。
金を芯材として用いたブレージングシートを用いてろう
付構造体を組立てるにあたっては、真空ろう付法、フラ
ックスろう付法、非腐食性フラックスろう付法などが好
適に適用されるが、これらに限定されないことは勿論で
ある。
【0022】
【実施例】この発明による熱交換器用アルミニウム合金
を芯材として用いてブレージングシートを構成した実施
例を以下に示す。
を芯材として用いてブレージングシートを構成した実施
例を以下に示す。
【0023】表1の合金番号1〜24に示す成分組成の
芯材用合金を常法に従ってDC鋳造し、各鋳塊について
600℃において10時間均質化処理を施した後、両面
を面削し、その芯材の両面にJIS 4104合金から
なるろう材を片面当り15%の厚みで重ね合せて、48
0℃で熱間クラッド圧延を行ない、3.0mm厚の熱延
クラッド板とした。次いで冷間圧延により板厚0.5m
mとした後、370℃×5時間の最終焼鈍を施してO材
とした。
芯材用合金を常法に従ってDC鋳造し、各鋳塊について
600℃において10時間均質化処理を施した後、両面
を面削し、その芯材の両面にJIS 4104合金から
なるろう材を片面当り15%の厚みで重ね合せて、48
0℃で熱間クラッド圧延を行ない、3.0mm厚の熱延
クラッド板とした。次いで冷間圧延により板厚0.5m
mとした後、370℃×5時間の最終焼鈍を施してO材
とした。
【0024】上述のようにして得られたクラッド板(ブ
レージングシート)を深皿形状にプレス成形し、溶剤に
よる洗浄後、各深皿形状の成形体を交互に反転させて上
下に重ね合せ、5×10-5Torrの真空中で600℃
×3分間の加熱後急冷によるろう付加熱を行なった。図
1にろう付後のタンク状構造物の外観を示す。なお図1
において、符号1は各プレス成形体を示し、また符号2
はろう付部を示す。
レージングシート)を深皿形状にプレス成形し、溶剤に
よる洗浄後、各深皿形状の成形体を交互に反転させて上
下に重ね合せ、5×10-5Torrの真空中で600℃
×3分間の加熱後急冷によるろう付加熱を行なった。図
1にろう付後のタンク状構造物の外観を示す。なお図1
において、符号1は各プレス成形体を示し、また符号2
はろう付部を示す。
【0025】上述のようにして得られたタンク状構造物
について、JIS H8681に従ったCASS試験に
よって1500時間の腐食試験を行ない、耐食性評価と
して最大孔食深さを測定した。その結果を表2に示す。
について、JIS H8681に従ったCASS試験に
よって1500時間の腐食試験を行ない、耐食性評価と
して最大孔食深さを測定した。その結果を表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】表2から明らかなように、この発明による
芯材を用いたブレージングシートを使用した場合(合金
符号1〜10)は、最大孔食深さが最高でも0.22m
mで、平均して0.14〜0.15mm程度であり、優
れた耐食性を有していることが確認された。
芯材を用いたブレージングシートを使用した場合(合金
符号1〜10)は、最大孔食深さが最高でも0.22m
mで、平均して0.14〜0.15mm程度であり、優
れた耐食性を有していることが確認された。
【0029】これに対し、W,Mo,Coを添加せずか
つFe量が過剰な合金番号11の比較例(3003合金
相当)、および同じくW,Mo,Coを添加しなかった
合金番号12の比較例では、いずれも孔食が板厚方向に
貫通してしまい、耐食性が劣ることが判明した。一方合
金番号13の比較例はMn量が過剰の例であるが、この
場合は成形性が劣るためプレス時に割れが発生してしま
い、腐食試験を実施することができなかった。さらにM
n量が過少の合金番号14の比較例、Cuを添加しなか
った合金番号15の比較例、および逆にCu量が過剰の
合金番号16の比較例では、いずれも孔食が板厚方向に
貫通し、耐食性が劣ることが判明した。またW量が過剰
の合金番号17の比較例、Mo量が過剰の合金番号18
の比較例、Co量が過剰でかつSi量が過剰の合金番号
19の比較例、Cr量が過剰の合金番号20の比較例、
Zr量が過剰の合金番号21の比較例では、いずれも成
形性が劣るため、プレス成形時に割れが発生し、腐食試
験は実施できなかった。さらにFe量が過剰の合金番号
22の比較例、Mg量が過剰の合金番号23の比較例、
およびSi量が過剰の合金番号24の比較例では、いず
れも孔食が板厚方向に貫通してしまい、耐食性に劣るこ
とが判明した。
つFe量が過剰な合金番号11の比較例(3003合金
相当)、および同じくW,Mo,Coを添加しなかった
合金番号12の比較例では、いずれも孔食が板厚方向に
貫通してしまい、耐食性が劣ることが判明した。一方合
金番号13の比較例はMn量が過剰の例であるが、この
場合は成形性が劣るためプレス時に割れが発生してしま
い、腐食試験を実施することができなかった。さらにM
n量が過少の合金番号14の比較例、Cuを添加しなか
った合金番号15の比較例、および逆にCu量が過剰の
合金番号16の比較例では、いずれも孔食が板厚方向に
貫通し、耐食性が劣ることが判明した。またW量が過剰
の合金番号17の比較例、Mo量が過剰の合金番号18
の比較例、Co量が過剰でかつSi量が過剰の合金番号
