JPH08166362A - 表面解析方法および装置 - Google Patents
表面解析方法および装置Info
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- JPH08166362A JPH08166362A JP7092197A JP9219795A JPH08166362A JP H08166362 A JPH08166362 A JP H08166362A JP 7092197 A JP7092197 A JP 7092197A JP 9219795 A JP9219795 A JP 9219795A JP H08166362 A JPH08166362 A JP H08166362A
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- sample
- ions
- analyzing
- multiply
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来のように、表面の複数層の平均的な分析
方法および装置ではなく、表面第1層のみの情報が得ら
れる表面分析方法および装置を提供する。 【構成】 多価イオンの発生、イオンの価数分離、イオ
ンの減速、試料表面への照射、表面から放出される粒子
および光の検出より構成される。 【効果】 従来と同様な電子検出法、X線検出法、イオ
ン種検出法、および、中性種検出法を利用した簡便な解
析により、表面最上層の原子の種類と結合状態を分析す
ることができる。
方法および装置ではなく、表面第1層のみの情報が得ら
れる表面分析方法および装置を提供する。 【構成】 多価イオンの発生、イオンの価数分離、イオ
ンの減速、試料表面への照射、表面から放出される粒子
および光の検出より構成される。 【効果】 従来と同様な電子検出法、X線検出法、イオ
ン種検出法、および、中性種検出法を利用した簡便な解
析により、表面最上層の原子の種類と結合状態を分析す
ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はあらゆる分野でつかわれ
る材料表面の解析方法および装置に関係し、特に、表面
の最上層に存在する粒子の元素種類とその結合状態の解
析方法および装置に関する。
る材料表面の解析方法および装置に関係し、特に、表面
の最上層に存在する粒子の元素種類とその結合状態の解
析方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表面の元素組成や結合状態の分析
を行なう方法および装置として、以下の二つの方法およ
び装置が主に用いられていた。
を行なう方法および装置として、以下の二つの方法およ
び装置が主に用いられていた。
【0003】第一の方法および装置として、電子線、
光、加速したイオン線を試料に照射し、表面から放出さ
れる電子やイオンを検出し、試料表面の分析を行なうオ
ージェ電子分光法、光電子分光法、2次イオン質量分析
法、スパッタ中性粒子質量分析法など、および、それら
の装置が用いられていた。
光、加速したイオン線を試料に照射し、表面から放出さ
れる電子やイオンを検出し、試料表面の分析を行なうオ
ージェ電子分光法、光電子分光法、2次イオン質量分析
法、スパッタ中性粒子質量分析法など、および、それら
の装置が用いられていた。
【0004】また、第二の方法および装置として、励起
原子(He励起原子など)やイオン(Heイオンなど)
を試料表面に照射し、表面最上層から放出される電子を
計測し、表面最上層の原子結合状態を分析する凖安定原
子脱励起電子分光法およびイオン中和化分光法、およ
び、それらの装置が用いられていた。
原子(He励起原子など)やイオン(Heイオンなど)
を試料表面に照射し、表面最上層から放出される電子を
計測し、表面最上層の原子結合状態を分析する凖安定原
子脱励起電子分光法およびイオン中和化分光法、およ
び、それらの装置が用いられていた。
【0005】一方、多価イオンと固体表面の相互作用に
関しては、ごく最近になってようやく研究が初められ
た。今までに、被測定材料のスパッタリングしきい値よ
りも大きな運動エネルギーを持つ多価イオンを固体表面
に照射した時、表面より電子(例えば、E. S. Parilis
ら、「Atomic Collisions on Solid Surface」、North-
Holland Publisher、1992、第 12 章)や、イオン種お
よび中性種(例えば、P.Vargaら、Nucl. Instrum. & Me
th. B58 (1990) 417や、U.Diebold and P.Varga、「Des
orption Induced by Electronic Transitions IV」、Sp
ringer-Verlag、1990、p.193)が放出されたという報告
例がある。
関しては、ごく最近になってようやく研究が初められ
た。今までに、被測定材料のスパッタリングしきい値よ
りも大きな運動エネルギーを持つ多価イオンを固体表面
に照射した時、表面より電子(例えば、E. S. Parilis
ら、「Atomic Collisions on Solid Surface」、North-
Holland Publisher、1992、第 12 章)や、イオン種お
よび中性種(例えば、P.Vargaら、Nucl. Instrum. & Me
th. B58 (1990) 417や、U.Diebold and P.Varga、「Des
orption Induced by Electronic Transitions IV」、Sp
ringer-Verlag、1990、p.193)が放出されたという報告
例がある。
【0006】この報告の中で、P.Vargaらは、多
価イオンが固体表面と電子的相互作用を起こし、固体表
面を構成する粒子を放出させるためには、運動エネルギ
ーの効果が全く不必要なのではなく、多価イオンにある
程度の運動エネルギーを与えることが必要であるとの見
解を述べている。上記のいくつかの最近の報告例におい
て、固体のスパッタリングしきい値よりも大きな運動エ
ネルギーが用いられている理由は、このP.Varga
らの報告に述べられている見解のように、多価イオンが
固体表面と電子的相互作用を起こすためには、運動エネ
ルギーの効果が不可欠であると今まで考えられていたた
めであると考えられる。
価イオンが固体表面と電子的相互作用を起こし、固体表
面を構成する粒子を放出させるためには、運動エネルギ
ーの効果が全く不必要なのではなく、多価イオンにある
程度の運動エネルギーを与えることが必要であるとの見
解を述べている。上記のいくつかの最近の報告例におい
て、固体のスパッタリングしきい値よりも大きな運動エ
ネルギーが用いられている理由は、このP.Varga
らの報告に述べられている見解のように、多価イオンが
固体表面と電子的相互作用を起こすためには、運動エネ
ルギーの効果が不可欠であると今まで考えられていたた
めであると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近は、半導体素子の
微細化などに伴って、半導体表面の原子層を1層ずつ除
去したり、逆に、1層ずつ積み上げたりする技術が必要
になってきている。これらの技術を開発するためには、
半導体表面の最上層の元素組成やその結合状態を評価で
きることが必要不可欠である。
微細化などに伴って、半導体表面の原子層を1層ずつ除
去したり、逆に、1層ずつ積み上げたりする技術が必要
になってきている。これらの技術を開発するためには、
半導体表面の最上層の元素組成やその結合状態を評価で
きることが必要不可欠である。
【0008】しかし、上記第一の方法および装置では、
試料に照射される粒子や光は試料表面の内部まで浸入す
るために、上記第一の方法および装置により得られる情
報は表面の複数層からの平均的なものになっているの
で、表面最上層のみの情報を得ることは不可能である。
試料に照射される粒子や光は試料表面の内部まで浸入す
るために、上記第一の方法および装置により得られる情
報は表面の複数層からの平均的なものになっているの
で、表面最上層のみの情報を得ることは不可能である。
【0009】また、上記第二の方法および装置では、励
起原子や1価イオンの持つ内部エネルギ−が小さいため
に表面の内殻電子を励起することができず、価電子や伝
導電子のみを励起することになる。このため、計測され
た電子スペクトルは、表面から放出される内殻電子特有
のピークを持たず、構造の不明瞭な緩慢な形状となり、
スペクトルの解析はかなり複雑になる。従って、この測
定結果から、表面最上層の原子の結合状態を決定するた
めには、あらかじめ、その原子の種類と電子状態がある
程度予測されている必要がある。しかし、表面の最上層
に何ら正体のわからぬ不純物などがあり、この原子の種
類とその結合状態を明らかにするような場合には、これ
らの計測方法および装置は事実上無力であった。
起原子や1価イオンの持つ内部エネルギ−が小さいため
に表面の内殻電子を励起することができず、価電子や伝
導電子のみを励起することになる。このため、計測され
た電子スペクトルは、表面から放出される内殻電子特有
のピークを持たず、構造の不明瞭な緩慢な形状となり、
スペクトルの解析はかなり複雑になる。従って、この測
定結果から、表面最上層の原子の結合状態を決定するた
めには、あらかじめ、その原子の種類と電子状態がある
程度予測されている必要がある。しかし、表面の最上層
に何ら正体のわからぬ不純物などがあり、この原子の種
類とその結合状態を明らかにするような場合には、これ
らの計測方法および装置は事実上無力であった。
【0010】一方、多価イオンに関しては、従来の技術
の欄で述べたように、固体のスパッタリングしきい値よ
りも高い運動エネルギーを持つ多価イオンを固体表面に
照射することにより、試料表面から電子、イオン種、お
よび、中性種が放出されたという報告があるが、この現
象を表面解析に利用しようとしても、高い運動エネルギ
ーで固体表面に照射する限りは、試料表面の内部にまで
影響を与える点に関しては、上記第一の方法および装置
を用いた場合と同様である。すなわち、得られる情報は
表面の複数層からの平均的なものとなってしまうので、
表面最上層のみの情報を得ることは不可能である。
の欄で述べたように、固体のスパッタリングしきい値よ
りも高い運動エネルギーを持つ多価イオンを固体表面に
照射することにより、試料表面から電子、イオン種、お
よび、中性種が放出されたという報告があるが、この現
象を表面解析に利用しようとしても、高い運動エネルギ
ーで固体表面に照射する限りは、試料表面の内部にまで
影響を与える点に関しては、上記第一の方法および装置
を用いた場合と同様である。すなわち、得られる情報は
表面の複数層からの平均的なものとなってしまうので、
表面最上層のみの情報を得ることは不可能である。
【0011】また、上記第一の方法および装置の中で被
測定固体のスパッタリングしきい値よりも大きな運動エ
ネルギーを持つ粒子を利用する方法および装置や、ある
いは、多価イオンを被測定固体のスパッタリングしきい
値より大きな運動エネルギーで固体表面に照射すること
による方法および装置では、測定の対象となる表面最上
層だけでなく固体の内部にまで格子の破壊が及び、測定
による下地への損傷は免れ得ない。さらに、上記第一の
方法および装置の利用では、表面最上層のみに集中的に
エネルギーを注入することができず、一方、上記第二の
方法および装置の利用では、表面最上層のみにエネルギ
ーを注入することはできるが、エネルギー値そのものが
小さいため、どちらも感度的に極めて不利である。
測定固体のスパッタリングしきい値よりも大きな運動エ
ネルギーを持つ粒子を利用する方法および装置や、ある
いは、多価イオンを被測定固体のスパッタリングしきい
値より大きな運動エネルギーで固体表面に照射すること
による方法および装置では、測定の対象となる表面最上
層だけでなく固体の内部にまで格子の破壊が及び、測定
による下地への損傷は免れ得ない。さらに、上記第一の
方法および装置の利用では、表面最上層のみに集中的に
エネルギーを注入することができず、一方、上記第二の
方法および装置の利用では、表面最上層のみにエネルギ
ーを注入することはできるが、エネルギー値そのものが
小さいため、どちらも感度的に極めて不利である。
【0012】従来の技術の欄で述べたように、今まで、
多価イオンが固体表面と電子的相互作用を起こすために
は、運動エネルギーの効果が全く不必要なのではなく、
ある程度の運動エネルギーが必要であると考えられてき
