JPH08176306A - フッ素含有シリコーン化合物の製造方法 - Google Patents

フッ素含有シリコーン化合物の製造方法

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JPH08176306A
JPH08176306A JP25402895A JP25402895A JPH08176306A JP H08176306 A JPH08176306 A JP H08176306A JP 25402895 A JP25402895 A JP 25402895A JP 25402895 A JP25402895 A JP 25402895A JP H08176306 A JPH08176306 A JP H08176306A
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fluorine
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JP25402895A
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Yutaka Furukawa
豊 古川
Masami Kodera
真美 小寺
Seisaku Kumai
清作 熊井
Kazuya Oharu
一也 大春
Toshihiko Fujima
俊彦 藤間
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価かつ入手容易な原料から効率的な方法でR
f CH2 CH2 CH2 −基を有するフッ素含有シリコー
ン化合物を得る。 【解決手段】Rf (CH23 OHと、無水酢酸のよう
なカルボン酸誘導体または五酸化二リンのようなリン酸
化合物とを反応させ、つぎに熱分解反応してRfCH2
CH=CH2 とし、これをケイ素原子に結合した水素原
子を1個以上有するヒドロシリコーン化合物を反応させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の方法で合成
したフッ素含有不飽和化合物からフッ素含有シリコーン
化合物を製造する方法に関する。フッ素含有シリコーン
化合物は、工業用素材またはその原料として有用な化合
物であり、特に、優れた撥水・撥油性、防汚性、離型性
等の性能を要求される種々の工業用素材およびその原料
として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来より、フッ素含有シリコーン化合物
の製造方法としては、(1)フッ素含有基を有する環状
シロキサン(例えば、[Rf'C24 (CH3 )Si
O]3 等)(ただし、Rf'は、ポリフルオロアルキル基
を示す。以下も同様である。)を酸やアルカリで開環重
合する方法、(2)Rf'CH=CH2 とH(CH3 )S
iCl2 、HSiCl3 等を反応させて得られるRf'C
24 (CH3 )SiCl2 、Rf'C24 SiCl3
等のフッ素含有基を有するクロロシラン類をフッ素含有
基を含まないジクロロシラン類の存在下に共加水分解す
る方法によって製造する方法が一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】(1)の方法は、工程
数が多く、反応操作が煩雑であった。特に環状シロキサ
ンの合成は、通称「クラッキング」と呼ばれる反応によ
って行われるが、多量のエネルギーを要する問題があっ
た。また該方法では、Rf'の炭素数の大きい化合物は、
沸点が高くなり合成できない問題があった。また、
(2)の方法では、クロロシラン類を加水分解すると
[Rf'C24 (CH3 )SiO]x で表される環状オ
リゴマーのxが4以上の異なる混合物が多量に生成し、
高分子のフッ素含有シリコーン化合物の収率が低くなる
問題があった。特にRf'の炭素数が多い場合には、収率
が低くなる欠点があった。
【0004】一方、Rf'基末端にアリル基が結合した化
合物の製造方法としては、(3)Rf'Iとアリルアルコ
ールとをラジカル開始剤の存在下に付加反応させた後、
亜鉛等の金属と反応させる方法、および(4)Rf'Iと
アリルシランを、鉄またはルテニウム触媒存在下に反応
させる方法がある(Tetrahedron Letters,25,307,1984
)。
【0005】しかし、(3)の方法はRf'Iとアリルア
ルコールとの反応が進行しにくいうえに、ヨウ化亜鉛の
処理が問題で工業的に実施することが困難である。ま
た、(4)の方法は、反応時間が長いうえに高価なアリ
ルシランを使用することから工業的に実施することが困
難である。
【0006】さらに、末端オレフィンを合成する一般的
な方法としては、(6)第1アルコールをルイス酸触媒
の存在下に脱水反応する方法が知られている。しかし、
(6)の方法を本発明の出発物質であるRf −Q−CH
2 CH2 CH2 OHに適用してアルミナ触媒の存在下に
気相で反応させたところ、初期の反応は良好であった
が、触媒の劣化が著しい問題が認められた。また、硫酸
を用いた脱水反応を液相で実施したところ、(Rf CH
2 CH2 CH22 Oで表されるエーテルや、蒸留分離
が困難な不純物であるRf CH=CHCH3 が大量に生
成する問題が認められた。以上のように、安価な原料か
ら効率的にフッ素含有シリコーン化合物を得る方法は知
られていなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされたものであり、高収率、かつ工業的ス
ケールでフッ素含有シリコーン化合物を製造する方法を
提供する。
【0008】すなわち、本発明は、式(1)で表される
フッ素含有ヒドロキシ化合物と、式(2)で表されるカ
ルボン酸誘導体、式(3)で表されるリン酸誘導体、五
酸化二リン、メタリン酸、ピロリン酸、およびポリリン
酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを
反応させ、つぎに熱分解反応して式(4)で表されるフ
ッ素含有不飽和化合物とし、該フッ素含有不飽和化合物
