JPH0818118B2 - 連続鋳造における湯面変動の制御方法 - Google Patents

連続鋳造における湯面変動の制御方法

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JPH0818118B2
JPH0818118B2 JP16229886A JP16229886A JPH0818118B2 JP H0818118 B2 JPH0818118 B2 JP H0818118B2 JP 16229886 A JP16229886 A JP 16229886A JP 16229886 A JP16229886 A JP 16229886A JP H0818118 B2 JPH0818118 B2 JP H0818118B2
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俊雄 政岡
洋一 丹村
孝志 森
一生 沖本
融 北川
俊雄 手嶋
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日本鋼管株式会社
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、鋼の連続鋳造等において、鋳造条件因子
により鋳型内湯面変動を推定する湯面変動の制御方法に
関する。
[従来の技術] 鋼の連続鋳造においては、タンディッシュ内の溶鋼が
鋳型内の溶鋼に浸漬された浸漬ノズルを介して鋳型内に
注入される。浸漬ノズルの吐出口はノズル本体の軸方向
に対して傾斜しており、この吐出口から溶鋼は吐出され
る。一方、鋳型内湯面上には、鋳型内溶鋼を保温するパ
ウダが浮遊しており、このパウダは溶融すると鋳型と凝
固殻との間に介在して両者間を潤滑する作用も有する。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、このタンディッシュからの溶鋼流によ
り、鋳型内湯面が変動するいわゆる湯暴れ現象が激しく
なると、湯面上のパウダが鋳型内溶鋼中に混入して鋳型
内の凝固界面に捕捉され、鋳片に介在物欠陥を発生させ
る。一方、鋳型内湯面が静か過ぎても、例えば、鋳型と
鋳片との間の溶融スラグによる潤滑が円滑になされない
等の問題点が生じる。
この発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであっ
て、鋳型内の溶湯による湯面の変動を所定の範囲に制御
して高品質の鋳片を製造することができる連続鋳造にお
ける湯面変動の制御方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] この発明に係る連続鋳造における湯面変動の制御方法
は、溶湯容器から浸漬ノズルを介して鋳型内に溶湯を注
入する肉厚スラブ用連続鋳造における湯面変動の制御方
法において、浸漬ノズルからの溶湯の吐出流量Qと、溶
湯流が鋳型内壁に衝突する際の衝突速度v及び衝突速度
θと、並びに溶湯流が鋳型内壁に衝突する位置の湯面か
らの衝突深さDと、の関数として下記数式(1)を用い
て求められる変動指数R(Q,v,θ,D)が1乃至10の範囲
に入るように、鋳造すべき鋳片の断面サイズが決まった
後に、浸漬ノズルの形状を選択し、浸漬ノズルからの溶
湯の吐出流量Qを制御し、浸漬ノズルへのガス吹き込み
量を制御することを特徴とする連続鋳造における湯面変
動の制御方法。
R=ρQv(1−sinθ)/4D …(1) 但し、ρ:溶湯密度(kg/m3)、 Q:溶湯流量(m3/秒)、 v:溶湯の衝突速度、 θ:溶湯の衝突角度、 D:溶湯の衝突深さ(m)。
浸漬ノズルからの噴流が鋳型短辺の内壁に衝突する直
前における噴流の速度をv、2つのうち1つの噴流の質
量をm0(=ρQ/2)、噴流の衝突角度をθとすると、1
つの噴流のもつ運動量はm0v(=ρQv/2)となり、この
垂直方向成分はm0vsinθとなる。さらに、噴流が鋳型短
辺の内壁に衝突した直後においては、噴流は内壁に沿っ
て上方に向かう質量muと下方に向かう質量mdの2つにわ
かれ、それぞれの速度は衝突直前の速度vであるので、
上方に向かう溶湯流の運動量はmuvとなり、下方に向か