た。また、多価イオンの運動エネルギーを被測定材料の
スパッタリングしきい値より十分低くして固体表面に照
射した場合についての報告例は、実際、皆無であった。
すなわち、多価イオンの運動エネルギーを被測定材料の
スパッタリングしきい値以下にして、これを表面解析に
用いることは不可能であるものと考えられてきた。しか
し、最近、我々のグループでは、GaAs試料に対し
て、アルゴンの多価イオンをGaAsのスパッタリング
しきい値以下まで減速して照射した時に試料表面から放
出される粒子の分析を行い、多価イオンの運動エネルギ
ーを被測定材料のスパッタリングしきい値より十分低く
して固体表面に照射しても、多価イオンと固体表面の相
互作用が起こり得ることを見いだした。これにより、被
測定材料のスパッタリングしきい値以下まで減速した多
価イオンを表面解析に利用できる見通しを得た。
多価イオンが固体表面と電子的相互作用を起こすために
は、運動エネルギーの効果が全く不必要なのではなく、
ある程度の運動エネルギーが必要であると考えられてき
た。また、多価イオンの運動エネルギーを被測定材料の
スパッタリングしきい値より十分低くして固体表面に照
射した場合についての報告例は、実際、皆無であった。
すなわち、多価イオンの運動エネルギーを被測定材料の
スパッタリングしきい値以下にして、これを表面解析に
用いることは不可能であるものと考えられてきた。しか
し、最近、我々のグループでは、GaAs試料に対し
て、アルゴンの多価イオンをGaAsのスパッタリング
しきい値以下まで減速して照射した時に試料表面から放
出される粒子の分析を行い、多価イオンの運動エネルギ
ーを被測定材料のスパッタリングしきい値より十分低く
して固体表面に照射しても、多価イオンと固体表面の相
互作用が起こり得ることを見いだした。これにより、被
測定材料のスパッタリングしきい値以下まで減速した多
価イオンを表面解析に利用できる見通しを得た。
【0013】本発明が解決しようとする課題は、被測定
材料のスパッタリングしきい値以下の運動エネルギーを
持つ多価イオンを利用して、上記二つの従来技術および
被測定固体のスパッタリングしきい値より大きな運動エ
ネルギーを持つ多価イオンを利用した技術の問題点を克
服し、固体の表面最上層の元素組成および結合状態を、
下地に損傷を与えることなく、かつ高感度に測定できる
表面解析方法および装置を提供することにある。
材料のスパッタリングしきい値以下の運動エネルギーを
持つ多価イオンを利用して、上記二つの従来技術および
被測定固体のスパッタリングしきい値より大きな運動エ
ネルギーを持つ多価イオンを利用した技術の問題点を克
服し、固体の表面最上層の元素組成および結合状態を、
下地に損傷を与えることなく、かつ高感度に測定できる
表面解析方法および装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題は、1価イオン
を含む多価イオンを発生する多価イオン発生工程および
多価イオン発生手段と、発生した多価イオンを試料に照
射する照射工程および照射手段と、試料から放出される
粒子あるいは光を分析する分析工程および分析手段から
なる表面解析方法において、発生した多価イオンを所定
の価数に分離する分離工程および分離手段と、多価イオ
ンを試料に照射する前に被測定材料のスパッタリングし
きい値以下の速度に減速する減速工程および減速手段を
含むことを特徴とする表面解析方法および装置を用いる
ことにより解決される。
を含む多価イオンを発生する多価イオン発生工程および
多価イオン発生手段と、発生した多価イオンを試料に照
射する照射工程および照射手段と、試料から放出される
粒子あるいは光を分析する分析工程および分析手段から
なる表面解析方法において、発生した多価イオンを所定
の価数に分離する分離工程および分離手段と、多価イオ
ンを試料に照射する前に被測定材料のスパッタリングし
きい値以下の速度に減速する減速工程および減速手段を
含むことを特徴とする表面解析方法および装置を用いる
ことにより解決される。
【0015】
【作用】多価イオンは、原子から2つ以上の電子をはぎ
取ったイオンであり、価数が大きくなるほど、より深い
エネルギー準位の(より内殻の)電子が失われている。
このため、多価イオンの生成に要するエネルギー(イオ
ン化エネルギー)は価数が大きくなる程(より内殻の電
子を除去しなければならないため)高くなるが、これは
また価数の大きい多価イオン程、そのイオン化エネルギ
ーに相当する高い内部エネルギーを有していることにも
なる。また多価イオンは、内部エネルギーとともに運動
エネルギーも有している。
取ったイオンであり、価数が大きくなるほど、より深い
エネルギー準位の(より内殻の)電子が失われている。
このため、多価イオンの生成に要するエネルギー(イオ
ン化エネルギー)は価数が大きくなる程(より内殻の電
子を除去しなければならないため)高くなるが、これは
また価数の大きい多価イオン程、そのイオン化エネルギ
ーに相当する高い内部エネルギーを有していることにも
なる。また多価イオンは、内部エネルギーとともに運動
エネルギーも有している。
【0016】図17に示すように、価数が大きい多価イ
オン1が固体表面に接近したとき、表面原子2の持つ電
子のうち、多価イオン1の正孔(電子が失われている状
態)準位より浅いエネルギー準位にある電子は、多価イ
オン1の正孔準位に移動しやすい。このようにして表面
原子2から電子が多価イオン1の正孔に移動することを
オージェ中性化(Auger中性化)という。尤も、多
価イオン1の正孔準位と等しいエネルギー準位にある表
面原子2の電子が、当該正孔に移動することもある(共
鳴中性化と呼ぶ)。この結果、表面原子2にできた正孔
準位を埋めるべく、より浅いエネルギー準位の電子が移
動するが、このとき、この電子移動に関与した2つのエ
ネルギー準位の差分に相当する運動エネルギーを他のも
うひとつの電子が受け取って表面より放出される。この
放出電子をオージェ電子(Auger電子)と呼ぶ。あ
るいは、オージェ電子のかわりに同じエネルギーを持っ
た光(X線)が放出される。このオージェ電子の運動エ
ネルギー、あるいはX線の光子エネルギーの値は原子に
固有のものであり、この値を計測することにより、表面
に存在する原子の種類を決定することができる。また、
オージェ電子の運動エネルギー、あるいはX線の光子エ
ネルギーの大きさは、同じ原子でもその結合状態によっ
て、わずかに変化すること(ケミカルシフトと呼ぶ)が
知られており、この変化量の測定結果から原子の結合状
態を決定することができる。
オン1が固体表面に接近したとき、表面原子2の持つ電
子のうち、多価イオン1の正孔(電子が失われている状
態)準位より浅いエネルギー準位にある電子は、多価イ
オン1の正孔準位に移動しやすい。このようにして表面
原子2から電子が多価イオン1の正孔に移動することを
オージェ中性化(Auger中性化)という。尤も、多
価イオン1の正孔準位と等しいエネルギー準位にある表
面原子2の電子が、当該正孔に移動することもある(共
鳴中性化と呼ぶ)。この結果、表面原子2にできた正孔
準位を埋めるべく、より浅いエネルギー準位の電子が移
動するが、このとき、この電子移動に関与した2つのエ
ネルギー準位の差分に相当する運動エネルギーを他のも
うひとつの電子が受け取って表面より放出される。この
放出電子をオージェ電子(Auger電子)と呼ぶ。あ
るいは、オージェ電子のかわりに同じエネルギーを持っ
た光(X線)が放出される。このオージェ電子の運動エ
ネルギー、あるいはX線の光子エネルギーの値は原子に
固有のものであり、この値を計測することにより、表面
に存在する原子の種類を決定することができる。また、
オージェ電子の運動エネルギー、あるいはX線の光子エ
ネルギーの大きさは、同じ原子でもその結合状態によっ
て、わずかに変化すること(ケミカルシフトと呼ぶ)が
知られており、この変化量の測定結果から原子の結合状
態を決定することができる。
【0017】一方、上に述べた固体の表面原子2から多
価イオン1への電子移動、およびオージェ電子放出に伴
い、固体の表面層には、短時間のうちに複数の正孔が発
生する。ここで、十分に価数の高い多価イオンを用いれ
ば、すなわち、十分に高い正孔密度が得られれば、これ
らの正孔間に働くクーロン反発力により、表面を構成し
ている粒子(原子)の放出が起こる。この現象は、固体
表面において多価イオン1が接近した領域を構成する数
個の表面原子2がイオン化され、これらイオン化された
表面原子2は相互間に生じるクーロン反発力を受けて固
体表面にて二次元的な運動を起こした結果、イオン化さ
れた表面原子2のうちの一つが固体表面から脱離するも
のとも説明できる。従って、固体表面から放出された粒
子3(元来固体表面に存在)の質量を分析することによ
り、表面を構成している粒子の種類を決定することがで
きる。ところで、固体表面から放出される粒子3は、表
面原子2のイオンと考えるのが妥当だが、実験の結果は
中性の表面原子2の放出も起こり得ることを示している
(この原因は未解明である)。このことより、多価イオ
ンが照射される固体表面の近傍での補助的なイオン化手
段の配置は、固体表面の分析感度を高める効果がある。
また、これらの粒子3は、電気的な反発力により放出さ
れたものであるため、放出された直後に、ある初期運動
エネルギーを持っている(これは中性粒子として放射さ
れる場合も同様である)。この初期運動エネルギーは、
表面を構成する粒子の結合状態によって異なるという性
質を持つ。従って、この初期運動エネルギーを解析する
ことより、表面を構成する粒子の結合状態を決定するこ
とができる。
価イオン1への電子移動、およびオージェ電子放出に伴
い、固体の表面層には、短時間のうちに複数の正孔が発
生する。ここで、十分に価数の高い多価イオンを用いれ
ば、すなわち、十分に高い正孔密度が得られれば、これ
らの正孔間に働くクーロン反発力により、表面を構成し
ている粒子(原子)の放出が起こる。この現象は、固体
表面において多価イオン1が接近した領域を構成する数
個の表面原子2がイオン化され、これらイオン化された
表面原子2は相互間に生じるクーロン反発力を受けて固
体表面にて二次元的な運動を起こした結果、イオン化さ
れた表面原子2のうちの一つが固体表面から脱離するも
のとも説明できる。従って、固体表面から放出された粒
子3(元来固体表面に存在)の質量を分析することによ
り、表面を構成している粒子の種類を決定することがで
きる。ところで、固体表面から放出される粒子3は、表
面原子2のイオンと考えるのが妥当だが、実験の結果は
中性の表面原子2の放出も起こり得ることを示している
(この原因は未解明である)。このことより、多価イオ
ンが照射される固体表面の近傍での補助的なイオン化手
段の配置は、固体表面の分析感度を高める効果がある。
また、これらの粒子3は、電気的な反発力により放出さ
れたものであるため、放出された直後に、ある初期運動
エネルギーを持っている(これは中性粒子として放射さ
れる場合も同様である)。この初期運動エネルギーは、
表面を構成する粒子の結合状態によって異なるという性
質を持つ。従って、この初期運動エネルギーを解析する
ことより、表面を構成する粒子の結合状態を決定するこ
とができる。
【0018】以上のことがらは、多価イオンの代りに光
や電子線を照射した場合における、X線、オージェ電
子、および表面を構成している粒子の放出と共通の現象
である。ここで、本発明において、多価イオンを利用し
たことによる効果は、光や電子は固体の内部に侵入する
のに対し、多価イオンはサイズが大きいので、その運動
エネルギーを固体の物理的スパッタリングのしきい値以
下になるよう十分小さくして照射すれば、固体の内部に
は浸入できず、表面の最上層とのみ相互作用を起こすこ
とができることである。この物理的スパッタリングのし
きい値は物質によって異なるが、概ね20eV以上であ
る。従って、多価イオンの運動エネルギーを20eV以
下として照射すれば、物理的スパッタリングの影響は事
実上無視できる。こうして、多価イオンを十分減速して
用いた場合には、表面最上層からのみ、オージェ電子、
あるいはX線が放出され、表面の最上層のみの情報を得
ることができる。
や電子線を照射した場合における、X線、オージェ電
子、および表面を構成している粒子の放出と共通の現象
である。ここで、本発明において、多価イオンを利用し
たことによる効果は、光や電子は固体の内部に侵入する
のに対し、多価イオンはサイズが大きいので、その運動
エネルギーを固体の物理的スパッタリングのしきい値以
下になるよう十分小さくして照射すれば、固体の内部に