とケイ素原子に結合した水素原子を1個以上有するヒド
ロシリコーン化合物とを反応させてケイ素原子に結合し
たRf −Q−CH2 CH2 CH2 −基を有するフッ素含
有シリコーン化合物とすることを特徴とするフッ素含有
シリコーン化合物の製造方法を提供する。
【0009】ただし、式(1)〜(4)におけるRf
Q、R1 、およびX1 〜X4 は、それぞれ下記の意味を
示す。
【0010】 Rf :炭素数1〜20の1価のフッ素含有有機基。 Q:単結合または2価の有機基。 R1 :水素原子または炭素数1〜4のアルキル基。 X1 :ハロゲン原子、−OR10、または−OCOR
11(ただし、R10は、水素原子または炭素数1〜4のア
ルキル基、R11は、炭素数1〜4のアルキル基。)。 X2 、X3 、X4 :それぞれ、同一であっても異なって
いてもよく、ハロゲン原子または−OR12(ただし、R
12は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基。)。
【0011】
【化3】Rf −Q−CH2 CH2 CH2 OH (1) R1 COX1 (2) (X2 )(X3 )(X4 )PO (3) Rf −Q−CH2 CH=CH2 (4)
【0012】本発明における出発物質は式(1)で表さ
れるフッ素含有ヒドロキシ化合物である。式(1)のR
f は、炭素数1〜20のフッ素含有有機基である。本明
細書における「フッ素含有有機基」は、フッ素原子を1
個以上含む有機基を意味する。フッ素含有有機基として
は、炭化水素基の水素原子の1個以上がフッ素原子に置
換された基である「フッ素含有炭化水素基」が好まし
い。
【0013】さらに、フッ素含有炭化水素基は、芳香族
炭化水素基の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換さ
れた「フッ素含有芳香族炭化水素基」、または、脂肪族
炭化水素基の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換さ
れた「フッ素含有脂肪族炭化水素基」のいずれでもよ
く、フッ素含有脂肪族炭化水素基が好ましい。フッ素含
有脂肪族炭化水素基の炭素数は、1〜18程度が好まし
く、特に1〜12が好ましい。また、フッ素含有芳香族
炭化水素基は、水素原子の1個以上がアルキル基などの
炭化水素基に置換されていてもよい。フッ素含有芳香族
炭化水素基の炭素数は6〜12程度が好ましく、特に6
〜8が好ましい。
【0014】また、本発明のフッ素含有炭化水素基は、
上記のフッ素含有脂肪族炭化水素基の炭素−炭素結合間
にエーテル性の酸素原子の酸素原子、またはチオエーテ
ル性の硫黄原子が挿入されていてもよい。
【0015】Rf が1価のフッ素含有脂肪族炭化水素基
である場合、アルキル基の水素原子の1個以上がフッ素
原子に置換された「フッ素含有アルキル基」が好まし
く、特にアルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子
に置換された「ポリフルオロアルキル基」が好ましい。
【0016】ポリフルオロアルキル基の炭素数は、1〜
20程度が好ましく、特に、1〜12が好ましく、さら
に6〜12が好ましい。また、該ポリフルオロアルキル
基は、炭素−炭素結合間にエーテル性の酸素原子、また
はチオエーテル性の硫黄原子が挿入されていてもよい。
【0017】Rf がポリフルオロアルキル基である場
合、ポリフルオロアルキル基中のフッ素原子の割合、す
なわち、[(ポリフルオロアルキル基中のフッ素原子
数)/(ポリフルオロアルキル基に対応する同一炭素数
のアルキル基の水素原子数)]×100(%)は、60
%以上が好ましく、特に80%以上が好ましく、さらに
実質的に100%である場合のペルフルオロアルキル基
が好ましい。
【0018】ポリフルオロアルキル基は、直鎖の構造で
も分岐の構造でもよく、直鎖の構造が好ましい。分岐の
構造である場合には、分岐部分が炭素数1〜3程度の短
鎖である場合が好ましい。
【0019】また、Rf が1価のフッ素含有芳香族炭化
水素基である場合、フェニル基などのアリール基、ベン
ジル基などのアルアルキル基、またはこれらの基に低級
アルキル基が置換した基、における水素原子の1個以上
がフッ素原子に置換した基が好ましい。
【0020】Rf の具体例としては、以下の構造が挙げ
られるがこれらに限定されない。なお、以下の例におい
ては、同一分子式を有する構造の異なる基である「構造
異性の基」を含むものとする。
【0021】C25 −、C37 −[CF3 (CF
22 −、および(CF32 CF−の両者を含
む。]、C49 −[CF3 (CF23 −、(CF
32 CFCF2 −、(CF33 C−、CF3 CF2
CF(CF3 )−を含む]、C511−[CF3 (CF
24 −、(CF32 CF(CF22 −、(CF
33 CCF2 −、CF3 CF2 CF(CF3 )CF2
−などの構造異性の基を含む]、C613−[CF3
(CF22 C(CF32 −などの構造異性の基を含
む]、C817−、C1021−、C1225−、C1531
−、HCt2t−(ここで、tは1〜18の整数であ
る。)、(CF32 CFCs2s−(ここで、sは1
〜15の整数である。)など。
【0022】CF3 (CF24 OCF(CF3 )−、
F[CF(CF3 )CF2 O]s CF(CF3 )CF2
CF2 −、F[CF(CF3 )CF2 O]t CF(CF
3 )−、F[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF2
−、F(CF2 CF2 CF2O)v CF2 CF2 −、F
(CF2 CF2 O)w CF2 CF2 −、C65 −、C
65 CF=CF−(ただし、s、tは1〜10の整
数、uは2〜6の整数、vは1〜11の整数、wは1〜
11の整数である。)など。
【0023】また、式(1)中、Qは単結合または2価
の有機基を示し、単結合が好ましい。Qが単結合である
場合、式(1)におけるRf とCH2 CH2 CH2 OH
は直接結合していることを意味し、同様に、式(4)に
おけるRf とCH2 CH=CH2 も直接結合しているこ
