JPH0816721B2 - 透過型位相格子又はレンズ及びそれらの製法 - Google Patents

透過型位相格子又はレンズ及びそれらの製法

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JPH0816721B2 JP62073648A JP7364887A JPH0816721B2 JP H0816721 B2 JPH0816721 B2 JP H0816721B2 JP 62073648 A JP62073648 A JP 62073648A JP 7364887 A JP7364887 A JP 7364887A JP H0816721 B2 JPH0816721 B2 JP H0816721B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、有機高分子材料で形成され透過波面が良好
で、透過率がよく、量産化に富み、軽量、安価な透過型
位相格子又はレンズ及びそれらの製法に関する。
(従来の技術) 従来は石英ガラスや光学ガラス基板上に感光性高分子
化合物を用いフオトリソグラフイーによつて位相格子又
はレンズのパターンを描き、このまま使用するか、もし
くはフオトリソグラフイーの後、別の化合物を蒸着法、
スパツタリング法等によつて付着させることによつて透
過型の位相格子又はレンズを得ていた。
(発明が解決しようとする問題点) 上記手段の透過型位相格子又はレンズは基板がガラス
であるため、重く、高価であるという欠点を有す。更に
その製法はプロセスが大がかりで装置が大型化し高価に
なる等の欠点を有する。また感光性高分子化合物を用い
る方法は、ガラス基板と高分子化合物との密着性がよく
なかつた。基板に安価に高分子化合物を用いれば前者の
欠点が改良されることは当業者にとつて容易である。
本発明者らの研究によればプラスチツク基板の上に感
光性高分子化合物をスピンコート法により付与し、位相
格子又はレンズを作製すると、いかに注意深く作製して
も基板と高分子化合物との界面が、高分子化合物を溶解
している溶媒におかされ、透過率の減少、波面のみだれ
等が生じることが確認された。
本発明の第1の目的は安価な有機高分子材料からなる
位相格子又はレンズを提供することにある。
本発明の第2の目的は透過波面がみだれず、透過率の
よい位相格子又はレンズを提供することである。
本発明の第3の目的は耐久性のある位相格子又はレン
ズを提供することである。
そして、本発明の別の目的はかかる位相格子又はレン
ズの工業的製造法を提供することである。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らの研究によれば有機高分子材料からなる基
板及び有機高分子材料からなる位相格子又はレンズ層か
ら形成される透過型位相格子又はレンズにおいて、該層
間にそれぞれの媒体の溶剤溶解性が異なることを特徴と
する、少なくとも1層以上の中間層を設けることによ
り、上記の問題点が解決されることが見い出された。
即ち、本発明は、 1)(A) 透明な有機高分子材料(a)からなる位相
格子又はレンズ層、 (B) 該高分子材料(a)とは溶剤溶解性が異なる有
機高分子材料(b)からなる少なくとも1層以上の中間
層、 (C) 上記高分子材料(b)とは異なる有機高分子材
料(c)からなり、上記位相格子又はレンズ層及び中間
層を支持するための基板、 から構成されることを特徴とする位相格子又はレンズな
らびに支持するために十分な厚みと強度を有する有機高
分子材料(c)からなる基板上に該高分子材料とは異な
る溶媒溶解性を有する高分子材料(b)を溶解した溶液
を塗布、乾燥して中間層を形成し、次いで、感光性高分
子材料(a′)を、上記中間層を実質的に溶解すること
のない溶媒に溶解した溶液を塗布乾燥した後、光反応プ
ロセスによつて位相格子又はレンズ層を形成させること
を特徴とする透過型位相格子又はレンズの製法である。
本発明において使用される基板を構成する材料として
は、支持するために十分な厚みと強度を有する有機高分
子材料であれば何でも使用可能であるが、発明の目的か
らすれば安価な材料であることが込ましい。それらの材
料(c)としては例えばポリメチルメタクリレート、ポ
リカーボネート、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレ
ン、ポリスルホン、ポリスチレンなどが例示できる。用
いられる材料の種類は要求される透過率強度などの使用
