JPH08174740A - 透明性断熱パネル及びその製造方法 - Google Patents

透明性断熱パネル及びその製造方法

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JPH08174740A
JPH08174740A JP6319837A JP31983794A JPH08174740A JP H08174740 A JPH08174740 A JP H08174740A JP 6319837 A JP6319837 A JP 6319837A JP 31983794 A JP31983794 A JP 31983794A JP H08174740 A JPH08174740 A JP H08174740A
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JP
Japan
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heat insulating
insulating panel
airgel
infrared ray
gel
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Withdrawn
Application number
JP6319837A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yokogawa
弘 横川
Masaru Yokoyama
勝 横山
Kenji Sonoda
健二 園田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアロゲルの低熱伝導性に加え、赤外線をも
遮断する機能を付加することで、エアロゲルの透明性か
つ断熱性に優れる特徴を最大限に活かした透明性断熱パ
ネル及びその製造方法を提供する。 【構成】 アルコキシシランを原料とするシリカの多孔
質骨格からなる疎水性のエアロゲル3と、可視光に対し
て透明で、かつ、赤外線を反射又は吸収する性質を有し
た赤外線遮断フィルム4とを一体に備える。アルコキシ
シランを加水分解した反応溶液1を縮重合反応によりゲ
ル化させることによってゲル状化合物2とし、このゲル
状化合物2を疎水化処理した後、超臨界乾燥を施して得
た疎水性のエアロゲル3と前記赤外線遮断性フィルム4
とを接着して一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性断熱パネル及び
その製造方法に関し、詳しくは、例えば、採光性、光透
過性、透明性及び高断熱性等を同時に要求される、太陽
光集熱に有用な光透過性断熱材、住宅用開口部断熱材、
炉等に代表される高温装置用のぞき窓等の様々な用途に
用いることができる透明性断熱パネル及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱伝導率が小さく、かつ、光透過
性を有する材料として、シリカからなるエアロゲルが知
られている。このエアロゲルは、アルコキシシラン(シ
リコンアルコキシド、アルキルシリケート等とも称され
る)を加水分解、重合して得られるシリカ骨格からなる
湿潤状態のゲル状化合物を、アルコ−ル、又は液化二酸
化炭素等の溶媒(分散媒)の存在下で、この溶媒の臨界
点以上の超臨界状態で乾燥することにより製造すること
ができる。また、ケイ酸ナトリウムを原料として同様に
ゲル状化合物を得、このゲル状化合物を超臨界乾燥する
ことによっても製造することができる。このような製造
方法により得られるエアロゲルは、例えば、光透過性を
有する断熱材料等として有用な素材である。
【0003】しかし、前記従来の方法により得られるエ
アロゲルは、可視光透過性を有しながら、その低熱伝導
性により高い断熱性を示す材料であるが、可視光と同様
に赤外線も透過し易い特徴を持つ。したがって、太陽光
等に代表されるように赤外線を含む光に対しては、熱を
通しやすいため、日常生活での用途としては、例えば、
太陽光集熱の分野等の限られたものであるのが実状であ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の事実に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、エア
