JPH08168380A - 酵母の高発現ベクタープラスミド用dna断片 - Google Patents

酵母の高発現ベクタープラスミド用dna断片

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JPH08168380A
JPH08168380A JP9206294A JP9206294A JPH08168380A JP H08168380 A JPH08168380 A JP H08168380A JP 9206294 A JP9206294 A JP 9206294A JP 9206294 A JP9206294 A JP 9206294A JP H08168380 A JPH08168380 A JP H08168380A
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武博 大島
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正治 田中
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 酵母のグリセロアルデヒド−3−ホスフェイ
トデヒドロゲナーゼ構造遺伝子の5’側上流の非翻訳領
域であって、その領域が構造遺伝子の5’側上流約15
0塩基対よりさらに5’側上流までの塩基対を含む非翻
訳領域と外来遺伝子とから成るDNA断片。 【効果】 このDNA断片を酵母内で発現可能な状態で
ベクターに組み込み、このベクタープラスミドで酵母を
形質転換し、形質転換体を培養することにより、従来の
プロモーターを使用したものに比較して、著しく高い効
率でポリペプチド又はタンパクを発現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酵母サッカロマイセスの
解糖系酵素の1つであるグリセロアルデヒド−3−ホス
フェイトデヒドロゲナーゼ(以下GAP−DHと略称す
る)を支配している遺伝子(オペロン)のプロモーター
と有用な目的ペプチド遺伝子とから成るDNA断片に関
する。更に詳しくは、GAP−DH構造遺伝子の開始コ
ドンより150塩基対よりさらに5’側上流の非翻訳領
域と外来の異種遺伝子とから成るDNA断片に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで遺伝子操作技術を用いて医薬上
有用なペプチド類、例えばソマトスタチン、インスリ
ン、成長ホルモン、各種インターフエロン、インフルエ
ンザウイルス並びに肝炎Bウイルス蛋白、サイモシンα
1、β−エンドルフィン、α−ネオエンドルフィン、セ
クレチン、ウロキナーゼ、プラスミノーゲン活性化物質
など多くの物質が微生物又は動物細胞で作られるように
なっている。
【0003】これらの多くは宿主として原核細胞(pr
okaryote)である大腸菌を用いているが、近年
有核細胞(eukaryote)である酵母を宿主とし
て利用することが注目されている。これは、酵母の培養
条件が簡単であり、分裂速度が速いこと、安全性が高い
こと、特にサッカロマイセス酵母では遺伝生化学的解析
がより多くなされていることなどの理由による。しか
し、酵母における外来異種ペプチド産生に関する例は少
なく、α−インターフエロン、HB肝炎表面抗原蛋白、
α−ネオエンドルフィンにみられる程度である。
【0004】一方、外来異種遺伝子、例えば化学的に合
成した遺伝子、mRNAから逆転写酵素によって得られ
る相補的DNA(cDNA)遺伝子、あるいは染色体か
ら適当な処理によって得られる遺伝子などを発現させよ
うとするには、用いる宿主に適したプロモーター領域の
存在が必須である。プロモーターの良し悪しが目的とす
るペプチド遺伝子発現に大きく影響するため、これまで
種々のプロモーターを用いて発現プラスミドベクターの
開発が行われてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、報告さ
れている酵母を宿主とする外来遺伝子の発現ベクターは
大腸菌を宿主とするベクターに比べ、目的とする外来遺
伝子の発現効率は十分とは言えない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酵母サッ
カロマイセスの解糖系を支配している酵素であるグリセ
ロアルデヒド−3−ホスフェイトデヒドロゲナーゼ(G
AP−DH)が酵母菌体で多量に生産されているのに着
目し、この酵素をコードしているオペロンのプロモータ
ー遺伝子の利用を考え、研究を進めた。この結果、この
プロモーターが酵母での異種または同種のペプチドの生
産に非常に有用であることを見出し、このプロモーター
の下流に異種または同種ペプチド遺伝子とを結合した酵
母菌のベクターを作成し、これを用いて酵母の形質転換
を行い、形質転換の行われた酵母を分離解析することに
より本発明を完成した。
【0007】本発明のDNA断片及び当該DNA断片を
挿入した酵母ベクターは次のようにして作成される。
【0008】サッカロマイセス酵母XS 16−5C株
[cir0]の核DNAを制限酵素HindIIIで切断し
て得た1.9kbから2.2kbに相当するDNA断片
を適当なプラスミドベクター、例えばプラスミドpBR
322のHindIIIサイトにクローニングして、酵母
の遺伝子ライブラリーを得た。その遺伝子ライブラリー
から2.1kbの長さの酵母DNA断片を持ち、かつそ
のDNA断片が制限酵素SalIで1ケ所、制限酵素H
paIで1ケ所切断される断片を持つクローンを分離し
た。このプラスミドは、挿入されたDNA断片について
Maxam−Gilbert法(PNAS74、560
−564(1977))により塩基配列を決定し、この
結果をホランド(Holland)ら「J.Biol.
