JPH0816975B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0816975B2
JPH0816975B2 JP62065697A JP6569787A JPH0816975B2 JP H0816975 B2 JPH0816975 B2 JP H0816975B2 JP 62065697 A JP62065697 A JP 62065697A JP 6569787 A JP6569787 A JP 6569787A JP H0816975 B2 JPH0816975 B2 JP H0816975B2
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則和 積田
武夫 山下
博之 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、強磁性金属もしくは合金薄膜を磁気記録媒
層とした磁気記録媒体に係り、特にノイズ(雑音)が低
く、S/N(出力対雑音比)特性に優れた信頼性の高い強
磁性薄膜型の磁気記録媒体に関する。
〔従来の技術〕
従来の強磁性薄膜型の磁気記録媒体において、磁気記
録再生時におけるノイズの主たる発生原因は、記録ビッ
トの境界において磁化方向が乱れる領域(磁化遷移領
域)ができるためであることが、第5回日本応用磁気学
会学術講演概要集(1981年10月)の第16頁において論じ
られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
強磁性金属薄膜あるいは金属酸化物薄膜などを磁気記
録層(磁性層)として用いた強磁性薄膜型の磁気記録媒
体は、保磁力が高く、飽和磁束密度が大きいと共に、磁
性層の薄膜化が容易であるという特長をもっている。こ
れらの性質は、磁気記録媒体の高密度記録化を行う上
で、必要不可欠な特性であり、現在、多く用いられてい
る塗布型の磁気記録媒体に代わる次世代の高密度記録用
磁気記録媒体として大いに期待されている。しかし、強
磁性薄膜型の磁気記録媒体は、再生出力の向上という点
においては比較的容易に達成できるものの、磁気記録媒
体のノイズが大きくS/N特性に必ずしも優れた媒体が得
られないという問題があった。
この強磁性薄膜型の磁気記録媒体のノイズの発生原因
については、いくつかの研究がなされており、例えば上
述した文献〔第5回日本応用磁気学会学術講演概要集
(1981)p16〕においては、信号記録時に発生するノイ
ズの主たる発生要因として、記録ビット境界に生じる磁
化遷移領域を挙げており、ほぼ記録密度に比例してノイ
ズが増大することを示している。したがって、この比例
定数をいかに小さくするかが高S/N磁気記録媒体を得る
上で重要な要因となる。しかし、磁気記録媒体のノイズ
と媒体の磁性薄膜の磁気特性がどのように関係している
かについては未だ不明であり、高S/N磁気記録媒体を得
るうえでの 路となっていた。
本発明の目的は、強磁性薄膜型の磁気記録媒体のノイ
ズを低くするために磁性薄膜が具備すべき磁気的な特性
を明示し、もって高S/N特性を有する磁気記録媒体を提
供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記本発明の目的は、磁気記録層となるべき磁性薄膜
を磁気トルク計で測定して求めた、回転履歴損失積分値
RH(Rotational Hysteresis Integral)が0.4から1.3の
範囲にある磁性薄膜を有する磁気記録媒体とすることに
より、達成される。
以下に、本発明の磁気記録媒体について具体的に説明
する。いま、磁気トルク計を用いて磁性薄膜試料の磁気
異方性を測定する時、通常、強磁界を磁性薄膜試料に印
加して回転すると、第3図(a)に示すような180度対
称のトルク曲線が得られる。そして、磁界を一方向に36
0度回転した後、再び逆方向に回転させると、そのトル
クの大きさは前に描かれた曲線上を通過しヒステリシス
は生じない。しかし、磁界を弱めていくと、第3図
(b)に示すように、磁界を一方向に回転した後、再び
逆方向に回転させると、もはやトルクの大きさは同一の
軌跡上に通過せず、ヒステリシスが現われてくる。第3
図(b)に示す2本の曲線で囲まれる面積 式中、Lは試料単位体積のトルクの大きさ、θは回転角
を表わす。)は回転履歴損失と呼ばれるものであり、磁
界の大きさに依存するものである。さらに、回転履歴損
失積分値RHは、上記の回転履歴損失Wrを飽和磁束密度Is
で割って、磁界の大きさHの逆数で 積分した値 であり、磁性薄膜の磁化の反転が、どのような機構で起
っているかを示す目安となるものである。通常、その磁
化反転が一斉回転モデルに従う場合は、RHは0.4とな
り、磁壁移動による磁化反転が含まれるにつれて、RH
増大して行き、完全に180度磁壁移動だけで磁化反転が
起こる場合は4.0となる。
本発明の磁気記録媒体の磁気記録層である磁性薄膜