ロゲルの低熱伝導性に加え、赤外線をも遮断する機能を
付加することで、エアロゲルの透明性かつ断熱性に優れ
る特徴を最大限に活かした透明性断熱パネル及びその製
造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
透明性断熱パネルは、アルコキシシランを原料とするシ
リカの多孔質骨格からなる疎水性のエアロゲル3と、可
視光に対して透明で、かつ、赤外線を反射又は吸収する
性質を有した赤外線遮断フィルム4とを一体に備えるこ
とを特徴とする。
【0006】本発明の請求項2に係る透明性断熱パネル
の製造方法は、アルコキシシランを加水分解した反応溶
液1を縮重合反応によりゲル化させることによってゲル
状化合物2とし、このゲル状化合物2を疎水化処理した
後、超臨界乾燥を施して得た疎水性のエアロゲル3と前
記赤外線遮断性フィルム4とを一体化して請求項1記載
の透明性断熱パネルを製造することを特徴とする。
【0007】本発明の請求項3に係る透明性断熱パネル
の製造方法は、超臨界乾燥を施す前に、前記ゲル状化合
物2と前記赤外線遮断性フィルム4とを一体化すること
を特徴とする。
【0008】本発明の請求項4に係る透明性断熱パネル
の製造方法は、前記疎水性のエアロゲル3と前記赤外線
遮断性フィルム4とを接着して一体化することを特徴と
する。
【0009】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
用いるアルコキシシランとは、下記の一般式で表され
るアルコキシシランであり、より具体的には、下記の一
般式で表される2官能のアルコキシシラン、下記の一
般式で表される3官能のアルコキシシラン、下記の一
般式で表される4官能のアルコキシシラン及び下記の
一般式で表されるアルコキシシランのオリゴマー等で
ある。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】本発明に係るゲル状化合物(湿潤アルコゲ
ル)は、前記の一般式〜一般式で表されるアルコキ
シシランからなる群から選択される少なくとも1種、又
は前記の一般式〜一般式で表されるアルコキシシラ
ンからなる群から選択される少なくとも1種と前記の一
般式で表されるアルコキシシランとを含有する混合物
を加水分解し、縮重合することによって得られる。
【0016】本発明で用いられる前記の一般式〜一般
式で表されるアルコキシシランの具体例を挙げると、
2官能アルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メ
チルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメト
キシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメ
トキシシラン等があり、3官能アルコキシシランとして
は、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリ
エトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン等があり、4官能アルコキシシラ
ンとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン等があるが特に、限定されない。
【0017】前記の一般式で表されるアルコキシシラ
ンのオリゴマーとしては、重合度が10(以下重合度が
nのものはn量体と記す。)以下であることが好ましい
が、無色透明な液状であれば、これに限定されない。前
記アルコキシシランのオリゴマーは、この重合度が均一
な化合物である必要はなく、重合度の分布が存在したり
分子構造が鎖状、分岐状及び環状で混在していても構わ
ない。物質としての安定性や、ゲル状化合物を作製する
ための反応時間を考慮すれば、2〜6量体のものが好ま
しい。前記アルコキシシランのオリゴマー内のRはアル
キル基、フェニル基を表し、中でも、メチル基(−CH
3 )、エチル基(−C2 5 )が好ましい。具体的には
メトキシシランのオリゴマーの場合には平均分子量が2
50〜700、エトキシシランのオリゴマーの場合には
平均分子量が300〜900のオリゴマーが好ましい。
【0018】本発明で前記アルコキシシランを効率よく