は浸入できず、表面の最上層とのみ相互作用を起こすこ
とができることである。この物理的スパッタリングのし
きい値は物質によって異なるが、概ね20eV以上であ
る。従って、多価イオンの運動エネルギーを20eV以
下として照射すれば、物理的スパッタリングの影響は事
実上無視できる。こうして、多価イオンを十分減速して
用いた場合には、表面最上層からのみ、オージェ電子、
あるいはX線が放出され、表面の最上層のみの情報を得
ることができる。
【0019】一方、表面を構成している粒子の放出に関
しては、表面最上層からのみ放出が起こるという点で
は、光や電子線を用いた場合と同様である。しかし、多
価イオンを減速して用いた場合には、正孔の形成が表面
最上層付近で集中的に起こるため、表面最上層からのこ
れらの粒子の放出確率は、光や電子線を照射した場合と
比較して桁違いに高くなり、この結果、測定感度が著し
く向上する。
しては、表面最上層からのみ放出が起こるという点で
は、光や電子線を用いた場合と同様である。しかし、多
価イオンを減速して用いた場合には、正孔の形成が表面
最上層付近で集中的に起こるため、表面最上層からのこ
れらの粒子の放出確率は、光や電子線を照射した場合と
比較して桁違いに高くなり、この結果、測定感度が著し
く向上する。
【0020】ここで、固体のスパッタリングしきい値以
上の高い運動エネルギーを持ったイオン線を用いること
によっても、表面を構成する粒子を放出させることは可
能である。実際、この現象は、固体の物理的スパッタリ
ングしきい値よりも桁違いに大きな運動エネルギー(数
100〜数10000eV)を持つイオンを用いた既存
の方法である二次イオン質量分析法やスパッタ中性粒子
質量分析法などに用いられている。しかし、このような
高い運動エネルギーを持ったイオンを照射することによ
る表面からの粒子の放出は、物理的スパッタリングによ
るものであり、多価イオンを十分小さい運動エネルギー
で照射した場合における電子的相互作用による粒子の放
出とは性質が全く異なる。まず、物理的スパッタリング
は、固体の内部にまで影響を及ぼすため、この影響を無
視できないほど大きな運動エネルギーを持ったイオンの
利用では、表面最上層のみの情報を得ることは困難であ
る。また、このとき、測定したい表面最上層だけでなく
固体の内部にまで、格子の破壊が及び、測定による下地
への損傷は免れ得ない。さらに、表面最上層のみに集中
的にエネルギーを注入することができないため、感度の
向上が望めない。このように、相互作用を固体表面最上
層のみに限定するためには、物理的スパッタリングの影
響を取り除くために照射するイオンの速度を被測定材料
のスパッタリングしきい値以下まで減速することが必須
であり、この点を考慮せずに高い運動エネルギーを持っ
たイオンを照射しても、表面最上層のみの情報を下地に
損傷を与えることなく、かつ高感度に得ることは困難で
ある。また、二次イオン質量分析法やスパッタ中性粒子
質量分析法では通常1価イオンを用いているが、たとえ
多価イオンを利用しても、高い運動エネルギーで固体表
面に照射する限りは、これらの問題点を克服することは
できない。
上の高い運動エネルギーを持ったイオン線を用いること
によっても、表面を構成する粒子を放出させることは可
能である。実際、この現象は、固体の物理的スパッタリ
ングしきい値よりも桁違いに大きな運動エネルギー(数
100〜数10000eV)を持つイオンを用いた既存
の方法である二次イオン質量分析法やスパッタ中性粒子
質量分析法などに用いられている。しかし、このような
高い運動エネルギーを持ったイオンを照射することによ
る表面からの粒子の放出は、物理的スパッタリングによ
るものであり、多価イオンを十分小さい運動エネルギー
で照射した場合における電子的相互作用による粒子の放
出とは性質が全く異なる。まず、物理的スパッタリング
は、固体の内部にまで影響を及ぼすため、この影響を無
視できないほど大きな運動エネルギーを持ったイオンの
利用では、表面最上層のみの情報を得ることは困難であ
る。また、このとき、測定したい表面最上層だけでなく
固体の内部にまで、格子の破壊が及び、測定による下地
への損傷は免れ得ない。さらに、表面最上層のみに集中
的にエネルギーを注入することができないため、感度の
向上が望めない。このように、相互作用を固体表面最上
層のみに限定するためには、物理的スパッタリングの影
響を取り除くために照射するイオンの速度を被測定材料
のスパッタリングしきい値以下まで減速することが必須
であり、この点を考慮せずに高い運動エネルギーを持っ
たイオンを照射しても、表面最上層のみの情報を下地に
損傷を与えることなく、かつ高感度に得ることは困難で
ある。また、二次イオン質量分析法やスパッタ中性粒子
質量分析法では通常1価イオンを用いているが、たとえ
多価イオンを利用しても、高い運動エネルギーで固体表
面に照射する限りは、これらの問題点を克服することは
できない。
【0021】しかし、多価イオンの運動エネルギーを被
測定材料のスパッタリングしきい値以下まで小さくして
用いれば、これら、表面最上層を問題にするレベルでの
深さ方向分解能、下地への損傷、および、測定感度に関
する問題点の全てが解決される。以上に述べた従来計測
技術との比較を図14にまとめる。ただし、図14にお
いて、MCI−は多価イオン励起、e−は電子線励起、
X−はX線励起を表す。また、SIMSは二次イオン質
量分析法、SNMSはスパッタ中性粒子質量分析法、N
MSは中性粒子質量分析法、AESはオージェ電子分光
法、XPSはX線光電子分光法、UPSは紫外線光電子
分光法、INSはイオン中和化分光法、MDSは準安定
原子脱励起電子分光法を表す。
測定材料のスパッタリングしきい値以下まで小さくして
用いれば、これら、表面最上層を問題にするレベルでの
深さ方向分解能、下地への損傷、および、測定感度に関
する問題点の全てが解決される。以上に述べた従来計測
技術との比較を図14にまとめる。ただし、図14にお
いて、MCI−は多価イオン励起、e−は電子線励起、
X−はX線励起を表す。また、SIMSは二次イオン質
量分析法、SNMSはスパッタ中性粒子質量分析法、N
MSは中性粒子質量分析法、AESはオージェ電子分光
法、XPSはX線光電子分光法、UPSは紫外線光電子
分光法、INSはイオン中和化分光法、MDSは準安定
原子脱励起電子分光法を表す。
【0022】以上のように、固体の物理的スパッタリン
グの影響を考慮して多価イオンを十分に減速して利用す
ることにより、表面の元素組成や結合状態を、表面最上
層のみという極限の深さ方向分解能で分析することがで
き、また、感度向上、損傷低減など多くの点で極めて有
利に測定を行うことができる。また、本測定法の応用と
して、十分に密度の高い多価イオン線を用いて、表面を
構成する粒子を最上層から順に除去しながら連続的に測
定を行なえば、原子層レベルの分解能で元素の深さ方向
分布を解析することも可能である。ここで、十分に密度
の高い多価イオン線を利用することは、深さ方向への試
料のエッチングや計測感度の向上に役立つが、極端に大
きくし過ぎると熱反応による影響が現われてくることが
予想される。しかし、この熱反応による影響は、試料の
冷却により取り除くことができるため、この問題は回避
できる。
グの影響を考慮して多価イオンを十分に減速して利用す
ることにより、表面の元素組成や結合状態を、表面最上
層のみという極限の深さ方向分解能で分析することがで
き、また、感度向上、損傷低減など多くの点で極めて有
利に測定を行うことができる。また、本測定法の応用と
して、十分に密度の高い多価イオン線を用いて、表面を
構成する粒子を最上層から順に除去しながら連続的に測
定を行なえば、原子層レベルの分解能で元素の深さ方向
分布を解析することも可能である。ここで、十分に密度
の高い多価イオン線を利用することは、深さ方向への試
料のエッチングや計測感度の向上に役立つが、極端に大
きくし過ぎると熱反応による影響が現われてくることが
予想される。しかし、この熱反応による影響は、試料の
冷却により取り除くことができるため、この問題は回避
できる。
【0023】以上、多価イオンの運動エネルギーを被測
定表面のスパッタリングしきい値(概ね20eV)以下
に設定した場合について本発明の作用を述べた。但し、
ここで、多価イオンの運動エネルギーを20eV以上1
keV以下に設定した場合、物理的スパッタリングの影
響は免れ得ないが、物理的スパッタリングにより表面か
ら放出される粒子は、その多くが表面最上層から放出さ
れ、第2層以下からの放出は少ない。このため、多価イ
オンの運動エネルギーが20eV以上1keV以下の領
域では、前に述べた多価イオンと固体表面の電子的相互
作用と物理的スパッタリング作用の両者による表面から
の粒子の放出が起こるが、その放出は表面最上層からの
ものが支配的となる。従って、多価イオンの運動エネル
ギーが20eV以上1keV以下の領域でも、表面最上
層の格子の乱れのような性能の低下を覚悟すれば、かろ
うじて計測を行うことが可能であると考えられる。本発
明における発明者らの主張は、あくまでも被測定表面の
スパッタリングしきい値以下で計測を行うことが可能で
あるということであり、かつ、計測性能の低下を覚悟す
れば、運動エネルギー1keVまで、範囲の拡大が可能
であるということである。従って、従来の技術で述べた
ように、多価イオンと固体表面の相互作用を起こすため
には、運動エネルギーの効果が不可欠であることを前提
に被測定固体のスパッタリングしきい値以上の運動エネ
ルギーをもつ多価イオンを用いて行われた従来の研究例
とは主旨が異なる。一方、多価イオンの運動エネルギー
を1keV以上とした場合には、表面最上層からの粒子
の放出が支配的とは、もはや言えなくなり、また、表面
第2層以下におよぶ損傷(格子の破壊)の影響も無視で
きなくなる。従って、多価イオンの運動エネルギーが1
keV以上の条件では、多価イオンと固体表面の電子的
相互作用を利用することにより表面最上層を計測でき、
下地に対する損傷を低減することができるという本発明
の特長が著しく損なわれる。
定表面のスパッタリングしきい値(概ね20eV)以下
に設定した場合について本発明の作用を述べた。但し、
ここで、多価イオンの運動エネルギーを20eV以上1
keV以下に設定した場合、物理的スパッタリングの影
響は免れ得ないが、物理的スパッタリングにより表面か
ら放出される粒子は、その多くが表面最上層から放出さ
れ、第2層以下からの放出は少ない。このため、多価イ
オンの運動エネルギーが20eV以上1keV以下の領
域では、前に述べた多価イオンと固体表面の電子的相互
作用と物理的スパッタリング作用の両者による表面から
の粒子の放出が起こるが、その放出は表面最上層からの
ものが支配的となる。従って、多価イオンの運動エネル
ギーが20eV以上1keV以下の領域でも、表面最上
層の格子の乱れのような性能の低下を覚悟すれば、かろ
うじて計測を行うことが可能であると考えられる。本発
明における発明者らの主張は、あくまでも被測定表面の
スパッタリングしきい値以下で計測を行うことが可能で
あるということであり、かつ、計測性能の低下を覚悟す
れば、運動エネルギー1keVまで、範囲の拡大が可能
であるということである。従って、従来の技術で述べた
ように、多価イオンと固体表面の相互作用を起こすため
には、運動エネルギーの効果が不可欠であることを前提
に被測定固体のスパッタリングしきい値以上の運動エネ
ルギーをもつ多価イオンを用いて行われた従来の研究例
とは主旨が異なる。一方、多価イオンの運動エネルギー
を1keV以上とした場合には、表面最上層からの粒子
の放出が支配的とは、もはや言えなくなり、また、表面
第2層以下におよぶ損傷(格子の破壊)の影響も無視で
きなくなる。従って、多価イオンの運動エネルギーが1
keV以上の条件では、多価イオンと固体表面の電子的
相互作用を利用することにより表面最上層を計測でき、
下地に対する損傷を低減することができるという本発明
の特長が著しく損なわれる。
【0024】
(実施例1)本発明の第1の実施例を図1を用いて説明
する。
する。
【0025】Si(100)基板101aを1%フッ酸
水溶液に10秒間浸した後、純水で洗浄し乾燥したもの
を多価イオン励起オージェ電子分光測定装置102の試
料室103にいれる。試料室内を5×10-10Torr
以下に排気する。試料室と多価イオン価数分離部の間の
ゲートバルブ104を開けて多価イオン105を試料表
面に照射する。多価イオン発生部108において圧力1
×10-9TorrのArガス106に加速電圧2keV
の電子線107を照射して生成したArイオン(Ar
+)の中から、価数分離部のウイーンフィルター109
