JPH08171717A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH08171717A
JPH08171717A JP33386594A JP33386594A JPH08171717A JP H08171717 A JPH08171717 A JP H08171717A JP 33386594 A JP33386594 A JP 33386594A JP 33386594 A JP33386594 A JP 33386594A JP H08171717 A JPH08171717 A JP H08171717A
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JP33386594A
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Hirofumi Kondo
洋文 近藤
Taro Omura
太郎 大村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 磁性層2を有する磁気記録媒体において、磁
性層2がスルホン酸塩基及びエポキシ基をそれぞれ有し
かつゲル浸透クロマトグラフィ測定によるスチレン換算
分子量のピーク値の範囲が10,000〜18,000の範囲にある
塩化ビニル系重合体(塩ビ系樹脂)を含有していること
を特徴とする磁気記録媒体。ここで「塩ビ系樹脂」と
は、実質的に塩化ビニルモノマーのみの重合体以外に
も、他の共重合性モノマーとの共重合体も含む。 【効果】 長軸長が 0.1μm以下の微粒子強磁性粉末に
対しても優れた分散性を示し、塗料安定性に優れた高分
散特性を持つ塗布型磁気記録媒体用の磁性塗料を使用
し、これによって優れた特性を有する新規な磁気記録媒
体、特に微粒子磁性粉の分散性を改善した高電磁変換特
性を有する磁気記録媒体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープ等の磁気記録
媒体に関し、特に、磁性塗膜を磁性層として有する塗布
型磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、磁気記録媒体は、例えばオーディオ
機器、ビデオ機器、コンピュータ等に用いられ、その需
要は著しく伸びてきている。
【0003】こうした磁気記録媒体は、一般に、ポリエ
ステルフィルム等の非磁性支持体上に、磁性粉末と結合
剤とからなる磁性層が設けられた構造を有している。そ
して、この磁性層は、通常、結合剤を含有する組成物中
に磁性粉末を分散させた磁性塗料を非磁性支持体に塗布
したり、或いは転写することによって形成されている。
【0004】従来、上記結合剤としては、例えばポリエ
ステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、フェノール系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレー
ト、アクリル系樹脂、電子線硬化型樹脂等の有機高分子
化合物が用いられている。
【0005】これらの結合剤はそれぞれ、長所及び短所
を有しており、単独での使用では望ましい性質を有する
磁性層が得られにくいため、通常は2種類以上を組み合
わせて用いている。例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ニトロセルロース等の比較的硬い樹脂
と、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体等の軟質樹脂とが組み合
わされて使用されることが多く、また、磁性層の耐久性
を向上させる目的で、硬化性成分としてポリイソシアネ
ート化合物を使用する例も多い。
【0006】近年、磁気記録媒体の記録密度の向上やS
/N比の改良要求に伴い、強磁性粉末は、より微細化、
高磁力化、高抗磁力化してきており、このような磁性粉
末を均質に磁性塗料中に分散させて平滑で充填度の高い
磁性層を形成し、磁気記録媒体としての性能の向上を達
成させるためには、結合剤の分散性能が極めて重要な因
子となる。
【0007】特に、磁性粒子の微細化は、これを高分散
させる際に技術的に大きな課題が存在する。これまで、
強磁性粉末の分散性を向上させる方法としては、分子量
30,000程度又はそれ以上の高分子量の高分子バインダー
を用いる方法、或いは低分子量の界面活性剤等の分散剤
を用いる方法がとられている。