とを意味する。他の化合物についても、同様の意味であ
る。
【0024】Qが2価の有機基である場合、Qはフッ素
原子を含まないのが好ましい。また、Qは炭素数1〜8
の2価の炭化水素基、または、本発明の反応において不
活性な原子を含む2価の炭化水素基が好ましい。さらに
Qは、炭素数1〜8のアルキレン基が好ましく、特に炭
素数1〜5のアルキレン基が好ましい。また、アルキレ
ン基は、直鎖のアルキレン基、または分岐を有するアル
キレン基のいずれでもよく、直鎖のアルキレン基が好ま
しく、分岐部分を有する場合には、分岐部分の炭素数が
1〜3程度の短鎖である場合が好ましい。また、Qが不
活性な原子を含む2価の炭化水素基である場合、エーテ
ル性の酸素原子、チオエーテル性の硫黄原子、または水
素原子が結合しない窒素を含む2価の炭化水素基等が挙
げられる。たとえば、−(CH22 O(CH23
−、−CH2 O(CH23 −、−(CH22 S(C
23 −、−SO2 NR13−(ただしR13は、炭素数
1〜3のアルキル基を示す。)などが挙げられる。
【0025】本発明における式(1)で表されるフッ素
含有ヒドロキシ化合物は、Rf が炭素数1〜20のポリ
フルオロアルキル基であり、かつ、Qが単結合である場
合の式(1A)で表される化合物が好ましい。
【0026】ただし、式(1A)において、Rf1は、前
記の炭素数1〜20のポリフルオロアルキル基と同じ意
味を示し、ペルフルオロアルキル基が好ましい。
【0027】
【化4】Rf1−CH2 CH2 CH2 OH (1A)
【0028】式(1A)で表されるフッ素含有ヒドロキ
シ化合物の具体例としては、以下の例が挙げられる。
【0029】
【化5】CF3 CH2 CH2 CH2 OH、CF3 CF2
CH2 CH2 CH2 OH、CF3 (CF23 CH2
2 CH2 OH、CF3 (CF25 CH2 CH2 CH
2 OH、CF3 (CF26 CH2 CH2 CH2 OH、
CF3 (CF27 CH2 CH2 CH2 OH、CF3
(CF28 CH2 CH2 CH2 OH、CF3 (CF
29 CH2 CH2 CH2 OH、CF3 (CF211
2 CH2 CH2 OH、CF3 (CF213CH2 CH
2 CH2 OH、(CF32 CFCH2 CH2 CH2
H、(CF32 CF(CF22 CH2 CH2 CH2
OH、(CF32 CF(CF24 CH2 CH2 CH
2 OH、(CF32 CF(CF26 CH2 CH2
2 OH、F[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF
2 CH2 CH2 CH2 OH(uは2〜6の整数であ
る。)等。
【0030】式(1)で表される化合物は、容易かつ安
価に入手可能な化合物である。式(1)で表される化合
物は、1種であってもよく、2種以上の混合物であって
もよい。2種以上の混合物である場合には、ポリフルオ
ロアルキル基の炭素数の異なる基の2種以上が存在して
いてもよい。
【0031】本発明においては、上記の式(1)で表さ
れるフッ素含有ヒドロキシ化合物と、式(2)で表され
るカルボン酸誘導体または特定のリン酸化合物とを反応
させる。
【0032】式(2)で表されるカルボン酸誘導体にお
いて、R1 は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基を示し、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特に
メチル基が好ましい。また、X1 は、ハロゲン原子、−
OR10、または−OCOR11(ただし、R10は、水素原
子または炭素数1〜4のアルキル基、R11は、炭素数1
〜4のアルキル基。)を示す。X1 がハロゲン原子であ
る場合には、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、および
ヨウ素原子が挙げられる。
【0033】式(2)で表されるカルボン酸誘導体の具
体例としては、ギ酸、酢酸、酢酸メチル、プロピオン
酸、酢酸クロリド、無水酢酸等が挙げられ、酢酸、酢酸
クロリド、および無水酢酸が好ましい。式(2)で表さ
れるカルボン酸誘導体は1種または2種以上を使用で
き、通常は、1種が好ましい。
【0034】式(1)で表されるフッ素含有ヒドロキシ
化合物と式(2)で表されるカルボン酸誘導体との反応
における両者の量比は、通常の場合、式(1)で表され
るフッ素含有ヒドロキシ化合物の1モルに対して、式
(2)で表されるカルボン酸誘導体の1〜3モルが好ま
しく、特に1.0〜1.5モルが好ましい。
【0035】また、式(1)で表されるフッ素含有ヒド
ロキシ化合物と式(2)で表されるカルボン酸誘導体と
の反応においては、酸触媒を存在させてもよい。酸触媒
としては、特に限定されず、硫酸、パラトルエンスルホ
ン酸等が挙げられる。酸触媒を存在させる場合の量は、
式(2)で表されるカルボン酸誘導体の100重量部に
対して、0.1〜10重量部が好ましい。
【0036】式(1)で表されるフッ素含有ヒドロキシ
化合物と式(2)で表されるカルボン酸誘導体との反応
条件は、原料化合物の種類や目的とする収率等によって
適宜変更できる。通常、反応温度は、0〜200℃が好
ましく、特に50〜150℃が好ましい。また、反応圧
力は、通常は常圧が好ましい。反応時間は、0.1〜1
0時間が好ましい。また、式(2)で表されるカルボン
酸誘導体におけるX1が−OHである場合には、水を除
去しながら反応を進行させるのが好ましい。
【0037】式(1)で表されるフッ素含有ヒドロキシ
化合物と式(2)で表されるカルボン酸誘導体との反応
では、通常は、式(5)で表されるカルボン酸エステル
が生成する。ただし、式(5)においてRf 、Q、およ
びR1 は、上記と同じ意味を示す。
【0038】
【化6】 Rf −Q−CH2 CH2 CH2 OCOR1 (5)
【0039】本発明においては、式(5)で表されるカ
ルボン酸エステルを含む反応生成物を精製してつぎの熱
分解反応に用いてもよく、そのまま、つぎの熱分解反応
に用いてもよく、これらは、目的とする用途や純度等の
