JPH08175879A - セラミックス基繊維複合材料 - Google Patents

セラミックス基繊維複合材料

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JPH08175879A
JPH08175879A JP6320630A JP32063094A JPH08175879A JP H08175879 A JPH08175879 A JP H08175879A JP 6320630 A JP6320630 A JP 6320630A JP 32063094 A JP32063094 A JP 32063094A JP H08175879 A JPH08175879 A JP H08175879A
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ceramic
composite material
fiber
compound
matrix
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JP6320630A
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English (en)
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Akiko Suyama
章子 須山
Tsuneji Kameda
常治 亀田
Masahiro Asayama
雅弘 浅山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特に耐酸化性に優れ、強度および破壊エネルギ
ーを改善したセラミックス基繊維複合材料を提供する。 【構成】セラミックスマトリックス2a中にセラミック
ス繊維3aを複合化して成るセラミックス基繊維複合材
料1aにおいて、Si−N−O化合物,Si−C−O化
合物およびSi−Ti−C−O化合物の少なくとも1種
を含む界面層5aを、上記セラミックスマトリックス2
aとセラミックス繊維3aとの界面に形成したことを特
徴とする。また界面層5aは、ポリシラザン,ポリカル
ボシラン,ポリチタノカルボシラン等のセラミックス前
駆体ポリマーの焼結体から構成するとよい。さらに形成
する界面層5aの厚さは、セラミックス繊維3aの直径
の10%以下に設定するとよい。また炭素(C)および
窒化ほう素(BN)の少なくとも一方から成るすべり層
4を、セラミックス繊維3aと界面層5aとの間に形成
するとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス基繊維複合
材料に係り、特に耐酸化性に優れ、強度および破壊抵抗
を改善したセラミックス基繊維複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にセラミックス焼結体は、高温まで
強度低下が少なく、硬度,電気絶縁性,耐摩耗性,耐熱
性,耐腐食性,軽量性等の諸特性が従来の金属材と比較
して優れているため、重電設備部品,航空機部品,自動
車部品,電子機器,精密機械部品,半導体装置材料など
の電子用材料や構造用材料として広い分野において使用
されている。
【0003】しかし、セラミックス焼結体は、圧縮に較
べて引張応力に弱く、特に引張応力下では破壊が一気に
進行する、いわゆる脆性という欠点を有している。この
ようなことから、高信頼性が要求される部位へのセラミ
ックス部品の適用を可能にするために、セラミックス焼
結体の高靭性化や破壊エネルギーの増大を図ることが強
く求められている。
【0004】すなわちガスタービン部品,航空機部品,
自動車部品に使用されるセラミックス構造部品など耐熱
性および高温強度に加えて高い信頼性を要求されるセラ
ミックス構造部品としては、無機物質や金属から成る繊
維,ウィスカー,プレート,粒子等の強化素材をマトリ
ックス焼結体に分散複合化させて靭性値や破壊エネルギ
ー値等を高めたセラミックス複合材料(CMC)部品の
実用化研究が内外の研究機関等において進められてい
る。
【0005】しかし上記のような単に繊維をマトリック