19の比較例、Cr量が過剰の合金番号20の比較例、
Zr量が過剰の合金番号21の比較例では、いずれも成
形性が劣るため、プレス成形時に割れが発生し、腐食試
験は実施できなかった。さらにFe量が過剰の合金番号
22の比較例、Mg量が過剰の合金番号23の比較例、
およびSi量が過剰の合金番号24の比較例では、いず
れも孔食が板厚方向に貫通してしまい、耐食性に劣るこ
とが判明した。
【0030】以上のような試験結果から、適切な量のM
n,Cuを基本成分とし、かつFe,Si量を適切に規
制し、しかもW,Mo,Coの1種以上を所定量だけ添
加し、さらに必要に応じてMg,Cr,Zrを所定量だ
け添加したこの発明の熱交換器用アルミニウム合金は、
耐食性、特に耐孔食性に優れていることが明らかであ
る。
n,Cuを基本成分とし、かつFe,Si量を適切に規
制し、しかもW,Mo,Coの1種以上を所定量だけ添
加し、さらに必要に応じてMg,Cr,Zrを所定量だ
け添加したこの発明の熱交換器用アルミニウム合金は、
耐食性、特に耐孔食性に優れていることが明らかであ
る。
【0031】
【発明の効果】この発明の熱交換器用アルミニウム合金
は、耐食性、特に耐孔食性が良好であり、したがって熱
交換器用ブレージングシート芯材など、熱交換器用の構
造材としてその薄肉化を図ることができるから、熱交換
器の軽量化、コスト低減を図ることができる。
は、耐食性、特に耐孔食性が良好であり、したがって熱
交換器用ブレージングシート芯材など、熱交換器用の構
造材としてその薄肉化を図ることができるから、熱交換
器の軽量化、コスト低減を図ることができる。
【0032】なおこの発明の熱交換器用アルミニウム合
金はブレージングシートの芯材として最適であるが、こ
れに限らずベア材としても使用し得ることは勿論であ
る。
金はブレージングシートの芯材として最適であるが、こ
れに限らずベア材としても使用し得ることは勿論であ
る。
【図1】この発明の実施例で適用したタンク状構造物を
示す斜視図である。
示す斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Mn0.6〜1.5%(重量%、以下同
じ)、Cu0.10〜0.80%、Fe0.30%以
下、Si0.20%以下を含有し、かつW0.03〜
0.30%、Mo0.03〜0.30%、Co0.03
〜0.50%のうちから選ばれた1種または2種以上を
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなること
を特徴とする、耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム
合金。 - 【請求項2】 Mn0.6〜1.5%、Cu0.10〜
0.80%、Fe0.30%以下、Si0.20%以下
を含有し、かつW0.03〜0.30%、Mo0.03
〜0.30%、Co0.03〜0.50%のうちから選
ばれた1種または2種以上を含有し、さらにMg0.0
6〜0.40%、Cr0.06〜0.25%、Zr0.
06〜0.25%のうちから選ばれた1種または2種以
上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる
ことを特徴とする、耐食性に優れた熱交換器用アルミニ
ウム合金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33206294A JPH08165535A (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33206294A JPH08165535A (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08165535A true JPH08165535A (ja) | 1996-06-25 |
Family
ID=18250725
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33206294A Pending JPH08165535A (ja) | 1994-12-12 | 1994-12-12 | 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08165535A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110527870A (zh) * | 2019-09-18 | 2019-12-03 | 江苏集萃精凯高端装备技术有限公司 | 一种含Mn-Fe-Cu的高导热铸造铝合金及其制备方法 |
-
1994
- 1994-12-12 JP JP33206294A patent/JPH08165535A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110527870A (zh) * | 2019-09-18 | 2019-12-03 | 江苏集萃精凯高端装备技术有限公司 | 一种含Mn-Fe-Cu的高导热铸造铝合金及其制备方法 |
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