諸条件に応じて適宜選択すればよい。
【0040】熱分解反応は、気相反応または液相反応の
いずれであっても実施でき、熱分解温度および反応物の
沸点等の点から気相反応で実施するのが好ましい。
【0041】気相反応で実施する場合の反応装置は、特
に限定されず、通常の気相反応器が好適に用いられる。
反応温度は、通常300〜600℃程度、好ましくは4
50〜550℃である。該熱分解反応は吸熱反応であ
り、反応温度が低いと反応転化率が低くなる傾向があ
る。反応時間は通常0.1〜300秒、特には2〜12
0秒が好ましい。反応時間が短すぎる場合にも、転化率
が低くなる恐れがあり、一方長すぎると副生成物の生成
が多くなるおそれがある。また反応圧力としては、常
圧、減圧、または加圧いずれであってもよく、通常の場
合は、0.5〜5気圧程度がよい。
【0042】一方、本発明においては、上記式(1)で
表される化合物と、式(3)で表されるリン酸誘導体、
五酸化二リン、メタリン酸、ピロリン酸、およびポリリ
ン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の特定のリ
ン酸化合物とを反応させて、つぎに熱分解反応すること
によっても目的化合物が得られる。なお、以下において
「式(3)で表されるリン酸誘導体、五酸化二リン、メ
タリン酸、ピロリン酸、またはポリリン酸」を「リン酸
化合物」と記すこともある。
【0043】式(3)で表されるリン酸誘導体におい
て、X2 、X3 、およびX4 は、それぞれ同一であって
も異なっていてもよく、ハロゲン原子、または−OR12
(ただし、R12は、水素原子または炭素数1〜4のアル
キル基)を示す。式(3)で表されるリン酸誘導体の具
体例としては、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、リン
酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル等
が挙げられるが、これらに限定されない。リン酸化合物
も1種または2種以上を使用できる。
【0044】式(1)で表される化合物と、リン酸化合
物との反応における両者の量比は、通常の場合、式
(1)で表される化合物の1モルに対して、リン酸化合
物の0.3モル以上、特に0.33〜20モルが好まし
い。式(1)で表されるフッ素含有ヒドロキシ化合物と
リン酸化合物との反応条件は、原料化合物の種類や目的
とする収率等によって適宜変更されうる。通常、反応温
度は、0〜200℃が好ましく、特に50〜150℃が
好ましい。また、反応圧力は通常は常圧が好ましい。反
応時間は、0.1〜5時間程度である。
【0045】式(1)で表されるフッ素含有ヒドロキシ
化合物と、リン酸化合物との反応においては、リン酸エ
ステルが生成していると考えられる。たとえば、式
(3)で表されるリン酸誘導体におけるX2 、X3 、お
よびX4 がすべて−OR4 である化合物と反応させた場
合には、式(6)で表されるリン酸エステルが生成する
と考えられる。
【0046】
【化7】 (Rf −Q−CH2 CH2 CH2 O)a PO(OR4b (6)
【0047】ただし、式(6)において、Rf 、Q、お
よびR4 は、上記と同じ意味を示す。aは1〜3の整
数、bは0〜2の整数であり、かつ、a+b=3であ
る。式(6)の化合物は、1種のみが生成することもあ
るが、通常は2種以上が生成すると考えられる。
【0048】式(1)で表されるフッ素含有ヒドロキシ
化合物と式(2)で表されるカルボン酸誘導体またはリ
ン酸化合物との反応における反応生成物は、精製してつ
ぎの熱分解反応に用いてもよく、該反応生成物をそのま
まつぎの熱分解反応に用いてもよく、生成物の使用目的
や純度等の諸条件に応じて適宜選択すればよい。
【0049】該熱分解反応は、気相反応または液相反応
のいずれであっても実施できるが、生成物の沸点および
熱分解反応の反応温度を考慮すると液相反応で実施する
のが好ましい。液相反応で実施する場合の反応装置は、
流通式反応器、バッチ式反応器等が挙げられ、特に限定
されない。反応温度は、200〜400℃、好ましくは
250〜350℃である。また、バッチ式反応器を用い
て反応を行う場合は、反応生成物を蒸留等により抜き出
しながら行うことが望ましい。
【0050】さらに、本発明における熱分解反応を気相
で行う場合、式(2)で表されるカルボン酸誘導体を用
いた反応、および、リン酸化合物を用いた反応のいずれ
の反応による反応生成物を用いる場合においても、不活
性ガスを存在させてもよい。該不活性ガスとしては、窒
素あるいは希ガス類が挙げられ、扱いやすさおよび入手
しやすさ等の点から窒素あるいはヘリウムが好ましい。
【0051】不活性ガスを存在させる場合の量は、特に
限定されず、多すぎる場合には回収率が下がる恐れがあ
るため、通常の場合、反応物中に50%濃度(体積濃
度)程度以下を同伴させるのが好ましい。
【0052】また、式(1)で表されるフッ素含有ヒド
ロキシ化合物と式(2)で表されるカルボン酸誘導体ま
たはリン酸化合物との反応においては溶媒を存在させて
もよい。溶媒としては活性水素を有していない不活性な
溶媒が好ましいが、溶媒の除去や処理の問題があるた
め、存在させないのが好ましい。
【0053】該熱分解反応によって式(4)で表される
フッ素含有不飽和化合物[以下、フッ素含有不飽和化合
物(4)と記載することもある]が生成する。ただし、
フッ素含有不飽和化合物(4)においてRf およびQ
は、上記と同じ意味を示す。
【0054】
【化8】Rf −Q−CH2 CH=CH2 (4)
【0055】フッ素含有不飽和化合物(4)の具体例を
以下に挙げるが、これらに限定されない。
【0056】
【化9】CF3 CH2 CH=CH2 、 CF3 CF2 CH2 CH=CH2 、 CF3 (CF23 CH2 CH=CH2 、 CF3 (CF25 CH2 CH=CH2 、 CF3 (CF26 CH2 CH=CH2 、 CF3 (CF27 CH2 CH=CH2 、 CF3 (CF28 CH2 CH=CH2 、 CF3 (CF29 CH2 CH=CH2 、 CF3 (CF211CH2 CH=CH2 、 CF3 (CF213CH2 CH=CH2 、 (CF32 CFCH2 CH=CH2 、 (CF32 CF(CF22 CH2 CH=CH2 、 (CF32 CF(CF24 CH2 CH=CH2 、 (CF32 CF(CF26 CH2 CH=CH2 、 F[CF(CF3 )CF2 O]u CF2 CF2 CH2