【0008】しかし、前者の場合には、磁性粉が微細化
したときに特にその長軸長が 0.1μm以下となった場合
には分散が難しくなってきている。また、後者の方法に
おいては、分散剤を多量に用いると磁気記録媒体の耐久
性やヘッド汚れなど、好ましくない事態を招くため、そ
の使用量が制限されるのを免れず、十分な分散性が得ら
れない上、磁気記録媒体の信頼性の向上の点からも、結
合剤自体に高度の分散能を有することが要求されてい
る。
【0009】一方、磁気記録媒体の耐久性や信頼性を高
めるために、ポリイソシアネート化合物などの硬化性化
合物を磁性塗料中に含有させ、磁性層を架橋し、塗膜化
することが、特に録画用磁気テープの分野において慣用
的に使用されている。
【0010】この場合、結合剤としては、ポリイソシア
ネート化合物などの架橋剤と適当な反応性を有すること
が要求されるが、このような要求に応える結合剤とし
て、SO3 M、SO4 M、PO4 M2 、PO3 M2 (M
はアルカリ金属又はアンモニウム基)等、イオウやリン
を含む塩型強酸基等の親水性基を含む塩化ビニル系樹脂
が、強磁性粉末の分散能や分散安定性に優れ、かつ分子
間力の強さに基づく高い強度などの点から、広く用いら
れている。
【0011】しかし、これらの結合剤を選択しても、高
密度記録のために強磁性粉末の粒子サイズを微細にすれ
ばするほど分散が困難になり、これまでの通常分子量が
30,000以上の高分子では、分子サイズが大きいために磁
性粉1個当たりに吸着する高分子バインダの数が少なく
なってしまう。
【0012】この結果、分散が劣化したり、或いは磁性
塗料を調製する際の混練分散工程に長時間を要すること
になる。この混練分散工程では強磁性粉末と合成樹脂結
合剤に高い剪断力がかかり、長時間苛酷な条件にさらさ
れるため、強磁性粉末の特性が損なわれることがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記のような状況か
ら、本発明の目的は、長軸長が 0.1μm以下の微粒子強
磁性微粉末に対しても優れた分散性を示し、塗料安定性
に優れた高分散特性を持つ塗布型磁気記録媒体用の磁性
塗料を使用し、これによって優れた特性を有する新規な
磁気記録媒体、特に微粒子磁性粉の分散性を改善した高
電磁変換特性を有する磁気記録媒体を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、バインダとし
てスルホン酸塩基及びエポキシ基を有する塩化ビニル系
重合体(塩ビ系樹脂)であって、ゲル浸透クロマトグラ
フィ(GPC)測定によるスチレン換算分子量のピーク
値の範囲が分子量10,000〜18,000の範囲にある比較的低
分子量の高分子バインダと長軸長が 0.1μm以下の微粒
状磁性粉とを混練等の機械的分散方法で分散させること
により作成した塗料から磁性層を形成すると、微粒状磁
性粉の分散性に非常に優れ、上記の目的に適合する磁気
記録媒体が得られることを見出し、本発明に至ったもの
である。
【0015】即ち、本発明は、磁性層を有する磁気記録
媒体において、前記磁性層が、スルホン酸塩基等の塩型
強酸基、更にはエポキシ基をそれぞれ有しかつゲル浸透
クロマトグラフィ測定によるスチレン換算分子量のピー
ク値の範囲が10,000〜18,000の範囲にある塩化ビニル系
重合体(塩ビ系樹脂)を含有していることを特徴とする
磁気記録媒体に係るものである。ここで、「塩ビ系樹
脂」とは、実質的に塩化ビニルモノマーのみの重合体以
外にも、他の共重合性モノマーとの共重合体も含む。
【0016】本発明の磁気記録媒体は、具体的には、非
磁性支持体上に少なくとも、長軸長が 0.1μm以下の微
粒子(状)磁性粉を含有する磁性層を有する磁気記録媒
体であって、バインダとしてスルホン酸塩基及びエポキ
シ基を有する塩ビ系樹脂であって、GPC測定によるス
チレン換算分子量のピーク値の範囲が分子量10,000〜1
8,000の範囲にある比較的低分子量の高分子バインダに
微粒子磁性粉をエクストルーダやニーダ等の混練機で均
一に分散、分有させて作成した磁性塗料を塗布して形成
された、高記録密度を可能にする磁気記録層を有するも
のである。
【0017】本発明が適用される磁気記録媒体として
は、磁性粉をバインダを用いて分散させ、ポリエチレン
テレフタレート等を支持体とする基板上に塗布した塗布
型磁気記録媒体が考えられる。特にその中でも、高電磁
変換特性を有する長軸長 0.1μm以下の微粒子磁性粉を
高分散させた磁性塗料を用いた塗布型磁気テープの開発