によって、12価のArイオン(1電子捕獲時に放出さ
れる内部エネルギーEp:618.3eV)、13価の
Arイオン(Ep:686.1eV)、および14価の
Arイオン(Ep:755.8eV)を取り出し、それ
ぞれ照射した。このとき、上記多価イオンの運動エネル
ギーを試料室内のイオン減速器110を利用して20e
Vに調整した。多価イオン照射によって試料表面から放
出された電子111の運動エネルギーの分布を電子エネ
ルギー分析器112によって測定した。これにより得ら
れた電子スペクトルを図2に示す。14価のArイオン
(Ar14+)、13価のArイオン(Ar13+)を照射
した時の電子スペクトル201および202には650
eV付近にピークが観測されているが、12価のArイ
オン(Ar12+)を照射した場合の電子スペクトル20
3にはこれは観測されていない。
水溶液に10秒間浸した後、純水で洗浄し乾燥したもの
を多価イオン励起オージェ電子分光測定装置102の試
料室103にいれる。試料室内を5×10-10Torr
以下に排気する。試料室と多価イオン価数分離部の間の
ゲートバルブ104を開けて多価イオン105を試料表
面に照射する。多価イオン発生部108において圧力1
×10-9TorrのArガス106に加速電圧2keV
の電子線107を照射して生成したArイオン(Ar
+)の中から、価数分離部のウイーンフィルター109
によって、12価のArイオン(1電子捕獲時に放出さ
れる内部エネルギーEp:618.3eV)、13価の
Arイオン(Ep:686.1eV)、および14価の
Arイオン(Ep:755.8eV)を取り出し、それ
ぞれ照射した。このとき、上記多価イオンの運動エネル
ギーを試料室内のイオン減速器110を利用して20e
Vに調整した。多価イオン照射によって試料表面から放
出された電子111の運動エネルギーの分布を電子エネ
ルギー分析器112によって測定した。これにより得ら
れた電子スペクトルを図2に示す。14価のArイオン
(Ar14+)、13価のArイオン(Ar13+)を照射
した時の電子スペクトル201および202には650
eV付近にピークが観測されているが、12価のArイ
オン(Ar12+)を照射した場合の電子スペクトル20
3にはこれは観測されていない。
【0026】このピークの位置はフッ素原子からのオー
ジェ電子(F−KLL)の運動エネルギーの値(647
eV)に極めて近い。また、フッ素原子のK殻電子をイ
オン化できる最小のエネルギーは686eVであり、
(Ar14+)および(Ar13+)が1電子捕獲時にこの
値以上の内部エネルギーを放出できる。以上の結果か
ら、表面最上層にはフッ素原子が存在することが分かっ
た。また、電子のエネルギーに3eV程度の違いがみら
れることから、このフッ素原子は表面のSi原子に結合
していることが分かる。
ジェ電子(F−KLL)の運動エネルギーの値(647
eV)に極めて近い。また、フッ素原子のK殻電子をイ
オン化できる最小のエネルギーは686eVであり、
(Ar14+)および(Ar13+)が1電子捕獲時にこの
値以上の内部エネルギーを放出できる。以上の結果か
ら、表面最上層にはフッ素原子が存在することが分かっ
た。また、電子のエネルギーに3eV程度の違いがみら
れることから、このフッ素原子は表面のSi原子に結合
していることが分かる。
【0027】上記の試料表面を従来の電子線照射による
オージェ電子分光法あるいは光電子分光法により計測し
たところ、フッ素原子の存在は認められなかった。この
理由は、フッ素原子はSi表面の最上層のみに存在する
ために、従来の計測方法および装置では、最上表面測定
感度が低く、検出できなかったものと考えられる。
オージェ電子分光法あるいは光電子分光法により計測し
たところ、フッ素原子の存在は認められなかった。この
理由は、フッ素原子はSi表面の最上層のみに存在する
ために、従来の計測方法および装置では、最上表面測定
感度が低く、検出できなかったものと考えられる。
【0028】(実施例2)本発明の第2の実施例を図1
を用いて説明する。
を用いて説明する。
【0029】GaAs(100)基板101bをH2S
O4:H2O2:H2O=4:1:1混合液に10秒間浸し
た後、純水で洗浄し乾燥したものを、実施例1と同様に
多価イオン励起オージェ電子分光装置102の試料室1
03にいれる。
O4:H2O2:H2O=4:1:1混合液に10秒間浸し
た後、純水で洗浄し乾燥したものを、実施例1と同様に
多価イオン励起オージェ電子分光装置102の試料室1
03にいれる。
【0030】試料室内を5×10-10Torr以下まで
排気した後、試料を600℃に加熱して表面の自然酸化
膜を分解させた。以降、実施例1と同様な方法で、10
価のArイオン(Ep:478.7eV)、11価のA
rイオン(Ep:539.0eV)、12価のArイオ
ン(Ep:618.3eV)を取り出し、試料表面に照
射した。上記多価イオンの運動エネルギーは、試料室内
のイオン減速器110を利用して、実施例1と同様に、
20eVに調整した。このとき、試料より放出される電
子111の運動エネルギーを測定した。この結果得られ
た電子スペクトルを図3に示す。12価のArイオン
(Ar12+)および11価のArイオン(Ar11+)を
照射した時の電子スペクトル301および302には5
00eV付近にピークが観測されているが、10価のA
rイオン(Ar10+)を照射した時の電子スペクトル3
03にはこのピークは観測されていない。このピークの
位置は酸素原子からのオージェ電子(O−KLL)の運
動エネルギーの値(503eV)に極めて近い。また、
酸素原子のK殻電子をイオン化できる最小のエネルギー
は532eVであり、(Ar11+)および(Ar12+)
が1電子捕獲時にこの値以上の内部エネルギーを放出で
きる。これらの結果から、表面のGa原子には酸素原子
が吸着していることが分かる。
排気した後、試料を600℃に加熱して表面の自然酸化
膜を分解させた。以降、実施例1と同様な方法で、10
価のArイオン(Ep:478.7eV)、11価のA
rイオン(Ep:539.0eV)、12価のArイオ
ン(Ep:618.3eV)を取り出し、試料表面に照
射した。上記多価イオンの運動エネルギーは、試料室内
のイオン減速器110を利用して、実施例1と同様に、
20eVに調整した。このとき、試料より放出される電
子111の運動エネルギーを測定した。この結果得られ
た電子スペクトルを図3に示す。12価のArイオン
(Ar12+)および11価のArイオン(Ar11+)を
照射した時の電子スペクトル301および302には5
00eV付近にピークが観測されているが、10価のA
rイオン(Ar10+)を照射した時の電子スペクトル3
03にはこのピークは観測されていない。このピークの
位置は酸素原子からのオージェ電子(O−KLL)の運
動エネルギーの値(503eV)に極めて近い。また、
酸素原子のK殻電子をイオン化できる最小のエネルギー
は532eVであり、(Ar11+)および(Ar12+)
が1電子捕獲時にこの値以上の内部エネルギーを放出で
きる。これらの結果から、表面のGa原子には酸素原子
が吸着していることが分かる。
【0031】一般に600℃の加熱処理によって、Ga
の自然酸化膜は分解、除去されるものと考えられている
が、本発明の計測方法および装置を用いることにより、
表面の最上層には酸素原子が残存していることが判明し
た。
の自然酸化膜は分解、除去されるものと考えられている
が、本発明の計測方法および装置を用いることにより、
表面の最上層には酸素原子が残存していることが判明し
た。
【0032】(実施例3)本発明の第3の実施例を図4
を用いて説明する。
を用いて説明する。
【0033】Si(100)基板401を1%フッ酸水
溶液に10秒間浸した後、純水で洗浄し乾燥したものを
多価イオン励起二次イオン質量分析装置402の試料室
403にいれる。試料室内を5×10-10Torr以下
に排気する。試料室と多価イオン価数分離部の間のゲー
トバルブ404を開けて多価イオン405を試料表面に
照射する。多価イオン発生部408において圧力1×1
0-9TorrのArガス406に加速電圧5keVの電
子線407を照射してArイオン(Ar+)を生成し、
この中から、価数分離部のウイーンフィルター409に
よって、18価のArイオン(Ep:4426eV)を
取り出し、デフレクター410およびその直後に設置し
たスリット416(スリット幅:3mm)を用いてパル
ス化(パルス幅:1μs)し、試料表面に照射した。こ
のとき、上記多価イオンの運動エネルギーを試料室内の
イオン減速器411を利用して20eVに調整した。多
価イオンパルス照射中、すなわち、1μsの間は、試料
グリッド412に試料と同電圧を印加し、試料近傍の空
間が同電位となるようにした。また、多価イオンパルス
照射時間(1μs)の終了直後から次の多価イオンパル
ス照射が始まるまでの時間、すなわち、パルスとパルス
の間の時間は、試料グリッド412への印加電圧を50
0V下げ、試料グリッド412と加速グリッド413を
同電位とし、試料表面より放出されたイオン414を飛
行時間式質量分析計415に引き込み、質量分析を行っ
た。これにより得られたイオンの質量スペクトルを図5
に示す。質量数1の位置には、1価の水素イオン(H
+)の信号501が、また質量数19の位置には、1価
のフッ素イオン(F+)の信号502が観測された。こ
れより、表面最上層には、水素原子およびフッ素原子が
存在していることがわかった。
溶液に10秒間浸した後、純水で洗浄し乾燥したものを
多価イオン励起二次イオン質量分析装置402の試料室
403にいれる。試料室内を5×10-10Torr以下
に排気する。試料室と多価イオン価数分離部の間のゲー
トバルブ404を開けて多価イオン405を試料表面に
照射する。多価イオン発生部408において圧力1×1
0-9TorrのArガス406に加速電圧5keVの電
子線407を照射してArイオン(Ar+)を生成し、
この中から、価数分離部のウイーンフィルター409に
よって、18価のArイオン(Ep:4426eV)を
取り出し、デフレクター410およびその直後に設置し
たスリット416(スリット幅:3mm)を用いてパル
ス化(パルス幅:1μs)し、試料表面に照射した。こ
のとき、上記多価イオンの運動エネルギーを試料室内の
イオン減速器411を利用して20eVに調整した。多
価イオンパルス照射中、すなわち、1μsの間は、試料
グリッド412に試料と同電圧を印加し、試料近傍の空
間が同電位となるようにした。また、多価イオンパルス
照射時間(1μs)の終了直後から次の多価イオンパル
ス照射が始まるまでの時間、すなわち、パルスとパルス
の間の時間は、試料グリッド412への印加電圧を50
0V下げ、試料グリッド412と加速グリッド413を
同電位とし、試料表面より放出されたイオン414を飛
行時間式質量分析計415に引き込み、質量分析を行っ
た。これにより得られたイオンの質量スペクトルを図5
に示す。質量数1の位置には、1価の水素イオン(H
+)の信号501が、また質量数19の位置には、1価
のフッ素イオン(F+)の信号502が観測された。こ
れより、表面最上層には、水素原子およびフッ素原子が
存在していることがわかった。
【0034】また、比較のため、ウイーンフィルター4
09を調整し、Arイオン(Ep:15.8eV)を取
り出し、運動エネルギーを20eVに調整し、パルス化
(パルス幅1μs)し、試料に照射し、測定を行った
が、このときは、(H+)の信号も、また(F+)の信
号も検出限界以下で、観測することはできなかった。
09を調整し、Arイオン(Ep:15.8eV)を取
り出し、運動エネルギーを20eVに調整し、パルス化
(パルス幅1μs)し、試料に照射し、測定を行った
が、このときは、(H+)の信号も、また(F+)の信
号も検出限界以下で、観測することはできなかった。
【0035】これより、運動エネルギーが低い条件の下
では、多価イオンの利用により、著しく測定感度を向上
させることができることがわかった。
では、多価イオンの利用により、著しく測定感度を向上
させることができることがわかった。
【0036】また、さらに比較のため、(Ar+)の運
動エネルギーを4430eV(18価のArイオンのE
pとほぼ同じ値)に調整し、同様の測定を行った。この
とき、(H+)の信号は、わずかながら観測されたが、
18価のArイオン(Ep:4426eV)を用いた場
合と比較して、4桁以上信号強度が小さく、また、(F
+)の信号は微弱なため観測することができなかった。
これより、イオンに同じエネルギーを運動エネルギーと