Chem.254,9839(1979)」の報告と比
較検討することにより、目的とするGAP−DH遺伝子
が挿入されていることを確認できる。
【0009】このようにしてGAP−DH遺伝子が挿入
されたプラスミドを特定の制限酵素で切断し、上記遺伝
子を含むDNA断片を選択マーカーを持つ酵母菌ベクタ
ー、好しくは操作の便宜上大腸菌−酵母シャトルベクタ
ーに挿入する。
【0010】次に、このベクター中のGAP−DH遺伝
子のC末端近くにある制限酵素SalI切断部位に、読
みわく(reading frame)が合うように、
予じめ得ている目的ペプチド遺伝子を含む断片を挿入す
る。このようにして得たGAP−DH遺伝子および目的
ペプチド遺伝子を含むプラスミドにより酵母を形質転換
する。
【0011】目的ペプチド遺伝子としては外来性異種ペ
プチド遺伝子および酵母内のGAP−DH遺伝子以外の
ペプチド遺伝子(同種ペプチド遺伝子)の両方を含むも
のとする。
【0012】なお、ここで外来性異種ペプチド遺伝子
は、GAP−DH遺伝子の一部と外来遺伝子とが融合さ
れた遺伝子を含むものである。
【0013】このように形質転換された酵母において、
GAP−DH遺伝子プロモーターが目的ペプチド遺伝子
の発現に非常に優れていることが認められた。
【0014】即ち、Hollandらにより開示された
GAP−DH構造遺伝子の5’側上流150塩基対(J
BC 254,9839−9845,1979,具体的
には9842頁)よりさらに5’側上流の非翻訳領域を
含む領域をプロモーター領域として用いることにより、
極めて高い異種ペプチド、または蛋白の生産性が認めら
れたといえる。
【0015】又、目的ペプチドの酵母における生産性
は、GAP−DH遺伝子の3’末端非翻訳領域をプラス
ミド中の目的ペプチド遺伝子の下流に付加することによ
って著しく上昇することが認められている。この3’末
端非翻訳領域の付加による効果については特願昭56−
167615号に詳細に説明されている。
【0016】上記のような3’末端非翻訳領域を利用す
る方法およびこの領域も挿入されているプラスミドおよ
びその利用も本発明の範囲に含むものとする。
【0017】本発明を以下の実施例により更に詳細に説
明する。
【0018】具体的実施例では、目的ペプチド遺伝子と
してアルファネオエンドルフィン(αNE)遺伝子を用
い、GAP−DHプロモーター −GAP−DH構造遺
伝子−αNE遺伝子(pGAP−GAP−αNEと略)
およびpGAP−GAP−αNE−3’GAP(GAP
−DH遺伝子の3’末端非翻訳領域を付加したもの)の
ような配列から、GAP−αNE雑種蛋白質として目的
物質(αNE)を生産する方法を記しているが、GAP
−DHプロモーターの位置から適当な塩基配列をおいて
目的遺伝子、例えばインターフエロンのようなペプチド
をコードする遺伝子を付加し目的ペプチドを直接生産さ
せることもできる。このようにGAP−DHプロモータ
ーは広く外来遺伝子の発現並びにアルファネオエンドル
フィン以外の異種および同種ペプチドの生産に活用され
うるものである。
【0019】
【実施例】1.GAP−DH遺伝子のクローニング(図1参照) サッカロマイセス酵母XS16−5C[cir0](S
accharomyces cerevisiae X
S16−5C MATa leu2 his3tryp
1[sir0])を1lのYPD培地(1%酵母エキ
ス、2%ポリペプトン、2%グルコース)で30℃、2
4時間培養し、得られた菌体をクライヤー(Crye
r)らの方法(Cryer et al.,Isola
tion of yeast DNA,Methods