が求められている。
【0018】また、通常の 0.1μm以上の長軸長の磁性
粉については、機械的な分散方法により、比較的分子量
が大きい(つまり、30,000程度の分子量を持つ)バイン
ダを用いても、これまでの技術によって分散が可能であ
り、配向性も比較的高く、電磁変換特性の劣化も少な
い。つまり、長軸長が 0.1μm以上の場合には分散性は
従来の方法で十分であり、比較的低分子量のバインダを
必要としない。
【0019】しかしながら、長軸長が 0.1μm以下の微
粒子磁性粉となると、比表面積が大きくなるために、極
性基を分子内に限られた個数(例えば、1とか2)しか
持たせることができないバインダでは、磁性粉1個当た
りに吸着する吸着点の数が少なくなり、これが磁性粉の
分散の劣化につながる。このため、これを解決するた
め、本発明では、分子量を小さくして、単位重量当たり
の極性基数を増やして対応させたものである。
【0020】即ち、本発明の磁気記録媒体では、媒体構
成層のうち特に磁性層に用いるバインダとして、分子量
が10,000〜18,000と比較的小さい上記の塩ビ系樹脂を用
いることによって、磁性粉1個又は単位重量当たりのス
ルホン酸塩基等の極性基の数(吸着点の数)を増やした
のである。
【0021】従って、この塩ビ系樹脂の分子量は18,000
以下とすべきであり、それを超えると分子量が大きくな
って磁性粉の分散性が悪くなり、塗料としたときの粘度
が上昇して磁性層の塗布が困難となる。また、分子量が
10,000未満であると、分子量が小さすぎて、硬化剤を混
入しても十分な高分子化(又は架橋度)が不可能とな
り、耐久性が低下する。
【0022】本発明に用いる塩ビ系樹脂は、極性基とし
てスルホン酸塩基構造やリン酸塩基構造(上述したSO
3 M、SO4 M、PO4 M2 、PO3 M2 )をポリマー
当たり5〜1000当量/106g含有するのがよい。ポリマー
当たりのスルホン酸塩基量が5当量/106g未満である
と、磁気記録媒体における磁束密度又は分散性の増大が
望めない。また、1000当量/106gを超えると、塩ビ系樹
脂の溶剤への溶解性が不良となり、実用性に欠け易い。
【0023】また、長軸長が 0.1μm以下の微粒子磁性
粉を用いた場合には、バインダの分子量がGPCの分子
量のピーク範囲が30,000を超えて大きくなると、上記し
たように極性基の含有量が限定されてくると、1分子当
たりの含有量が少なくなり、分散性に劣る結果となる。
【0024】本発明において使用される磁性粉として
は、長軸長が 0.1μm以下の微粒子磁性粉であれば、通
常この種の磁気記録媒体の磁性粉末として用いられるも
のであれば如何なるものも使用可能である。
【0025】例示するならば、強磁性酸化鉄粒子、強磁
性CrO2 、強磁性コバルトフェライト(CoO−Fe
2 O3 )、コバルト吸着酸化物、強磁性Fe−Co−N
i系合金、六方晶系バリウムフェライト、窒化鉄等の微
粒子を挙げることができる。
【0026】強磁性酸化鉄微粒子の場合、一般式FeO
xで表現した場合、xの値が1.33<x<1.51の範囲にあ
るもの、即ちヘマタイト(γ−Fe2 O3 、x=1.5)、
マグネタイト(Fe3 O4 、x=4/3)及びこれらの
固溶体が挙げられる。更に、これらの強磁性酸化鉄に
は、抗磁力を上げる目的でコバルトを添加してもよい。
【0027】上記強磁性二酸化クロムとしては、CrO
2 の他、抗磁力を向上させる目的で、Ru、Sn、T
e、Sb、Fe、Ti、V、Mn等の少なくとも1種類
をCrO2 に添加したものを使用することができる。
【0028】強磁性合金粉末としては、Fe−Co−N
i以外にも、Fe合金粉末、Co合金粉末、Ni合金粉
末、並びに、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、F
e−Co−B、Fe−Co−Cr−B、Mn−Bi、M
n−Al、Fe−Co−V等の合金粉末、或いはこれら
の合金と他の元素との化合物である合金粉末を使用する
ことができる。
【0029】本発明に使用するバインダである塩化ビニ
ル樹脂の軟化点が低い場合には、用途によっては走行に
よる摩擦、或いはヘッドとの接触による摩擦熱で軟化し
たり、テープを巻いた状態でブロッキングを起こしたり
することがある。このような場合には、磁性粒子の分散
性を損なわない範囲内で他の樹脂を添加するか、本発明
の塩化ビニル樹脂と架橋する化合物を混合してもよい。
混合量は好ましくはバインダ樹脂に対して通常0.05〜0.
