JPH08182494A - 固体培地 - Google Patents

固体培地

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JPH08182494A
JPH08182494A JP7019468A JP1946895A JPH08182494A JP H08182494 A JPH08182494 A JP H08182494A JP 7019468 A JP7019468 A JP 7019468A JP 1946895 A JP1946895 A JP 1946895A JP H08182494 A JPH08182494 A JP H08182494A
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JP
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medium
water
solid medium
culture
absorbent resin
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JP7019468A
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Masanao Umebayashi
正直 梅林
Tetsuya Ishii
徹弥 石井
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学的安定性に優れ、無機塩類などの電解質
の影響を受けることなく一定の保水効果を示す、各種植
物組織や微生物、動物細胞などに対して生育、分化阻害
を起こすこと無く好適な培養環境を与える吸水性樹脂を
用いた固体培地を提供する。 【構成】 ゲル化剤として非イオン性の吸水性樹脂を用
いることを特徴とする固体培地、特に植物の組織培養用
の固体培地または好熱菌、好酸菌、好アルカリ菌または
好塩菌用の固体培地。 【効果】 本発明によれば、植物の組織培養用および特
別な条件を必要とする微生物培養用の固体培地として優
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非イオン性で化学的安
定性に優れ、無機塩類などの電解質の影響を受けること
なく一定の保水効果を示す、各種植物組織や微生物、動
物細胞などに対して生育、分化に対して阻害を起こすこ
と無く好適な培養環境を与える吸水性樹脂を用いた固体
培地および植物の組織培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来培地のゲル化剤としては寒天、アガ
ロース、アガロペクチン、ゲランガム、κ−カラギーナ
ンなどが用いられている。しかしながらこれら天然由来
のゲル化剤を用いるとこれらの中に含まれる未同定の微
量成分は、しばしば細胞の増殖や分化を阻害する事が知
られている。そのためこれらの阻害物質を除くために培
地に活性炭を入れるような手段が講じられていた。また
天然物質であるが故にその原料、精製方法等によりロッ
ト間、製造メーカーなどにより品質に差がでてくる上に
高価であるので、はなはだ使用に困難をきたしていた。
さらに寒天は塩濃度やNH4 +、H2 PO4 -イオンが高い
ほど、また培地のpHが低い(pHが約5以下)ほど固
まりにくく培地の硬さを一定にするには事前に検討が必
要で、寒天の最適濃度を求めておく必要があった。
【0003】また寒天をゲル化するには一度85℃以上
に加温し、その後38℃以下まで冷やしていた。そのた
め、例えばシャーレ中にゲルを作成するにはまだ培地が
液体の状態であるうちにシャーレに流し込む必要があ
り、作成に手間と時間がかかり、特にラージスケールで
の培養には不適であった。寒天は培地全体がゲル化され
ているため、培養組織で生産される老廃物質や有害物質
の拡散速度が小さく、細胞の種類によってはその毒作用
によって全く培養が困難になる場合もあった。そして培
地中に温度に不安定な物質を混入させる必要がある場合
も、その作製過程で高温になるため寒天では困難であっ
た。また寒天ゲルは不透明で細胞の観察に支障をきたし
ていた。さらには寒天の一度固まった培地は凍結保存が
出来ず、寒天を培地中に分散させた状態のまま凍結保存
し、使用の度に加熱し、ゲル化させていた。そのうえ寒
天ゲルは放置することで時間とともに遊離水が発生(離
奬現象)し、細胞の増殖に影響を与えていた。
【0004】一方ゲランガムやκ−カラギーナンがゲル
化するにはCa2+やMg2+などの2価金属イオンが必要
であり、そのゲルの状態は培地中の金属イオンにより変
化してしまう。また培地の広さを自由にかえることも出
来ず、培養途中での吸水が不可能であった。さらに近年
培地に吸水性高分子を添加する方法が提案されている
(特開平3−94624号公報)。しかしながらこの方
法は、培地に少量添加することにより、寒天使用のコス
トを引き下げることを主な目的としており、完全に寒天
の代替とはなっていない。すなわち依然として寒天の欠
点は何ら解決されていなかった。
【0005】
【発明が解しようとする課題】かかる事情から、本発明
は、上記の従来技術の課題を解決し、ゲルの安定性にす
ぐれ、酸性、アルカリ性、高温などを含めた通常の各種
環境下でも一定の吸水倍率を示す非イオン性の吸水性樹
脂を、培地のゲル化剤として用いることにより、細胞の
生育、分化の阻害がなく、低いpHや高いpH、高濃度
の塩類や養分を含む固体培地の調製が容易になり、培養
の途中で栄養分や薬剤などの溶液を添加でき、また人工
のゲル化剤であるので、天然のゲル化剤にみられるよう
な微量不純物による再現性の低下が抑えられ、さらには
寒天などに比べはるかに短時間に、そして簡便、安価に
培地を作成することを可能とするものである。特に植物
の組織培養用および特別な条件を必要とする微生物培養
用の固体培地を可能にするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この様な実情に鑑み、鋭
意検討を重ねた結果、実質的にN−ビニルアセトアミド
系架橋体が培地のゲル化剤として、細胞の生育、分化の