う溶湯流の運動量はmdvとなる。垂直方向の運動量保存
の法則から次式が成立する。
m0vsinθ=mdv−muv 上式の両辺からvを消去して次式を導出する。
m0sinθ=md−mu また、噴流の鋳型短辺内壁への衝突前後における質量
保存の法則から次式が成立する。
m0=mu+md よって、これらの関係から上方質量muと下方質量md
それぞれ求めると、次に示す関係が得られる。
mu=m0・(1−sinθ)/2 =ρQ(1−sinθ)/4 md=m0・(1+sinθ)/2 =ρQ(1+sinθ)/4 以上のようにして湯面に直接的に影響を及ぼす上方へ
振り分けられる溶湯流の質量muが求まる。
次に、上方質量muの運動量(muv)は湯面近傍に到達
して湯面を揺らすまでに減衰するので、その減衰係数を
求める。鋳型内壁の衝突点で溶湯流が有していた衝突速
度vは、湯面に到達するまでに鋳型内壁等から受ける摩
擦力によって減衰し、湯面での溶湯流の速度vsとなる。
その減衰の程度を見積もる場合に、厚肉スラブ用の連続
鋳造機では長辺の幅に比べて短辺の幅は無視できないほ
ど広いので、「放射状壁面噴流の速度減衰モデル」を適
用する。このモデルではvs∝1/Dの関係にあり、n=1
となる。減衰係数として1/Dを上方質量muに乗じると、
湯面変動の程度を推定するために導入した概念として変
動指数R(Q,v,θ,D)が上記の数式(1)のように求ま
る。
さらに、この変動指数Rが1乃至10の範囲に入るよう
に、実際の湯面変動を検出し、その検出結果に基づき浸
漬ノズルの浸漬深さ、浸漬ノズルへのガス吹き込み量、
鋳型内溶湯への電磁撹拌強度のうち少なくとも1つを変
更する。これにより溶湯流の垂直上方成分の運動量を低
減させ、湯面の変動を抑制する。
[実施例] 本願発明者等は、鋳型内湯面の変動を支配する因子に
ついて、鋭意研究実験を重ねた結果、浸漬ノズルから吐
出した溶湯流が鋳型内壁に衝突して上方及び下方に分岐
する場合に、この湯面に向かう溶鋼上昇流の運動量が湯
面変動に大きく影響を与えていることに想到した。この
ような溶鋼流の運動量に対応する変動指数R(Q,v,θ,
D)としては、例えば、下記(1)式にて示すものがあ
る。
R=ρQv(1−sinθ)/(4D) …(1) 但し、ρ:溶鋼密度(kg/m3)、 Q:溶鋼流量(m3/秒)、 v:溶鋼の衝突速度(m/秒)、 θ:溶鋼の衝突角度、 D:溶鋼の衝突深さ(m)。
この各溶鋼流動条件を示す因子を第1図に示す。浸漬
ノズル1は鋳型2内の溶鋼3中に浸漬されており、この
溶鋼の湯面上にはパウダ4が浮遊している。この場合
に、溶鋼流の中心の軌跡を矢印5にて示すが、溶鋼は浸
漬ノズル1の吐出口から鋳型内壁に向かってほぼ2次曲
線に沿って流動する。衝突角度θは、溶鋼が鋳型内壁に
衝突する際の溶鋼の流れ方向と、鋳型2の内壁に直交す
る方向とがなす角度として現される。衝突深さDは、こ
の溶鋼が鋳型内壁に衝突する位置と溶鋼湯面との間の距
離である。
浸漬ノズル1の吐出口は通常2個であるが、この場合
に各吐出口から吐出される溶鋼の注入流量はQ/2とな
る。また、衝突前の速度(衝突速度)をvとすると、衝
突時の溶鋼流がもつ運動量はρQv/2となる。衝突後の溶
鋼流は上方へ(1−sinθ)/2、下方に(1+sinθ)/2
と振分けられる。従って、衝突後の上方に向かう溶鋼流
の運動量は、(ρQ/2)(1/2)v(1−sinθ)と現さ
れる。この衝突時に保有していた運動量は、溶鋼流が上
昇して湯面に到達するまでに減衰すると考えられる。こ
のため、溶鋼流が湯面に到達した時に保持している運動
量は、衝突時に保有していた運動量の1/Dn(通常、nは
約1)になると考えられる。従って、鋳型内溶鋼の上昇
流はその湯面において、下記(1)式にて示す運動量を
有している。
R=ρQv(1−sinθ)/(4D) …(1) この(1)式の中で、溶鋼の密度ρは定数として入力
すればよく、流量Qは鋳型鋳片サイズと鋳造速度により
決まる。一方、衝突角度θ及び衝突深さDは浸漬ノズル
1の吐出口からの溶鋼流動の軌跡から求めることができ
る。この軌跡は、浸漬ノズル1の中心から鋳型内壁に向
かう方向をx軸にとり、溶鋼吐出口から下方に向かう方
向をy軸にとって現すと、下記(2)式に示す回帰式に
より近似的に現すことができる。