して与えるよりも、内部エネルギーとして与える方が、
極めて測定感度が高くなることがわかった。
動エネルギーを4430eV(18価のArイオンのE
pとほぼ同じ値)に調整し、同様の測定を行った。この
とき、(H+)の信号は、わずかながら観測されたが、
18価のArイオン(Ep:4426eV)を用いた場
合と比較して、4桁以上信号強度が小さく、また、(F
+)の信号は微弱なため観測することができなかった。
これより、イオンに同じエネルギーを運動エネルギーと
して与えるよりも、内部エネルギーとして与える方が、
極めて測定感度が高くなることがわかった。
【0037】(実施例4)本発明の第4の実施例を図4
を用いて説明する。
を用いて説明する。
【0038】Si(100)基板401を1%フッ酸水
溶液に10秒間浸した後、純水で洗浄し乾燥したもの
を、実施例3と同様に、多価イオン励起二次イオン質量
分析装置402の試料室403に入れる。試料室内を5
×10-10Torr以下に排気する。以降、実施例3と
同様な方法で、18価のArイオン(Ep:4426e
V)を取り出し、試料に照射した。実施例3と条件が異
なる点は、パルス化のためのデフレクター410に印加
するパルス電圧のパルス幅を短くし、かつ同時に直後の
スリット416の幅を極力狭くして、多価イオンのパル
ス幅を100nsと短くし、飛行時間式質量分析におけ
る分解能が実施例3よりも高くなるように設定した点で
ある。このとき、上記多価イオンの運動エネルギーを試
料室内のイオン減速器411を利用して、実施例3と同
様に、20eVに調整した。実施例3と同様な方法で、
試料表面より放出されたイオン414を飛行時間式質量
分析計415に引き込み、質量分析を行った。これによ
り得られたイオンの質量スペクトルのうち、質量数1の
(H+)の部分の質量スペクトルを図6に示す。質量数
1の位置には、(H+)の信号が観測されたが、詳しく
見ると、信号が2つのピークに分裂しているのがわか
る。これより、(H+)が表面より放出される時、初期
運動エネルギーが大きい方の成分601と小さいほうの
成分602の異なる2種類の成分が存在すること、すな
わち、表面における水素原子の結合状態には、異なる2
種類の結合状態が存在していることがわかった。このと
き、確認のため、他の質量数についても注意深く質量ス
ペクトルを観測した結果、実施例3に示したように質量
数19の位置に(F+)イオンの信号が観測されている
他に、質量数12の位置に(C+)の信号が観測されて
いることがわかった。
溶液に10秒間浸した後、純水で洗浄し乾燥したもの
を、実施例3と同様に、多価イオン励起二次イオン質量
分析装置402の試料室403に入れる。試料室内を5
×10-10Torr以下に排気する。以降、実施例3と
同様な方法で、18価のArイオン(Ep:4426e
V)を取り出し、試料に照射した。実施例3と条件が異
なる点は、パルス化のためのデフレクター410に印加
するパルス電圧のパルス幅を短くし、かつ同時に直後の
スリット416の幅を極力狭くして、多価イオンのパル
ス幅を100nsと短くし、飛行時間式質量分析におけ
る分解能が実施例3よりも高くなるように設定した点で
ある。このとき、上記多価イオンの運動エネルギーを試
料室内のイオン減速器411を利用して、実施例3と同
様に、20eVに調整した。実施例3と同様な方法で、
試料表面より放出されたイオン414を飛行時間式質量
分析計415に引き込み、質量分析を行った。これによ
り得られたイオンの質量スペクトルのうち、質量数1の
(H+)の部分の質量スペクトルを図6に示す。質量数
1の位置には、(H+)の信号が観測されたが、詳しく
見ると、信号が2つのピークに分裂しているのがわか
る。これより、(H+)が表面より放出される時、初期
運動エネルギーが大きい方の成分601と小さいほうの
成分602の異なる2種類の成分が存在すること、すな
わち、表面における水素原子の結合状態には、異なる2
種類の結合状態が存在していることがわかった。このと
き、確認のため、他の質量数についても注意深く質量ス
ペクトルを観測した結果、実施例3に示したように質量
数19の位置に(F+)イオンの信号が観測されている
他に、質量数12の位置に(C+)の信号が観測されて
いることがわかった。
【0039】一方、多くの炭化水素汚染物により表面覆
われていると思われるフッ酸処理前の試料について、同
じ(Ar18+)イオン照射時に表面より放出されるイオ
ンの質量スペクトルを観測した結果、フッ酸処理後の試
料の時よりも強度が約1桁大きい(C+)の信号が観測
された。また、図6に示した初期運動エネルギーの大き
いほうの成分601と同じ位置には、図6に示したもの
よりも約1桁大きい強度の(H+)の信号ピークが観測
され、初期運動エネルギーの小さいほうの成分602位
置には、(H+)の信号ピークは観測されなかった。
われていると思われるフッ酸処理前の試料について、同
じ(Ar18+)イオン照射時に表面より放出されるイオ
ンの質量スペクトルを観測した結果、フッ酸処理後の試
料の時よりも強度が約1桁大きい(C+)の信号が観測
された。また、図6に示した初期運動エネルギーの大き
いほうの成分601と同じ位置には、図6に示したもの
よりも約1桁大きい強度の(H+)の信号ピークが観測
され、初期運動エネルギーの小さいほうの成分602位
置には、(H+)の信号ピークは観測されなかった。
【0040】ここで、実施例1および2に示したのと同
様に、価数の異なる(Ar+)を用いて、初期運動エネ
ルギーの大きいほうの成分601と初期運動エネルギー
の小さいほうの成分602の強度の価数依存性を調べ
た。図13に、初期運動エネルギーの大きい方の成分
(α)の価数依存性1301、および、初期運動エネル
ギーの小さい方の成分(β)の価数依存性1302をそ
れぞれ示す。初期運動エネルギーの大きいほうの成分
(α)は、価数が8価(Ep:143.5eV)から9
価(Ep:422.5eV)となる変わり目で、また初
期運動エネルギーの小さいほうの成分(β)は、価数が
6価(Ep:91.0eV)から7価(Ep:124.
3eV)、価数が8価(Ep:143.5eV)から9
価(Ep:422.5eV)、価数が16価(Ep:9
18.0eV)から17価(Ep:4121eV)とな
る変わり目で、その強度が急増することがわかった。C
原子のK殻電子をイオン化できる最小のエネルギーは、
284eVであり、これは価数が8価から9価となる変
わり目に対応している。また、シリコン原子のL殻2p
電子をイオン化できる最小のエネルギーは100eV、
L殻2s電子をイオン化できる最小のエネルギーは14
9eV、K殻電子をイオン化できる最小のエネルギーは
1839eVであり、これは価数が6価から7価、8価
から9価、16価から17価となる変わり目にそれぞれ
対応している。
様に、価数の異なる(Ar+)を用いて、初期運動エネ
ルギーの大きいほうの成分601と初期運動エネルギー
の小さいほうの成分602の強度の価数依存性を調べ
た。図13に、初期運動エネルギーの大きい方の成分
(α)の価数依存性1301、および、初期運動エネル
ギーの小さい方の成分(β)の価数依存性1302をそ
れぞれ示す。初期運動エネルギーの大きいほうの成分
(α)は、価数が8価(Ep:143.5eV)から9
価(Ep:422.5eV)となる変わり目で、また初
期運動エネルギーの小さいほうの成分(β)は、価数が
6価(Ep:91.0eV)から7価(Ep:124.
3eV)、価数が8価(Ep:143.5eV)から9
価(Ep:422.5eV)、価数が16価(Ep:9
18.0eV)から17価(Ep:4121eV)とな
る変わり目で、その強度が急増することがわかった。C
原子のK殻電子をイオン化できる最小のエネルギーは、
284eVであり、これは価数が8価から9価となる変
わり目に対応している。また、シリコン原子のL殻2p
電子をイオン化できる最小のエネルギーは100eV、
L殻2s電子をイオン化できる最小のエネルギーは14
9eV、K殻電子をイオン化できる最小のエネルギーは
1839eVであり、これは価数が6価から7価、8価
から9価、16価から17価となる変わり目にそれぞれ
対応している。
【0041】これらの結果より、図6におけるHイオン
の信号の2つのピークは、初期運動エネルギーの大きい
ほうの成分601(図13ではα)が表面に存在してい
る炭素に起因するC―H結合によるもの、また初期運動
エネルギーの小さいほうの成分602(図13ではβ)
がフッ酸処理により表面に露出した基板のシリコンに起
因するSi―H結合によるものであることがわかった。
の信号の2つのピークは、初期運動エネルギーの大きい
ほうの成分601(図13ではα)が表面に存在してい
る炭素に起因するC―H結合によるもの、また初期運動
エネルギーの小さいほうの成分602(図13ではβ)
がフッ酸処理により表面に露出した基板のシリコンに起
因するSi―H結合によるものであることがわかった。
【0042】比較のため、上に述べたフッ酸処理後の試
料とフッ酸処理前の試料を、運動エネルギー4430e
V(18価のArイオンのEpとほぼ同じ値)の(Ar
+)を用いて調べたが、(H+)の信号は得られたもの
の、(Ar18+)を用いた場合と比較して4桁以上信号
強度が小さく、また信号ピークの分裂は観測されなかっ
た。
料とフッ酸処理前の試料を、運動エネルギー4430e
V(18価のArイオンのEpとほぼ同じ値)の(Ar
+)を用いて調べたが、(H+)の信号は得られたもの
の、(Ar18+)を用いた場合と比較して4桁以上信号
強度が小さく、また信号ピークの分裂は観測されなかっ
た。
【0043】以上のように、多価イオンの利用により、
加速した1価イオンを用いた場合と比較して、測定感度
を著しく向上させることができることに加え、放出粒子
の初期運動エネルギーの解析により、表面での結合状態
の違いを調べることができる。
加速した1価イオンを用いた場合と比較して、測定感度
を著しく向上させることができることに加え、放出粒子
の初期運動エネルギーの解析により、表面での結合状態
の違いを調べることができる。
【0044】(実施例5)本発明の第5の実施例を図7
を用いて説明する。
を用いて説明する。
【0045】GaAs(100)基板701をH2S
O4:H2O2:H2O=4:1:1混合液に10秒間浸し
た後、純水で洗浄し乾燥したものを、多価イオン励起二
次イオン質量分析装置702の試料室703に入れる。
試料室内を5×10-10Torr以下まで排気した後、
試料を600℃に加熱して表面の自然酸化膜を分解させ
た。このとき、試料表面は、Ga終端面となる。試料室
と多価イオン価数分離部の間のゲートバルブ704を開
けて多価イオン705を試料表面に照射する。多価イオ
ン発生部708に取付けられたソレノイドコイル706
とマイクロ波発生装置707によりプラズマ714を発
生し、Arガス709を原料ガスとして(Ar+)を生
成し、この中から、価数分離部のウイーンフィルター7
10によって、16価のArイオン(Ep:918.0
eV)を連続ビームとして取り出し、試料表面に照射し
た。本実施例で用いたマイクロ波プラズマ励起型多価イ
オン源の発生する多価イオンの量は、電子線励起型のも
のと比較して桁違いに大きい。そこで、測定結果が熱反
応の影響を受けることを避けるために試料の冷却をおこ
ない、イオン照射による試料の昇温を回避した。このと
き、前記多価イオンの運動エネルギーを試料室内のイオ
ン減速器711を利用して、20eVに調整した。試料
と四重極質量分析計712の入口との間に50Vの電位
差を設け、試料表面より放出されたイオン713を四重
極質量分析計712に引き込み、質量分析を行った。こ
れにより得られたイオンの質量スペクトルを図8に示
す。質量数69の位置に1価のGaイオン(Ga+)の
信号801が、また、質量数71の位置にはその同位体
が、またさらに、微弱ながら質量数75の位置に1価の
Asイオン(As+)の信号802が観測された。ここ
で、質量数69の位置の(Ga+)の信号と質量数75
の位置の(As+)の信号のピークのみに着目し、16
価Arイオン(Ar16+)の照射を続けながら、これら
2つの信号ピークの強度の時間変化を調べた。得られた
結果を図9に示す。測定開始時には、(Ga+)の信号
901は、(As+)信号902よりも強かったが、測
定を続けていくと、(Ga+)信号901の強度はしだ
いに減少し、一方(As+)信号902の強度はしだい
に増加していった。測定開始後3分経過したところで、
両者の強度はほぼ反転した。その後さらに測定を続けた
ところ、今度は(Ga+)信号901の強度はしだいに