H=CH2 (uは2〜6の整数を示す。)等。
【0057】上記の特定の方法で得られたフッ素含有不
飽和化合物(4)は、ケイ素原子に結合した水素原子を
1個以上有するヒドロシリコーン化合物とを反応させて
ケイ素原子に結合したRf −Q−CH2 CH2 CH2
基を有するフッ素含有シリコーン化合物とする。本発明
の方法によれば、入手が容易で安価な原料からフッ素含
有不飽和化合物(4)を高収率で合成し、さらにフッ素
含有不飽和化合物(4)を以下の反応に付すことで目的
のフッ素含有シリコーン化合物に効率的に合成できる。
【0058】ケイ素原子に直接結合した水素原子を1個
以上有するヒドロシリコーン化合物としては、シリコー
ン化合物の分子中にSi−Hを1個以上有する公知ない
しは周知の化合物が採用されうる。該ヒドロシリコーン
化合物は、シリコーン化合物の構成単位として、Ra
SiO2/2 単位、(Rb2 HSiO1/2 単位、HSi
3/2 単位等のヒドロシロキサン単位を含むシリコーン
化合物が好ましい。ここで、Ra およびRb は、1価の
炭化水素基を示し、炭素数1〜3のアルキル基、C6
5 −、またはC65 CH2 CH2 −が好ましく、特に
メチル基が好ましい。
【0059】また、ヒドロシリコーン化合物が、ヒドロ
シロキサン単位以外のシロキサン単位を含む場合、(R
c3 SiO1/2 単位、(Rd2 SiO2/2 単位、R
e SiO3/2 単位を含むのが好ましい。ここで、Rc
e は、1価の炭化水素基を示し、特に、炭素数1〜3
のアルキル基、C65 −、またはC65 CH2 CH
2 −が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
【0060】ヒドロシリコーン化合物は、環状、線状
(直鎖状または分岐状)、樹脂状のいずれの構造であっ
てもよく、線状の化合物が好ましく、特に直鎖状の化合
物が好ましい。
【0061】本発明におけるヒドロシリコーン化合物と
しては、式(7)の平均組成式を有するヒドロシリコー
ン化合物が好ましい。
【0062】ただし、式(7)において、aは0<a<
4であり、bは0≦b<4であり、cは0<c<4であ
り、0<a+b+c<4である。また、R2 は1価の有
機基を示し、1価の炭化水素基が好ましく、特に、炭素
数1〜3のアルキル基、C65 −、またはC65
2 CH2 −が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
式(7)で表される平均組成式を有するヒドロシリコー
ン化合物としては、下式(7A)または式(7B)で表
される直鎖状のヒドロシリコーン化合物、式(7C)
(ただしpは1以上の整数を示す。)で表される分岐状
のヒドロシリコーン化合物等が挙げられ、式(7A)ま
たは(7B)で表されるヒドロシリコーン化合物が好ま
しい。
【0063】
【化10】 (H)a+c(R2)bSiO(4-a-b-c)/2 (7) (R2)3SiO・[Si(R2)2O]q・[SiH(R2)2O]s・Si(R2)3 (7A) (R2)3SiO・[Si(R2)2O]q・[SiH(R2)2O]r・Si(R2)3 (7B) [H(R2)2SiO]2Si(R2)O(CH2)pOSi(R2)[OSi(R2)2H]2 (7C)
【0064】ただし、上記の式(7A)〜(7C)にお
いて、R2 は、上記と同じ意味を示し、メチル基が好ま
しい。qは0以上の整数、rは1以上の整数、sは2以
上の整数を示す。また、式(7A)および式(7B)に
記載される化合物のシロキサン単位の連なり方は、ブロ
ック状またはランダム状のいずれの連なり方も含む表現
であるものとする。他の表現においても同様である。
【0065】ヒドロシリコーン化合物と、フッ素含有不
飽和化合物(4)との反応(以下、ヒドロシリレーショ
ンと記す)においては、ケイ素原子に直接結合する水素
原子へRf −Q−CH2 CH=CH2 の付加が起こり、
ケイ素原子に直接結合するRf −Q−CH2 CH2 CH
2 −基を有するフッ素含有シリコーン化合物が生成す
る。
【0066】ヒドロシリレーションにおいては、化合物
(4)が、Rf 基と不飽和基[−CH=CH2 ]の間に
結合基(−Q−CH2 −)を有する化合物であることが
重要である。結合基が存在しない化合物、例えば、C8
17CH=CH2 のような化合物においては、ヒドロシ
リコーン化合物への付加反応はきわめて進行しにくい。
【0067】ヒドロシリレーションにおいては、触媒を
存在させるのが好ましい。触媒としては、遷移金属を含
む触媒が好ましく、白金、ロジウム、コバルトを含む触
媒が特に好ましい。反応温度は、通常の場合、0〜10
0℃程度が好ましく、反応時間は0.5〜10時間程度
が好ましい。触媒の量は、通常反応系中に1〜100p
pm程度が好ましい。
【0068】ヒドロシリレーションにおいては、ケイ素
原子に結合したRf −Q−CH2 CH2 CH2 −基を有
するシリコーン化合物が生成する。なお、以下におい
て、ケイ素原子に結合したRf −Q−CH2 CH2 CH
2 −基を有するシリコーン化合物をまとめて「フッ素含
有シリコーン化合物」と記す。フッ素含有シリコーン化
合物の構造は、ヒドロシリコーン化合物の構造、フッ素
含有不飽和化合物(4)との量比、および反応条件によ
り、種々の構造となる。
【0069】例えば、フッ素含有不飽和化合物(4)に
ヒドロシリコーン化合物の過剰当量を反応させた場合
(以下、反応条件1と記す)には、ケイ素原子に結合し
たRf−Q−CH2 CH2 CH2 −基およびケイ素原子
に結合した水素原子を1個以上有するフッ素含有シリコ
ーン化合物が生成する。ただし、反応条件1におけるヒ
ドロシリコーン化合物は、ケイ素原子に結合した水素原
子を2個以上有することが必要である。反応条件1は、