加水分解し、縮重合を行うためには、このアルコキシシ
ランを含む反応溶液に予め触媒を添加しておくことが好
ましい。このような触媒としては、酸性触媒、塩基性触
媒等が挙げられる。具体的に述べると、酸性触媒として
は、塩酸、クエン酸、硝酸、硫酸、フッ化アンモニウム
等が用いられ、塩基性触媒としては、アンモニア、ピペ
リジン等が用いられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0019】アルコキシシランの加水分解、縮重合に用
いられる溶媒としては、通常、原料となるアルコキシシ
ランと水とを均一に溶解混合するために、アルコ−ル、
アセトン等が用いられるが、これらに限定されるわけで
はなく、アルコキシシランと水との両方が溶解しやすい
溶媒であればよい。しかし、ゲル状化合物の生成過程の
加水分解反応でアルコ−ルが生成すること、また、超臨
界乾燥のことを考慮すると、溶媒としては、アルコール
が好ましい。
【0020】この様にして得たゲル状化合物を、分散媒
の存在下で、この分散媒の臨界点以上の超臨界条件で乾
燥することによりエアロゲルパネルを得る。ところが、
この方法で得られたエアロゲルでは、骨格を形成するシ
リカが吸湿性を有する場合、雰囲気中の水分を吸着し、
光透過性や断熱性等の特性の低下や、収縮等の問題が生
じることがある。
【0021】前記欠点を解消する方法として、エアロゲ
ルのSiO2 表面の親水基を疎水基で置換する、すなわ
ち、疎水化処理を行うことが挙げられる。疎水化剤は、
シラノール基に対して反応する官能基と疎水基とを有し
ているものを用いる。シラノール基に対して反応する官
能基としては、例えば、ハロゲン、アミノ基、イミノ
基、カルボキシル基、アルコキシル基及び水酸基が挙げ
られる。疎水基としては、例えば、アルキル基、フェニ
ル基及びそれらのフッ化物等が挙げられる。疎水化剤は
前記官能基及び疎水基の群から選択される少なくとも1
種を有する。具体的には、ヘキサメチルジシラザン、ヘ
キサメチルジシロキサン、トリメチルクロロシラン、ト
リメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、
トリエチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリクロロシラ
ン、エチルトリクロロシラン等の有機シラン化合物が挙
げられ、これ以外にも、酢酸、ギ酸、コハク酸等のカル
ボン酸や、メチルクロリド等のハロゲン化アルキル等の
有機化合物が挙げられる。疎水化剤は、1種のみを用い
てもよいし、2種以上を用いてもよい。ここで、疎水化
処理は、超臨界乾燥する前に予め液体を媒体として行う
か、後述する超臨界乾燥時に使用する超臨界流体を媒体
として行う。これらの媒体としては、疎水化剤との反応
性が低く、かつ、疎水化剤を溶解するものであればよ
く、特に限定されない。
【0022】超臨界乾燥を行う際に用いられる超臨界流
体である溶媒としては、特に限定されないが、例えば、
エタノ−ル、メタノ−ル、イソプロパノール、ジクロロ
ジフルオロメタン、二酸化炭素、水等の単独系又は2種
以上の混合系を挙げることができる。混合系ではなく単
一の溶媒で超臨界乾燥を行う場合は、一般的にはオ−ト
クレ−ブ中に溶媒と、同一の溶媒に溶媒置換を行ったゲ
ル状化合物を一緒に入れ、その溶媒の臨界点以上の温
度、圧力まで上昇させた後に溶媒を徐々に除き、最終的
に常温常圧の状態に戻すことによって乾燥を終了する。
また、2種以上の混合系で超臨界乾燥を行う場合は、乾
燥容器内でその混合系での超臨界状態になるよう設定し
た温度、圧力まで上昇させる方法、乾燥容器内でゲル状
化合物の第1の溶媒から超臨界状態にしたい第2の溶媒
に置換し、ほぼ溶媒置換を完結させてから、第2の溶媒
の超臨界状態で溶媒を除去する方法等がなされている。
【0023】この発明の透明性断熱パネルは、前記アル
コキシシランを加水分解し、縮重合して得られるゲル状
化合物が疎水化処理、超臨界乾燥されてなるエアロゲル
と赤外線遮断性フィルムとが一体化されたものである。
【0024】この発明のエアロゲルパネルに含まれるエ
アロゲルの密度は特に限定されないが、0.01〜0.
3g/cm3 であることが好ましく、さらには、0.0
4〜0.2g/cm3 であることがより好ましい。すな
わち、このエアロゲルの密度が0.3g/cm3 を越え