増加していき、一方(As+)信号902の強度はしだ
いに減少していった。このような計測を15分間継続し
た結果、図9に示すように、両者の強度が3分おきに入
れ替わっている様子が観測された。このデータは、多価
イオン照射により試料表面のエッチングを連続的に行い
ながら、試料より放出される粒子を観測することにより
得られた、試料表面からの深さ方向の元素の分布を示し
ている。
O4:H2O2:H2O=4:1:1混合液に10秒間浸し
た後、純水で洗浄し乾燥したものを、多価イオン励起二
次イオン質量分析装置702の試料室703に入れる。
試料室内を5×10-10Torr以下まで排気した後、
試料を600℃に加熱して表面の自然酸化膜を分解させ
た。このとき、試料表面は、Ga終端面となる。試料室
と多価イオン価数分離部の間のゲートバルブ704を開
けて多価イオン705を試料表面に照射する。多価イオ
ン発生部708に取付けられたソレノイドコイル706
とマイクロ波発生装置707によりプラズマ714を発
生し、Arガス709を原料ガスとして(Ar+)を生
成し、この中から、価数分離部のウイーンフィルター7
10によって、16価のArイオン(Ep:918.0
eV)を連続ビームとして取り出し、試料表面に照射し
た。本実施例で用いたマイクロ波プラズマ励起型多価イ
オン源の発生する多価イオンの量は、電子線励起型のも
のと比較して桁違いに大きい。そこで、測定結果が熱反
応の影響を受けることを避けるために試料の冷却をおこ
ない、イオン照射による試料の昇温を回避した。このと
き、前記多価イオンの運動エネルギーを試料室内のイオ
ン減速器711を利用して、20eVに調整した。試料
と四重極質量分析計712の入口との間に50Vの電位
差を設け、試料表面より放出されたイオン713を四重
極質量分析計712に引き込み、質量分析を行った。こ
れにより得られたイオンの質量スペクトルを図8に示
す。質量数69の位置に1価のGaイオン(Ga+)の
信号801が、また、質量数71の位置にはその同位体
が、またさらに、微弱ながら質量数75の位置に1価の
Asイオン(As+)の信号802が観測された。ここ
で、質量数69の位置の(Ga+)の信号と質量数75
の位置の(As+)の信号のピークのみに着目し、16
価Arイオン(Ar16+)の照射を続けながら、これら
2つの信号ピークの強度の時間変化を調べた。得られた
結果を図9に示す。測定開始時には、(Ga+)の信号
901は、(As+)信号902よりも強かったが、測
定を続けていくと、(Ga+)信号901の強度はしだ
いに減少し、一方(As+)信号902の強度はしだい
に増加していった。測定開始後3分経過したところで、
両者の強度はほぼ反転した。その後さらに測定を続けた
ところ、今度は(Ga+)信号901の強度はしだいに
増加していき、一方(As+)信号902の強度はしだ
いに減少していった。このような計測を15分間継続し
た結果、図9に示すように、両者の強度が3分おきに入
れ替わっている様子が観測された。このデータは、多価
イオン照射により試料表面のエッチングを連続的に行い
ながら、試料より放出される粒子を観測することにより
得られた、試料表面からの深さ方向の元素の分布を示し
ている。
【0046】比較のため、同じ試料に、運動エネルギー
920eV(Ar16+のEpとほぼ同じ値)の(Ar
+)を連続的に照射しながら、試料より放出されるイオ
ンを調べた。得られた結果を図10に示す。測定開始時
には、(Ga+)信号1001の強度は、(As+)信
号1002の強度よりも大きかったが、(Ga+)信号
1001の強度はしだいに減少し、一方(As+)信号
1002の強度はしだいに増加していった。測定開始後
2分程経過したところで、両者の強度はほぼ一定レベル
に落ち着いた。このような計測を15分間継続したが、
(Ar16+)を減速して照射した場合に観測されたよう
な両信号の強度の反転は観測されず、両信号の強度は最
終的には一定となった。
920eV(Ar16+のEpとほぼ同じ値)の(Ar
+)を連続的に照射しながら、試料より放出されるイオ
ンを調べた。得られた結果を図10に示す。測定開始時
には、(Ga+)信号1001の強度は、(As+)信
号1002の強度よりも大きかったが、(Ga+)信号
1001の強度はしだいに減少し、一方(As+)信号
1002の強度はしだいに増加していった。測定開始後
2分程経過したところで、両者の強度はほぼ一定レベル
に落ち着いた。このような計測を15分間継続したが、
(Ar16+)を減速して照射した場合に観測されたよう
な両信号の強度の反転は観測されず、両信号の強度は最
終的には一定となった。
【0047】以上の結果により、減速した多価イオンを
利用する場合には、Ga原子層およびAs原子層が交互
に積み重なった試料について、原子層レベルでエッチン
グを進めながら、原子層レベルの分解能で元素の深さ方
向分布の測定ができることがわかった。一方、加速した
1価イオンを利用する場合には、少なくとも表面より数
層から数10層にわたって格子構造の乱れを伴いながら
エッチングが進んでいるため、結果として、深さ方向分
布を原子層レベルの深さ分解能で計測することができな
かったものと考えられる。また、このことは、言い換え
れば、従来の二次イオン質量分析法のような加速したイ
オンを用いた深さ方向分布の計測では、下地の格子構造
を破壊し損傷を与えるが、減速した多価イオンを用いた
場合には、下地の格子構造に与える損傷が1原子層以下
であることを示している。
利用する場合には、Ga原子層およびAs原子層が交互
に積み重なった試料について、原子層レベルでエッチン
グを進めながら、原子層レベルの分解能で元素の深さ方
向分布の測定ができることがわかった。一方、加速した
1価イオンを利用する場合には、少なくとも表面より数
層から数10層にわたって格子構造の乱れを伴いながら
エッチングが進んでいるため、結果として、深さ方向分
布を原子層レベルの深さ分解能で計測することができな
かったものと考えられる。また、このことは、言い換え
れば、従来の二次イオン質量分析法のような加速したイ
オンを用いた深さ方向分布の計測では、下地の格子構造
を破壊し損傷を与えるが、減速した多価イオンを用いた
場合には、下地の格子構造に与える損傷が1原子層以下
であることを示している。
【0048】(実施例6)本発明の第6の実施例を図7
を用いて説明する。
を用いて説明する。
【0049】表面から100nmの深さの位置にホウ素
のデルタドープ層が形成されているSi(100)基板
701を1%フッ酸水溶液に10秒間浸した後、純水で
洗浄し乾燥したものを、多価イオン励起二次イオン質量
分析装置702の試料室703に入れる。試料室内を5
×10-10Torr以下に排気する。以降、実施例5と
同様な方法および条件で、16価のArイオン(Ep:
918.0eV)を連続ビームとして取り出し、試料表
面に照射した。また、実施例5と同様に試料の冷却をお
こない、イオン照射による試料の昇温を回避した。この
とき、前記多価イオンの運動エネルギーを試料室内のイ
オン減速器711を利用して、20eVに調整した。試
料と四重極質量分析計712の入口との間に50Vの電
位差を設け、試料表面より放出されたイオン713を四
重極質量分析計712に引き込み、質量分析を行った。
のデルタドープ層が形成されているSi(100)基板
701を1%フッ酸水溶液に10秒間浸した後、純水で
洗浄し乾燥したものを、多価イオン励起二次イオン質量
分析装置702の試料室703に入れる。試料室内を5
×10-10Torr以下に排気する。以降、実施例5と
同様な方法および条件で、16価のArイオン(Ep:
918.0eV)を連続ビームとして取り出し、試料表
面に照射した。また、実施例5と同様に試料の冷却をお
こない、イオン照射による試料の昇温を回避した。この
とき、前記多価イオンの運動エネルギーを試料室内のイ
オン減速器711を利用して、20eVに調整した。試
料と四重極質量分析計712の入口との間に50Vの電
位差を設け、試料表面より放出されたイオン713を四
重極質量分析計712に引き込み、質量分析を行った。
【0050】実施例5で述べたように、多価イオン照射
により試料表面のエッチングを連続的に行いながら、試
料より放出される粒子を観測することにより、試料表面
からの深さ方向の元素の分布が得られる。ここで、ドー
パントであるホウ素の深さ方向分布を解析するために、
質量数11の位置の1価のボロンイオン(B+)信号の
ピークのみに着目し、(Ar16+)の照射を続けなが
ら、この信号ピークの強度の時間変化を調べた。得られ
た結果を図11に示す。多価イオンを用いて得られた深
さ方向分布1101では、測定開始後10分経過したと
ころで、(B+)の信号ピークの強度が最大になってい
る。この最大値の位置が、表面から100nmの深さの
位置に相当することから、ホウ素の深さ方向分布の広が
りを図より求めると、半値幅で3nmであることがわか
る。
により試料表面のエッチングを連続的に行いながら、試
料より放出される粒子を観測することにより、試料表面
からの深さ方向の元素の分布が得られる。ここで、ドー
パントであるホウ素の深さ方向分布を解析するために、
質量数11の位置の1価のボロンイオン(B+)信号の
ピークのみに着目し、(Ar16+)の照射を続けなが
ら、この信号ピークの強度の時間変化を調べた。得られ
た結果を図11に示す。多価イオンを用いて得られた深
さ方向分布1101では、測定開始後10分経過したと
ころで、(B+)の信号ピークの強度が最大になってい
る。この最大値の位置が、表面から100nmの深さの
位置に相当することから、ホウ素の深さ方向分布の広が
りを図より求めると、半値幅で3nmであることがわか
る。
【0051】比較のため、同じ試料に、運動エネルギー
920eV(Ar16+のEpとほぼ同じ値)の(Ar
+)を連続的に照射しながら、試料より放出される(B
+)の信号ピークの強度の時間変化を調べた。得られた
結果を図12に示す。加速イオンを用いて得られた深さ
方向分布1201では、測定開始後20分経過したとこ
ろで、(B+)の信号ピークの強度が最大になってい
る。この最大値の位置が、表面から約100nmの深さ
の位置に相当することから、ホウ素の深さ方向分布の広
がりを図より同様に求めると、先ほどの結果とは異な
り、半値幅で30nmという実際より大きな値となって
しまう。これは、加速イオンを用いた測定では、物理的
スパッタリングにより試料の表面をエッチングしながら
測定を行っているため、イオン照射が結晶内部にもたら
す格子構造の乱れが、おそらく少なくとも数10原子層
の深さにまで及んでおり、結果として3nmという極め
て薄いドープ層を測定できるような深さ方向分解能は得
られなかったことを示している。一方、多価イオンを用
いた測定では、多価イオンを20eVまで減速して照射
しているため、イオン照射が結晶内部に格子構造の乱れ
をもたらすことなく、最上層から順次エッチングが進
み、高い深さ方向分解能で計測されているといえる。
920eV(Ar16+のEpとほぼ同じ値)の(Ar
+)を連続的に照射しながら、試料より放出される(B
+)の信号ピークの強度の時間変化を調べた。得られた
結果を図12に示す。加速イオンを用いて得られた深さ
方向分布1201では、測定開始後20分経過したとこ
ろで、(B+)の信号ピークの強度が最大になってい
る。この最大値の位置が、表面から約100nmの深さ
の位置に相当することから、ホウ素の深さ方向分布の広
がりを図より同様に求めると、先ほどの結果とは異な
り、半値幅で30nmという実際より大きな値となって
しまう。これは、加速イオンを用いた測定では、物理的
スパッタリングにより試料の表面をエッチングしながら
測定を行っているため、イオン照射が結晶内部にもたら
す格子構造の乱れが、おそらく少なくとも数10原子層
の深さにまで及んでおり、結果として3nmという極め
て薄いドープ層を測定できるような深さ方向分解能は得
られなかったことを示している。一方、多価イオンを用
いた測定では、多価イオンを20eVまで減速して照射
しているため、イオン照射が結晶内部に格子構造の乱れ
をもたらすことなく、最上層から順次エッチングが進
み、高い深さ方向分解能で計測されているといえる。
【0052】以上のように、多価イオンを用いた元素の
深さ方向分布の測定により、本実施例における被測定試
料は、深さ100nmの位置に、厚さ3nmという極め
て薄いドープ層が形成されているものであることが確認
できた。本実施例に述べた深さ方向プロファイルの計測
方法および装置は、デルタドーピング試料以外にも、極