阻害がなく優れた効果を発揮することを見出し、本発明
を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、ゲル化剤として非イ
オン性の吸水性樹脂を用いることを特徴とする固体培地
に関し、特に植物の組織培養用や好熱菌、好酸菌、好ア
ルカリ菌または好塩菌の培養用の固体培地に関する。さ
らに、上記の吸水性樹脂が一般式(1) CH2 =CHNR1 COR2 (1) [式中、R1 およびR2 は、それぞれ同一でも相異なっ
てもよく、水素原子またはメチル基を示す。]で表され
る化合物の(共)重合体架橋物である固体培地に関す
る。
【0008】さらに、上記の吸水性樹脂がpH2〜11
の範囲の水溶液の吸液倍率が10倍以上である固体倍地
に関し、また、吸水性樹脂が固体培地に対して0.1〜
4%(w/v)である固体培地に関する。また、さらに
本発明はN−ビニルアセトアミドの重合体架橋物または
共重合体架橋物であって、pH2〜11の範囲の水溶液
の吸液倍率が10倍以上である吸水性樹脂をゲル化剤と
して固体培地に対して0.1〜4%(w/v)含有させ
る植物の組織培養方法に関する。以下、本発明を詳しく
説明する。上記のような吸水性樹脂を固体培地のゲル化
剤として用いることにより、細胞の成育や分化に対して
阻害がなく、種々の環境条件(熱、酸、アルカリ、塩な
どの過酷な条件も含む。)で使用できる固体培地および
組織培養方法を提供する。
【0009】本発明のゲル化剤を用いることにより、培
地中の塩類や栄養分などの成分およびpHによるゲルの
物性の変化が無いために、様々な培地を容易にゲル化す
ることができるようになる。このことは特に好酸、好塩
基の微生物や高度好塩菌、海洋微生物、藻類等の培養に
最適であると言える。また、高濃度の塩を含むグラジエ
ントプレートの調製が本発明により可能となる。さらに
は寒天のように高温で液状化することがないので高熱菌
の培養にも好適に使用される。本発明によれば吸水性樹
脂の添加濃度によりゲルの硬さを自由に変えることがで
きる。細胞の増殖は培地の硬さによりかなり影響を受け
るので、培地の硬さを容易に調製できることの効果は絶
大である。そのうえ培養の途中で栄養分や薬剤などの溶
液を添加でき、培地の広さも自由に変えられる。また人
工のゲル化剤であるので、天然のゲル化剤にみられるよ
うな微量不純物による再現性の低下が抑えられ、またゲ
ルは透明となるので細胞の観察が容易となる。
【0010】一方、通常使用されている滅菌などの温度
条件に対して耐熱性があるので、滅菌によるゲル物性の
変化はない。たとえば熱に不安定な物質を培地に添加し
たい場合、ゲルは粉末のまま滅菌し、そこにその物質を
含む液体状成分を濾過滅菌したものを添加するなどでき
る。また樹脂の大きさを自由にすることが可能であるの
で、例えば粒径を小さくすることで寒天のように全体を
ゲル化するということがなくなる。すなわち培養途中で
ゲルをかき混ぜることが可能となり、培養組織で生産さ
れる老廃物質や有害物質を培養途中で拡散することがで
きる。また穿刺培養に用いられるゼラチンの代替も可能
である。さらには高層培養基を調製し、嫌気性微生物の
培養を簡便に行うことも可能である。寒天では寒天の一
度固まった培地は凍結保存が出来ず、寒天を培地と共に
凍結保存し、使用の度に加熱し、ゲル化させていた。し
かしながら本発明の吸水性樹脂を用いると培地を吸液し
たまま凍結保存が可能となる。また本吸水性樹脂は光に
も分解されにくく安定であるのでとくに植物細胞の培養
に適している。さらには寒天などに比べはるかに安価に
培地を作成することができる。
【0011】本発明で用いる吸水性樹脂としては、ポリ
ビニルアルコール系、ポリアクリル酸アミド系、ポリ−
N−ビニルカルボン酸アミド系の非イオン性の架橋物が
適当であり、その中でもポリ−N−ビニルカルボン酸ア
ミド系の架橋物が好ましい。
【0012】特に、前記一般式(1)[式中、R1 、R
2 は前記のとおり。)の重合体架橋物または共重合体架
橋物が好ましく、一般式(1)の化合物としては、N−
ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メ
チル−N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニ
ルアセトアミドが挙げられるが、中でもN−ビニルアセ
トアミドの重合体架橋物または共重合体架橋物が優れた
効果を発揮する。
【0013】原料化合物としては一般式(1)で表され
るN−ビニルアミド化合物のみを架橋剤の存在下に重合
させてもよいが、他のエチレン性不飽和化合物を共重合
させてもよい。この際、一般式(1)のN−ビニルアミ
ド化合物1種以上が原料化合物全体の50モル%以上含
まれることが重要である。50モル%よりも低いと培地
中の塩類、金属イオン等が存在する時の吸液能力が減少
し、かつ化学的に不安定(例えば光などで分解する)と
なり、結果的に吸液能力が低下する。一般式(1)に表
されるような化合物を主成分として得られる重合体は、
従来の高分子電解質であるポリカルボン酸系の吸水性樹
脂と異なり、非イオン系の高分子であるので培地中に含
まれるイオンの存在により吸水倍率が大きく減少するこ
となく、また膨潤し過ぎることもなく、すなわち培地中
成分によりゲル物性に大きな変化を示さないという特徴
がある。
【0014】本発明で一般式(1)で表される化合物
と、共重合されうる化合物としては、たとえば、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエ
チルアクリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド、アクリロニトリル、メ
チルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニ
ルケトン、ビニルアセテート、メチルビニルエーテル、
エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、メチ
ルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメ
タクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチルメタクリレート、メタクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N
−ビニル−2ピロリドン等の化合物が挙げられる。
【0015】本発明で使用される架橋剤は、分子内に2
個以上の不飽和結合を有し、N−ビニルカルボン酸アミ
ドと良好な共重合性を示す化合物であり、以下があげら
れる。1分子内にアリル基を2個以上有する化合物の例
としては、テトラアリルオキシエタンなどのアセター
ル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ペン
タエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリ
トールジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリ
アリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエー
テル、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレ
ングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコー
ルジアリルエーテル、ジアリルエーテル、単糖類、二糖
類、多糖類、セルロースなどの水酸基を1分子内に2個
以上有する化合物から誘導されるポリアリルエーテルな
どのエーテル、ピロメリット酸テトラアリル、トリメリ
ット酸トリアリル、クエン酸トリアリル、シュウ酸ジア
リル、コハク酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マレイ
ン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリ
ル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、1分子
内にカルボキシル基を2個以上有する化合物から誘導さ
れるポリアリルエステルなどのエステル、その他、ジア
リルアミン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリル
シアヌレートなどが挙げられる。また、1分子内にビニ
ルエステル構造を2個以上有する化合物の例としては、
シュウ酸ジビニル、マロン酸ジビニル、コハク酸ジビニ
ル、グルタル酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリ
ン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フマル酸ジビニ
ル、クエン酸トリビニル、トリメリット酸トリビニル、
ピロメリット酸テトラビニルなどのビニルエステル構造
を2個以上有する化合物。
【0016】更にN, N' −メチレンビスアクリルアミ
ド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
トリ(メタ)アクリレート等の、複数個のアクリルアミ
ド構造や( メタ) アクリル基を有する化合物、その他、
ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、(メタ)アクリ
ル酸アリル等の、1分子中に不飽和基を2個以上有する
化合物などがあげられる。これらの架橋剤は一種または
二種以上用いることもできる。
【0017】架橋剤の使用量は、原料化合物に対して、
架橋剤/単量体の比がモル比で、10/90〜0.00
01/99.9999の範囲から選択されるが、1/9
9〜0.0005/99.9995の範囲が特に好まし
い。架橋剤の量が架橋剤/単量体のモル比で、10/9
0より多い場合は得られる吸水性樹脂の架橋密度が高く
なり過ぎるために膨潤率が非常に少なくなり、実質的に
吸水性樹脂としての効果を発揮できない。また、架橋剤
/単量体の比がモル比で0.0001/99.9999
よりも架橋剤が少ないと、架橋にあずからない水溶性あ
るいは親水性の高分子の生成が増大し同様に実質的な吸
水性樹脂としての効果を発揮できない。
【0018】重合プロセスについては必ずしも制限はな
いが、通常は水溶液重合法、逆相懸濁重合法、逆相乳化
重合法等の方法によることが望ましい。例えば、水溶液
重合法としては、水または水と均一に混合可能なメタノ
ール、テトラヒドロフラン、アセトン等の親水性有機溶
媒との混合溶媒中に、モノマー成分、架橋剤を均一に溶
解し、真空脱気あるいは窒素等の不活性ガスによる置換
等により系内の溶存酸素を除去した後、重合開始剤を添
加して共重合させる。重合開始温度は通常−10〜60
℃程度であり、重合時間は0.5〜20時間程度であ
る。また、重合開始剤としては、重合溶媒中に均一に溶
解する過酸化物、有機、無機過酸もしくはその塩、アゾ
ビス系化合物の単独あるいは還元剤との組み合わせによ
るレドックス系のものが用いらる。
【0019】反応生成物は反応に使用した溶媒を含むゲ
ル状であり、通常は回転式カッター等で裁断し、更に、
加熱、減圧等の方法により溶媒を除去して乾燥、その後
必要ならば粉砕分級して粒径数μm〜3mm程度の粉末
とする。逆相懸濁重合法、逆相乳化重合法としては、水
中にモノマー成分、架橋剤を均一に溶解し、これと水に
均一に混合しない有機溶媒中に分散剤、界面活性剤とと
もに懸濁または乳化させて重合反応させる。重合開始剤
としては、必ずしも水溶性のもののみに限らず有機溶媒
中に可溶なものも用いられる。有機溶媒としては例え
ば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の炭
化水素、四塩化炭素、ジクロロエタン等のハロゲン化炭
化水素、アイソパー等の鉱油等が用いられる。
【0020】また、逆相懸濁重合法、逆相乳化重合法で
は分散剤として界面活性剤が用いられ、必要に応じて保
護コロイドが併用される。それらの代表的な例として