in Cell Biology,Vol.12,A
cademic Press,New York,19
75,pp39−44)に従って総DNAを分離した。
【0020】50μgの酵母DNAを100単位のHi
ndIIIを用いて37℃で2時間加温することにより切
断した。反応液を0.8%アガロースゲル電気泳動によ
り分離し、1.9kb〜2.2kbに相当するHind
IIIによるDNA断片を分離精製した。一方、0.5μ
gのpBR322をHindIII1単位を用いてTA緩
衝液(33mMトリス酢酸、pH7.9、66mM酢酸
カリ、10mM酢酸マグネシウム、0.5mM DT
T)中で37℃で1時間反応させることにより切断し
た。次にこれら両DNAをT4 DNAリガーゼ用緩衝
液(20mMトリス塩酸、pH7.5、10mM Mg
Cl2,10mM DTT、0.5mM ATP)に溶
解し、2単位のT4DNAリガーゼを加え、15℃で1
8時間反応させた。この反応液10μlを0.3mlの
CaCl2で処理したE.coliJA221に加えて
形質転換し、アンピシリン耐性クローンを得た。このう
ちテトラサイクリンに対して感受性のあるクローンを4
00個選び、そのプラスミドDNAの解析をアルカリ変
性法により行った。
【0021】既に報告されているホランド等の解析結果
によると、GAP−DH遺伝子を含む2.1kbの断片
にはHpaIおよびSalIの切断部位がそれぞれ1ケ
所ある。2.1kbのHindIII断片はSalIによ
り0.14kbと1.96kbとの2つの断片に切断さ
れ、またHpaIにより1.39kbと0.71kbと
の2つの断片にそれぞれ切断されている。
【0022】発明者らは上記の400個のクローンにつ
いて検討した結果、上記GAP−DH遺伝子を含む断片
におけるのと同じ制限酵素切断部位を有するプラスミド
を持つクローンが1つ得られたことが判った。このクロ
ーンのプラスミドをpYgap87とした。
【0023】このpYgap87のSalI切断部位に
近い方のHindIII切断によって得られる粘着末端に
γ−[32P]−ATPおよびポリヌクレオチドキナーゼ
を用いて標識し、Maxam−Gilbert法に従い
DNAの塩基配列を決定した。この結果を前記ホランド
らの報告と比較検討し、pYgap87はGAP−DH
遺伝子を持つことを確認した。このpYgap87によ
って形質転換された大腸菌K−12株はE.coli
SBM151と命名し、工業技術院微生物工業研究所
(微工研)に寄託し、寄託番号FERM P−6762
(ブタペスト条約に基く国際寄託の受託番号FERM
BP−382)を得ている。
【0024】2.pYE237のプラスミドベクターの
作製 pYE237ベクターは特願昭56−167615号に
開示されたpYE227ベクターからそのSalI切断
点を消失させたプラスミドであり、次のように作製され
た。
【0025】5μgのpYE227を10単位のSal
Iを用いTA緩衝液中で37℃1.5時間反応させ切断
した。
【0026】続いて65℃で加熱することによりSal
Iを失活させた後、4種のdNTPを0.3mM;2−
メルカプトエタールを8mMとなる様に加え1単位のT
4DNAポリメラーゼを用いて37℃30分間反応さ
せ、SalI切断で生じた粘着末端を消失させた。反応
終了後フェノール抽出を1回行った後、2容のエタノー
ルでDNAを沈殿させた。DNA沈殿物を20μlのT
4DNAリガーゼ緩衝液に溶解後、5単位のT4DNA
リガーゼを用い15℃18時間反応させることにより結
合させた。
【0027】反応液を供与DNAとして常法に従いE.