は、Co、NiまたはFeの単体金属、もしくはこれらの元素
を主成分とする合金よりなり、さらに回転履歴損失積分
値RHを低くするために、非磁性の元素であるCu、V、Z
r、Ruなどの少なくとも1種の元素を0.1〜15at(原子)
%含有させることが好ましく、より好ましい範囲は3〜
8at%である。上記元素の含有量が0.1未満であるとノイ
ズ低減効果が少なく、また15at%を超えると保磁力およ
び飽和磁化が減少し、磁気記録媒体としての性能が低下
するので好ましくない。
〔作用〕
本発明の磁気記録媒体において、回転履歴損失積分値
RHを0.4から1.3の範囲にするということは、磁気記録媒
体として用いられる磁性薄膜の磁化反転機構が、一斉回
転モデルになるべく近い方がよいことを意味しており、
磁壁移動による磁化反転をなるべく制御した方が、磁気
記録媒体ノイズを低減させる上で好ましいことを意味し
ているものと考えられる。そして、回転履歴損失積分値
RHが0.4未満では、磁性薄膜が磁性体として理論的に存
在し得ない範囲であり、またRHが1.3を超えると磁区の
サイズが大きくなり、そのため磁気記録媒体のノイズが
増大するので好ましくない。
さらに、本発明の磁性薄膜において、Cu、V、Zr、Ru
などの非磁性の元素を適量添加すると、回転履歴損失積
分値RHをより低くする作用を示し、したがって高S/N媒
体が得られる効果が生ずる。
〔実施例〕
以下に、本発明の一実施例を挙げ、図面に基づいてさ
らに詳細に説明する。
(実施例 1) Cu-Snメッキした直径130mmのAl-Mg合金よりなる基板
表面を鏡面研磨し、アルカリ脱脂、水洗後、厚さを0〜
1000Åの範囲に種々変えた化学Ni−Pメッキ膜を形成さ
せた後、その表面に、厚さ750ÅのCo-20at%Ni-0.8at%
Pよりなる磁性薄膜を電気メッキ法で形成した。さら
に、このメッキディスクを空気中で300℃の温度に加熱
し、50分間表面酸化を行い深青色の酸化保護膜を形成さ
せた。
上記のようにして作製したメッキディスクの再生ディ
スクとノイズを以下に示す方向で測定した。磁気ヘッド
には、トラック幅31μm、ギャップ長さ0.8μmのリン
グヘッドを用い、浮上高さを0.2μm、周速を20m/secの
条件で記録再生特性を評価した。記録再生特性評価が終
ったディスクから6mm角の試料を切出し、試料振動型磁
力計でヒステリシス曲線を求め、飽和磁束密度Is、保持
力Hc、角形比Ir/Isを測定した。また、磁気トルク計を
用い、上述した方法で回転履歴損失積分値RHを求めた。
第1図に、磁気記録媒体ノイズ/飽和磁束密度(μVrms
/G)およびS/N(dB)と回転履歴損失積分値RHの関係を
示した。ただし測定に用いた磁性薄膜試料の間では飽和
磁束密度Isが異なる場合があったため、磁気記録媒体ノ
イズNが飽和磁束密度Isで割ってある。図から明らかな
ように、媒体ノイズNと回転履歴損失積分値RHの間には
一様な関係があり、回転履歴損失積分値RHが小さいほ
ど、媒体ノイズは小さくなり、特にRHが1.3より小さく
なるとS/Nは35dB以上の、非常に優れた磁気特性を示し
た。
(実施例 2) Ni−Pメッキした直径130mmのAl-Mg合金よりなる基板
表面を鏡面研磨し、水洗後、150℃の温度に加熱し、DC
マグネトロンスパッタ法で、Arガス圧を5、10,15mTor
r、投入電力を1.6、6.4、16W/cm2と種々変えて厚さ2500
ÅのCr膜を形成した後、やはり種々のArガス圧、投入電
力条件でCo-30at%Ni、またはCo-30at%Ni-5.5at%Cu、
あるいはCo-30at%Ni-11at%Vの合金よりなる磁性薄膜
を、600Åの膜厚に形成した。さらに、カーボン保護膜
を400Åの膜厚に連続形成し磁気ディスクを作製した。
これらのディスクを、実施例1と同様の方法で記録再生
特性と磁気特性、ならびに回転履歴損失積分値RHを測定
した。その結果を第2図に示す。図から明らかなごと
く、磁性薄膜にCuやVの元素を添加すると磁気記録媒体
のノイズが減少し、S/Nが向上していることが分かる。
また、この場合においても、回転履歴損失積分値RHが小
さいほど媒体ノイズが小さくなるという結果が得られて
いる。また、実施例1の結果を第2図の破線4で示した
が、ほぼ同一の曲線となり、実施例2の場合においても
回転履歴損失積分値RHが1.3以下になると、S/Nが35dB以
上になることを示している。
(実施例 3) 磁性薄膜の耐食性を向上させるために、磁性薄膜の組
成を、Co-30at%Ni-5at%Zr、またはCo-30at%Ni-4at%
Zr-1at%Ruとした以外は、実施例2と同じ条件で磁気デ
ィスクを作製した。これらのディスクを、実施例1と同
じ方法で記録再生特性と磁気特性、ならびに回転履歴損
失積分値RHを求めた。その結果、磁性薄膜をCo-30at%N
i-5at%Zrの組成とした磁気ディスクにおいて、回転履
歴損失積分値RHが1.1、磁気ディスクノイズ/飽和磁束