y=(b1+a1α)G1x2 −(b2+a2α)G2x …(2) 但し、αは、浸漬ノズルの吐出口の傾斜角度(下向きを
正とする)であり、a1、a2、b1、b2は浸漬ノズル形状で
決まる定数である。浸漬ノズルの内壁に溶鋼中の介在物
が付着することを防止するため、浸漬ノズルの内側にAr
ガス等のガスを吹き込むことがあるが、この浸漬ノズル
へのガス吹き込みも、溶鋼の流動軌跡に影響を与える。
この吹き込みガスの量は、前記(2)におけるG1及びG2
に影響を及ぼすが、このG1及びG2は、下記(3)式にて
示される。
但し、θ1は、浸漬ノズルから吐出した直後の溶鋼流
の方向(実質吐出角)であり、Q1は、浸漬ノズルへのガ
ス吹き込み量である。また、c1、c2、m1、m2は浸漬ノズ
ルにより決まる定数である。θ1は、例えば、下記
(4)式にて現すことができる。
θ1=−tan-(dy/dx),(x=0.1) …(4) 回帰式(2)は、種々のα、Q、θ1及びQ1につい
て、連続鋳造の溶鋼流動をシミュレートする水モデル実
験によりその流動軌跡を求め、そのデータを下に回帰計
算を実施して求めることができる。この回帰式は浸漬ノ
ズルの形状によって異なる。つまり、浸漬ノズルは、第
2図に示すように、溶鋼がノズルの軸方向に対して傾斜
した下方にそのまま吐出される逆Y型、及び、第3図に
示すように、溶鋼が一旦ノズル底部に落下した後斜め下
方に吐出されるプール型等がある。また、その吐出口の
形状が円形のもの又は角形のもの等があり、その傾斜角
度も異なる。このように浸漬ノズルの形式が異なること
によって、吐出溶鋼流の流動軌跡が異なるので、前記流
動軌跡の回帰式は各ノズル形状毎に求めておく必要があ
る。なお、前記(2),(3)式の各定数はプール型の
円形状孔を有する浸漬ノズルについて下記の如くにな
る。
Q=0.005〜0.012m3/秒 Q1=0〜3.3×10-4m3/秒 a1=0.003 a2=0.01466 b1=0.1779 b2=0.2684 c1=0 c2=0.3551 m2=1.2739 水モデル実験により観察された溶湯の流動をビデオカ
メラにより記録し、この記録結果に基づいて求めた流動
軌跡のプロットと、その回帰式の一例を第4図に示す。
第4図において、横軸は浸漬ノズル中央からの水平距離
xであり、縦軸は溶鋼吐出開始点からの深さである。第
4図は溶湯流量が4.98トン/分の場合であり、第4図
(a)、(b)及び(c)は、夫々、浸漬ノズルの吐出
口の傾斜角度αが−15°、−35°及び−45°の場合のデ
ータである。これらのグラフ図から明らかなように、回
帰式と実験データとはよく対応しており、実験データの
回帰式からのバラツキは小さい。従って、各ノズル毎に
このような回帰式(回帰曲線)を求めておくことによ
り、浸漬ノズルから吐出した溶鋼の流動軌跡を推定する
ことができる。つまり、各タンディッシュに2個の浸漬
ノズルが設置されている場合には、各浸漬ノズルの中心
から鋳型壁までの距離は鋳型の鋳造断面の幅寸法wの1/
4であるから、xを(1/4)wとして前記(2)式に代入
すれば、衝突深さDはそのときのyの値として求まり、
衝突角度θは下記(5)式から求めることができる。
θ=−tan-(dy/dx),(x=w/4) …(5) 第5図(a)及び(b)は、溶湯流量が3.65トン/分
の場合に、浸漬ノズルへのガス吹き込み量が溶湯の流動
軌跡に及ぼす影響を示すグラフ図であり、(a)は浸漬
ノズルの吐出口の傾斜角度が−15°の場合、(b)は−
35°の場合である。この図から明らかなように、ガス吹
き込み量が多くなると、衝突角度θが小さくなると共
に、衝突深さDが浅くなる。このため、前記(1)式か
ら明らかなように、ガス吹き込み量が多くなると、湯面
変動を現す変動指数Rが大きくなり、湯面変動が激しく
なることが推定される。換言すれば、ガス吹き込み量を
調節することにより、湯面変動を多少調整することもで
きる。
次に、流速vの回帰式について説明する。浸漬ノズル
からの吐出流の流速vは下記(6)式で現すことができ
る。
v={d+fQ/(60S)}L-k …(6) 但し、S;浸漬ノズル内断面積(m2) L;流動軌跡に沿う吐出口からの距離(m) k;浸漬ノズルの形状で決まる定数(0.4〜0.7) d,f;浸漬ノズルで決まる定数 但し、円形状の吐出口を有するプール型浸漬ノズルの