は、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタン
モノパルミテート、ポリビニルアルコール、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシ
エチルセルロース等が挙げられる。
【0021】系内の溶存酸素の除去方法や重合開始剤の
使用量は前記と同様である。また、逆相懸濁重合法の場
合には、重合物は通常100μm〜数mmの粒状で得ら
れるので、重合後に重合物を濾過、乾燥、必要ならば粉
砕を行えばよい。重合後に炭化水素と水の共沸を利用し
て重合物からの水の除去を行うこともできる。逆相乳化
重合の場合には、通常重合物の粒径は数μm程度であ
り、炭化水素とのエマルジョンとして重合物が得られ
る。このエマルジョンはそのまま使用することもできる
し、無機塩やアセトン等で重合物を析出させ、濾過、乾
燥をした後に使用することもできる。また、重合反応条
件は必ずしも制限はないが、概ね次の通りである。溶媒
使用量はモノマー水溶液と等量〜20倍、好ましくは等
量〜10倍、特に好ましくは等量〜5倍、重合開始温度
は−10℃〜90℃程度、反応時間は0.5〜20時間
程度である。
【0022】本発明の吸水性樹脂は上記の如く一次的に
は粒径数μm〜数mm程度の粉末状で得られるが、液体
を吸収した状態ではビーズ状あるいは分散液、クリー
ム、糊状粘稠物等であり、また、自体成形して紐状、フ
ィルム状、シート状、板状、各種成形物となり、培養容
器の形状にあわせることも可能である。本発明の吸水性
樹脂は、脱イオン水を自重の10〜2000倍吸液する
ことができる。pH2〜10の範囲において10倍以上
吸液することが好ましい。従って各種のカルス、微生物
などのpH2〜11の培地が好ましいが、pH1〜11
の培地で使用できる。吸液倍率の測定方法としては、該
架橋重合体0.20gを脱イオン水2L中に投入して充
分膨潤させた後、200メッシュの金網で作製した箱に
て膨潤した架橋重合体をろ過し、次式により算出でき
る。 吸液倍率=(膨潤した重合体架橋物の重量/0.20)
−1.0
【0023】本発明における吸水性樹脂の添加量は培養
液中に、w/v%で0.1%〜4%の割合で添加され、
特に好ましい範囲は0.4%〜1.5%である。0.1
%より少ないとゲルが柔らかすぎてしまい保形性がよわ
くなり、4%よりも多いとゲルが硬すぎて、どちらにし
ても細胞の生育および分化に影響が出てきてしまう。本
発明のゲル化剤を用いて固体培地を得るには、例えば培
養液とゲル化剤を別々に高圧蒸気滅菌し、その後無菌条
件下混合する方法、予め培養液とゲル化剤を混合し、共
に滅菌する方法などが考えられる。
【0024】本発明では必要により、寒天、アガロー
ス、アガロペクチン、ゲランガム、κ−カラギーナンな
ど従来のゲル化剤を添加することもできる。ゲル化に際
しては必要に応じて他の吸水性樹脂を添加することもで
きる。吸水性樹脂の例としては澱粉−ポリアクリロニト
リルグラフト共重合体、架橋ポリアルキレンオキシド、
ビニルエステル−エチレン系不飽和カルボン酸共重合体
ケン化物、自己架橋ポリアクリル酸塩、ポリビニルアル
コール系共重合体と環状酸無水物との反応生成物、ポリ
アクリル酸塩架橋物などが挙げられる。これら吸水性樹
脂の添加量は培地に対して0.1%以下でありこれより
も多いと細胞の分化生育に影響が出でくる。植物の組織
培養で培養されるものとしては例えば、コケ植物、キノ
コ、樹木、藻類、花粉、野菜、花、穀物、イモ類などが
挙げられるがこの限りではない。
【0025】植物の組織培養に用いる代表的な合成培地
としては、ホワイト(White )の培地、ムラシゲ・スク
ーグ(Murashige & Skoog )の培地、リンスマイヤー・
スクーグ(Linsmeier & Skoog )の培地、ナドソンの培
地、ゴートレの培地、エリクソンの培地、塚本・狩野、
ニッチ(Nitsch)の培地、ガンボルグ(Gamborg )らの
培地、ヘラー(Heller)の培地、その他これらの培地を
基本として、その組成を変更したもの等が挙げられる。
【0026】無機合成培地の無機成分の具体例として
は、銅、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウム、イオウ、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデ
ン、塩素、ナトリウム、よう素、コバルト等、更に詳し
くは、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウ
ム、硝酸アンモニウム、リン酸二水素ナトリウム、エチ
レンジアミン四酢酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カ
ルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸ア
ンモニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸マンガン、
硫酸亜鉛、ホウ素、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、
三酸化モリブデン、ヨウ化カリウム、塩化コバルト等が
挙げられる。
【0027】糖類の具体例としては、シュクロース、イ
ノシトール、グルコース等の炭水化物、その誘導体等が
挙げられる。植物成長調製物質の具体例としては、イン
ドール酢酸(IAA )、α−ナフタレン酢酸(NAA )、
2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D )、インドー
ル酪酸(IBA )等のオーキシン類、カイネチン、ゼアチ
ン、ジヒドロゼアチン、ベンジルアデニン(BA)、イソ
ベンデニルアデニン等のサイトカイニン等が挙げられ
る。またビタミン類の具体例としては、ビオチン、チア
ミン、ピリドキシン、パントテン酸、アスコルビン酸
(ビタミンC)、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸、葉
酸等があげられる。
【0028】アミノ酸類の具体例としてはグリシン、グ