ス焼結体中に分散複合化させたセラミックス基繊維複合
材料において、繊維とセラミックスマトリックスとが界
面で反応等を起こし強固に接合した場合、強度は増大化
するが、一旦クラックが発生した場合に、繊維によるク
ラックの進展阻止が不十分となり、複合材料の破壊が瞬
時に進行してしまう。また、逆に繊維とセラミックスマ
トリックスとの界面の結合力が弱過ぎる場合、マトリッ
クスが破断する前に、界面の剥離が進行し、十分な強度
が得られない。
【0006】上記問題点を解決する手段として、繊維の
表面に、炭素(C),窒化ほう素(BN)等から成るす
べり層を形成した複合材料が開発されている。このすべ
り層は、繊維表面にカーボン(C)や窒化ほう素(B
N)等を化学的蒸着法(CVD法)や物理的蒸着法(P
VD法)でコーティングして形成される。
【0007】このすべり層を形成することにより、繊維
とセラミックスマトリックスとの間の接合強度が最適化
される。そして十分な強度を保持し、かつマトリックス
の破断後、繊維の引き抜きが発生し、準安定的な破壊が
進行する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素や
BNによってすべり層を形成した複合材料では、炭素お
よびBNの耐酸化性が低いことが高温で使用した場合に
問題となる。
【0009】また複合材料の初期破壊後において、高温
度の酸化性雰囲気中にセラミックス繊維が表面に露出し
た場合には、CやBNから成るすべり層が急速に酸化さ
れ、すべり層としての機能が喪失してしまうという難点
があった。そのため高温で使用する場合の複合材料にお
けるクラックの進展阻止効果が未だ不十分であり、強度
および破壊エネルギーが減少する問題点がある。
【0010】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、特に耐酸化性に優れ、強度および破
壊エネルギーを改善したセラミックス基繊維複合材料を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明者らは、種々の物質を繊維表面に形成して
複合材料を調製し、上記界面物質が複合材料の高温強度
特性、特に破壊エネルギーに及ぼす影響を比較調査し
た。その結果、ある種のセラミックス前駆体ポリマーの
焼結体から成る所定厚さの界面層を繊維表面に一体に形
成し、その繊維をセラミックスマトリックスに複合化さ
せて複合材料としたときに、高温条件下においても高い
破壊エネルギーを有する複合材料が初めて得られた。ま
た上記界面層に加えて、CやBNから成るすべり層を、界
面層とセラミックス繊維との間に形成し、マトリックス
と繊維との界面を多重構造にすることにより、界面にお
ける剥離や繊維の引き抜け機構が従来と比較して、より
複雑化して破壊進展抵抗が増大する結果、破壊エネルギ
ーが優れた複合材料が得られるという知見も得られた。
本発明は上記知見に基づいて完成したものである。
【0012】すなわち本発明に係るセラミックス基繊維
複合材料は、セラミックスマトリックス中にセラミック
ス繊維を複合化して成るセラミックス基繊維複合材料に
おいて、Si−N−O化合物,Si−C−O化合物およ
びSi−Ti−C−O化合物の少なくとも1種を含む界
面層を、上記セラミックスマトリックスとセラミックス
繊維との界面に形成したことを特徴とする。
【0013】また、Si−N−O化合物,Si−C−O
化合物およびSi−Ti−C−O化合物の少なくとも1
種を含む界面層が、ポリシラザン,ポリカルボシラン,
ポリチタノカルボシラン等のセラミックス前駆体ポリマ
ーの焼結体から成ることを特徴とする。さらに形成した
界面層の厚さは、セラミックス繊維の直径の10%以下
である。また炭素(C)および窒化ほう素(BN)の少
なくとも一方から成るすべり層を、セラミックス繊維と
界面層との間に形成するとよい。
【0014】ここで上記セラミックス基繊維複合材料の
マトリックスを構成するセラミックスとしては、種々の
セラミックス焼結体を用いることができ、例えば炭化け
い素(SiC),窒化アルミニウム(AlN),窒化け