目的及び中間層の材料との関係で適宜選択されるが、メ
タクリレート系重合体又はスチレン系重合体が透明性が
良いので良く利用される。
本発明において用いられる位相格子又はレンズ(以下
これらを総称して位相格子等ということがある。)層を
形成する感光性高分子材料(a′)としては十分な透明
性を有すれば従来公知の材料がそのまま使用できる。そ
れらの材料(a′)を例示すると、ポリメチルメタクリ
レート系、ポリシクロヘキシルメタクリレート系等のア
クリレート系樹脂からなる感光性高分子化合物、ポリカ
ーボネート系、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン
等のスチレン系重合体、およびそれらの共重合体からな
る感光性高分子化合物などが例示される。
ホトロツキング法による乾式現像可能な感光性化合物
はプロセスが簡易であり、更に高分子材料よりなる基板
を現像液等で損傷することがないので好ましい。それら
は例えば(A)光反応性の炭素炭素間二重結合を有する
重合体、および(B)非置換または置換基を有する芳香
族アルデヒドおよび芳香族ケトンより選択される化合物
の一種または二種以上を含有する感光性高分子材料であ
る。
ここで光反応性の炭素炭素間二重結合を有する重合体
とは、光によりアルデヒドまたはケトンとの反応が進行
するような分子内に炭素炭素間二重結合が存在する重合
体である。これらの重合体は、例えば2−ブテノール、
ゲラニオール等の分子内に二重結合を有するテルペン系
アルコールをアクリル酸系重合体と反応させること(高
分子エステル化反応)により得られるが、分子内に二重
結合を有するアルコールとアクリル酸またはメタクリル
酸よりなるエステルを単独で重合するか、あるいは他の
メタクリル酸エステルと共重合することによつても得ら
れる。
他のメタクリル酸エステルの代表例としては、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピル
メタクリレート、iso−プロピルメタクリレート等があ
り、分子構造に特殊な制約条件はない。
分子内に二重結合を有するアルコールとアクリル酸ま
たはメタクリル酸よりなるエステルには、このアルコー
ル残基中の二重結合の数が1個の化合物と、非共役型の
炭素炭素間二重結合を2個以上有する化合物に大別され
る。前者の代表例としては、アリルメタクリレート、ク
ロチルメタクリレート、2−メチル−2−プロペニルメ
タクリレート、3−メチル−3−プロペニルメタクリレ
ート、2−メチル−2−ブテニルメタクリレート、1,1
−ジメチル−3−ブテニルメタクリレート等がある。後
者の代表例としては、ゲラニルメタクリレート、ゲラニ
ルゲラニルメタクリレート等がある。
芳香族ケトンはカルボニル基を有する化合物と、カル
ボニル基を2個以上有する化合物に大別される。前者の
例としては、アセトフエノン、ベンゾフエノン、ベンズ
アルデヒド等がある。後者の例としては、3−ベンゾイ
ルベンゾフエノン、3,3′−ジベンゾイルベンゾフエノ
ン等がある。
用いられる材料(c)の選択は使用目的及び中間層と
の関係で適宜選択される。
本発明において中間層の導入及び該中間層を構成する
材料(b)の選択は最も重要である。該有機高分子材料
(b)として次の性質を有することが必須である。
位相格子又はレンズ層を形成する高分子材料(a)
とは溶剤溶解性が異なる材料であること。
要求される透明性を有する材料であること。
基板とは異なる有機高分子材料より形成されている
こと。
本発明者らの研究によれば、溶剤溶解性の異なる材料
を積層することにより、光線透過率および透過波面が良
好であることが確認された。本発明において溶剤溶解性
が異なるとは中間層を形成させた後に位相格子層を形成
させる際に中間層の表面や溶解や膨潤等の実質的な変化
をさせることなく感光性高分子材料(a′)の溶液を塗
布することができればよいことを意味する。
一般に溶剤に対する溶解性はポリマー・ハンドブツク
(第2版)により定義された溶解度パラメーターにより
定量的に表現することができる。本発明においては、位
相格子又はレンズ層を構成する有機高分子材料(a)の
溶解度パラメーターの値と、中間層を構成する有機高分
子材料(b)の溶解度パラメーターの値とは2.0×10-3
(J/m31/2以上異なっている。なお、両者の溶解度パ
ラメーターの値は2.5×10-3(J/m31/2以上離れている
のが好ましく、3.0×10-3(J/m31/2以上離れているの
が特に好ましい。