場合は、dが0.01703であり、fは0.09152である。
θ=−tan-{dy/dx},x=w/2 …(7) この速度の回帰式も水モデル実験による観察結果によ
り求めることができる。第6図にこのようにして求めた
回帰式の曲線を水モデル実験により求めたデータと共に
示す。第6図から明らかなように、前記(6)式により
衝突速度vを求めることができる。
以上のようにして、各鋳造条件因子を下に、衝突角度
θ、衝突深さD及び衝突速度vが求まる。そして、この
データを前記(1)式に代入すると、変動指数Rを算出
することができ、この変動指数Rの大小により鋳型内溶
鋼湯面の変動を推定することができる。第7図は、横軸
にこの変動指数Rをとり、縦軸に水モデル実験により求
められた湯面変動をとって、両者の関係を示すグラフ図
である。この図から明らかなように、変動指数Rと湯面
変動量との間には、極めて強い相関関係が存在し、鋳造
条件因子により決まる変動指数Rを下に、湯面変動量を
高精度で推定することができる。湯面変動量を1乃至7m
mの範囲にすることが鋳片品質上必要であるから、変動
指数Rは1乃至10の範囲、好ましくは2乃至7の範囲に
入ることが必要である。このため、鋳造すべき鋳片の断
面サイズが決まった後に、変動指数Rがこの所定の範囲
に入るように、浸漬ノズルを選択し、又は鋳造の溶鋼流
量等の鋳造因子を適宜選択する。
[発明の効果] この発明によれば、連続鋳造において、鋳型内溶湯の
流動に起因する湯面変動を、溶湯流の運動量を含む変動
指数Rにより、高精度で推定することができる。このた
め、適宜の鋳造条件因子を修正することにより、この変
動指数Rが所定範囲に入るようにすることができ、その
結果、湯面変動を常に最適範囲内にすることができるか
ら、高品質の鋳片を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は変動指数Rを説明する図、第2図及び第3図は
浸漬ノズルを示す断面図、第4(a)図乃至第4(c)
図は流動軌跡の回帰曲線の正当性を示すグラフ図、第5
図(a)及び第5図(b)は浸漬ノズルへのガス吹込み
の影響を示すグラフ図、第6図は速度の回帰曲線の正当
性を示す示すグラフ図、第7図は変動指数Rと湯面変動
との関係を示すグラフ図である。 1;浸漬ノズル、2;鋳型、3;溶鋼、4;スラグ
フロントページの続き (72)発明者 沖本 一生 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 北川 融 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 手嶋 俊雄 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶湯容器から浸漬ノズルを介して鋳型内に
    溶湯を注入する厚肉スラブ用連続鋳造における湯面変動
    の制御方法において、浸漬ノズルからの溶湯の吐出流量
    Qと、溶湯流が鋳型内壁に衝突する際の衝突速度v及び
    衝突速度θと、並びに溶湯流が鋳型内壁に衝突する位置
    の湯面からの衝突深さDと、の関数として下記数式
    (1)を用いて求められる変動指数R(Q,v,θ,D)が1
    乃至10の範囲に入るように、鋳造すべき鋳片の断面サイ
    ズが決まった後に、浸漬ノズルの形状を選択し、浸漬ノ
    ズルからの溶湯の吐出流量Qを制御し、浸漬ノズルへの
    ガス吹き込み量を制御することを特徴とする連続鋳造に
    おける湯面変動の制御方法。 R=ρQv(1−sinθ)/4D …(1) 但し、ρ:溶湯密度(kg/m3)、 Q:溶湯流量(m3/秒)、 v:溶湯の衝突速度、 θ:溶湯の衝突角度、 D:溶湯の衝突深さ(m)。
JP16229886A 1986-07-10 1986-07-10 連続鋳造における湯面変動の制御方法 Expired - Lifetime JPH0818118B2 (ja)

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