い素(Si3 4 ),窒化ほう素(BN)等の非酸化物
系のセラミックス焼結体やアルミナ(Al2 3 ),ジ
ルコニア(ZrO2 ),チタニア(TiO2 ),ムライ
ト(3Al2 3 ・2SiO2 ),ベリリア(Be
O),コージェライト,ジルコン,サイアロン,スピネ
ル(MgAl2 4 )などの酸化物系のセラミックス原
料が1種または2種以上混合して使用される。特にサイ
アロンとしては組成式:Si6-z Alz z 8-z (但
し、0<z≦4.5)のものを使用するとよい。また、
上記焼結体を形成するためのセラミックス原料粉末に
は、必要に応じて酸化イットリウム,アルミナ,酸化セ
リウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウムもしくはシ
リカ等の焼結助剤や添加剤が添加される。さらにマトリ
ックスを反応焼結で形成することも可能である。
【0015】またマトリックス中に配置されるセラミッ
クス繊維は複合材料の靭性を高めるために所定量複合化
される。また上記繊維の材質は、特に限定されるもので
はなく、マトリックスの構成材料と同様なセラミックス
繊維を用いることができる。このようなセラミックス繊
維の具体例としては、炭化けい素系繊維(SiC,Si
−C−O,Si−Ti−C−O等),SiC被覆繊維
(芯線は例えばC),アルミナ繊維,ジルコニア繊維,
炭素繊維,ボロン繊維,窒化けい素系繊維,Si3 4
被覆繊維(芯線は例えばC)およびムライト(3Al2
3 ・2SiO2 〜2Al2 3 ・SiO2 )繊維等が
あり、これらから選択された少なくとも一種を使用する
とよい。
【0016】繊維の径および長さは、成形体中における
繊維の配置や、体積分率、そして複合材料の強度特性に
大きく影響を及ぼすものであり、本発明では直径が3〜
150μm、長さが0.1mm以上の短繊維または連続繊
維を使用する。直径が3μm未満の場合にはマトリック
スの粒径以下となり、複合効果が小さく、また直径が1
50μmを超える太い繊維では、繊維とマトリックスと
の境界面に熱膨脹差による応力が生じ易く、マトリック
スに割れ等が発生し易くなり、いずれの場合も繊維によ
る複合効果を大幅に改善することが困難になる。また繊
維の長さが0.1mm未満の場合には、クラック進行の抑
制効果が少なく靭性の改善効果も少なくなる。
【0017】すなわち、直径が3〜150μmで、かつ
長さが0.1mm以上の繊維を用いることによって、良好
な形状付与性能を維持しつつ、繊維による複合効果を大
幅に改善することが可能となる。但し、このような繊維
の含有量が5%未満であると、複合効果が低下するた
め、繊維の含有量は5%以上とすることが好ましい。
【0018】上記繊維表面には、Si−N−O化合物,
Si−C−O化合物およびSi−Ti−C−O化合物の
少なくとも1種を含む界面層が一体に形成される。上記
Si−N−O化合物,Si−C−O化合物およびSi−
Ti−C−O化合物は、CやBNと比較して耐熱性はや
や劣る一方、耐酸化性は優れており、複合材料の耐食性
および破壊エネルギーを向上させる安定した界面物質と
して極めて有効である。
【0019】上記界面層を構成するSi−N−O化合
物,Si−C−O化合物およびSi−Ti−C−O化合
物は、例えば、それぞれポリシラザン,ポリカルボシラ
ンおよびポリチタノカルボシラン等のセラミックス前駆
体ポリマーを出発原料とし、その溶液をセラミックス繊
維表面に塗布した後に、窒素ガス等の非酸化性雰囲気中
で温度500〜1100℃の範囲で焼成することにより
得られる。
【0020】なお上記セラミックス前駆体ポリマーは空
気中において分解し易い性質を有するため、繊維表面へ
の塗布操作および焼成操作は、窒素ガスやArガス等の
不活性ガス雰囲気中で実施することが望ましい。
【0021】上記界面層の厚さは、使用するセラミック
ス繊維の直径の10%以下に設定される。界面層は繊維
やマトリックス自身と比較して脆弱であるため、その厚
さが繊維径の10%を超えると、複合材料の強度特性お
よび破壊エネルギーが低下してしまう。したがって、界
面層の厚さは、上記範囲に設定されるが、実用上0.2
〜5μmの範囲が好適である。