本発明に従えば中間層を設けることにより単に市販さ
れている有機高分子材料よりなる基板(支持体)表面の
凹凸を平滑化するのみならず、本質的に位相格子等の層
を積層した場合の位相格子等の層の均一性を達成し、ま
た位相格子等における不均一性を低減することができ
る。従つて、有機高分子材料からなる位相格子等として
は、透過波面、光透過率のともに良好なものにすること
が可能となる。
該中間層としては、上記の目的が達成できるものであ
れば制限はない。従つて該層は単層でも2層以上の積層
構造であつてもよい。2層以上の積層構造は単層構造よ
りもより高い性能が要求される場合に用いられる。例え
ば、該層間の接着性の向上を目的とする場合に2層以上
の積層構造を用いると好適である。
該中間層を形成する材料(b)としては上述の性質を
有するものであれば特に限定はないが、一般に比較的透
明な樹脂が選択される。それらを例示すると酢酸セルロ
ース、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂、ポリ(フルオロアルキルメタ
クリレート)である。実際に用いられる材料(b)の選
択は上述のことを考慮して使用目的及び基板又は位相格
子又はレンズ層の材質との関係で任意に選択される。
以下、本発明の構成例及び製造例を詳しく図面を参照
しつつ説明する。
第1図は中間層2が単層の例であり、第2図は中間層
2a、2bが複層の例である。
これらの例では基板3にはポリメチルメタクリレート
又はポリカーボネートのような安価な厚み0.5mm〜30mm
のプラスチツク板が用いられている。基板3はその材料
のガラス転移点(Tg)付近の温度でベーキング処理した
方が好ましいがしなくてもよい。第1図において中間層
2には酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリビニル
アルコールなどのような材料が選択される。それらは位
相格子等の層として使用される透明な高分子材料をほと
んど溶解しない溶媒、例えば水、アルコール、ジメチル
ホルムアミドのような化合物に良く溶解する。中間層2
がポリビニルアルコールの場合のように基板3との密着
性に問題がある場合には、第2図のようにさらに第2の
例えばポリウレタンからなる中間層2bをコーテイング
し、その上に第1の中間層2aをコートすることにより解
決される。これらの中間層2a、2bの厚みは通常0.05〜0.
5μmである。これらの中間層2a、2bの厚みは、場合に
よつては0.01〜10μmのものを使用することもある。
つづいて通常の方法によつて第3図に示すように位相
格子層1を形成する感光性高分子化合物層11を、中間層
を溶解しない溶媒に溶解した溶液を用いコーテイング
し、4のフオトマスクを通して、所望の位相格子等のパ
ターンを露光し、用いた感光性高分子にあつた現像を行
うことで第1図又は第2図に示すような、透過波面、透
過率ともに良好な透過型位相格子(もしくはレンズ)が
得られる。位相格子層の厚みは通常0.1〜2μmである
がこれより範囲が広くても、例えば0.01〜10μmでも使
用可能である。
上記の説明では、レリーフの形状が矩形の位相格子に
ついて説明したが、正弦波形状のもの、三角形状のもの
など任意の形状の位相格子等であつてもよい。また、該
位相格子等は屈折率分布型であつてもよく、フレネルレ
ンズのように格子の形状が直線でないものも含まれる。
本発明において、上述の中間層2及び位相格子等の層
1を付与する方法は限定されない。流延法、バーコート
法などが例示されるが均一な薄層を得るにはスピンコー
ト法が簡便で且つ厚みを均一に制御し易いのでよい。
また必要に応じて本発明の位相格子等は第4図のよう
に任意の上層(例えば保護層5)を付与することができ
る。該上層を付与する場合は、位相格子等の層を実質的
に溶解することのない溶媒に溶解した高分子化合物の溶
液を塗布、乾燥することがよい。上記上層を保護層など
として利用する場合は、位相格子等に用いた化合物と異
つた屈折率を有する高分子化合物を採用しなければなら
ない。
以下に実施例により更に詳細に説明する。なお、実施
例中の平滑性(透過の波面収差)はフイゾー干渉計(サ
イゴ社製)により測定を行つた。
実施例1 先ず、メチルメタクリレートとクロチルメタクリレー
トの等モル共重合体を合成した。この共重合体の溶解度
パラメーターは19×10-3(J/m31/2であつた。この共
重合体中のクロチルメタクリレート成分と等モルのベン
ゾフエノンを加えて4重量%ベンゼン溶液を調製し、こ