式(4)の化合物の量を、ヒドロシリコーン化合物の1
当量に対して、0当量超1当量未満とする条件であり、
0.3〜0.8当量が好ましい。
【0070】一方、ケイ素原子に結合した水素原子を1
個以上有するヒドロシリコーン化合物にフッ素含有不飽
和化合物(4)の過剰当量を反応させた場合(以下、反
応条件2と記す)には、ヒドロシリレーションが充分に
進行し、ヒドロシリコーン化合物におけるシリコーン原
子に結合した水素原子の実質的に全てがRf −Q−CH
2 CH2 CH2 −基となったフッ素含有シリコーン化合
物、すなわち、ケイ素原子に結合したRf −Q−CH2
CH2 CH2 −基を有し、かつ、ケイ素原子の結合した
水素原子を実質的に含まないフッ素含有シリコーン化合
物が生成する。反応条件2はフッ素含有不飽和化合物
(4)の量を、ヒドロシリコーン化合物の1当量に対し
て1当量以上とする条件であり、1.1〜2当量が好ま
しい。
【0071】反応条件1で生成するフッ素含有シリコー
ン化合物としては、平均組成式(8)で表される化合物
が好ましい。式(8)で表される化合物は、直鎖状また
は分岐状のいずれの化合物であってもよく、直鎖の化合
物が好ましい。
【0072】ただし、式(8)において、Rf 、Q、お
よびR2 は前記と同じ意味を示し、0<a<4、0≦b
<4、0<c<4であり、かつ0<a+b+c<4であ
る。また、ヒドロシリコーン化合物として、前記の式
(7A)で表される直鎖状の化合物ヒドロシリコーン化
合物を用いて、反応条件1にしたがってヒドロシリレー
ションを実施した場合、式(8A)で表される化合物が
得られる。ただし、式(8A)において、Rf 、Q、R
2 、およびqは、前記と同じ意味を示す。sは2以上の
整数を示し、fはs>fであり、かつ、1以上の整数を
示す。式(8A)の化合物は、Qが単結合である場合の
式(8B)の化合物が好ましい。ただし、式(8B)に
おいて、Rf 、R2 、q、s、およびfは、前記と同じ
意味を示す。
【0073】
【化11】 (Rf-Q-CH2CH2CH2)a(H)c(R2)bSiO(4-a-b-c)/2 (8) (R2)3SiO・[Si(R2)2O]q・[Si(CH2CH2CH2-Q-Rf)(R2)O]s-f・[SiH(R2)O]f・Si(R2)3 (8A) (R2)3SiO・[Si(R2)2O]q・[Si(CH2CH2CH2Rf)(R2)O]s-f・[SiH(R2)O]f・Si(R2)3 (8B)
【0074】上記の反応により合成された、ケイ素原子
に結合した水素原子を1個以上有し、かつ、Rf −Q−
CH2 CH2 CH2 −基を有するフッ素含有シリコーン
化合物は、さらに、アセチレン、ブタジエン等と反応さ
せることによって、不飽和基を有し、かつ、Rf −Q−
CH2 CH2 CH2 −基を有するフッ素含有シリコーン
化合物となしうる。例えば、式(8B)のフッ素含有シ
リコーン化合物とアセチレンとを反応させた場合には、
式(9)の化合物が生成する。
【0075】
【化12】 (R2)3SiO・[Si(R2)2O]q・[Si(R2)(CH2CH2CH2Rf)O]s-f ・[Si(R2)(CH=CH2)O]f・Si(R2)3 (9)
【0076】ただし、式(9)において、Rf 、Q、R
2 、q、およびsは、前記と同じ意味を示す。
【0077】分子中に不飽和基を有するシリコーン化合
物は、ケイ素原子に結合した水素原子を有するシリコー
ン化合物の架橋剤として、また、他の化合物で架橋する
ことによって、シリコーン樹脂またはシリコーンゴムと
なしうる。シリコーン樹脂およびシリコーンゴムは、電
気用として、絶縁ワニス、電線用エナメル、ガラス布積
層板、コイル含浸ワニス、電気工業用として、電子回路
の保護塗装または注型用樹脂、半導体の表面処理、ま
た、ガラスファイバー用のクラッド材、剥離剤などとし
て有用である。
【0078】一方、反応条件2で生成するフッ素含有シ
リコーン化合物としては、平均組成式(10)で表され
る化合物が好ましい。式(10)で表される化合物は、
直鎖状または分岐状のいずれの化合物であってもよく、
直鎖の化合物が好ましい。ただし、式(10)におい
て、Rf 、Q、およびR2 は前記と同じ意味を示し、0
<a<4、0≦b<4、0<c<4であり、0<a+b
+c<4である。
【0079】また、ヒドロシリコーン化合物として、前
記の式(7B)で表される直鎖状の化合物を用いて反応
条件2にしたがってヒドロシリレーションを実施した場
合、式(10A)で表される化合物が得られる。ただ
し、式(10A)において、Rf 、Q、R2 は前記と同
じ意味を示し、qは0以上の整数、rは1以上の整数を
示す。
【0080】式(10A)で表される化合物は、Qが単
結合である場合の式(10B)で表される化合物が好ま
しい。ただし、式(10B)においてRf 、R2 、q、
およびrは、式(10A)と同じ意味を示し、R2 は、
1価の炭化水素基が好ましく、特に、炭素数1〜3のア
ルキル基、C65 −、またはC65 CH2 CH2
が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
【0081】
【化13】 (Rf-Q-CH2CH2CH2)a+c(R2)bSiO(4-a-b-c)/2 (10) (R2)3・SiO・[Si(R2)2O]q・[Si(CH2CH2CH2-Q-Rf)(R2)O]r・Si(R2)3 (10A) (R2)3・SiO・[Si(R2)2O]q・[Si(CH2CH2CH2Rf)(R2)O]r・Si(R2)3 (10B)
【0082】反応条件2で合成されるフッ素含有シリコ
ーン化合物は、機能性油として有用である。例えば該化
合物は、コピー機や印刷機等の加熱定着ロール表面にコ
ートすることによって、定着ロール表面に防汚性を付与
できる。これは、特に、コピー機や印刷機におけるオフ
セット現象を防止するのに優れた方法である。
【0083】式(10A)または式(10B)の化合物
を機能性油として用いる場合、分子量は1×103 〜1
×106 の範囲であるのが好ましく、特に5×103
15×103 である場合が好ましい。通常5≦q+r≦