【0022】また上記繊維と界面層との間の反応を防止
するため、または両者の界面におけるすべりを改善する
ためにセラミックス繊維表面に厚さ1〜5μm程度のす
べり層を形成するとよい。このすべり層は繊維表面にカ
ーボン(C)や窒化ほう素(BN)をコーティングして
形成される。
【0023】上記すべり層によりセラミックス繊維と、
界面層との間の強度が最適化され、この最適な強度に起
因して初期破断後の保持強度が高く維持でき、靭性値が
高い複合材料が得られる。
【0024】また前記界面層とCまたはBNから成るす
べり層とを多重構造にし、複合界面を形成することによ
って、複合界面の多くの箇所において、剥離(ディボン
ディング)およびすべり(プルアウト)が起こり、累積
的で複雑な破壊機構が形成されるため、複合材料の破壊
エネルギーをさらに向上させることが可能となる。
【0025】界面層および必要に応じてすべり層を形成
した繊維は、複合材料全体に対して繊維体積率(Vf)
で5%以上の割合で添加される。しかしながら添加量が
50%を超える過量となると、各繊維周囲に均一にマト
リックスを配置することが困難になり、空隙など欠陥の
発生に伴い複合材料の強度特性が急激に低下してしま
う。したがって複合効果が現れる好ましい添加量は20
〜40体積%の範囲である。
【0026】また複合材料の全表面にマトリックスのみ
から成る厚さ200μm以上のマトリックス単体層を一
体に形成し、繊維とマトリックスとの界面部が表面に露
出しないように構成することにより、繊維の露出による
酸化劣化および強度低下を防止することができる。さら
に繊維表面に形成したすべり層を構成するCやBN成分
の酸化によるすべり機能の低下が防止でき、複合材料の
高温強度の低下を効果的に防止することができる。上記
マトリックス単体層を厚さ500μm以下に形成するこ
とにより、上記強度低下防止機能を十分に発揮できる。
【0027】上記マトリックス中に複数の繊維層を積層
配置した平板状のセラミックス基繊維複合材料は、例え
ば以下のように製造される。すなわちセラミックス繊維
を織り上げて形成した各繊維層の内部および周辺部に、
セラミックス原料粉末を所定割合にて積層配置した上で
成形し、得られた成形体を非酸化性雰囲気中でホットプ
レス法または常圧焼結法、反応焼結法によって焼結して
製造される。
【0028】一方、平板状ではなく、例えばタービン動
翼などの複雑な形状を有するセラミックス基繊維複合材
料は、例えば以下のような方法で製造される。すなわ
ち、繊維を編み上げて最終部品形状に近似した予備成形
体(プリフォーム)を形成し、この予備成形体中にマト
リックスとなるセラミックススラリーを含浸せしめて成
形体を形成し、得られた成形体を本焼結して製造され
る。なお上記マトリックスを反応焼結法によって製造す
ることも可能である。
【0029】
【作用】上記構成に係るセラミックス基繊維複合材料に
よれば、Si−N−O化合物,Si−C−O化合物およ
びSi−Ti−C−O化合物の少なくとも1種を含む耐
酸化性に優れた界面層を、セラミックス繊維とマトリッ
クスとの間に形成しているため、複合材料の製造プロセ
スにおいて繊維とマトリックスとの間の反応を効果的に
防止でき、両者の固着による複合材料の脆化を防止する
ことができる。また複合材料に応力が負荷した際に繊維
とマトリックスとの剥離(ディボンディング)が界面層
で発生し、クラックの進展抵抗を増す作用を発揮する
が、複合材料の初期破壊強度を低下させない剪断強度は
保持される。さらに初期破壊後に、繊維の引き抜けを生
じて複合材料の靭性を向上させる。この際、界面層は繊
維とマトリックスとのすべり抵抗を増加させるため、複
合材料の破壊エネルギーを大幅に向上させることができ
る。
【0030】また上記界面層を構成するSi−N−O化
合物等は、CやBNと比較して優れた耐酸化性を有して
いるため、繊維が複合材料表面に露出した場合または初
期破壊後において繊維が露出した場合においても、界面
層が劣化するおそれが少なく、繊維を保護する機能を維
持する。したがって複合材料を高温度の酸化性雰囲気中
で使用した場合においても、強度および破壊エネルギー