5 倍量であるが、なんらこの量に制約は受けない。
【0030】架橋する化合物としては、例示すると、エ
ポキシ樹脂、イソシアネート系樹脂、メラミン樹脂、ポ
リオール樹脂がある。また、本発明の塩化ビニル樹脂は
エポキシ基を含んでいる場合には、トリアジンチオール
やジブチル錫ジラウレート等の化合物が架橋剤として有
効であり、これによって磁性層の耐久性が大きく向上す
る。
【0031】また、ガラス転移温度が目的の温度と異な
る場合には、他の樹脂を混合することにより目的を達成
することが可能である。例えば、この塩化ビニル樹脂に
対して混合する樹脂としては、相溶性のあるもので、例
えばポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース
系樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂がある。
【0032】本発明の磁気記録媒体において、磁性層に
は必要に応じて、ジブチルフタレート、トリフェニルフ
ォスフェートのような可塑剤、ジオクチルスルホナトリ
ウムサクシネート、t−ブチルフェノール、ポリエチレ
ンエーテル、エチルナフタレンスルホン酸ソーダ、ジラ
ウリルサクシネート、ステアリン酸金属塩、ステアリン
酸エステル類のような炭化水素系潤滑剤、シリコンオイ
ルのようなシリコン系潤滑剤、パーフルオロポリエーテ
ル、パーフルオロカルボン酸等のフッ素系潤滑剤、或い
はカーボンブラック等の帯電防止剤を添加することもで
きる。アルミナ或いは酸化クロム等の研磨性のある無機
顔料を含有させることもできる。
【0033】また、非磁性支持体の素材として、通常こ
の種の磁気記録媒体に使用されるものであれば如何なる
ものも使用することが可能である。例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリ
エステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート、セルロースジ
アセテート、セルロースアセテートブチレート等のセル
ロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等
のビニル系樹脂、ポリカーボネート類、ポリイミド、ポ
リアミド、ポリアミドイミド等のプラスチックス、紙、
アルミニウム、銅等の金属、アルミニウム合金、チタン
合金等の軽金属、セラミック、単結晶シリコン等を挙げ
ることができ、また、支持体表面にアルマイト処理等の
酸化皮膜やNi−P皮膜等を形成してその表面を硬くす
るようにしてもよい。
【0034】これらの非磁性支持体の形態としては、フ
ィルム、テープ、シート、ディスク、カード、ドラム等
のいずれでもよい。
【0035】本発明の磁気記録媒体において、磁性層等
を形成する際、塗料を調製するための溶剤としては、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸エチルモノ
エチルエーテル等のエステル系溶媒、グリコールモノエ
チルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系溶
媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
系溶媒、メチレンクロリド、エチレンクロリド、四塩化
炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロ
ロベンゼン等の塩素含有系溶媒が挙げられる。また、そ
の従来公知の有機溶媒を使用することができる。
【0036】塗料を調製する方法としては、いずれも公
知の方法が利用できる。例えば、ロールミル、ボールミ
ル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、バス
ケットミル、ディスパー、ホモミキサー、ニーダー、連
続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー及び超
音波分散機等を用いることができる。
【0037】磁性塗料を調製する場合、磁性粒子と他の
添加剤粒子とを、別々に分散した後、両者を混合しても
構わない。
【0038】磁性塗料の塗布に際しては、非磁性支持体
上に直接塗布する前に、接着剤等の下塗り層を形成した
り、非磁性支持体上に、コロナ放電処理や電子線照射処