浅ドーピング試料の評価や、半導体表面の酸化膜、窒化
膜や、多層蒸着膜、超格子などにおける急峻な界面の計
測など、深さ方向プロファイルの高精度計測を必要とす
る系に広く適用できる。
深さ方向分布の測定により、本実施例における被測定試
料は、深さ100nmの位置に、厚さ3nmという極め
て薄いドープ層が形成されているものであることが確認
できた。本実施例に述べた深さ方向プロファイルの計測
方法および装置は、デルタドーピング試料以外にも、極
浅ドーピング試料の評価や、半導体表面の酸化膜、窒化
膜や、多層蒸着膜、超格子などにおける急峻な界面の計
測など、深さ方向プロファイルの高精度計測を必要とす
る系に広く適用できる。
【0053】(実施例7)本発明の第7の実施例を図1
5を用いて説明する。
5を用いて説明する。
【0054】試料1501はGaAs基板上に分子線ビ
ームエピタキシー法で、GaAlAs層、AlAs層、
GaAs層を積みあげ、各々の層にSiを25ppm、
50ppm、75ppm混入させたものである。この試
料を多価イオン励起中性粒子質量分析装置1502の試
料室1503にいれる。まず試料室内を5×10-10T
orr以下に排気する。次に試料室と多価イオン価数分
離部の間のゲートバルブ1504を開けて多価イオン1
505を試料表面に照射する。多価イオン発生部150
8において圧力1×10-9TorrのArガス1506
に加速電圧5keVの電子線1507を照射してArイ
オン(Ar+)を生成し、この中から、価数分離部のウ
イーンフィルター1509によって、18価のArイオ
ン(Ep:4426eV)を取り出し、デフレクター1
510およびその直後に設置したスリット1516(ス
リット幅:3mm)を用いてパルス化(パルス幅:1μ
s)し、試料表面に照射した。このとき、上記多価イオ
ンの運動エネルギーを試料室内のイオン減速器1511
を利用して20eVに調整した。そして多価イオンパル
スを照射した直後に、レーザ装置1515から放出され
たレーザ光1513を試料直上を通過するように照射し
た。試料1501の直上、即ち試料1501とイオン減
速器1511の間の空間へのレーザ光1513の照射
は、試料1501の表面に略平行に照射され、試料15
01の表面に直接当たらないように配慮することが肝要
である。この時、多価イオン照射によって試料から放出
された中性粒子はほぼ100%の確率でイオン化され
る。このイオン1512を質量分析計1514で検出す
ることによって試料表面の元素分析が可能になる。ここ
で試料中に混入したSiの信号に着目しながら多価イオ
ンの照射を続けると、Siの深さ方向の濃度分布を調べ
ることができた。得られた結果を図16に示す。既に述
べたように多価イオンを利用すると、原子層レベルの分
解能で元素の深さ方向分析ができる。この実施例でも層
が変わる際にSi濃度がステップ関数のように変化する
様子が測定できた。また多価イオンを照射して試料から
発生するイオンを分析する場合には母材元素が変わると
試料直上でのイオンの中性化確率が変わることなどか
ら、母材元素の違いによって検出感度が変わる場合ある
が、一方中性粒子の放出確率はぼ一定であることが多
く、定量精度の良い分析が可能になる。本実施例でもほ
ぼ設計通りの分析値を得ることができた。また試料から
放出されたイオンの信号と中性粒子の信号を加えること
によって感度を向上させることもできる。
ームエピタキシー法で、GaAlAs層、AlAs層、
GaAs層を積みあげ、各々の層にSiを25ppm、
50ppm、75ppm混入させたものである。この試
料を多価イオン励起中性粒子質量分析装置1502の試
料室1503にいれる。まず試料室内を5×10-10T
orr以下に排気する。次に試料室と多価イオン価数分
離部の間のゲートバルブ1504を開けて多価イオン1
505を試料表面に照射する。多価イオン発生部150
8において圧力1×10-9TorrのArガス1506
に加速電圧5keVの電子線1507を照射してArイ
オン(Ar+)を生成し、この中から、価数分離部のウ
イーンフィルター1509によって、18価のArイオ
ン(Ep:4426eV)を取り出し、デフレクター1
510およびその直後に設置したスリット1516(ス
リット幅:3mm)を用いてパルス化(パルス幅:1μ
s)し、試料表面に照射した。このとき、上記多価イオ
ンの運動エネルギーを試料室内のイオン減速器1511
を利用して20eVに調整した。そして多価イオンパル
スを照射した直後に、レーザ装置1515から放出され
たレーザ光1513を試料直上を通過するように照射し
た。試料1501の直上、即ち試料1501とイオン減
速器1511の間の空間へのレーザ光1513の照射
は、試料1501の表面に略平行に照射され、試料15
01の表面に直接当たらないように配慮することが肝要
である。この時、多価イオン照射によって試料から放出
された中性粒子はほぼ100%の確率でイオン化され
る。このイオン1512を質量分析計1514で検出す
ることによって試料表面の元素分析が可能になる。ここ
で試料中に混入したSiの信号に着目しながら多価イオ
ンの照射を続けると、Siの深さ方向の濃度分布を調べ
ることができた。得られた結果を図16に示す。既に述
べたように多価イオンを利用すると、原子層レベルの分
解能で元素の深さ方向分析ができる。この実施例でも層
が変わる際にSi濃度がステップ関数のように変化する
様子が測定できた。また多価イオンを照射して試料から
発生するイオンを分析する場合には母材元素が変わると
試料直上でのイオンの中性化確率が変わることなどか
ら、母材元素の違いによって検出感度が変わる場合ある
が、一方中性粒子の放出確率はぼ一定であることが多
く、定量精度の良い分析が可能になる。本実施例でもほ
ぼ設計通りの分析値を得ることができた。また試料から
放出されたイオンの信号と中性粒子の信号を加えること
によって感度を向上させることもできる。
【0055】なお本実施例では質量分析計を用いたが、
分析着目元素のみをイオン化できる波長のレーザ光を照
射する場合には、質量分析計を必ずしも用いることな
く、特定の元素の分析が可能になる。
分析着目元素のみをイオン化できる波長のレーザ光を照
射する場合には、質量分析計を必ずしも用いることな
く、特定の元素の分析が可能になる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、計測結果から直ちに固
体表面の最上層に存在する原子の種類とその結合状態を
容易に決定することが可能となり、各種材料およびエレ
クトロニクスなどの基幹事業分野の発展に大きく貢献す
ることができる。
体表面の最上層に存在する原子の種類とその結合状態を
容易に決定することが可能となり、各種材料およびエレ
クトロニクスなどの基幹事業分野の発展に大きく貢献す
ることができる。
【図1】実施例1および実施例2における計測方法およ
び装置の概念図。
び装置の概念図。
【図2】実施例1において得られた電子スペクトルを示
す図。
す図。
【図3】実施例2において得られた電子スペクトルを示
す図。
す図。
【図4】実施例3および実施例4における計測方法およ
び装置の概念図。
び装置の概念図。
【図5】実施例3において得られたイオンの質量スペク
トルを示す図。
トルを示す図。
【図6】実施例4において得られたイオンの質量スペク
トルを示す図。
トルを示す図。
【図7】実施例5における計測方法および装置の概念
図。
図。
【図8】実施例5において得られたイオンの質量スペク
トルを示す図。
トルを示す図。
【図9】実施例5において得られたイオンの質量スペク
トルの強度の経時変化を示す図。
トルの強度の経時変化を示す図。
【図10】実施例5において得られたイオンの質量スペ
クトルの強度の経時変化を示す図。
クトルの強度の経時変化を示す図。
【図11】実施例6において多価イオンを用いて得られ
た元素の深さ方向分布を示す図。
た元素の深さ方向分布を示す図。
【図12】実施例6において加速イオンを用いて得られ
た元素の深さ方向分布を示す図。
た元素の深さ方向分布を示す図。
【図13】実施例4において得られたイオン強度の価数
依存性を示す図。
依存性を示す図。
【図14】本発明と従来計測技術との比較を示す図。
【図15】実施例7における計測方法および装置の概念
図。
図。
【図16】実施例7において多価イオンを用いて得られ
た元素の深さ方向分布を示す図。
た元素の深さ方向分布を示す図。
【図17】多価イオンと固体表面の相互作用を示す図。
1…多価イオン、2…表面原子、3…固体表面から放出
された粒子、101a…Si(100)基板、101b
…GaAs(100)基板、102…多価イオン励起オ
ージェ電子分光装置、103…試料室、104…ゲート
バルブ、105…多価イオン、106…Arガス、10
7…電子線、108…多価イオン発生部、109…ウイ
ーンフィルター、110…イオン減速器、111…表面
より放出された電子、112…電子エネルギー分析器、
201…(Ar14+)の照射により得られた電子スペク
トル、202…(Ar13+)の照射により得られた電子
スペクトル、203…(Ar12+)の照射により得られ
た電子スペクトル、301…(Ar12+)の照射により
得られた電子スペクトル、302…(Ar11+)の照射
により得られた電子スペクトル、303…(Ar10+)
の照射により得られた電子スペクトル、401…Si
(100)基板、402…多価イオン励起二次イオン質
量分析装置、403…試料室、404…ゲートバルブ、
405…多価イオン、406…Arガス、407…電子
線、408…多価イオン発生部、409…ウイーンフィ
ルター、410…デフレクター、411…イオン減速
器、412…試料グリッド、413…加速グリッド、4
14…表面より放出されたイオン、415…飛行時間式
質量分析計、416…スリット、501…(H+)の信
号、502…(F+)の信号、601…(H+)の信号
のうち初期運動エネルギーの大きい方の成分、602…
(H+)の信号のうち初期運動エネルギーの小さい方の
成分、701…GaAs(100)基板、702…多価
イオン励起二次イオン質量分析装置、703…試料室、
704…ゲートバルブ、705…多価イオン、706…
ソレノイドコイル、707…マイクロ波発生装置、70
8…多価イオン発生部、709…Arガス、710…ウ
イーンフィルター、711…イオン減速器、712…四
重極質量分析計、713…表面より放出されたイオン、
714…プラズマ、801…(Ga+)の信号、802
…(As+)の信号、901…(Ga+)イオンの信
号、902…(As+)の信号、1001…(Ga+)
の信号、1002…(As+)の信号、1101…多価
イオンを用いて得られた深さ方向分布、1201…加速
イオンを用いて得られた深さ方向分布、1301…初期
運動エネルギーの大きい方の成分(α)の価数依存性、
1302…初期運動エネルギーの小さい方の成分(β)
の価数依存性。、1501…試料、1502…多価イオ
ン励起中性粒子質量分析装置、1503…試料室、15
04…ゲートバルブ、1505…多価イオン、1506
…Arガス、1507…電子線、1508…多価イオン
発生部、1509…ウイーンフィルター、1510…デ
フレクター、1511…イオン減速器、1512…イオ
ン、1513…レーザ光、1514…質量分析計、15
15…レーザ装置、1516…スリット。
された粒子、101a…Si(100)基板、101b
…GaAs(100)基板、102…多価イオン励起オ
ージェ電子分光装置、103…試料室、104…ゲート
バルブ、105…多価イオン、106…Arガス、10
7…電子線、108…多価イオン発生部、109…ウイ
ーンフィルター、110…イオン減速器、111…表面
より放出された電子、112…電子エネルギー分析器、
201…(Ar14+)の照射により得られた電子スペク
トル、202…(Ar13+)の照射により得られた電子
スペクトル、203…(Ar12+)の照射により得られ
た電子スペクトル、301…(Ar12+)の照射により
得られた電子スペクトル、302…(Ar11+)の照射
により得られた電子スペクトル、303…(Ar10+)
の照射により得られた電子スペクトル、401…Si
(100)基板、402…多価イオン励起二次イオン質
量分析装置、403…試料室、404…ゲートバルブ、
405…多価イオン、406…Arガス、407…電子
線、408…多価イオン発生部、409…ウイーンフィ
ルター、410…デフレクター、411…イオン減速
器、412…試料グリッド、413…加速グリッド、4
14…表面より放出されたイオン、415…飛行時間式