る場合には、エアロゲルの熱伝導率もやや大きくなり、
断熱性の点でさほど優れた素材ではなくなり、0.01
g/cm3 未満の場合には、あまりに軽量な為、セル中
のエアロゲルが例えば風等の空気抵抗によっても割れた
り、フィルムからの剥がれといった問題点を有するよう
になり、現実的には取扱が困難なものとなる。
【0025】本発明で用いられる赤外線遮断性フィルム
は、可視光に対して透明で、かつ、赤外線を反射又は吸
収する性質を有する。このような赤外線遮断性フィルム
として、例えば、赤外線反射性フィルム又は赤外線吸収
性フィルム等が挙げられる。赤外線反射性のフィルムと
しては、例えば貴金属を含んだ可視光に対して透明な薄
膜が挙げられるが、この薄膜だけでは取扱いが困難なた
め、実際には透明性有機系樹脂フィルムに貴金属等を含
んだ薄膜が積層されてなるようなフィルムが好ましい。
赤外線吸収性のフィルムとしては、例えば有機系樹脂中
に金属錯体や銅化合物とチオアミド系有導体又はチオ尿
素系有導体等が混合されて成形された可視光に対して透
明なフィルム等が挙げられる。前記有機系樹脂とは、ポ
リエステル系、ポリカーボネート系、ポリスチレン系、
ポリ塩化ビニル系等が挙げられるが、この種類について
は、赤外線を遮断する程度や、配合又は積層する赤外線
遮断性物質との接着性、相溶性等から選択されるもの
で、限定はされない。また、この赤外線遮断性フィルム
にはエアロゲルとの接着性を向上させるため、粘着層が
塗布又は積層されたものでも構わない。そして、赤外線
遮断性フィルムの厚みについても特には限定されない
が、1μm〜1mmの程度のものが好ましく、10μm
〜100μm程度のものがより好ましい。また、この赤
外線遮断性フィルムはエアロゲルの少なくとも一方の面
に接着されていればよく、本発明の透明性断熱パネルを
使用する際に、光の当る側、又は高温側に赤外線遮断性
フィルムが位置するようにすればよい。
【0026】この赤外線遮断性フィルムと前記エアロゲ
ルとの一体化方法としては、大きく分けて二通りの方法
が挙げられる。第1の方法は、前記アルコキシシランの
反応溶液を赤外線遮断性フィルムを敷いた容器内に流し
込むか又は赤外線遮断性フィルムに塗布する等してから
ゲル化させて、前記ゲル状化合物と赤外線遮断性フィル
ムとを一体化した後に、疎水化処理、超臨界乾燥を施す
方法である。第2の方法は、前記アルコキシシランの反
応溶液のみをゲル化させて前記ゲル状化合物を得、疎水
化処理、超臨界乾燥を施してエアロゲルを得た後に、こ
れと赤外線遮断性フィルムとを接着して一体化させる方
法である。まず、第1の方法について説明する。前記ア
ルコキシシランにアルコ−ル、水及び前記触媒を添加混
合し、アルコキシシランを加水分解して反応溶液(ゾ
ル)を得る。この際に用いられるアルコ−ルは、例え
ば、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタ
ノ−ル等でよく、特には限定されない。予め赤外線遮断
性フィルムを底に敷いておいた容器に前記反応溶液を入
れる。この反応溶液の縮重合反応が充分に進行すると、
この反応溶液はゲル化し、赤外線遮断性フィルムと一体
化したゲル状化合物が得られる。次に、必要に応じて、
このゲル状化合物にアルコ−ルを添加する。このゲル状
化合物は、水や未反応物が除去され、溶媒部分が完全に
アルコ−ルに置換されたもの(アルコゲルともいう)と
なっていることが好ましい。さらに、このゲル状化合物
をアルコール等の溶媒に前記疎水化剤が溶解した疎水化
処理溶液内で必要に応じて加熱し、疎水化処理を行う。
次いで、アルコール等の超臨界乾燥を行う溶媒で洗浄す
る。超臨界流体を疎水化剤の分散媒として疎水化処理を
行ってもよい。この場合の分散媒は容易に超臨界状態を
形成することから二酸化炭素が好ましい。次いで、この
状態のゲル状化合物を超臨界乾燥し、このゲル状化合物
から例えば、アルコ−ル又は二酸化炭素等の溶媒を除去
することにより、赤外線遮断性フィルムと一体化した疎
水性のエアロゲルである透明性断熱パネルが得られる。
【0027】次に、第2の方法について説明する。第1
の方法と同様の反応溶液(ゾル)を調製し、これを容器
に入れて静置することで前記反応溶液をゲル化させ、ゲ
ル状化合物を得る。次に、このゲル状化合物に必要に応
じてアルコ−ルの添加を行なった後に、第1の方法と同