値の低下が少なく、特に高温用構造部品材料として優れ
た耐久性を発揮する。
【0031】また前記界面層とCまたはBNから成るす
べり層とを多重構造にし、複合界面を形成することによ
って、複合界面の多くの箇所において、剥離(ディボン
ディング)およびすべり(プルアウト)が起こり、累積
的で複雑な破壊機構が形成されるため、複合材料の破壊
エネルギーをさらに向上させることが可能となる。
【0032】
【実施例】以下本発明の一実施例について添付図面を参
照して説明する。
【0033】実施例1〜7 直径15μmのSiC連続繊維(商品名:ニカロン,日
本カーボン株式会社製)を実施例1〜7用のセラミック
ス繊維として用意した。これらのSiC連続繊維のう
ち、表1に示すように実施例2,6用のSiC連続繊維
表面に、CVD法を用いて厚さ0.4μmのカーボン
(C)から成るすべり層を形成する一方、実施例4用の
SiC連続繊維表面には、CVD法を用いて厚さ0.4
μmの窒化ほう素(BN)から成るすべり層を形成し
た。
【0034】次に、必要に応じてすべり層を形成した実
施例1,2,7用のSiC連続繊維に、セラミックス前
駆体ポリマーとしてのポリシラザンのキシレン溶液(株
式会社東燃製)を、窒素雰囲気中で塗布後、同じく窒素
雰囲気中で温度600℃で焼成して厚さ0.6μm(実
施例1,2)または3μm(実施例7)のSi−N−O
化合物から成る界面層を形成した。
【0035】一方、必要に応じてすべり層を形成した実
施例3,4用のSiC連続繊維に、セラミックス前駆体
ポリマーとしてのポリカルボシランのキシレン溶液(日
本カーボン株式会社製)を、窒素雰囲気中で塗布後、同
じく窒素雰囲気中で温度600℃で焼成して厚さ0.6
μmのSi−C−O化合物から成る界面層を形成した。
【0036】一方、必要に応じてすべり層を形成した実
施例5,6用のSiC連続繊維に、セラミックス前駆体
ポリマーとしてのポリチタノカルボシランのキシレン溶
液(宇部興産株式会社製)を、窒素雰囲気中で塗布後、
同じく窒素雰囲気中で温度600℃で焼成して厚さ0.
6μmのSi−Ti−C−O化合物から成る界面層を形
成した。
【0037】上記のように各種界面層と、必要に応じて
すべり層とを形成した実施例1〜7用のSiC連続繊維
を二次元方向に織り上げて平織りクロスを作成し、この
平織りクロスを複数枚積層して、それぞれ実施例1〜7
用の予備成形体(プリフォーム)を製造した。
【0038】一方、骨材としてのSiC粉末(平均粒径
5μm)と、SiC粉末量の20重量%に相当する炭素
源としての黒鉛粉末(平均粒径1μm)とを溶媒中に分
散させることにより低粘度原料スラリーを調製した。次
に圧力鋳込み法を使用して、上記低粘度原料スラリーを
上記各予備成形体中に含浸させて、各繊維含有セラミッ
クス成形体とした。なお原料スラリーの含浸量は、表1
に示すように、緻密化した複合材料焼結体中の繊維体積
率(Vf)が30%となるように設定した。
【0039】この後、上記繊維含有セラミックス成形体
のけい化に必要なSi量の1.2倍の粉末Siを充填し
たアルミナボード内に、上記繊維含有セラミックス成形
体を配置し、Arガス雰囲気に調整した焼成炉内におい
て、1430℃の温度で4時間保持することにより、溶
融Siの含浸を行いつつ、上記繊維含有セラミックス成
形体を反応焼結せしめて、SiC焼結体から成る緻密な
マトリックスを形成し、それぞれ実施例1〜7に係るS
iC基繊維複合材料を調製した。
【0040】上記実施例1,3,5,7に係る複合材料
1は、図1に示すようにSiC反応焼結体から成るマト
リックス2中にSiC連続繊維3が分散複合化した構造
を有する。また各SiC連続繊維3の表面には、Si−
N−O化合物等から成る界面層5が一体に形成されてい
る。
【0041】一方、実施例2,4,6に係る複合材料1
aは、図2に示すように、SiC反応焼結体から成るマ
トリックス2a中にSiC連続繊維3aが分散複合化し
た構造を有する。またSiC連続繊維3aとマトリック
ス2aとの間には、CまたはBNから成るすべり層4お
よびSi−N−O化合物等から成る界面層5aが、多重
構造になるように形成されている。