理等の前処理を施しても構わない。
【0039】非磁性支持体上への塗布の方法としては、
エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコー
ト、押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコー
ト、含浸コート、リバースロールコート、グラビアコー
ト、トランスファーロールコート、キャストコート等の
方法を挙げることができる。
【0040】本発明の磁気記録媒体は、例えば図1に示
すように、非磁性支持体1上に、磁性層2を形成したも
のである。また、この磁性層とは反対側の支持体面には
バックコート層3が設けられてよいが、これは必ずしも
設ける必要はない。磁性層上にはオーバーコート層を設
けてもよい。
【0041】
【発明の作用効果】本発明の磁気記録媒体によれば、特
に非磁性支持体上に長軸長が 0.1μm以下の微粒子磁性
粉を含有する磁性層のバインダとして、スルホン酸塩基
及びエポキシ基を有する塩ビ系樹脂であって、GPC測
定によるスチレン換算分子量のピーク値の範囲が分子量
10,000〜18,000の範囲にある比較的低分子量の高分子バ
インダを用いているので、微粒子磁性粉粒子を均一に分
散させることができ、塗料安定性も向上し、短波長での
記録に優れ、高記録密度を可能にする磁気記録層を有す
る磁気記録媒体を提供することができる。特に、長軸長
0.1μm以下の磁性粉の均一分散によって、空隙率を減
少させ、高配向させることにより、特に電磁変換特性を
改善できる。
【0042】
【実施例】以下、本発明をメタル磁性粉を含有した塗布
型磁気テープに適用した具体的な実施例を比較例と共に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0043】実施例1 磁性粉としては、磁気記録の高記録密度化に必要なFe
系微粒子磁性粉、つまり長軸長 0.1μmの磁性粉を用い
た。バインダとしては、スルホン酸塩基(SO3 K)及
びエポキシ基を5〜1000当量/106g(具体的には 200当
量/106g)有する塩化ビニル樹脂であってGPC測定に
よるスチレン換算分子量のピーク値の範囲が分子量10,0
00〜18,000の範囲(具体的には15,000)にある比較的低
分子量の高分子バインダを用いた。
【0044】まず、金属磁性粉、バインダ及び溶剤(メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン=1:
1:1)を固形分80%、P/B(磁性粉/バインダ)比
8の組成でエクストルーダで混練した。
【0045】その後、バインダ及び溶剤を追加して固形
分35%に希釈し、サンドミルを用いて5時間分散させて
磁性塗料を作成した。これをフィルタを通して取り出
し、更に硬化剤としてコロネートL(日本ポリウレタン
社製ポリイソシアネート)を磁性粉に対して4wt%添加
して30分間攪拌した。
【0046】この磁性塗料を10μm厚のポリエチレンテ
レフタレートベース上に乾燥後の厚みが2μmとなるよ
うに塗布し、磁場配向を行った後、乾燥し、巻き取っ
た。これをカレンダー処理した後、8mm幅に裁断するこ
とによってサンプルテープを作製した。
【0047】このテープに関して、電磁変換特性、表面
光沢性(グロス)、磁気特性、分散配向性、及び空隙率
の測定を行った。その結果を下記の表1に示す。電磁変
換特性については、記録波長0.45μmでの比較例2に対
するC/N比を示している。
【0048】実施例2 磁性粉としては、磁気記録の高記録密度化に必要な微粒
子磁性粉、つまり長軸長0.07μmの磁性粉を用いた。そ
の他は実施例1と同様の条件で磁気テープを作製した
(つまり、バインダとしてはスチレン換算の分子量ピー
クが10,000〜18,000の範囲にある比較的低分子量の塩化
ビニル樹脂を用いた)。
【0049】このテープに関して、実施例1と同様に電
磁変換特性、表面光沢性(グロス)、磁気特性、分散配
向性、及び空隙率の測定を行った。その結果を下記の表
1に示す。
【0050】実施例3 バインダとしては、スチレン換算の分子量ピークが10,0
00にある比較的低分子量の塩化ビニル樹脂を用いた。そ
の他は実施例1と同様の条件で磁気テープを作製した。
【0051】このテープに関して、実施例1と同様に電