coli JA221に形質転換し、アンピシリン耐性
クローンを得た。これらのクローンよりDNAを分離解
析し、pYE227よりSalIの切断部位の消失した
pYE237を得た。
【0028】3.pYE1201酵母−大腸菌シャトル
ベターの作製(図2参照) 5μgのpYE237を20単位のHindIIIを用
い、TA緩衝液中で37℃1時間反応させた。以後制限
酵素の反応はTA緩衝液中で37℃1時間反応させた。
一方既に得られていたプラスミドpYgap87 5μ
gを20単位のHindIIIを用い切断後、寒天電気泳
動法により2.1kbのDNAフラグメント(GAP−
DH遺伝子)を分離し寒天片よりDNAを溶出、精製し
た。この2.1kb DNA断片とpYE237のHi
ndIII切断DNAを20μl DNAリガーゼ用緩衝
液に溶解し、1単位のT4DNAリガーゼを加え15℃
16時間反応させた。この反応液10μlを0.3ml
のCaCl2処理した。E.coli JA221に加
え形質転換を行った。
【0029】アンピシリン耐性トランスホーマントか
ら、常法に従いプラスミドDNAを分離解析し、pYE
1201を得たことを確認した。
【0030】このプラスミドによって形質転換された酵
母(XS16−5C)株はSaccharomyces
cerevisiae SBM321と命名し、微工
研に寄託番号FERM P−6766(ブタペスト条約
に基く国際寄託の受託番号FERM BP−381)と
して寄託した。
【0031】4.αNE遺伝子を含むプラスミドDNA
(pαNE5’−SalI−c)の作製 Neucleic Acid Research 10
1741〜1754(1982)の方法に従いαNE
遺伝子(EcoRI−BamHI DNA断片)を作製
した。
【0032】この様にして得られた46塩基対より成る
αNE遺伝子をpBR322のEcoRI・BamHI
両制限酵素で切断した大きい方の断片(4kb)に挿入
しpYαNE5’を得た。次にGAP−DH遺伝子中に
あるSalI部位に読み枠を合せ、挿入する為に、5’
−GGGTCGACCC−3’よりなるSalIリンカ
ーを挿入したプラスミドpYαNE5’(SalI)−
cを得た。5μgのpYαNE5’を10単位のEco
RIを用いTA緩衝液中で37℃1時間加温することに
より切断した。65℃で加熱後、0.3mMのdAT
P,dTTP及び8mMの2−メルカプトエタノールと
なる様にそれぞれ加え、37℃30min反応させEc
oRIの粘着末端を満した。反応終了後フェノール抽出
を1回行ってからエタノール沈殿によりDNAを回収し
た。一方、SalIリンカー1μgを50mMトリス塩
酸、pH7.5、10mM MgCl2中で25nmo
lのATP,10単位のポリヌクレオチドキナーゼを用
いて37℃,45分間反応させ、5’末端をリン酸化し
た。これらのDNAを混合し、T4DNAリガーゼ緩衝
液とし5単位のT4DNAリガーゼを加え15℃18時
間反応させた。この反応液10μlを0.3mlのCa
Cl2処理したE.coli JA221に加え形質転
換を行った。アンピシリン耐性形質転換体から常法に従