1400、好ましくは20≦q+r≦400程度であ
る。さらにフッ素原子に由来する撥水撥油性、防汚性等
の機能を期待したい場合、フッ素原子の含有量が15〜
90重量%、好ましくは15〜70重量%の範囲となる
ようにqおよびrを選定するのが好ましい。
【0084】さらに本発明のフッ素含有シリコーン化合
物は、冷凍機油・真空ポンプ油等の各種潤滑油、トラン
クション油・ブレーキ油・カップリング油等の各種作動
油、自動車や航空機の計器類・プレイヤーのピックアッ
プなどの防振油、ダッシュポットやショックアブソーバ
などのダンパ油、感熱転写記録受像体、磁気記録媒体・
磁気ヘッド・含浸軸受け等の潤滑剤、剥離剤、離型剤、
複写機、プリンターのロール組成物またはその表面コー
ト剤、シャンプー・リンス・各種メーキャップ化粧料等
への配合剤、各種粉体の処理剤、撥水撥油剤、深色加工
剤、繊維への潤滑付与剤、変圧器油・コンデンサー油・
ケーブル油等の絶縁油、レベリング剤・ブロッキング防
止剤・色むら防止剤・ゆず肌防止剤等としてのプラスチ
ック・塗料などへのポリマー材料への添加剤、ゴム・樹
脂の可塑剤・改質剤、消泡剤、グリース・コンパウンド
の基油、整泡剤、ワックスへの配合油、トナー処理剤、
オイルシール剤、防錆剤、帯電防止剤、曇止め剤、医薬
品への添加剤、つや出し剤等として有用な化合物であ
る。
【0085】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されない。なお例
1〜例8はカルボン酸エステルの合成例であり、例9〜
例14は、フッ素含有不飽和化合物の合成例であり、例
15〜17は、フッ素含有シリコーン化合物の合成例で
あり、例18は参考例である。
【0086】[例1]1リットルの温度計と還流冷却器
を備えた3ツ口フラスコにCF3 (CF27 CH2
2 CH2 OH1042g(2.18モル)と無水酢酸
245g(2.40モル)を仕込み、100℃で5時間
反応させた後、蒸留することによりCF3 (CF27
CH2 CH2 CH2 OCOCH3 1094g(96.5
%収率、沸点107℃/6mmHg)を得た。
【0087】[例2]2リットルの温度計と還流冷却器
を備えた3ツ口フラスコにCF3 (CF27 CH2
2 CH2 OH2300g(4.81モル)と酢酸36
0g(6.0モル)とパラトルエンスルホン酸46g
(0.27モル)を仕込み、100〜130℃で反応さ
せながら、生成した水を留去した。反応器の圧力を徐々
に減圧し最終的に80mmHgにして、水の留去を進め
た。その後蒸留によりCF3 (CF27 CH2 CH2
CH2 OCOCH3 2345g(93.8%収率)を得
た。
【0088】[例3]内径1.27cm、長さ100c
mのインコネル600製反応管を電気ヒーターにより加
熱し500℃とした。例1の蒸留で得たCF3 (CF
27 CH2 CH2 CH2 OCOCH3 を300℃に加
熱した予熱器で気化し、常圧で反応管に導入した。反応
温度は500℃、反応管の滞留時間は60秒であった。
反応粗ガスを冷却し、回収液をガスクロマトグラフ(以
下、GCと記す。)で分析したところ、CF3 (CF
27 CH2 CH=CH2 の生成が認められ、反応転化
率86.5%、選択率89.7%であった。
【0089】[例4〜8]例3と同じ方法で表1に示し
た条件のみを変えて反応を行った。結果を表1にまとめ
て示す。
【0090】
【表1】
【0091】[例9]内径2.54cm、長さ160c
mのインコネル600製U字型反応管を塩浴炉中に浸漬
し、450℃とした。例2の蒸留で得たCF3 (CF
27 CH2 CH2 CH2 OCOCH3 を300℃に加
熱した予熱器で気化し、常圧で反応管に導入した。反応
温度は500℃、反応管の滞留時間は65秒であった。
反応粗ガスを冷却し、回収液をGCで分析したところ、
CF3 (CF27 CH2 CH=CH2 の生成が認めら
れ、反応転化率30.8%、選択率92.4%であっ
た。
【0092】[例10〜13]例9と同じ方法で表2に
示した条件のみを変えて反応を行った。結果を表2にま
とめて示す。
【0093】
【表2】
【0094】[例14]300mlの温度計とト字管お
よびリービッヒ冷却管を備え留出可能にした3ツ口フラ
スコに五酸化二リン32.7g(0.23モル)とCF
3 (CF27CH2 CH2 CH2 OH330g(0.
69モル)を仕込み、150℃で1時間撹拌して完全に
反応させた。反応液の一部を取り、31P−NMRで分析
したところ、CF3 (CF27 CH2 CH2 CH2
PO(OH)2 および(CF3 (CF27 CH2 CH
2 CH2 O)2 PO(OH)に由来すると推定される2
本のシグナルが観測された。 31P-NMR(CD3OD+CF3CF2CH2OH,H3PO4) σ(ppm):−0.8,1.3.
【0095】この反応生成物をさらに260〜280℃
に加熱し、約170℃の留分の生成物を296g回収し
た。GCでの分析の結果、CF (CF27 CH2
CH=CH2 を85.9%、CF3 (CF27 CH=
CHCH3 を3.2%、(CF3 (CF27 CH2
2 CH22 Oを6.3%、およびCF3 (CF2
7 CH2 CH2 CH2 OHを3.0%含有していた。
【0096】[例15]撹拌器、温度計を備えた200
ccの4ツ口フラスコに、式(11)で表される化合物
100gと塩化白金酸のイソプロパノール1%溶液2μ
lを仕込んだ。80℃に昇温した後、例9で合成したC
3 (CF27 CH2 CH=CH2 260gを滴下し
た。反応の進行とともに、内温の10℃程度の上昇が観
察された。4時間後にモノマーの消失を確認し、反応を
停止した。活性炭0.5gを入れ室温で1時間撹拌後、
濾過し、透明なオイルを得た。得られた生成物はNM
R、IRにより式(12)で表される構造であることが
確認され、粘度は150cPであった。 IR:1255cm-1(Si-CH3),1110 〜1000cm-1(Si-O),1100
〜1340cm-1(C-F).1 HNMR σ (ppm):0.4-0.7(m,Si-CH2-C),1.7-2.7
(m,Si-C-CH2CH2-).