様の方法で疎水化処理、超臨界乾燥行なってパネル状の
エアロゲルを得る。このエアロゲルは疎水化処理が施さ
れているために、表面は粘着性を示す。このエアロゲル
に対して赤外線遮断性フィルムを載せ、0.1kg/c
2 程度の弱い圧力で加圧してエアロゲルと赤外線遮断
性フィルムとを付着させることにより、赤外線遮断性フ
ィルムと一体化した疎水性のエアロゲルである透明性断
熱パネルが得られる。この場合、必要に応じて、粘着剤
層を有している赤外線遮断性フィルムを用いることで、
より高い接着性が得られる。また、加圧の方法として
は、プレスやローラー等の様々な方法が挙げられるが、
接着面に対して比較的均一に圧力がかかる方法が好まし
い。
【0028】
【作用】本発明の請求項1に係る透明性断熱パネルで
は、アルコキシシランを原料とするシリカの多孔質骨格
からなる疎水性のエアロゲル3と、可視光に対して透明
で、かつ、赤外線を反射又は吸収する性質を有した赤外
線遮断フィルム4とを一体に備えるので、透明性を有す
るとともに優れた断熱性を示す。すなわち、前記疎水性
のエアロゲル3は、非常に微細なシリカ粒子からなる構
造体で、空隙構造が非常に均質であることから、多孔体
であるにもかかわらず透明性に優れる。しかも、その空
隙は空気の平均自由行程よりも小さく、微細なシリカ粒
子が数珠状に結合した構造に起因して固体の熱伝導が非
常に小さいことから非常に熱伝導性の低い材料である。
ところが、エアロゲルは、可視光とともに、赤外光に対
しても透過性を有するため、光による熱輻射を遮断する
ことができない。一方、この発明の透明性断熱パネルに
おける赤外線遮断性フィルムは、可視光を透過するにも
かかわらず、赤外線、特に近赤外線は反射もしくは吸収
するため、熱輻射を遮断する材料である。したがって、
本発明の透明性断熱パネルは、前記赤外線遮断性フィル
ムと一体化した疎水性のエアロゲルである透明性断熱パ
ネルは、透明性を有するとともに優れた断熱性を示す。
【0029】本発明の請求項2乃至請求項4に係る透明
性断熱パネルの製造方法では、アルコキシシランを加水
分解した反応溶液1を縮重合反応によりゲル化させるこ
とによってゲル状化合物2とし、このゲル状化合物2を
疎水化処理した後、超臨界乾燥を施して得た疎水性のエ
アロゲル3と前記赤外線遮断性フィルム4とを一体化し
て請求項1記載の透明性断熱パネルを製造するので、透
明性を有するとともに優れた断熱性を示す透明性断熱パ
ネルが容易に得られる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により具体的
に説明する。
【0031】以下に、この発明の具体的な実施例及び比
較例を示すが、この発明は、下記実施例に限定されな
い。
【0032】(実施例1)平均分子量470のテトラメ
トキシシランのオリゴマー〔コルコート株式会社製;商
品名メチルシリケート51〕に、エタノールと水と28
重量%アンモニア水溶液とを混合したものを室温で添加
することにより、モル比がテトラメトキシシランのオリ
ゴマー:エタノール:水:アンモニア=1:70:2
0:0. 6の混合比の反応溶液1(以下、ゾルと称す
る)を得た。
【0033】図1(a)に示すように、前記反応溶液
(ゾル)1を入れてゲル化させるために使用する容器6
内に、可視光に対して透明の赤外線遮断性フィルム4と
して、赤外線反射フィルム〔帝人株式会社製;商品名レ
フテルZA05T〕を敷いておき、前記反応溶液1を流
し込んだ。その後、室温で静置し、反応溶液1をゲル化
させることによって前記赤外線遮断フィルム4と一体化
したゲル状化合物2を得た得られたゲル状化合物2の厚
みは8mmであった。
【0034】次に、この赤外線遮断フィルム4と一体化
したゲル状化合物2を高圧容器内に入れ、18℃、55
kg/cm2 の二酸化炭素を添加し、ゲル状化合物2内
のエタノ−ルを二酸化炭素に置換する操作を2〜3時間
行った。その後、高圧容器内を二酸化炭素の超臨界条件
である、80℃、160kg/cm2 にし、超臨界乾燥
(溶媒除去) を12時間行った。次にこの超臨界状態の
雰囲気に、疎水化剤としてヘキサメチルジシラザンを
0.3モル/リットルの割合で添加し、2時間かけて疎
水化処理剤を超臨界流体中に拡散させ、この超臨界流体
中にゲル状化合物2を放置し、疎水化処理を施した。そ
の後、超臨界状態の二酸化炭素を流通した後に減圧し、