磁変換特性、表面光沢性(グロス)、磁気特性、分散配
向性、及び空隙率の測定を行った。その結果を下記の表
1に示す。
【0052】実施例4 バインダとしては、スチレン換算の分子量ピークが18,0
00にある比較的低分子量の塩化ビニル樹脂を用いた。そ
の他は実施例1と同様の条件で磁気テープを作製した。
【0053】このテープに関して、実施例1と同様に電
磁変換特性、表面光沢性(グロス)、磁気特性、分散配
向性、及び空隙率の測定を行った。その結果を下記の表
1に示す。
【0054】実施例5 磁性粉としては、長軸長0.25μmの磁性粉を用いた以外
は実施例1と同様の組成の組成物を実施例1と同様に混
練、希釈、分散し、架橋剤であるイソシアネートを加え
て磁性塗料を作製し、10μm厚のポリエチレンテレフタ
レートベース上に乾燥後の厚みが2μmとなるように塗
布し、磁場配向を行った後、乾燥し、巻き取った。
【0055】これをカレンダー処理した後、8mm幅に裁
断後、表面光沢性(グロス)、磁気特性、分散配向性、
及び空隙率の測定を行った。その結果を下記の表1に示
す。
【0056】実施例6 バインダとしては、スチレン換算の分子量ピークが10,0
00〜18,000の範囲にあるが、エポキシ基のない塩化ビニ
ル樹脂を用いた。その他は実施例1と同様の条件で磁気
テープを作製した。
【0057】このテープに関して、実施例1と同様に電
磁変換特性、表面光沢性(グロス)、磁気特性、分散配
向性、及び空隙率の測定を行った。その結果を下記の表
1に示す。
【0058】比較例1 磁性粉としては、実施例1と同じ長軸長 0.1μmの磁性
粉を用いた。バインダとしては、スルホン酸塩基及びエ
ポキシ基を有する塩化ビニル樹脂にあって、GPC測定
によるスチレン換算分子量のピーク値の範囲が分子量3
0,000〜35,000の範囲にある高分子バインダを用いた。
【0059】その後は実施例1と同様に混練、希釈、分
散を行い、架橋剤であるイソシアネートを加えて磁性塗
料を作成し、塗布後、カレンダー処理、裁断を行い、表
面光沢性(グロス)、磁気特性、分散配向性、及び空隙
率の測定を行った。その結果を下記の表1に示す。
【0060】比較例2 磁性粉としては、長軸長0.25μmの磁性粉を用いた。バ
インダとしては、スルホン酸塩基及びエポキシ基を有す
る塩化ビニル樹脂であって、GPC測定によるスチレン
換算分子量のピーク値の範囲が分子量30,000〜35,000の
範囲にある高分子バインダを用いた。
【0061】その後は実施例1と同様に混練、希釈、分
散を行い、架橋剤であるイソシアネートを加えて磁性塗
料を作成し、塗布後、カレンダー処理、裁断を行い、表
面光沢性(グロス)、磁気特性、分散配向性、及び空隙
率の測定を行った。その結果を下記の表1に示す。
【0062】比較例3 バインダとしては、スチレン換算の分子量ピークが10,0
00未満にある低分子量の塩化ビニル樹脂を用いた。その
他は実施例1と同様の条件で磁気テープを作製した。
【0063】このテープに関して、実施例1と同様に電
磁変換特性、表面光沢性(グロス)、磁気特性、分散配
向性、及び空隙率の測定を行った。その結果を下記の表
1に示す。
【0064】比較例4 バインダとしては、スチレン換算の分子量ピークが10,0
00から18,000の範囲にあるが、スルホン酸塩基のない塩
化ビニル樹脂を用いた。その他は実施例1と同様の条件
で磁気テープを作製した。
【0065】このテープに関して、実施例1と同様に電
磁変換特性、表面光沢性(グロス)、磁気特性、分散配
向性、及び空隙率の測定を行った。その結果を下記の表
1に示す。
【0066】下記の表1における各測定は、次のように
して行った。
【0067】電磁変換特性:ソニー社製8mmVTRにお
いて、記録波長0.45μmにおけるC/Nを測定。比較例
2のテープを0dBとして、その相対値で示した。
【0068】角型比Rs及び最大磁束密度Bm:試料振
動型磁力計(東英工業社製のVSM)を用いて測定。
【0069】表面光沢性:変角光度計(NIPPON
DENSHOKU社製)を用いて磁性層の塗布方向と直
角に入射角60°で測定し、標準板を 100%として表示し
た。
【0070】空隙率:磁性層の断面を光学顕微鏡で観察
し、気孔の割合(面積比)を求めた。
【0071】平滑性Ra:タリサーフ6型による濾波曲
線から表面の中心線平均粗さを求めた。
【0072】