【0042】比較例1 一方、界面層を形成しない点以外は実施例1と同様に処
理して、SiC焼結体をマトリックスとする比較例1に
係る複合材料を調製した。
【0043】比較例2 SiC連続繊維表面に界面層を形成せず、厚さ0.4μ
mのカーボン(C)を被覆した以外は実施例1と同様に
処理してSiC焼結体をマトリックスとする比較例2に
係る複合材料を調製した。
【0044】比較例3 SiC連続繊維表面に界面層を形成せず、厚さ0.4μ
mの窒化ほう素(BN)を被覆した以外は実施例1と同
様に処理してSiC焼結体をマトリックスとする比較例
3に係る複合材料を調製した。
【0045】上記のように調製した実施例1〜7および
比較例1〜3に係る各複合材料の破壊特性を評価するた
め、各複合材料から曲げ試験片を切り出し、室温(R
T:25℃)および高温(1300℃)における3点曲
げ強度,破壊エネルギーおよび耐酸化性を測定した。こ
こで各試験片の破壊エネルギー値は、応力−歪曲線の形
状から破壊エネルギーを積算し、比較例3の場合を基準
値1とし、その基準値に対する倍率を算出して相対値と
してそれぞれ表示した。また耐酸化性は、各複合材料の
試験片を1450℃の空気中に500時間保持した後に
おける試験片の酸化による重量増の大小で評価し、表中
○印は重量増が0.1%未満であり、△印は0.1%以
上1%未満であり、×印は1%以上の重量増を示す。測
定評価結果を下記表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示す結果から明らかなように、耐酸
化性に優れたSi−N−O化合物等から成る界面層を形
成した本実施例に係るセラミックス基繊維複合材料によ
れば、繊維とマトリックスとの間の反応が効果的に防止
でき、両者の反応固着による複合材料の脆化を防止で
き、破壊エネルギーが高い複合材料が得られた。
【0048】また上記界面層に加えて、CまたはBNか
ら成るすべり層を二重に形成した実施例2,4,6に係
る複合材料においては、複合界面において剥離および繊
維の引き抜けが起こり、累積的で複雑な破壊機構となる
ため、複合材料の破壊エネルギーがさらに向上すること
が確認された。
【0049】なお、界面層の厚さを繊維直径の20%と
過大にした実施例7に係る複合材料においては、強度お
よび破壊エネルギーが相対的に低下することが判明し
た。
【0050】一方、上記すべり層および界面層を形成し
ない比較例1に係る複合材料においては、繊維とマトリ
ックスが固着し、脆性破壊した。またCから成るすべり
層を形成した比較例2に係る複合材料においては、Si
と反応して繊維とマトリックスが強固に接合した反応焼
結 SiCマトリックスが形成されるため、3点曲げ強度は
比較的に大きいが、脆性破壊した。またBNから成るす
べり層のみを形成した比較例3の複合材料においては、
ある程度の強度特性は得られるが、耐酸化性が劣り、高
温での曲げ試験では初期破壊後に繊維が露出した部分か
ら急速に酸化が進み、破壊エネルギー値が悪化し易い難
点があり、高温用構造部品材料として不適であることが
判明した。
【0051】なお上記実施例においては、セラミックス
マトリックスとして反応焼結SiCマトリックスを形成
した場合について例示しているが、マトリックスとして
Si3 4 ,サイアロン,AlN,Al2 3 ,ZrO
2 ,SiO2 ,ムライトおよびスピネルを形成した場合
においても、同様な複合効果が得られた。
【0052】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係るセラミック
ス基繊維複合材料によれば、Si−N−O化合物,Si
−C−O化合物およびSi−Ti−C−O化合物の少な
くとも1種を含む耐酸化性に優れた界面層を、セラミッ
クス繊維とマトリックスとの間に形成しているため、複
合材料の製造プロセスにおいて繊維とマトリックスとの
間の反応を効果的に防止でき、両者の固着による複合材
料の脆化を防止することができる。また複合材料に応力
が負荷した際に繊維とマトリックスとの剥離(ディボン
ディング)が界面層で発生し、クラックの進展抵抗を増
す作用を発揮するが、複合材料の初期破壊強度を低下さ