いプラスミドDNAを分離解析し、pYαNE5’−S
alI−cを得た。
【0033】5.アルファネオエンドルフィン(αN
E)遺伝子の挿入(図2参照) 5μgのpYE1201を20単位のBamHI,20
単位のSalIで2つの断片に切断し寒天電気泳動にて
分離後、大きい断片を寒天より溶出させ精製した。一方
αNE遺伝子を含む断片はpαNE5’−SalI−c
50μgを100単位のBamHI,100単位のS
alIを用いて切断後、5%ポリアクリルアミドゲルに
よる電気泳動法により分離し50塩基対に相当するDN
A断片を溶出・精製して得た。以上の2つのDNA断片
を20μlのDNAリガーゼ緩衝液に溶解し2単位のT
4DNAリガーゼを加え、15℃16時間反応させた。
この反応液10μlを0.3mlのCaCl2処理した
E.coli JA221に加え形質転換を行い、アン
ピシリン耐性形質転換体から常法に従いプラスミドDN
Aを分離解析しpYαNE53を得た。
【0034】即ち、本プラスミドにおける、α−ネオエ
ンドルフィンをGAP−DH酵素の一部との融合蛋白と
して生産させるためのプロモーター領域としては、前記
Hollandらにより開示された5’末端(該酵素遺
伝子の開始コドンより150塩基対上流)よりさらに
5’側上流の非翻訳領域を含んでいることを示してい
る。このようなプロモーター領域を用いて、異種ペプチ
ドまたは蛋白を酵母中で極めて効率的に発現させた例は
知られていない。
【0035】6.GAP−DH遺伝子3’末端領域のp
YαNE53への付加(図3参照) pYαNE53にGAP−DH遺伝子の3’末端領域を
組込まれたαNE遺伝子の下流に付加する具体例を以下
に示す。
【0036】10μgのpYαNE53を30単位のB
amHIで切断後、1単位のT4DNAポリメラーゼを
用い、67mMトリス塩酸(pH8.8)、6.7mM
MgCl2、10mM2−メルカプトエタノール1
6.6mM硫酸アンモン、6.7μM EDTA、0.
3mMの4種のdNTPを含む緩衝液(T4DNAポリ
メラーゼ緩衝液)中37℃30分間反応させ、BamH
I切断で生じた粘着末端をうめた。一方GAP−DH遺
伝子の3’末端領域をpYE1201より得た10μg
のpYE1201を30単位のSalIで切断後、1単
位のT4DNAポリメラーゼを用い同緩衝液中で37℃
30分間反応させ、SalI切断で生じた粘着末端をう
めた。次にそれぞれ30単位のPstIで切断し、pY
αNE53からはαNE遺伝子を含む断片、pYE12
01からはGAP−DH遺伝子の3’末端領域を含む断
片をアガロースゲル電気泳動で分離し精製した。次に両
断片を20μlのT4DNAリガーゼ緩衝液中5単位の
T4DNAリガーゼを用いて15℃17時間反応させ結
合させた。この反応液10μlを用い上記の方法で形質
転換体を得、それよりプラスミドDNAを分離・解析し
pYαNE155を得たことを確認した。
【0037】7.酵母の形質転換および培養 上記のようにして得られたプラスミドpYE1201、
pYαNE53、pYαNE155をBeggs J.