【0073】 *エポキシ基なし **スルホン酸塩基なし
【0074】この結果から、磁性粉として長軸長 0.1μ
mの磁性粉を用いて高電磁変換特性を得るためには、本
発明に基づいて、バインダとしてはスルホン酸塩基及び
エポキシ基を有する塩化ビニル樹脂であって、GPC測
定によるスチレン換算分子量のピーク値の範囲が分子量
10,000から18,000の範囲にある比較的低分子量の高分子
バインダが必要であり、混練を行うことによって、非常
に大きい磁束密度を持ち、電磁変換特性に優れた磁気テ
ープとすることができる。
【0075】しかし、比較例1に示すように、分子量の
大きい、GPC測定によるスチレン換算分子量のピーク
値の範囲が30,000から35,000の高分子バインダを用いた
場合には、分散性を向上させることができず、分散配向
性の指標となるRsの値が小さく、その結果、微粒子磁
性粉を用いているにも拘わらず、電磁変換特性の改善は
小さい。
【0076】また、長軸長0.25μmの比較的大きい磁性
粉を用いた場合には、比較例1及び2の結果から分かる
ように、分散性やテープの磁束密度は、バインダのGP
C測定によるスチレン換算分子量にあまり依存しない。
比較的大きい磁性粉を用いた磁気テープの場合には上記
のような低分子量のバインダを必要としない。
【0077】ところが、長軸長 0.1μm以下と微粒子の
磁性粉を用いて高電磁変換特性の磁気テープを得るに
は、スルホン酸塩基及びエポキシ基を有する塩化ビニル
樹脂であって、その分子量が10,000から18,000の範囲の
バインダを用いて微粒子磁性粉を分散させることが必要
である。
【0078】更に、低分子量バインダを用いても、GP
C測定によるスチレン換算分子量が10,000未満のもので
は、磁性層の強度不足によってスチル耐久性が悪くなる
(比較例3)。また、スルホン酸塩基のないバインダで
は、分散が悪く、C/NやRsが悪い(比較例4)。
【0079】以上のことから、本発明に基づく磁気記録
媒体は、特に、将来的に要求される高電磁変換特性を得
るべく長軸長 0.1μm以下の磁性粉を用いるとき、バイ
ンダとしてスルホン酸塩基及びエポキシ基を有する塩化
ビニル系樹脂であって、GPC測定によるスチレン換算
分子量のピーク値の範囲が分子量10,000から18,000の範
囲にある比較的低分子量の高分子バインダを用い、混練
をさせた磁性塗料によって磁性層を形成すると、高記録
密度化に必要な長軸長 0.1μm以下の微粒子磁性粉をも
高分散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく磁気記録媒体の一例の断面図で
ある。
【符号の説明】
1・・・非磁性支持体 2・・・磁性層 3・・・バックコート層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層を有する磁気記録媒体において、
    前記磁性層が、塩型強酸基を有しかつゲル浸透クロマト
    グラフィ測定によるスチレン換算分子量のピーク値の範
    囲が10,000〜18,000の範囲にある塩化ビニル系重合体を
    含有していることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系重合体がスルホン酸塩基と
    エポキシ基を含有している、請求項1に記載した磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系重合体が塩型強酸基を5〜
    1000当量/106gの割合で有している、請求項1又は2に
    記載した磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 磁性層に用いられる磁性粉が長軸長 0.1
    μm以下の微粒状磁性粉である、請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載した磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 塩化ビニル系重合体を含む結合剤と微粒
    状磁性粉とを混練機で分散させて作成した塗料の塗布に
    よって磁性層が形成されている、請求項4に記載した磁
    気記録媒体。
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