ルタミン酸、アスパラギン酸とそのアミド、アルギニン
などが挙げられる。天然物質の具体例としては、カゼイ
ン加水分解物、ココナッツミルク、酵母エキス、麦芽エ
キス、トマトやポテトの抽出物(シボリ汁)等が挙げら
れ、上述した具体例の他、適宜培養に必要な物質を加え
ても良い。一方、本固体培地を用いた植物細胞培養で産
出できる有用成分としては、例えばルグナン、ロパンア
ルカロイド、サポニン、パーオキシターゼ、色素、ニコ
チン、香料、強心配糖体、インドールアルカロイド、ア
イリン、ビンブラスチン、クロキシンなどが挙げられる
がこの限りではない。
【0029】本固体培地を用いて植物の組織培養を行う
方法としては、例えば、培養容器中に適当な量の本吸水
性樹脂をおき、これに必要な量の液体培地を含浸させた
後オートクレーブ等により滅菌操作を行い、自然冷却
後、予め消毒した植物組織の切片を培養容器内の本培地
材上に置床する方法等により行うことが出来る。また、
この培養時の管理方法としては、寒天を使用した場合と
同様であるが、本固体培地を使用した場合には、無菌条
件下での操作において、培養組織の移植操作無しに液体
培地の追加、植物ホルモン剤の添加、液体培地の洗浄お
よび交換を行うことができる。
【0030】また、本固体培地は必要に応じて市販の液
体肥料と組み合わせて幼植物を馴化させるための馴化培
地として使用することができる。この目的で液体肥料と
組み合わせて使用する場合には、例えば、必要な濃度に
調製した液体肥料を点滴、噴霧等の方法あるいは潅水を
かねた方法等により本固体培地に供給する。そしてこの
ようにして調製された馴化培地を使用して幼植物を馴化
するには、例えば、組織培養によって得られた幼植物か
らその組織培養に使用した培地や発根培地を取り除き、
水洗した後、栽培容器内に納めた適当な量の馴化培地で
幼植物の根を包み込むようにして植え込み、適度に遮
光、保湿してハウス内で1週間から1ヵ月間程度馴化を
行う。なお、この馴化時の管理方法についてはパーライ
トやバーミキュライト等を使用する従来の場合と同様で
あるが、本固体培地は適度の保水量に調製することが可
能であるため、通常は腰水等の必要がなく、また、馴化
を終えた幼植物については培地を取り除くことなく、通
常の土耕または溶液栽培等に使用することができる。こ
のように本固体培地を使用して馴化を行うと、幼植物の
根に対して常に適度の保水性と通気性とを与えることが
でき、また、空隙率が高いために灌水後でも培地中にな
お多くの気相部分が残って根の酸欠を防止できる。組織
培養においては、カルスの生育段階に応じて培地成分を
変えることが必要な場合が多く、本発明の固体培地を使
用すれば、固体培地の性能を損うことなく、適宜必要な
成分を添加して所望の培地成分とすることができる。
【0031】以上のように、本固体培地が組織培養の増
殖、分化、発根用培地に使用する固体培地としてだけで
はなく、この組織培養で培養した幼植物の馴化に使用す
る馴化培地としても使用できるので、植物の増殖、分
化、発根からこれによって得られた幼植物の馴化までを
その各過程で使用した液体培地を水洗除去して次の液体
培地を添加するだけで移植操作無しに一貫して行うこと
ができる。そして、このように植物の増殖、分化、発根
から馴化までを一貫しておこなうことにより、幼植物の
損傷を著しく軽減できるほか、組織培養法による種苗生
産時の歩留まりを向上させることが出来、また、馴化後
の植物の生育速度を向上させることができる。
【0032】さらに、馴化を終えた植物体は、本固体培
地を取り除くことなく、通常の土耕、水耕、砂耕、礫
耕、ロックウール栽培等に使用することができる。なお
本発明の固体培地を用いて、植物の鑑賞、植物の栄養、
病理および生理等の研究、育苗、育種、繁殖をおこなう
こともできる。このことで水やりや施肥等のメンテナン
スを行う必要がなくなる。さらには鑑賞用として本発明
の固体培地を用いたとき、透明であるので見栄えがいい
が、さらに着色することにより色のバラエティーが図れ
る。
【0033】本発明の固体培地は、例えば、変形菌類、
酵母、カビ、きのこ、放線菌といった菌類、あるいは好
気性菌、嫌気性菌といった細菌等、各種微生物培養用と
しても用いられる。使用される培地としては、例えば、
種々の基礎培地、あるいは基礎培地に他の添加物を添加
した培地などがある。たとえば、ソルビタン・カゼイン
・ダイジェスト(SCD )培地、ソイビン・カゼイン・ダ
イジェスト培地などの一般菌数測定用の培地、乳糖ブイ
ヨン培地、マッコンキー培地、デスオキシコレート培地
EMB培地などの大腸菌検査培地、ブリリアントグリー
ン培地、キシロース・リジン・デソキシコレート培地、
ビスマス・サルファイト培地、トリプル・シュガー・ア
イロン培地・スルファイト・インドール・モティリティ
培地、リジン・アイロン培地などのサルモネラ菌検査培
地、NAC培地、セトリマイド培地、フルオレスセン検
出用緑膿菌培地、ピオシアニン検出用緑膿菌培地などの
緑膿菌検査培地、フォーゲル・ジョンソン培地、バード
・パーカー培地、卵黄加マンニット食塩培地などの黄色
ブドウ菌検査培地、セルロース培地、コーンミール培
地、Czapek培地、麦芽エキス培地、麦芽エキス−酵母エ
キス培地、合成ムコール培地、M40Y培地、オートミ
ール培地、オートミール・コムギ麦芽培地、ジャガイモ
・ニンジン培地、ジャガイモ・ブドウ糖培地、ジャガイ
モ・ショ糖培地、Sabouraud ブドウ糖培地、V-8 ジュー
ス培地、Weitzman-Silva-Hunter 培地、YpSs培地などの
真菌用培地、Davis 培地、Spizizen培地、Burkholder培
地など各種最少培地、各種選択培地、各種細菌用培地等
がある。培地に添加され得る化合物としては水、アルコ
ール類、グルコースやショ糖、マルトース、ソルビトー
ル、フラクトース、マンノース、グリセリン、その他多
価アルコール類、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
ム、酵母エキス、ブイヨン(肉汁)、ペプトン、アミノ
酸などの炭素源および窒素源、リン酸ナトリウム、リン
酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マ
グネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウム、
Co、Mo、Cu、Fe、Mn、Zn(これらのアンモ
ニム塩、硫酸塩等)などの無機塩類、ペニシリン、クロ
ラムフェニコール、ストレプトマイシン、カナマイシン
などの抗生物質、クマシーブリリアントブルー、ブロム
チモールブルー、ローズベンガルなどの色素、ビオチ
ン、チアミン等のビタミン類、ジャガイモ、ニンジン、
タマネギ等の抽出液、核酸成分、pH調製剤などが挙げ
られるがこの限りではない。
【0034】本発明の固体培地は微生物培養用として、
とくに好熱菌、好酸菌、好アルカリ菌、好塩菌などの極
限環境微生物に対して有用である。具体例としてSulfol
obusacidocaldarius は最高温度85℃、、pHは2か
ら3を至適としておりこの条件下ででは寒天プレートを
作製することは困難である。このような好酸好熱菌の例
としては、古細菌、Thermoplasma acidophilum(培養至
適条件 55〜59℃pH1〜2)、Cyanidium caldar
ium 、Bacillus acidocaldarius (培養至適条件65〜
70℃、pH2〜4)などがある。また同様にファージ
等のウイルスの研究にももちいられ、φNS40、NS
11などの好酸好熱菌のファージ等に使用できる。好塩
菌の例としては、塩蔵魚、塩蔵皮革、塩湖、天日塩から
単離されたHalobacterium sarinarium、Halobacterium
cutirubrum、Halobacterium halobium、塩田から単離さ
れたHalobacterium saccharovorum 、塩水たまりから単
離されたHalobacterium vallismortis、死海の沈澱物よ
り単離されたHalobacterium volcanii、スペインの塩田
から単離されたHalobacterium mediterranei、死海から
単離されたHalobacterium sodomense エジプトのアルカ
リ塩湖から単離されたHalobacterium pharaonis 塩蔵魚
や塩蔵肉から単離されたHalococus morrhuae、ケニアの
アルカリソーダ湖から単離されたNatronobacterium pha
raonis、Natronobacterim gregoryi、Natronococcus oc
cultus、紅海の塩田から単離されたHaloarcula sinaiie
nsis、カルフォルニアの塩田から単離されたHaloarcula
californiae、エジプトのアルカリソーダ湖から単離さ
れたEctothiorhodospira halochloris、塩湖の泥から単
離されたEctothiorhodospira halophila、アルカリソー
ダ湖から単離されたEctothiorhodospira abdelmalekii
、塩蔵ベーコンから単離されたVibrio costicola、塩
蔵肉から単離されたParacoccus halodenitrificans、塩
湖の泥から単離されたSpirochaeta halophila 、粗製塩
から単離されたPseudomonas sp.101、塩漬アンチョビー
から単離されたBacteroides halosmophilus 、Pediococ
cus halophilus、醤油醸造用塩から単離されたMicrocus
halobius、醤油もろみから単離されたMicrococcus var
ians subsp.halophilus、塩蔵魚から単離されたDiploco
ccus gardidarum、好塩菌の保存株から分離されたPlano
coccus halophilus、醤油醸造用塩から単離されたBacil
lus sp.、北海の塩水から単離されたNitrosococcus mob
ilis 、グレートソルト湖の沈澱物から単離されたHaloa
naerobium praevalens 、死海の沈澱物から単離されたH
alobacteroides halobius、Clostridium lortetti、醤
油酵母であるStaphylococcus aureus 、耐塩性酵母であ
るZygosaccharomyces rouxiiなどがある。
【0035】本発明の吸水性樹脂は非イオン性であるの
でこれら低度好塩菌(生育最適塩濃度0.2〜0.5
M)、中度好塩菌(最適塩濃度0.5〜2.5M)、境
界域高度好塩菌(最適塩濃度1.5〜4M)、高度好塩
菌(最適塩濃度2.5〜5.2M)や耐塩菌を培養する
時に用いる以下の培地には好適な材料である。好塩菌の
培地としてはSehgal and Gibbons複合培地、Dundas,Sri
nivasan & Halvorson の合成培地、Webber培地、Katzen
elson and Lochhead培地、Brown and Gibbons 培地、Ab
ram and Gibbons 培地、炭水化物利用性高度好塩菌分離
用集積培地、好アルカリ性高度好塩菌分離用集積培地、
箱型高度好塩菌分離用集積培地、光合成独立栄養高度好
塩菌分離用集積培地、Halo TYEG 培地などが挙げられ
る。同様に培地のpHで、ThiobacillusなどはpH2.
0〜3.0が生育の最適pHであるので本吸水性樹脂が
威力を発揮する。
【0036】本発明の固体培地は各種動物細胞培養用と
しても使用される。使用される培地としては例えば、種
々の基礎培地、あるいは基礎培地に他の添加物を添加し
た培地などがある。たとえば、BME、MEM、DMEM、F12、F10、I
MDM、L-15、McCoy-15A、199、 α-MEM、JMEM、SMEM、RPMI1640、
William-E 等の基礎培地がある。添加されうる物質とし
てはアミノ酸、ビタミン、必須栄養素、無機塩類、細胞
成長因子、細胞接着因子、血清、FBSなどがある。ま
た培養される動物細胞としては、例えば上皮細胞、筋細
胞、骨原細胞、線維芽細胞、内皮細胞、神経細胞などの
正常細胞、ガン細胞、ハイブリドーマなどがある。具体