密度の値が1.0×10-3μVrms/G、S/Nが38dBであった。ま
た、磁性薄膜をCo-30at%Ni-4at%Zr-1at%Ruの組成と
した磁気ディスクにおいては、回転履歴損失積分値RH
磁気ディスクノイズ/飽和磁束密度の値、およびS/N
が、それぞれ0.9、0.5×10-3μVrms/G、42dBとなった。
これらの値は、第1図と第2図に示した曲線上にほぼ位
置している。
以上説明した本発明の実施例から明らかなように、磁
性薄膜の組成が異なり、かつメッキ法とスパッタ法とい
うように、磁性薄膜の作製法がまったく異なる場合にお
いても、ノイズと回転履歴損失積分値RHの間に同一の関
係を有していることが分かる。このことは、とりもなお
さず強磁性薄膜型の磁気記録媒体の低ノイズ、高S/N化
を図るうえで、磁性薄膜の回転履歴損失積分値RHを小さ
くすることが必要不可欠の条件となっていることを示す
ものである。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したごとく、回転履歴損失積分値RH
範囲を0.4〜1.3とした本発明の強磁性薄膜型の磁気記録
媒体は、媒体ノイズを著しく減少させることができ、S/
N特性に優れた信頼性の高い磁気記録媒体を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1において作製した磁気ディス
クの媒体ノイズおよびS/Nと、回転履歴損失積分値の関
係を示すグラフ、第2図は本発明の実施例2において作
製した磁気ディスクの媒体ノイズおよびS/Nと、回転履
歴損失積分値の関係を示すグラフ、第3図(a)は磁性
薄膜試料を強磁界条件で磁気トルクを測定した場合のト
ルク曲線図、第3図(b)は磁性薄膜試料を通常の磁界
条件で磁気トルクを測定した場合のトルク曲線図を示
す。 1……強磁界で測定したトルク曲線 2……通常の磁界で測定したトルク曲線(右回転) 3……通常の磁界で測定したトルク曲線(左回転) 4……媒体ノイズ対RH曲線 5……S/N対RH曲線 6……媒体ノイズ対RH曲線 7……S/N対RH曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 積田 則和 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 山下 武夫 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鈴木 博之 東京都国分寺市東恋ヶ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 北崎 容士 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 大浦 正樹 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所小田原工場内 (56)参考文献 特開 昭59−84407(JP,A) 特開 昭60−35326(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性の基板上に、磁気記録層として強磁
    性金属もしくは合金からなる磁性薄膜を設けた磁気記録
    媒体において、該磁気記録媒体より採取した磁性薄膜試
    料に、磁界を印加しながら360度回転した後、逆方向に
    回転させて、順回転のトルク曲線と逆回転のトルク曲線
    とが同一の軌跡上を通過せずにヒステリシスが現われる
    ように磁界の大きさを調整して、順回転と逆回転の2本
    の曲線で囲まれる面積を、次の式(1)で示される回転
    履歴損失Wrで表わし、 (式中、Lは試料単位体積のトルクの大きさ、θは回転
    角で表わす。)上記式(1)で示される回転履歴損失値
    Wrを、上記磁性薄膜の飽和磁束密度Isで割って、さらに
    磁界の大きさHの逆数で積分して求めた次の式(2)で
    示される回転履歴損失積分値RHで表わし、 上記式(2)で示される回転履歴損失積分値RHが0.4〜
    1.3の範囲内にある磁性薄膜を磁性記録層としてなるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】磁性薄膜が、Co、NiまたはFeの単体金属、
    もしくはCo、Ni、Feのうちより選ばれる少なくとも1種
    の元素を主成分とする合金からなり、さらに上記金属も
    しくは合金に、Cu、V、Zr、Ruのうちより選ばれる少な
    くとも1種の元素を、原子%で0.1〜15%含有すること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の磁気記録媒
    体。
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