ゲル状化合物2に含まれるエタノールと疎水化剤とを除
去した。疎水化剤投入から減圧まで15時間を要した。
高圧容器から試料を取り出して多孔質骨格からなる疎水
性のエアロゲルを備えた透明性断熱パネル試料を得た。
同試料の厚みは、8mmであった。得られた透明性断熱
パネル試料を用いて、エアロゲルの嵩密度、熱伝導率、
可視光透過率及び光に対する断熱性を測定し、その結果
を表1に示した。
【0035】ここで、熱伝導率は、英弘精機(株) 製の
定常法による熱伝導率測定装置を使用して、ASTM−
C518に準拠した方法で測定した。30℃での熱伝導
率は、設定温度20℃と40℃の条件で測定した。可視
光透過率は、可視光域の光透過率分布を測定し、可視光
透過率をJIS−R3106に基づいて求めた。
【0036】光に対する断熱性は、以下のようにして測
定した。図2(b)に示すように、壁10が厚み10c
mのグラスウール24Kと厚み5mm合板とからなり、
中が一辺20cmの立方体になるような断熱箱9を用意
し、一つの面に開口部15を設けた。この開口部15に
は、得られた赤外線遮断性フィルム4とエアロゲル3と
からなる透明性断熱パネル試料7を取り付けた。室温2
5℃の室内で、予め5℃の冷却水13を通した熱交換器
12によって断熱箱9内を10℃まで冷却し、断熱箱9
内の温度が10℃になったところで、冷却水13を止
め、開口部15から20cm外側のところで、電照用電
球〔松下電工株式会社製;商品名<みのり>40形、K
RD100V40W〕を照射し、1時間後の断熱箱9内
の温度を測定して、その結果を表1に示した。ただし、
図2(a)に示すように、開口部15を設けず光照射を
しない場合の温度上昇を測定した結果、1時間後の断熱
箱9内の温度は13℃であった。
【0037】(実施例2)実施例1と同様にして反応溶
液1を調製し、容器内に流し込み、静置させることでゲ
ル状化合物2を得た。このゲル状化合物2を高圧容器内
に入れ、実施例1と同一の条件で疎水化処理、超臨界乾
燥を行なって、多孔質骨格からなる疎水性のエアロゲル
試料を得た。エアロゲルの厚みは8mmであった。図1
(b)に示すように、このエアロゲル3の一方の面に実
施例1と同じ反射性の透明赤外線遮断フィルム4を接着
面をエアロゲル3側にして敷き、約0.1kg/cm2
の圧力でプレスして接着させ、透明性断熱パネル試料を
得た。この試料の厚みは、8mmであった。得られた透
明性断熱パネル試料を用いて、実施例1と同様にして、
エアロゲルの嵩密度、熱伝導率、可視光透過率及び光に
対する断熱性(1時間後の断熱箱9内温度)を測定し、
その結果を表1に示した。
【0038】(実施例3)実施例2において配合比を、
テトラメトキシシランのオリゴマー:エタノール:水:
アンモニア=1:120:20:2. 16(モル比)に
した以外は、実施例2と同様にして、多孔質骨格からな
る疎水性のエアロゲルを備えた透明性断熱パネル試料を
得た。得られた透明性断熱パネル試料を用いて、実施例
1と同様にして、エアロゲルの嵩密度、熱伝導率、可視
光透過率及び光に対する断熱性(1時間後の断熱箱9内
温度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0039】(比較例1)実施例1と同様にして疎水化
処理、超臨界乾燥を行なって、厚み8mmのエアロゲル
試料7を得た。このエアロゲル試料7には赤外線遮断フ
ィルムは接着しなかった。得られたエアロゲル試料7を
用いて、実施例1と同様にして、エアロゲルの嵩密度、
熱伝導率、可視光透過率及び図2(c)に示した断熱箱
9を用いて、光に対する断熱性(1時間後の断熱箱9内
温度)を測定し、その結果を表1に示した。
【0040】(比較例2)実施例で用いた赤外線遮断性
フィルム4を厚み2mmのガラス板8に貼付した。実施
例1と同様にして、熱伝導率、可視光透過率及び図2
(d)に示した断熱箱9を用いて、1時間後の断熱箱9
内温度を測定し、その結果を表1に示した。
【0041】(比較例3)厚み2mmのガラス板8を用
いて、実施例1と同様にして、熱伝導率、可視光透過率
及び図2(e)に示した断熱箱9を用いて、光に対する
断熱性(1時間後の断熱箱9内温度)を測定し、その結
果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】この結果から本発明の透明性断熱パネル