的には例えばアワヨトウの幼虫由来のSf9 細胞、牛由来
のKU-1細胞、ニクバエ由来のCAF 細胞、ハムスター由来
のCHL 細胞、ヒト由来のHAL-01細胞、BALL-1細胞、HeLa
細胞、NCU-F5細胞など、メダカ由来のOLF-136 細胞、カ
ニクイザル由来のJTC-12細胞、アフリカミドリザル由来
のVerots S3 細胞、マウス由来のFM3A細胞、NIH3T3-3細
胞、ブタ由来のPK15細胞、ウサギ由来のRC2 細胞、ラッ
ト由来のMT-9細胞、サンショウウオ由来のHNS2細胞など
が挙げられるがこの限りではない。
【0037】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定
するものでないことはいうまでもない。
【0038】実施例−1 N−ビニルアセトアミド 200g、テトラアリルオキ
シエタン0.48gを750gの水に溶解し、1Lの三
ツ口セパラブルフラスコにいれた。三ツ口フラスコには
窒素導入管、温度計ホルダーおよび排気管をセットし、
30℃の恒温槽中に浸した。窒素を1L/分の速度で3
0分バブルさせ、溶存酸素を除去した後、2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライドを
0.40gを49.6gの水に溶解したものを反応液に
加えた。フラスコを断熱容器にいれ、窒素流量を0.1
L/分に減少し、静置した。16時間後、ゲル状の内容
物を取り出し、ミンサー(家庭用挽肉器)にて細分した
後アセトンにて脱水し、105℃で5時間乾燥した。か
くして得られた乾燥ゲルを粉砕し、分級して48〜10
0メッシュに整え最終製品(以下、実施例1という。以
後同様とする。)とした。
【0039】実施例−2 N−ビニルホルムアミド100gおよびアクリルアミド
100g、N,N’−ジアセチル−N,N’−ジビニル
−1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン44.80
gを用い、実施例1と全く同様に反応をおこない、ポリ
マーの後処理を行った。
【0040】実施例−3 N−ビニルアセトアミド139.5gおよびメチルアク
リレート60.5g、を750gの水に溶解し、それに
ジビニルベンゼン0.023gを1Lの水に溶解したも
の0.1gを1Lの三ツ口セパラブルフラスコにいれ
た。三ツ口フラスコには窒素導入管、温度計ホルダーお
よび排気管をセットし、30℃の恒温槽中に浸した。窒
素を1L/分の速度で30分バブルさせ、溶存酸素を除
去した後、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリ
ン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライドを0.4
0gを49.6gの水に溶解したものを反応液に加え
た。フラスコを断熱容器にいれ、窒素流量を0.1L/
分に減少し、静置した。その後実施例1と同様にポリマ
ーの後処理を行った。
【0041】比較例−1 N−ビニルアセトアミド81.5gおよびアクリロニト
リル118.5g、N,N’−ジアセチル−N,N’−
ジビニル−1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン
0.1gを実施例1と全く同様に反応を行い、ポリマー
の後処理を行った。
【0042】比較例−2 N−ビニルホルムアミド71gおよびアクリルアミド1
29g、N,N’−ジアセチル−N,N’−ジビニル−
1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン123.2g
を実施例1と全く同様に反応を行い、ポリマーの後処理
を行った。
【0043】比較例−3〜6 市販の吸水性樹脂3種について、実施例1と全く同様に
して行なった。吸水性樹脂について下記に示した。 比較例−3 スルホン塩酸型アクリル系吸水性樹脂 (アクアリック CS:日本触媒化学工業製) 比較例−4 デンプン−アクリル酸グラフト共重合体
中和物 (サンウエット IM−1500:三洋化成工業製) 比較例−5 酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体
ケン化物のNa塩 (スミカゲル S−50:住友化学工業) 比較例−6 アクリル酸塩架橋型吸水性樹脂 (ダイヤウエット AL−III :三菱油化)
【0044】実験例1 各ポリマーの吸液倍率 各溶液にポリマー0.5gを分散させ、2時間静置した
後200メッシュの金網でろ過し、膨潤したゲルの重量
を秤量して求めた。ただし吸液倍率は次の式で与えられ
る。 吸液倍率=(膨潤したゲルの重量−乾燥ゲルの重量)/
乾燥ゲルの重量 1)培地溶液 人工海水(ジャマリンラボラトリー)、MS培地、
好塩性細菌選択培地(NaCl300g、ペプトン1
0g 蒸留水 1000ml)
【0045】
【表1】
【0046】2)pH緩衝液(Britton-Robinsonユニバ
ーサル緩衝液0.12mol ) pH2、3、4、5、6、7、8、9、10、11
【表2】 なお寒天ではpH3以下では固化せず、pH8以上では
褐色に着色した。
【0047】実験例2 植物組織培養 1)植物組織 タバコ培養細胞 Nicotiana tabacum cell line
XD-6 イネ培養細胞 やまひかり幼植物根から誘導 2)容器 100mlの三角フラスコ ふたとしてアルミニウム箔を2枚かさねたものを使用し
た。
【0048】3)培養液 Murashige-Skoog 液(MS液) 4)寒天 対照として、常に植物培地用寒天を0.8%(g/10
0ml)の濃度で使用した。 5)カルスの培養 培地は、培養液で十分膨潤させた後、滅菌のためすべて
オートクレーブ(120℃、2気圧、15分)し、放冷
した後、カルスを移植し、26〜28度の暗所で生育さ
せ、観察した。
【0049】実験例2−1 ポリマー種類による影響 1)試験サンプル 実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2、
比較例3、比較例4、比較例5、比較例6、寒天(0.