れを感光性樹脂溶液Aとする。
基板3として厚み1mmの透過平面性が5mm×5mmの範囲
で0.01λ(rms)のポリメチルメタクリレート板を用
い、イソプロパノールで洗浄後110℃で1時間ベーキン
グし、放冷した。中間層2として溶解度パラメーター2
4.5×10-3(J/m31/2の酢酸セルロースをジメチルホル
ムアミドに溶解した溶液をスピンコーテイング後乾燥し
た。この際の中間層2の膜厚は、0.05μmであつた。次
いで前記感光性樹脂溶液Aを厚さ0.9μmで塗布し、つ
づいてフオトマスク4として10μmのラインアンドスペ
ースのマスクを用い500Wの超高圧水銀灯で20分間照射
し、前記感光性高分子を反応させた後0.2mm Hg、100℃
の条件でマスクでしや光された未反応部のベンゾフエノ
ンを昇華させることによつて、透過型の位相格子を作製
した。このときのHe−Ne光での透過率はすべての回折光
を合せると92.5%で、基板1のみの場合と同じであつ
た。また透過の波面収差は5mm×5mmの範囲で0.01λ(rm
s)と良好であり、密着性も良好であつた。
実施例2 実施例1においてクロチルメタクリレートとメチルメ
タクリレートの共重合体のかわりに溶解度パラメーター
が18.8×10-3(J/m31/2のゲラニルメタクリレート、
メチルメタクリレート、α−メチルスチレンのモル比で
1:2:1の共重合体を合成し、同様の実験を行つたところ
まつたく同じ結果がえられた。
実施例3 実施例1において、中間層2に酢酸セルロースの代り
に溶解度パラメーター22.0×10-3(J/m31/2のニトロ
セルロースをイソプロパノール・ジメチルホルムアミド
の混合溶媒に溶解した溶液をスピンコーテイングし乾燥
して同様の操作を行つたところ、透過率が92.5%で同じ
結果が得られた。
比較例1 実施例1において中間層2をコーテイングすることな
く同様の操作を行つたところ、位相格子層の厚さは0.9
〜1.2μmと均一でなく、透過波面収差が5mm×5mmの範
囲で0.1λ(rms)以上と不良であつた。
(発明の効果) 本発明に従えば、安価なプラスチック材料により構成
された位相格子ではあるが、透過波面、透過率ともに良
好な位相格子又はレンズが提供できる。そして、従来の
ガラス基板のものに比べて重量を半分以下にすることが
でき、さらに、ガラス基板では研摩を必要とし、任意の
形状に加工することが困難であつたが、本発明では基板
も位相格子又はレンズ層も合成樹脂であるので、形状加
工は非常に容易であり、非常にコストの低廉な位相格子
又はレンズが得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明に従がう位相格子又はレンズの
断面模式図である。図中1は位相格子又はレンズ層、
2、2a、2bは中間層そして3は基板、4はフオトマス
ク、5は上部保護層を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)透明な有機高分子材料(a)からな
    る位相格子又はレンズ層 (B)該高分子材料(a)の溶解度パラメーターの値と
    は2.0×10-3(J/m31/2以上異なる溶解度パラメーター
    を有する有機高分子材料(b)からなる少なくとも1層
    以上の中間層 (C)上記位相格子又はレンズ層及び中間層を支持する
    ための上記高分子材料(b)とは異なる有機高分子材料
    (c)からなる基板 から構成されることを特徴とする透過型位相格子又はレ
    ンズ。
  2. 【請求項2】該中間層が接着性を増大させるための層と
    表面を平滑にするための層の積層構造をしている特許請
    求の範囲第1項記載の位相格子又はレンズ。
  3. 【請求項3】支持するために十分な厚みと強度を有する
    有機高分子材料(c)からなる基板上に該高分子材料
    (c)とは異なる有機高分子材料(b)を溶解した溶液
    を塗布、乾燥して中間層を形成し、次いで、感光性高分
    子材料(a′)を溶媒に溶解することにより得られた、
    該高分子材料(b)の溶解度パラメーターの値とは2.0
    ×10-3(J/m31/2以上異なる溶解度パラメーターを有
    する溶液を塗布乾燥した後、光反応プロセスによって位
    相格子又はレンズ層を形成させることを特徴とする透過
    型位相格子又はレンズの製法。
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