は、赤外線遮断フィルムによって熱輻射の侵入を防止
し、かつ、エアロゲルの優れた断熱性によって、外部か
らの熱伝導による熱の移動をも防止するため、優れた断
熱性を示すことが分かった。また、この透明性断熱パネ
ルは優れた断熱性にもかかわらず、光透過性に優れた性
能を有していた。
【0044】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る透明性断熱パネ
ルは、可視光を透過するにもかかわらず、赤外線を反射
もしくは吸収する赤外線遮断性フィルムと疎水性のエア
ロゲルとを一体に備えているので、熱輻射を遮断するた
め、透明性を有するとともに優れた断熱性を示す。
【0045】本発明の請求項2乃至請求項4に係る透明
性断熱パネルの製造方法は、前記疎水性のエアロゲル3
と赤外線遮断性フィルム4とを一体化するので、透明性
を有するとともに優れた断熱性を示す透明性断熱パネル
が容易に得られる。得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る透明性断熱パネルの製造
方法の説明図であり、(a)は、赤外線遮断性フィルム
を敷いた容器内に反応溶液(ゾル)を流し込んだ後にゲ
ル化させ、赤外線遮断性フィルムと一体化したゲル状化
合物を作製する方法であり、(b)は、ゲル状化合物を
超臨界乾燥して得たエアロゲルに、ローラーによる加圧
によって赤外線遮断性フィルムを貼付する方法である。
【図2】本発明の実施例に係る透明性断熱パネルの断熱
性を評価する実験方法の説明図であり、(a)は開口部
なしの断熱箱、(b)は実施例1乃至実施例3に係る透
明性断熱パネル、(c)は比較例1に係るエアロゲル、
(d)は比較例2に係る赤外線遮断性フィルム貼付ガラ
ス板、(e)は比較例3に係るガラス板を用いた断熱性
を評価する実験方法の説明図である。
【符号の説明】
1 反応溶液 2 ゲル状化合物 3 エアロゲル 4 赤外線遮断性フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコキシシランを原料とするシリカの
    多孔質骨格からなる疎水性のエアロゲル(3)と、可視
    光に対して透明で、かつ、赤外線を反射又は吸収する性
    質を有した赤外線遮断フィルム(4)とを一体に備える
    ことを特徴とする透明性断熱パネル。
  2. 【請求項2】 アルコキシシランを加水分解した反応溶
    液(1)を縮重合反応によりゲル化させることによって
    ゲル状化合物(2)とし、このゲル状化合物(2)を疎
    水化処理した後、超臨界乾燥を施して得た疎水性のエア
    ロゲル(3)と前記赤外線遮断性フィルム(4)とを一
    体化して、請求項1記載の透明性断熱パネルを製造する
    ことを特徴とする透明性断熱パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 超臨界乾燥を施す前に、前記ゲル状化合
    物(2)と前記赤外線遮断性フィルム(4)とを一体化
    することを特徴とする請求項2記載の透明性断熱パネル
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記疎水性のエアロゲル(3)と前記赤
    外線遮断性フィルム(4)とを接着して一体化すること
    を特徴とする請求項2記載の透明性断熱パネルの製造方
    法。
JP6319837A 1994-12-22 1994-12-22 透明性断熱パネル及びその製造方法 Withdrawn JPH08174740A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1997013803A1 (de) * 1995-10-11 1997-04-17 Hoechst Research & Technology Aerogelbeschichtete folie
JP2009040966A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Panasonic Electric Works Co Ltd 低熱伝導率被膜形成用樹脂組成物、低熱伝導率被膜、低熱伝導率被膜の製造方法

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