D., Nature,Vol.27 5104(19
78)に記載の方法に従って酵母(サッカロマイセス
セレビジエXS16−5C)に形質転換した。得られた
形質転換体をYPD培地で30℃、24時間振とう培養
後、遠心分離により菌体を回収した。1mlの培養液か
ら得られた菌体に0.5mlの冷アセトンを加え、−2
0℃で1〜24時間放置した後、凍結乾燥した。この乾
燥菌体に5mg/mlの臭化シアンを含む70%ギ酸溶
液に懸濁し24時間暗所で反応させた。この試料を凍結
乾燥後0.1mlの0.1N酢酸でαNEを溶出させ
0.1mlの1.3Mトリス塩酸(pH8.0)で中和
後RIAの試料とした。RIAはN.Minamino
et al,BBRC Vol.102 226(1
981)に記載の方法に準じて行った。その結果を表1
に示した。GAP−DHプロモーターを利用しそのN末
端(323アミノ酸残基)の直後にαNEを結合した雑
種蛋白質として、pYαNE53の場合(GAP−DH
遺伝子の3’末端領域が無い)では1細胞当り200万
分子発現していた。さらに、本発明者らは、本発明にお
けるプロモーター領域の改変実験においてGAP−DH
構造遺伝子の開始コドンの5’側上流約300塩基対お
よび480塩基対をプロモーター領域として用いた場合
のα−ネオエンドルフィンの生産量は、いずれもGAP
−DH構造遺伝子の開始コドンの5’側上流約900塩
基対をプロモーター領域として用いた場合の生産量より
1/10(10分の1)に低下している事実を見いだし
た。
【0038】又、前記のpYαNE53にGAP−DH
遺伝子の3’末端領域を付加したもの(pYαNE15
5)については−pYαNE53の約10倍に相当する
1細胞当り2000万分子発現していた。培養液当りで
は約2μg/mlの生産が認められた。プラスミドの安
定性について検討したところ10世代非選択条件(YP
D培地で培養)で培養したところ、完全なGAP−DH
を持つプラスミドpYE1201の場合は10〜20%
とかなり不安定であった。しかしαNE遺伝子をC末端
付近に結合させたプラスミド(pYαNE53,pYα
NE155)の場合は多少安定性は良くなっていた。
【0039】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】GAP−DH遺伝子のクローニングを示す。
【図2】GAP−DH遺伝子を含みαNE遺伝子を組込
んだプラスミドの構成法を示す。
【図3】図2で得られたプラスミドpYαNE53上の
αNE遺伝子の下流にGAP−DH遺伝子の3’末端非
翻訳部位が付加されたプラスミドの構成法を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図4
【補正方法】追加
【補正内容】
【図4】 図1において遺伝子ライブラリーからHin
dIIIで切り出したDNA断片の制限酵素切断地図を示
す図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】追加
【補正内容】
【図4】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酵母のグリセロアルデヒド−3−ホスフ
    ェイトデヒドロゲナーゼ構造遺伝子の5’側上流約15
    0塩基対よりさらに5’側上流までの非翻訳領域と外来
    遺伝子とから成るDNA断片。
  2. 【請求項2】 前記非翻訳領域が、前記構造遺伝子の
    5’側上流約150塩基対よりさらに5’側上流約35
    0〜750塩基対のいずれかの塩基対までの領域である
    ことを特徴とする請求項1記載のDNA断片。
  3. 【請求項3】 前記非翻訳領域が、前記構造遺伝子の
    5’側上流約150塩基対よりさらに5’側上流約75
    0塩基対までの領域であることを特徴とする請求項1記
    載のDNA断片。
  4. 【請求項4】 酵母のグリセロアルデヒド−3−ホスフ
    ェイトデヒドロゲナーゼ構造遺伝子の5’側上流約15
    0塩基対よりさらに5’側上流までの非翻訳領域と外来
    遺伝子とから成るDNA断片を含むことを特徴とする酵
    母発現用プラスミド。
  5. 【請求項5】 前記非翻訳領域が、前記構造遺伝子の
    5’側上流約150塩基対よりさらに5’側上流約35
    0〜750塩基対のいずれかの塩基対までの領域である
    ことを特徴とする請求項4記載プラスミド。
  6. 【請求項6】 前記非翻訳領域が、前記構造遺伝子の
    5’側上流約150塩基対よりさらに5’側上流約75
    0塩基対までの領域であることを特徴とする請求項4記
    載のプラスミド。
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