8%) 2)試験した濃度 3g/100ml 3)試験方法 タバコカルスおよびイネカルス、培地 20ml、培養
期間 約3週間 4)結果 カルスの生育、顕微鏡による観察、新鮮重、乾物重、コ
ントロールの寒天との比較から、実施例1〜3は寒天培
地とほとんど変わらない生育を示したが、比較例1〜6
ではカルスはほとんど生育しなかった。
【0050】実験例2−2 ポリマー濃度による影響 1)試験した濃度(g/100ml) 0.05、0.1、0.8、3、4、10 2)試験した樹脂 実施例1、実施例2、実施例3および寒天(0.8%) 3)試験方法 タバコカルス、培地 20ml、培養期間 約3週間 4)結果(表) カルスの生長・顕微鏡による観察、新鮮重、乾物重、コ
ントロールの寒天との比較から、樹脂の添加量が低いと
カルスはバラバラになってしまいあまり生育せず色も薄
くなり、逆に多いと最初のうちは寒天と同等もしくはそ
れ以上の生育をするが、次第に生育不良になり堅くちじ
こまった。また顕微鏡による観察では変形や異常な細胞
が多く観察され、新鮮重、乾物重ともに小さかった。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】実験例2−3 培養液添加試験 1)試験したポリマー濃度 3g/100ml 2)試験した樹脂 実施例1、寒天(0.8%) 3)試験方法 タバコカルス、培地 40ml、培養期間 5週間 コントロール 添加を行わないもの 添加の仕方・・・培地の減少量に関わらず、7日毎に2
ml・合計8ml、水またはMS培地をカルスに直接か
からぬように、注射器で添加した。(添加量は、約1g
のカルスを5週間培養すると、6−15gぐらいに生育
すること、培地の吸収量を考慮して設定した。)
【0054】4)結果
【表5】 注)+の数が多いほど良好 * :添加液はわずかに吸収されただけで、培地の上に
分離して留まりカルスは一部浸積された状態になり、生
育が悪くなるものが多かった。 **:添加液は速やかに吸収され、生育は大変良好とな
り、新鮮重、乾物重ともに増加した。4週目以降に生育
の良い順に白化が認められたが、コントロールでは、そ
れ以前に白化してしまっていた。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】 ポリマー培地では、水やMS液を添加する事でカルスの
生育はより良好となり培養をそのまま持続できることが
わかった。また、寒天培地よりも生育がはやかった。
【0057】実験例3 微生物培養試験 1)微生物 耐強酸性糸状菌 HAPM(Penicillium 属) 至適pH:2、培養温度:25℃、菌糸:白色、胞子:
深い灰緑色2)容器 ペトリ皿(50×11cm) 3)培養液 キシランまたはグルコース(C源)1%、ポリペプトン
0.1%、酵母エキス 0.02%、KH2 PO4
0.002%、最終pH 2.0 4)寒天 対照として、細菌培地用寒天を2.0%(w/v)の濃
度で使用した。
【0058】5)培養方法 吸水性樹脂の濃度 3.0g/100ml 培地の調製 寒天とキシランは低pHでのオートクレーブにより分解
されるため、次のように調製した。(100ml調製
時、最終 pH2.0) A:キシランまたはグルコース1gを、50mlの水に
懸濁、溶解した。 B:ポリペプトン0.1g、酵母エキス 0.02g、
KH2 PO4 0.002gを50mlの水に溶解し、2
N−H2 SO4 でpH1.7に調製した。
【0059】a.寒天培地(2.0g/100ml) 1.Aに寒天2.0gを加えたものと、Bを別々にオー
トクレーブした。 2.放冷し、数十度にさがったのち、BをAに加え素早
く混ぜ合わせた。 3.あらかじめ氷冷したシャーレに、2.を素早く分注
し、固まらせた。 b.吸水性樹脂を用いた培地(ポリマーの低pHでのオ
ートクレーブを避けた場合) 1.Aにポリマー2.5gを加え膨潤させたものと、B
を別々にオートクレーブした。 2.BをAに加え、よく混ぜ合わせ、分注した。 c.吸水性樹脂を用いた培地(ポリマーの低pHでオー
トクレーブを行った場合) 1.A+Bにポリマー2.5g加えて膨潤させ、オート
クレーブして分注した。
【0060】実験例3−1 糸状菌の培養 1)試験サンプル 実施例1、実施例2、実施例3、比較例1、比較例2、
比較例3、比較例4、比較例5、比較例6、寒天 2)試験方法 培地を上記に示したように固体培地を調製し、菌糸の生
育を比べるために糸状菌の胞子を接種し、培養して観察
した。 1.糸状菌の胞子および菌糸を滅菌水に懸濁し、胞子を
菌糸からはずし、それをろ過して胞子のみの懸濁液を得
た。(胞子の分離) 2.ヘマトメーターを用い、胞子が1区画数個になるま
で希釈した。 3.用意した平面培地に、2.で希釈した液を0.05
mlずつ加え、コンラージ棒で塗り広げた。
【0061】
【表8】 注)+の数が多いほど生育速度が速く、生育範囲が広
い。 なお比較例では固体培地とはならず(ゲル状ではなくゾ
ル状)となり試験できなかった。また比較例1および2
では菌糸の太さや形態に異常のあるものが認められ、不
均一、蛇行、縮れなどがみられ、キシラン培地でのクリ
アゾーンの確認は困難であった。
【0062】
【表9】
【0063】
【発明の効果】本発明の固体培地は培養の途中で栄養分
や薬剤などの溶液を添加することができるので、寒天な
どとは 使用目的や条件の違う固体培地としての利用が
可能である。また、低いpHや高いpH、高濃度の塩類
や養分を含む固体培地の調製が容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:80)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル化剤として非イオン性の吸水性樹脂
    を用いることを特徴とする固体培地。
  2. 【請求項2】 ゲル化剤として非イオン性の吸水性樹脂
    を用いることを特徴とする植物の組織培養用の固体培
    地。
  3. 【請求項3】 ゲル化剤として非イオン性の吸水性樹脂
    を用いることを特徴とする好熱菌、好酸菌、好アルカリ
    菌または好塩菌用の固体培地。
  4. 【請求項4】 吸水性樹脂が一般式(1) CH2 =CHNR1 COR2 (1) [式中、R1 およびR2 は、それぞれ同一でも相異なっ
    てもよく、水素原子またはメチル基を示す。]で表され
    る化合物の重合体架橋物または共重合体架橋物である請
    求項1、2または3記載の固体培地。
  5. 【請求項5】 吸水性樹脂がpH2〜11の範囲の水溶
    液の吸液倍率が10倍以上である請求項1、2、3また
    は4記載の固体倍地。
  6. 【請求項6】 吸水性樹脂が固体培地に対して0.1〜
    4%(w/v)含有する請求項1、2、3、4または5
    記載の固体培地。
  7. 【請求項7】 N−ビニルアセトアミドの重合体架橋物
    または共重合体架橋物であって、pH2〜11の範囲の
    水溶液の吸液倍率が10倍以上である吸水性樹脂をゲル
    化剤として固体培地に対して0.1〜4%(w/v)含
    有させることを特徴とする植物の組織培養方法。
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