質量分析計、416…スリット、501…(H+)の信
号、502…(F+)の信号、601…(H+)の信号
のうち初期運動エネルギーの大きい方の成分、602…
(H+)の信号のうち初期運動エネルギーの小さい方の
成分、701…GaAs(100)基板、702…多価
イオン励起二次イオン質量分析装置、703…試料室、
704…ゲートバルブ、705…多価イオン、706…
ソレノイドコイル、707…マイクロ波発生装置、70
8…多価イオン発生部、709…Arガス、710…ウ
イーンフィルター、711…イオン減速器、712…四
重極質量分析計、713…表面より放出されたイオン、
714…プラズマ、801…(Ga+)の信号、802
…(As+)の信号、901…(Ga+)イオンの信
号、902…(As+)の信号、1001…(Ga+)
の信号、1002…(As+)の信号、1101…多価
イオンを用いて得られた深さ方向分布、1201…加速
イオンを用いて得られた深さ方向分布、1301…初期
運動エネルギーの大きい方の成分(α)の価数依存性、
1302…初期運動エネルギーの小さい方の成分(β)
の価数依存性。、1501…試料、1502…多価イオ
ン励起中性粒子質量分析装置、1503…試料室、15
04…ゲートバルブ、1505…多価イオン、1506
…Arガス、1507…電子線、1508…多価イオン
発生部、1509…ウイーンフィルター、1510…デ
フレクター、1511…イオン減速器、1512…イオ
ン、1513…レーザ光、1514…質量分析計、15
15…レーザ装置、1516…スリット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 清二 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 長部 敏 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 兼堀 恵一 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (26)
- 【請求項1】試料を試料室に設置する工程と、1価イオ
ンを含む多価イオンを発生する多価イオン発生工程と、
発生した多価イオンを試料に照射する照射工程と、試料
から放出される粒子あるいは光を分析する分析工程から
なる表面解析方法において、上記多価イオン発生工程
は、発生した多価イオンを所定の価数に分離する分離工
程と、多価イオンを試料に照射する前に被測定材料のス
パッタリングしきい値以下の速度に減速する減速工程を
含むことを特徴とする表面解析方法。 - 【請求項2】上記減速工程は、発生した多価イオンを2
0eV以下の速度に減速する工程を含むことを特徴とす
る請求項1に記載の表面解析方法。 - 【請求項3】上記減速工程は、発生した多価イオンを2
0eV以上1keV以下の速度に減速する工程を含むこ
とを特徴とする請求項1に記載の表面解析方法。 - 【請求項4】上記分析工程は、試料から放出された粒子
の質量あるいは運動エネルギーを分析する工程であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の表面解析方法。 - 【請求項5】上記分析工程は、試料から放出される光の
光子エネルギーを分析する工程であることを特徴とする
請求項1に記載の表面解析方法。 - 【請求項6】上記分析工程は、試料から放出される粒子
としてオージェ電子を分析する工程であることを特徴と
する請求項1に記載の表面解析方法。 - 【請求項7】上記分析工程は、試料から放出される粒子
としてイオンを分析する工程であることを特徴とする請
求項1に記載の表面解析方法。 - 【請求項8】上記分析工程は、試料から放出される粒子
として中性粒子を分析する工程であることを特徴とする
請求項1に記載の表面解析方法。 - 【請求項9】上記分析工程は、試料から放出される中性
粒子にレーザ光を照射することによってイオン化して、
該イオンを分析する工程であることを特徴とする請求項
1に記載の表面解析方法。 - 【請求項10】上記分析工程は、多価イオンにより試料
の表面をエッチングしながら、元素の深さ方向分布を分
析する工程であることを特徴とする請求項1、請求項
2、および、請求項3に記載の表面解析方法。 - 【請求項11】上記発生工程において発生した多価イオ
ンを上記照射工程において上記試料に照射する前に試料
を冷却する工程を含むことを特徴とする請求項1、請求
項2、および、請求項3に記載の表面解析方法。 - 【請求項12】試料を試料室に設置する工程と、1価イ
オンを含む多価イオンを発生する多価イオン発生工程
と、発生した多価イオンを試料に照射する照射工程と、
試料から放出される粒子あるいは光を分析する分析工程
からなる表面解析方法において、上記試料に種類が同じ
で価数の異なる多価イオンを照射する工程と、それぞれ
の多価イオン照射に対応して試料から放出されるオージ
ェ電子の運動エネルギ−スペクトルを比較し、放出され
るオージェ電子の信号が現われ始める多価イオンの価数
とオージェ電子の運動エネルギーの値から表面の元素組
成および結合状態を解析する工程を含むことを特徴とす
る表面解析方法。 - 【請求項13】試料を試料室に設置する工程と、1価イ
オンを含む多価イオンを発生する多価イオン発生工程
と、発生した多価イオンを試料に照射する照射工程と、
試料から放出される粒子あるいは光を分析する分析工程
からなる表面解析方法において、上記試料に種類が同じ
で価数の異なる多価イオンを照射する工程と、それぞれ
の多価イオン照射に対応して試料から放出されるイオン
の質量スペクトルまたは運動エネルギ−スペクトルを比
較し、放出されるイオンの信号が急増する多価イオンの
価数とイオンの質量または運動エネルギーの値から表面
の元素組成および結合状態を解析する工程を含むことを
特徴とする表面解析方法。 - 【請求項14】多価イオンを発生する多価イオン発生手
段と、発生した多価イオンを試料に照射する照射手段
と、試料から放出される粒子あるいは光を分析する分析
手段からなる表面解析装置において、上記多価イオン発
生手段によって発生した多価イオンを所定の価数に分離
する分離手段と、被測定材料のスパッタリングしきい値
以下の速度に減速する減速手段を有することを特徴とす
る表面解析装置。 - 【請求項15】上記減速手段は、20eV以下の速度に
減速できる構造からなることを特徴とする請求項14に
記載の表面解析装置。 - 【請求項16】上記減速手段は、20eV以上1keV
以下の速度に減速できる構造からなることを特徴とする
請求項14に記載の表面解析装置。 - 【請求項17】上記分析手段は、試料から放出された粒
子の質量あるいは運動エネルギーを分析する手段からな
ることを特徴とする請求項14に記載の表面解析装置。 - 【請求項18】上記分析手段は、試料から放出される光
の光子エネルギーを分析する手段であることを特徴とす
る請求項14に記載の表面解析装置。 - 【請求項19】上記分析手段は、試料から放出される粒
子としてオージェ電子を分析する手段であることを特徴
とする請求項14に記載の表面解析装置。 - 【請求項20】上記分析手段は、試料から放出される粒
子としてイオンを分析する手段であることを特徴とする
請求項14に記載の表面解析装置。 - 【請求項21】上記分析手段は、試料から放出される粒
子として中性粒子を分析する手段であることを特徴とす
る請求項14に記載の表面解析装置。 - 【請求項22】上記分析手段は、試料から放出される中
性粒子にレーザ光を照射することによってイオン化し
て、該イオンを分析する手段であることを特徴とする請
求項14に記載の表面解析装置。 - 【請求項23】上記分析手段は、多価イオンにより試料
の表面をエッチングしながら、元素の深さ方向分布を分
析する手段であることを特徴とする請求項14に記載の
表面解析装置。 - 【請求項24】多価イオンを発生する多価イオン発生手
段と、発生した多価イオンを試料に照射する照射手段
と、試料から放出される粒子あるいは光を分析する分析
手段からなる表面解析装置において、試料に種類が同じ
で価数の異なる多価イオンを照射する手段と、それぞれ
の多価イオン照射に対応して試料から放出されるオージ
ェ電子の運動エネルギ−スペクトルを比較し、放出され
るオージェ電子の信号が現われ始める多価イオンの価数
とオージェ電子の運動エネルギーの値から表面の元素組
成および結合状態を解析する手段を有する構造からなる
ことを特徴とする表面解析装置。 - 【請求項25】多価イオンを発生する多価イオン発生手
段と、発生した多価イオンを試料に照射する照射手段
と、試料から放出される粒子あるいは光を分析する分析
手段からなる表面解析装置において、試料に種類が同じ
で価数の異なる多価イオンを照射する手段と、それぞれ
の多価イオン照射に対応して試料から放出されるイオン
の質量スペクトルまたは運動エネルギ−スペクトルを比
較し、放出されるイオンの信号が急増する多価イオンの
価数とイオンの質量または運動エネルギーの値から表面
の元素組成および結合状態を解析する手段を有する構造
からなることを特徴とする表面解析装置。 - 【請求項26】上記発生手段によって発生した多価イオ
ンを上記照射手段によって上記試料に照射する前に試料
を冷却する手段を含むことを特徴とする請求項14およ
び24および25に記載の表面解析装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7092197A JPH08166362A (ja) | 1994-10-14 | 1995-04-18 | 表面解析方法および装置 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24907094 | 1994-10-14 | ||
| JP6-249070 | 1994-10-14 | ||
| JP7092197A JPH08166362A (ja) | 1994-10-14 | 1995-04-18 | 表面解析方法および装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08166362A true JPH08166362A (ja) | 1996-06-25 |
Family
ID=26433668
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7092197A Pending JPH08166362A (ja) | 1994-10-14 | 1995-04-18 | 表面解析方法および装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08166362A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001255290A (ja) * | 2000-03-09 | 2001-09-21 | Toyota Motor Corp | 固体物質の表面分析方法 |
| JP2006302785A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Japan Science & Technology Agency | 多価イオン照射装置及びそれを用いた微細構造の製造方法 |
| WO2007129596A1 (ja) * | 2006-05-02 | 2007-11-15 | The University Of Tokyo | エネルギー準位の測定方法、分析方法 |
-
1995
- 1995-04-18 JP JP7092197A patent/JPH08166362A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001255290A (ja) * | 2000-03-09 | 2001-09-21 | Toyota Motor Corp | 固体物質の表面分析方法 |
| JP2006302785A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Japan Science & Technology Agency | 多価イオン照射装置及びそれを用いた微細構造の製造方法 |
| WO2007129596A1 (ja) * | 2006-05-02 | 2007-11-15 | The University Of Tokyo | エネルギー準位の測定方法、分析方法 |
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