【0097】
【化14】 (CH3)3SiO・[SiH(CH3)O]20・[Si(CH3)2O]30・Si(CH3)3 (11) (CH3)3SiO・{Si[CH2CH2CH2(CF2)7CF3](CH3)O}20・[Si(CH3)2O]30・Si(CH3)3 (12)
【0098】[例16]例14で得たCF3 (CF2
7 CH2 CH=CH2 193gと例15の式(11)で
表される化合物100gを用いて、例15と同様の反応
条件で反応を実施した。得られた生成物は、NMR、I
Rにより式(13)で表される構造であることが確認さ
れた。
【0099】
【化15】 (CH3)3SiO・{Si(CH3)[CH2CH2CH2(CF2)7CF3]O}16・ ・[SiH(CH3)O]4・[Si(CH3)2O]30・Si(CH3)3 (13)
【0100】[例17]撹拌器、温度計を備えた200
ccの4ツ口フラスコに、例15の式(11)で表され
る化合物100gと塩化白金酸のイソプロパノール1%
溶液2μlを仕込んだ。80℃に昇温した後、例9で合
成したCF3 (CF27 CH2 CH=CH2 128g
を滴下した。つぎにアセチレン1gを吹き込んだ。反応
の進行とともに、内温の10℃程度の上昇が観察され
た。4時間後にモノマーの消失を確認し、反応を停止し
た。活性炭0.5gを入れ室温で1時間撹拌後、濾過
し、透明なオイルを得た。得られた生成物はNMR、I
Rにより式(14)で表される構造であることが確認さ
れ、粘度は160cPであった。
【0101】
【化16】 (CH3)3SiO・{Si(CH3)[CH2CH2CH2(CF2)7CF3]O}10・ ・[Si(CH3)(CH=CH2)O]10[Si(CH3)2O]30・Si(CH3)3 (14)
【0102】[例18]例17のCF3 (CF27
2 CH=CH2 の代わりに、CF3 (CF27 CH
=CH2 を用いて同様に反応を行ったが反応は全く進行
せず、CF3 (CF27 CH=CH2 が回収された。
【0103】
【発明の効果】本発明の製造方法は、特殊な試薬や高価
な試薬を用いる必要もなく、入手容易かつ安価なフッ素
含有ヒドロキシ化合物から、効率的な反応でフッ素含有
シリコーン化合物を高収率で得られる方法である。この
製造方法は、工業的スケールでの反応にも適した、有用
な方法である。
【0104】また、本方法によれば、Rf 基の炭素数が
大である場合にも、収率よく、かつ容易に反応が進行す
る。さらに、原料の量比を変えるだけで異なる構造およ
び機能を有するフッ素含有シリコーン化合物を得られる
利点もある。得られたフッ素含有シリコーン化合物は、
加熱定着ロール用の防汚オイル等の種々の用途に用いう
る有用な化合物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大春 一也 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 藤間 俊彦 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で表されるフッ素含有ヒドロキシ
    化合物と、式(2)で表されるカルボン酸誘導体、式
    (3)で表されるリン酸誘導体、五酸化二リン、メタリ
    ン酸、ピロリン酸、およびポリリン酸からなる群より選
    ばれる少なくとも1種の化合物とを反応させ、つぎに熱
    分解反応して式(4)で表されるフッ素含有不飽和化合
    物とし、該フッ素含有不飽和化合物とケイ素原子に結合
    した水素原子を1個以上有するヒドロシリコーン化合物
    とを反応させてケイ素原子に結合したRf −Q−CH2
    CH2 CH2 −基を有するフッ素含有シリコーン化合物
    とすることを特徴とするフッ素含有シリコーン化合物の
    製造方法。ただし、式(1)〜(4)におけるRf
    Q、R1 、およびX1 〜X4 は、それぞれ下記の意味を
    示す。 Rf :炭素数1〜20の1価のフッ素含有有機基。 Q:単結合または2価の有機基。 R1 :水素原子または炭素数1〜4のアルキル基。 X1 :ハロゲン原子、−OR10、または−OCOR
    11(ただし、R10は、水素原子または炭素数1〜4のア
    ルキル基、R11は、炭素数1〜4のアルキル基。)。 X2 、X3 、X4 :それぞれ、同一であっても異なって
    いてもよく、ハロゲン原子または−OR12(ただし、R
    12は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基。)。 【化1】Rf −Q−CH2 CH2 CH2 OH (1) R1 COX1 (2) (X2 )(X3 )(X4 )PO (3) Rf −Q−CH2 CH=CH2 (4)
  2. 【請求項2】式(1)で表されるフッ素含有ヒドロキシ
    化合物と、式(2)で表されるカルボン酸誘導体を反応
    させて式(5)で表されるカルボン酸エステルとし、該
    カルボン酸エステルを熱分解反応して式(4)で表され
    るフッ素含有不飽和化合物とし、該フッ素含有不飽和化
    合物とケイ素原子に結合した水素原子を1個以上有する
    ヒドロシリコーン化合物とを反応させてケイ素原子に結
    合したRf −Q−CH2 CH2 CH2 −基を有するフッ
    素含有シリコーン化合物とすることを特徴とするフッ素
    含有シリコーン化合物の製造方法。ただし、式(1)、
    (2)、(5)、および(4)におけるRf 、Q、R
    1 、およびX1 は、それぞれ下記の意味を示す。 Rf :炭素数1〜20の1価のフッ素含有有機基。 Q:単結合または2価の有機基。 R1 :水素原子または炭素数1〜4のアルキル基。 X1 :ハロゲン原子、−OR10、または−OCOR
    11(ただし、R10は、水素原子または炭素数1〜4のア
    ルキル基、R11は、炭素数1〜4のアルキル基。)。 【化2】 Rf −Q−CH2 CH2 CH2 OH (1) R1 COX1 (2) Rf −Q−CH2 CH2 CH2 OCOR1 (5) Rf −Q−CH2 CH=CH2 (4)
  3. 【請求項3】式(4)で表されるフッ素含有不飽和化合
    物に、過剰当量のケイ素原子に結合した水素原子を2個
    以上有するヒドロシリコーン化合物を反応させて、ケイ
    素原子に結合したRf −Q−CH2 CH2 CH2 −基お
    よびケイ素原子に結合した水素原子を1個以上有するフ
    ッ素含有シリコーン化合物とすることを特徴とする請求
    項1または2のフッ素含有シリコーン化合物の製造方
    法。
  4. 【請求項4】ケイ素原子に結合した水素原子を1個以上
    有するヒドロシリコーン化合物に、過剰当量の式(4)
    で表されるフッ素含有不飽和化合物を反応させて、ケイ
    素原子に結合したRf −Q−CH2 CH2 CH2 −基を
    有し、かつ、ケイ素原子に結合した水素原子を実質的に
    含まないフッ素含有シリコーン化合物とすることを特徴
    とする請求項1または2のフッ素含有シリコーン化合物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】Rf が炭素数1〜20のポリフルオロアル
    キル基である請求項1〜4のいずれかの製造方法。
  6. 【請求項6】Qが単結合である請求項1〜5のいずれか
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016533408A (ja) * 2013-10-04 2016-10-27 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フルオロアルキルシリコーン組成物

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