せない剪断強度は保持される。さらに初期破壊後に、繊
維の引き抜けを生じて複合材料の靭性を向上させる。こ
の際、界面層は繊維とマトリックスとのすべり抵抗を増
加させるため、複合材料の破壊エネルギーを大幅に向上
させることができる。
【0053】また上記界面層を構成するSi−N−O化
合物等は、CやBNと比較して優れた耐酸化性を有して
いるため、繊維が複合材料表面に露出した場合または初
期破壊後において繊維が露出した場合においても、界面
層が劣化するおそれが少なく、繊維を保護する機能を維
持する。したがって複合材料を高温度の酸化性雰囲気中
で使用した場合においても、強度および破壊エネルギー
値の低下が少なく、特に高温用構造部品材料として優れ
た耐久性を発揮する。
【0054】また前記界面層とCまたはBNから成るす
べり層とを多重構造にし、複合界面を形成することによ
って、複合界面の多くの箇所において、剥離(ディボン
ディング)およびすべり(プルアウト)が起こり、累積
的で複雑な破壊機構が形成されるため、複合材料の破壊
エネルギーをさらに向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックス基繊維複合材料の一
実施例を示す要部断面図。
【図2】本発明に係るセラミックス基繊維複合材料の他
の実施例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1,1a セラミックス基繊維複合材料(SiC基繊維
複合材料) 2,2a セラミックスマトリックス(SiC反応焼結
マトリックス) 3,3a セラミックス繊維(SiC連続繊維) 4 すべり層 5,5a 界面層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスマトリックス中にセラミッ
    クス繊維を複合化して成るセラミックス基繊維複合材料
    において、Si−N−O化合物,Si−C−O化合物お
    よびSi−Ti−C−O化合物の少なくとも1種を含む
    界面層を、上記セラミックスマトリックスとセラミック
    ス繊維との界面に形成したことを特徴とするセラミック
    ス基繊維複合材料。
  2. 【請求項2】 Si−N−O化合物,Si−C−O化合
    物およびSi−Ti−C−O化合物の少なくとも1種を
    含む界面層が、ポリシラザン,ポリカルボシラン,ポリ
    チタノカルボシラン等のセラミックス前駆体ポリマーの
    焼結体から成ることを特徴とする請求項1記載のセラミ
    ックス基繊維複合材料。
  3. 【請求項3】 形成した界面層の厚さが、セラミックス
    繊維の直径の10%以下であることを特徴とする請求項
    1記載のセラミックス基繊維複合材料。
  4. 【請求項4】 炭素(C)および窒化ほう素(BN)の
    少なくとも一方から成るすべり層を、セラミックス繊維
    と界面層との間に形成したことを特徴とする請求項1記
    載のセラミックス基繊維複合材料。
  5. 【請求項5】 セラミックスマトリックスの主成分が、
    炭化けい素(SiC),窒化けい素(Si3 4 ),サ
    イアロン(Si6-z Alz z 8-z (0<z≦4.
    5)),窒化アルミニウム(AlN),アルミナ(Al
    2 3 ),ジルコニア(ZrO2 ),シリカ(Si
    2 ),ムライト(3Al2 3 ・2SiO2 ),スピ
    ネル(MgAl2 4 )の少なくとも1種から成ること
    を特徴とする請求項1記載のセラミックス基繊維複合材
    料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117865677A (zh) * 2023-11-30 2024-04-12 江苏泰瑞耐火有限公司 一种陶瓷基复合料管及其制备方法
CN119844167A (zh) * 2023-10-18 2025-04-18 中国航发商用航空发动机有限责任公司 涡轮叶片

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